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中学校数学における文字式の理解と指導に関する研究

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Academic year: 2021

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(1)中学校数学における文字式の理解と指導に関する研究 教科・領域教育学専攻. 白 然系 コ ース. M0 7 1 9 4 F 福  本  真  也. 1.研究の日的. があるのである。つまり中学校では、この点が.  中学校の現場で数学を教えてきた者として、. 軽視されているように感じる。. いつも残念に感じていたことがある。それは中.  そこで現状のような「文字式」の学習指導の. 学校に入学してしばらくした時に生徒の口から. 改善ができないかと考えたのが、本研究を始め. よく、小学校の算数はできたのに中学校になっ. たきっかけである。. て数学が苦手になったなどという、あきらめに.  そして、生徒が文字式のよさを理解し、文字. も似た言葉を耳にすることである。. 式を活用する能力を身につけることができるよ.  小学校算数と中学校数学で大きく違う内容と. うになるための示唆を得ることが、本研究の目. いうと、それは「文字式」と「証明」の2つであ. 的である。. ると言われている。.  そのうちr文字式」の学習は、中学校1年から. 2.論文の概要. 始まる。つまり、r文字式」の学習がうまく進め.  第1章では、文字式に対する生徒の理解の現状. られるかどうかが、生徒にとっての中学校数学. について調べるために、r平成19年度全国学力・. のその後の成否を左右するのである。. 学習状況調査」の中学校第3学年数学の問題A及.  そのr文字式」の学習の中で、学校現場にお. びBの調査結果をもとに考察した。その結果、. いて一番時間をかけて指導しているものといえ. 次のことが明らかになった。. ばr文字式の計算」である。特に現場の教師は、. ・文字式の計算、文字式の値を求める問題など. 生徒がこの「文字式の計算」ができないと、後. の、明確に式変形の方針がわかる問題に関して. の数学学習に支障をきたすと捉え、時にはドリ. は、相当数の生徒が良好な学習が達成できてい. ル学習的な方法も含めながら、生徒に教え込も. る。. うとする傾向がある。その結果、生徒は何か訳. ・文字式の意味を読みとったり、また意味を読. の分からない記号を計算することに集中し、文. みとるために必要な形に変形する問題に関して. 字式のよさなど考えることもなく学習している. は、困難な生徒が多数存在する。. ように感じられる。.  第2章では、文字式の理解に関する先行研究を.  しかし、本来文字式というものは、あること. 概観した。. がらを文字式で表現し、また文字式を使って相.  第1節では、文字式使用の意義について、三輪. 手に意味を伝えることができるという点によさ. (1996)による、「文字式利用の図式」をもとに、. 一398一.

(2) 文字式の思考を、r表す」r変形」r読む」という. の研究について考察した。その結果、中学校3年. 視点から考察した。その結果、中学校の教科書. ではr文字式による論証能力」はある程度つい. における文字式の指導の問題点として、「変形」. ているものの、「文字式による論証のもつ一般性. に多くの時間がかけられ、r表す」r読む」指導. についての理解」については、十分な理解が得. 場面が少ないこと、またこれらを1つのサイクル. られていない生徒が多いことを明らかにした。. として捉えられる場面が少ないことが明らかに.  第3章では、文字式の学習に対する指導法につ. なった。. いて述べた。.  第2節では、初めて文字式を使う生徒の理解の.  第1節では、文字式の導入段階における指導に. 過程について調査している、Radford(2001)の研. ついて、教科書での文字式の導入方法を中心に. 究について考察した。その結果、生徒が文字式. 検討した。その結果、次の2点を問題点として指. を使って一般性を表すようになるまでには、具. 摘した。 ・一 ハ性を表す文字・文字式の指導時期が早す. 体的な数・擬変数・自然言語・文字言語という.  ぎる。. 過程をたどることが明らかにされた。また、生 徒が文字式を使って一般性を表せるようになる. ・「表す」「変形」「読む」の指導が別々に行われ. ための有効な指導としては、比喩的な図などを.  ている。. 用いながら自然言語を使っての一般化を活発に.  この問題点の改善策として、全体論的な立場. 行わせること、さらに生徒の思考の深まりを促. からの中学校1年の文字式の導入に関する、岡崎. 進するためには、生徒に対する教師の理解と適. (2003)の授業実践の提案をもとに、学習指導案. 切な助言の必要性があることが示唆された。. を作成した。.  第3節では、文字式の理解の発達段階について.  第2節では、文字式による論証の指導について. 調査している、国宗(1997)の研究について考察. の問題点を2点挙げた。. ・中学校1年においてr文字式による説明」の場. した。その結果、中学校3年の生徒においても、. 「変数」についての理解が不十分な生徒が多い.  面がない。. ・文字式による論証のもつ「よさ」の理解が生. ことが明らかになった。.  第4節では、文字式による論証の理解について.  徒に不足している。. 述べた。指導上の問題点としては、現在の教科.  そして、これらの指導の改善を目指した授業. 書では文字式による論証は中学校2年及び3年に. として、国宗(1997)やNCTM(2000)の教材をもと. おいて学習するが、その指導時間は非常に限ら. に、学習指導案を作成した。. れていることを指摘した。また、生徒の実態と しては、具体的な数ならば説明できるが、文字 式を使うと説明できなくなること、さらに文字 式を使って説明する必要性の理解が乏しいとい う点を指摘した。さらに、「文字式による論証能. 力」及びr文字式による論証のもつ一般性につ. 主任指導教員  崎谷 眞 也. いての理解」について調査している国宗(1997). 指導教員 國岡高宏 一399一.

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