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特別支援学校におけるICFを活用したヒントツールの作成に関する研究

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Academic year: 2021

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(1)特別支援学校におけるICFを活用したヒントツールの作成に関する研究             特別支援教育学専攻             心身障害コース             M07111c             西澤 亨一 I.問題と目的  ICFの視点から指導・支援を行う教員や環境面での 実態も含めた、参加と活動の充実を教育の目標として 「個別の教育支援計画」や「個別の指導計画」を作成. 田・東)」、「障害の重い子どものための指導カリキュラ ム(石部・中司)」、「コミュニケーションの発達と指導 プログラム(長崎・小野)」、「認知発達治療の実践マニ. ュアル(太田・永井)」等、25数の文献を参考とした。. している特別支援学校が増えてきている。特別支援学. そして、視覚的に分かり易くヒントが得られるように、. 校においてICFを活用するには、学校での諸活動の内. ICF関連図を用いて作成した。. 容とICFの分類項目との「適合性」の検討が必要とさ. 2.ツールの使用. れている。このr適合性」の対象として①学習指導要 領、②学習レディネス技能、③情報収集のための書式.  CD−ROMに収納されているヒントツールのフォ ルダを開くと自動的にPower Pohtが起動する。. の項目、④よく用いられる既存検査があげられる(堺,. K口)Sの検査項目である9つの領域のフォルダが表示. 2005)。①については「ICFの考え方を踏まえ、自立 と社会参加を目指した指導の一層の充実を図る観点か ら、子どもの的確な実態把握、関係機関等との効果的. され、簡単なクリック操作でヒントが表示されるよう. に構成したICF関連図にK口)Sの検査項日とICF. な連携、環境への配慮などを盛り込む」伐科省,2008). 動と参加、環境の3因子からヒントを得ることができ. コード、具体的な指導・支援のヒントが記載され、活. と、新しい学習指導要領に関する方向性が示されてい. る。参加では、社会参加を可能なものへとするための、. る。②については、紬柑1993)の運動技能(3項目)、知. 指導・支援の目標として作成したものであり、個別の. 覚技能(21項目)、基本的な概念形成技能(2項目)の技能. 教育支援計画作成のヒントとして活用できる。活動で. とそれぞれの下位項目合計26項目を、堺(2005)がICF. は、参加の因子に記載した目標の達成のため、具体的. の1424項目から、連動技能10項目、知覚技能33項 目、基本的な概念形成技能2項目と合計45項目に整. 別指導計画作成における目標設定のヒントとしても活. 合されたものがあり、参考とすることができる。③に. 用できるものである。環境因子では、参加や活動がし. ついては、伊藤(2007)、松田(2007)、大久保(2007)、. やすい環境をどのように整える必要があるかといった. 下尾@007)らの、それぞれの実践から、効果的な情報. ヒントが記載されている。. な活動や課題を記載しており、指導・支援の方法や国. の収集を行っている事例もある。しかし④の既存検査 とICFを適合させた先行研究は見当たらない。  そこで本研究では、乳幼児発達スケール伍皿S)と. 皿.有効性の検討. 1.目的. ICFとを適合させ、参加を目指した指導や支援のヒン. 作成したヒントツールが、実際の指導や支援、各指. トとなりえるツールの作成と有効性の検討および作成. 導計画作成等に、適切に機能するかを確認する必要が. したツールの修正を行うことを目的とする。. ある。そのためには、ツールが教員によって実際に試 行され、その結果から検討する必要がある。. 2.検討としてのツールの実施. 皿.ツールの作成・使用方法. 特別支援学校教員13名と担任する児童・生徒21名. 1.ツールの作成 K口)Sの検査項目である運動37項目、操作37項目、. を対象とし、2008年4月にK[DSを実施した本ツ. 理解言語37項目、表出言語37項目、概念25項目、 対子ども社会性25項目、対成人杜会性37項目、しつ. ールのヒントを参考に各指導計画・授業計画等を作成、. け25項目、食事22項目の合計282項目をICFの1424. にツールが有用であったか、再度K口)Sを行うととも. 項目と照合し、適合させコードを付ける。次に、検査. に教員ヘツールの使用頻度や使用感等についての聞 き取りを実施した. また、指導や支援のヒントとして使用する。同年8月. 項目とICFのコードから参加と活動を目標とした具 体的な指導や支援のヒントの作成を行った。ヒントは 児童・生徒のそれぞれの発達年齢に対応したものでな ければならないため、「認知・言語促進プログラム(津. 3.ツール実施の結果. 対象とする21名の児童・生徒の、ツールを実施し. た4ヶ月間での発達の変化についてでは、4月と8月. 一228一.

(2) にそれぞれ実施した総合発達得点および総合発達年齢,. 1V.結論. 得点の増減が、21名中14名がプラスの発達の様相を. 1.ツールの修正. 示し、1名がマイナスであった6名に関しては変化 を確認することはできなかった.  児童・生徒の実態によって、ヒント内容が、指導や 目標設定と比較すると、高かったり低かったりしヒン.  また、鰯I1の教育支援計画や個別指導計画について. トをアレンジする必要性があった。そこで、本ツール. では、昨年度の年度初めに各教員が作成した各計画を、. をより活用しやすいものへと修正を行った。. 1年間でどの程度修正や見直しを行ったかの調査を行. 2.総合考察  各指導計画作成や授業、生活の場面で、指導・支援. った。年に1∼3回と回答した教員が8名、学期に2 ∼5回が3名、月に1∼2回が1名、修正や見直しは しなかったと回答した教員が1名であったツールを. を考える際の機会として活用されたり、得られたヒン トをアレンジして使用されたりと、概ね有効に活用で. 使用した期間においての見直しの頻度では、学期に1. きた。児童・生徒の実態に即した指導方法や教育計画. ∼2回と回答した教員が5名、月に1∼2回が3名、 修正や見直し樹〒わなかったとの回答は5名であった. の立案などを、より考えることのできる各教員の知識 や力量、スキル向上の後押しとしても機能できたもの.  ツールの使用感に関しては、「各指導計画や1受業、. と考えられる。ヒントを参考に各指導計画目標の設定. 生活場面で使用でき有用だと思われる。」、r児童・生徒. や授業へ活用をし、その後の達成状況から再ぴアセス. のより充実した参加や活動の在り方を考える機会とな. メントを行い、ヒントを参考に目標設定や授業の修正. った」、rこのツールが標準化されたものになり全国普. と、双方向で見直しができることから、視覚的にもわ. 及され、特別支援教育や関連する団体で活用されるよ. かりやすいICF関連図を使用してツールを作成した. うになるとよいと思われる。しかし、児童・生徒に合. ことは有効であったと考える。. わせてヒントをアレンジすることをしなくなってしま.  また、変化する児童・生徒の実態に即応した教材や. うことを危倶する。」などがあげられていた. 目標設定を行うためには、多くρ文献等を参考とした. 4.有効性の検討に関する考察  4ヶ月という短期問における指導期間で、ヒントが. り、教材研究をしたりする必要がある。「クリック操作. で簡単に行え、ヒントを楽しみながら探せた」という. そのまま使用されたりアレンジされたりしながら、指. エピソードは、より簡便にヒントが得られることで、. 導や支援場面で活用された一例として、ツールを使 用し始める指導開始時期の生活年齢は7歳で総合発達. 教員の日常の業務の軽減にも作用するものであり、見 直しを行える時間的なゆとりをもたらした結果と推測. 年齢1歳4ヶ月の重度の鰭を有する児童の飴、総. される。最後にr子供を活動させるためにどうさせる. 合発達的には3ヶ月の伸長であっても、各領鰯11に確. かを考えていたことから、まず参加に注1ヨすることが. 認すると理解言語が1Oヶ月のプラスの変化が見られ るなど、発達の伸長を期待できるツールであると考え. 大事だ」というエピソードは、ツールが自然と参加に. られる。. いえるものである。.  個別指導計画作成においては、短期日標の設定とし. 3.今後の課題  ヒントツール実施の対象が、指導者13名、担任す. 焦点を合わせていけるものでもあることの裏付けとも. てより考える機会となったとの回答が最も多く、次い で、短期目標のヒントとしてアレンジして使ったがあ. る児童・生徒が21名であった。このことは、ツール. げられている。ツールを使用している期間で、慨■1の. の有効性の信頼度においては必要充分なものであった. 教育支援計画および個別指導計画の修正や見直しを行. かという点において、否めないものがある。今後、ツ. った回数が、1学期中で2∼5回が最も多かったことは、. ールの精度を高める修正を行ったのち、再度実施する. 前年度1年間での修正回数で最も多い1∼3回と比較 すると、非常に多く刎彦正をしていることがうかがえ. にあたっては、より多くの教員及び児童・生徒を対象. る。年度初めに各計画の目標設定を行い、実際の指導・.  また、本ツールはICFべ一スで作成したものである. とする必要がある。. 支援を展開しながら、再度ツールを使用しアレンジし. が、2007年10月にWHOより正式発表された. ながら計画の修正を行っていることは、ツールを媒介. ICF・CY幌童青年期バージョン)をべ一スとしたヒン. としたPDCAサイクルが機能したものと考えられる.. トツールヘとアップグレードさせていくことも、課題. これらのことから、本ツールは有効なものであると考. の一つとしてあげられる。. えることができる。.           主任指導教員芝田裕一.          指導教員芝田裕一. 一229一.

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参照

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