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言語資料としての『雍州府志』

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Academic year: 2021

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(1)Title. 言語資料としての『雍州府志』. Author(s). 吉見, 孝夫; 王, 宗傑. Citation. 北海道教育大学紀要. 人文科学・社会科学編, 49(1): *1-13. Issue Date. 1998-08. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/662. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 次. 例. 『 薙州府志』 の表現形式 の特色. 言語資料とし ての 『 薙州府志』. 北海道教育大学紀要 ( 人文科学 ・社会科学編)第 四十九巻 第 一号. 目. 凡 はじめ に. 第 一章. 中華」 に ついて 「. 第 一節 独特な表現型 第 二節. 平成十年 八月. した。 はじめ に. 吉. 王. 見. 宗. 孝. 傑. 夫. 十巻 十 冊) は山 城国 の地 理、歴史 、社 会、風俗 習慣 な ど に 『 薙州 府志』 (. ついて書 かれた地誌 であ る。江 戸時代 の研究資料とし て様 々な分野 で大 いに. 研究 され、利用され て いる。だ が国語学 研究資料とし てはまだ十分 に認識 さ. れ て お ら ず 、 ほ と ん ど 取 り 上 げ ら れ て いな いの が 今 日 ま で の状 況 で あ る 。 従. 来 の研究 に ついて今 のと ころ、私 の知り得 た のは、僅 かに立川美彦 の 『 京都. 『 薙州府志』 の特徴的な語義. 第 一節 漢語. 学 の古 典 ・薙州府志』 と いう 一書 のみ であ った。 『 京都学 の古典 ・薙 州府志』. 第 二章. 第 二節 和語. は 一九九 五年 八月 に行われた国文学研究資 料館 「 夏期 原典講読 セミナー」 の. いかに解釈す べき か、 いかに焦点を的確 にあわせ得 るかを示した方法 論的 ア. 六年 七月 に発行 されたも のであ る。同書 は 『 薙州府志』を いか に読む べき か、. 講義 録 に基づ いて、 セミナー 「 原典を読 む」 シリーズ第九弾と し て、 一九九. 第 三節 外来語 おわり に. 凡 例. プ ロー チ であ り 、 様 々な 角 度 か ら 『 薙 州 府 志 』 の世 界 を 展 開 し て い る 。. 立 川 は こ の本 の中 で 『 薙州府志』 の序 文を検 証す る上 で、 『 薙州 府 志』 の. ① テキ スト 本 研究 における使 用 テキ ストは臨 川書店 昭和 四十 三年刊行 の影印本 『 新修. 更 に凡例 ・目録 ・絵図 に ついて徹底的 に検証を行 い、最後 に 『 薙州府 志』 の. 著者黒川道祐が書 いた十 三部 の紀行を整理し巡歴地名 のデータを挙げ て いる。. ② 本論 は新字体漢字を用 いたが、引用部分は原文と同じ漢字を使 った。. 表 現に ついて論述をし て いる。 これから の研究 には恐らく唯 一のし かも欠 か. 京都叢書第 十 ・薙州府志』を用 いた。原本 は貞享 三年 (一六 八七)初刻。 ③ 本文を引用す るとき、訓点、音読 符、訓読符も本文 のまま に付 けること に. .←.

(3) . . 宗傑 吉見 孝夫・王. せな い資料と言え よう。 『 薙州府志』 は地誌 であ る。書 かれ て いる内容も 地理 や風物 と 関わり のあ るような ことばかり で、言語 とは多少関連 があ るとし ても研究す るほど のも のと は 思 わ な い のが 大 方 であ ろう 。. しかし、実際上、地誌と し て の 『 薙州府志』 は言語表 現 の上 で大 きな特色 をも って いる。野間光辰 が 『 新修京都叢書第十 ・薙州府志』 の解題 に. 第 一章. 薙州府志』 の表現形式 の特色 『. 第 一節 独特な表現型. 『 倭 俗 二甲 ヲ乙ト イ フ」、 「俗 薙 州府 志』 を 開 いてみ ると 、叙 述 の中 に 「. ニ甲 ヲ 乙 ト イ フ」、 「所 謂 0 0 」 「世 二〇 〇 ト 号 ス」、 「相 俸 0 0 」、 「偉. 言00」など のよう な形が非常 に目立 つのであ る。 こう いう 類似表現を数え. き な 特 徴 と 言 え よ う 。 そ のな か に 「倭 俗 二甲 ヲ 乙 ト イ フ」、 「倭 俗 ニ甲 ヲ 乙. 総 じ てそ の記事 は簡 にし て要を得、間間俗伝 ・異説を紹介 し、時 に語 の と 述 べ て いる よ う に 、 目 を 通 し て み る と 字 や語 の解 釈 や 由 来 に つ いて の説. ト称 ス」 のよう な 「倭 俗 」 に始 ま る型 のほ か に、 「倭 訓 」 「倭 語 」 「倭 音 」. てみたら、約 一千 ヵ所 ほどもあ った。 これは 『 薙州府志』 の言語表現上 の大. 明が実 に豊富 であ る。それ に、 これら の説明 の表 現がと ても特徴的 で、解説. 「 倭歌」 のような類似表現も見ら れる。. 解釈を挿むなどし て、す こぶる興趣 に富 ん でゐる。 ( 解 題、 四). 中 に 「倭 俗 二甲 ヲ 乙 ト イ フ」、 「俗 二甲 ヲ 乙 ト イ フ」、 「所 謂 0 0 」 と いう. こ こ でまず 「倭 俗」 以外 で多 く あ ら わ れ る表 現 型 の例 を 挙 げ て みよう 。. ( 次 にあげ る例文 の項 目 は 『 薙州府 志』 中 の項 目 であ る。 例え ば 「八塩 岡」. 00 ト称 ス」 「 00 ト号 ス」な よう な形を取 るも のが多く 見ら れ る。ま た 「 ど の型 も よ く 見 ら れ る 。 例 え ば 「倭 俗 出 入 之 ノ道 ヲ謂 フレロ ト」 (一、 形 勝 門 ). 居. ( 巻 五、 三 百 七 十 ). ( 巻八、五百八十八). 然 不 し解 二其 ノ義 ラ- ・ ::・ 又 老 少 称 スニ老 若 ー 若 輿 トレ弱 倭 音 相 同. 二 誤 ルレ之 ヲ者 ナリ也. 上- 鳥 羽 クー 此ノ 誤 建 ソニ碑 ヲ於 - 鯉・ 塚 也 鯉 ト輿 トレ恋 倭 語 相 同 シ故 二互 ‘ 処ハ -. 世 義 婦 ノ塔 今 猶 存 ス然 近 1 在 り二壇 ノ上 三 浄 土 宗 :::号 スニ恋 塚 寺 トー. 山トー 者乎. 呼 ピレ之 ヲ称 スニ高 - 今 ハ以 テレ音 ヲ 花- 相- 同 シ故 二 而 言 し之 ノ也 鼻 輿 トレ花 倭 畠叩 ( 巻 一、 七 十 二). 俗 山 岳 突 出 ノ所 ヲ謂 フレ鼻 ト比 二人 身 ノ之 鼻 三 在 り二鴫 龍 之 北 三 :::倭 ・. 高花山」などそれぞれ 『 薙州府志』 の項目 であ る。 ) 「. 芝. 恋塚寺. 高花 山. 所 し有 ル 之神 社 是 ヲ 」 (二、 小倉 明神 ) など であ る。 「 倭俗某 ノ土地 二 氏神 トー 称 スニ このほかに、口承 に基 づ いて書 かれたも のも多 いため、民間語源 やそ の解釈 、 生活 に密着した 日常語 なども数多く 示し て いる。また、和語と華語を比較対 照させ て、解説をし て いる。そ の全十巻 の漢文表 記 によ って私たち に言語研 究 への限りな い材 料を呈示し てくれ る。 本研究 では 『 薙州府志』 の特徴的な語薬 を取り上げ、とく に叙述中 に出 て きた 「 倭俗 二甲 ヲ乙トイ フ」と いう 部分 および これと関連 のあ る部分を取り 上げ、そ の語薬 に ついて分類、分析 、考察を行 い、言語資料とし ての価値を 探 り 、 明 ら か に し た いと 考 え る 。. ( 巻 八、 六百 三). 日兎仁角仁多具美志桶濃底奴計 天水多末良称波月毛 千代 野井 詠 二 倭歌 ー. 也登羅須. 、「 鼻輿花倭語相同」 恋塚寺」例では 「 高花山」例では 「 鯉輿恋倭 右の 「. 倭語」 に ついて の説明 があり、同様 な形 はほかにも多 語相同」と それぞれ 「 く見られ る。.

(4) . . 言語資料としての 『薙州府志』. 俗 俗 二〇0」、 「 所謂0○」 の出 現 は多く 、九 十九語 あ る。 「 こ のほかに 「 俗 称 、 俗 呼 、 俗 謂 ) と いう 形 で 説 明 し た のも 九 十 語 あ っ 二甲 ヲ 乙 ト イ フ」 (. 或ハ 施 火 トー 謂 フニ聖 毒班ノ送 り火 トー 呼フ 是也 三早 腐 トー 磨 砕 煮 作 スレ腐 ト俗 二 中- 華 ノ書 所 謂 白 ふ豆-. 巻 四、 二百六) (. 有 り二儀 俗 ニ 称′ 上 処 処 山 上 三亦 多 ハ 於 浄・ 土・ 寺 山- 1 字ヲ 点 二大 ノ 松 火 ラー. 百有余 慈照寺村 人以二四, 晩斯ノ浄土 1 寺村井 二 六日ノ 毎年七1 月十-. 巻二、百二十五) (. 俗二 児1 童 出 遊 ヲ而 不 ルラレ知 ラニ其 ノ所 し帰 ル謂 /迷 子 トー. 者則チ夢窓園師 之摸範也 内 所謂ル 嵯峨流 ハ 流 四係流是ナリ也其 ノ 巻九、六百五十八) (. :・ ・ :凡 本 朝 作 ルニニ仮 山 三 有 り二両 流 嵯 峨 石 ヲ- 夢 窓 園 師 性 好 ムニ水 -. 億言」 のよう な表現が百 四十 二語出 てきた。 相停」 「 た。 「. 子. 水 石跡. 迷. 腐. 慈 照寺. 豆. ( 巻六、 四百 三十). 倭. 訓. 俸 博. 言 一. 倭 語. 相. 謂. 倭 音 所. 1←. QU. 1←. QU 1i. QU. 7十. 1▲. 7f. Q j. リム. リレ. へ t J. ? J. . ←. 0 2. リム. T I. 5 2. ハ h U T▲. 11. 4 6. 8 7. 8 1. AI. AI. Qソ. . 十 ←. . ▲. u. 房 】 倭 俗 女 子 謂 フニ女 房 トー. リム. 9 9. r o. ( ○ 1 1. 1 十 ▲. n. ? J. T t▲. ^ U 1▲. にJ. . ▲. ハ h U 1▲. Ti. O ^ U 1←. 2 1. 1ー. QU. ?J. 7f. 3 1. T 1. r o. 1←. 1▲. 人. ^ ! ″. 倭. AI. 《V 11. リム ^ 乙. リム 1 1. . ← . ←. r へ り. 人. QU. 世. m. 矯 塾. qリ. にJ 11 1 1. GU. ハ h U O ^ U. 1i クム. AI 41. 0 0. 世. 5 1. 0 9 QU. ハ h U O O. 7f ハ 〇. 【 女. ( 巻 九 、 六 百 五 十 八). ( 巻 六、 四百 三十 二). 統 計. 俗. 十. 射場 之後 園 二 有り二大石 - 俸言 掌ル 家ノ 報恩寺前町也 :::今東 面人・ ニ. 7 8 2. 巻. %. 0 ^ U 1 1. 巻 八. 鵜. 九. 1 1 O O. 巻. . ← ( n U. 七. にU. 巻. n. 六. QU. 巻. 〇. 巻 五. 7f T i. 四. 倭 俗. 巻. ラー 者 ノ在 り二斯 ノ石 ノ陰 三択 見 射 ル者 ノ之 中 ト輿 不 し中 也 斯 石 号 /虎 石トー. 三. 倭俗 二甲 ヲ乙ト称 ス」 の 倭俗 二甲 ヲ乙トイ フ」、 「 に 一番多く見 られるのは 「. 甲 ヲ乙ト称 ス」と いう よう な類似表 現がたく さ ん見え ること であ る。そ の中. 和漢音釈書言字考節 用集』 にも載 って いな い。 『 薙州府志』 に年代的 に近 い 『. 文 明 本 節 用 集 』 及び いな がら、 こ の言 葉 に ついて の説 明 は 一言 も な い。 『. み る と 、 三 百 語 近 く あ る 。 著 者 は こ れ だ け 「倭 俗 」 と いう 言 葉 に こ だ わ って. 倭俗」と いう言葉を取 る箇所 が多く 、数え て こ のよう に項目 の解説中 に 「. \. 巻. ( 巻八、六百六) 井ー 所 謂 ル常 磐 井 :::等 是 …・ :相 停 フ北 京 有 二九 - 在 リニ大 徳 寺 之 南 - ( 巻 八、 六百 四十 六). 二. 茶発;渡二合 g 之 ー日 ,し立 トレ茶 抹‘ 茶井 上殿茶以テニ 立 茶 】倭俗 ニ 【. 巻. 射場町. 常盤井 也. 世 ニ0 0 ト称 ス」 は八十 六 例あ り 、 「世 ほ か に、例 え ば 「世 二〇 0 」、 「 人00」 の例 は十六例挙 げられる。具体的な分布 は表 に記し て いる通り であ る。. 薙州府志』 の 一つの大きな 右 に述 べた よう に、表 現上 に型が見え るのは 『. 一. 倭俗」 の見られる例文 であ る。 よう な形式 であ る。次 にあげる のは 「. 、 特 徴 で あ る と も 言 え る 。 つま り 、 叙 述 中 に 「倭 俗 甲 ヲ 乙 ト イ フ」 「倭 俗 二. 巻. 「倭俗」 とその類似表現の使用頻度 表.

(5) . . 傑 宗 吉見 孝夫・王. 『 大漢和辞典』 には 「 倭俗. 日本 の風俗」と解釈 があり、 用例 に 「 薙州府志、. 古蹟門」 の 一例 「 倭俗 葬場 ヲ 謂フ 」( 三ニ昧トー 注① )を引用し て いる。 そこ で 三百語近く の 「 倭俗」 の現れた文を分析し てみると、そ の記述内容から次 の 二種類 に分けられ る。 一 言葉 の解釈 『 薙 州 府 志』 の中 に現 れ た 「倭 俗 二甲 ヲ乙ト イ フ」、 「倭 俗 二甲 ヲ乙ト称 ス」など のよう な 「 倭俗」 の現れる表 現型を 以下 に 「 倭俗文」と称す る。見 出し語 は 「 倭 俗文」 の中 の説明 され る語 であり、 【 】 で表す。左 の 【 土手 】. 世二 称 /腹帯 地 蔵 トー 娘 至 テ二五1 妊・ 倭 俗- 箇 月 三 必 著 し帯 ヲ結 クレ腹 ヲ. 為 ナリレ不 し使 シテレ下児 ヲ成 大 ナラ上也. ゴヤ. ( 巻 四、 二百 五十九). 【 地蔵院】億言 フ 鹿 苑相園義満 公建二 時義満公斯ノ所構 フ 鹿苑院 - 木屋 ヲ 其ノ 二. ゴ ヤ. ゴ ヤ. 中 二所 ナリ安 置 ルー 也 故 二称 ス二木 屋 ノ地 - 蔵 トー 倭 俗 為 三 家 居 経 営 ノー . 設二 仮 屋 三是 謂 フ二木 屋 トーー :二元在 り二摂 州 昆 陽 寺 三 昆 陽 ト 別二. 輿 二木 - 陽 ラー 屋- 倭 語 相 同 シ故 二 誤 二昆 1 謂 フ二木 屋 トー 也. ( 巻 五、 三百 二). 右の 【 北野宮 】 【 日吉社 】 二例 は神社 の説明 で、巻 二と巻 三に収 め てあり、. こ の二巻 に現 れた 「 倭 俗」 の表 現 型を も つのが九 語 あ る。 【 清帯 寺 】 【 地蔵. を 例 と し て説 明 す る。 「倭 俗 堤 防 日土 手 」、 こ の文 の説 明 に使 用 す る目 的 語は 「 土手」 であり、そ のため に、「 堤防」 で言 い換えた のであ る。だから、. 院】 二例 は寺 院 の説明 で、巻 四と巻 五 の寺 院門 に収 め、 これを含 め 「 倭 俗」. ( 巻 八 、 六 百 十 三). 半 竹】凡 苦 竹 ノ之 外 惣 テ謂 フニ淡 竹 トー又 名 二雷 竹 トー 【 或 合方スニ甜 竹 トー 倭俗 二. 巻六、 四百 五十 二) (. 而 浮 し水 二則 不 し沈 有 りレ便 二遊 J泳三 故 二 倭- 俗或 ハ 称 スニ浮 壷 便 トー. 【 浮 壷 便 】 大・ 瓢 去 り二麺 核 ラー 緊 塞 二其 ノロ ラー 著 二胸 幅 ノ之 間 三 以 テレ緒 ヲ縛 テレ胴 テ. 巻 八、巻九 に現れた 「 倭俗」の文 が比較的 に多く 、合わせ て八十 四語あ る。. に のぼ る。. 巻 六と巻七 の土産門 には 「 倭俗」 の表現型が 一番多く見ら れ、百 四十 二語. あ た る。. 右の 【 豊光寺 】と 【 洲涜町】は巻 八 の古 跡門 に現れ、当時 の名所 の紹介 に. ( 巻八、六百二十八). 【 洲潰町】在りも石神通 三傑南 - 倭俗仮 山ノ 池水 ヲ 謂フ 涜トー 洲- ニ. 之 謂 ヵ乎. 其 所 し出 ス之 利 息 比 スルノニレ子 之 義 ナリ也 豊 光 ハ因 ルノ豊 臣 ノ威 光 三. 【 豊 光 寺 】 倭 俗 出 二金 銭 - 心ハ以 テレ地 ヲ比 ス母 二 而 仮 ルラニ他 ノ地 ラー 称 スニ地 子 ト三口. の表 現型 が十七語あ る。. 見 出 し語 は 【 土 手 】 であ る。 【 立 花 】、 【 木 】 な ど も こ の例 であ 召 上 】、 【 る。次 はこ のよう な 「 倭俗文」 が叙述中 に言葉 の解釈とし て現れた場合 に つ 手 】 倭 俗 二堤 - 防 ヲ日 フニ土 手 トー. い て検 討 し て み よ う 。 【 土. 花】・ ::・ 近世僧専光住 ス 方丈 三斯ノ人得下数品ノ花枝 ヲ 於 一瓶ノ中 二 而 二 摸中山水 之景象 !倭俗 ニ 謂フ 巻 四、 二百 五十 一) 三斗花トー (. ( 巻 一、 三 十 五 ). 【 立. リニ高 貴 ノ之 所 ニ 上 】 倭 俗 高 貴 ノ之 所 ラレ食 是 ヲ謂 フ 其 ノ味 美 而 堪 タ ニ召 シ上 ルー ( 巻 六 、 四百 五 十 六 ). 【 召 レ食 故 二謂 / 召 上 トー ー. 【 木 】倭俗 ニ 毎ニ 物ノ本色而 不し 交し 木ト ( 他ヲ 謂し 巻七、五百 二十七) レ 「 倭俗」 の説明 の内容が神社、寺 院、名所旧跡 、動物、植物、衣、食、住、 生活用品、陵墓 など さまざまな領域 にま で及ん で いる。 日 吉 社 】 在 り二祇 - 【 園 ノ社 西 南 三有 二数 ・ 許 ノ之 事 ー 則 大 衆 各 ノ昇 キ二日士ロノ神 輿 ; ( 巻 二、 百 十 三 ). 来 り棄 二置 テ禁 門 三 而 許 フレ之 ヲ是 ヲ謂 フニ神 輿 振 トー 倭俗等閑 ニ 棄 ルラレ. 之 謂 / 振 棄 ルトー. 【 北野宮 】倭 俗詣二 神悌 ー 謂フ 参ト信心交二 参ル 彼神 ー 之義カ乎 レ ( 巻 三、百 四十七) 【 清 帯 寺 】 在 西 北寺 ノ 前 三 :::有 り二夫 人 安 産 ノ 之警 ー 故二 妊 婦 懸 し帯 ヲ祈 ルレ之 ヲ.

(6) . 言語資料としての 『薙州府志』. 也 称 ス二半 竹 トー. 鴨- 草也 所謂露草 ハ 妬1 鴨妬草】倭俗 ニ 則チ 【 ス. こ こ に 挙 げ た も のは そ の中 の極 一部 だ け で あ り 、 ほ か に も いろ いろ 現 代 の日. 倭俗」 の例 は衣、食 、住と生活必需品 の説明 に当た るも ので、 右 に挙 げた 「 巻六、 四百六十 五) (. 印判 】、【 多】、 常語 に直結す る多く の語を見 いだす ことが でき る。次 に挙げ る 【. 判 トー 判 】 倭 俗 印 ヲ称 / 印 -. ( 巻 六 、 四 百 六 十 六). 巻 七 、 五 百 三 十 四) (. ( 巻七、 五百 三十六). 之 謂 ナリ也 下 し之 ヲ結 者 一所 二囲 綾 而 置 クニ頂 ノ上 -. サゲ. 長髪三是 謂 し添 則 チ結 し之 ,或 ハ 束二 者別 二 】凡倭 俗婦人頭髪稀 少ナル. 是 ヲ謂 フレ作 し眉 竃 突墨 ー 粧 二眉 形 ラー. 是 則 チ剃 ルレ眉 別 二以 二 子ハ 至 二十六 七歳 - 則存 し眉 過 し 眉】倭 俗女-. 】 倭 俗 多 字 為 スニ助 ま叩ノ之 辞 トー. ( 巻 六 、 四百 四 十 九). 、【 、【 、【 、【 、【 太】 獄門】など国語史 の資料と 大工】 立市】 役者】【 【 心】 作眉】. 巻七、 五百 四十) ( ス. 素. 面素. 作 ルレ空 二 所‘ 謂ル 】 倭 俗 毎 ニレ物 ノ不 し雑 し他 ヲ惣 テ謂 フレ素 ト或 ハ. 印 【. 【 素. 巻七、五百二十八) ( 【 多. し て考察 し ても興味深 い。 ( 巻 八、 五百 八十 六). 謡 ノ之 類 是 ナリ也. 三 座ト- 諸蒋ず其 ノー部 ヲ日フ 【一 坐】倭俗毎 二 二. 【 作. ( 巻 六 、 四 百 二十 五 ). 【心. 之侍童在り二天台員言 三称 /喝食トー 俗僧家ノ 【 喝 食 】倭,. 巻九、七百 ; (. 汁 ヲ謂 フニ醤 油 トー 油】倭俗破 -. 「 倭俗文」 に述 べて いる内容 は私たち の日常生活 とも 深 い関連を も って い る。. 【 醤. ( 巻七、 五百 四十九). 工】倭俗造家屋者総称大 工. ( 巻 六 、 四百 三 十 二). 大 【. 噌 】 倭 俗 未 醤 ヲ謂 フニ味 噌 トー. 者亦票曾是 謂 ,し立 ルトレ市 之 買フ 物多衆三 所上冗ル 倭俗毎 ニ 市】凡ソ レ レ. ( 巻七、五百五十八). ( 巻 八、五百 八十). ( 巻八、五百九十二). 風所し 預二 能井 二 歌舞 ÷伎等者専 謂 / 役 者 トー 者 】倭俗近世ノ之流.. ナ リ也 太字)倭俗助語 ノ 之詞 ハ 】(. 【 立. 【 役. 【太. ( 巻六、 四百 五十五). 味 【. 大根トー 為ス 【 大 根 】倭俗羅萄根ヲ ニ. 巻六、四百七十八) (. 今 東ル 目二阿蘭陀圏 - 圭ト二元ト 土 圭】目鳴鐘倭俗謂二土- 【 金トー ふ官歩トー 是謂, 分 五, 里為方片, 銭壱- 倭俗以 黄金壱- 壱 歩 】凡ソ 【 二 ( 巻六、 四百七十九). ) ( 巻 八、六百 二十 一. 獄門トー 獄 門】倭俗目 し 是臭首 ヲ 直称 ス 【 ニ. 巻七、 五百九) (. 膳専ラ 称ス 家 具トー 椀井 ニ 【 家 具】倭俗凡ソ ニ. な ど が 用 いら れ て いる。. 」 謂、日、号、為 、称、是 謂 、作、 「 倭俗」 の説明を行う 述語動 詞 の部分 に 「. ( 巻九、七百 三). , 之中堪二 舞曲 - 者 称 スニ能 大 夫 トー 能ノ 【 能大夫 】倭俗芸,. 、 ( 巻 八、六百 四十 二). ル 温湯 三洗二 浴之三是謂 /産湯トー 時則以二 【 産 湯 】倭俗児産ス. 巻七、五百二十五) (. 巻物トー 長崎港 三之絹棉倭俗称ス 載二 束ル 毎年番瓶所し 【 巻 物 】大凡ソ ニ 【 紙. 乾ス 柿油 三 日二 白 キ強紙三然後塗り二 合二 柿油少許 三続キニ 衣】倭俗糊 二 色 於 テレ是 二両 手 色目赤爾 後晴 天 一夜 露宿 則愛し 如し此数度其ノ モミ. 又称 / 紙 子 トー 採 二和 之 ラー 以 し是 ヲ製 スニ衣 服 ヲ是 ヲ謂 フニ紙 衣 トー. 巻七、五百二十七) (. 【 新. ( 巻 一、 四 十 二) ( 巻 九 、 六 百 四十 七 ). 入字 倭 ニ 訓/ . 入トー 入トニ ー染 為 三 一 諸1 【 入 】倭俗毎 二 色 二 染 為 シ三 - 二. 田 ヲ号 二新 開 トー 開 】倭 俗 墾 - 宅- 敷 】倭 俗 ニ 地 ヲ二謂 屋 敷 トー. 巻九、六百 五十 二) (. 【 屋. 称御 所トー 所ラ 住ル 【 御 所 】倭俗高貴ノ レ 二. にリ.

(7) . . 宗傑 吉見 孝夫・王. ( 巻 一、 六十 一 ). と いう 言 葉 を 解 釈 す る た め に 、 「公 事 」 が 言 い換 え に 用 いら れ た 。 こ こ で は. であ る。 例え ば 、 【 公儀 】 の 「倭 俗 公 事 謂 公 儀 。」 と いう 例 では、 「公 儀 」. だ から、右 四例 の 【 】中 の言葉 は見出 し語 ではなく 、 『 薙州 府志』 の項 目. ( 巻 四 、 二百 五 十 ). 公儀」 は説明 され る語 であ る。先 ほども 述 べたよう に 「 「 言葉 の解釈」 を内. 故二 輿 トレ塩 倭 塞m相 ‐ 志 保 トー 同 シ故 二入 或 ハ 作 ルレ塩 二. 巻 五、 三百十九) (. 容とす る 「 倭俗文」 が圧倒的 に多く、 しかも、説明され る語 には 「 和語」 が. 】 倭 俗 造 ルレ扇 ヲ 是 ヲ謂 プレ折 ト 巻 七 、 五百 三 十 一 ( ). 数多くを占 め て いる。右 三例 には言葉 の解釈と いう より 、 【 八瀬里 】 は 「長. 【 折. 】 倭 俗 崇 テ;男 子 ラー 称 スレ殿 ト 巻 七 、 五百 三十 九 ) (. 髪 の遺 風」、 【 清 帯 寺 】 には 「 帯 を著 け、 腹を 結 ふ」、 【 鏡餅 】 には 「新年 に. 【 殿. 者 】倭俗論争 ノ 時別二 日フ 是非 ラー ニ判者トー 戯 】 倭 俗 婦 人 合 テレ貝 為 スニ遊 戯 トー ( 巻 八 、 五百 八 十 二. 【 判. 【 遊 儀 】倭 俗 公事 ヲ 謂 フニ公 儀 トー. 「 中華」 に ついて. 州 二有 り二洛 陽 一. 凡例、十 一 ( ). 本朝- 以 テ;城 州 ラー 論 スルナリし之 則 薙 州 二 比 スニ薙 州 三 而 以 テニ中 華 ラー 稼 有 り二長 1 安-. が わ か る。. 『 薙州府志』 を読 むと、 「 中華」 と いう 言葉を非常 に頻繁 に使 って いること. 第 二節. 習 慣 の説 明 に あ た る 。 こ のよ う な 語 は ほ か に も いく つか あ る 。. 際 し てお餅 を 飾 る」、 【 燈 寵 】 に は 「中 元 の夜 に燈 寵 を 張 る」 と そ れ ぞ れ. 公 【. ( 巻 七、 五百 四十). また 「 所謂 ーー則 ーー」 のような表 現も、少な いけれど出 現した。 【 鴨 緬草】倭俗 二 所謂露草 ハ 鴨- 則チ 妬- 草也. 以上挙 げ た述語 動詞 の中 に、 一番多く 用 いら れた のは 「 謂、称」 であり、 ほか の述語動 詞は必要 に応じ、言 い換え に使 用され て いる。 二 風俗 習慣 の説明 「 倭俗 文」 の内容 が以上挙 げた 「 言葉 の解釈」 の場合 以外 に、もう 一つ注 目す べき点 があ る。それは言葉 の解釈 ではなく 、 日本 の風俗 や習慣 に ついて の説 明 であ る 。. これが凡例 に書 かれた文 の 一部 で、 『 薙州府 志』 と いう書名 の由来を 示し て いる 。. 【 矢嶋峠】倭俗坂 路 最モ 高キ所 ヲ 謂フ 伏見城 三時矢嶋 氏 レ峠ト豊 臣秀吉公在 二. 八瀬 里】倭 俗牛童 束チニ長. 【 於頂ノ 髪ヲ 上 三垂 ルニ 其末 ヲ 於 背後 三今 長髪則 巻 一、六十 三) ( 其 ノ遣 1 風 ナリ也. 【 清 帯 寺 】倭 俗 妊 1 娘 至 テ二五 1 箇 月 三 必 著 し帯 ヲ結 ツレ腹 ヲ為 ナリレ不 し使 し下児 ヲ成. ( 巻 一、 七 十 八 ). 舘舎 在り二 斯 傍 三故 二 号ス 之ヲ 近世中華黄僧 高泉 所 二再興 スル 之悌 レ 園寺在り二 斯 山三. 頭 】古 へ 寺 第 二世 龍 山禅 師 入 ルレ宋 千し時中 華 ノ人 材 和靖 ノ 建, 仁, 末. 因 執 ルニ弟 子 ノ耀 ラー 斯 ノ人 於 二中 華 三 製 二造 鰹 頭 ラー. ( 巻六、 四百 二十 八). ( 巻八、五百七十八). 院ハ 田- 載 ル早 - 華 『 児 ノ之 所 ナル二乗 居 ルー 也 則中・. 【 悲 田寺】古在 り三京- 師 三今在り二 束 三保 三::;按 ルニ 中華ノ 書繍橋 下巻 二 所し. 【 鍵. ( 巻 四、 二百 五十九). 大 ナリ上也. ( 巻 六 、 四百 三 十 三 ). ( 巻七、 五百 四十). 寵 】倭俗中元夜家 々張 ルレ 燈ヲ 至 ル三 一 十- 四ノ日夜 三故濠造 ル - 種種之 二. 花 片 則 国 而 比 し菰 之 謂 ナリ也. 【 鏡 餅】凡 倭- 俗新・ 年所し用之餅有り二 数品 - 鏡餅 又菱花片菱比二 菱花形 - 【 燈. 也 燈 寵 ラー. 右 のよう な例文は 「 言葉 の解釈」の場合と同じ 「 倭俗」が見 られ るのだが、 違う 点 が 一つあ る。 「 言葉 の解 釈」 の場合 、 一つの言葉をも って 一つの言葉 の解釈 に用 いられ る のが普 通 であ るが、 「 風俗 習慣 の説明」 の場合 、あ る事 が ら に つ い て述 べ る のが 普 通 であ り 、説 明 さ れ る 言 葉 は 存 在 し な い の であ る 。. にV.

(8) . 言語資料としての 『薬州府志』. 『 薙 州 府 志 』 の中 では、 こ のよう に 「中 華 」 の事 例 が断 り なく 語 ら れ て いる 例 が ま だ た く さ ん含 ま れ て いる 。 こ の ほ か に 、 ま た 「中 華 ニイ ハ ユ ル○. ( 巻 七、 五百十 三). 厘厘等 具トー 中華 人今謂, 礁伊 氏牟 具トー 衡】倭俗称 ス 二 ニ. ○」 のよう な表 現型も多く見ら れる。例えば 権 【 ギ ホリ. 中華 所謂ル剤鰍是也 於桜板 三是ヲ 謂 /板木彫トー 書冊ヲ 板木彫 】倭俗鏡 二 【. 倭」を選 ん で使 っ 和」を使 わな いで 「 を使 い分け て いる。どう し て道祐 は 「. 倭俗」と 「 和俗」 に ついて調 べ てみた。 た のだ ろう 。 ここで 「. 「 和」はも と 日本 の旧国名 「ヤ マト」で、今 の奈良県 に相当す る。平安遷都. 倭」 に書 いたが、 元明 天皇 以前 は歴代 の皇 居 のあ る地方 だ った。もともと 「. 大和」を 用 いるこ 大」 の字 を つけた 「 和」 の字 に、「 倭」 に通ず る 「 の時 「. 和」を多く使う よう にな っ と が定 められた。 以後 日本人 が自称 す る場合 、 「. 板木 彫】 の 権衡 】 の 「中華 人」、 【 悲 田寺 】 の 「中華『児 」、 【 造」、 【. 中華製 中華人材」 ・ 「 鰻頭】 の 「 中華黄 僧」、 【 矢嶋峠】 の 「 右 の諸 例、 【. 和」を使 用す る 倭 」を使う と いう わけ でも なく、 「 の対応 にかならず しも 「. 漢音」 に対 し て言う 言葉 であ 倭音 」 は 「 「 和」を多く使 用す る。 例え ば ” 「 唐」と 倭鞍」 は唐様 の鞍 に対 し て倭様 化 したも のを指 す 。 し かし、 「 る。 「. 「倭 」 の付 く 言 葉 は 「唐 」 に対 し て多 く 使 用 さ れ て、 「西洋 」 に対 し ては. 注③ ) 和」両方が用 いられ て いる。( 倭」と 「 た のであ る。したが って、字も 「. 中華」 と いう 言葉 が見 られ る。黒 川道祐 「 中華所 謂剤 鰍氏也」 など共通 に 「. 倭絵」と 「 和絵」 と 二種類 唐絵」と区別す るために、「 例もあ る。例えば、「. 巻七、五百五十) (. 薙州 清」時代 であ ること から、彼 は 『 がこ の本を書 いた江 戸初期は中国 の 「. の表 記 が使 わ れ て いる。 こ のほ か にま た 「和 紙」 「和菓 子」 と か 西 洋 に対. 和. ヤ マト. 大. ( 注④ ). 倭」 て微妙 な ニュアンスの違 いが含ま れ て いるはず である。史書 によ って、 「. 一見、同じ意味を表す 二 つの言葉だが、言葉 の発生、変化、使用範 囲 によ っ. ト 者乎 上之 類タル. 園ハ 本 朝 人皇 帝 都 始 也 故 称 し之 ーノ 日本 ノー1 ー 倭 二- 又作 ニ 名 。今 按 ニ 。 高 祖 起 漢 リ而 名 中漢 世 ヲ。 猶 下文 王 起 ナレ周 ョリ而 名 ヶ二周 ノ世 トー し. 『 和漢音釈書言字考節 用集』 では、 こう書 いてあ る。. をどう受 け取 った のだ ろう 。. 和」 倭」と 「 を類義語 とし て同じ意味と受 け取 る のだ が、江 戸時代 の人 々は 「. 倭俗」と 「和俗」 見当ら なか った。現代 の言語 社 会 に生き て いる私 たち は 「. 現代語 の辞書 で調 べたら、 「和俗」 はほと んど載 って いるが、 「倭 俗」 は. 語 り 伝 え ら れ て いる言 い習 わ し 。. 日 本 で伝 統 的 に 行 わ れ て いる 習 わ し や し き た り 。 ま た 、 日 本 に 古 く か ら. 日本国語 大辞典』 の 「 和俗」 の解釈 は以下 の通り。 『. して 「 和」が多く使用され て いる。. 薙 府 志 』 の中 で、 「清 」 のこと を 「中 華 」 と 呼 ん で いた こと が わ か る。 『. 巻 九 、 六 百 六 十 五) (. 巻 九、 六百六十 四) (. 多 台疋称 ルし唐 ト而 巳 称 ′ 唐 ト於 今 二 謂 二 漢 ト或 ハ 】 倭 俗 称 スニ中 華 -. 倭俗文」も見られる。 州府志』 の中 に次 のよう な 「 【 唐. 【 唐. 外 国 ラー 謂 フレ唐 ト 】倭 俗 称 二. 中国」と いう項目があり、 こ 和漢音釈書言字考節用集』 に 「 又、同時代 の 『 スニ圃 号 三 今 代 称 スニ大 清 トー 本唐 歴 世殊 ニ 夏 並 仝 。 俗 二衣フ 中1 華 。 中・. う 書 いて あ る 。 チウゴク. 中国. ( 注② ) 中華」 が用 いら れ て いる。 中国」 の説 明 に 「 右 の例 によれば、 ここでは 「 中華」 中華」は当時広く使 われ て いたと言え る。黒川道祐も 「 こ のことから 「 と 呼 ん で いた の であ ろう 。 ま た 、 異 国 と し て の 「中 華 」 の こ と を 意 識 に 入 れ. ながら書 かれたと考えられる。 薙州府志』 の中 で、最も多 倭俗」 は 『 前章 の表 に示し て いるよう に、 「 倭俗」 く 用 いられ、重点 が置 かれた言葉 とも言え る。著者黒 川道祐 は特 に 「 倭 」と 「和 」 と いう 言 葉 に つ いて こ だ わ り が あ る よう で、し か も 作 品 の中 で 「. 7十.

(9) . . 傑 宗 吉見 孝夫・王. 載さ れ て いる。 『 漢書』 「地 理志 下」 に 「 楽浪海中有倭 人、分為 百余 国。」 と あり ( 注⑥ )、ま た 『 瀕志』、 「 東夷伝」 に 「 倭、在帯方東南 大海中。依山島. 中国 の史書 の倭国関係記事 は、少 な いと は いえ 、大部分は 「 倭」を 用 いて記. と いう 字は 「 漢」時代 から中国人と朝鮮人が 日本を呼 ぶ名称 とし て使われた。. 『 和 漢 音 釈 書 言 字 考 節 用集』. 『 和漢古諺』. 『 和 漢 名 数 大全 』. 『 和字 正濫抄』. 『 和爾 雅』. 一七 一七 年. 一七 〇 六 年. 一六 九 四年. 一六 九 三成 立 翌 年 刊 行. 一六 九 四 刊 行. ( 注⑦). う 。 作 品 の中 で は こ のよう な 意 図 に つ い て は 何 も 書 か れ て いな いけ れ ど 、 時. を観察 、検討 し、 日本 の言 い習わしやしきたりを説明しよう とした のであ ろ. つまり中華人 の立場 に立 って、外 から 日本を見 るよう な目 で、客観的 に日本. 用 いた のであ る。また、著者 は日本 の言葉、風俗を説 明す ると き に外国人、. て いたと考 え ら れ る。 『 薙 州府 志』 全 十巻 を 調 べ てみた が 「 和」 で 「日本」 と いう 意味を表す 用例 は見 つからな か った。恐らく道祐 は意 識的 に 「 倭」を. 故 に、 黒川道祐 が 『 薙州府志』 を書 いた頃、 「 和」と 「 倭」 の両方を 用 い. 為国 。度 海千 里復 有 国、皆倭 種 。」 ( 注⑥ ) と 述 べる文 があ り 、ま た 『 後漢. m 間隔圏 ヲ 始 為し. 書 ・光武帝紀』 に 「 倭奴」、 『 贋韻』 に 「 倭」 と書 いてあ る。. 『 和漢音釈書言字考節用集』に 倭園 異域之書 ・ 称;二日本 ;日し 倭. これ によ ると、 「 倭」 は 「日本」 の代名 詞と し て中 国 の 『 山海経』 から使. 時中華 のことを参照 に例を挙げ て いることから こ の推論を確 かめ ること が で. い始 めた と な る。 従 って 「倭 語 」 「 倭 人」 「倭船 」 「倭 国」 など の言葉 も 多 く使 われ、 「 倭俗」 も 日本 の習 わし やしき たり、言 い習わ しなど の意味を表. き る。. す 言 葉 と し て用 いら れ て いた 。. 白 川静 の 『 字訓』 には、 「 倭」 に ついてこう書 いてあ る。. 於 一所 三施 ミ狂連 ー 供 二鏡餅 ラニ注連 ハ 則中華 二 所 謂ル 葦 素 ナリ也 是. 之 其 小 ナル者 謂 二温 餅 -或 ハ士 農 工商 共 二案 メニ常 ;所 し用 ル之 器 物 ヲ. 【 葦 素】凡 倭 - 俗新1 年 所 し用 之 餅 二 有 り二数 品 - :::以 テニ其 ノ状 相 似 ラー 称 スレ. 荻生狙棟 は 一六 六 六年 生ま れ 一七 二八年 没 で、黒 川道 祐 は元和未 ー寛 永 初. 荻生狙棟 は倭 の字を用 いることを好まず 、つねに和 の字を用 いた。( 注⑧ ) (一六 二四年前後 ) に生 まれ て、 一六九 一年 に没 し ており、 二人 が生 き て い. 【 舘. ( 巻 六 、 四百 三 十 六 ). 伴 】 倭 俗 侍 二高 貴 ノ之 食 ヲー 謂 フニ相 伴 トー 中- 華二 所- 舘- 謂ル 伴 ノ之 意 乎. ( 巻六、 四百 五十七). ル煙 草 是 也 中 華 ノ人 専 ラ好 ムレ之 ヲ名 テ称 ス煙 ・ ; 酒 トー. リ本草洞詮 二 【 煙 酒 】倭 俗蔦若 謂フ 然其ノ 多波古トー 形状気味小キ異ナ 所し 載 ニ. 豆, 肢也. 之 し然 大 徳 寺 ノ中 真 珠 庵 ノ之 所 。し製 スル也 :::凡 ソ納 豆 ハ 中華 二 所謂ル. 鼓 】 大 豆煮 二 子 等 ノ物 ラー 製 二造 ス 之 ラー 所所 二 有 りレ し之 加 二生 麦 紫 蘇 ノ葉 芥 -. 巻 六 、 四百 三 十 三 ) ( 禁 二不 浄 三 之 謂 ナリ也. 一六八三年前後. 【 豆. た時 代 が前後 四十年 ぐ ら いし かず れ て いな か った こと から 、当 時 「 和」 と 「 倭」 両方 が用 いら れた こと にな る。また、 そ の前後 に出版 された書物 にも 両 方 用 いら れ て い る 。. 『 倭語類解』. 一六九五年. 「 倭」の例 『 倭字古今通例全書』. 一七 〇五年. ニ ハ六 二年. 『 倭訓類林』 「 和」の例 『 和句解』. ( 巻八、六百十七) 右に上げた例 で 「 葦素」「 豆肢」「 舘伴」はそれぞれ 「 煙酒」「 中華 ニイ. O O.

(10) . 言語資料としての 『薙州府志』. ハユル」 と いう 形 であ ら わ れ 、 「倭 」 の国 の言 葉 「相 伴 」、 「欠 餅 」、 「納 豆 」、 「多 波 古 」 を 説 明 す る た め に 、 用 いら れ た も の で あ る 。 こう いう 「中. 筆也 主道晃法親 王之所し. ( 巻 二、百十 二). ( 巻 五、 三百 二十 四). 而 登 ル始 .し目 り小 淵 ー 者 ノ精 進 潔 斎 沿 二清 龍 水 ニー 凡 ソ登 ルレ山 二 【 白 雲 寺 】 ー :・. :・ 至二山上織華表 三通計 五十町 :・. 華表」 のあらわ れたと ころが 織華表」と か 「 このよう な 「 石華表」と か 「. 華 」 の 現 れ た と こ ろを 拾 って み る と 、 つぎ の よ う な 例 文 が 目 に つ いた 。. 末夏 初杜鴇早 道場金蓮寺 中慶松庵 庭三毎年春 . 【 杜鴎松 】在り二四像 ノ. トリヰ」 と訓読 華表」 には 「 ほか にも いく つかあ った。 【 祇 園社 】 の項 の 「. クワヘウ ト. 華表 - 也 ( 注⑨ ) 鳥 居 神門也。唐 云云 二. トリヰ. 節用集」を見 てみよう 。. 文 明本 白 雲寺 】 の項 には 「ク ワ ヘウ」とあ った。 ここで 「 が ついており、 【. 木 王加 馬 聴 二杜 普 麿 院 義 教 公毎 二春 末 - 遷 リニ此 ノ松 三発 スレ音 ヲ ( 巻 八 、 六 百 三 十 四). 古 来 倭 俗 専 ラ愛 二杜 愛 悪 輿 トニ中 華 異 ナリ故 二 鴎 ラー 目 号 スニ杜 鴇 松 トー 春末聴 ニ 其 音 ラー 為 スニ口 実 トー. 本朝茂 其善悪 以テニ上中下三称 ′之 此 色 不′及二 紅 梅 】倭俗毎 ニ 物ノ 【 レ. 「 華表」 と いう 表記 は日本語 とし て普 通 に用 いられず、新しく 入 ってき た言. 唐」 の言葉と し て扱 って いる。 つまり当 時 では、 華表 」 を 「 文 明本 では 「. ( 巻七、 五百 二十九). 京都学 の古 典 ・薙 葉と し て使 用され て いる。 この項 に ついて、立 川美彦 の 『. 称 スレ之 ヲ斯 ノ染 色 元 ト是 働 二中 華 ノ之 方 三 :ー ・ 美 三故 二以 テニ中 紅 -. 右 二例 に書 かれ て いる内 容を よく読 んでみると面白 いこと に気づく のであ. 州府志』も少し触 れ て いる。. 華表」 の漢字を使 い、また、鳥居 の宛 字と 黒川道祐 は、鳥居 の意味 で 「. 倭 」 と 「中 華 」 の日 常 生 る 。 つま り 、 こ の 二 例 は 言 葉 の説 明 で は な く て 、 「 活 と 関 わ り のあ る よう な 習 慣 、 風 俗 に つ い て の伝 達 で あ る こ と 。 「倭 俗 」 の. いま の新し い外来語と同じく、読者 に当時 の中華 から の新 し い情 報を 伝え. して 「 注⑩ ) 華表」 の表記を 用 いて いる。 (. 中華 」 のことを対 照的 に挙げた 倭」と 「 な いことを対照的 に挙 げ て いる。「. るためには、新し い華語を使 った方がよりすばやく、正確 に、新情報 が伝わ っ. 愛 悪輿中華 異」 と いう 深 い関連 の 専愛 杜鴇」 と いう情報を伝達す る のに 「 「 例 と し て 、 左 の文 を 読 む と も っと は っき り わ か る 。 「中 華 之 牧 渓 」 に 「本 朝. 第 二章. 薙州府志』 の特徴的な語桑 『. 意識し て当時 の山城国 のことと対照し比 べながら書 いたと考え られ る。. 中華」 のことを 薙州府志』を つね に 「 右 に述 べた ことから、黒 川道祐は 『. た のだ ろう 。. 之馬. 倭」 のことを記述す 本朝之 元信」。 こう し て 「 中華之馬遠」 に 「 之雪舟 」、 「 る た め に 、 断 り な く 「中 華 」 の こ と を 比 較 に挙 げ て いる 。. 中華 比 ス二本 朝 之 雪舟 三以テ 土 ノ之 品 評 以 テニ中 華 ノ之 牧 渓 ラー 本 朝 露・ ニ 者乎 富- 論 為 ルニ適 二 遠ー 比 ス二本 朝 ノ之 元 信 三 斯 ノ. ( 狩野古法 眼元信墓 巻 十、七百六十 二) 中華 ニイ ワ ユル」型が凡 そ百 『 薙州府志』 全 十巻 で、 こ のよう な華語と 「. 『 薙州府志』 は地誌 でありながら、言葉 の注釈 が非常 に多く随所 に見 られ、. 薙 当時 の京 言葉 を理解 す るため にも貴 重な資 料とな る。 以下 に 『. 語 近 く 存 在 し てあ る。そ の大 部 分 は 「中 華 ニイ ワ ユ ル」と いう 形 であ ら わ れ 、. 中華」と 「 倭」 両国 の風俗、習慣 の比較 、 語 の解釈 に用 いられた。な か に 「. の中 の 「 倭俗 二甲 ヲ乙トイ フ」 の 「乙」 の部分 、 つまり説明 に当た る部分 の. 州 府志』. 物名 の由来など の内容も みられる。また、 このほか にも ひ っかかる言葉があ. そ の結 果 を 述 べ よう 。. 語薬、また 「 倭俗」と関連 のあ る語薬だけを取り上げ て分類、考察 し た 上 で、. 華表感神院 之額 略 書同院 門. った 。 そ れ は 次 の例 に あ ら わ れ る 「華 表 」 と いう 言 葉 であ る 。 ・ ::・ 石 【 祇 園 社 】 在 り二東 山 八坂 郷 号 感 神 院 -. ^ u リ.

(11) . . 宗僕 吉見 孝夫・王. 第 ■節 漢 語. 引光 奴. ト ハ、 デ ケ アイ ト 云 フ コト ナ リ. デ ケ アイ 見成. ミ ヤ コイ シ ヤ. 漢語 は古 く中国から入 ってき て、 日本語 の 一部とな った言葉 。漢語 の大部 分 は中国 で成立し、変化した言葉 であり、日本語 とし ても漢字音 で読まれる。. 京 医 ・市 医 ・:::草医 「ヤブイシヤ」. コマ. ( 徒紅字薬) ( 注⑫ ). ( 字海便 覧 ) ( 注⑱ ). ( 名物六帖) ( 注⑭ ). サケ. 包 】倭俗雑細 具 惣 テ謂 フ 多在リ三京極 三係 ノ 南 北井 二四係 京 ニ細物トー. ( 巻 七、 五百 四十 六). 革或 ハ 極東 - 絹 製 スニ小 袋 ー 倭 俗 謂 フニ巾 着 トー 又 謂 フニ下 物 トー 目 二中 華 -来 ルニ肥 前 ノ園 長 崎 ノ港 - 人 是 ヲ謂 フニ荷 包 トー或 称 スニ銀 包 トー. ( 巻 七、 五百 四十). 巻八、六百十七) (. 伴 】 倭 俗 侍 ルラニ高 貴 ノ之 食 - 中華 二 謂 フニ 相 伴 トー 所 謂 ル舘 伴 ノ之 義 ヵ乎. 通り であ る。. 「巾 着 」. キ ンチ ヤ ク 荷包. 支 那所謂荷包. キ ンチ ヤ ク. 金着. チ ンウ ヤ ク 舘伴 ツ ユク サ 鴨 緬草. ( 注⑯) 和漢音釈書言字考節 用集) (. ( 徒紅字薬) ( 注⑰ ). ( 徒紅 字桑 ) ( 注⑱ ). 巻 八 、 六 百 二十 八 ) (. チコト. 食 】倭 俗 僧 家 ノ之侍 童在 ハ 於 二禅 剰 三謂 フ 称 スニ小 児 ー ニ天台員 言 - ニ喝. 薙し 髪 入 二禅 定 ー 之 義 ナリ也. 門 】 倭 俗 男 子 薙 し髪 ヲ後 多 ハ 称 ス何 ノ禅 門 某 ノ禅 門 トー 故二 倭 俗 尚 /悌 道 ー. 右 に挙 げた内容 のほかに次 の仏教 用語も見られ る。 【 禅. 【 喝. ( 俗語解 ) ( 注⑯ ). 右 の 三例 にあ る 「荷 包 」、 「舘 伴 」、 「鴨 妬 草 」 を 調 べ て みた 結 果 、 次 の. 【 鴨賄草】倭俗所謂露草則鴨 踊草也. 【 相. 【 荷. 「 倭俗文」 の中にも こ のよう な 「 華語」 が見られる。. マチ イ シ ヤ イ ナ カ イ シ ヤ. 「 倭俗文」 の説明 され る語 のうち 、漢語 の数 は 「 和語」 に次 いで第 二位 を占 め て いる。 『 薙州府志』 の漢語 は豊富多彩 で、主 に次 の内容 が見られる。 ( 巻 六、 四百 五十七). 巻七、五百 三十) (. ( 巻七、 四百九十 八). 於 テニ庖 厨 - 丁】凡 ソ 裁 ルニ魚 肉 ラー 之 刀 不 スレ論 二大 小 ラー 倭 俗 総 テ謂 フニ庖. 【 姻脂章 】紅菰 台疋倭俗 二 所謂姻脂草也 【 庖 丁 トー. 【 憲 法 】倭俗毎事如法 ; 行し之ヲ 称ス 憲法トー ニ. 右 に挙 げ た 例 文 以外 に 「段 勤 」、 「水 銀 」、 「醤 油 」、 「名 人 」、 「燈 寵 」、 「家 具 」、 「長 者 」、 「唐 」、 「漢 」 な ど 数 多 く あ る 。 『薙 州 府 志 』 を 読 ん 黄 】 凡 ソ檎 ノ木 長 サ五 寸 許 二 割 キレ之 ヲ為 シニ小 片 トー 塗 り二硫 黄 少 許 於 其 端. で み る と 、 と き ど き 引 っか か る 言 葉 が あ る 。 例 え ば 、 【 硫. 巻 六 、 四百 七 十 ) (. 末 三 点 二火 ヲ於 其 ノ末 三著 クニ薪 三 是 謂 フニ硫 黄 トー ー・ :則 チ中 華 二 所 奴 ナル也 謂 ル引 . 光,. ( 巻 六、 四百 二十 二. 【 成薬店 】俗薬品未 ー 経二 劉句刻 ー 木薬 - 謂二 近世薬店 主択 二 真偽精麓 ー 法製 而劉 し之 節 之応 し需 而売 し之 元難 し不し及二医家 之 修 治 - 又於 二草 医- 甚得 し 便中華所謂見成薬是也. 右 に 挙 げ た 例 で は 「引 光 奴 」 ( 付 け 木 )、 「成 薬 」 (こ し ら え 薬 )、 「見 成 」 (出 来 合 い)、 「草 医 」 (薮 医 者 ) な ど の 語 で あ る 。 漢 語 は 日 本 に入 る時代 によ って、 さまざまだが、 『 薙 州府志』 の中 にこ のよう な漢語も 数多く見ら れ る。 ここでは近世に入 ってきた漢語を 「 華語」と称す ること に す る。. これらを華語辞書 ( 注⑪ ) で調 べてみたら、 以下 の通り であ る。. ツケギ. ^ = v .

(12) . 言語資料としての 『薙州府志』. 食 トー. ( 巻 八、七百 一). 是謂 /寄進トー 金銀米銭及器物等 於寺社 - 輿田地井二 憂可 進】倭俗施二 ( 巻 十、 七百 五十九). 鼻」、「 辻」など幅広く 仕舞」、 「 峠」、 「 雛」、 「 屋敷」、「 右 に挙げた ほか に 「 説 明 さ れ て いる。. 字音仮名. ことを字音仮名と呼 ぶ。 つまり漢字 の音 で表記 される語 であ る。字音仮名 は. ここでは漢字を仮名 の当 て字とし て表記 に使 い、漢字 の発音 で仮名を表す. 和製漢語とは中国 から伝 わ ってきた漢字 を用 いて、新 た に組 み合 わせ、漢. 薙州府志』 を書く だ いた い純粋な和語 であ る。それは黒 川道祐 は漢文体 の 『. 和製漢語 字 の音 によ って読む言葉を指す。和製漢語 は日本 で造 られ、発達した漢語 で. 字音仮名」を 用 いた から であ る。 原文 には読 ため、必要 に応 じ て、独特 な 「. 巻七、 五百 三十 二) ( 呉 音 )」 ( 呉 音 ) +も く (. ( 巻 六 、 四百 十 五 ). ( 巻 六 、 四百 五 十 六 ) ( 巻 七 、 四百 九 十 ). 【 農保利】 ( ノボリ)倭俗旗 謂 フニ農 保 利 トー. 古 賀 志 トー 香 煎 トー 又 称 スニ. ( 巻七、五百 二十 八). 巻 六 、 四 百 六 十 四) (. 巻 六 、 四 百 三 十 五) (. 「伊 賀 」 ( イ ンジ )、 「麻 具 イ ガ)、 「伊 地 」 (. 色道大鏡』 には 『 葉州府志』と同時期 の 『. :::手 き ざ み のた ば こを 外 へも つに :::. ( 注⑲ ). 倭俗」とし て説明され て いるだ け である。 語 は意外 に少なく、わず か 三語が 「. 語とし て相当数 の語が使 用され て いた はず であ るが、本書 に挙 げら れ て いる. 薙州府志』 の時期 に は、外来 そ の影響 は生活面 にま で及んだ。百余年後 の 『. 教 ( 切支丹)を 日本 に伝え ると当時 に、多く の新 し い文物をもたらし て来 て、. アジ アなど の言葉を指す。十六世紀中葉 に始ま る南蛮人 の渡来 は、 キ リ スト. 外来語」とす るも のは、十六世紀以後 に伝わ ってきた西欧 ・東南 ここで 「. 第三節 外来語. 微数奇」 ( ワピ スキ)などがあ る。. 留 」 (マグ ル)、 「加 羅 加 美 」 (カ ラ カ ミ )、 「加 美 留 」 (カ ビ ル )、 「和. 右 に挙 げ た 例 文 の ほ か に. 波奈志トー 謂フ 【 波奈志】 (ハナシ)倭俗談話 ヲ ニ. 之 謂/ 而 用し 細末点 し 湯二 【 古 賀志】 (コガ シ)倭俗精米陳皮山板面香各 ,. 巻 五、 三百六) (. 【 カシ コ マル)倭俗屈膝封人 日段勤 又謂加志古 麻留 加志古麻留 】 (. みはな いが ここに挙 げ て いる字音仮名 の読 みは筆者 の推定 による。. あ る。. 巻 四、 二百 三十四) (. 」 呉音) もく ( 呉音) +だ い ( 謂フ 目 代】倭俗監吏 ヲ 【 ニ目代トー 「. 「ち ょう. 」 漢音) +ど ( 呉音) 「 ち ょう (. 之器物 謂 / 調 度 トー 【 調 度】倭俗男女常用雑細ノ. 【 鳥. 目 】 倭 俗 銭 ヲ謂 フニ鳥 目 トー. ( 巻八、六百十七) 巻九、六百六十二) (. 漢音) 」 漢音) +ど ( あん ( 安堵トー「 心定 謂フニ 【 安 堵 】倭俗其 ノ 逸物 」、 祝 言」、 「 能 大夫」、 「 粧 田」、「 胴勢 」、 「 相伴」、 「 ほか に 「 女房」、 「 海道」など数多く出 て いる。 「 新 開」、 「 第 二節 和 語 倭俗 二甲 ヲ乙トイ フ」 の表 漢語 ・外 来語 に対 し て日本固有 の大和言 葉。 「. ヤ. 現型を分析 してみると、説明され て いる語 の大部分 は和語 であ る。 【 様. 】 倭 俗 試 ラレ之 ヲ謂 し様 ; スト. 等 謂 し村 ト 之 不 ルラレ 】倭 俗 物 ノ. 食故 二 謂 フニ召 上 トー. リニ 高貴 之 所 - 食是 謂 フニ召 シ上 非 其 味美而堪タ 之所し 上】倭俗高貴ノ し. 巻 六、 四百 五十) 家 謂/ 八百屋トー ( 八百屋】倭俗 一切売ル 【 ニ野菜ラー 【 召. 【 村.

(13) . . 傑 宗 吉見 孝夫・王. こ こ で は仮 名 の 「た ば こ」 で表 記 し て いる 。 ポ ルト ガ ル語 の砧g 8 は 漢 字. で 「 煙草、煙管、草著 」 に表 記され、また 「 た ばこ」 のよう に仮名書 きも使 われた。 『 薙 州府志』 では、事 項 「 喜 世留」 で 「 煙 草」 を使 用し、事 項 「 多. 波古」では 「 草著」「 多波古L を使 い、ま た、 中国語表 記 の 「 煙酒」も書 か. こ の デ ウ ス神 に つ い て は 、 『日 本 国 語 大 辞 典 』 に は 「デ ウ ス ー デ ィ ウ ス、. ダ イ ウ ス」 と あ る の み で、 用 例 の提 示 は な い。 おわりに. 本論 は言語資 料と し て の 『 薙州府志』 に ついて、主 にそ の中 の 「 倭俗文」. の表 現形式 の特色と語薬を中心 に考察 し てみたも のであ る。同書 は日本最初. れた。. 【 喜 世留 】倭 俗良 賎 好 ムニ 吸 フレ 之筒 謂 フ 煙 草 ラー も暑世留 トー 是朝 鮮 所 謂 ル 煙. の総合的組織的地誌とし て知られ るが、 そ の内容 は当時 の言語を研究す る の. きた よう に思う 。 第 一、表 現形式 で、本論 が取り上げた 「 倭俗文」は 「 倭俗 ニ甲 ヲ乙トイ フ」. 今 回わず か ではあ るが考察 の結果、 いく つか特徴的な ことを探り出す事 が で. に興味 深 い資 料 であ るにも かかわらず、ほと んど顧 みられ ること がなか った。. 巻 七、 五百 二十 二) (. 也 筒 ナル. 【 多波古 】倭 俗草若 謂 フニ多 波古トー 然其 ノ形状 気味 小キ異 ナリ本 草洞詮 二 所し ( 巻 六、四百 五十七). 載 ル煙 草 是 也 中 華 ノ人 専 ラ好 ムレ之 ヲ名 称 スニ煙 酒 トー. 「日本国語大辞典」 では 「 煙草」 の読 みに ついて. と いう 形式 の説 明体 とそ の変 形体 が主 であ る。 『 薙 州府 志』 は地誌 ではあ る が、説明 の仕方 はむしろ辞書 的方法を用 いて いる。また、比較 の対照 に 「 中. 「え ん そう 」 と 読 ん だ か 「タ バ コ」 と 読 ん だ か は 明 ら か でな い。 と あ る。. 華 ニイ ハユル」 のよう な表 現が相当あり、 これも注 目す べき点と言え よう 。. 蛮 同. 吹煙管. 同. 煙. 又作. ー盃. ( 注⑳ ). す べく 研 究 を 続 け て いき た い。. 究方法 の改善 、資 料 の収集 に努 め、本書 の持 って いる言語的価値を明 らか に. だ多く の研究 に値す る貴重な材料を見 つけ ること が でき よう 。今後 さら に研. 『 薙 州府志』 を 十七世紀京 都 の言語資 料 とし てみた場合 、 そ こにはま だま. いた こと が 察 せ ら れ る 。. れ て いて、語薬 の面から 「 中華」 のこと に ついて興味を持ち、関心を 寄せ て. 特 に当時 の京都人 の生活語桑 が数多く説明され ており、著者 の黒川道祐 の独 自 の字音 仮名表記も混 じ って いる。 又、少数 ではあ るが、 「 華語」 が説 明 さ. 取り上げ て いる言葉も 歴史 、地 理、社会 、風俗 、文化など多種多様 であ る。. 第 二、扱 われ る語葉 が、和語、漢語、外 来語 の広 い範 囲 にわた っており 、. ポ ルト ガ ル語 、 オ ラ ン ダ 語 な ど 西 洋 語 以 外 に 、 珍 し く カ ン ボ ジ ア語 阿房 おH. ( 管 の意) に由 来す る、「 キ セ ル」 があり、 『 薙州府志』 では 憲 口 世留】 に表 記 さ れ て いる 。 「 煙 管 」 と 漢 字 を 当 てら れ る 。. 語. また、「 書言字考節 用集」 では、次 のよう な 三 つの表記 が書 かれ て いる。 キセル. 希施. 以上挙げた用例と違う 漢字表記 や仮名 ( 片仮名、平仮名 ) の用例もあ る。 『 薙州府志』 の中 に右 に挙げた 【 喜 世留】と 【 多波古】 のほかに、もう 一つ 外来語があ る。 デイス. 【 徒 斯】倭俗誤テ 徒斯ラー 謂 /太宇須トー ( 巻 八、六百九) ニ 切支丹用語 のデウ ス神 の音訳 であ るが、右 の 「 太宇 須」 は実際 にど のよう に 読 ま れ た の か 判 然 と し な い。 「誤 」 と 述 べ て いる と こ ろ か ら も 、 「徒 斯 」 と 「太 宇 須 」 に は 相 違 が あ る と 考 え ら れ る 。 恐 ら く 、 「ダ イ ウ ス」 の よ う な. 読 みと察せら れ る。. 1←.

(14) . 言語資料としての 『薙州府志』. . 一九七三年. 書言字考節用集研究並びに索引』 『. 一六五八. 大漢和辞典』巻 一、八四八頁 大修館書店 ① 諸橋轍次著、 一九八四年修訂版、 『 ② 中田祝夫 ・小林祥次郎 ① 三四2 風間書店 麿漢和辞典』を参考。大修館書店 『. ④ 注②文献、① 八四5. ③ 漢書』四三八頁 『. 文明本節用集研究並びに索引』 『. ⑤ 楊家路主編 中国学術類編 中華民国六十八年初版 鼎文書局 ⑥ 注④文献四三八頁 一六五八 ⑦ 注②文献、①四 一8. 汲古書院. 一九六九年 ー 一九七六年. 『 京都学 の古典 ・薙州府志』 -三 一頁 平凡社. 一九七九年. ⑧ 白川静編、 一九九五年、平凡社. 勉 誠社. ⑨ 中田祝夫 ・小林祥次郎 一二七 5. 一九九六年. 古典研究会編. 『 唐話辞書類集』全 二十集、. ⑬ 立川美彦 ⑪. 唐話辞書類集』第九集巻 一、四四頁 全五巻五冊 ⑫ 金内格三 安政七年成立、 『 ⑭ 伊藤東涯編 『 唐話辞書類集』第十 ・十 一集. 『 唐話辞書類集』第十二集. 唐話辞書類集』第十四集五七四頁 ⑱ 岡島冠山編 享宝十年成立、 『 ⑮ 沢田 一斎編 ⑮ 注②文献、⑦ 四 一3 ⑰ 注⑫文献、六 一七頁 『 色道大鏡』延宝八年成立、全十八巻。. ⑱ 注⑬文献、六 一六頁 ⑩ 藤本箕山撰. ⑳ 注②文献、⑧ 三七2、⑧六六7. この稿は、本学大学院国語科教育学専修 に所属す る王が提出した修士論文 の 一部を吉 見 の 指 導 の下 に 手 直 し し た も の であ る 。. 3.

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