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空中真菌の住宅構造別季節変動

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Academic year: 2021

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(1)Title. 空中真菌の住宅構造別季節変動. Author(s). 佐藤, 敏雄. Citation. 北海道教育大学紀要. 第二部. C, 家庭・養護・体育編, 43(1): 65-73. Issue Date. 1992-07. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/6707. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 北海道教育大学紀要 (第2部 C)第4 3巻 第1号 JournalofHokkaido Uni i tyofBducat i i vers t 1 on(Sec onn C)VO ‐43 ,No‐I. 平成4年7月 July, 1992. 空中真菌の住宅構造別季節変動. 佐. 藤. 敏. 雄. 北海道教育大学札幌分校 基礎医科学. SeasonaI Changes of Air-borne F ungi in C oncrete A part・nents and Wrooden D wel l in s. g. Toshio SATO DePar t なedi 1Sc i 1 〕 【 ュentofBasal公 l ca ence,SaPPoro Co1 ege Hokka ido Uni i tyofEducat i vers on. Abstract. An investigation into the real situation re ardin air-borne f ung1・n concrete apart g g ‐ l ings was carried out for about one ear fro]m 1987 t 1 l r .ents and wooden dwe1 o 988 y . A totalof5 619fungous colonies were collected in 6 concrete a rt o wooden ・ lents and l , pa l. dwel l ings‐ Theresults were asfol lows: 1. There were no signi f icant dif ferencesin the average air-borne fun ous nu b i 1 1 1 er n g idtown and suburban areas o l l . fSapporo‐ 2‐ Co] α 1pared wi th wooden dwel l ings there were α1orefun ous coloniesi the g concrete n , apartn 【 lents. 3‐ Thefungous colony avera e reach a eakin sun [ 1lner, and decrease unt i 1 winter‐ g p There was a signf icant posi ive correlat t ion between fungous colon nu庄ーber and roo y ]m ten 【 lperature. 4‐ Fungi o f19 genera wereisolatedin the year There were 広ーore ener aln sumα ‐ g ー er and feweri n winter.. 5, Penic i l l ium and Aspergi11us peakedin sum mer whi 1 e C1adosporiunn and A1ternaria , k di i i e d p a e n spr ng an w nter,respectively. 6‐ ofthe potentially hazardousfungi P c inum accounted forlo 1 % of al tr IPenic i l , ‐ i ‐ . l iunn spp‐ and A fu・nigatus A versicolor A i i t d a r a s A f l , . c u s a n f , ‐ , .p , . avus or25 .8, 16 IAspergi l lusspp‐ ‐1,16 .1, and6 .5 % ofal ( 65).

(3) . 佐 藤 敏 雄. 66. 工. は じめ に. カ ビ, 酵母, キノコなどで知られる真菌類は, 常にわれわ れの周辺に多 数存在している生物であ る. そして人類は, これらの生物を発酵や醸造, 医薬品の製造などに利用 して, 莫大な利益を得て きた‐ しかしながら, 一方では真菌類による被害も多く, 工業製品の劣化や食品汚染の原因になっ たり, 真菌症を引き起 したり している‐ 更に, 近年注目さ れつつ ある被害の1つに, 真菌胞子をア レルゲンとする小児の気 管支端息の問題がある. 環境中のア レルゲンには, 花粉, 獣毛, ダニおよびその糞, 真菌胞子な どがある‐ これらのうち, )である 両者は それぞれ単独で )” 6 1 室内環境由来のものとして は, ダニおよび真菌類 が特に重要 , ‐ 7 ) せると 内真菌を食餌さ k i チリダニに室 は が B ら もア レル ゲ ン に な り 得 る , ronsw j , 増殖効果 が , 著しく向上するこ とを実験的に検証 した. したがっ て, 室内真菌の発 生は, 真菌ア レルギーの原因 になる だけではなく, ダニの増殖を促 し, ダニによるアレルギーの間接的原因につ ながる可能性も 考えられる‐. lus (ASP) l NC), Aspergi ic l l ium , ア レ ル ゲ ン と し て 注 目 さ れ る 真 菌 類 に は, Penic )‐ 2 ) が あ る 空 中 真 菌 ( i ‐ borne )‐ 6 ) 8 1 4 ・ r ど a な ALT i A 1 CLD t ) i ( C1adosporum ( ), ernara .. f i) とは, これらの真菌の 胞子が空中に飛 散したもの をいうが, その種類およ び数は, 季節, unq 2 ) 8 )i 地 域, 環 境 な ど に よ っ て, か な り の 差 が み ら れ る ・ .. PNC, ASP は多種類の物質に着生 し, 比較的低湿度で も発育が可能である. また, CLD のあ. る種のもの は, 冷蔵庫内のよう な低温環境下でも育 成することができる. したがっ て, このような )’ ) 1 2 1 6 性質の真菌では, 年中 どのような場所にでも発生し, 増殖 し続けることができる ‐ られるな ど がある杉 槍が用い , 日本古来の木造建築物は, 風通しがよく, 主材に吸湿, 防腐効果 の工夫がなされ, 真菌被害に対応 してきた. しかし, 近年に至り, 新素材による 木造住宅の高品質 化が進み, 更に, 人口密度の増加に伴っ て, 鉄筋コ ンクリー ト造集合住宅も増加の一途をた どっ て きている‐ このような住宅構造の質的変化は, 人間にとっ て快適性をもたらしてく れると同時に, 真菌にとっても格好の成育条件が与え られたこ とになる. 本研究では, 少数例ではあるが, 札幌市内の鉄筋コンクリー ト造集合住宅と木造住宅について, 居室内の 空中真菌叢の分布 を1年間に亘り観測 して, 若干の知見を得たので結果を報告する.. ロ 調査対象と観測時期 1‐ 調査対象 調査は, 地域を高層建築物が密集している都心部と, 木造1戸建住宅が多い郊外住宅地とに区分 して実施 した.都心部からは,鉄筋コンクリー ト造集合住宅 (集合住宅) 4戸と木造1戸 建住宅 (木 6戸を選んで調 査対象とした. 造住宅) 4戸, 郊外からは, 集合住宅2戸 と木造住宅6戸, 合計1 mの円内に入る なお, 都心部 とは, 札幌市の中心部に当る大 通西1丁目テ レビ塔を中心に, 半径2k 地域とし, これ以外の地域を郊外とした‐ 2‐ 調査時期 1年 を春夏秋冬の4期に分けて, 第1回目は秋 期から始 めることにして, つ ぎの日程で調 査を 行 っ た‐. 987年11月 28 日 ~ 30 日 第1回目:1 ( 66).

(4) . 空 中真 菌 の 住 宅構 造 別 季 節 変 動. 67. 第2回目:1 988年 2 月 1 日~ 6 日 第3回目:同. 年 5 月 14 日 ~ 16 日. 第4回目:同. 2 日 ~ 14 日 年 7 月1. 頂 1‐ 培. 測定方法. 地. ta t 落下胞子の採取用培地には, ジャ ガイモーブ ドウ糖寒天培地 (po o dextrose agar: PDA) に, ク ロ ラ ム フ ェ ニ コ ー ル を lm g/β の割に加え, 溶解滅菌後, 直径 9‐o cmの プ ラ ス チ ッ ク 製 gずつ 分注 したものを使用 した‐ シャ ーレに約20m 2. 採取方法と培養 4 ); こより採取した‐ 採取位置は, 各調査家屋の寝室または寝室に使用 して 真菌の胞子は, 落下法1 いる部屋の床上約lmに統一 した. 採取時間は, 1日を3回に分けて, 第1回目は18時から翌朝 2時から18時ま 2時まで, 第3回目は同1 の6時まで, 第2回目は第1回目終了直後の6時から1 でとした‐ 具体的には3枚1組の PDA 培地に, 調査家屋番号と採取順位を記入 したものを調査家 庭に配り, 順位番号に合わせて, 所定の時間 だけふたを全開させておくことにした‐ Cの低温ふ卵器に入れて, 3日間培養を続けた‐ この間, 毎日コロ 回収 した PDA 培地は, 250 ニーの計数を行っ た. 培養期間を3日間に限定 した理由は, PNC, CLD な どの成育の早い真菌 では, 形成された胞子によっ て, 培地内に2次的にコロニーが発生する可能性があるた めである‐ なお, 第1回目の採取直前に, 室温の測定を行った‐ 3‐ 同. 定. 培養後3日目に, PNC,CLD,ALT な どの特徴的なコロニーは, 周辺の1部を釣針で かき取り, 顕微鏡下で分生子を観察すると共に, 未使用の PDA 培地および保存用の PDA 斜面培地に移植し た‐ また, 微小コロニーは, ー旦斜面培地に保存しておき, 後で PDA 培地に移植して, コロニー の形態と分生子の形から届 (qenus) を決定した‐ PNC および ASP につ い て は, 1 部 を random に抽出して種 (species) を同定した.. W. 結. 果. 1‐ 地域別家屋構造別真菌叢 成績を一括 して表1に示 した‐ 地域別コロニー数 は, 都心部では最小値6 4, 最大値699, 平均 値349, 郊外では各値がそれぞれ62, 616, 353という結果が得られたが, 両地域間に有意差は 認められなかっ た‐ 都心部の家屋構造別の比較では, 集合住宅が最小値64, 最大値699, 平均値 378に対して, 木造住宅の各値は226, 466, 321であっ た. 郊外では, 集合住宅が最小値467, 2に対 して, 木造住宅の各値 は6 2, 469, 290という結果が得 られた‐ 以 6, 平均値54 最大値61 上の数値にみられるように, 最大値および平均値については, いずれも集合住宅の方が高値を示し た‐ また, 両地域の合計では, 集合住宅の最小値64, 最大値6 99, 平均値43 2に対 して木造住宅 2, 469, 303であり, 図1にみられるように両者間のコロニー数の差が明ら の各値はそれぞれ6 か に な っ た. ( 67).

(5) . 佐 藤 敏 雄. 68. 表1 地域別家屋構造別空中真菌叢 心 都 集 合 住 宅. 属. I. 2 i l ium 2 l Peni 31 17 c C1 i um 128 25 adospor 52 4 Aspergi l lus ia A1 ternar Fusar iuln I phom La Tr i ] ヱ ー a choder l i la N[ el oni i Geotr chum Rhi zopus Bot i s ryt Bpi coccum i Au i d r e oba um s l Wa l ia l α ・ e i Paec 1 L om yces 3 Acreα I onium Nigr。sp。ra Byssoch l amys Uron 〔 lyces 99 17 others 513 64 計. 3 306 131 87. 5 73 36 73 59 44 24 15 11 2 10. 6. 4. 7. 33 81 114 135 32 54 15 27 9 2 I. 外. ′ ≦. 部 木 造 住 宅. 集合住宅. 8 216 71 48 12. 造. 木. 9 55 196 27 28 30. 10 11 52 138 2 42 18 6 53 26 25. 3. 3. 13 14 88 81 4 1 95 47 23 37 12 35 12. 4 I. 3. I 2 8. 6 4. 5 3 3 I. 2 I. 計/(%). 宅. 住. 15. 16. 6 2 9 9 ) 91 8 31 85/( .9 46 31 1 3 98/( 2 4 8 ) .8 61 10 5 ) 5 1/(9 .81 ) 8/(2 1 1 5 .8 7 3 ) 5/(1 .3 6 26/(0 ) ‐4 ) 1 4/(0 .25 11/(0 0 ) .2 6 6/(0 1 ) .1 5/(0 0 9 ) . 3/(0 5 ) .0 0 5 3/(0 . ) 2 3/(0 5 ) .0 3 0 5 3/(0 ‐ ) ) 3/(0 5 .0 2/(0 0 2 . ) I 2 ) 1/(0 .0 1/(0 0 2 . ) 2) I 1/(0 .0 151 42 1 6 7 0/( 2 9 7 2 . ). 8 84 19 175 28 77 51 54 99 277 176 233 8 699 235 226 260 351 446 616 467 469 413 270 62 352 176 5619/. 0. 240. . o. 都. 心 ,. 郊. 外 ,. A. 全. 体. 豪. ヨ. A. A. ぎ. o 圏 集 合住宅 図1. △. 480. △. △. A. ▲. &. ぬ. A △. 720. ・ o. 三. A. 平o. 一. o. -. -. ot. △ A 木造住宅. 地域別家屋構造別コロニー数. 属別コロニー数は, 地域および家屋構造に関係なく 1, 2位を PNC または CLD が占め, 2, 3位を ASP または ALT が占めた. 合計では, PNC,CLD,ASP,ALT の順であ っ た‐ ただ し, PNC と CLD の比率 (PNC/CLD) は, 都市部の集合住宅は1 ‐8で PNC の割合が高かっ たが, 郊外の集合住宅では0 .28であり, 逆の結果が得られた. PNC では, 抽出 した99個のコロニー中, 種が判明したもの が78個, 不明のもの が21個あ っ i inum 1/99) ,P.c tr lum 21 た‐ 同 定 で き た 種 の 数 は 17 種 あ り, 主 な も の は P.corylophi .2 % (2 ( 68).

(6) . . 空 中 真菌 の 住 宅構 造 別 季 節 変動. 69. 10 1 0/99 ) i i6 ‐ , P.frequentas9 , P‐roquefort ‐1 % ( .1 % (9 /99) , P.paraher ‐1 % (6 /99) quei5 .1%. (5/99 ) な どであっ た‐ ASP では, 31個を抽出して全て同定した. 種の数は6種あ り, その割合 は A. fumigatus25‐8 %(8 /31),A. ochraceus22.6 %(7 /31),A. parasiticus 16 ) 1 ) ) lavus6 5 , A‐versicolor16 , A.terreus12 .1% (5/3 , A.f ‐1 % (5 /31 ‐9 % (4 /31 .. % (2/31 ) であっ た‐ 2. コロニー数および室温の季節変動 結果を表2および図2に示した. 各季節 ごとの変動を, 地域別および家屋構造別に分けて分析し た‐ 図2にみられるとおり, 都心部が春期に最大値を示し, 夏期から冬期にかけて減少するのに対 して, 郊外では春期の平均値が夏期の約 亀/3程度にすぎず, 夏期に最大となり, 以下漸時減少す る傾向を示した. 家屋構造別では, 集合住宅および木造住宅共に, 春期から夏期にかけて増加 して 最大になり, 秋期から冬期にかけて減少する郊外型の変動がみられた. 全体の傾向につ いても, 表 2にみられるように, 郊外型の変動が観察された‐ また, 各戸別の分散が大きいので, 季節別およ び住宅構造別の比較 では, ほとん どのものに有意差は認められなかっ た‐ 有意差が認められたのは , 以下のとおりである. ① 16戸全体の平均値につ いて:春期 -冬期 (p<0 5 ) ),夏期 -冬期 ( p<0 .0 -01 ② 集合住宅の平均値につ いて:春期 冊冬期 (p<0 ) ),夏期 -冬期 (p<0 ‐01 .01 ③ 冬期間の木造住宅/集合住宅 間の分散比 (p<0 0 2 5 ) . 表2 空中真菌離および室温の季節変動 住宅番号. 域 心 部 郊. 木 造 住 宅. 外. 0 .▲リムQU川 ご ヘ リAU イ 上 りムハ d▲ ” ’に 「 UP O ワ十RU9 1 1 11 11 11 11 ←1 1. 都. 住宅 構 造 集合住宅 木造住宅. 地. 雛. コロニー数. 採. 春. 取. 期 63/-. 27/22 222/22. 夏. 時. 期. 1 28/- 15/- 236/24. 秋. コ. 間. 期. 258/20. 冬. 期. 34/- 3 2/23 31/19 9/14. 6 4/一 6/20 76/23 46/- 9/22 29/14 16/17. 199/26. 139/25. 7 2/14 27/10 7 8/20 2 2/23 7 2/1 5. 52/15 1 3/5. 16-23 165/24. 80/- 5 3/22 154/20. 7 5/- 13 2/24 46/23. 217/23. 109/23. 26/19 2 47/20. 8 2/25 245/20. 215/23 98/20. 212/27 256/23. 4 2/21 60/19 13/19 81/24. 10 3/- 121/23 37/2 2 95/24 69/21. 187/25 24/ /25. 246/23 17/1 5 4/1 1 28/18 2/18. 1640. 1961. 1234. 784. 42/21. 8/13. 37/17. 平 122 均 1 02 77 49 ‐6/23 ‐5/2LI .3 ‐1/19 .6 ‐0/17 ‐4 註) 上段はコ ロニー 数, 下段は室温(℃)を表す。 (コロニー数/ 室温). ロ. ニ. 計 513 64 699 235 226 260 351 446 616 467 469 413 270 62 352 176 5619 87 ‐8/20 ‐0. ー. 平. 数. 均. 128 .3 16 .0 174 ‐8 58 .8 56 ‐5 65 ‐O 87 ‐8 111 -5 154 ‐0 116 -8 117 .3 103 ‐3 67 5 ‐ 15 ‐5 88 ‐0 44 -0. / //// ///. つ ぎに, コロニー数と室温との関係では, 室温平均値の最も高かった夏季にコロニー平均値が最 大値を示 し, 以下室温の変動と同様に春期, 秋期, 冬期の順に減少をみせた 室温データが得られ . た55例につ いて, コロニー数と室温との間に強い正相 関 ( がみられた 0 0 1 ) p<0 ‐ -. ( 69).

(7) . 佐 藤 敏 雄. 70. 200. 構. 動. 地 域 別 変. 動. 造 別 変. o. 都. 心. .. 集合住宅. ●. 郊. 外. ▲. 木造住宅. 150. 100. (M 土 sE)‐. (M ± SE) -. O 春. 秋. 夏 図2. 冬. 春. 夏. 秋. 冬. コ□二一平均値の季節変動. 表3 季節別室中真菌叢 属 Penic l i l ium C1adospor ium Aspergi l lus A1 ia t ernar Fusar ium Pho広 ーa Tr i choderma M 〔 l i l la oni e i Geotr chum Rhi zopus Botryt i s Epi coccum Aureobas idum wa l l ia e頁I paec i lomyces Acre 】頭onium Nigrospora Byssoch工amys Urolnyces others. 計. 春. 期 夏 448 535 152 40. 8 2. 期 秋 511 360 244. 期 冬 392 369. 期 334. 55 14 6 3. 13. 134 51 56 7. 9. 3. I. 4. 29. 104 33. 8 4. 551 158 75 26 14 11 6 5. 3. 3. 3. 3 3. 3 3. 2. 計 1685 1398. I 2 I I. 450. 732. I 297. 1640. 1961. 1234. 191 784. 3 3 2 I I I 1670. 56 19. ( 70). 3‐ 季節別空中真菌叢 表 3 に 示 し た よ う に, 春 季 で は CLD が 最 も多 く 分 離 さ れ, つ い で PNC,ASP,ALT の 順 序 で あ っ た が,. 春期以外では PNC が常に1位を 占め て い た‐ 他 の 主 な 特 徴 は,ASP/ ATL 比が春期では 3 8, 夏 期 で は . 8 .3, 秋期では3工 であ っ たのに対 し て, 冬 期 で は 0 .9 と い 低 値 を 示 し ASPより も ATL が多く 分 離さ た‐ 同定 さ れた届 の 数 は, 年 間を通 して 2届で 19届あり, 季節別 には夏期 が1 1位, つ いで秋期 が11属, 冬期が9 属, 春期が8属の順であっ た‐.

(8) . 空中真菌の住宅構造別季節変動 V. 考. 71. 察. 地域別の調査 では, コロニー数, 真菌種の両者共に, 地域差は認められなかった この原因につ ‐ いては, つ ぎのように考えられる. ①都心部に当る半径 2 如の円内にある家屋は いずれも官庁 , 街, 商店街の内にある訳 ではなく, これらと隣接した位置に建設されており 周辺に保護林や空地 , があること. ②郊外の家屋は, いわゆる新興住宅地に建設されたものが多く この区域内の人 口密 , 度は都心部と大差がな い‐ ③住宅構造に大きな違いが みられない‐ 以上の理由から 居住環境的な , 相違がほとん どみられないこと に原因するものと思われる‐ 家屋構造別コロニー数は, 全体的にみて集合住宅の方が多かっ た. この原因として 集合住宅の , 2 )によれば 特徴である高気密性と保温性の良さがあげられる. 北海道立寒地住宅都 市研究所の調査1 , 道内の集合住宅では, 室内20℃における相対湿度は約60~80%であり 1戸当り隙間面積 は , , ) は 集合住宅 木造住宅の5~9が/I dに対して半分以下の2頃/ゴであると報告している 吉川2 . , ではコンクリー トの含む水分を畳が 吸収 し, 温度20o C, 湿度85%の環境下では, 畳含水量は20 ~2 5%にも達するという. 札幌市の場合, 真夏の7, 8月 以外は窓を開けて換気をする家庭が少 ない‐ 換気は各室に取り 付けられている200が程の換気孔からの 自然換気と 風呂や台所では 換 , , 気扇による短時間の強制換気を 行っ ているにす ぎない‐ したがっ て, 密閉された状況下 における時 間は, 本州よりも長時間に亘ると考えてよい‐ 以上の理由から, 集合住宅は木造住宅に比べて湿度 が高く, 真菌の増殖に適 しており, コロニー数が多くなるものと思われる. 戸別には, コロニー数の最も多かったN Q3の集合住宅 では, 換気の悪さに加え, 寝室に隣接して シャ ワー室があっ て, 室温も年 間を通して2 2~24℃と安定していた‐ つ ぎにコ ロニー数が多かっ たN Q9の集合住宅 でも, ほぼ同様の状況下にあっ た‐ 集合住宅中, 春期および夏期 に比べて秋期お よび冬期 に著 しく コロニー数が減少 したN QIOの住宅では, 寝室に暖房設備がなく暖房のある居間 とは離れ ており, 室温も低く ( loo Cおよび50 C),したがっ て寝室での真菌の発育が抑制されたた めと考えられる‐ 木造住宅中秋期, 冬期にコロニー数の多かっ たN Q8の住宅では, 台所と寝室が隣 接 しており, 両室の仕切戸は常時間放され ていて, 煮物の匂いが直接 寝室に流れ込ん でいた N . o ‐ 1 2の木造住宅 では, 冬期には全室を開放 して加湿器を使用 しており, 住居衛生的には不良 環境で あ っ た.. 季節別のコロニー数は, 全体的傾向として夏期に最も多かっ た‐ この理由として, 本州以南では 4 ) 北海道 6, 7月 の梅雨期に最高値を示すとされるが1 でも, はっ きりとした梅雨期はないが, 高 , 温多湿な7月 が真菌の増殖にとっ て最適期なのであろうと推測された コロニー数は 表2にみら ‐ , れるとおり, 温度が強く関係 していることが判る. 温度との 関係については 北海道および札幌市 , )・ ) 1 3 が行った調査でも同様の結 果が得 られている銘 . 季節と同定された属数との間には, 有意差は認められなかったものの属の種類は, 夏期ならびに 秋期に多く, 春期な らびに冬期には, これより幾分少なくなる傾向がみられた‐ 原因としては, 夏. 期 および秋期 に. Rhizopus Aur id i um な どの土壌や枯葉由来の真菌が検出されたことから, eobas , 外気の影響によるものと思われる. )は ASP 6 主 要な真菌の季節変動をみると, PNC は春期を除き最も多数検出された. 小笠原1 , が高温を好む南方系 であるのに対 し, PNC は北方系なので, 温暖帯から寒帯 にまたがる日本列島. では, 特にPNC汚染の比率が高いとしている‐ CLD はPNC についで多く, 本来土壌性の真菌な 4 )・ 1 5 )・ 1 ) Asp は前述 したように高温を好む を ので, 季節を問わず年中検出が可能である1 種類が多く, 1 6 ) 中には55℃で成育可能な種 もある‐ 本調査では, ASP は夏期に最も高率に検出された. ALT ( 71).

(9) . ー 佐 藤 敏 雄. ・ 2 7. 5 ) は寒冷を好む真菌1 であり, 冬期に高率に検出された. その他の空中真菌につ いては, 通常的に存 在する真菌であり, 特別なものは見つからなかった. 種の同定を試みた PNC,ASP については, 空中真菌として極く 一般的なものが多 かっ た‐ し かし, ASP にはア レルゲンと してだけでなく, 直接病気 を引き起 したり, 有害な毒性物質を産生 icolor は, ス す る も の が多 い‐ A.fumigatus は, 肺 ア ス ペ ル ギ ル ス 症 の 原 因 菌 で あ り, A‐vers i icus は ア フ び A f お よ t テリグマ トシスチ ンを産生 して真菌中毒を引き起こ し, A‐ lavus .paras ) 1 4 ) 1 6 trinum はシトリニンを産生し ラ トキ シ ンを 産 生 して 癌 を 発 現 さ せ る ・ . ま た, PNC で も P.ci. て腎ネフロー ゼの原因になる. これらの有害な真菌が多数検出されたこ とにより, ア レルギーに対 する注意 だけでなく, 真菌の栄養源になり易い食品の保存にも, 十分 な配慮が必要と思われる. 分生子形成の良好 な真菌につ いては, 約70%の同定 を終えたが, 分生子形成不良のため 不明の 0%残っ た. 真菌の同定は, 分生子の形 態が決め手になるので, 多くの時間と工夫 が必 ものが約3 要とされる. 現在も同定を継続中である.. W. ま と め. 88 987年秋期から19 小児の気管支端息の原因になる, 室内空中真菌の分布状況を知るために, 1 6戸の住宅につ 0戸, 合計1 年夏期までの1年間に亘り, 札幌市内の集合住宅6戸および木造住宅1 いて, 落下法による空中真菌叢の調査を行っ て以下の結果を得た‐ 1‐ 札幌市内を都心部 と郊外に分けて行っ た調査では, 両者間のコロニー数に有意差は認められ な か っ た.. 2. 集合住宅と木造住宅 との比較では, 集合住宅の方に多数のコロニーが検出された. 3‐ 季節別平均コロニー数は, 夏季に最大値を示し, ついで春季, 秋期, 冬期の順であっ た. こ の傾向は, 季節別平均室温の順位と一致 した. 更に, 室温測定が行われた55例につ いてのコ ) であっ た. ロニー数 との相関は, 明らかに有意 (p<0 ‐001 れ, 以下, 秋期11属, 冬期9 2属と最も多く検出さ 4‐ 季節別の届の数は, 高温多湿な夏期に1 9属が確認された. 属, 春期8属であり, 通年で1 5. 主要な真菌の季節別コロニー数は, 年間の合計では, PNC,CLD,ASP,ALT の順であ っ たが, 春期では, PNC と CLD の順位が逆転して CLDが1位, 冬期では, ASP と ALT の 順位が逆転 して ALT が3位となっ た. 即ち, 春期と冬期には, 好寒冷性の強い CLD および ALT が増加する傾向がみられた. 6‐ PNC お よ び ASP について行っ た種の同定の結果から, 病原性のある菌種として, PNC で i l (16 A f i (25 i は,P‐c trinum(10 ‐1 ‐8 %) , A.verscoor .1 %) が, ASP で は, . um gatus さ れ た. lavus (6 i icus (16 t %) , A‐paras .5 %) が 検 出 .1 %) , A.f. 謝. 辞. 本稿を終えるにあたり, 真菌の同定に多大なご指導とご協力をいただいた北海道立衛生研究所食 品科学部食品微生物科長砂川紘之氏に心から感謝致します.. ( 72).

(10) . 空中真菌の住宅構造別季節変動 文. 73. 献. 1) 吉田政弘:住居内における室内塵性ダニ類について1) 床材におけるダニ類の分布と季節的消長, 環境管理技術 , 3 (6),723-731 ,1985‐. 2) 吉川. 軍:集合住宅と衛生害虫, 公衆衛生, 49( 12 ),814-819,1985 ‐ 翠:衛生害虫としてのダニ類, 防菌防徽, 15(1),39-45 87 , 19 ‐ 4) 中山喜弘:真菌と気道アレルギー, 日本細菌学雑誌, 30(3) 4 -456 1975. 5 3 , , 5) 月岡一治二中俣正美, 広野 茂:カンジダ端息の発症機序に関する研究 第5報 他の真菌およびハウスダスト. 3) 吉川. によ る 気 管 支 端息 と の 比 較, ア レル ギー, 36 (12) 1047-1053 1987 , ,. 6) 橋本節子, 木下晴美, 本城美智恵, 三島 健, 山崎幹夫, 堀江義一:空中真菌相について‐気管支端息児の家庭 内真菌分布に関する検討, アレルギー, 3 0 82 9 8 1 ,7 ,1 7) Bronswi l jk, J.霧.M.H. ▽an and Sinha, R.N. : Ro i tophagoides e offungiin the surv val of Derma (Acar ina:Pyrogl h i d - )i h d i - E i t B l t 2 (1 a e t 1 4 n u o se us envronmen, nvron- n omo. ), 2‐145,1973 y p ,. 8) 大槻 勇, 和気士緒, 畔地英雄, 高島浩介:住居を汚染するカビの実態 1) コンクリート住宅を汚染するカ ビ の実態, 防菌防微, 8 (4),137-1 2, 19 4 80 ‐ 9) 森 実, 尾上洋一, 高橋孝則:一般家庭におけるカーペッ トの微生物汚染について, 防菌防微, 1 3(3),10 9 -117 1985 . , 10 ) Hunt ldings-theai er C.A‐ i t n bui rsporaofdomes c , GrantC‐ ,B1annigan B- & Bravery A.F. : Mouldi dwe l l ings l 畢 i IB i t d i t t i 2 8 4 1 1 0 1 1 9 8 8 o eeroraton, , , n erna ona , . 11) Mi l l f lamme A‐M‐ I Y‐ ine P‐& Greenhalgh R. :Funqiandfungalproduc erJ.D‐ t s ,La ,Sobo , Lafonta , insoα i IBiode iorat ion,24 103 -i20 1988. 1 e Canadian houses ter ernat ona ,lnt , ,. 1 2 ) 北海道立寒地研究所, 北海道立衛生研究所, 北海道立林産研究所, 札幌医科大学 共同研究:建築物に発生する 有害生物の被害とその対策に関する研究, 北海道衛生部, 1 990. 13 ) 札幌市住居衛生研究班:住居衛生に関する調査結果報告書 (札幌市における一般住宅のダニ, カ ビ類の季節変 動) 87. , 札幌市衛生局, 19 14 ) 宇田川俊一, 椿 啓介, 堀江義一, 三浦宏一郎, 箕浦久兵衛, 山崎幹夫, 横山竜夫, 渡辺昌平:菌類図鑑 5 , 1- 1 96, 講談社サイエンティ フィ, 東京, 1 97 8. 15 ) 井上真由美:建物のカビーその発生と処理方法, 37-6 2, 日本建築士会連合会, 東京, 197 9. ) 小笠原和夫:カ ビの科学, 47‐51, 地人書舘, 東京, i 16 98 2‐. ( 73 ).

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