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<教授就任講演>統合失調症患者の家族のエンパワメントを目指した支援の模索(第165回山梨大学医学会例会) 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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i 第 165 回山梨大学医学会例会 日時:平成 22 年 1 月 25 日(月)午後 4 時∼ 5 時 会場:新臨床研究棟 2 階会議室

教授就任講演

統合失調症患者の家族のエンパワメントを目指した支援の模索

水野 恵理子

山梨大学 健康・生活支援看護学講座(精神看護学)

司会 有田  順教授

【要旨】昨今の精神医療は,入院中心から地域生活中心への転換期にあり,法制度の改正や制定が 相次いで行われている。同時に,薬物療法と心理社会的介入を組み合わせた包括治療とともに精 神疾患患者の社会参加を支援する保健医療福祉の連携が課題となっている。また精神疾患患者の 地域生活を維持するための居住施設の確保や就労支援の体制は十分ではなく,彼らの地域生活を 支える基盤は未だ弱いのが実情である。 精神疾患患者は疾病と障害を併せもつといわれるが,中でも統合失調症は思春期から青年期に 発症しやすい慢性経過を辿る疾患であり,生活障害年数の長い病気の 10 位以内に入り発症後の患 者の人生に様々な影響を与える。そして認知機能の障害を主とする症状が生活のしづらさをもた らし,再発をくり返すことから回復の道のりは決して平坦ではない。生活のしづらさは,患者の みならず,家族に心身の負担,生活上の困難さ,苦悩をもたらし,さらに患者と家族各々の生き 方はお互いに影響しあう。 発症から回復の過程において,患者がその人らしく生活するための支え手となる家族の力は大 きいものである。家族と同居している精神疾患患者は約 7 割を占めるが,この背景には旧来の家 制度の流れとともに,家族は病者を看護する者としてみなされ長きにわたり「保護・監督」の義 務を負っていたわが国の精神疾患患者の家族の歴史が関係している。 統合失調症患者の家族研究の動向をみると,1960 年代後半より家族の負担,EE(感情表出)研 究,心理教育的アプローチに関するものが蓄積されている。しかしながら,親,兄弟姉妹,配偶 者といった続柄による患者や病気の捉え方,患者がいることによる生活や人生への影響の特性や 違いを明らかにした記述的研究はわずかに散見されるのみである。 ここ数年,統合失調症患者の家族支援に関する研究を進めてきているが,本講演では続柄別に みた家族の様相と支援に関する知見を紹介する。

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