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奄美群島における風化残積土(赤土等)の土質特性(その3)

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Academic year: 2021

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(1)

奄美群島における風化残積土(赤土等)の土質特性

(その3)

著者

北村 良介, 深見 健一

雑誌名

奄美ニューズレター

21

ページ

19-22

別言語のタイトル

Soil properties of residual soils in the Amnmi

lslands (3)

(2)

■研究調査レビュー

奄美群島における風化残積士(赤土等)の土質特』性(その3)

北村良介(鹿児島大学工学部) 深見健一(鹿児島大学大学院理工学研究科) ’・まえがき

「その’」')「その2」2)では,赤土等の土

質特』性を把握するために奄美大島,加計呂麻 島,喜界島,沖永良部島で採取した試料を用 い,士粒子密度試験,粒度試験,液性.塑性 限界試験を行い,その結果を報告した。今回 は,奄美大島,加計呂麻島で採取した試料を 用いて行なった保水性試験の結果を報告する。 性を反映した重要な関係を表している。 3.保水性試験についての 3.1保水性試験 保水性試験は不飽和土中のサクションと含 水量の関係を表す水分特』性曲線を得るための 試験である。 保水性試験では広範囲なサクション領域 (OkPa~l0MPa)を-つの試験方法でカ バーすることは出来ない。そこでサクション の測定範囲によって低サクション領域では水 頭法,中サクション領域では加圧板法,高サ クション領域では蒸気圧法などが用いられる。 本研究では,水頭法と加圧板法による低・中 サクション領域での保水'性試験を行った。図 -1に水頭法の試験装置を示す。試験装置は 供試体を収納する試料室,ビュレット,ホー ス,シリンジから構成される。水頭法とは大 気圧下に供試体を置き,供試体中心とビュ レットの排水口との高低差hを与えて供試体 にサクションを負荷し,土中水を平衡状態に 達するまで排水させる方法である。 2.サクシヨンについて3) 不飽和土とは,気相・液相・固相の三相か ら構成される三相混合体である。地表面近く に存在する地下水面より浅層の土は一般に不 飽和土である。 不飽和土では,士の種類が異なると同じ含 水比でも違った力学挙動を示す。従って,含 水比だけでは,土質特性を的確に把握できな い。すなわち土質特』性を把握するためには, 土中の含水量だけでなく土中水のポテンシャ ルエネルギーが必要である。土中水のポテン シャルエネルギーから不飽和土の保水能力や 土中水の動態等がわかる。土中水のポテン シャルエネルギーを定量的に表現するために 化学ポテンシャルが導入されている。化学ポ テンシャルとは土の吸着力や表面張力で決ま るマトリックポテンシャルとイオン濃度に よって決まるオスモティックポテンシャルの 和である。土中水のマトリックポテンシャル は化学ポテンシャルから土中水に溶存するオ スモティックポテンシャルの影響を除き,士 粒子が水を引きつける作用のみを取り出した ものである。大気圧下においてマトリックポ テンシャルは負値を示し,その絶対値を圧力 単位で表記した物理量はサクションと呼ばれ る。サクションと含水量の関係を示したもの は水分特』性曲線と呼ばれ,不飽和土の保水特

② =(-戸 F1 ̄L ~

Tl

図-1水頭法試験装置 19

(3)

奄美ニューズレター l0kPa以上)していた赤土等が降雨によって 含水量が増加し,サクションがl0kPa以下と なり士粒子間を引き付けている力が低下する ため流水によって流されやすくなると定』性的 に考えられる。 図-13は豊浦砂と役勝川左岸の斜面から 採取した赤土の水分特性曲線を示している。 赤土の水分特性曲線は豊浦砂に比べて上方に ある。このことは,同じサクションであって も赤土の含水量が高い,すなわち,保水'性が 高いことを意味している。 図-2は加圧板法の試験装置を示す。試験 装置は供試体を置く試料室,空気圧を送るコ ンプレッサー,試料室内の空気圧を測定する ブルドンゲージから構成される。加圧板法は 供試体内の土中水の圧力を大気圧下に保ち, 正の空気圧を供試体に負荷し,土中水を平衡 状態に達するまでを排水させる方法である。 水頭法,加圧板法の両試験において,各サク ション段階での含水比が算定できこれらか ら水分特性曲線を求める。 100 ●⑨⑭■●⑨⑭■ 加加加水加加加水 圧圧圧頭圧圧圧頭 板板板法板板板法 法法法問法法法問 間間間隙間間間隙 隙隙隙比隙隙隙比 比比比鈩比比比鈩 eee1eee1ゴゴゴ2ゴゴゴ2 21182118 259259 ③ 80 G⑬ 0 6 4 0 (⑩旦二)八mA●わ 、⑪ ■ 噂■ 鏑 鰯 20

T ̄ロー壺iiii

■ 01020304050 含水比(96) 図-3水分特性曲線(西阿室砂防ダム) 60 図-2加圧板法試験装置 3.2保水性試験結果 00 保水性試験で用いた試料の採取地点は参考 文献1)に記載されているので省略する。図 -3~12は奄美大島,加計呂麻島で採取した 試料を用いて行なった保水性試験によって得 られた水分特'性曲線を示す。全ての試料にお いて0~l0kPaのサクション領域ではサク ションが増加すると含水比が減少していく。 つまり,サクションによって土中水が排水さ れる。その量は10~l00kPaのサクション 領域でのそれよりも大きい。つまり,10~ l00kPaのサクション領域ではO~l0kPaの サクション領域に比べると,土中水の移動が 少ないことがわかる。0~l0kPaのサクショ ン領域では含水量が増加するとそれに伴いサ クションは大きく低下することがわかる。こ のような赤土等の保水特』性を降雨と関連づけ て考える。晴天時には乾燥(サクションが 水頭法(e=0.87) 加圧板法(e=0.83) 加圧板法(e=0.80) 加圧板法(e=0.83) ■③鱒● 90 ⑰ 80 70 ⑧ 6543 0000 (⑩旦二)八mA心中  ̄  ̄ ■鯵 ●③ ■ ■ ■ 000 21 ■ ■ 0102030405060 含水比(96) 図-4水分特性曲線(大当原砂防ダム) 20

(4)

叩卯 1 00 ・水等法(e=0.88) ・加圧板法(e=087) 轡加圧板法(e=087) ・加圧板法(e=0.87) 水頭法(e=0.99) 加圧板法(e=0.99) 加圧板法(e=0.99) 加圧板法(e=0.95) ■⑨轡● 90 ⑤ ⑰ 80 80 00000 76543 (⑩Q二)八m八G本 00000 76543 (⑩Q二)八mA心中 ⑪ ③ ■ 幻 ③ ⑪ ⑰ ■ ■ ●の 20 21000 00 1 ●■ ■ ■ ■■■ ■ 0 0 20 30 含水比(96) 40 50 60 0 0 2030405060 含水比(96) 水分特性曲線(川内川) 水分特性曲線(生勝川) 図-5 図-8 100 00 ・水頭法(e=1.28) ゜加圧板法(e=1.31) 轡加圧板法(e=132) ・水頭法(e=1.73) e加圧板法(e=1.75) 金加圧板法(e=1.72) 輪翰 鰯霧 90 90 80 80 70 70 0000 6543 (⑩Qエ)八mAc本 0000 6543 (阿旦ェ)八mふい士 患溌 翁 ■ ■ ■ ■ が・ 騨 騨 露 ■ ■ ■■ ③ ■ ⑬鐙 000 21 21000 0 0 0 10 図-9 2030405060 含水比(96) 水分特性曲線(役勝川) 20 30 含水比(96) 40 50 60 図-6 水分特性曲線(知名瀬川) 00 00 水等法(e=0.97) 加圧板法(e=0.99) 加圧板法(e=100) 加圧板法(e=0.98) ・水頭法(e=1.21) ・加圧板法:間隙比(e=1.26) ・加圧板法:間隙比(e=1.28) ・加圧板法:間隙比(e=1.28) ■⑨鯵● 90 90 ③ ● 80 80 76543 00000 (⑩Q二)八m八G本 ● 70 0000 6543 (⑩Q二)八mA心本 C q② 劉移 ③ G診 ■ ■ ■ ■  ̄ 000 21 20 10 0 』■■ ■■ ■ 0 0 2030405060 含水比(96) 水分特性曲線(有屋川) 0 0 20 30 含水比(96) 40 50 60 図-7 10水分特性曲線(小宿大川) 21

(5)

奄美ニューズレター 4.あとがき 奄美大島,加計呂麻島で採取した赤土等を 用いて保水,性試験を行い,その試験結果を示 した。まだ,喜界島,沖永良部島で採取した 赤土等の保水』性試験が終わっていないので早 急に行い,保水性を明らかにしていく予定で ある。また,赤土等の土質特'性(物理的・力 学的特性)を考慮して赤土等流出の発生源で ある斜面や圃場での安価で環境への負荷の少 ない流出対策の確立を目指した研究を進めて いく予定である。 100 ・水頭法(e=0.97) ・加圧板法(e=0.99) 霞加圧板法(e=100) ・加圧板法(e=0.96) 90 の 80 ⑪ 70 0000 6543 (⑩旦二)八mA。本 ⑰ の 20 ⑪ 殆 ■ ■ 00 1 ■■■ 1020304050 含水率(%) 図-11水分特性曲線(宮久田川) 60 0 [参考文献] 1)北村良介,中野裕二郎,深見健一:奄美 群島における風化残積士(赤土等)の土 質特`性(その1),奄美ニューズレター, No.10,ppl-5,2004. 2)北村良介,深見健一:奄美群島における 風化残積士(赤土等)の土質特'性(その2), 奄美ニユーズレター,No.16,pp,19-24, 2005. 3)地盤工学会:不飽和地盤の挙動と評価, p11,2004. 4)地盤工学会:土質試験の方法と解説,pp ll8-132,2000. 00000000 09876543 1 (⑩ユエ)八mA心中 ・水頭法(e=1.28) ・加圧板法(e=1.31) ・加圧板法(e=1.32) ・水頭法(e=1.28) ・加圧板法(e=1.31) ・加圧板法(e=1.32) 醗鍛 囮騨 ■ ■ ■ ■ ヂ■ 鐘 鯵露 000 21 102030405060 含水比(96) 図-12水分特性曲線(大美川) 0 00000000 09876543 1 (⑪Q二)八mふい士 水等法(e=0.97) 加圧板法(e=0.99) 加圧板法(e=100) 加圧板法(e=0.98) ■●戦● ● ● ● ⑧ ●鱒 000 21 国■■ ■■ 60 1020304050 含水比(96) 図-13豊浦砂と赤土の水分特性曲線 0 22

参照

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