大草レディスクリニック助産師長田村一代氏による
セミナー 『医師と助産師の協働する助産外来』
著者
若松 美貴代
雑誌名
鹿児島大学医学部保健学科紀要=Bulletin of the
School of Health Sciences, Faculty of
Medicine, Kagoshima University
巻
21
ページ
29-33
別言語のタイトル
"The report of a seminar, ""Jyosan-gairai
where doctors and midwives cooperate"" by the
head of the midwifery at Ookusa Ladies'
Clinic"
【 報 告 】 鹿 児 島 大 学 医 学 部 保 健 学 科 紀 要 21:29-33,2011
大 草 レデ ィス ク リニ ック助 産 師 長
田村 一・
代 氏 に よ るセ ミナ ー
『
医師 と助産師の協働す る助産外 来』
若松美貴代
要 旨 助 産 外 来 とは,外 来 に お い て 医 師 に依 存 す る こ とな く助 産 師 が主 体 的 に産 科 外 来 業 務 を行 う こ とで あ る。 鹿 児 島 大学 医学 部 保健 学科 看 護 学 専攻 母 性 ・小 児看 護 学 講 座 で は,2010年8月29日,大 草 レデ ィ ス ク リニ ッ ク助 産 師長 の 田村 一 代 氏 をお 呼 び し 瞥 院 お け る助 産 外 来 の歩 み 』 と題 してセ ミナ ー を 開催 させ て い た だ く機 会 が得 られ た。 本 稿 で は そ の 内容 を報 告 す る。 助 産 外 来 を 成 功 させ るた め に は 医 師 との コ ンセ ンサ ス の も と,医 師,看 護 師 との連 携 と役 割 分 担 が重 要 で, 助 産 師 の ス キ ル,ア セ ス メ ン ト能 力,コ ミュニ ケ ー シ ョン能 力 も必 要 とな っ て くる。 助 産 師 の 自律 の た め に も 自 らが これ らに進 ん で 挑 戦 して い き,職 業 人 と して の 知 恵 と技 を研 鐙 してい く姿 勢 と,社 会 の ニ ー ズ に対 応 す べ く今 後 もた ゆ ま ぬ努 力 が 必 要 で あ る。 キ ー ワ ー ド: 助 産 外 来,助 産 師,役 割 分 担,連 携,ス キ ル 緒 言 全 国 的 な 産 科 医 不 足 問題 は,社 会 的 問題 とな っ た。 そ の 問題 を解 決 す る 担 い 手 と して,医 療 行 為 が で き る助 産 師 が ク ロー ズ ア ップ され る よ うに な り,厚 生 労働 省 の 緊 急 医 師 確 保 対 策 に 関す る 取 り組 み1)で,院 内助 産 所 や, 助 産外 来 の設 置 が促 進 され,助 産 師 は 医療 行 政 の 中 に位 置 づ け られ た。 ケ ア の 受 け 手 で あ る妊 婦 は,継 続 的 で 自 然 な 分娩 を 求 め る よ うに な り,助 産所 や 家庭 内 分娩 を 希 望 す る妊 婦 も少 しず つ増 加 して き た。 施 設 内助 産 師 も主 体 的 で継 続 的 に妊 娠 ・分娩 ・産褥 に 関 わ りた い とい う思 い か ら,助 産 外 来 を標 榜す る施 設 も増 え て きた 。 しか し, 一 方 で 医 師 の 管理 下 の妊 婦 健 診 や 分娩 を行 っ て き た施 設 内 の助 産 師 に とっ て,こ の よ うな転 機 に とま どい を 覚 え る助 産 師 も少 な くな い。 今 回,幸 運 に も鹿 児 島 大 学 医 学 部保 健 学 科看 護 学 専 攻 母 性 ・小 児 看護 学 講座 で は,2010年8月29日,大 草 レデ ィ ス ク リニ ック助 産 師 長 の 田村 一 代 氏 を お 呼 び し,陪 院 お け る助 産外 来 の 歩 み 』 と題 して,医 療 関係 者 を 対象 に セ ミナ ー を開催 させ てい た だ く機 会 が 得 られ た。 セ ミナ ー で は,約20年 か け て助 産外 来 を 立 ち 上 げ て こ られ た これ ま で の経 緯 や,現 在 の助 産外 来 の 実 際 と卒後 教 育 等 に つ い て講 演 して い た だ い た。 本 稿 で は,こ れ か ら助 産外 来 を 立 ち 上 げ よ うと して い る施 設 や,実 際 に助 産外 来 を運 営 し施 設 で抱 え て い る問題 に つ い て,解 決 の 糸 口に な る の で は な い か と期 待 し,そ の 内容 を報 告 す る。 助 産 外 来 と は 助 産 外 来 とは,外 来 にお い て 医師 に依 存 す る こ とな く, 助 産 師 が 主 体 的 に 産科 外 来 業務 を行 うこ とを称 して使 用 され る よ うに な った2)。 ま た,遠 藤 俊 子 ら3)に よ る と, 妊 婦 ・褥 婦 の健 康 診 査 並 び に保 健 指 導 が助 産 師 に よっ て 行 われ る外 来 を さ して い る。 した が っ て,助 産外 来 の 目 的 ・実 際 の業務 内容 は各施 設 に よって さま ざま な形 が あっ て 当然 で あ る。 図1は 開 院 当初,図2は 助 産外 来 を ス タ ー トさせ た 頃 の妊 婦 管理 ス ケ ジ ュ ール を示 す 。 図2に あ る よ うに最 初 鹿 児 島 大 学 医 学 部保 健 学 科 看 護 学 専 攻母 性 ・小児 看 護 学講 座 連 絡 先:若 松 美 貴代 〒890-8544鹿 児 島 市桜 ヶ 丘8-35-1Tel/Fax : 099-275-6792 E-mail : [email protected]
に助 産 外 来 で妊 婦 に 関 る時期 は,妊 娠32∼34週 に設 定 し た 。 この 時期 は 乳房 指 導 や バ ー ス プ ラ ン相 談 等 の保 健 指 導 が 必 要 で あ る こ と と,妊 婦 自身 もマ イ ナ ー トラ ブ ル の 出 現 や,分 娩 を 間 近 に 控 え て,様 々 な 不 安 や 疑 問 を 抱 き や す くな っ て く る こ とか ら,妊 婦 へ の助 産 外 来 の 案 内 も ス ムー ズ にで き る。 これ か ら助 産 外 来 を は じめ る施 設 は, ま ず は保 健 指 導 や妊 娠 後期 の バ ー ス プ ラ ンの確 認 か らな ど,で き る と ころ か らは じめ る と良 い。 週数 宇期健診 医師(1名) 助 産 師(2名) 6 2週 毎 4週 毎 初期 血液 検査 頚部細胞 診 胎盤 位置 ・胎 児形 態 チェック 中期 血液 検査 内診(早 産チェック) NST・胎盤 機能 検 査 内診 内診 内診 <<初 期妊 婦指 導>> 体 重管 理指 導・母 親学 級案 内など ※ 必要 時、医師 の健 診 後に保 健指 導 8 1 1 0 12」 14. 1 6 <<中 期乳 房指 導>> << 後 期乳 房指 導>> 1 8 20 22 24 2週 毎 26 28 30 32 34 36 1週 毎 38 39 40 図1:開 院 当 初 の 妊 婦 管 理 ス ケ ジ ュ ー ル(1991年) 週数 定期健診 医師 助産師 6 2週 毎 4週 毎 初 期血 液検 査 頚 部細 胞診 胎盤 位 置・胎児 形 態 チェ ック 中 期血 液検 査 内 診(早 産チェック) <<初期 妊婦 指 導>> 体 重管 理指 導・母 親学 級案 内な ど ※ 必要 時、医師 の健 診 後に保 健指 導 << 中期 乳房 指 導>> 8 1 0 12」 14. 1 6 18 20 22 24 2週 毎 26 28 3 0 32 妊 婦 健 診(超 音 渡 検 査 含 む) <<後 期 妊 婦 指 導>>・バ ー ス ・プラン 相 談 3 4 36 1週 毎 NST・胎盤 機 能 検 査 内 診 内 診 内 診 ※必要 時、医師 の健 診 後に保 健指 導 38 39 40 図2:妊 婦 管 理 ス ケ ジ ュ ー ル(1998年2月 ∼2000年2月) 検 査 ・診 察 で,い わ ゆ る,妊 婦 検 診 で あ るの に 対 し,助 産 師 の そ れ は,妊 婦 の健 康 診 査 で あ る。 助 産 師 が 実 際 に 超 音 波 を使 い,胎 児 心 音 を 聞 かせ な が ら 「赤 ち ゃ ん,順 調 で す よ。」 の 声 か け は,妊 婦 へ 安 心 感 を 与 え る た め に も,必 要 不 可欠 な こ とで あ る。 当 院 で の助 産外 来 は超 音 波 を 実施 す る際,児 頭 大横 径 (以 後BPDと 略 す)・ 大 腿 骨 長(以 後FLと 略 す)を 計 測 す る、,計測値 は 多少 の誤 差 は あ るの が 当然 だ が,妊 婦 や そ の 家族 は,児 の 身長 や 体 重 の値 が 前 回 受診 時 よ り大 き くな っ て い な け れ ば 心配 し,不 安 に な る。 そ の た め, 助 産 師 は 計 測値 を残 す が,妊 婦 や そ の 家族 に推 定 体 重 を 数 字 で は伝 えな い よ うに し,代 わ りに妊 婦 が お腹 の 中の 赤 ち ゃ ん が イ メ ー ジ しや す い よ う,週 数 に あ っ た キ ュー ピー 人形 を使 用 して い る。 ま た,赤 ち ゃ ん の様 子を 「こ こが心 臓 で す よ。」,「赤 ち ゃん,元 気 に動 い て い ます ね 。」 な ど リアル タ イ ム で動 い て い る赤 ち ゃ ん の 姿 を 言葉 で 具 体 的 に表現 し,妊 婦へ 伝 え てい る。超 音 波 は妊 婦 とコ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンを しな が ら解 説 して こそ意 味 が あ る。 当 院 に お け る 医 師,看 護 師 と の 役 割 分 担 と 連 携 現 在 の 大 草 レ デ ィ ス ク リ ニ ッ ク の 妊 婦 管 理 ス ケ ジ ュ ー ル を 図3に 示 す 。2000年3月 以 降,原 則 と し て,妊 婦 健 診 は 医 師 が6∼12週,18∼20週,28∼30週,36週 を 担 当 し,助 産 外 来 で14∼16週,22∼26週,30∼34週,38週 以 降 に 担 当 し,月 曜 日 か ら 土 曜 日 ま で1週 間 に6日,妊 婦 健 診 全 体 の7割 以 上 を 助 産 外 来 で 担 当 す る よ う に な っ た 。 各 時 期 に 応 じ て 必 要 な 保 健 指 導 や 乳 房 指 導,バ ー ス プ ラ ン相 談 等 を 行 っ て い る。 助 産 外 来 は 予約 制 で,前 日 ま で に 外 来 看 護 師 が カ ル テ へ の 検 査 デ ー タ 添 付,週 数 チ ェ ッ ク を 行 い,準 備 す る。 健 診 当 日,妊 婦 は 来 院 後 に 母 子 手 帳 を 受 付 に 提 出 し,採 尿 を 済 ま せ 待 合 室 で 待つ 。 担 当 助 産 師 は 一 人 で 妊 婦 を 呼 び 入 れ,妊 婦 健 診 と超 音 波 検 査,保 健 指 導,母 子 手 帳 と 助 産 師 が 超 音 波 を 行 う 意 味 と 妊 婦 へ の 伝 え か た 医 師 や 技 師 で は な く,助 産 師 が妊 婦健 康 診 査(以 後妊 婦 健 診 と記 す)で 超 音 波 を行 うこ とは,胎 児 の順 調 な発 育 を確 認 しな が ら,妊 婦 の 白覚 を 高 め,わ が 子へ の 愛着 を 育 て て い くた め に も,不 可欠 な 要 素 で あ る とい え る。 医 師 に は 医 師 の,助 産 師 に は助 産 師 と して の超 音 波 を行 う意 味 が あ り,役 割 が あ るは ず で あ る。1999年 日本 母性 衛 生 学会 「助 産 師 にお ける継 続 的 な妊婦 健 診 」の ア ンケ ー ト調 査4)で は,約90%の 妊 婦 が 医 師 ・助 産 師 の 両方 の外 来 を 希 望 して い る こ とか ら,妊 婦 は どち ら も必 要 と して い る と言 え る。 医 師 が行 うの は,異 常 や 疾 患 が な い か の 週数 定期健診 医師 助産師 6 2週 毎 初期血液検査 頚部細胞診 <<初 期 妊婦 指導>> 体重 管理 指 導・母親 学級 案 内な ど 8 10 12 14 4週 毎 妊婦 健詮(超 音波 検 査 含む) 保健 指導 16 18 胎盤位置 ・胎 児 形態チェック 20 22 妊婦 健診(超 音 波検 査 含む) << 中期 乳房 指導>> 24 2週 毎 26 28 中期 血液 検査 内診(早 産チェック) 30 32 妊婦 健詮(超 音波 検 査 含む)<<後 期妊婦 指導>>・バ ース・ブラン相談 34 36 1週 毎 NST・胎盤機能検査 38 妊婦 健診(超 音 波検 査 含む) 内診 39 40 図3:妊 婦 管 理 ス ケ ジ ュー ル(2000年3月 以 降 の 助 産 外 来) 30
カル テ へ の 記録 ま で を15分 で行 って い る。 「お腹 が は る」, 「外 陰 部 の掻 痒 感 の訴 え」,「血 圧 の上 昇 」,そ の他 妊 婦 か らの 訴 え に つ い て は,話 しを よ く聞 き ア セ ス メ ン トし, 助 産 師 が 必 要 と判 断 した 際 に 通 常 の妊 婦 健 診 の 終 了 後, 医 師 の診 察 へ ま わ す とい うシ ス テ ム を 取 っ て い る。 医 師 へ の相 談 基 準 は産 婦 人 科診 療 ガ イ ドライ ン(産 科 編2008) に の っ と り,取 り決 め られ て い る。 産 科 医 ・助 産 師 が少 な い 中 で,今 後,産 科診 療 所 に お い て診 療 の 質 が低 下 す る こ とな く分娩 を扱 うた め に は,医 師,助 産 師,看 護 師 の 特性 を 生 か した よ り効 率 の よい 業務 分 担 と連 携 が 不 可 欠 で あ る。 表2:助 産 師 研 修 ス ケ ジ ュ ー ル ②(分 娩) 助 産 師 の 卒 後 教 育 当 院 に お け る 助 産 師 の 卒 後 研 修 の 実 際 当 院 に お け る助 産 師 の 卒 後研 修 ス ケ ジ ュ ール を表1, 2に 示 す。 助 産 師 の 業務 内容 を そ れ ぞ れ が ど こま で 達成 で き た か の 評 価 基 準 をA∼Dで 判 断す る。Aは 自己 で判 断 し実 行 で き る(独 り立 ち),Bは 自 己 で判 断 した こ と を 指 導者 に 報 告 し実 施 で き る,Cは 指 導 者 の判 断 の も と に 実施 で き る,Dは 指 導者 と共 に 学 び行 動 す る こ とが で き る と した。 表 中 に 記 した 実線 矢 印(→)が 示 す の は,少 な く と もAの 評 価 に達 す る こ と を 目標 に す る 時 期 を さ す 。 新 人 教 育 に は,新 人1人 に経 験年 数 が 直 近 の 先輩 を プ リセ プ タ ー と して つ け る プ リセ プ タ ー制 と,研 修 指 導 に つ い て は 中 堅 を リー ダ ー と して3チ ー ム の 中 で 教 育 す る チー ム制 を併 用 してい る。1年 目の保健 指導 的 なスケ ジュー ル は表1に 示 す 「入 院 中 の 乳房 管理 ・授 乳 指 導 」や 「産 褥 体操 ・退 院 指 導 ・調 乳 指 導 」 で研 修 させ,分 娩 に 関 し て は 表2に 示 す よ うに 「内 診 」,「 ノ ン ス ト レス テ ス ト (以後NSTと 略 す)判 読 」,「自然 分 娩 の経 過 と分 娩 進 行 の理 解 」 を研 修 ス ケ ジ ュ ール の 中 に組 み 込 み,独 り立 ち 表1助 産 師 研 修 ス ケ ジ ュー ル ①(助 産 師 外 来 ・指 導) 〈評価 基準 〉 A:自 己で判 断 し実 行で きる 独 り立 ち B:自 己で判 断 したこ とを指導者 に報告 し,実 施で きる C:指 導者 の判断 のも とに実施 でき る D:指 導者 と共 に学び 行動す るこ とがで きる で き る よ う実施 させ る。 年 に3∼4回 の新 人 の評 価 会 を 設 け,目 標 の到 達度 や 指 導 内容 の確 認,指 導者 の意 見 交 換,次 回 の評 価 会 ま で の 目標 設 定 な どを行 っ て い る.急 い で あれ も これ も と急 か さず,ラ ダ ー は段 階 的 に行 い, ゆ っ く りと時 間 を か け て ス タ ッフ 全員 で新 人 を 育 て て い る。 助 産外 来 に お い て の妊 婦 健 診 の研 修 は2年 目中 頃 か ら ス タ ーす るが,超 音 波 技術 の 習得 の た め に助 産外 来や 病 棟 で,妊 婦 へ の超 音 波 実施 を先 輩 助 産 師 と部 分 的 に少 し ず つ 関 らせ て い る。 そ うす る こ とに よ り,助 産 外 来 で徐 々 に超 音 波 が行 え る よ うに な っ て い く。 助 産 外 来 を 成 功 さ せ る た め に 助 産外 来 を成 功 させ るた め に は,医 師 との コ ンセ ンサ ス が 大切 で あ り,は じめ か ら全 て を助 産 師 でや ろ うと し な い こ とで あ る。 ま た,若 い ス タ ッ フだ け で 始 めず,ベ テ ラ ンの ス タ ッフ も巻 き 込 ん で 始 め る こ と も必 要 で あ ろ う。 技術 習得 の た め の ス テ ップ と して外 来 で は,助 産 師 は 医 師 の診 療 介助 で な く,助 産 師 が 妊 婦健 診 を行 う。腹 囲, 子 宮底 の 計 測,レ オ ポル ド触 診,ド ップ ラー で の胎 児 心 音 の聴 取,浮 腫 の 有 無 な どの健 診 結 果 を き ち ん と記 録 に 残 し,カ ル テ,プ レグ ノグ ラ ムは 医 師 と共 有 す る と よい。 超 音 波 に つ い て は,ス キル ア ップ に 協 力 して くれ そ う な妊 婦 を見 つ け,自 施設 で 医師 と超 音 波 の勉 強 会 を行 う。 最 初 か ら外 来 で超 音 波 を 実 際 の妊 婦 へ行 うこ とは難 しい た め,ま ず は 産婦 の入 院 時 に胎 位,胎 向 の確 認 か らは じ め る。 多 くの妊 婦 を診 て い く こ とで測 定 で き る よ うに な る。 慣 れ る ま で はBPD,FLな どの測 定 を 義 務 つ けず に お く。 分娩 が な く病 棟 が 落 ち着 い て い る とき は,医 師 が 実 際 に行 っ て い る超 音 波 に付 き積 極 的 に 学 ん で い く こ と も大切 で あ る。
-31-助 産 師 が 主 体 的 に 働 く た め に 助 産 技術 の 向 上 とや りが い は,妊 娠 ・分娩 ・産褥 期 の 継 続 した ケ ア と トー タル な 実 践 か ら うま れ る。 助 産 師 の 自律 の た め に もモ チベ ー シ ョン を 下 げ ず に維 持 して い く た め に は,自 らが進 ん で これ らに挑 戦 して い く こ とが 求 め られ る。 助 産 外 来 は,「 自分 た ちが 何 の た め に始 め る の か 」 と 自問 す る こ とを 忘 れ ず に,原 点 に 戻 っ て 考 え て み る こ と も時 に は 必 要 で あ ろ う。 お わ り に 今 回,田 村 氏 の セ ミナ ー を 通 して,助 産外 来 の 広 が り は 自施設 の こ とだ けで な く,助 産 師 が 主体 的 に母子 に関 っ て 自律 す る た め に は,卒 後 教 育 も含 め て どん な助 産 師 を 育 て た い か,今 後 の助 産 師 に 求 め られ る もの,助 産 師 教 育 は ど うあ るべ きか,な ど助 産 師 の質 の問題 に もつ なが っ て くる こ とが 改 め て理 解 で き た。 時代 の 要請 と施 設 内助 産 師 自 ら,主 体 的 ・継 続 的 に妊 産褥 婦 に 関 わ りた い とい う思 い か ら,広 が りつ つ あ る助 産外 来 で あ る が,助 産 師 の 自律 な く して は成 り立 た な い。 今 後 も助 産 師 一 人 一 人 が,職 業 人 と して の 知恵 と技 を研 鎖 して い く姿 勢 とた ゆ ま ぬ努 力 が 必 要 で あ る。 《 注釈 》 産婦 人 科診 療 ガ イ ドラ イ ン(産 科 編2008):産 婦 人 科診 療 ガ イ ドラ イ ン(産 科 編2008)は 日本 産 科婦 人 科 学会 と 日本 産婦 人 科 医 会 の合 同で 作成 され た もの で あ り, 治療 す る施 設 や 地域 に左 右 され な い よ うに 作成 され て い る。2008年 現在 で コ ンセ ンサ ス が得 られ た適 正 な標 準 的 産 科 診 断 ・治療 を示 す こ とに よっ て,1)い ず れ の 産科 医療 施 設 に お い て も適 正 な標 準 的 医療 が確 保,2)産 科 医療 の安 全 性 が 向 上,3)人 的 な らび に経 済 的負 担 の軽 減,4)医 療 従 事者 ・患者 の相 互理 解 の助 長,な どを期 待 す る こ とで あ り,現 時 点 で は 患者 に及 ぼす 利 益 が 不利 益 を相 当程 度 上 回 り,80%以 上 の 地域 で 実施 可 能 で あ る と判 断 され た検 査 法 ・治 療 法 をAnswerと して 推 奨 して い る。3年 毎 の 見 直 し,改 訂 作 業 が 予 定 され て い る。 (産婦 人 科 診 療 ガ イ ドライ ン ー産 科 編2008よ り抜 粋) 引 用 文 献 1)厚 生 労働 省 「緊 急 医 師確保 対 策 」 に関す る取 り組 み: 厚 生 労働 省 ・総 務 省 ・文部 科 学省 「地域 医療 に 関す る関係 省 庁 連 絡 会 議 」 http//www.mhlw. go.jp/topic s/bunkyoku/isei/kinkyu/dl/ 01 c.pdf, 2011, 2, 10 2)江 角 二 三 子:助 産 に 外 来 と は.実 践 か ら 学 ぶ 助 産 師 外 来 設 営 ・運 営 ガ イ ド.ペ リ ネ イ タ ル ケ ア.新 春 増 刊,メ デ ィ カ 出 版,大 阪,2005,p8-15 3)遠 藤 俊 子:院 内 助 産 シ ス テ ム と は,院 内 助 産 シ ス テ ム ガ イ ドブ ッ ク(遠 藤 俊 子 編),医 歯 薬 出 版,東 京, 2010,p23-29 4)大 井 信 子,田 村 一 代,桧 原 美 紀,他:助 産 婦 に よ る 継 続 的 な 妊 婦 健 康 診 査.日 本 母 性衛 生 学 会.2001,42(3), 292(会)