1.は じ め に
直接的な経済取引や資源の輸移出入,製品販売,廃棄 物処理といった,いわゆる統計データとして計測可能な 情報は個人がインターネット上から簡単に入手すること ができるようになり,サプライチェーンを自分のパソコ ンで簡単に分析・設計できるほどに,モノの流れの可視 化・データ化が進んでいる.一方で,環境負荷の制御, エネルギーシステムの設計,少子高齢化への対策など, 社会課題は山積みであり,持続可能な社会や循環型社会 といったビジョンに向けた指標の設計や取組みの可視 化,具体的成功事例の横展開などが必須となってきてい る.統計にもよるが,エネルギー自給率で数%程度,食 料自給率で 50%に届かないという資源の少ない日本に おいては,再生可能資源の導入による脱枯渇性資源への 取組みだけでなく,自国内の資源利活用を推進し,自給 率の向上(他国への依存度の緩和)が必要といえる.環 境影響やエネルギーシステムに関連したシステム評価手 法もさまざまなものが開発されてきている.環境影響評 価ではライフサイクルアセスメント(LCA)をはじめと する定量化手法 [Itsubo 07] が,エネルギーシステムに ついては多種エネルギーモデルが開発され [JST CRDS 11],技術オプションの選択による将来システムの可能 性が議論されてきている.一方,国内経済において行わ れた財・サービスの産業間取引を行列で示した産業連関 表 [Leontief 36, Leontief 41, MIAC 15] を用いて,産業 間の連関やネットワークを分析する産業連関分析の手法 の一つである構造経路分析法 [Defourny 84, Lenzen 02, Lenzen 07, Oshita 12]を応用することで,キャッシュフ ローや物量フローといったサプライチェーンを可視化す ることもできる [Oshita 14] ようになってきている.こ のように,測定可能な統計データに加え,分析などを通 して得られる知見や情報もますます増えていく社会の中 で,人工知能がもつ役割は大きいと考えられる. 実際に自国内で資源を有効利用していくためには,資 源を得ることができる地域に着目してシステムを設計す る必要がある.再生可能資源の多くは農林水産業といっ た一次産業が盛んな地域で得られるものであるが,その 生産量,サプライチェーン,バイオマスポテンシャルな どが関係する地域のプレーヤ間で必ずしもシームレスに 共有できる情報となっていない.一次産業の産業活動と 環境負荷,エネルギー,社会経済性をひも付けて取り扱 うことができる,統合的な情報基盤を構築することで, 地域資源をより有効に用いるための仕組みを導入するこ とが可能となる.本記事では,農林水産地域における人 工知能の潜在ニーズを探索し,具体的な地域として離島 の地域資源利活用に向けた情報基盤の要件定義を行う. なお,地域資源にはさまざまなものがあり得るが,特に 再生可能資源について議論する.簡単のため以下の本文 において,要件定義する統合的な情報基盤を Artificial Intelligence システム(AI システム)と呼ぶこととする.2.地域における AI の潜在的ニーズ
図 1 に本記事において提案する地域の AI システム の概要を示す.描画においては,統一モデリング言語 UML(Unified Modeling Language)のユースケース 図における描画方法を参考に,地域のプレーヤが行う業 務とその間の情報を可視化させ,互いに連関させた.プ レーヤの間に存在する領域に AI システムがサポートで きるべき業務と情報が並んでいる.図 1 においては,サ地域資源利活用のための
統合的情報基盤の要件定義
Requirement Definition of Integrated Information Infrastructure for
Utilization of Local Resources
菊池 康紀
東京大学Yasunori Kikuchi The University of Tokyo.
[email protected], http://platinum.u-tokyo.ac.jp/
尾下 優子
神戸大学Yuko Oshita Kobe University.
[email protected], http://www.maritime.kobe-u.ac.jp/professors/oshita.html
Keywords:
primary industry, renewable resources, biomass, simulation. 「人工知能と農業」プライチェーン管理,資源生産・技術開発,変換・技術 開発,とシステム分析という領域に着目し,代表的な業 務と情報を並べている.それぞれの領域において独立し た AI システムを構築することもできるが,一つのサプ ライチェーンに関わる複数のプレーヤを巻き込んだ,統 合的なシステムとして構築するほうが,社会経済性や環 境性に関してより良い設計と運用を実現できる可能性が ある. 2・1 地域資源の利活用 地域資源を利活用するためには一次産業の持続性とと もにその資源を変換・利用するサプライチェーンを設計 する必要がある.図 2 に植物資源技術と変換技術を中心 とした利用システムにおける観点をまとめて示す.植物 資源については,何が必要か,何が制約条件か,何をつ くればよいか,を考えなくてはならない.植物資源技術 については,図 1 の植物資源生産・技術開発におけるシ ステムのユースケースにもあるとおり,各地域の特性に 合わせて栽培する植物資源の種類・品種を営農操作とと もに検討したり,現在の樹種・樹齢分布などに合わせて 伐採・植林計画を立てたりできるような方法論などが必 要である.これを受けて,気象や土地の条件に合わせた 各種肥料を用い,目的製品や時定数,納期といった制約 条件のもと,実際に栽培が行われていると考えられる. 植物資源変換技術においては,地域で得られる植物資 源を最大限に有効利用できる製品製造を行うことが求め られる.植物資源には高付加価値な食糧・食料などといっ た成分と,これらに該当しないバイオマスが含まれてい る.そのため,より高付加価値な食糧・食料や素材,化 学物質を,比較的低付加価値な燃料やエネルギーよりも 優先して製造することが,資源の有効利用性が高くなる といえる. 植物資源のサプライチェーンにおいては,技術オプ ションの組合せにより構築できるシステムだけでなく, 法制度や方針などの調整も必要となることが考えられ る.例えば,農業や林業においては国の方策により栽培 する作物・樹種が大きく影響を受けてきた.農林業にお いては多種の交付金や補助金もあり,製品として電力を 生み出す場合には固定価格買取制度などとも関係が出て くる. このような中,図 1 下部に示す技術開発と実際の産業 を結び付けるための AI システムはもちろんのこと,サ プライチェーンの設計においても AI システムは潜在的 なニーズをもっているといえる.図 3 に農・林・水産・ 工の関係を模式的に示す.山林は森林資源をもっている が,これは数十年かけて蓄積するものであり,森林管理 が欠かせない.ここでは山の管理者だけでなく,森林組 合や自治体なども関係する.例えば,林業機械は高価で あるため,地域で共有することもあり得る.このとき, 図 1 地域資源利活用のための AI システムユースケースの例 図 2 植物資源の利活用における技術と観点 図 3 林業林産業を中心とした一次産業との関係
山から出せる資源の量と質は必ずしも資源を受け取る側 である製材所やバイオマスプラント側で十分に把握でき る状態に全国の森林組合においてあるとはいえない.林 産業におけるサプライチェーン管理をするための情報管 理ツールが必要であり,データベースとともに出荷の将 来予測や計画立案などをサポートできる仕組みが不可欠 である.山林は地域の水源でもあり,圃ほ場や海へ影響し 得るため,こうした地域の AI システムは,持続可能な 地域を構築していくためにも必須といえる. 2・2 シ ス テ ム 分 析 地域資源を利活用するシステムの性能として,環境性 や社会経済性といった観点からのシステム分析が必要で ある.例えば環境性では,LCA などのような体系的な 評価手法に基づいた定量化が必要といえる.評価の実施 においては,専門的なデータベースや計算手法を用いる 必要があるため,研究機関などの専門家による支援とと もに,AI システムによる支援が不可欠といえる.同時に, 地域にとっては少なからず労働力を割いて農林業を維 持・継続しているため,その雇用や経済波及は重要な観 点となり,副産物の最大限利用や熱電の融通による,産 業の高付加価値化が求められる.このような性能を分析 するために,産業連関分析による産業構造解析などが適 用できるが,やはり専門的な知識をサポートする AI シ ステムが有効である.システム分析においては,植物資 源の生産や変換におけるエネルギー消費量,材料消費量, 環境負荷発生量,温度・圧力条件など,サプライチェー ン中に存在し得る生産管理システム(例えば工場にお ける分散制御システム(Distributed Control System: DCS))などに常時記録されているデータなどが必要と なる.そのため,地域資源の利活用による効果を適切に 可視化させて,より効果的なシステム分析と結果に基づ くシステム設計を行うためには,AI システムは新規の ものも既存のものも含めて,互いにシームレスに接続し ていることが望ましい.
3.離島地域システムにおけるケース
3・1 背 景 離島地域は課題先進国といわれる日本 [Komiyama 14] の中でもさらに課題が先進して顕在化しており,社会課 題の解決・改善に向けた取組みが急務となっている.例 えば,図 4,図 5 に示すとおり,人口と就業者数を見る と,全国に先駆けて人口減少,高齢化,就業人口の減少 が進んでいることがわかる.就業者の産業分類を見ると, 一次産業のシェアが大きく,基幹産業の一つであること がわかる. 一次産業が盛んな地域では再生可能資源として植物資 源を多く得ることができる.再生可能資源からは,食糧 や木材といった高付加価値製品だけでなく副産物である バイオマスが得られ,これらをエネルギー利用するプロ セスが離島地域においても検討され始めている. 再生可能資源由来のエネルギーは,脱化石・低炭素な ど,付加価値が高まってきており,副産物であるバイオ マスから電力やエネルギーを効率的に得ることで地域の エネルギー自給率の向上,化石資源購入資金の域外へ流 出削減,また農林業基盤の安定化に貢献し得る.その際 には,既存プロセスのエネルギー利用率向上だけでなく, 地域で得られる資源を統合的に利用し,地域に合わせた 新規システムの導入が必要であるが,そのようなシステ ムの設計手法はいまだ確立されておらず,個別に検討が なされているため,知識や技術,資金力が十分にある地 域でしか検討が進んでいない.地域特性を考慮しながら 地域の再生可能資源を最大限に利活用するシステムの導 入に向けては,農林業,エネルギー需給,地域インフラ, 地理的特性などの情報を統合的に処理できる AI システ ムが必須である. 本記事においては,種子島ならびに佐渡島を例に,こ れまでの取組みを紹介しながら,AI システムのニーズ を検討する. 3・2 一次産業とエネルギーシステム § 1 離島地域エネルギーシステムにおける設計要件 北海道,本州,四国,九州(以下,日本四島)と架橋 などによって接続されていない離島地域は,エネルギー 図 4 全国と離島における人口と高齢者比率. 全国人口は 2010 年以降減少している [MIAC 14, MILT 11] 図 5 全国と離島における産業分類別就業者数の推移 [MILT 11]翌 4 月頃までの 4 ~ 5 か月間となっている.この間,サ トウキビ農家からの納入は,複数品種を栽培する農家の 登熟状態を予測し,島全体での製糖量が最大化され,か つ農家間で不利益が出ないように納入時期を農家ごとに 調整している.現在は手作業にて決定されている納入時 期については,サトウキビの生育モデルとともにシミュ レーションできる AI システムが有効となる可能性があ る.このとき,製糖期の余剰電力・熱や非製糖期の熱電 生産によりビジネスを展開していくためには,林業系バ イオマスなどとの混焼など,従来の製糖工場にはなかっ たような仕組みを導入することも検討すべきである.こ のような場合,林業における樹種・樹齢分布に基づく間 伐・皆伐・植林計画と合わせてビジネスモデルを提案で きるような,統合的な情報処理を可能とする AI システ ムが必要となる.域内外の輸送経路についても同時に 解析し得る.さらに,系統連系を行った場合には,島の ディーゼル発電や太陽光などの他の電源との発電計画に おいて出力の調整が必要となり得る.広域・多業種にお けるシームレスな管理が必要となってくる.このとき, 植物資源のように天候や気象などによって左右され得る 資源を用いる場合には,納期などのような短期的な計画 だけでなく,中長期的な生育予測をしつつ,備蓄や増産 などの対策を検討するための AI システムが必要となる. 3・3 スマートエコアイランド構想の実現に向けた 地域 AI システムのニーズ 農林業やエネルギーといった多くの利害関係者を巻 き込むシステムの変革を起こすことにより,島全体の社 会経済性や活気の好転につながることが期待できる.ス マートエコアイランド構想は,農林業,エネルギーだ けにかかわらず,地域医療や雇用,社会経済に対する 波及までも含めて,適切な技術導入やシステムの改革 を行っていくことを目指すものである [SEIRI 15, UT PtLab 14].例えば,エネルギーシステムに関する課題 として,エネルギーの需給マッチングが不可欠である が,将来の需要の変化を適切に捉えて施設を設計しなけ れば,効率の大幅な低下やシステムの欠陥につながり得 る.図 7 に佐渡島における電力需要に関する例を示す. の供給網が実質独立しており,燃料の島外からの移入, 電力システムの自立などが高エネルギーコストの原因と なっている.燃料などの価格については,数十円/ l 程 度,日本四島に比べて高い価格水準となっている [MILT 14].電力についても,幾つかの電力会社からも公開さ れているとおり,すでに太陽光・風力などの安定性に不 確実性のある電源の系統連系量が変動調整力を維持する ための電力網の下げ代制約に達しており,これ以上の連 系ができない状態になっている [KyushuEPCO 14].こ れらの課題は日本四島よりも早く顕在化し深刻化しつつ あるが,日本四島でも今後起こり得るものであり,離島 地域だけの課題に限るものではないと考えられる. § 2 地域エネルギー拠点の構築と AI システム 種子島については島の基幹産業の一つであるサトウキ ビ産業を中心に,製糖工場における未利用エネルギーを 解析し,既存設備の稼働率向上による再生可能資源の利 活用性を高めることが検討できる [UT PtLab 14].概要 を図 6 に示す.製糖工場にはサトウキビの搾りかすであ るバガスを燃料として用いた既設の自家発電システムが ある.この設備は多くの場合,製糖に必要な熱電を併給 する専用システムとなっており,ほぼバガス由来のエネ ルギーのみで製糖を行うことができる.季節や地域にも よるが,100 ℃以下の熱など低品位な熱も含めれば,ま だ多くの未利用なエネルギーが製糖工場内に存在してい ることもわかってきている.一方,連作障害が懸念され るサトウキビの輪作として栽培されているイモをでんぷ んに加工する工場などでは,化石由来の熱エネルギーを 使用しており,近年,価格高騰により経営に悪影響を与 えている.全イモ栽培量の中でも加工用イモの割合は多 く,でんぷん工場の採算性を高めるためには製糖工場の 未利用エネルギーを利用することが有効な手段となり得 る.同様に,製材所において木材加工を行うための熱電 を林産・林業バイオマスを用いて供給することも検討す べきといえる.バガスやでんぷん粕,焼酎粕,製材残渣 などのバイオマスは付加価値の高い製品を生産するため に植物資源を収集しているため,副産するバイオマスが 地理的・時間的に集中・安定して発生しているが,現段 階で収集が十分に行われていないバイオマスなどがあれ ば,それらも合わせて利用可能なシステムとしていくこ とでさらなる地域資源の利用率向上が可能となり得る. このように,地域のエネルギー拠点を中心とした地域シ ステムの構築により,雇用の創出・安定化,林業活性化・ 森林保全,太陽光・風力などの電源に対する変動調整と 導入拡大,化石資源依存度の低減といった効果が期待で きる. 図 6 に示すような地域エネルギーシステムのビジョ ンを実現するためには,さまざまな情報の統合的な取扱 いが不可欠となり,AI システムによるサポートが必須 といえる.例えば,製糖期間はサトウキビの登熟に合わ せて毎年設定されており,種子島では年間 12 月頃から 図 6 製糖工場を中心としたエネルギーシステム概念図
人口減少と各種省エネ技術の導入によって電力需要が大 幅に低下することがエネルギーシステムモデルによって 定量化されているが,こうした将来の変化を考慮しなが らシステム設計が行えるよう,各種シミュレータを結合 した AI システムが必要である.このとき図 8 に示すよ うに,具体的な地区としてどのような場所でどのような 技術の導入ポテンシャルが高いかを可視化させながら議 論しやすくするため,地理情報システム(Geographical Information System: GIS)上に,土地利用形態といっ た地理情報,人口や事業所といった社会情報,風況や日 照といった環境情報を表示することも有効といえる. 評価手法をツール化し,AI システムと結合させるこ とも有効な支援となり得る.図 9 に,産業連関分析を用 いた林業を起点とした佐渡島におけるキャッシュフロー を示している.この図により,林業由来の生産が 1.29 倍のキャッシュフローを生み出していることがわかる. 佐渡島内においては森林在庫となっているものが多く, 森林資源の有効利用によってフローを増やすことができ れば,生産額に対する循環額の比率を高めることができ るようになり,結果として,域内の経済状況が好転する 可能性があることを,このような解析結果をもとに定量 的に議論できるようになる.産業連関表は総務省統計局 によってまとめられているが,地理的バウンダリとして の最小区分は都道府県単位のものが多く,自治体や地域 レベルの表は多くない.多くの統計データを統合して構 築される産業連関表であるため,その構築を支援する AIシステムの開発は,上述のような域内外の経済効果 の可視化を促進し,バイオマス事業をはじめとした地域 資源を有効利用する事業の効果を算定しやすくし得る. このように,多くの情報を用いて議論すべきスマー トエコアイランド構想のような社会システムのイノベー ションには,AI システムが不可欠といえる.
4.お わ り に
地域資源の利活用のためには地域システムの変革が不 可欠であり,そのためには多種の統計データや設計・評 価手法,ソフトウェアツール,既存の制御システムなど を統合化することが有効である.AI システムは,多く の情報を同時に処理し,複数のシステムをシームレスに つなぎ合わせて,意思決定を支援することができると考 えられる.統合的情報基盤としては,上述の要素にアク セスできる形でユーザインタフェースをもち,AI によ る稼働ができる,ソフトウェアシステムと定義できる. その要件は,刻々と変化する地域の状況に合わせて,意 思決定者が将来を見据えながら今のアクションを検討す るための機能を有していることといえる. 具体的な地域における統合的情報基盤の構築は,課題 先進国日本における社会課題を解決・改善するための技 術・システムの社会実装につながり得る.情報基盤は成 功・失敗事例を一般化し,横展開を図るために不可欠で ある.先進的に課題が顕在化している日本においてさま ざまな地域の社会課題に対する方法論を構築し,同様な 条件をもつような海外諸国にそれを適用可能にしていく 図 7 EFMFTO[Kikuchi 14] の応用によるエネルギー需要の 将来変化の予測(佐渡島) ❶夏季最大3日 ❷夏季平日 ❸夏季休日 ❹中間期平日 ❺中間期休日 ❻冬季平日 ❼冬季休日 ①夏季最大3日 ②夏季平日 ③夏季休日 ④中間期平日 ⑤中間期休日 ⑥冬季平日 ⑦冬季休日 電力需要[GW] ① ① ❶ ❶ ❷ ❷ ❻ ❻ ❼ ❼ ❸ ❸ ❺ ❺ ❹ ❹ ② ② ③ ③ ④ ④ ⑤ ⑤ ⑥ ⑥ ⑦ ⑦ 図 9 佐渡島産業連関表による林業を起点としたキャッシュ フロー 図 8 地域資源の需給に関する統計データの GIS マッピング (佐渡島). 事業所と森林成長賦存量の可視化の例. 点は事業所,メッシュは森林成長賦存量を示すためにも,情報基盤の設計と構築,そして利用が重要で ある. 謝 辞 本記事に含まれる情報やデータについては,文部科学 省 COI STREAM「スマートエコアイランド研究拠点」, 農林水産省革新的技術緊急展開事業「サトウキビの安 定・多収栽培技術の実証と高バイオマス量サトウキビの 生産性評価」,日本学術振興会科学研究費補助金(若手 研究(B)25870163,若手研究(B)26740056,基盤研 究(A)26240032)における成果を含んでいる.本研究 に関連して,新光糖業(株),(福)百合砂苑,種子島森 林組合,JA 種子屋久,種子島観光協会,西之表市,中 種子町,南種子町,佐渡市,アサヒグループホールディ ングス(株),サステナジー(株)の協力を得た.東北 大学 福島康裕准教授と研究討論を行った.東京大学 鮫 島正浩教授,早稲田大学 中垣隆雄教授から技術に関する 専門的なアドバイスを得た.東京大学「プラチナ社会」 総括寄付講座は,(株)地球快適化インスティテュート, 日本電信電話(株),富士フイルムホールディングス(株), 三井不動産(株),(株)LIXIL からの寄付で活動している.
◇ 参 考 文 献 ◇
[Defourny 84] Defourny, J. and Thorbecke, E.: Structural path analysis and multiplier decomposition within a social accounting matrix framework, Economic J., Vol. 94, No. 373, pp. 111-136(1984) [Itsubo 07] 伊坪徳宏,成田暢彦,田原聖隆,青木良輔,稲葉 敦: LCA概論(LCA シリーズ),産業環境管理協会(2007) [JST CRDS 11] 科学技術振興機構研究開発戦略センター:豊か な持続性社会構築のためのエネルギーモデル,CRDS-FY2011-WR-11(2011)
[Kikuchi 14] Kikuchi, Y., Kimura, S., Okamoto, Y. and Koyama, M.: A scenario analysis of future energy systems based on an energy flow model represented as functionals of technology options, Applied Energy, Vol. 132, pp. 586-601(2014) [Komiyama 14] Komiyama, H.: Beyond the Limits to Growth:
New Ideas for Sustainability from Japan, Springer, Tokyo
(2014)
[KyushuEPCO 14] 九州電力:離島の再生可能エネルギー発電 設備に対する接続申込みの回答保留について,http://www. kyuden.co.jp/press_h140725-1(2014)
[Lenzen 02] Lenzen, M.: A guide for compiling inventories in hybrid Life-cyccle assesments: some Australian result, J.
Cleaner Production, Vol. 10, No. 6, pp. 545-572(2002) [Lenzen 07] Lenzen, M.: Structural path analysis of ecosystem
networks, Ecological Modelling, Vol. 200, No. 3-4, pp. 334-342 (2007)
[Leontief 36] Leontief, W. W.: Quantitative input-output relations in the economic system of the United States, Review of
Economics and Statistics, Vol. 18, No. 3, pp. 105-125(1936)
[Leontief 41] Leontief, W. W.: The Structure of American Economy,
1919-1929, An Empirical Application of Equilibrium Analysis,
Oxford University Press, New York(1941) [MIAC 14] 総務省統計局:日本の統計(2014)
[MIAC 15] 総務省 HP:産業連関表(2015), http://www.soumu. go.jp/toukei_toukatsu/data/io/
[MILT 11] 国土交通省:離島の現状について(2011) [MILT 14] 国土交通省:離島の現状(2014)
[Oshita 12] Oshita, Y.: Identifying critical supply chain paths that drive changes in CO2 emissions, Energy Economics, Vol.
34, No. 4, pp. 1041-1050(2012)
[Oshita 14] Oshita, Y. and Kikuchi, Y.: Flow analysis on products of agriculture, forestry, fisheries industry using structural path analysis, Proc. 22nd Int. Input-Output Conference(2014), https://www.iioa.org/conferences/22nd/papers/ files/1498_20140509091_2014IIOA_Fullpaper_AgrFlow_ YO% 5B1% 5D.pdf [SEIRI 15] スマートエコアイランド研究拠点 HP:http://www. ir3s.u-tokyo.ac.jp/eco-island/index.html(Accessed in 2015 January) [UT PtLab 14] 東京大学「プラチナ社会」総括寄付講座:自然と 共生するスマートエコアイランド 種子島シンポジウム講演資 料,http://platinum.u-tokyo.ac.jp/posts/post4. php(2014) 2015年 1 月 22 日 受理
著 者 紹 介
菊池 康紀 2006~09年日本学術振興会特別研究員DC1を務め, 2009年 3 月東京大学大学院工学系研究科化学シス テム工学専攻にて博士課程修了,博士(工学).同 年 4 月より同専攻助教.2012 年 4 月より東京大学 総長室総括プロジェクト機構「プラチナ社会」総括 寄付講座にて特任講師.2012 年 7 月から東京大学 大学院工学系研究科化学システム工学専攻特任講師 を兼担,2013 年 5 月より九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国 際研究所(I2CNER)・訪問研究者,2013年6月より千葉大学環境健康フィー ルド科学センター・客員准教授,2014 年 5 月より科学技術振興機構 研究 開発戦略センター・特任フェローを兼任.専門は,プロセスシステム工学, ライフサイクル工学,知識の構造化.日本 LCA(ライフサイクルアセス メント)学会 学会賞(論文賞)(2011 年)を受賞している. 尾下 優子 2010~ 13 年日本学術振興会特別研究員 DC1 を務め, 2012年 11 月~ 2013 年 2 月カリフォルニア大学サ ンタバーバラ校訪問研究員,2013 年 3 月九州大学 大学院経済学府経済システム専攻にて博士課程修 了,博士(経済学).同年 4 月より神戸大学大学院 海事科学研究科学術推進研究員を経て,同 6 月より 同研究科助教.専門は,環境経済学,産業ネットワー ク,産業エコロジーなど.環太平洋産業連関分析学会学会賞(奨励賞)(2012年),W. Wassily Leontief Memorial Prize of 21st International Input-Output Conference(2013)を受賞している.