• 検索結果がありません。

単語の意味の計算論的探求 : 記号,身体,そして比喩(<特集>認知科学と記号創発ロボティクス: 実世界情報に基づく知覚的シンボルシステムの構成論的理解に向けて)

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "単語の意味の計算論的探求 : 記号,身体,そして比喩(<特集>認知科学と記号創発ロボティクス: 実世界情報に基づく知覚的シンボルシステムの構成論的理解に向けて)"

Copied!
9
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

1.は じ め に

ことばの意味とは何かという問いは,自然言語に関 心を向けるすべての研究分野が直面する本質的な問題で ある.初期の認知科学や人工知能におけることばの意味 の扱いは,単語間の関係として意味を捉える意味ネット ワーク [Collins 75] や,意味素というそれ以上分解する ことのできない記号に還元して意味を定義しようとする 還元的意味論 [Wilks 76] など,記号体系の中で閉じた理 論体系であった.これらの理論が前提とする意味が外界 と切り離されて存在するという見方は,身体を通じた外 界との相互作用による意味が説明できないとして,1990 年代に Harnad [Harnad 90] が記号接地問題として指摘 し,コネクショニズムの興盛とともに,身体化認知に 基づく意味の重要性が認識されるようになった.そし て,身体化認知の重要性を前面に押し出した Barsalou [Barsalou 99]の知覚的シンボルシステム(perceptual

symbol systems)や Lakoff [Lakoff 80] の概念メタファー 論(conceptual metaphor theory)などが提唱されるに 至り,その後,心理学や脳科学などの実験的知見の積み 重ねによって,ことばの意味には身体化認知が関与する ことが経験的に明らかにされてきた.一方では,経験的 知見が蓄積されるにつれて,身体化認知における抽象語・ 抽象概念の扱いの困難さ [Dove 15] も同時に認識される ようになり,現在では,言語という記号体系と身体性の 両者を融合するような試みが議論されるようになってい る [Borghi 14]. このような状況認識のうえで,ことばの意味におけ る言語記号と身体性の役割を探求する一つの有望なア プローチとして,計算論的な手法を道具とした方法論 が考えられる.この計算論的なアプローチを提供する研 究分野としてあげられるのが,ロボティクスと計算言 語学である [Thill 14].前者に関しては,本特集の中心 テーマである記号創発ロボティクス [谷口 14] や認知ロ ボティクス [Pezzulo 13] が該当するが,これらの詳細 については本特集の他の論文に譲る.本稿では後者の計 算言語学的手法による意味へのアプローチに焦点を当て る.特に,コーパスから自動的に単語の意味をベクトル 表現として抽出する手法である分布に基づく意味モデ ル(distributional semantic model)は,Laudauer &

Dumais[Landauer 97]がもともと情報検索の手法であっ

たベクトル空間モデルを単語の意味の抽出に適用した潜 在意味分析(latent semantic analysis)の有効性が実証 されてから大きな発展を遂げており [Turney 10],意味 における記号と身体性の役割を考えるうえで格好の方法 論を提供している. そこで本稿では,分布に基づく意味モデルが単語の意 味における記号と身体性の問題を探求するためにどのよ うに貢献してきたか・できるかを論じることを目的とす る.さらに,身体性アプローチの問題点である抽象語・ 抽象概念の扱いに関して比喩(metaphor)という側面 から議論し,比喩が抽象語を間接的に身体化する・記号 接地する役割を果たすことを示唆する.

2.単語の意味における記号と身体性の対立

2・1 古典的な意味表現の見方 初期の認知科学においては,記号間の関係に基づく単 語の意味表現が多く提案されてきた.人間の意味記憶の モデルとして提案された意味ネットワーク(semantic network)はその代表例であり,単語をノード,単語間 の意味的関係をリンクとするネットワーク構造で意味を 表現する.初期の研究 [Collins 69] では,シソーラスの ような階層型のネットワークを仮定して,文同定課題な どのさまざまな心理実験で得られる人間の振舞いを説明

単語の意味の計算論的探求

─記号,身体,そして比喩─

Computational Exploration of Word Meanings

 ─ Symbol, Embodiment, and Metaphor ─

内海  彰

電気通信大学大学院情報理工学研究科総合情報学専攻

Akira Utsumi Department of Informatics, The University of Electro-Communications. [email protected]

Keywords:

word meaning, symbol, embodied cognition, metaphor, latent semantic analysis, distributional semantic models, symbol interdependency.

(2)

できることを示した.その後には,階層構造をもたない 活性伝搬型のネットワークモデル [Collins 75] が提案さ れ,コネクショニストモデルによる意味表現の先駆的な 研究となった.その他にも,意味素や意味特徴と呼ばれ る意味の基本要素を仮定して,個々の単語の意味をそれ らの組合せに分解して表現しようとする考え方などがあ る. 一方で,言語の外に意味のありかを求める考え方も, 身体性を意識しないながらも,古くから存在する.意味 の指示理論(referential theory of meaning)では,単 語の意味はその指示対象そのものであると考える.例え ば,日本語を知らない人に「犬」の意味を教える最も簡 単な方法は,そばにいる犬を指し示すことである.しか し,この考え方には,同一の事物を指示する異なる単語 の意味が区別できないという本質的な問題が存在する. これは,単語の意味が,外延(指示対象)よりも内包(指 示対象を他のものと区別する特徴)に負うところが大き いことを意味している.指示対象として意味を規定する 内包的特徴を理想的に備えた仮想事例としてのプロトタ イプを仮定するプロトタイプ理論 [Rosch 78] は,この 意味の指示理論を洗練させた枠組みとみなすことができ る.外界に意味のありかを求めるこれらの考え方の問題 点として必ず指摘されるのが,抽象語・抽象概念の説明 の困難さである.抽象語の指示対象は実在しないし,そ の内包も非常に曖昧としていて捉えどころがない.抽 象語の問題は,これ以降の身体性に基づく意味モデルに とっても,依然として解決すべき問題として残されてい る [Dove 15]. 2・2 身体性に基づく意味モデル 身体化認知の研究に大きな影響を与えたエポックメー キングな理論が,Barsalou [Barsalou 99] の知覚的シ ンボルシステムである.知覚的シンボル(perceptual symbol)とは脳内の神経表現であり,感覚的経験・身体 経験を構成する抽象化された要素である.したがって, 感覚から独立した(amodal)通常の記号とは異なり, 知覚的シンボルは感覚的(modal)である.関連する知 覚的シンボルを統合することによってシミュレータが構 成され,このシミュレータによって感覚的経験をシミュ レートすることで,概念が想起される.単語もシミュレー タとリンクすることによってその意味を獲得し,そのシ ミュレータ内の知覚的シンボルを通じて,他のシミュ レータを活性化する.この点で,単語は感覚的であり, 非感覚的記号とは異なると考えられる. 言語とシミュレーションの関係をより明確にした LASS (Language and Situated Simulation)理論 [Barsalou

08]では,身体化認知に重点が置かれているものの,言 語理解において記号処理と身体化認知の両方が関与す ると考える.ある単語が認知されると,言語に基づく 処理とシミュレーションに基づく処理が同時に起動され る.言語に基づく処理は瞬時に活性化され短時間でその 処理を終える.単語の連想などは言語に基づく処理の例 である.一方,シミュレーションに基づく処理はゆっ くりと活性化して深い意味理解へとつながっていく. 比喩理解はシミュレーションに基づく処理の例である. 抽象語の問題に対しては,知覚的シンボルシステムは 具象概念と同様に抽象概念もシミュレーションによって 概念化されるが,外界の物理的な情報だけではなく,内 省(introspection)に基づく人間の内部状態のシミュレー ションが関与する点で具象概念とは異なると考える.例 えば,「愛」という概念では,愛に関係するイベント系 列やそのときの感情などの心的な内部状態をシミュレー ションすることになる.Barsalou [Barsalou 99] は,こ のような考え方に基づき真理(truth)などの論理的概 念の説明も試みているが,ある個別の事例に関する真偽 をシミュレートするという説明にとどまっており,それ らのシミュレーションから真理という抽象概念にどのよ うに到達するかは示されていない. 抽象語の意味を考えるうえで重要なもう一つの身体化 認知の理論として,Lakoff & Johnson[Lakoff 80] の概 念メタファー理論(Conceptual Metaphor Theory:以下,

CMTと略す)がある.CMT の主張は以下のように要約 できる. (A)我々の概念体系は,概念メタファー*1と呼ばれる 概念間の比喩的類似・類推関係によって構造化され ている.特に,多くの抽象的な概念は,他の概念と の比喩的関係によってのみ表現・構造化される. (B)概念メタファーの成立は,我々の感覚・身体的な 経験に基づいている. (C)比喩は,概念メタファーが言語へ具現化された表 現である. 例えば,我々は「愛」という抽象的な概念を,より具 体的な概念である「旅」の概念構造との対応付けである LOVE IS A JOURNEYという概念メタファーによって 理解すると CMT は考える(上記の主張 A).このような 概念メタファーは我々の具体的な経験を通じて獲得され (主張 B),これが言葉で表現されると「私達の恋愛関係 は岐路に立っている」というような「旅」で「愛」を語 る比喩表現になる(主張 C). 抽象概念のこのような捉え方に対して,Barsalou [Barsalou 99]は否定的な立場を取っている.このよう な類推構造だけから抽象概念を獲得するという説明には 無理があり,そもそも抽象概念に関する何らかの表象を もたないことには他の概念との類推構造を考えることも できないというのがその理由である. CMTは最初に提唱されてから,概念メタファーをプ *1 本稿では,言語表現としての metaphor を指すときには「比 喩」,概念間の類推関係としての metaphor を指すときには「メ タファー」という表記で使い分ける.

(3)

ライマリーメタファーと複合メタファーの 2 種類のタイ プに区別するという改良が行われている.プライマリー メタファーは HAPPY IS UP(哀楽と上下の対応関係) や IMPORTANT IS BIG(重要・不要と大小の対応関 係)のような原始的概念間の写像関係であり,複合メタ ファーは前出の LOVE IS A JOURNEY や THEORIES

ARE BUILDINGSのような複雑な構造をもつ概念間の 写像関係である.この区別は,上述の主張 B に関して, 概念メタファーの中には経験によって直接獲得される とはいい難いものがあるとの理由から,Grady [Grady 97]が導入したものである.そこでは,プライマリーメ タファーは二つの概念の共起を経験することによって獲 得されるが,複合メタファーは複数のプライマリーメタ ファーの組合せによって成立すると考えられている.な お,この区別自体は本家の CMT にも取り入れられてい るが,依然として複合メタファーも経験を通じて獲得さ れるという主張は残ったままである [Lakoff 99].

3.記号革命:分布に基づく意味モデル

Landauer & Dumais [Landauer 97]の潜在意味解析 (Latent Semantic Analysis:以下,LSA と略す)は,

言語情報だけから単語の意味表現(単語ベクトル)を自 動獲得する手法として,認知科学や計算言語学の分野に 革命をもたらした.それまでの意味モデル(2・1 節で述 べた意味ネットワークなど)には学習という概念は存在 せず,あくまでも研究者自身の直観に基づいて小規模の 意味表現例が人手でつくられてきた.よって,モデルの 客観的な検証という点で質・量ともに限界があった.こ れに対して,意味表現の教師なし学習を可能とする LSA は大規模かつ客観的な検証に耐え得るものであり,この ことは記号に基づく意味表現モデルの妥当性を検証可能 にしたことを意味する.よって,潜在意味分析の登場は, 意味表現が記号か身体かという問題に対する検証の道具 をもたらしたといえる. 本章でこれから述べる意味モデルには,それらの用い る計算手法にさまざまな違いがあるものの,一つの大き な共通点がある.それは,(テキストコーパス中の)言 語使用に見られる語彙の分布特性から意味を学習すると いう点である.よって,これらのモデルを総称して分布 に基づく意味モデル(distributional semantic model) と呼ぶ. 3・1 語 彙 分 布 仮 説 分布に基づく意味モデルの基盤となるのが,語彙分 布仮説(distributional hypothesis)と呼ばれる考え方 である.簡単にいうと,単語の意味はそれが用いられる 文脈での語彙分布によって近似できるという考え方であ る.例えば,以下の文を考えてみよう.

(1)We found a little, hairy wampimuk sleeping

behind the tree.

この文にある wampimuk は実在しない単語であるが, 我々はこの文を読んで wampimuk の意味を推測するこ とができる.語彙分布仮説によれば,このような推測が 可能なのは wampimuk の意味がその単語が出現する文 脈での語彙分布(この場合には,little,hairy,sleep, treeなど)によって決定(もしくは近似)されるからと いうことになる. このような意味の見方は,実はそれほど新しいもので はない.言語学者の Firth は“you shall know a word by the company it keeps”[Firth 57] という一文でこの 仮説を端的に表現している.よって,LSA の出現は,思 索的であった語彙分布仮説を検証可能な仮説にしたとい える. 3・2 分布に基づく意味モデル LSAでは,コーパスにおける各文書中の各単語の頻度 を要素とする単語・文書行列を作成し,その行列にエン トロピーに基づく重み付けをしたうえで,特異値分解に よる次元削減を行い,最終的な単語ベクトルを生成する. LSAの提案以来,同様の手順に基づくさまざまな意味空 間モデルが提案されている.多くのモデルで採用されて いるのが,単語・文書行列の代わりに,ある範囲(ウィ ンドウ)における単語の共起頻度を要素とする単語共起 行列を用いる手法である.LSA と同時期に提案された HAL(Hyperspace Analogue to Language)[Lund 96] は,重み付けをしない単語共起行列に,分散の大きい次 元だけを用いるという次元圧縮を行って,単語ベクトル を生成する.HAL の拡張として,単語頻度の逆数に基 づく行列の重み付けを行う HiDEx [Shaoul 06] なども提 案されている.また,単語共起行列においては,相互情 報量(PMI)に基づく重み付けが有効であることも示さ れている [Bullinaria 07, Recchia 09].さらに,これら の手法の変種として,単語・文書行列そのものを意味表 現として用いずに,その行列の単語ベクトルの重み付き 線形和として,各単語の意味ベクトルを計算する CSM (Constructed Semantics Model)[Kwantes 05] という

モデルも存在する. 単語共起行列を考える際に,ある範囲での単純な共起 ではなくて,文法的に関係する単語どうしの共起のみを 考えることによって,意味的に関係のない単語共起を除 去して性能を向上させる試みも行われている.DM(Dis-tributional Memory)[Baroni 10] では,二つの単語と その間に成立する文法的・意味的関係の三つ組(例えば, 〈book, obj, read〉)の頻度情報を 3 階のテンソルとして

表現する.そして,このテンソルをモード展開して行列 化することによって,従来の手法と同様に重み付けや次 元圧縮を適用して単語ベクトルを生成する.

以上の意味モデルでは,コーパス全体の語彙分布情報 から単語ベクトルを直接生成するが,初期値として各単

(4)

語にランダムベクトルを割り当ててから文ごとの局所的 な単語共起情報に基づいて単語ベクトルを徐々に計算し ていくという手法も提案されている.BEAGLE(Bound Encoding of the AGgregate Language Environment)

[Jones 07]はこのアプローチに基づく代表的な意味モデ ルである.このモデルの特徴は,ある単語の意味ベクト ルを構成する際に,共起する単語の意味ベクトルの和を 加算するだけではなく,それらのベクトルに対する巡回 畳込み演算によって共起単語の語順情報を保持するベク トルも加算する点にある.同様の方法は,RPM(Random Permutation Model)[Sahlgren 08] でも用いられてい るが,初期値として高スパースなランダムベクトルを用 いる点と,語順情報の表現にベクトル要素の並べ替え操 作を用いる点が BEAGLE と異なっている. 自然言語処理の分野で盛んに研究されている LDA (Latent Dirichlet Allocation)に代表されるトピックモ デル [Blei 03, Griffiths 07] も,分布に基づく意味モデル とみなすことができる.トピックモデルは,文書の確率 的生成モデルに基づき,文書やそこに出現する語彙の潜 在トピック(分布)を求める手法であるが,各トピック における単語の出現確率として意味を表現できる.上記 で述べてきた多次元空間上のベクトル表現とは異なり, 確率分布による表現は単語間の類似度の非対称性や多義 の扱いを可能にするため,トピックモデルが LSA など のベクトル空間モデルに比べて人間の振舞いをより良く 模倣できるとの研究結果 [Griffiths 07] も得られている. さらに最近では,word2vec [Mikolov 13] に代表され るような,ニューラルネットワークによる学習を通じ て単語の意味ベクトルを生成する手法に注目が集まっ ている.ニューラルネットワーク言語モデル(Neural Network Language Model:NNLM)[Bengio 03] もし くは単語埋込み(word embedding)と呼ばれるこれら の手法も,コーパスにおける単語の共起分布情報を用 いている点で,分布に基づく意味モデルの一種である. LSAなどの従来のベクトル空間モデルとの違いは,コー パス全体の単語共起を数え上げた結果から直接ベクトル を生成するのではなく,個々の文における単語の予測問 題を学習によって解くことで間接的にベクトル表現を生 成するという予測モデルを用いる点にある[Baroni 14]*2 例えば word2vec では,予測モデルとして,ある単語の 前後に出現する単語列からその単語を予測する CBOW (continuous bag-of-words)モデルと,ある単語からそ の前後に出現する単語列を予測する skip-gram モデルを 用いている.このような予測モデルに基づいて,さまざ まな工夫(予測を単語そのものではなくその二元符号と する階層的ソフトマックスや負例を利用するネガティブ サンプリング)を施すことによって,word2vec は LSA や他のニューラルネットワーク言語モデルに比べて高 速なモデル生成と高い表現性能を達成している [Baroni 14, Mikolov 13].ただし,word2vec の手法の一つであ る CBOW とネガティブサンプリングの組合せによる学 習結果が,従来の分布に基づく意味モデルの一つである PMI(相互情報量)で重み付けされた単語共起行列と同 等であることが理論的に示されている [Levy 14] など, word2vecの高性能がニューラルネットワーク言語モデ ルや予測モデルに起因するかどうかは議論の余地がある [Levy 15]. また,word2vec などの多くのニューラルネット言語 モデルは少数の階層からなる単純なネットワークを用い た浅い学習(shallow learning)に基づいているが,深 層学習(deep learning)によるアプローチも考えられ る.例えば,Collobert ら [Collobert 11] は SENNA と 呼ばれる複数の自然言語処理タスクを実行できるニュー ラルネットワーク言語モデルを提案しているが,その中 で CBOW と類似した分類問題を深層ネットワークで解 くことによって単語ベクトルの生成を行っている.また, 単語文書行列で与えられた初期ベクトルに対して,多層 のオートエンコーダネットワークによる表現学習を行う ことによって,初期ベクトルの次元削減を行う方法もあ る [Hinton 11].しかし,現時点では,word2vec など の浅い学習による単語ベクトルの生成が大きな成功を収 めているため,単語ベクトルの表現性能の向上を主目的 として深層学習を用いるアプローチはあまり試みられて いない.それよりも具体的な自然言語処理タスクやマル チモーダル情報を扱うための基盤として多く利用されて いる [Collobert 11, Vinyals 15]. 3・3 身体化認知からの批判 分布に基づく意味モデルに対しては,LSA が提案され て間もない頃から,身体化認知論者がその妥当性を批判 している [de Vega 08, Glenberg 00, Meteyard 12].非感覚 的な記号間の関係だけから獲得される表現はことばの意 味を適切に捉えられないというのが,批判の根拠である.

Glenberg & Robertson [Glenberg 00]は,人間が適切 に判断できるような,意味が通る文(2a)と意味をなさ ない文(2b)の違いを非接地記号に基づく計算モデルで ある LSA では計算できないことを示した.

(2)After wading barefoot in the lake,

a.Erik used his shirt to dry his feet.(Afforded) b.Erik used his glasses to dry his feet.

(Non-afforded)

c.Erik used his towel to dry his feet.(Related) シャツ(shirt)も眼鏡(glasses)も足を拭くときに 普通は使わないという点で,これらの文は見慣れない状 況を述べている.それにもかかわらず,シャツで足を拭 くことはできても眼鏡では拭くことができないことを *1 単語共起の数え上げではなく単語の個々の出現に応じてベク トルを逐次的に更新していくという点では,予測モデルではな いが BEAGLE などの手法と類似している.

(5)

我々は身体的経験を通じて知っているので,両者の違い を認識できる.一方,このような単語使用がコーパス中 に現れる可能性は低いので,LSA ではこれらの区別がで きず,結果として glass 間のコサイン類似度と dry-shirt間のコサイン類似度は同程度と計算されてしまう. さらに,これらのコサイン類似度は文(2c)における dry-towel間の類似度よりかなり低くなってしまう. 3・4 記号相互依存仮説 GlenbergらのLSA批判に対して,Louwerse [Louwerse 07, Louwerse 11a]は 記 号 相 互 依 存 仮 説(symbol interdependency hypothesis)を提唱し,この仮説に基 づいて反論を行った.記号相互依存仮説では,単語の意 味は記号に基づく側面と身体性に基づく側面の両方をも つと考える.ある単語の意味は,別の単語(非感覚的な 記号)との相互関係を通じて決まるという点で記号的で あり,一方で,相互に関係している単語(の一部)が感 覚的情報を参照することを通じて,間接的に身体化(接 地)されている.前述した wampimuk 文(1)で考え ると,この文を我々が読んで wampimuk が何かを想像 することができるのは,この単語と little, hairy, sleep,

treeなどの単語との関係からだけではなく,これらの単

語によって想起される感覚的経験のシミュレーションを 行うからであるといえる.前節の Glenberg らの批判に 対しては,文(2a)∼(2c)において dry と glass, shirt,

towel間の類似度を計算する際に,記号相互依存仮説に 基づいてそれぞれの単語の類似語(つまり,これらの単 語の相互依存による意味)を考慮したところ,dry-glass 間の類似度は,dry-shirt の類似度よりも有意に低くなり, dry-towelと同程度になるという人間の判断と一致する 結果が得られることを示した [Louwerse 07]. さらに,記号相互依存仮説では,非感覚的記号と感覚 的情報の間に成立する参照関係さえも,部分的にではあ るが,非感覚的記号の体系の中にコード化されていると 考える.この性質によって,我々は,言語理解の多くの 場面でシミュレーションという重い処理を行わずに,記 号処理によってそれらをショートカットできる.例えば, 「リンゴが青い」という感覚的情報は,“green apple/An apple is green”という単語列によって表現される.こ のとき green と apple は隣り合った近い位置に配置さ れ,この共起(近接)関係を通じて言語記号の体系の中 に感覚的情報が間接的にコード化されることになる.言 語のこの性質が LSA を始めとする分布に基づく意味モ デルを間接的に実世界に接地させることになる. 以上で述べた記号相互依存仮説に基づいて,Louwerse のグループは,記号接地が必要と思われるようないく つかの言語表現や処理が LSA を含む分布に基づく意味 モデルで説明可能であることを示している.具体的に は,単語のもつ感情尺度(valence, arousal, dominance) [Recchia 15],小説中の登場人物などの人名の善悪 [Recchia 14b],形容詞が表す属性のモダリティ [Louwerse 11b], 地名で表現される都市・場所の地理的な近さ [Recchia 14a]などが単語の共起頻度などの語彙分布情報から予測 できることが示されている.これらの結果は,ことばの 意味における記号相互依存という考え方の妥当性・必要 性を示唆している.

4. 分布に基づく意味モデルの可能性:

記号と身体の融合に向けて

4・1 記号創発ロボティクスとの融合 前章では,記号相互依存仮説を考えることによって, 分布に基づく意味モデルでも,身体性が必要と思われる 意味の一部を把握できることを論じた.しかし,言語情 報だけから生成されるこのような意味モデルに限界があ るのは自明である.身体性が本質的に重要な役割を果た す単語の意味を捉えるには実世界との関わりが不可欠で あり,いくら分布に基づく意味モデルの性能が向上した たとしても,青いリンゴを取ってと言われて取れないで あろう.最近のこの分野の研究が,記号と身体の対立か ら融合へと向かっているのもごく自然なことである. 幼児が実際に犬を見たり触ったりしながら「犬」の意 味を獲得するように,身体化された意味・実世界に接地 された意味を獲得するには,外界とのインタラクション が可能な身体をもったコンピュータ,つまりロボットが 適している.記号創発ロボティクスは,ロボットによる 外界とのインタラクションを通じてボトムアップ的に記 号の意味を創発する計算論的手法を探求する研究領域で あり,まさに身体化された意味の獲得・創発の計算論的 解明を目指すために妥当なアプローチを提供している. このことは,記号創発ロボティクスと知覚的シンボルシ ステム理論の考え方が非常に類似しているという鈴木 [鈴木 16] の指摘からも明らかである. 一方で,幼児も年齢が大きくなってくると,身体を通 じた外界とのインタラクションだけから獲得できない単 語の意味(例えば「考える」)を,他者の会話などから 得られる言語情報を介して獲得するようになる.このよ うな“hard words”[Gleitman 05] の意味を獲得する計 算モデルとして,分布に基づく意味モデルがその意義を 見いだすことができる.ロボットによる身体性に基づく ボトムアップ的な意味獲得と,分布に基づく意味モデル による言語情報に基づくトップダウン的な意味獲得(意 味に対する制約といってもよい)が相互に影響し合うこ とによって,具象語から抽象語にいたるさまざまな単語 の意味を獲得する計算モデルを実現していくことが,単 語の意味の計算論的探求の目標になるであろう.これは まさに前章で述べた記号相互依存仮説の具現化の試みと 考えられる.

(6)

4・2 分布に基づく意味モデルの可能性 では,ことばの意味における言語と身体性の関係を探 求するために,ロボティクスとの融合を待たなければ, 分布に基づく意味モデルが果たすことができる役割はな いのであろうか.そんなことはなくて,分布に基づく意 味モデルを単独で用いて,言語情報のみから獲得できる 意味の範囲や限界を調べることは可能である.このため に解くべき課題として,少なくても以下の二つをあげる ことができる. 課題 1 言語情報だけから生成される分布に基づく意 味モデルが獲得できる意味の範囲やその性質は何 か? 課題 2 非言語情報(感覚運動的・身体的情報)を用 いることによって,分布に基づく意味モデルがどの ような意味をどのくらい適切に獲得できるか? 3・4 節で紹介した Louwerse らの一連の研究は,主に 課題 1 への解答を志向した研究である.その他にも,比 喩 [Kintsch 00, Utsumi 11] や予期的推論 [Inohara 14] など,ことばの意味に密接に関係し,かつ身体的認知が 関わると思われる言語処理が LSA によって説明可能で あることも明らかになっている.このような研究を通じ て分布に基づく意味モデルの適用範囲や限界を明らかに することは,意味における記号と身体性の関わりを考え るうえで今後も重要であろう. また,異なる観点から課題 1 へのアプローチを試み る研究もある.分布に基づく意味モデルで得られる意 味構造を意味ネットワークで表現したときに,そのネッ トワークの振舞いが,人間の意味記憶(心内辞書)か ら得られる意味ネットワークの振舞いをどのくらい模 倣できるかを調べた研究がいくつか存在する.Utsumi [Utsumi 15]は,単語共起行列から生成される意味空間 モデルが人間の連想データから得られる意味ネットワー クと同じ振舞い(スモールワールド,スケールフリー, 階層性)をもつネットワークを生成できることを示して いる.Griffiths ら [Griffiths 07] は,単語・文書行列に 基づく LSA では同様のネットワークを生成できないが, トピックモデルでは可能であることを明らかにした.ま た,Mitchell ら [Mitchell 08] は,語彙共起情報に基づ く具象名詞の意味ベクトルから,それらの名詞を認知し たときの脳活動(fMRI 画像)を有意な精度で予測でき ることを示した.このことは,単語の意味記憶の脳内表 現が,部分的に分布に基づく意味モデルによって説明可 能であることを示唆する. 言語統計情報に加えて,感覚運動情報などの身体化認 知を必要とする非言語情報を考慮することによって,分 布に基づく意味モデルを拡張する試み(課題 2)も行わ れている.例えば,Andrews ら [Andrews 09] は,言語 情報だけから得られる通常のトピックモデルよりも,身 体的経験を通じて得られる情報として,具象語(概念) の特徴リスト [Vigliocco 04] の情報(例えば「イチゴ」 の特徴として,赤い,甘い,種があるなどがリストされ ている)も用いたトピックモデルのほうが,連想や語彙 判断時間などの人間の振舞いをより正確に再現できるこ とを示した. 彼らの研究で用いている情報特徴リストは言語で記述 されている点で,必ずしも非言語情報を直接扱っている わけではないが,最近では,非言語情報を分布に基づく 意味モデルに直接組み込んで,その性能を調べる研究も 行われている.それらの研究では,非言語情報として, 画像 [Bruni 14, Kiela 14],音 [Kiela 15b, Lopopolo 15], におい [Kiela 15a] などが用いられている.これらの研 究では,言語における BoW(Bag of Words)表現と同 じように,画像や音の特徴量を用いた表現に変換して, 分布に基づく意味モデルに組み込んでいる. これらの研究のほとんどで,非言語情報を用いた意味 モデルのほうが表現性能が向上するという,意味の身体 性を支持する結果が得られている.しかし一方で,画像 情報が抽象語の意味の表現性能を必ずしも向上させるわ けではないという否定的な結果も示されている [Kiela 14].このような結果は,抽象語の意味は主に言語経験 を通じて獲得されるとの主張 [Borghi 13, Scorolli 11] と 整合性があるため,分布に基づく意味モデルによる抽象 語の意味表現の検討は,今後の重要な研究課題になるで あろう.

5.比喩における記号性と身体性

2・2 節では,抽象語の意味を考えるうえで重要な身体 化認知の理論として CMT を紹介し,そこでの抽象概念 の捉え方に対して批判があることを述べた.さらに本章 では,概念メタファーそのものの妥当性や実在性に対し ても疑問が投げかけられていることを述べる.そして, CMTとはむしろ逆に,言語表現としての比喩の使用を 通じて,記号の相互依存関係から抽象語の意味が間接的 に身体化されていくという仮説を提示する. 5・1 概念メタファー理論の妥当性 プライマリーメタファーが経験的共起に基づくという 主張はもっともらしいが,LOVE IS A JOURNEY のよ うな複合メタファーが身体経験によって獲得されるとい う主張は妥当性に欠けるとともに,そもそもその存在自 体が疑わしい.CMT が複合メタファーの実在性の証拠 としてあげるのが,複数の言語・文化間に観察される共 通性・普遍性である [Gibbs 11].例えば,LOVE IS A JOURNEYでは,複数の言語間で「愛」を旅の道程(始点, 終点,距離など)でたとえる表現が多く見られる.しかし, これらの証拠はすべて間接的であり,言語表現における 普遍性が概念メタファーの実在性を帰結する合理的な根 拠はない.また,プライマリーメタファーに対して盛ん に行われている心理実験による検証 [Valenzuela 09] を,

(7)

複合メタファーに適用した研究は皆無である.このこと は複合メタファーという身体化された知識が実在しない ことを示唆しているように見える. 複合メタファーが経験的基盤に基づいて獲得されるわ けではないという主張は,複合メタファーを言語情報の 統計的規則性からだけから説明できるとする研究からも 支持される.例えば,Mason [Mason 04] は,複合メタ ファーをコーパスから自動抽出するシステムを提案して いる.このシステムでは,ドメインごとに特徴的な動詞 の格フレームに多く出現する概念を抽出し,異なるドメ イン間でのそれらの概念対が複合メタファーである可能 性を言語分布情報などから算出する.その結果,このシ ステムで抽出された概念メタファーのうちの 77%が実 際の概念メタファーであったと報告している. また,分布に基づく意味モデルでも,複合メタファー のような概念間の写像関係を捉えることが可能である. 図 1 は,単語共起行列に相互情報量(PPMI)での重み 付けをして得られた英語の意味空間 [Bullinaria 07] から 各単語の類似語(近隣語)を求め,構成した意味ネット ワークのうち,love と journey をつなぐ経路を部分的に 示したものである.この図を見ると,愛と旅の間に我々 が普通に見いだせる類推関係のうちのいくつかが表現さ れていることがわかる.例えば,愛から連想される結婚 やロマンスいうポジティブな側面が,ハネムーンや楽園 などの旅に関連する事柄と結びつけられていたり,別れ や孤独という愛のネガティブな側面が出発や帰路という 旅に関する出来事と結びつけられていることが読み取れ る.このような非常に単純な方法で意味ネットワークを 構成するだけでも類推関係が得られるという結果は,複 合メタファーが必ずしも身体経験に基づいていないこと の傍証と言える. 一方,プライマリーメタファーについても,記号相互 依存仮説に基づき,言語統計情報からプライマリーメタ ファーに関する心理実験の結果を説明できることを示し た研究 [Hutchinson 13] も存在する.このことは,すべ てのプライマリーメタファーが経験的共起から獲得され るわけではないことを示しているかもしれない.例えば, HAPPY IS UP(楽しきは上)と HIGH STATUS IS UP

(高い地位は上)というプライマリーメタファーを考え ても,前者は経験的共起に基づいて獲得されると想定で きるが,後者のような社会的な概念は言語を通じて獲得 されると考えることもできる [Scorolli 11]. 5・2 間接的な記号接地メカニズムとしての比喩 抽象語の意味・抽象概念が言語経験を通じて獲得され るという主張 [Borghi 13, Scorolli 11] は,記号相互依存 仮説と整合性がある.ある抽象語の意味は,その語と共 起するさまざまな単語群から想起される意味に応じて形 成されていき,それらの単語群の中に実世界に接地され た単語が存在すれば,その相互依存関係を通じて間接的 に接地されていく.頻繁に共起する単語とは依存関係が 増していき,それらの単語が起動するシミュレータを通 じて抽象概念が形成されていく. このような過程において,抽象語の新たな意味を短 期的に想起させるための道具として,言語表現としての 比喩が考えられる.比喩によって通常は共起しないよう な語を結び付けて,その語と関係する単語群から喩えら れる語の意味を拡張する.それらの単語群の中に身体化 された意味を想起するものがあれば,それは喩えられる 語を間接的に記号接地することになる.比喩は抽象語を より具体的な語でたとえるという方向性をもつことから も,この考え方は支持される.ある語をそれよりも抽象 的な語でたとえる比喩表現が少ないのは,身体化された 意味による拡張が起きにくいからである. この考え方が特に有効なのは,創造的な・詩的な比喩 に対してである.詩や小説の中で比喩が多く用いられる のは,比喩によってことばの意味を豊かにして,少なく てもその作品に接している限りにおいて,そのことばが 通常では想起しないような意味を自由自在に喚起するこ とができるからである.例えば,西脇順三郎の「雨」と いう詩では,冒頭で「南風は柔い女神をもたらした」と いう表現で,雨が女神にたとえられる.その後は,雨が さまざまなものをぬらしていくという描写が続き,その 際に,最初に提示された比喩によって,女神やその周辺 語から想起される意味が雨に加わって,それらの描写の 意味を豊かにしていき,その結果として官能的な印象が もたらされることになる. 以上のように,比喩と身体化認知の関係は,概念メタ ファー論の主張するような経験的な概念間写像に基づく ものではなく,記号相互依存仮説に基づき,比喩によっ てことばが身体化された新たな意味を獲得する過程にあ ると考えられる.つまり,身体的経験を通じて獲得され た概念メタファーが具現化されたのが比喩表現ではな く,比喩表現という言語的経験を通じて抽象概念が間接 的に接地されながら獲得されていくのである.この比喩 理解の過程においては,言語と身体性の両者が重要な役 割を果たす.言語はその相互依存関係によって身体化さ れた意味を導き,それによってたとえられる語(抽象語) 図 1 分布に基づく意味モデルによる概念メタファー LOVE IS A JOURNEYに内在する対応関係の抽出例

(8)

が間接的に身体性を獲得することになる.同様の考え方 は概念結合(conceptual combination)に対しても適用 されている [Lynott 10].このような間接的な記号接地 メカニズムとしての比喩の役割を考えていくことは,抽 象語の意味における身体性を考えるうえで,今後必要に なっていくことであろう.

6.お わ り に

本稿では,単語の意味における記号と身体性の問題に 関して,現在までの研究を概観しながら,それを探求す るための計算論的な方法論として分布に基づく意味モデ ルを取り上げ,その現状と探求の可能性について議論し た.さらに,身体性アプローチの問題点である抽象語の 扱いに関して,間接的な記号接地メカニズムとしての比 喩という考え方を提示した.これらの目論見が,記号創 発ロボティクスと相互に関係しながら,記号と身体性の 問題に関する探求が進展していくことを期待したい.

◇ 参 考 文 献 ◇

[Andrews 09] Andrews, M., Vigliocco, G. and Vinson, D.: Integrating experiential and distributional data to learn semantic representations, Psychological Review, Vol. 116, pp. 463-498(2009)

[Baroni 10] Baroni, M. and Lenci, A.: Distributional memory: A general framework for corpus-based semantics,

Computational Linguistics, Vol. 36, pp. 673-721(2010) [Baroni 14] Baroni, M., Dinu, G. and Kruszewski, G.: Don’t

count, predict! A systematic comparison of context-counting vs. context-predicting semantic vectors, Proc. 52nd Annual

Meeting of the Association for Computational Linguistics, pp.

238-247(2014)

[Barsalou 99] Barsalou, L.: Perceptual symbol systems,

Behavioral and Brain Sciences, Vol. 22, pp. 577-660(1999) [Barsalou 08] Barsalou, L. W., Santos, A., Simmons, W. K.

and Wilson, C. D.: Language and simulation in conceptual processing, in de Vega, et al. [de Vega 08], pp. 245-283(2008) [Bengio 03] Bengio, Y., Ducharme, R., Vincent, P. and Jauvin, C.:

A neural probabilistic language model, J. Machine Learning

Research, Vol. 3, pp. 1137-1155(2003)

[Blei 03] Blei, D., Ng, A. and Jordan, M.: Latent Dirichlet allocation, J. Machine Learning Research, Vol. 3, pp. 993-1022 (2003)

[Borghi 13] Borghi, A. M., Scorolli, C., Caligiore, D., Baldas-sarre, G. and Tummolini, L.: The embodied mind extended: Using words as social tools, Frontiers in Psychology, Vol. 4, No. 214 (2013)

[Borghi 14] Borghi, A. M. and Cangelosi, A.: Action and language integration: From humans to cognitive robots, Topics in

Cognitive Science, Vol. 6, pp. 344-358(2014)

[Bruni 14] Bruni, E., Tran, N. K. and Baroni, M.: Multimodal distributional semantics, J. Artificial Intelligence Research, Vol. 49, pp. 1-47(2014)

[Bullinaria 07] Bullinaria, J. A. and Levy, J. P.: Extracting semantic representations from word co-occurrence statistics: A computational study, Behavior Research Methods, Vol. 39, No. 3, pp. 510-526(2007)

[Collins 69] Collins, A. M. and Quillian, M. R.: Retrieval time from semantic memory, J. Verbal Learning and Verbal

Behavior, Vol. 8, No. 2, pp. 240-247(1969)

[Collins 75] Collins, A. M. and Loftus, E. F.: A spreading-activation theory of semantic processing, Psychological Review, Vol. 82, No. 6, pp. 407-428(1975)

[Collobert 11] Collobert, R., Weston, J., Bottou, L., Karlen, M., Kavukcuoglu, K. and Kuksa, P.: Natural language processing (almost) from scratch, J. Machine Learning Research, Vol. 12,

pp. 2493-2537(2011)

[de Vega 08] de Vega, M., Glenberg, A. and Graesser, A.: Symbols

and Embodiment: Debates on Meaning and Cognition, Oxford

University Press, New York(2008)

[Dove 15] Dove, G.: Three symbol ungrounding problems: Abstract concepts and the future of embodied cognition,

Psychonomic Bulletin & Review(2015)

[Firth 57] Firth, J.: A synopsis of linguistic theory, 1930-1955, in (Great Britain),Society P., ed., Studies in Linguistic Analysis,

pp. 1-32, Blackwell, Oxford, England(1957)

[Gibbs 11] Gibbs, R. W.: Evaluating conceptual metaphor theory,

Discourse Processes, Vol. 48, No. 8, pp. 529-562(2011) [Gleitman 05] Gleitman, L. R., Cassidy, K., Nappa, R.,

Papafragou, A. and Trueswell, J. C.: Hard words, Language

Learning and Development, Vol. 1, No. 1, pp. 23-64(2005) [Glenberg 00] Glenberg, A. and Robertson, D.: Symbol grounding

and meaning: A comparison of high-dimensional and embodied theories of meaning, J. Memory and Language, Vol. 43, pp. 379-401(2000)

[Grady 97] Grady, J.: Theories are buildings revisited, Cognitive

Linguistics, Vol. 8, pp. 267-290(1997)

[Griffiths 07] Griffiths, T., Steyvers, M. and Tenenbaum, J.: Topics in semantic representation, Psychological Review, Vol. 114, pp. 211-244(2007)

[Harnad 90] Harnad, S.: The symbol grounding problem, Physica

D, Vol. 42, pp. 335-346(1990)

[Hinton 11] Hinton, G. and Salakhutdinov, R.: Discovering binary codes for documents by learning deep generative models,

Topics in Cognitive Science, Vol. 3, pp. 74-91(2011)

[Hutchinson 13] Hutchinson, S. and Louwerse, M. M.: Language statistics and individual differences in processing primary metaphors, Cognitive Linguistics, Vol. 24, pp. 667-687(2013) [Inohara 14] Inohara, K., Honma, R., Goto, T., Kusumi, T. and

Utsumi, A.: The relationship between reading literary novels and predictive inference generation: A corpus-based approach employing a corpus of Japanese novels, Scientific Study of

Literature, Vol. 4, No. 1, pp. 46-67(2014)

[Jones 07] Jones, M. N. and Mewhort, D. J.: Representing word meaning and order information in a composite holographic lexicon, Psychological Review, Vol. 114, No. 1, pp. 1-37(2007) [Kiela 14] Kiela, D., Hill, F., Korhonen, A. and Clark, S.:

Improving multi-modal representations using image dispersion: Why less is sometimes more, Proc. 52nd Annual

Meeting of the Association for Computational Linguistics, pp.

835-841(2014)

[Kiela 15a] Kiela, D., Bulat, L. and Clark, S.: Grounding semantics in olfactory perception, Proc. 53rd Annual Meeting

of the Association for Computational Linguistics and the 7th Int. Joint Conf. on Natural Language Processing, pp. 231-236

(2015)

[Kiela 15b] Kiela, D. and Clark, S.: Multi-and cross-modal semantics beyond vision: Grounding in auditory perception,

Proc. 2015 Conf. on Empirical Methods in Natural Language Processing(EMNLP2015),pp. 2461-2470(2015)

[Kintsch 00] Kintsch, W.: Metaphor comprehension: A computational theory, Psychonomic Bulletin & Review, Vol. 7, No. 2, pp. 257-266(2000)

[Kwantes 05] Kwantes, P. J.: Using context to build semantics,

Psychonomic Bulletin & Review, Vol. 12, pp. 703-710(2005) [Lakoff 80] Lakoff, G. and Johnson, M.: Metaphors We Live By,

The University of Chicago Press(1980)

[Lakoff 99] Lakoff, G. and Johnson, M.: Philosophy in the Flesh:

The Embodied Mind and Its Challenge to Western Thought,

Basic Books(1999)

(9)

to Plato’s problem: The latent semantic analysis theory of the acquisition, induction, and representation of knowledge,

Psychological Review, Vol. 104, pp. 211-240(1997)

[Levy 14] Levy, O. and Goldberg, Y.: Neural word embedding as implicit matrix factorization, in Ghahramani, Z., Welling, M., Cortes, C., Lawrence, N. and Weinberger, K., eds., Advances in

Neural Information Processing Systems, Vol. 27, pp. 2177-2185

(2014)

[Levy 15] Levy, O., Goldberg, Y. and Dagan, I.: Improving distributional similarity with lessons learned from word embeddings, Trans. of the Association for Computational

Linguistics, Vol. 3, pp. 211-225(2015)

[Lopopolo 15] Lopopolo, A. and van Miltenburg, E.: Sound-based distributional models, Proc. 11th Int. Conf. on Computational

Semantics, pp. 70-75(2015)

[Louwerse 07] Louwerse, M.: Symbolic or embodied represent-ations: A case for symbol interdependency, in Landauer, T., McNamara, D., Dennis, S. and Kintsch, W., eds.: Handbook

of Latent Semantic Analysis, pp. 107-120, Lawrence Erlbaum

Associates, Mah-wah, NJ(2007)

[Louwerse 11a] Louwerse, M. M.: Symbol interdependency in symbolic and embodied cognition, Topics in Cognitive Science, Vol. 3, pp. 273-302(2011)

[Louwerse 11b] Louwerse, M. M. and Connell, L.: A taste of words: Linguistic context and perceptual simulation predict the modality of words, Cognitive Science, Vol. 35, pp. 381-398 (2011)

[Lund 96] Lund, K. and Burgess, C.: Producing high-dimensional semantic spaces from lexical co-occurrence, Behavior Research

Methods, Instruments & Computers, Vol. 28, No. 2, pp. 203-208

(1996)

[Lynott 10] Lynott, D. and Connell, L.: Embodied conceptual combination, Frontiers in Psychology, Vol. 1, Article 212(2010) [Mason 04] Mason, Z.: CorMet: A computational, corpus-based conventional metaphor extraction system, Computational

Linguistics, Vol. 30, No. 23-44, p. 1(2004)

[Meteyard 12] Meteyard, L., Cuadrado, S. R., Bahrami, B. and Vigliocco, G.: Coming of age: A review of embodiment and the neuroscience of semantics, Cortex, Vol. 48, pp. 788-804(2012) [Mikolov 13] Mikolov, T., Chen, K., Corrado, G. and Dean, J.:

Efficient estimation of word representations in vector space,

Proc. Workshop at the Int. Conf. on Learning Representation

(ICLR)(2013)

[Mitchell 08] Mitchell, T. M., Shinkareva, S. V., Carlson, A., Chang, K.-M., Malave, V. L., Mason, R. A. and Just, M. A.: Predicting human brain activity associated with the meanings of nouns, Science, Vol. 320, pp. 1191-1195(2008)

[Pezzulo 13] Pezzulo, G., Barsalou, L. W., Cangelosi, A., Fischer, M. H., McRae, K. and Spivey, M. J.: Computational grounded cognition: A new alliance between grounded cognition and computational modeling, Frontiers in Psychology, Vol. 3, No. 612(2013),doi: 10.3389/fpsyg.2012.00612

[Recchia 09] Recchia, G. and Jones, M. N.: More data trumps smarter algorithms: Comparing pointwise mutual information with latent semantic analysis, Behavior Research Methods, Vol. 41, pp. 647-656(2009)

[Recchia 14a] Recchia, G. and Louwerse, M. M.: Grounding the ungrounded: Estimating locations of unknown place names from linguistic associations and grounded representations,

Proc. 36th Annual Meeting of the Cognitive Science Society

(CogSci2014),pp. 1270-1275(2014)

[Recchia 14b] Recchia, G., Slater, A. L. and Louwerse, M. M.: Predicting the good guy and the bad guy: Attitudes are encoded in language statistics, Proc. 36th Annual Meeting of

the Cognitive Science Society(CogSci2014),pp. 1264-1269 (2014)

[Recchia 15] Recchia, G. and Louwerse, M. M.: Reproducing affective norms with lexical co-occurrence statistics: Predicting valence, arousal, and dominance, The Quarterly J.

Experimental Psychology, Vol. 68, pp. 1584-1598(2015)

[Rosch 78] Rosch, E.: Principles of categorization, in Rosch, E. and Lloyd, B., eds., Cognition and Categorization, pp. 27-48, Lawrence Erlbaum Associates, Hillsdale, NJ(1978)

[Sahlgren 08] Sahlgren, M., Holst, A. and Kanerva, P.: Permutations as a means to encode order in word space, Proc.

30th Annual Meeting of the Cognitive Science Society, pp.

1300-1305(2008)

[Scorolli 11] Scorolli, C., Binkofski, F., Buccino, G., Nicoletti, R., Riggio, L. and Borghi, A. M.: Abstract and concrete sentences, embodiment, and languages, Frontiers in Psychology, Vol. 2, No. 227(2011),doi: 10.3389/fpsyg.2011.00227

[Shaoul 06] Shaoul, C. and Westbury, C.: Word frequency effects in high-dimensional co-occurrence models: A new approach,

Behavior Research Methods, Vol. 38, pp. 190-195(2006) [鈴木 16] 鈴木宏昭:実体ベースの概念からプロセスベースの概念

へ,人工知能,Vol. 31, No. 1, pp. 52-58(2016)

[谷口 14] 谷口忠大:記号創発ロボティクス─知能のメカニズム入 門,講談社(2014)

[Thill 14] Thill, S., Padó, S. and Ziemke, T.: On the importance of a rich embodiment in the grounding of concepts: Perspectives from embodied cognitive science and computational linguistics, Topics in Cognitive Science, Vol. 6, pp. 545-558 (2014)

[Turney 10] Turney, P. D. and Pantel, P.: From frequency to meaning: Vector space models of semantics, J. Artificial

Intelligence Research, Vol. 37, pp. 141-188(2010)

[Utsumi 11] Utsumi, A.: Computational exploration of metaphor comprehension processes using a semantic space model,

Cognitive Science, Vol. 35, No. 2, pp. 251-296(2011)

[Utsumi 15] Utsumi, A.: A complex network approach to distributional semantic models, PLoS ONE, Vol. 10, No. 8, p. e0136277(2015)

[Valenzuela 09] Valenzuela, J.: What empirical work can tell us about primary metaphors, Quaderns de Filologia, Estudis

lingstics, Vol. 14, pp. 235-249(2009)

[Vigliocco 04] Vigliocco, G., Vinson, D. P., Lewis, W. and Garrett, M. F.: Representing the meanings of object and action words: The featural and unitary semantic space hypothesis, Cognitive

Psychology, Vol. 48, pp. 422-488(2004)

[Vinyals 15] Vinyals, O., Toshev, A., Bengio, S. and Erhan, D.: Show and tell: A neural image caption generator, Proc. 2015

IEEE Conf. on Computer Vision and Pattern Recognition, pp.

3156-3164(2015)

[Wilks 76] Wilks, Y.: Parsing English II, in Charniak, E. and Wilks, Y., eds., Computational Semantics, pp. 155-184, Amsterdam: North Holland(1976)

2015年 11 月 11 日 受理

著 者 紹 介

内海  彰(正会員) 1993年東京大学大学院工学系研究科情報工学専攻博 士課程修了.博士(工学).東京工業大学大学院総 合理工学研究科助手,専任講師,電気通信大学電気 通信学部システム工学科助教授,同大学院情報理工 学研究科総合情報学専攻准教授を経て,2013 年より 同専攻教授.言語やその周辺を対象とした認知科学 や言語情報処理の研究に従事.日本認知科学会,情 報処理学会,言語処理学会,Cognitive Science Society などの各会員.

参照

関連したドキュメント

(平成 10 年法律第 114 号。)第 15 条に基づく積極的疫学調査の一環として、「新型コロナ

「比例的アナロジー」について,明日(2013:87) は別の規定の仕方も示している。すなわち,「「比

C−1)以上,文法では文・句・語の形態(形  態論)構成要素とその配列並びに相互関係

いかなる使用の文脈においても「知る」が同じ意味論的値を持つことを認め、(2)によって

身体主義にもとづく,主格の認知意味論 69

これは基礎論的研究に端を発しつつ、計算機科学寄りの論理学の中で発展してきたもので ある。広義の構成主義者は、哲学思想や基礎論的な立場に縛られず、それどころかいわゆ

[r]

NGO の認知度向上に関しては、 NGO 広報ワーキンググループの活動を通して、 SDGs の認知・理解促進 を目的とした『 NGO ガイド(第