〈論文〉大学発ベンチャー企業の事例に関する一考察--クリングルファーマ株式会社における理念の意義(経営学編)
22
0
0
全文
(2) 第54巻. は. じ. 第1号. め. に. 本 稿 は,い わ ゆ る大 学 発 ベ ンチ ャー 企業 の創 出 と事 業 活 動 の 意義 に つ い て 考 察 す る こ と を 目的 と して い る が,と. くに企 業 家 の使 命 感 あ る い は理 念 との か か わ りに つ い て 事 例 を も. と に検 討 す る。 具 体 的 に は,バ. イ オ 創 薬 分 野 の 大 学 発 ベ ンチ ャー 企 業 で あ る ク リ ング ル. フ ァー マ株 式 会 社 の事 例 に つ い て検 討 し,研 究 者 お よ び マ ネ ジ メ ン トチ ー ム の 使 命 感 あ る い は理 念 と企 業 創 出 お よ び企 業 経 営 が,ど の よ うに影 響 し合 い な が ら実現 され て い くの か を 明 らか にす る。 本 稿 は,1事 例 に よ る示 唆 に と ど ま るが,使 命 感,理 念 との 関 係 が 大 学 発 ベ ンチ ャー を 促 え る重 要 な視 点 の一 つ で あ る こ とを提 示 す る うえ で,意 味 の あ る事 例 で あ る と考 え る。 ま た,事 例 の 内容 に は大 学 発 ベ ンチ ャー を 促 え る うえ で 重 要 な 他 の 要 素 も多 々含 まれ て い る と考 え られ るが,こ れ らは他 の機 会 に検 討 した い。 本 稿 で 扱 う大 学 発 ベ ンチ ャー とは,「 大 学 で研 究 ・開 発 され た何 らか の 知 的 財 産 を 基 盤 と して 創 業 され た 新 規 企 業 」(Shane(2004))で. あ り,大 学 以 外 の公 的研 究 機 関 な ど も含. め た場 合 に は 「研 究機 関 の技 術 を 基 に,起 業 家 ・発 明 家 に よ り率 い られ た 革 新 的 な 中 小 企 業 」(新 藤(2006))で. 1問. あ る と定 義 され る。. 題設 定. 2001年5月. に 発 表 さ れ た 「新 市 場 ・雇 用 創 出 に 向 け た 重 点 プ ラ ン 」 に お い て 「大 学 発 ベ. ン チ ャ ー1000社. 計 画 」 が 掲 げ ら れ2005年3月. 設 立 さ れ た 。 ま た,12社 よ る経 済 効 果 は,雇. がIPO(株. る研 究 開 発 型 ベ ン チ ャ ー は,イ 革,大. 円 と 推 計 さ れ て い る(経. に 策 定 さ れ た 第3期. の 大 学 発 ベ ン チ ャ ー(2)が. 果 た して い る。 これ ら大 学 発 ベ ンチ ャー に. 用 者 数 で 直 接 効 果 が 約1.1万 人,売. 含 め る と約2.1万 人,約3,000億 2006年3月. 式 公 開)を. 末 時 点(1)で1,112社. 上 高 が 約1,600億. 円,間. 接的な効果 も. 済 産 業 省(2006))。. 科 学 技 術 基 本 計 画 で は 「大 学 発 ベ ン チ ャ ー を は じめ と す ノ ベ ー シ ョ ン の 原 動 力 と し て,新. 産 業 の 創 出 や 産 業 構造 変. 学 等 の 研 究 成 果 の 社 会 還 元 に 重 要 な 役 割 を 担 う べ き 存 在(3)」 と さ れ,ま. た 「大 学 発. (1>2006年3月 時 点 で は,累 計1,347社 の 大 学 発 ベ ン チ ャ ー 設 立 が 確 認 さ れ て い る(文 部 科 学 省 調 べ)。 こ の う ち,2006年3月 時 点 で の 残 存 数 は1,277社 。 大 学 と 共 同 研 究 を 行 っ て い る ベ ン チ ャ ー を 含 む な ど 調 査 対 象 を 広 く と っ て い る 経 済 産 業 省 調 査 に お け る 設 立 累 計 は1,503社(2006年3月 で あ る。 (2)調. 査 対 象 は 大 学 ・大 学 共 同 利 用 機 関 ・高 専 発 ベ ン チ ャ ー 。. (3)文. 部 科 学 省(2006)P.30. 一92(92)一. 時 点).
(3) 大学 発 ベ ンチ ャー 企 業 の 事 例 に 関 す る一 考 察(芦 塚) ベ ン チ ャ ー に つ い て は,そ. の 創 出 支 援 を 引 き 続 き 行 う と と も に,創. 出 さ れ た ベ ン チ ャー が. 成 長 ・発 展 す る よ う競 争 的 に 支 援 す る(4)」と し て い る 。 つ ま り,大. 学 発 ベ ンチ ャー に対 す. る政 策 は,量 ま た,引. を 求 め る よ り も 質 を い か に 高 め て い くか に 重 点 が 移 っ て い る 。 き 続 き 「社 会 ・国 民 へ の 成 果 還 元 を 進 め る 観 点 か ら,基. 科 学 的 発 見 や 技 術 的 発 明 が,単 つ い て い くよ う,革. 礎 研 究 で 生 み 出 され た. に 論 文 に と ど ま る こ と な く社 会 的 ・経 済 的 価 値 創 造 に 結 び. 新 的技 術 を生 み 出 す こ と に挑 戦 す る研 究 開 発 を 今 後 強 化 す る必 要 が あ. る。(5)」 点 も 強 調 さ れ て い る。 言 い 換 え れ ば,大. 学 で の 研 究 が 「研 究 者 の 知 的 好 奇 心 の 単 な. る延 長 上 の 研 究 に 陥 る こ と の な い よ う 適 切 な 研 究 の マ ネ ジ メ ン トが 必 要 で あ る(6)」と い う 認 識 を 示 し て い る わ け で あ る。 基 礎 研 究 を 社 会 的 ・経 済 的 価 値 創 造 に 結 び つ け る の は 容 易 な こ と で は な い 。 しか し,前 述 の よ う な 大 学 発 ベ ン チ ャ ー 支 援 政 策 に よ っ て,そ 研 究 が,社 て,適. れ まで 実 用 化 に結 びつ いて いな か った. 会 的 ・経 済 的 価 値 を 生 み 出 す 可 能 性 が 高 ま っ た こ と は 事 実 で あ る 。 し た が っ. 切 な マ ネ ジ メ ン トが 必 要 で あ る 旨 が 指 摘 さ れ て い る の で あ ろ う 。. た だ し,基. 礎 研 究 を 実 用 化 に 結 び つ け る プ ロ セ ス で は,マ. ネ ジ メ ン トの 原 動 力 と な る 理. 念 の 重 要 性 を 忘 れ る べ き で は な い 。 と くに 大 学 で の 研 究 を 企 業 と い う 仕 組 み を 用 い て 実 用 化 し よ う とす る 場 合 に は,た. と え 経 営 面 で 専 門 家 を む か え た と して も 中 核 と な る 研 究 者 が. 「知 的 好 奇 心 の 単 な る 延 長 線 上 」な ど と い う 意 識 で あ っ て は,経 営 上 の さ ま ざ ま な 困 難 に 対 処 し て い く こ と は お ぼ つ か な い で あ ろ う。 Shane(2004)は,先. 行 研 究 を 整 理 し,大. 術 の 発 明 者 が 会 社 の 創 業 に 関 心 を も ち,そ. 学 発 ベ ン チ ャ ー を 創 業 す る に は,ま. ずその技. れ を 望 ん で い る こ とが 重 要 で あ る と述 べ て い. る(7)。 た と え ば,日. 本 の 大 学 発 ベ ン チ ャ ー に 関 す る2005年. 発 ベ ン チ ャ ー の 直 近 の 決 算 に お け る経 常 利 益 は,回 が59社(32%),次. いで. 「0円 以 上100万. の 調 査(8)で は,大. 答 数186社. 円 未 満 」 が56社(30%)と. 学(高. 専 も 含 む). 中,「 マ イ ナ ス100万 円 未 満 」 な っ て お り,収. 益状況. の 厳 し さ が 理 解 で き る。 と くに,大. (4)文. 学 発 ベ ン チ ャ ー が 多 い 分 野 で あ る バ イ オ 産 業(9)に お い て は,製. 品 化 まで にか. 部 科 学 省(2006)P.30.. (5)文. 部 科 学 省(2006)P.27.. (6)文. 部 科 学 省(2006)P.27.. (7)Shane(2004)訳. 書p.146.. (8)筑. 波 大 学(2006)。. (9)大. 学 発 ベ ン チ ャ ー 創 出 に お い て は,産. が と く に 多 く,IT(ソ. フ トウ ェ ア)産. 業 間 の 偏 りが 指 摘 さ れ て お り,な. か で もバ イ オ 医 療 産 業. 業 な ど が そ れ に 続 い て い るShane(2004),経. (2006)。 -93(93)一. 済産 業省.
(4) 第54巻. 第1号. な りの 時 間 と 不 確 実 性 を と もな う 。 単 に ベ ン チ ャー と して 創 業 す る だ け で な く,こ プ ロ セ ス を 乗 り越 え 製 品 化 を 果 た し,企. 業 と して 採 算 を と っ て い く に は,こ. マ ネ ジ メ ン トを 支 え る 強 固 な 理 念 が 必 要 で あ る と 考 え られ る 。 しか も,そ ジ メ ン ト上 の 理 念 で は な く,シ. ー ズ と な る 研 究 内 容,つ. う した. う した困 難 な. れ は単 な る マ ネ. ま り研 究 者 の 姿 勢 と一 貫 し た 整 合. 性 の あ る 理 念 で あ る こ と が 求 め られ る だ ろ う。 以 下 で,こ. う し た 理 念 と 大 学 発 ベ ン チ ャ ー の 関 係 を 事 例 に お い て 考 察 し,そ. の意 義 につ. い て検 討 す る。. 2事. 例. 2.1ク. リ ングル フ ァー マ 株 式 会 社. ク リ ング ル フ ァー マ株 式 会 社 は,大 阪大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 の 中村 敏 一 教 授,松 本 邦 夫 同助 教 授(1① が 中心 とな って2001年12月21日. に資 本 金1千 万 円 で設 立 さ れ た。 い わ ゆ る大. 阪大 学 発 の ベ ンチ ャー企 業 で あ る。 た だ し,大 学 の 支 援 に よ って 強 く後 押 し され た こ とが 起 業 の 契 機 とな っ た わ けで は な く,む しろ研 究 内容 で あ る創 薬 開発 を少 しで も早 く実 現 させ るた め の 手段 と して,た 着 い た選 択 が ベ ンチ ャー企 業 の設 立 で あ った。 同 時 に,同 企 業 で あ る ア ン ジ ェスMG株. どり. じ大 阪 大 学 発 の 創薬 ベ ンチ ャー. 式 会 社 が,先 行 して 道 筋 を つ けて くれ て い る こ とが さ ま ざ. ま な形 で お手 本 とな って い る。 癌 の治 癒 率 は年 々僅 か な が ら上 昇 を続 け て い るが,日 本 で は1981年 以 来癌 が依 然 と して 死 因 の トップ を 占め て お り,新 しい概 念 や革 新 的技 術 に 基 づ く制 癌 法 の 確 立 は 人 類共 通 の 願 い で もあ る。 同社 は 中村 教授,松 本 助 教 授 らに よ って1995年 に発 見 さ れ た 「NK4」 とい う蛋 白質 を 用 い て,癌 治 療 薬 を 開発 す る こ とを 目指 して設 立 さ れ た。NK4は,癌. 細胞が他. 臓 器 へ転 移 す る こ とを止 め"凍 結 状 態"に す る と共 に,癌 組織 に 酸 素 や 栄 養 素 を 補給 す る 血 管 新 生 を抑 制 し"休 眠状 態"に す る働 き を もつ た め,副 作 用 が な く画 期 的 な 治療 法 とな る可 能 性 が 期 待 され て い る。 そ もそ も,こ のNK4は るHGF(肝. 中村 教 授 の20年 来 の研 究 テ ー マ で あ. 細 胞 増 殖 因子)の 研 究 を背 景 と して発 見 さ れ た産 物 で あ る。. 肝臓 は極 め て再 生 力 が 強 い 臓 器 で あ る こ とが古 くか ら知 られ て お り,1960年 代 に 肝臓 を 再 生 させ る因 子 の 存 在 が 推 測 され,そ の 後約20年 間,世 界 中 の研 究者 が そ の実 態 を 明 らか に しよ う と しの ぎを 削 って きた。 そ して,徳 島大 学 在 籍 当 時 の1984年 に 世 界 で 初 め て 中村. ⑩. 松 本 氏 は2007年4月 金 沢大 学 が ん研 究 所 腫 瘍 動 態 制 御 研 究 部 門教 授 に就 任 して い る。 文 中 で は イ ン タ ビ ュー 当 時(2004年)の 役職 名 で 表 記 す る。 -94(94)一.
(5) 大学発ベ ンチ ャー企業の事例に関す る一考察(芦 塚) 教 授 らが 肝 再 生 因 子 の 実 体 で あ るHGFを このHGFは. 発 見 した 。. 肝 細 胞 の み な らず 様 々な 細 胞 に対 して,細 胞 増 殖 促 進,細 胞 運 動 促 進,抗. ア ポ トー シ ス(細 胞 死),形. 態 形 成 誘 導,血 管 新 生 な ど組 織 ・臓 器 の 再 生 と保 護 を担 う多. 才 な 生 物 活 性 を 有 して い る こ とが わ か って い る。 中村 氏 らの 発 見 した このHGFの 化 症,バ ー ジ ャー病 等)及. 血 管 新 生 作 用 に着 目 し,抹 消 血 管 疾 患(閉 塞 性 動 脈 硬. び虚 血 性 心 疾 患(狭 心 症,心 筋梗 塞 等)の 治 療 に遺 伝 子 治 療 薬. と して 応 用 して い るの が 大 阪 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 臨 床 遺 伝 子 治 療 学 寄 附 講 座 の 森 下 竜 一 教 授 を 中心 に設 立 され た ,現 在 の ア ン ジ ェスMG株 ドジー ン(現 ア ン ジ ェスMG)設 グル フ ァー マ株 式 会 社 は,HGFと. 式 会 社 で あ る。 中村 氏 は,1999年 メ. 立 時 よ りの 出 資者 の ひ と りで もあ り,後 発 と な る ク リ ン い う同 じ根 を持 つ技 術 シ ー ズ を も とに,遺 伝 子 治 療 と. タ ンパ ク製 剤 に分 けて,異 な る領域 に応 用 す る こ とで,互 い に棲 み分 け て い る関係 に あ る。 動 物 実験 で は,劇 症 肝 炎,心 筋 梗 塞,急 性 腎 不 全,腎 移 植,急 性 肺 傷 害,脳 梗 塞 を 引 き 起 こ した 動 物 に組 換 えHGFタ. ンパ ク質 を投 与 す る と強 力 な 抗 細 胞 死 作 用 や 再 生 促 進 作 用. に よ る発 症 阻 止 や 臓 器 の 治 癒 促 進 が 認 め られ て い る。 また,HGFは. 肝 硬 変,慢 性 腎不 全,. 肺 線 維 症,心 筋 症 な ど慢性 線 維性 疾 患 に 対 して も強 力 な 治 療 効 果 を 示 して い る。 こ う した 多 様 な 疾 患 に対 して 臨 床 応 用 の 可 能 性 が 期 待 され るHGFの. タ ンパ ク質 治 療 薬 の 開 発 も同. 社 の 有 す る も う一 つ の 技 術 シー ズ で あ る。 従 来 の 制 癌 剤 は 癌 細 胞 を 直 接 殺 す こ とを 目的 に開 発 され て お り,そ れ ゆえ 副 作 用 と して 著 しい臓 器 不 全 や 免 疫 力 の低 下 を き た し,実 質 的 な延 命,あ. る い はQOL(ク. オ リテ ィ ・. オ ブ ・ラ イ フ:生 活 の 質)の 改 善 とい った 患 者 の ニ ー ズ に応 え られ な い こ とが 多 い。 こ う した 癌 治 療 の 現状 に画 期 的 な 治 療 法 を もた らす こ と,そ 救 うべ く,NK4お. よ びHGFの. して さ ま ざ ま な病 に苦 しむ 患 者 を. 医 薬 品化 実 現 に 向 け た ク リ ング ル フ ァー マ の事 業 活 動 が. 続 い て い る。. 2.2研. 究 お よ び技 術 の背 景. 大 阪 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 生 体 生 理 医 学 専 攻 分 子 再 生 医 学 教 授 の 中村 敏 一 氏 は,1993 年 に大 阪 大 学 に移 籍 す る前 に は,1988年. か ら九 州 大 学 理 学 部 に在 籍,さ. らに それ 以 前 に は. 1977年 よ り徳 島大 学 医 学 部 に在 籍 した。 肝 臓 は生 体 の化 学 工 場 に た とえ られ る特 有 な 生 化 学 反 応 を行 な う代 謝 の 中心 臓 器 で あ り,強 力 な 再 生 能 力 を 備 え て い る こ とで も知 られ る。 肝 再 生 は古 くか ら多 くの研 究 者 の関 心 を集 めて い た。 中村 氏 が 徳 島 大 学 医 学 部 の 市 原 明 教 授 の研 究 室 に助 教 授 と して在 籍 して 一95(95)一.
(6) 第54巻. 第1号. いた 当時 の1984年 に70パ ー セ ン ト部 分 肝 切 除 ラ ッ トの 血 清 か らHGF(肝. 細 胞 増 殖 因 子). を 発 見 して い る。 中村 氏 はHGFの. 発 見 や 肝 細 胞 の 増 殖 制 御 に関 す る研 究 に よ り,1984年. 奨 励 賞 お よ び,日 本 癌 学 会 奨 励 賞 を受 賞 して い る。 そ の後 約5年 と遺 伝 子 の全 暗 号 の解 明 に も成 功 し,1992年 し,2006年. に 日本 生 化 学 会. か け,HGFの. 化 学 構造. の高松宮妃癌 研究 基金学術賞 の他多数 受賞. に は これ まで の 実 績 か ら紫 綬 褒 章 を 受 章 して い る。. 松 本 助 教 授 は1986年 大 阪 大 学 理 学 研 究 科 を 修 了後,同. 年 大 阪 大 学 医 学 部 助 手 とな り,. 1990年 に九 州 大 学 理 学 部 助 手 と して 中村 教 授 の研 究 室 に は い った。 そ の後,中 村 教 授 と と もに,1993年 に大 阪 大 学 医 学 部 に移 籍 して い る。NK4は,松. 本 氏 と 中村 氏 に よ って1995年. に発 見 され,松 本 氏 は1997年 に 日本 癌 学 会 賞 を受 賞 して い る。 癌 治 療 の 成 否 に決 定 的 に関 与 す る要 因 が,癌 転 移 で あ る。 転 移 とは,原 発 腫 瘍 か ら離 脱 した癌 細 胞 が,遠. く離 れ た組 織 や 臓 器 に移 動 し,新 た に癌 細 胞 の コロ ニ ー を形 成 す る こ と. で あ る。 腫 瘍 は そ の性 質 か ら良 性 腫 瘍 と悪 性 腫 瘍(癌)に. 分 け られ る。 良 性 腫 瘍 は周 囲 の組 織 に. 広 が る こ と は な いが,悪 性 腫 瘍 は周 りの組 織 を破 壊 しなが ら血 管 や リ ンパ 管 に侵 入 し,や が て遠 く離 れ た臓 器 に転 移 す る。 癌 で亡 くな る ヒ トの 多 くは,原 発 腫 瘍 で は な く,さ ま ざ ま な場 所 に転 移 した癌 に よ って 命 を落 とす 。 原 発 腫 瘍 を早 期 に発 見 で き れ ば外 科 的 な手 術 で癌 を取 り除 く こ とが で き る。 しか し,末 期 癌,あ. る い は肺 癌 の よ うな転 移 しやす い癌 で は,た. とえ原 発 腫 瘍 が小 さ く と. も,発 見 され た とき に はす で に 目に 見 え な い ほ どの小 さ な転 移 癌 を形 成 して い る こ とが 多 く,こ れ らを外 科 的 に取 り除 く こ とは難 しい。 ま た,抗 癌 剤 を用 い る化 学 療 法 や放 射 線 に よ る癌 治 療 は本 来癌 細 胞 を直 接 殺 す こ とが 目 的 な の で,こ. う した治 療 で原 発 腫 瘍 が一 時 的 に小 さ くな った と して も,耐 性 癌 の再 発 や,. 崖 き残 った癌 細 胞 の転 移 を防 ぐ こ とは難 しい。 さ らに,抗 癌 剤 や放 射 線 は癌 細 胞 だ け で な く正 常 細 胞 を も殺 す結 果,激. しい 副 作 用 を と もな い,癌 患 者 のQOLや. 免 疫 力 を低 下 させ. る。 した が って,癌 転 移 を 阻止 し,癌 を あ たか も転 移 す る こ との な い良 性 腫 瘍 の よ うな状 態 に封 じ込 め る こ とが で き れ ば,癌 の治 癒 率 が 飛 躍 的 に 向上 す る の で は な い か と期 待 され て い る。 癌 細 胞 が原 発 腫 瘍 か ら遠 く離 れ る道 筋 は,(1)癌 細 胞 が 原 発 腫 瘍 か ら離 脱 す る,(2)基 底 膜 を破 り周 囲 の組 織 に入 り込 む(浸 潤 と呼 ぶ),(3)血 管 や リ ンパ 管 に侵 入 し血 液 や リ ンパ の流 れ に よ って遠 くの組 織 に運 ば れ る,(4)再 び血 管 や リ ンパ 管 か ら組 織 に侵 入 ・増 殖 し新 た な 一96(96)一.
(7) 大 学 発 ベ ン チ ャー 企 業 の 事 例 に関 す る一 考 察(芦 塚) 出 所:同 社HP. コ ロニ ー(転 移 巣)を 形 成 す る,と い った 一 連 の プ ロセ スを 経 る。 この な か で,癌 細 胞 が 原 発 腫 瘍 の 細 胞 社 会 を 離 脱 し周 辺 の 組 織 を 侵 略 す る ス テ ップ,つ ま り癌 細 胞 の 浸 潤 こそ, 癌 転 移 が 成 立 す る上 で カギ とな る。 本 来,多. くの 癌 が 発 生 す る上 皮 組 織 に は血 管 や リ ンパ 管 は存 在 しな い。 したが って,癌. 細 胞 が 血 管 や リ ンパ 管 に侵 入 す る に は い くつ か のハ ー ドル が あ る。 まず,上 皮 組 織 と間 質 組 織(コ. ラ ー ゲ ンな ど の細 胞 外 基 質 タ ンパ ク質 に富 み,こ の な か に は線 維 芽 細 胞 が点 在 す. る)を 区切 るバ リア で あ る基 底 膜(r▽ 型 コラ ー ゲ ン,フ ィプ ロネ クチ ン,ラ. ミニ ン と呼 ば. れ る細 胞 外 基 質 タ ンパ ク質 で構 成 さ れ て い る バ リア)を 破 り,さ らに血 管 や リンパ管 に 向 か って 間質 組 織 を構 成 す る コ ラー ゲ ンな ど細 胞 外 基 質 を分 解 しな が ら浸 潤 す る必 要 が あ る。 した が って,癌 細 胞 の もつ 高 い 浸 潤能 を 効率 よ く抑 え られ れ ば,癌 転 移 の 阻 止 に つ な が る。 癌 細 胞 は 高 い 浸 潤 の 能 力 を 潜 在 的 に も って い るが,癌 細 胞 だ けの 集 団 で は浸 潤 能 はい わ ば眠 った 状 態 で あ る。 活 発 な 浸 潤 能 が 発 揮 され るの は,癌 細 胞 に近 接 す る間 質 の 線 維 芽 細 胞 と の相 互 作 用 が あ る と き に限 られ る。 しか も線 維 芽 細 胞 が 分 泌 し,コ ラ ー ゲ ンや フ ィル タ ー を通 じて 癌 細 胞 に作 用 す る液 性 因 子 が 癌 細 胞 の浸 潤 能 を 呼 び さ ます の で あ る。 そ の因 子 を 明 らか に で き れ ば,癌 の浸 潤 や転 移 を 阻止 す る薬 剤 の 開発 が可 能 に な る。 中村 氏 が 世界 に先 駆 け て発 見 ・単 離 ・ク ロー ニ ン グ し,長 年 にわ た り研 究 して きたHGF (hepatocytegrowthfactor:肝. 細 胞 増殖 因 子)こ そ が,線 維 芽 細 胞 が 分 泌 し癌 細 胞 の浸 潤. を 促 進 す る因 子 の実 体 で あ る こ とが 後 に 明 らか とな っ た。 現 在,HGFは. 各種上皮系細胞. (肝細 胞 も含 む)の 増 殖 や 遊 走 を 促 す 活 性 に加 え,血 管 新 生 を 促 す 活 性 な ど多 彩 な 生 物 活性 一97(97)一.
(8) 第54巻. 第1号 出 所:同 社HP. 〆. 傷害 噂. 誤. 蘇繊. 備 餓羅 憲撫 神経栄養 活性. !肺. 粥 乙. 腎繊. 〆. 幽髄 ゆ. 穰粘 膜 保 護 ・修 復. を もつ こ とが 知 られ て い る。 HGFが. そ の 生 物 活 性 を 発 揮 す る に は,HGFの. 作 用 を 受 け る 細 胞 の 細 胞 膜 上 に,HGF. を 特 異 的 に キ ャ ッ チ す る 受 容 体 が 存 在 し な け れ ば な ら な い 。HGFの. 受 容 体 はc-Metと. 呼. ば れ る タ ン パ ク 質 で あ る。 c-Met受. 容 体 は 細 胞 膜 を1回. ギ 穴 の 関 係 の ご と くHGFを 方,細. 貫 通 し た 構 造 を も ち,細. 胞 外 に 突 き 出 した領 域 は カ ギ とカ. 特 異 的 に キ ャ ッチ す る ア ン テ ナ の よ うな 役 目を 果 たす 。 一. 胞 質 側 に 突 き 出 た 領 域 に は チ ロ シ ン キ ナ ー ゼ(チ. 酵 素 活 性 を も つ 部 分 が あ る。HGFがc-Met受 ナ ー ゼ 活 性 が 高 ま り,細 ま り,c-Met受. ロ シ ン リ ン酸 化 酵 素)と. 容 体 に 結 合 す る と,細. HGFが. 容 体 はHGFを. と ら え る ア ン テ ナ で あ る と 同 時 に,細. 容 体 に 結 合 し 活 性 化 す る と,癌. る こ と が 明 ら か に な っ た こ と で,HGFの 合 阻 害 剤)が. 介 物 質)と. NK4はHGFの. 見 つ か れ ば 癌 の 浸 潤 を 阻 害 し,そ. c-Met受. の ク リ ン グ ル(Kringle)構 α鎖 全 域 か らC末. 端16ア. 容 体 へ の 結 合 に 関 与 す るN末. る た め,c-Met受. 癌 細 胞 のc-. して癌 の 浸 潤 を促 す 分 子 で あ. 作 用 を ブ ロ ッ ク す る 分 子,す. 断 片 化 し て 得 ら れ た 分 子 内 断 片 はHGFア. ヘ ア ピ ン構 造 と4個. 胞 内 に シ グ ナル を 伝. 容 体 が あ り,HGFが. 止 す る新 し い 制 癌 剤 に な る と考 え ら れ た 。 研 究 の 結 果,タ でHGFを. 。つ. 細 胞 の浸 潤 が起 こる。. 癌 間 質 相 互 作 用 の メ デ ィ エ ー タ ー(媒. る ア ン タ ゴ ニ ス ト(競. 胞質 の チロ シンキ. 胞 内 に さ ま ざ ま な シ グ ナル が 伝 達 され る仕 組 み に な って い る. え る 発 信 機 の 役 割 を 果 た す 。 多 くの 癌 細 胞 に もc-Met受 Met受. 呼 ばれ る. の 結 果 ,癌. 対 す 転移 を阻. ンパ ク質 分 解 酵 素 エ ラ ス タ ー ゼ. ン タ ゴ ニ ス ト活 性 を も ち ,N末. 造 を もつ こ と か ら,NK4と. 端の. 名 づ け られ た。. ミ ノ酸 を 欠 い た 領 域 に 相 当 し て い る。NK4は. 端 ヘ ア ピ ン構 造 と 第1ク. 容 体 に 結 合 す る 。 しか し,c-Met受. は そ れ 自 身 生 物 活 性 を 発 揮 す る こ と な く,HGFがc-Met受 一98(98). な わ ちHGFに. リン グ ル構 造 を も って い. 容 体 を 活 性 化 し な い 。 つ ま りNK4 容 体 に結 合 す るの を競 合 的 に.
(9) 大 学 発 ベ ンチ ャー 企 業 の 事 例 に関 す る一 考 察(芦 塚). 出所. 同 社HP出. 所. 同 社HP. 癌 一間 質 相 互 作用 を介 した 浸潤 馨 転 移 の 促進1 癌 悪性 化 にお けるHGFの 機 能 赫G詳. /◎ ・。・癖. 鴨. 枷. 夢. 鯛 塵. 辱1兎. 藻齪 憲. 騰G,轟 盤 集. \ 霜 主薗 賃 編趣. 一99(99)一. 鑓 鑓.
(10) 第54巻. 第1号 出 所:同 社HP. NK4の. 構 造 と ア ン タ ゴ ニ ス ト作 用 の 概 略 曜 】rレclL{奮il1塵. ≡ ち一 一c匿1三[1i暫1. ㌦ 鍍 織璽 叢銭 ____」 ¢一層駐tしセ フ タ ー. . ノへrc.Met 〆. ↓ 巧碕 ぜ. レセ プ タ ー. NK4. 姦 灘 ∴疑 訟 蛇1芝.. 阻 害 す るア ン タ ゴニ ス トと して 作 用 す る。 そ して そ の 後,NK4はHGFア. ン タ ゴニ ス ト活性 とは 別 に,血 管 新 生 阻 害 活 性 を 併 せ も. つ こ とが わ か った。 血管 新生 とは 既 存 の血 管 か ら新 しい 血 管 の 芽 が 突 出,伸 長 し,や が て 伸 長 した 血 管 の 末 端 が つ な が って 新 しい 血 管 網 が で き る こ とで あ る。 現 在 で は,血 管 内 皮 細 胞 増 殖 因 子 (VEGF)や. 塩 基 性 線 維 芽 細 胞 増 殖 因 子(bFGF)と. い った 増 殖 因 子 が 腫 瘍.血管 新 生 因 子の. 実 体 で あ る こ とが わ か って い る。 腫 瘍 組 織 に生 じた 一血 管 を 介 して癌 細 胞 に 酸 素 と栄 養 分 が 供 給 され,癌. は 急 激 に増 大 す. る。 した が って,血 管 新 生 を 抑 制 す る薬 剤 に よ り腫 瘍 血 管 新 生 を 阻 害 で きれ ば,癌 を 休 眠 状 態 にす る こ とが 可 能 とな る。 そ して,NK4は1分. 子2役. の他 に 類 の な い2機 能 分 子 で. あ る こ とが 明 らか にな り,制 癌 効 果 へ の 可 能 性 は ます ます 高 ま った 。 す で に癌 治 療 を 目的 と した 遺 伝 子 治 療 は 多 数 行 な わ れ て い るが,そ の 大 半 は 自殺 遺 伝 子 を 癌 細 胞 に導 入 して 癌 細 胞 を 殺 傷 させ る戦 略 で あ る。 しか し,す べ て の 癌 細 胞 で 目的 の 遺 伝 子 を 発 現 させ る こ とは 困 難 で あ る。 また,癌 細 胞 の 殺 傷 を 目的 と した 遺 伝 子 治 療 で は, 抗 癌 剤 や 放 射 線 に よ る治 療 と同 様 に一 時 的 な 癌 の 退 縮 が 果 た せ た と して も,残 され た 癌 細 胞 の 浸 潤 や 転 移 を 阻 止 す る こ と はで きな い。 これ に対 して,NK4遺. 伝 子 治 療 で は,NK4遺. く,し か もす べ て の癌 細 胞 でNK4遺. 伝 子 を 癌 細 胞 だ けで 発 現 させ る必 要 はな. 伝 子 を 発現 させ る必 要 もな い。 腫 瘍 組 織 で のNK4. の 濃 度 を 高 め れ ば,癌 の 休 眠 状 態 を 維 持 す る こ とが 可 能 で あ る。 さ ら に腹 腔 内 投 与 に よ る 一100(100)一.
(11) 大 学 発 ベ ンチ ャー企 業 の 事 例 に 関す る一 考察(芦 塚). 出所. 閥K4の2つ. の 機 能 と"ガ ン の 凍 結. 毅6Fア ン タ ゴニ ス トNK4血. ・休 眠 療 法" 管新 生阻 害. 出所 実 験 動 物 にお いてNK4の NK4に. 同社HP. 同社HP. 制 癌 作 用 が 認 め られ た癌 認 め られ た制 癌 作 用. よ る治 療 法. 癌の種類 肺癌 乳癌. タ ンパ ク質 投 与or遺. 胆 の う癌. タ ンパ ク質 投 与or遺. 伝子治療. 浸 潤 阻 害 ・成 長 抑 制. 膵臓癌 胃癌 大腸癌 卵巣癌 腎癌 悪性黒色腫. タ ンパ ク質 投 与or遺. 伝子治療. 延 命 ・浸 潤 ・転 移 抑 制 ・成 長 抑 制 ・癌 性 腹 水 の抑 制. 伝子治療. タ ンパ ク質 投 与. 遺伝子治療 遺伝 子治療 遺伝 子治療 遺 伝子治療 遺伝子治療. 延 命 ・転 移 抑 制 ・成 長 抑 制 転 移 抑 制 ・成 長 抑 制. 転 移 抑 制 ・成 長 抑 制 転 移 抑 制 ・成長 抑 制 ・延 命 延 命 ・転 移抑 制 ・癌 性 腹 水 の 抑 制. 成長抑制 転 移抑 制 ・成 長 抑 制 出 所:同 社HP. 101(101)一.
(12) 第54巻. 第1号. 制 癌 作 用 か ら明 らか に な った の で あ る が,NK4は を 発 揮 す る。NK4は. 遠 くに あ る癌 細 胞 に対 して も制 癌 作 用. 従 来 の癌 治 療 を 目的 と した遺 伝 子 治 療 の難 点 を 克 服 す る可 能 性 を も. つ ○. 2.3ベ. ンチ ャー設 立 とい う選 択 肢. こ う した 研 究 を 進 め,さ ま ざ まな 発 見 を 積 み 重 ね て い くう ち に,医 薬 品 と して 有 望 で あ る こ とを 確 信 し,早 期 の 医 薬 品 化 実 現 の た め に 大 手 製 薬 会 社 へ の 技 術 移 転 の 可 能 性 を 模 索 した 。 しか し,国 内 製 薬 企 業 の 反 応 は 期 待 は ず れ で あ った。2001年4月 商工 会 議所 等 主 催 の 「バ イ オ ビジ ネ ス コ ンペJAPAN」. に行 な わ れ た 人 阪. に 出展 し,優 秀 賞 も受 賞 す る が製. 薬 会 社 か らの 反応 は乏 し く,こ の とき 国 内 の人 学 の研 究 成 果 を 過 小 評 価 して い る こ とに失 望 感 を 抱 い た と い う。 こ の こ と を き っか け に,技 術 移 転 だ け に頼 る の で は な く,ベ ン チ ャー企 業 を設 立 し 自分 た ち で 医 薬 品化 実 現 へ踏 み 出 す決 心 が 固 ま った。 中村 氏,松 本 氏 が こ こ ま で 自分 た ち の研 究 成 果 を実 現 さ せ よ う と尽 力 す る背 景 に は,癌 を は じめ,さ ま ざ ま な病 に苦 しむ患 者,あ. る い は そ れ を支 え る家 族 を な ん と して も救 い た. い と い う強 い思 い,基 礎 研 究 者 と して の使 命 感 が あ る。 中村 氏 は滋 賀 県 の生 まれ で あ るが,小 学 生 の頃 は ガ キ大 将 で あ り,お お よ そ勉 強 な ど し た記 憶 が な い と い う。 その 後,私 立 延 暦 寺 学 園 比 叡 山高 等 学 校 に入 学 す るが ,こ こで の経 験 が そ の 後 の 人 生 に方 向 を つ け る こ と にな る。 高 校 入 学 当 初 の 実 力 テ ス トで ひ ど い成 績 を と った た め,父. に怒 られ る こ とを 覚 悟 して い. た。 しか し父 は,高 校 は まだ 始 ま っ た ば か りで,今 ま で 勉 強 して い な か った か らで き な か っ た だ け で あ る こ と,そ. して な に よ り も お前 の 素 質 を 信 じて い る と,そ れ まで 一 度 も. 言 った こ との な い こ とを語 った。 この とき,父 の思 い や期 待,深 い 愛 情 を 理 解 し,涙 が あ ふ れ 出 してILま らな か った とい う。 も う しわ け な い とい う思 い で,こ れ を き っか け に して 勉 学 に励 ん だ。 ま た,伝 教 大 師 最 澄 の延 暦 寺 開設 に 由来 を もつ 高 校 で あ った こ とか ら,延 暦 寺 の高 僧 に 漢 文 を習 って い た。 そ の時 の教 材 に は最 澄 の文 章 が 使 われ た。 そ こ で学 ん だ最 澄 の 高 い志 や 願 い に感 化 され,深. く尊 敬 す る よ う にな る。 最 澄 の 教 え られ る よ う な意 義 深 い生 きが い. の あ る生 き方 を した い と考 え る よ う にな った と い う。 そ して ,高 校3年 生 の と き に最 も好 きで あ った 生 物 学 と化 学 を 生 か して,癌 の よ うな 難 病 で 苦 しむ 人 々の 命 を 救 う こ と に役 立 つ研 究者 に な る こ とを 決意 した。 そ れ か ら40年 足 らず の 間 ず っ と世 界 の病 め る人 々,死 に 瀕 す る人 々を救 う こ とに 貢献 した い とい う思 い で研 究 に励 ん で き た。 -102(102)一.
(13) 大学 発ベ ンチ ャー企業 の事例 に関する一考察(芦 塚) 20年 以 上 の 問 世 界 中 の 多 くの 研 究 者 が 努 力 して も成 し遂 げ られ な か ったHGFの. 発見. そ の 化学 構造 と遺 伝 子 の全 暗号 の解 明 に成 功 す る。 中村 氏 は これ らの成 果 に つ い て,二 つ の成 功 要 因 を示 して い る。 一・ つ は,肝 再 生 因子 の 活性 を高 感 度 で再 現 性 良 く測 定 す る方 法 を,約3年. 間試 行 錯 誤 して確 立 した こ と。 そ して も う一 つ は,肝 再 生 中 の ネ ズ ミの血 液 中. に100万 分 の1程 度 の ご く微 量 しか 存 在 しな い物 質 を,く. る 日 も くる 日 もそ の 存 在 を信 じ. て,の べ1万 匹 に もお よ ぶ実 験 用 ラ ッ トを対 象 に追 い 求 め続 け た こ とで あ る。 延 暦 寺 の根 本 中堂 の ご本 尊 は,最 澄 が若 い とき に一 刀三 礼 し,精 魂 込 め て彫 り上 げ た も の で,あ ま ね く人 々 の病 に よ る苦 しみ,死 の恐 れ を 除 き 人 々 を救 い た い とい う願 い を た く した もの だ とい う。 そ して,中 村 氏 の発 見 したHGFやNK4は,ま 践 す る物 質 に な ろ う と して い る。 高 校 時 代 に立 て た 志,夢. さ に最 澄 の願 い を実. が か な お う と して い るの で あ. る。 この こ とが,本 当 に うれ し く,心 の奥 深 い と ころ か らわ き上 が る喜 び に浸 る こ とが あ る とい う。 ま た,松 本 氏 は金 沢 大 学 理 学 部 の 出身 で あ って,薬 学 部 の 出身 で は な い。 しか し,大 学 院修 了後 た ま た ま就 職 先 と して所 属 した の が,大 阪大 学 医学 部 の 臨床 皮 膚 科 で あ った。 そ こで,本 来 機 会 の な い実 際 の患 者 に直 接 接 す る体 験 を す る。 皮 膚 癌 の患 者 な ど悲 惨 な苦 し み に さ い な ま れ て い る人 々 に接 す る こ とで,そ れ ま で の価 値 観 が一 変 した とい う。 患 者 本 人 は もち ろ ん,家 族 も含 め て た いへ ん な苦 しみ を 味 わ って い る姿 を 目に した こ とか ら,基 礎 研 究 の果 たす べ き使 命 を実 感 した の で あ る。 研 究業 績 を積 む た め,あ る い は そ の分 野 の研 究者 に 評価 され る た め の研 究 で は な く,や は り病 気 を治 す こ と,病 に苦 しむ 人 々 を救 う こ と こそ が,最 終 的 な 目標 で あ る こ とを忘 れ て は な らな い と確 信 した。 自分 た ち の研 究 は,成 果 を基 に した 医薬 品 が世 に 出 た とき に よ うや く終 わ る との強 い思 い は,製 薬 会 社 へ の ラ イ セ ン シ ン グの可 能 性 が低 け れ ば,当 然 の よ うに ベ ンチ ャー を設 立 し,自 力 で実 用 化 す る方 向 へ 向 か わ せ た。 ク リン グル フ ァー マ 株 式 会 社 とい う社 名 は,HGFとNK4の ク トと し,病 に 苦 しむ患 者,世 もの と してHGFとNK4に. 医薬 品化を主要 プロ ジェ. 界 の癌 患者 の救 済 を 企 業理 念 とす る会 社 の 名前 に相 応 しい. 共 通 の ク リ ン グル 構 造 と,医 薬 品 を意 味 す る フ ァー マ シ ュー. テ ィカ ル か ら ク リ ン グル フ ァー マ株 式 会社 と命 名 され た 。. 2.4チ. ー ム ビル デ ィ ング. ク リ ン グ ル フ ァ ー マ 設 立 の2年. ほ ど前 の1999年10月. に,元. 武 田薬 品 工 業 株 式 会 社 欧 州総. 支 配 人 の 茨 木 稔 氏 が 医 薬 品 開 発 に お け る 臨 床 試 験 を 医 療 現 場 の 立 場 に た っ て サ ポ ー トす る 一103(103)一.
(14) 第54巻 SMO(SiteManagementOrganization)事. 第1号 業 を 行 な う,株 式 会 社 ヘ ル スネ ッ トを設 立. した。 将 来 の上 場 に 向 け た相 談 相 手 で あ った野 村 謹 券 の担 当者 が,み ず か ら事 業 化 を 目指 して ベ ンチ ャー 企業 を設 立 しよ う と して い た 中村 敏 一 氏 の相 談 相 手 で もあ った。 野 村 謹 券 の そ の 担 当者 を通 じて知 り合 った こ とで,茨 木 氏 は経 営 を 引 き受 け て くれ る 人材 を探 して い た 中 村 氏 の相 談 に の る こ と とな った。 そ こで,茨 木 氏 の後 輩 で あ る当 時北 陸 製薬 代 表 取 締 役 社 長 で あ った岩 谷 邦夫 氏(現. ク リ ン グル フ ァー マ 代 表取 締 役 社 長)に 声 が か か った。. しか し,当 時 北 陸 製 薬 社 長 とい う立 場 で あ り引 き受 け る わ け に は い か ず,暫 定 的 に茨 木 氏 が 兼 任 で ク リン グル フ ァー マ の 初 代 社 長 に就 任 す る こ と とな り,2001年12月. に ク リング ル. フ ァー マ 株 式 会 社 を 設 立 した の で あ る。 早 い 時 期 に 交 代 す る とい う当 初 の 申 し合 わ せ どお り,2003年3月. に岩谷邦夫氏が代表取. 締 役 社 長 に就 任 した。 そ もそ も,大 学 卒 業 後 武 田 薬 品工 業 に お い て19年 間 海 外 で の 医薬 品 販 売 事 業 に従 事 して きた 岩 谷 氏 が,北 陸 製 薬 へ 移 籍 す る こ と にな った き っか けは,ヘ ハ ンテ ィ ン グだ っ た。1996年 に北 陸 製 薬 を 買 収 した ドイ ツの 製 薬 会 社BASFが. ッド. ,経 営 を. 任 せ る人 材 を 探 す べ くヘ ッ ドハ ンテ ィ ン グ会 社 に 依 頼 して い た の で あ る。 武 田薬 品 に残 っ て も役 員 まで 行 け るか も まだ わ か らな い 時 期 で,社 長 と して の 仕 事 を まか され る こ と にや りが いを 感 じた こ とか ら,移 籍 を 決 心 した とい う。 そ の 後,2000年12月 ボ ッ ト ・ラ ボ ラ ト リー ズが,北 陸 製 薬 を 含 む 医 薬 品事 業 をBASFか 表 。2003年2月. 米国の製薬会社 ア ら買 収 す る こ とを 発. ダ イナ ボ ッ ト(ア ボ ッ トの 日本 法 人)と 北 陸 製 薬 が 合 併 し,ア ボ ッ トジ ャ. パ ンにな った 。 そ の 間 の 経 営 を 担 当 して いた 岩 谷 氏 は,合 併 が 完 了 した 時 点 で ク リ ングル フ ァーマ に移 籍 した の で あ る。 武 田薬 品 か ら北 陸 製 薬 代 表 取 締 役 社 長 まで の キ ャ リアか ら考 え る と,新 興 ベ ンチ ャー 企 業 で あ る ク リ ングル フ ァー マ へ の 移 籍 に は,か な りの ギ ャ ップが あ る と感 じ られ る。 大 手 製 薬 会 社 の 武 田薬 品 を 経 て,中 堅 製 薬 会 社 の 社 長 の 次 に,通 常 つ な が る キ ャ リアパ ス と は 考 え られ な いか らで あ る。 実 は,岩 谷 氏 は大 阪 大 学 薬 学 部 卒 業 後 武 田薬 品 工 業 に入 社 す る際 に,営 業,し か も海 外 営 業 を希 望 して い る。 当時 国 立 大 学 の 薬 学 部 出 身 者 は,た いて い研 究 所 か 工 場 に配 属 され て い た。 しか し,研 究 が 自分 に合 わ な い と感 じて い た こ と もあ り営 業 を 希 望 した とい う。 ま た大 学 時 代 か ら ドイ ツな ど外 国 に興 味 を も ち,外 国 人 と接 す る こ とで 世 界 が 広 が る喜 び を 実 感 して いた た め,海 外 勤 務 を 希 望 した の で あ る。 そ もそ も武 田薬 品 を 希 望 した の も, 当 時 海 外 進 出 に積 極 的 で あ り,海 外 勤 務 の 可 能 性 が あ った か らだ った と い う。 希 望 どお り,入 社 当 初 か ら外 国 事 業 部 に配 属 され,ア 一104(104)一. メ リカ 占領 下 の 沖 縄 で 営 業 を 担 当.
(15) 大 学 発 ベ ンチ ャー 企 業 の 事 例 に関 す る一 考 察(芦 塚) し,好. 成 績 を お さ め た 。 そ の 功 績 を 認 め られ,そ. 一 番 最 初 に 出 て い くこ と に な る. の 後 海 外 で新 しい子 会 社 を設 立 す る際 に. 。 イ ン ドネ シ ア で の 会 社 立 ち 上 げ の 際 に は,5人. バ ー の う ち 最 年 少 者 と して 参 加 した 。 そ の 後 フ ラ ン ス 進 出 の 際 に は た っ た1人 を 担 当 した こ と も あ り,今. 振 り返 っ て も 一 番 苦 労 し た と い う 。 そ の 後,ア. い て い る 。 こ う した 経 験 が,大. 手 製 薬 会 社 に い な が ら,新. の メ ン. で立 ち上 げ. メ リカ に も出向. しい こ と に チ ャ レ ンジす る喜 び. を 見 出 して い く こ と に つ な が っ た と い う 。 こ の 経 歴 を 理 解 して い た 茨 木 氏 が,岩. 谷 氏 を新. 興 の ク リン グル フ ァー マ に紹 介 す る こ と にな った の で あ る。 創 業 の 中 心 で あ る 中 村 氏,松 解 して も ら っ て,病. 本 氏 は,社. 長 に な っ て も ら う方 に は,こ. 気 を 治 す と い う 夢 に つ い て 共 感 を も って も ら え る 人 で あ る こ と が 欠 か. す こ と が で き な い 条 件 だ と 考 え て い た 。 そ の 点 に つ い て は,岩 信 じた か ら こ そ,社. の研 究 の価 値 を理. 谷 氏 もこ の研 究 の可 能 性 を. 長 を 引 き受 け られ た と い う。. ク リ ン グ ル フ ァ ー マ の メ ン バ ー は,茨. 木 氏,岩. 谷 氏 の 人 脈 が 中 心 に な っ て お り,武. 田薬. 品 に 関 係 した 人 材 が 多 くを 占 め て い る 。. 2.5資. 金調達. 現 在 ま で の と こ ろ,主 な 資 金 の ほ と ん ど をVCか よ りVCか. ら の ア プ ロ ー チ が 多 数 あ り,日. らの 出資 で ま か な って い る。 設 立 当初. 本 生 命,ニ. ク ・イ ンベ ス トメ ン ト,日 興 ア ン トフ ァ ク ト リ ー,バ ン チ ャー キ ャ ピ タ ル,安 ン ト,商 工 中 金,大. 田 企 業 投 資,イ. ッ セ イ ・キ ャ ピ タ ル,ソ. フ トバ ン. イ オ ・サ イ ト ・キ ャ ピ タ ル,日. 本ベ. ン ス パ イ ア ・テ ク ノ ロ ジ ー ・ リ ソ ー ス ・マ ネ ジ メ. 阪 中 小 企 業 投 資 育 成,北. 海 道 ベ ンチ ャー キ ャ ピタ ル な どか らの 出資 を. 得 て い る。 こ う した 積 極 的 な 出 資 の 背 景 と して,HGFやNK4の 成 果 へ の 評 価 と と も に,そ. 発 見 な ど,中 村 氏 の 独 創 的 な 研 究. れ らの 医 薬 品 化 が 実 現 し た 場 合 の 影 響 の 大 き さ に 対 す る 高 い 評. 価 が 考 え られ る 。 ま た,岩. 谷 社 長 が 就 任 して か ら は,そ. れ ま で の 武 田 薬 品 で の 経 験 と実 績 に 対 す る 評 価 と. 期 待 が さ ら に 出 資 に 反 映 さ れ て い る と も考 え ら れ る 。 2001年12月. 資 本 金1千. 万 円 で 会 社 設 立 後,2002年12月. 岩 谷 邦 夫 氏 の 代 表 取 締 役 社 長 就 任 後,2003年3月 億6千. 万 円 を 調 達 し た 。 こ れ ら の 資 金 は 約2年. 薬 の 前 臨 床 試 験 な ど に あ て た 。2005年4月 し,日. 本 生 命 保 険,バ. と9月. に,2千. 万 円 に 増 資 。2003年3月. に 第 三 者 割 当 増 資 を 実 施 し,計3. 間 の 研 究 開 発 費 と し て,NK4遺. 伝子治療. ニ ッ セ イ キ ャ ピ タ ル を リ ー ドイ ン ベ ス タ ー と. イ オ ・サ イ ト ・キ ャ ピ タ ル な ど16社 を 引 受 先 と す る 第 三 者 割 当 増 資 一105(105)一.
(16) 第54巻 を 実 施,13億2,500万. 円 を 調 達 し た 。 こ れ に よ り 同 社 の 資 本 金 は8億6,250万. 今 回 の 資 金 は,HGF,NK4,お (GMP)に. 第1号. よ びNK4遺. 対 応 し て 生 産 す る 費 用 と,前. 円 とな った。. 伝 子 の ウ ィル ス ベ ク タ ー を優 良 製 造 規 範. 臨 床 試験 の 費 用 にあ て る。. 同 社 で は 前 臨 床 試 験 は 自 力 で 資 金 調 達 し,さ. ら に 大 き な 資 金 が 必 要 と な る ヒ トで の 臨 床. 試 験 を 開 始 す る 前 に 製 薬 会 社 と 提 携 を 結 ぶ 計 画 で あ る 。 岩 谷 社 長 は,将 チ ャ ー と して 終 わ ら ず,自 ン も 描 い て お り,2008年. 前 の 開 発 部 隊,販. 来 は単 にベ ン. 売 部 隊 を も っ た 製 薬 会 社 に した い と の ビ ジ ョ. に も上 場 を 視 野 に いれ て い る。. HGFの. 臨床応用が期待される疾患. 急 性 肝 炎,劇 症 肝 炎,肝 硬 変,胆 道 閉 鎖 症,脂 肪 肝,肝 移 植. 肝疾患 腎疾患 肺疾患 循環器系 他の疾患. 急 性 腎 不 全,慢 性 腎 不 全,腎 移 植,糖 尿 病 性 腎 臓 症 急 性 肺 炎,肺 線 維 症,肺 移 植 血 管 障 害(閉 塞 性 動 脈 硬 化 症,血 管 再 狭 窄 防ILな ど),心 筋 梗 塞,拡 張 型 心 筋 症 皮 膚 潰 瘍,脳 梗 塞,筋 萎 縮 性 側 策 硬 化 症 出所:同 社HP NK4に. 名. 称. 関 す る特 許 出 願. 出願 人. 出 1995年10月24日(日. 抗癌剤. 1996年10月23日(米. 中村敏一. 願. 特 許番号. 日. 本)No:JP300728/95 国,欧. 州,カ. ナ ダ)No:. PCT/JP96/03105. 血管新生 抑制剤. 中村敏 一. EPO890361 US6855685 JP3832674. 1998年4月28日(日. 本)No:JP134681/98. 1999年4月6日(米. 国,欧. 州,カ. ナ ダ)No:. PCT/JP99/01834. NK4遺 伝 子 また は 中村敏一 組換 えNK4蛋 白質 ク リ ング ル フ ァー マ か らな る医 薬 株式会社 中村敏 一 ク リ ング ル フ ァー マ 株式会社. 2002年9月27日(米. 国)No:09/951,629. 2002年9月27日(カ. ナ ダ)No:2,405,347. 2003年2月18日(欧. 州)No:03003693.3. 2003年6月6日(日 2004年1月23日(未. 本)No:JP162940/03 定). PCT/JP2004/000630. 出 所:同 社HP. 2.6事. 業展開. 同 社 で は,HGFお. よ びNK4に. つ い て は タ ンパ ク 質 治 療 薬 と し て,ま. は 遺 伝 子 治 療 薬 の 開 発 も 目 指 し て い る 。 現 在,NK4の NK4の. ついて. 開 発 は前 臨 床 段 階 に あ る。. 医 薬 品 化 に お い て 本 格 的 な 技 術 移 転 先 が 見 つ か る ま で は,国. を 求 め て 出 資 を 募 る し か な い 。 幸 い に も,前 述 の よ う に 当 初 か らVCの 次 ぎ,支. たNK4に. 内 外 のVCに. 理解. 投 資 申 し込 み が 相. 障 な く推 移 し て い る 。. 同 社 の メ イ ン タ ー ゲ ッ トで あ るNK4に. つ い て は,国. 一106(106)一. 内 約10箇 所 お よ び 海 外 に 共 同 研 究.
(17) 大 学 発 ベ ン チ ャー 企 業 の 事 例 に関 す る一 考 察(芦 塚) 先 を も ち,基. 礎 研 究 は か な りの 程 度 終 わ って い る 。 会 社 設 立 以 前 の1995年. は 抗 癌 剤 と して,1998年. お よ び1999年. 欧 州 ・カ ナ ダ)でNK4の. 本 お よ び 海 外(米. よ び 米 国(2005年2月. い た が,2006年7月,日. 成 立,US6855685)で. 本 に お い て も成 立 し た(特. 許 第3832674号)。 ン パ ク 質 と して 投 与. 類 の 製 剤 開 発 が 進 め られ て い る 。. 遺 伝 子 治 療 薬 と して 利 用 す る に は,遺 るDDS(ド. 国・. 先 行 して成 立 して. つ い て は 遺 伝 子 治 療 薬 と して 遺 伝 子 を 投 与 す る 方 法 と,タ. す る 方 法 の2種. に. 特 許 出 願 を 行 な っ て い る 。 抗 癌 剤 と して の 特 許 は 欧 州(2004年. 12月 成 立,EPO890361)お. NK4に. に は 血 管 新 生 抑 制 剤 と して,日. お よ び1996年. 伝 子 を 生 体 の 組 織 や 細 胞 に 導 入 す る 方 法,い. ラ ッ グ ・デ リ バ リー ・シ ス テ ム)を. 考 え る 必 要 が あ る 。 た と え ば,目. わゆ 的の遺. 伝 子 を 組 み 込 ん だ ア デ ノ ウ イ ル ス や レ トロ ウ イ ル ス を 感 染 さ せ て 遺 伝 子 を 発 現 す る 方 法 や,遺. 伝 子 を 組 み 込 ん だ 発 現 プ ラ ス ミ ド(染 色 体 と は 別 に 存 在 す る 環 状 二 本 鎖DNAで,. 細 胞 分 裂 や 染 色 体DNAの 法,リ. ボ ソ ー ム(脂. 合 成 と は 無 関 係 に 増 殖 で き る)を. 質 か ら な る 膜)に. す で に 臨 床 試 験 に 広 く使 わ れ,遺 び 屋)を. 封 入 して 投 与 す る 方 法 な ど が あ る 。 当 初,同. 伝 子 発 現 率 の 高 い ア デ ノ ウ イ ル ス ベ ク タ ー(遺. 採 用 し た 。 遺 伝 子 治 療 に 使 う ア デ ノ ウ イ ル ス は,生. ス と して 増 殖 せ ず,目. そ の ま ま組 織 に投 与 す る方 社 では 伝 子 の運. 体 の 細 胞 に 感 染 して も ウ イ ル. 的 の 遺 伝 子 を 効 率 よ く発 現 す る よ う に 工 夫 さ れ て い る 。 ど う い う ベ. ク タ ー を 用 い る の がNK4に. と っ て も っ と も適 し て い る の か に つ い て,現. タ ー の 技 術 開 発 を 専 門 に 行 な っ て い る い くつ か の 会 社 と も提 携 して,フ. 在 こ う したベ ク ィー ジ ビ リテ ィ ・. ス タデ ィを 進 め て い る。 ま た,タ あ り,か. ン パ ク 質 治 療 薬 と して 利 用 す る に は,タ. ンパ ク 質 を 効 果 的 に 作 用 さ せ る 必 要 が. つ 大 量 に つ く る 必 要 が あ る 。 こ の 点 に つ い て も,一. 体 内 で 数 週 間 か ら1ケ. 度 の 注 射 で タ ンパ ク 性 薬 物 を. 月 ほ ど に わ た り 一 定 速 度 で 放 出 す る 徐 放 性 製 剤 技 術 を も つ ガ レニ. サ ー チ 株 式 会 社 と2005年2月. に 研 究 評 価 契 約 を 締 結 して い る 。 そ して,2005年10月. 生 植 物 を 用 い た タ ン パ ク 質 量 産 技 術 を 有 す る 米 国BiolexTherapeutics社. に は水. と共 同 研 究 契. 約 を 締 結 した 。 た だ し,実 い る 。HGFに. はNK4よ. り も,そ. れ を 発 見 す る 元 と な っ たHGFの. 開 発 の ほ う が 先 行 して. 関 して は す で に タ ン パ ク 質 を 大 手 製 薬 会 社 に 委 託 し て 製 造 して お り,タ. ン. パ ク 質 量 産 の 技 術 的 問 題 は 解 決 して い る 。 開 発 ス テ ー ジ と し て は 急 性 腎 不 全 を 対 象 疾 患 と して 第1相 州)を HGFは. 臨 床 試 験(米. 国)段. 階 に あ り,皮. 膚 潰 瘍 を 対 象 疾 患 と し て 第2相. 臨 床 試 験(欧. 開 始 す る段 階 にあ る。 再 生 治 療 薬 と し て さ ま ざ ま な 疾 患 に 効 果 が 認 め ら れ て お り,保 一107(107)一. 有 す る用 途 ご と.
(18) 第54巻. 第1号. の特 許 ラ イ セ ン シ ング が可 能 で あ る。 これ に よ り早 期 に収 益 を 得 る こ とが 期 待 で き る。 そ して実 際,2005年4月. に動 物 用 医薬 品 メー カ ー の 日本 全 薬 工 業 株 式 会 社 とHGFに. る猫 慢 性 腎不 全 の治 療 薬 に つ い て の共 同研 究契 約,お. よ. よ び ライ セ ン ス契 約 を締 結 した。 す. で に契 約 一 時 金 も入 って い る。 この共 同研 究 に よ って,ヒ. ト用 薬 品 と して の 開 発 に 基盤 と. な る実 証 デ ー タを得 る こ とに もつ な が る。 岩 谷氏 の言 葉 に あ るよ うに将 来 的 に は,製 薬 会 社 を め ざ して い るが,そ れ に は まだ か な りの 時 間 を要 す る こ とが想 像 され る。 ま た,開 発 か ら,臨 床試 験,販 売 まで を す べ て 独 自 で 行 な うに は,現 状 の バ イ オ ベ ンチ ャー と して は 相 当 困 難 を と もな う。 しか も,遺 伝 子治 療 に 関 して は,中 国 以 外 に 許 可 して い る国 は まだ な い。 日本 にお い て も厚 生 労 働 省 の許 可 が必 要 で あ る。 した が って,現 在 同 社 で も っ と も重 視 して い るの は, ProofofConcept(研. 究 段 階 で 構 想 した 薬 効 が ヒ トで も有 効 性 を 持 つ こ とを 実 証 す る こ. と)を 少 しで も早 く行 な う こ とだ とい う。 有 効 性 を 実 証 す る研 究 成 果 を生 め ば,ラ イセ ン シ ン グな どの 技 術 移 転 の 可 能 性 が よ り高 ま り,契 約 条 件 も よ りよ くな る こ とで 収 益 確 保 に つ な が る。 そ の た め に,国 内 外 に共 同 研 究 先 を 確 保 して い るの で あ る。 世界 に先 駆 けて, 新 しい 遺 伝 子 治療 法 と して 制 癌 効 果 が 見 つ か れ ば,共 同 研 究 先 の 研 究 者 の 業 績 に な る と 同 時 に,同 社 に と って はNK4の. 会社概要. 医 薬 品化 の実 現 が早 ま る と考 え て い るか らで あ る。. ク リ ン グ ル フ ァ ー マ 株 式 会 社(KringlePharma,Inc.). 資 本 金8億6,250万. 円 〈平 成17(2005)年4月. 従 業 員 数15名. 〈平 成18(2006)年5月. 経 営 理 念NK4な. ら び にHGFの. 末 日現 在 〉. 現在〉 研 究 開 発 を 介 して,病. に 苦 し む 患 者,世. 界 の ガ ン患 者. を 新 しい 治 療 法 に よ っ て 救 済 す る 。 主要取引銀行 主要株主. り そ な 銀 行,三. ニ ッセ イ ・キ ャ ピ タ ル 株 式 会 社,日. キ ャ ピ タ ル 株 式 会 社,日 株 式 会 社,バ エ フSMBCベ 監 査法人 本社所在地. 井 住 友 銀 行,三. 菱 東 京UFJ銀. 工 組 合 中央 金 庫. 本 生 命 保 険 相 互 会 社,バ. 興 ア ン トフ ァ ク ト リー 株 式 会 社,日. イ オ ・サ イ ト ・キ ャ ピ タ ル 株 式 会 社,株 ン チ ャ ー ズ 株 式 会 社,新. 行,商. イオ ビジ ョ ン ・. 本 ベ ンチ ャー キ ャ ピタル. 式 会 社 ジ ャ フ コ,エ. 規 事 業 投 資 株 式 会 社 ,安. ヌ ・ア イ ・. 田企 業 投 資 株 式 会 社. あ ず さ監 査 法 人 〒560-0082大. 阪 府 豊 中 市 新 千 里 東 町1-5-3千. 里 朝 日 阪 急 ビ ル8F. Phone:06-6831-3330FAX:06-6831-3430email:[email protected] 彩都 研究所. 〒567-0085大. 阪 府 茨 木 市 彩 都 あ さ ぎ7-7-15彩 -108(108)一. 都 イ ン キ ュ ベ ー タ207.
(19) 大 学 発 ベ ン チ ャ ー 企 業 の 事 例 に 関 す る 一 考 察(芦. 塚). 号 Phone:072-641-8739FAX:072-641-8730 米 国 連 絡 事 務 所InternationalAccessCorporation.ワ. シ ン ト ンD.C.ア. メ リカ合. 衆 国 欧 州 連 絡 事 務 所LifeScienceVision.フ. 3デ. ラ ン ク フル. ト. ドイ ツ. ィ スカ ッ シ ョン. ク リン グル フ ァー マ に と って も っ と も重 要 な 使 命 あ る い は理 念 は,中 村 氏 お よ び松 本 氏 の 研 究 に 対 す る考 え 方,姿 勢 に も と つ い て い る。 中 村 氏 が 父 の 深 い 愛 情 と信 頼 を 受 け止 め,ま た 伝 教 大 師最 澄 の 高 い 志 や 願 い に感 化 され,意 義 深 い生 きが い の あ る生 き方 を した い と願 い,高 校 時 代 に立 て た 志,夢 が そ の 後 の 努 力 を支 え 研 究 成 果 を もた ら した。 ま た, 松 本 氏 は 基 礎 研 究 者 で あ った に もか か わ らず,臨 床 の現 場 で 苦 しみ に さ い な ま れ て い る 人 々に 接 す る こ とで,基 礎研 究 の 果 た す べ き使 命 を 実 感 し,研 究 に遇 進 した。 病 に苦 しむ 人 々を救 う こ と こそ が 研 究 の 使 命 で あ る とい う確 信 が,大 学 発 ベ ンチ ャー と して ク リ ング ル フ ァー マ を生 み 出 した。 そ して,そ 寄 せ,そ. う した 使 命 感 や 理 念 は経 営 チ ー ム とな る人 材 を 引 き. して 資 金 も手繰 り寄 せ る こ とに な る。 そ う して,集. ま っ た人 材,資 金 は決 して 短. 期 的 な キ ャ ピ タル ゲ イ ン獲得 を意 図 した もの で は な く,中 村 氏,松 本 氏 の 使 命 感. 理念 に. 共 感 し,現 実 に研 究 成 果 が 広 く世 に 出 る こ とを 切 望 す る高 適 な 理 想 の もと に参 集 した の で あ ろ う。 この 点 に 関連 して 高 田(2003)は,大. 学 発 ベ ンチ ャー の 資 金 源 につ いて,研 究 者 の 理 念. 実 現 の た め に,特 許 の確 立 が い か に 重 要 か につ い て,ク. リ ングル フ ァー マ株 式 会 社 顧 問 中. 村 敏 一 氏 の 話 を 引 用 し,述 べ て い る。 確 立 した特 許 を ライ セ ン シ ン グ して 運 転 資 金 を 賄 う こ とで,特 定 の 外 部 株 主 の 参 入 を 相 当 程度 に 抑 え る こ とが 可 能 に な り,研 究 者 が 自分 の 研 究 成 果 を世 の 中 に還 元 して 貢 献 した い とい う理 念 が,早 期 の収 益 獲 得 を最 優 先 す る外 部 株 主 の 思 惑 に左 右 され ず にす む 。 会 社 経 営 に 資 金 が必 要 だ か ら とい う理 由 で 株 式 の 形 で 多 額 の 外 部 資 金 を導 入 す る と,当 該 ベ ン チ ャー は 資 本 の論 理 に 支 配 され,研 究 者 の 理 念 が 押 さえ 込 まれ る こ と に な る。 特 に,創 薬 に 成功 す るま で の 期 間 が 非 常 に長 い バ イ オ ベ ン チ ャー の 場 合,経 営 の イニ シ ア チ ブ は研 究 者 本 人 が もつ こ とが 望 ま し く,そ の た め に特 許 の 確 立 と ラ イ セ ンシ ング ・フ ィー に よ る資 金 の 確 保 が 重 要 に な る(m。 (ll)高. 田(2003)pp.163-164.. 一109(109)一.
(20) 第54巻. 第1号. ク リ ン グ ル フ ァ ー マ の 誕 生 に は 他 の 大 学 発 ベ ン チ ャ ー か ら の 影 響 が あ っ た こ と も指 摘 で き る 。 中 村 氏 の 発 見 し たHGFを. 用 い た 遺 伝 子 治 療 薬 開 発 を 目指 し て 先 行 し て1999年. 立 さ れ た ア ン ジ ェ スMGの. 存 在 で あ る。 実 際,中 村 氏 はHGFの. な く,ア. 初 メ ド ジ ー ン)の. ン ジ ェ スMG(当. 同 じ大 学 内 で し か も,自 る こ と で,さ. 特 許 使 用 を認 め た だ け で. 出 資 者 の ひ と り で も あ る(12)。. 身 の 研 究 成 果 を 応 用 す る た め の ベ ン チ ャ ー に 少 な か らず か か わ. ま ざ ま な 刺 激 が あ っ た こ と が 想 像 さ れ る 。 現 在 は,取. ア ン ジ ェ スMGの ア ン ジ ェ スMG株. に設. 締役社長岩谷邦夫氏が. 取 締 役 も 兼 任 して い る 。 式 会 社 は,2002年9月. 上 場 し た と い う だ け で な く,経 な ど さ ま ざ ま な 点 か ら,ク. に大 学 発 ベ ンチ ャー で 初 め て 東 証 マ ザ ー ズ に. 営 チ ー ム の 展 開 や 事 業 提 携 戦 略,大. 学 との利 益 相 反 の 問題. リ ン グ ル フ ァ ー マ に と っ て マ ネ ジ メ ン トを 先 導 す る 身 近 な 役 割. モ デ ル と し て 大 き な 存 在 意 義 を も っ て い る。 事 業 創 造 や マ ネ ー ジ メ ン トに お い て か な らず し も十 分 な 知 識 や 経 験,経 て い る わ け で は な い 大 学 発 ベ ン チ ャ ー に と っ て,そ. う した経 営上 不 可 欠 な 資 源 を 調 達 す る. う え で の 支 援 イ ン フ ラ が 整 う こ と が 切 望 さ れ る。 し か し,実 トに お い て 真 に 重 要 と な る の は,や. 際 の 事 業 創 造,マ. は り事 業 に 対 す る使 命 感,理. こ れ に 関 連 し て 新 藤(2006)は,研. 営資源がそ ろっ. ネー ジ メ ン. 念 で あ ろ う。. 究 機 関 発 ベ ン チ ャ ー の 創 造 プ ロ セ ス に つ い て,先. 行. 研 究 を も と に 仮 説 を 設 定 し事 例 分 析 を 用 い た 検 討 を 行 な っ て い る 。 な か で も,Cyertand March(1963)の. 「探 索 の 大 手 詰 め の 理 論 」 に な ぞ ら え,研. 究 機 関 発 ベ ンチ ャー の 起 業 家. 活 動 を 技 術 と事 業 の 両 側 か ら起 業 機 会 へ 向 か う プ ロ セ ス,あ. るい は 事 業 と技 術 が 融 合 す る. 双方 向 プ ロセ ス で あ る と捉 え た。 こ れ は,ク. リ ン グ ル フ ァ ー マ に お い て,使. 命 感,理. 念 が 経 営 資 源 を 参 集 させ る うえ で 非. 常 に 大 き な 役 割 を 果 た し た こ と と 同 じ点 に 着 目 し て い る と 理 解 で き る 。 つ ま り,こ 使 命 感,理. 念 は 実 際 の マ ネ ー ジ メ ン トの 役 に 立 た な い の で は な く,事. て 事 業 創 造 を 実 現 さ せ る う え で も,そ. う した. 業 と技 術 を 融 合 させ. して 結 果 的 に 長 期 的 な 経 営 プ ロ セ ス に お い て も 大 学. 発 ベ ン チ ャ ー の 存 在 を 支 え る 土 台 で あ る こ と を 示 唆 し て い る と 理 解 で き る で あ ろ う。. お. 本 稿 は,バ. (12)日. わ. り. に. イ オ 創 薬 分 野 の 大 学 発 ベ ンチ ャー 企 業 で あ る ク リン グル フ ァー マ 株 式 会社 の. 経(2002)p.40.. 一110(110)∼.
(21) 大 学 発 ベ ンチ ャー企 業 の事 例 に 関 す る一 考 察(芦 塚). 事 例 か ら,大 学 発 ベ ンチ ャー に と って理 念,使 命 感 が い か に重 要 で あ るか を 示 した。 た だ し,1事. 例 の み に よ る仮説 探 索 の試 み に と ど ま って い る点 に限 界 が あ り,今 後 先 行 研 究 の. 検 討 と他 の 方 法 論 に よ る検 証 の 必 要 性 が あ る。. ※. 本 稿 は,平 成14年 度 「文 部 科 学 省 科 学 技 術 振 興 調 整 費 「研 究 戦 略 拠 点 育 成 」 事 業 』 の支 援 を受. け,(独)産. 業 技 術 総 合 研 究 所 ベ ン チ ャー 開 発 戦 略 研 究 セ ンタ ー(平 成19年4月. 研 究 所 ベ ンチ ャ ー開 発 セ ンタ ー に名 称 変 更)に. よ り(独)産 業 技 術 総 合. て行 な わ れ た もの で あ る。 こ こ に記 して 関係 各 位 に謝. 意 を表 します 。. イ ンタ ビ ュー記 録. 松 本 邦 夫 氏(2004年8月27日10:00∼11:30) ク リン グル フ ァー マ 株 式 会 社. 取締 役(現 任). 大 阪 大 学 大 学 院 医 学 系 研 究 科 助 教 授(当 時) 金 沢 大 学 が ん 研 究 所 腫 瘍 動 態 制 御 研 究 部 門 教 授(2007年4月. 現 在). 岩 谷 邦 夫 氏(2005年10月18日14:00∼15:00) ク リ ング ル フ ァー マ株 式 会 社. ※. 代表取締役社長. ク リ ン グ ル フ ァー マ 株 式 会 社 関 係 各 氏 へ の イ ン タ ビュ ー に 際 して は,大 阪 大 学 先 端 科 学 イ ノ. ベ ー シ ョ ンセ ンタ ー教 授 兼 松 泰 男氏 に御 協 力頂 い た。 こ こに記 して 謝意 を 表 しま す。. 参. 新 藤 晴 臣(2006)「 -22 「人 物 往 来. 考. 文. 献. 研 究 機 関 発 ベ ン チ ャ ー の 創 造 プ ロ セ ス 」 「ベ ン チ ャ ー ズ ・レ ビ ュ ー 』No.7,pp.13. 基礎医学者. 中 村 敏 一 さ ん 」 『と も し び 』vol.76PP.1-7天. 台宗. 一 隅 を 照 らす 運 動 機. 関紙 高 田 輝 男(2003)「. 朝 日監 査 法 人 は,な. デ ル 】』 日刊 工 業 新 聞 社,第2部. ぜ,大. 阪 大 学 に 注 目 し た か 」 『産 学 連 携 の パ イ オ ニ ア 【阪 大 モ. 第1章pp.150-170. 筑 波 大 学 産 学 リエ ゾ ン 共 同 研 究 セ ン タ ー(2006)「 査 研 究 」平 成17年. 度 文 部 科 学 省21世. 大 学 等 発 ベ ン チ ャー の課 題 と推 進 方 策 に 関す る調. 紀 型 産 学 官 連 携 手 法 の 構築 に 係 る モ デ ル プ ロ グ ラ ム 成 果 報 告. 書 平 成18年3月 日 経 バ イ オ ビ ジ ネ ス 編 集 部(2002)「 日 経 バ イ オ ビ ジ ネ ス2002年11月 松 本 邦 夫,中 優秀作. 村 敏 一(2002)「21世. 大 学 発 ベ ン チ ャ ー 株 式 上 場 第1号!ア. 紀 の ガ ン 治 療NK4に. 『日 経 サ イ エ ン ス 』2002年1月. 号pp.96-107,株. ク リ ン グ ル フ ァ ー マ 株 式 会 社H.P.httwwwkrlnle-harmacom (文 中 の 図 表 は す べ て 同 社 の ホ ー ム ペ ー ジ よ り転 載) 文 部 科 学 省(2006)第3期. ン ジ ェ スMGの. 研究」. 号PP.36-55. 科学技術基本計画 一111(111)一. よ る ガ ン休 眠 療 法 」 創 刊30周 式 会 社 日経 サ イエ ンス. 年記念論文最.
(22) 第54巻. 第1号. htt:www.mext.o.°amenukaakukihonO6032816001001. .htm. Cyert,R.M.andMarch,J.G.(1967)Abehavioraltheoryofthefirm. ,Prentice-Hall,Inc.. ScottShane(2004)Academicentrepreneurship:universityspinoffsandwealthcreation wardElgarPublishingLtd.(金. 井 一 頼,渡. 辺 孝 監 訳(2005)『. と 発 展 の プ ロ セ ス 』 中 央 経 済 社). 一112(112)一. ,Ed大 学 発 ベ ン チ ャ ー. 新 事 業 創 出.
(23)
関連したドキュメント
Pms2 Impairment at pachytene stage and MI; MutL mismatch repair protein homolog Msh4 Arrest at zygotene-like stage; MutS mismatch repair protein homolog Msh5 Arrest
今日のお話の本題, 「マウスの遺伝子を操作する」です。まず,外から遺伝子を入れると
直腸,結腸癌あるいは乳癌などに比し難治で手術治癒
、術後生命予後が良好であり(平均42.0±31.7ケ月),多
原 著 茶谷阻原獲性肋膜癌腫知見補逡
第四章では、APNP による OATP2B1 発現抑制における、高分子の関与を示す事を目 的とした。APNP による OATP2B1 発現抑制は OATP2B1 遺伝子の 3’UTR
[Publications] Taniguchi, K., Yonemura, Y., Nojima, N., Hirono, Y., Fushida, S., Fujimura, T., Miwa, K., Endo, Y., Yamamoto, H., Watanabe, H.: "The relation between the
マーカーによる遺伝子型の矛盾については、プライマーによる特定遺伝子型の選択によって説明す