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「沖大英語」の確立に向けて-Basic Englishコース5年間の歴史と今後の展望-: 沖縄地域学リポジトリ

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Title

「沖大英語」の確立に向けて−Basic Englishコース5年間の

歴史と今後の展望−

Author(s)

伊藤, 丈志

Citation

沖縄大学人文学部紀要 = Journal of the Faculty of

Humanities and Social Sciences(10): 27-52

Issue Date

2007-12-31

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/6221

(2)

沖縄 大学 人文学 部紀 要 第10号 2007

沖大英語」の確立に向けて

-BasicEnglishコース5年間 の歴史 と今後 の展望 -I 伊 藤 丈 志 要 約 2002年度 に完成年度 を迎えた沖縄大学国際コミュニケー シ ョン学科は、 コース制導入、必修 語学の選択化 と同時に、核 となる英語教育 も全面的に見直 し、大規模なカ リキ ュラム改革 を行 っ たOその結果、音声中心のOralEnglishコース と、文法 ・読解 ・作文 を中心 としたBasicEnglishコ ースの2つか らなる科 目構成へ と改組 を行 った0本稿は、 この うちBasicEnglishコースのみ を取 り上げ、 このコースが どのような意図 と問題意識 によって構築 され、 どのようなシステムへ と形 作 られていったのかを考察 したO またその後、 コース運用の過程で どのような問題が浮上 し、解 決が試み られてきたのかを一年次のコース と二年次のコースに分 けて論 じ、最後 に今後 のBasIC Englishが進むべき方向性 を考察 した。 キーワー ド :英語教育、英文 日記、gradedreaders、多読、アル クネ ッ トアカデミー 2

0

.

はじめに 2002年度、沖縄大学人文学部国際 コミュニケーシ ョン学科は完成年度 を迎え、大規模なカ リ キュラム改革 をはか り、 コース制の導入、必修語学の選択必修化 (「英語 と中国語の必修」 か ら 「英語 または中国語の選択必修」へ) を実施 した。それ に伴 い、 いくつかの問題 を抱えて いた英 語教育 も全面的に見直 し、細分化 されたスキル (読解、会話、文法、 リスニ ング、作文) 中心の 従来の科 目構成か ら、音声中心 のOralEnglishコース と、文法 ・読解 ・作文 を中心 としたBasic Englishコースの 2つか らなる科 目構成へ と改組を行 ったO本稿は、 この改組が どのような意図と 問題意識によってなされたのか、 また この改革 によって どのような点が改善され、 どんな問題点 が解決されないまま残 っているかを、 5年 目を迎えたBasicEnglishコースを中心 に検討 し、今後 の沖縄大学における英語教育の方向性 を考察す る。 まず、 1節において、1999年度か ら始 ま り2002年度 までの旧カ リキュラムの概要について紹 介 し、次の2節で2002年度 に約一年掛 けて検討 された英語 カ リキ ュラム改革が どのような問題 意識で議論 され、 どのような解決方法が示唆 されていたのかを振 り返 る。そ して、その結果誕生 し、翌年よ り開始された一年生対象のBasicEngllShI

&

IIの概要 を3節で、2004年よ り始 まった 二年次対象のBasicEnglish

Ⅲ&

Ⅳの概要については4節で紹介 し、 またそれぞれのその後の発展 を5節で検証 し、BasicEnglishコースが現在抱える問題 を取 り上げ、解決策 を検討 し,今後進むべ き方向性を考察する。 6節において全体のまとめを行 う。 1. 旧英語カ リキュラム (1999年度∼2002年度) 国際コミュニケー シ ョン学科は、1999年 に 「英語 ・中国語 を中心 とす る実践的語学能力の習 得を土台にしなが ら、沖縄、 日本、アジア、アメリカの歴史 と文化 を学ぶ とともに、 コミュニケ ー ションの理論 と技術 を備え、国際交流の原理 と展開,実践 を幅広 い視野か ら考察できる人材 を -

(3)

27-沖縄大学人文学部紀要 第10号 2007 育成」 (沖縄大学教務部2007:27)することを理念 として設立 された。発足当時は、英語16単位、 中国語4単位 を必修 とし、国際的なコミュニケー ション活動を実践するには英語だけではな くア ジアの言語、特 に沖縄 においては歴史的に縁 の深 い中国の言語を習得することが必要であるとし て、母体 となった短大部英語科か ら、よ り強 く国際色 を打ち出 した ところに特徴があった。 学科の中心的役割 を担 っていた英語教育は、下記 (図1)のよ うに技能別にクラスが編成 され、 入学時にplacementTestを実施 し、能力別 クラス編成 を敷き,きめの細かい指導が 「売 り」であった。 一年次対象科 目 二年次対象科 目 英語 ⅠA(総合 .読解) 英語ⅡA(総合 .読解) 英語 ⅠB(基礎英会話) 英語ⅡB(中級英会話) 英語 ⅠC(基礎英文法) 英語 ⅡC(中級英文法) 図 1 このカ リキ ュラムは、多方面か ら英語力を強化することを狙った非常 に魅力的な構成であ り、一 定以上の英語 力を兼ね備 えた学習者 にとっては、かな りの英語力向上が期待できるものと思われ るが、カ リキ ュラムを実際に運用 していく中で、次第 にいくつかの問題を抱えることになった。 2. 2002年度英語カ リキュラム改革 出発か ら

4

年 目の完成年度 を迎えた国際コミュニケー ション学科では、徐々に当初予想 してい なかった事態がい くつか生 じ、変革 を模索する必要が出てきた。 まず、学科 の内容がわか りづ ら く、不透明であるという反省か ら、 3つある専門科 目群 に対応 した図2のようなコース制を設置 し、学科の内容 を明確 にす る という方向で議論が進み、2002年度国際 コミュニケー シ ョン学科 最大の改組 として結実 していく。 言語文化 コース メディア .コミュニケーシ ョンコース 図

2

また、必修語学は中国語学習熱の高ま りもあ り、 中国語専修 という可能性 も認めて良いのではな いか とい う流れができ、 「英語 と中国語の必修」か ら 「英語 または中国語の選択必修」へ変更さ れた。 これ とコース制が連動 し、言語文化 コースは 「一言語 (英語か中国)16単位必修」、その 他のコースは 「一言語 (英語か中国語)8単位必修」 という制度ができあが り、従来の語学を中 心 とした取 り組みは学科内の言語文化 コースに縮小されていくl'O 次 に、英語教育の領域では、20単位必修 という語学の 「壁」が学生に大きな負担 とな りはじめ、 年 を追 う毎 に再履修生が増加 して い くという事態が生 じてきた。表1は2001年度の英語各コー スの授業登録者の うち 「不可」 (または 「無」)をとった学生の割合である。 当時の科 目履修方法 はまだ十分に整備 されてお らず、履修上限制 (キャップ制)も厳密に行われてはいなかったので、 授業 に一度 も現れない (登録 ミス と思われる)学生が どのクラスにも存在 しているのが常であっ た。そ ういった状況があるので,単純 にこの割合 を解釈することは危険ではあるものの,ほとん ど全てのコースで授業登録者の約 3割が不可を取 ってお り、中にはその割合は50%に近 いコース -

2

8

(4)

-伊藤 . 「沖大英語」 の確立 に向けて も存在 していた という驚 くべき状態であった。 (当時の1年次のコースは各7クラス、 2年次のコ ースは各5クラスであった。) -年次対象科 目 二年次対象科 目 英語

ⅠA

28.5% 英

吾ⅡA

36% 英語

ⅠB

38% 英語

ⅡB

40% 英語

ⅠC

36% 英語

ⅡC

35% 英語 ⅠD 38% 英語

ⅡE

46% 表1 この事態 に対処すべ くクラス数を増加 させ るものの、再履修生は時間割作成の都合で再履修 しな かった り、遅刻、欠席が過多であった りして、 3月に見積 もった受講者数が4月に大き く裏切 ら れるといった事態が起 こった。結果 として、各クラス10名以下の受講者で授業をせ ざるを得ない コースも生 じていた。 以上のよ うな事態を受けて、国際コミュニケー シ ョン学科専任 の英語教師か らなる 「英語担 当 者会議」は、英語カ リキュラムに何か問題があ り、学生がそれ に満足 していないのではないか と 考え、全受講生を対象にアンケー ト調査を行 ったO質問項 目は12項 目あ り、概ね大学入学後 に英 言吾力が向上 したか、その理 由は何であると考 えているか といった成果 を問 う質問と、 どの英語の 授業に満足/不満か、その理由は何か といった満足度 を問 う質問、そ して どんな英語の授業があ った らよいと思 うか といった今後の方向性 を問 う質問で構成 されていた。 調査の結果、成果を問 う質問に対 しては、少 しは成果があった との答えが最 も多 く集 ま り、満 足度 についての質問については、講読 中心 の

IA

ⅡA

に対す る学生の評価が

1,2

年生 ともに 最 も低 く、 これ まで受けてきた訳読式の授業 と変わ らず興味が持てないといった意見が多 く出さ れたD逆 に会話中心の

IB、ⅡB

といった外国人教員担 当の授業 に対 しては

1,2

年 とも最 も評 価が高 く、ゲームな どを取 り入れていて楽 しかった という感想が 目立 ったO発音 ・リスニ ング中 心の IDについては 2番 目に評価が高かった反面、最 も役 に立たなかった科 目にも選ばれてお り、 人によ り評価が分かれていることが判明 した。最 も多いコメン トは、 日本人教員が担 当 している ためか、担 当職員の発音が良 くないという批判 と実践す る機会がない ことへの不満が集 まった。 文法を扱 う

IC、ⅡC

については どち らも評価は中程度であったが、 どの教員に教わっているかで 評価が大きく変わることなどが判明 した。ただ、教員の予想以上に文法学習を肯定する学生が多 く 存在 していた。今後の方向性については、音楽や映画を扱った授業を希望する学生が最 も多かった。 英言吾担 当者会議では、上記 のア ンケー ト結果 とこれ までの経験 に基づ いて議論が行 われ たo 様々な角度か ら検討が重ね られた結果、従来のカ リキュラムは (1)のような反省 に集約 された。

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のクラスを除いて、十分な基礎 力のない学生に対 して、技能別 コース を採用 した ことによ り、 どのクラスで も文法 を教えるという極めて非能率的、非効果的な事態が生 じ、 基礎力養成がほとん ど成功 しなかった。 つまり、教える科 目は違 っていて も、教える内容は驚 くほど近似 した という事実が明 らかにな っていたのである。 しか し、 ほぼ同 じ内容の授業を行 っていて も、週4コマの英語の各授業は内 容的なつなが りも、授業間の連携 も全 くとれてお らず、 うまく機能 していなかったのである。 こ うした反省か ら、改革案が検討され、以下のような案が提出された。

(5)

-29-沖縄大学人文学部紀要 第10号 2007 (2) a.読解教育は、従来のよ うに訳読式では学生か らはあま り評価 されず、高校 まで とは 違 う新 しい試みが必要である。 b.外国人教員が担 当す る授業は、大変評価 が高 いので、 これ を拡充す る方向 を検討す るo c.文法教育は各教員に授業運営 を任せ るのではな く、なん らかの統一 した取 り組みな ど が必要である。 d.発音 ・リスニ ング教育は、外国人教員が担 当 し、す ぐに実践できるよ うにすべきであ る。 e.作文指導だけに特化 した授業は、運営が難 しい。特 に基礎力がない学生に多 くの作文 を期待することは難 しい。各授業で少 しずつ取 り入れるようにすべきである。 f.語糞力が貧弱なため、作文 ・読解な どの指導 に支障をきた している。語重力増強対策 は単調 にな りが ちで後回 しにされがちで あるので、なん らかの統一的な試みが必要 である。 g.週1回の授業では、十分の指導がで きない。 中国語の授業が しているように、週 2回 で半期完結するようなセ メスター制 にすべきである。 これ らを検討 した結果、週1回の授業 を並べるのではな く週2回で半期完結のセ メスター制を採 用することが決ま り、続 いて細かい技能別 の授業ではな く、文法 ・読解 ・作文を中心 としたBasic Englishコース と外国人教員が担 当す る英語の発音 ・聴解 ・会話 を中心 としたoraJEnglishコースの

2種類 の科 目に統合する ことが決 まった。そ して、2003年度入学者よ り新英語カ リキュラムは 始 まり、 まずはBasicEnglishI&ⅡとOralEnglishI&Ⅱが開講 した。次節では、2003年度に開講

したBasICEnglishI

&

Ⅱの概要を振 り返 りたい。

3. BasicEnglishI&Ⅱ (2003年度開始)の概要

2節における(2)の指摘 を実現す るべ く編成 されたBasicEnglishコースは、週 2回半期完結のセ メスター制を採用 し、各クラスの英語力向上は誰 に責任があるのかを明確 にした。授業内容 につ いては、英語の骨格 となる文法を中心 とす ることに したOただ し、授業運営の全てを各教員に委 ねて しまうと、 クラスによって扱 う項 目がバ ラバ ラになった り、授業の質 も同 じものを期待する ことができな くなるため,各 クラスの授業の等質性 を確保するために、統一テキス トを採用 した り、同一のプログラム (英文 日記や多読な ど) を申 し合わせてお くなどの取 り組みを行 った。以 下では、BasicEnglishを特徴づける統一 プログラムが どのような背景か ら決定 されていったのか を見て いきたい。 3.1 統一テキス トの選定 授業の等質性 を確保す るためにまず行 ったのは統一テキス トの選定であった。選定 にあたって は、数多 くの教科書 を検討 したが、文法中心の内容で、 レベル毎 に分かれていて、 しか もそれぞ れが同 じよ うな構成 をとっている教科書 というのは 日本国内の出版社か ら発行 されているもので は見あた らなかった。候補 として挙がったのはいずれ も海外の出版社か ら発行 されているもので あった。 2)教科書 を選択す る上で条件 となったのが下記の点である。

(3) a.High,Mid,Lowの 3レベルで使用できるシリーズ化 された ものであ り、それぞれの難 易度は異なって も、だいたい同じ形式で作成 されていること。

(6)

ー30-伊藤' 「沖大英語」の確立に向けて b.一年間約60回の授業で終え られる分量であること。 C.学生が購入可能な廉価な ものであることQ d.文法解説だけでな く、習得 した文法知識 を実際の場面で応用す る ことにつなげる工 夫がなされているもの。 こうした観点か ら教科書選考が行われ Oxford社が作成 したGrammarSpectrumシリーズを統一教 科書 として決定 した。 このシリーズは、各ユニ ッ トの最初 に文法項 目の説明が3- 6つのポイ ン トに整理 されて掲載 されてお り、その後、そのポイ ン トの理解 を深めるための練習問題が約

1

ージ半にわたってつづ くというフォーマ ッ トになっている。 この教科書の特筆すべき点は、簡 に して要を得た説明 と,文法項 目を実際に使用する上での注意や、類似表現 との異同についての的 を射たコメン ト、そ して文法項 目が実際に使われ る場面を リアル に再現 した練習問題の完成度で ある。多 くの 日本の出版社か ら出ている文法教科書 における練習問題の多 くが文の組み立てを目 的にしているのと対照的に、文法知識 を運用す る場面が中心に据え られた構成は、oralEngllShと の連携にも極めて有効であると判断 した。 3.2 語兵力強化策 語柔 力強化 につ いては、従来 のカ リキ ュラムではほとん ど体 系的な努 力はな されてお らず、 各々の授業で必要に応 じて単語の小テス トを行 った り、英文の内容 を理解 させた りす ることで語 柔力強化 としていた。 しか し、学生の語曇力不足はあま りに深刻であ り、文法、発音、聴解、読 解、作文の指導が うまくいかない原因になっているとの判断か ら、統一的な取 り組みが必要であ るとの認識 に至っていた。語桑の指導は、通常の授業では後回 しにされがちであるため、統一 プ ログラムを設計することで本格的に譜重力強化対策 に乗 り出 した。 語兵指導には、 さまざまな方法があるが、少な くとも典型的な 日本語訳 とともに提示す るとい うや り方では、高校 までのや り方 とあま り変わ らず、興味を惹 きつけておけないだろうとの判断 と, 日本語的発想か ら英語 を理解 して しまうという危険性 を考慮 して、 この方法は採用 を見送 っ た0 1)代わ りに、 日本語訳 に依存 しない、視覚情報 による語棄導入 を採用する ことにした。教科 書 としては、Cambrjdge大学出版局が発行するVocabularyinPracticeシリーズを選択 した。

このシリーズも、レベル別 に1- 3まで構成 されてお り、クラス分けシステム と適合 していた。 また、 これはテス ト方式になってお り、一回に10分∼15分の比較的短時間で実行す る ことがで きるというのも魅力の一つであった。そ して、内容が身のまわ りにある事物 を中心 に身体部位、 学校、病気な どのテーマ毎に構成 されているため、 日本の英語学習者の欠点 としてよ く指摘 され る、…economlCSHや …knowledge"な どの 「難 しい」、抽象的な単語はよ く知 っているが、"lickH

や "wheelba汀OW"のような簡単な動作や 日常会話ではよ く登場 しうる単語はあま りよく知 らない という事態 を回避することができると考えた (cf.森 2005:25-27)。 3.3 英文 日記 英語の4技能のうち、単独で取 り上げて指導するのが最も困難だと言われるのが英作文である。4' 従来のカ リキ ュラムで も作文 を扱 った英語

I

I

E

は最 もうまくいかなかった授業の一つであ り、作 文のみに焦点 を当てた授業は、基礎学力が備わ っていない学生に対 しては、普通の文法の授業 と 化 して しまう可能性が高 く、実際、過去 の英語ⅡEではそのよ うな事態が生 じていたため、作文 指導はBasicEnglishに取 り込むことにした。そ して、習得 した文法事項 をす ぐに実用 に移せる場 と

して、BasicEnglishでは英米のESLでは定着 している英文 日記を全授業で取 り組む ことに決定 した。

(7)

31-沖縄大学人文学部紀要 第10号 2007

こうして、例 えば過去形 を学習 した後 に、英文 日記で一 日の出来事 を過去形で表現するという よ うに、英文 日記は習得 した文法知識 を実際に運用す る機会 として、 また習得が完全でな い文法 知識 をよ り確実な ものにす る機会 としてBasicEnglishの中で位置づけ ちれたO

しか し、英文 日記執筆は、執筆す る学生に とって も、 それ を読み (時 に添削す る)教員にとっ て も実 に骨の折れ る作業であ り、 クラス によっては実行 して いな いということになっては学生の 動機付 けに悪 い影響 を与 えかね ない との配慮か ら、走 り出 した2003年は、英文 日記執筆用 のA5 ファイル を全受講生 に配布 し、学生に も担 当教員 にもこの作業は避 け られな い作業である ことを 強 く認識 して もらう工夫 も行 った。 3_4 多読 (GradedReaders) 授業で得た知識 を実際 に運用す る機会 を設 ける試み として、英文 日記 と同時 に取 り組んだのが、 GradedReadersを利 用 した 多 読 作 業 で あ る。 これ は、 酒 井 邦 秀 氏 が 中心 とな って活 動 す る SSS(StartwithSimpleStories)学習法研究会が積極的 に推進 して いる取 り組みで、「辞書は引かな い」、 「わか らない ところは とばす」、 「つま らなければやめる」 の三原則 を守 りなが ら文章 を分析 しないで、大意 を把握 しよ うとする読書方法である。 従来 のカ リキ ュラムでは、読解 を中心 とす る 「英語IA」 と 「英語ⅡA」 の授業 に対する評価 が極 めて低か ったため、分析的 に読解 を進める従来 のや り方か ら大 き く転換 して、読書する楽 し み をまず定着 させ ることか ら目標設定 し、多読 を全 クラス共通 の取 り組み として取 り入れた。 BasicEnglishでの利用方法は、図 3のよ うな読書記録 カー ドを配布 し、学 生は毎週最低 1冊の GradedReadersを図書館で借 りて読み、 カー ドに記入 し、次 の授業時 に提 出す るとい う手順 を取 り決めた。 BasicEngーish読書記録カー ド (No. ) 名前 学籍番号 読書日時 タイ トル 総ページ数 所要時間 あらすじ 感想 (内容について) 感想 (英文について) 図3 もち ろん、読書習慣が身につ いて いない学生 に宿題 を課せ ば習慣が身につ くというわけにはい かな いため、できるだけ担 当教員 には授業 中で もGradedReadersを、例 えば授業終 了15分前 くら いか ら読 ませ る ことを奨励 した。そ のため、授業用 に貸 し出すGradedReadersのセ ッ ト (1セ ッ ト30冊程度) を数セ ッ トLL準備室 に常備 し、教員 に貸 し出す システム を整えた。 また、図書館 で学 生が無理 な く借 りられ るよ うに と図書館 に協 力 を依頼 し、 「外 国語 レベル ア ップコーナー」 を設置 して もらい、そ こに2003年度 には約300冊程度 のGradedReadersを配貨 していただいた。 ー3 2

(8)

-伊 藤 .「沖大英語」 の確立 に向けて 3.5 アチーブメン トテス ト導入 沖縄大学では、短大時代の1989年か ら4月にplacementtestを行 い、能 力別 クラス編成 を行 って いた。 しか し、その後の学習成果 を測 るachievementtestは実施 されて こなかった。2003年度 の英 語カ リキ ュラム改革 にお いては、新 システム導入 には これが果た して うまくい くシステムである か どうかを検証す る体制 を構築す る必要がある との判断か ら、achievementtestを導入 した. 5) 一方、placementtestもまた、沖縄大学英語担 当専任教員が10年以上 も前 に作成 した ものを使 い 続 けてきたため、 よ り信頼性 のある試験 を利用すべ き との意見が大勢 を占めて いた。そ こで、翌 年度か らplacementtestとachievementtestは同 じ業者 によるテス トを採用す る とい う方針 を立て、 2003年度achievementtestか ら外部発注す る ことにし、テス ト選考 に入 った。選考 の際、最 も重要 視 したのは、以下の3点であった。 (4)a.試験問題の難易度が高 くない ことo b.試験料金ができるだけ安価な ものである こと。 C.4月のplacementで も利用す る ことを考 えて、試験結果 の返却が早 い こと。

この時 に、選考 したテス トは、TOEIC-IP、TOEFL-ITP、CASEC、G-TELP(Level4)、A.C.E.の5

つであった。 まず、難易度 の観点か らす ると、TOEIC-IP、TOEFL-ITPは本学学生 には難 しいと思 われた。 あま り難易度 の高 い試験 を利用 して しま うと、低 い成績 の層で学 生が 固まって しまい、 実力がきちん と判定で きな くなるおそれがある。 次 に、試験料金は受験者数 によって違 いが出て くるもの もあったが、 当時は人文学部 のみの約 250名の受験 を想定 して いたため、年1回実施で250名 とい う基準で選考 した。そ の結果、料金 面だけでは下記のよ うな順番 になる ことが判明 した。

(5) TOEIC-IP > CASEC > TOEFL-ITP > G-TELP > A.C.E.

最後 に、試験結果の返却 につ いては、入学式 と授業登録期間の間に1週 間 もない ことか ら最 も

重要祝 した項 目であったが、選考 の結果、下記のよ うな順番が得 られた。

(6) cASEC > A.C.E.> G-TELP > TOEIC-IP > TOEFL-ITP

上記3点 について協議が行われ、pearsonEducationと桐原書店が共 同開発 したA.C.E.(Assessment orcommunicativeEnglish)が選 ばれた。 このテス トは、項 目応答理論 に基づ いて作成 されてお り、 正答数だけでス コアが出され る従来 のや り方 とは異な り、 どの問題 を答え られ るか によって能力 が算定 され る仕組み になってお り、 いわゆる 「ケア レス ミス」 も推定がなされ るよ うになって い る。 こうした最新鋭のテス ト理論 をふ まえている ことも選考 にお いては重要視 された。 これ によ り、BasicEnglish担 当教員は一年間の教授成果 を、すで に全学規模 で実施 されて いた 学生による 「授業評価 ア ンケー ト」 とachievementtestの両方 の結果で評価 され る とい うことにな った。 これ を図式化す ると図4のよ うになる。

placementTest(4月) - BasicEnglishI& Ⅱ - AchleVementTest(1月

)

;

oralEnglishI&Ⅱ 授業評価 アンケー ト (各学期末) :

____________ __ _ __ _ __ _ __ _ _ __ - _ _ _ __ _ _ _ _ __ _ __ _ _ _ __ _ _ _ _ __ _ _ _ _ __ _ _ _ _ _ __ _ _ _ _ __ _l

図4

(9)

-沖縄大学人文学部紀要 第10号 2007 他教科 に比べる と、 こうした明確な証拠 に基づ く教育内容 の点検 は教員に とってはかな り厳 しい ものではあ るが、伝統 に乏 しい新 設 の学科 にお いては、 「良 い教育 を行 って いる」 とい うのは、 具体 的成果 に基づかなければ、周囲か ら信用 と信頼 を得 るのは難 しいと判断 し、実施 に踏み切っ た。 3.6 英語能力テス ト受験奨励策 英語カ リキ ュラム改革 と直接 には関係 しない ものの、 当時の沖縄大学が抱える問題 の一つが英 検、TOEIC、TOEFLな どの少な い受験者数であ った。 参考 まで に、現在記録が残 っている1994 年度か ら2002年度 までの本学会場での英検 (準2級 と2級)受験者数 を表 に したのが表 2である。 年度 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 表2 1998年 までの短大英語科 時代 で も、徐 々に受験者数が下降 して いるが、 100名を切 る ことはな か った。 ちなみ に国際 コミュニ ケー シ ョン学科 が始 まった1999年で も受験者 のほ とん どは短大 生で あった。2000年度 よ り受験 回数が年 2回か ら年 3回に増 えたのにも関わ らず、逆 に本学で は受験者数が下降 した。 これにはいろいろな原因が考 え られ るか と思われ るが、沖縄大学での英 語学習熱が低下 している ことも表 している と考 え られ る ことか ら、 この ことも改善すべき事柄で ある と考 えた。 そ こで、 まず英検、TOEIC、TOEFLの取得点 または取得級 に応 じてい くつかの英語科 目の単位 が認定 され る制度 を以下 のよ うに定めて、受験者数 ア ップの刺激剤 にな ることを期待 した。 検定な どの名称 認定科 目 .単位 ・英検1級合格 BasicEnglishⅠ、 Ⅱ、 Ⅲ、Ⅳ

・TOEFL580点以上(PBT)、TOEFL237点以上(CBT) OralEng】ishⅠ、 Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ

・TOEtC770点以上 (計16単位)

・英検準1級合格 BasjcEnglishⅠ、 Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ ・TOEFL520点 -579点(PBT)、TOEFL190点 -236点(CBT) OralEnglishⅠ、 Ⅱ、Ⅱ,Ⅳ

・TOEーC600点-769点 (以上の科 目か ら計8単位)

・英検2級合格 BasicEnglishⅠ、 Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ

・TOEFL440.Er519点以上(PBT)、TOEFL123点--189点以上(CBT) OralEngtishⅠ、 Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ

表3 この種 の認定 は入学時のみ に行 って いる大学が多いが、本学では在校生の受験者数 も増やす必 要がある ことか ら、複数 回にわた って単位認定が受 け られ る可能性 を残 した。 3.7 教員配置 英語 カ リキ ュラム改革は、従来の英語 の授業 と大 き く変わ り、教員間の申 し合わせ事項 も多 い ため、 国際 コミュニケー シ ョン学科所属の 日本人英語専任教員の全員 と法経学科所属 の英語専任 -

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34-伊 藤 : 「沖 大英語」 の確立 に向けて 教員一名を配置 した。以前は、それぞれが異なる科 目を担 当 して いる ことが多か ったが、全員が 同 じ科 目を教えることによ り、不具合が生 じた場合 システムの修正がよ り早 く、適切 に行われ る と考えた。 システム を導入 した初期段階では、特 に教員間の情報交換 は必要である と考 え、 日本 人専任教員総動員態勢で臨んだO また、学内的 にも、非常勤講師の方 々にも、今 回の改革が本格 的な ものであるとの印象 を与えるためにもこれは効果的な措置だ と考 えた結果であった。 3.8 英語担当者会議 沖縄大学英語担 当者は、かな り早 い時期 よ り常勤、非常勤 の英語教員が一堂 に会 し、授業内容 についての報告、反省 を行 って いた。 これは、大学情報等 の案 内や、教員間の親睦 には大変効果 のあるものであったが、従来は教員毎 に担 当す る科 目がバ ラバ ラで ある ことが多 く、 また大 人数 での会議 とい うこともあって、活発 に意 見交換がな され る とい う状況ではなか った。そ のため、 授業内容改善 という方向にはなかなかな りに くいという問題 を抱えていた。 そ こで、2003年度 のカ リキ ュラム改革か らは、 日本人教員担 当のBasicEnglishと外国人教員担 当のOralEnglishの大 き く 2種類 に分 け,最初 の10分程度 を使 った情報告知 を中心 とした全体会 議の後 に、BasicEnglish担 当者会議 とOralEngllSh担 当者会議 に分かれて、 全教員 に担 当 した クラ スでの取 り組み内容 の報告 と感想、 問題点、改善案な どを発表 して も らう形式 に変更 した。 これ によ り、 同 じ試みで も教員 によって異なるアプローチがな されて いる場合な どは、 クラス運営 に 苦 しむ教員にとって貴重な情報源 とな り、次の学期 に生か され る というシステム を作 り上 げる こ とに成功 した。 良質のカ リキュラムはは じめか ら完全な ものではな く、試行錯誤 を繰 り返 し、改 訂 を積み重ねなが ら構築 されてい くものであると考 えたか らである。 ただ、 この ことは非常勤講師の方 々には多大な負担 になるが、そ うす る ことによって、非常勤 講師の方 々もこのBasicEnglishの プロジェク トの一翼 を担 ってお り、 このプロジェク トが専任教 員 と非常勤教員が協 同で作 り上げるプロジェク トである とい う認識 を持 っていただけるのではな いか と判断 した.その結果、多 くの非常勤教員の方か ら、その後 のコース内容 の改訂 につなが る 貴重な意見が寄せ られ るよ うになった。 この点 につ いては、 5節で詳述す るBasicEnglishの2003 年度以降の取 り組みの随所で推察できるもの と思われ る。 3.9 まとめ 2003年度 に行われた沖縄大学 国際 コミュニケー シ ョン学科 のカ リキ ュラム改革 を以 上 8点 に 注 目して概観 したo こうした取 り組み を通 じて、BasicEnglishコースでは、 HBasicM な英語 力 と は何であるか とい う可能な問いに対 して下記のよ うな回答 を用意 し、 これ をBasicEngllShを通 じ て養成す る能力 とした。 (7) 基本的な文法、語柔 に関 して の知識 を有 し、英語で 日記 を書 いた り、簡単 なpaperbackを 読んだ りす る ことがで きる能 力 従 って、 この能 力を養成す る ことが本 コースの 「コースポ リシー」 とい うことになるoそ して、 このポ リシーを達成す るため に、全 クラスで同一の内容 に取 り組み、年 2回の英語担 当者会議で 問題点 を指摘 し、改善 を協議す る ことで、全教員が協 同 して指導 内容 を向上 させ る ことができる。 最後 にachievementtestによ り実 力向上が見 られ るか客観的な査定が行われ る。 こうした作業 を繰 り返す ことで、特色のある英語教育が確立 し、 「沖大英語」 といわれ るよ うな特徴 的な英語学習 プログラムが構築できる と考 えたのである。 - 3 5

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-沖縄大学人文学部紀要 第10号 2007

続 く2004年度は二年次対象のBasICEnglishⅢとⅣが開始 されたO このコ-スの概要については 次節で見ていくことにするC

4・ BasicEnglishⅢ&Ⅳ (2004年度開始)の概要

2003年度 に開始 したBasICEnglishIとⅡを引き継 ぐコースである二年次のコースは、新カ リキ ュラムが検討 されていた2002年当時は週 2回半期完結の …writing''と …Reading''のコースを設 ける予定であった。 これは、BasicEnglishI&Ⅱを開始 した ことによ り、一部の専任教員の持ち コマ数が増加す ることにな り、二年次科 目も全て対応できないという教員側 の現実的な問題 と、 Readingとwritingは集中的に訓練 を行 った方がよいのではないか という判断によるものであったO

しか し、 5節で詳述す るように、2003年度開始のBasicEnglishIとⅡが従来の英語 コースに比 べ、 か な りうま くい った こともあ り、 これ を元 のよ うな システム に戻す ので はな く、Basic EnglishI&Ⅱの発展 を検 討すべ きだ とい う考 えが提 出 され るよ うにな った。 また、Readingや Writingは従来のシステムで も経験 した ことであるが、英語力によ り作業量にかな りの差が出て く るため、英語 力がまだ十分でない学生に対 しては、個別の技能 (readingやwritingな ど)だけでな く、文法教育 を必要 に応 じて織 り込 まざるを得な くなることが予想 される。そのため、個別の技 能 に特化 した科 目名ではな く、BasicEnglishⅢ&Ⅳ という名称 にしておいて、実際に行われ る内 容 につ いては、各担 当教員の判断で柔軟 に対応できるよ うに し、下の レベルの学生については、 文法教育 も導入できるようにした。

その結果、実際に行われ るBasicEnglishⅢ&Ⅳの内容はクラスによ りやや幅があると思われる が、基本的にはReadingとWriting能力を中心 に養成す るコースであることは間違 いない。ただ し、 BasicEnglishI&Ⅱと同様 に、 いくつかの共通作業を設定 して、特徴的なカ リキュラムになるよ う検討 した。以下にその共通作業 とは どのような ものであ り, どのような背景で導入されたのか を見ていきたい。 なお、2003年度は英語カ リキ ュラムが変わ っただけでな く、既述 したよ うに国際コミュニケ ー シ ョン学科 にコース制が導入されたため、 2年次の英語科 目は、言語文化 コ-ス所属以外の学 生には選択科 目となった。 このためクラス数は-年次の

5

つか ら

4

つへと減少せ ざるを得なかっ た06' 4・1 Reading能力強化策 従来のカ リキ ュラムでの読解 中心の授業があま り成功 しなかった原因は、訳読式中心に展開 し ていた ことにあ り,BasicEngllShI&Ⅱでは、高校ではまだあま り当時普及 していなかった多読 を取 り入れた

。 5

節で詳述す るよ うに、 これは学生か らの反応は大変良 く、一定の評価 を得た。 BasicEngllShⅢ&Ⅳでは、 同 じく日本の高校 までの英語教育ではあま り取 り入れ られていない読 解技術 (readingskill)養成 を導入する ことに決定 した。 これは、用途 に応 じた読み分けができる よ うになる ことを狙 った読解指導法で、英米のESLではまず間違 いな く訓練 をうける指導法であ るO体験 した ことのない読解技術であれば、 日本の学生には新鮮に感 じるであろうと予想 された か らである。 次 に、 この用途 に合致 した教科書選定 に入ったが、 日本の出版社か らでているものは内容重視 であ り、基本的に訳読式かそれ に類似 した授業展開を念頭 に置 いているような ものが多 い。 もち ろん、読解技術 を中心 に押 し出 した教科書 も出版 されているが、 レベル別 にシリーズ化 されてい るものは多 くなかった。結局、英米の出版社であるLongman社か ら出版 されているReadingPower シ リーズを選択する ことになった。初年度は試行的に トップのクラスだけでシ リーズの中間 レベ

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-伊 藤 '「沖大英語」 の確 立に向けて

ルであるMikulecky& Jeffries(1998)ReadEngPower,2ndEdition (Longman) を用 いて授業展開 を行 った。それ以外のクラスは、多読作業中心 に構成す るために教科書 も学生に多読の重要性 を 認識 させるFlaherty&Coey (2004)ExtensL-veReader,Book2 (成美堂) を用 いることにした。

4.2 作文能力強化策

作文 については、英語力の差 によって遂行能力が著 しく異なるため、 トップクラス とそれ以外 のクラスはや り方を若干分けたQ トップクラスにおいては、一年次 に英文 日記 を一年間書かせて いたため、 これを継続するだけでな く、readingに用途 に応 じた読解技術があるのと同じように作 文にも用途 に応 じた書 き方があるという点 を意識 させる ことを心がけた。そ こで、効率的な学習 を配慮 して、reading用の教科書ReadingPowerに登場す る内容 に応 じて作文 を課す というや り方 を とった。例えば、paragraphの種類 を知 るセ クシ ョンでは、listing,timeorder,causeandeffect,

comparisonといったパ ラグラフのタイ プ毎 に書かせ る課題 を与え、 目的意識 をもって英文 を書か せる訓練を行 ったOた とえば、 「ラジオ とテ レビ」 というテーマを与えて比較 (comparison)タイ プの文章を書かせた り、両親の人生を調査 させた上で時間的順序 (timeorder) の英文 を書かせた りするな どの課題 を課 した。 同 じ内容 をreadingとwritingの両方で実施す ることで内容の理解 を深 めることを狙った。 7) 一方、下位 クラスにおいては、基本的英文構成 もままな らないという現実 をふ まえ、作文がで きるようになるために必要な文法事項 も学べる村 田和代、大谷麻美 (2003)EnglishComposition workbook (マクミラン) を選択 したO このテキス トは、メール、手紙、履歴書な ど様 々な場面や 書式で英語 を書 くことも積極的に取 り入れてお り、 トップクラスが行 っている 「用途 に応 じた書 き方」の訓練 と通 じるものがある0 8' 4.3 クラス分け 一年次のクラスは入学直後のplacementtestを行 ったが、二年次は これ をする時間的余裕がない ため、 1年次の最後 に実施 したアチーブメン トテス トの結果 と一年次の成績、担当教員か らのコ メン トを参考 にして、 クラス分けを行 った。 4.4 まとめ

前年度のBasicEnglishI& Ⅱの成功 を受け、当初の技能別 コースか ら、BasicEnglishⅢ&Ⅳ とい う柔軟性 を許容するコースに転換することによ り、授業展開を学生の レベル に応 じて変更できる ようにした。その結果、 トップクラスでは、 目的に応 じた読み方や書き方のスキルを学ぶ という 少 し進んだ レベルの学習 を行い、下位の レベルでは、文法 も学習はす るが、 さまざまなスタイル の作文 を体験するという トップクラス と同 じ目的は達成できるようにした。一方、下位 クラスの 読解 については一年次の多読作業 を強化す るという方針 に切 り替えて トップクラス とは異なる運 営をした。

こうして、BasicEnglishⅢ&Ⅳでは、 レベル によ り多少の相違はあるものの、 ここでの …Basic" な英語力は概ね以下のような能力であると考 え、 この能力養成 をコースポ リシー とした。

(8)様々な用途 ・目的に応 じて、英文 を異なるスタイルで読解 ・作文する ことができる能力 このように考えることで、BasicEnglishI& Ⅱか ら一つ高い レベルの英語学習が行われ るという 図式を構築 し、 当該コースが位置づけ られると考えたO

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-沖縄大学 人文学部紀要 第10号 2007

5.BasicEnglishコースのその後の発展 と残 る課題

2003年度 には じまったBasicEnglishI&Ⅱ、翌年には じまったBasicEngljshⅢ&Ⅳはその後 も年

2回開催 され る英語教師会議での討議 を中心 に、生 じた問題点を検討 し、よ り良いものにしよう とす る努力がなされていった。本節では、新制度が開始 した2003年度以降の 4年間にどのような 問題が生 じ、 どのような試みがなされていったのかを見ていき、そ して今後 どのような方向に進 む可能性 があるのか を検討 して いきた い。 5.1節ではBasicEnglishI&Ⅱにつ いて,5.2節では BasicEnglishⅢ&Ⅳについて振 り返る。

5.1 BasicEnglishI&Ⅲのその後 (2004年度か ら2007年度までの展開)

BasicEnglishの開始か ら2007年に至 るまで、BasicEnglishは大規模な修正 を加えた ところもあ れば、小規模な修正 に留 まった ところもある。本節では、 3節でみた発足当初の試みが、実際に 運用 をは じめて、 どのよ うな問題 に直面 し、 どのよ うな修正 を加えていったのか を見ていきた い0 5.1.1. 釈-テキス トGrammarSpectr〟mについて 統一テキス トを用いるという点については、特 に異論は出ていないが、教科書については毎年 検討が進め られている. しか し、多 くの良書が この間出版 され るものの、GrammarSpec11・LLmを5 年間使 い続 けている。部分的に本書よ り優れているものは存在す るが、 3節で見たような本学の 事情 を考慮 に入れると、変更するまでにはいたっていない。 ただ し、全て英語で書かれているため、学生は最初の段階で蹟いて しまうという不満の声は実 際に授業で利用 した教員の数名か らあがっているo しか し、BasICEngllShでは 日本人教員が基本 的に 日本語 を使 って授業 を展開 しているため、授業中に日本語で解説することで克服できると考 えている。次の授業の予習をさせ ることができないとの意見 も出されたが、それ も文法の説明ま では授業中に済 ませ、練習問題 を予習にあてるな どの配慮で回避できるものと考えている。ただ, 文法知識 をしっか りと定着 させ るには練習問題が足 りないため、各教員にはプリン トなどで練習 問題 を補 うことを要請 している。そのための参考書 として、 これ までFolceetal.(2000)、Swan &walter(1997)、Swan&Walter(2001)、な どを配布 しているO

また、2006年度 に設置 したチエル社製のCALLシステムは、多 くの練習問題 をCALL上で運用 できるシステムにな っているため、今後は このシステム を利用 して、全クラスが共有できる練習 問題 を蓄積 していくことが考え られる.

5.1.2.語嚢力強化策

BasICEnglishI& IIの発足 当時、vocabularyL'nPractt-ceシ リーズを利用す ることか ら始 まった語 重力強化策であるが、翌年の2004年度 にOralEnglishI& ⅡがShapiro& Adelson-Goldstein(1998) TheOxfordPictureDictionatyの使用 を決定 した ことを受けて、BasICEnglishI& IIでもこれを利用 す ることに した。 これ によ り、 当初よ り懸案であった、BasICEnglishコース とOralEnglishコース の連携が可能 になると思われたか らである。 ただ し、BasICEnglishコースで辞書 をそのまま利用 す るのは困難であることか ら、Fuchs&Barsky(1998)やFuchs&Bonner(1998)な どのワークブッ クを教員用の参考図書 として配布 し、授業中に小テス トを行 うときの資料 とすることにした。 ワ ー クブックはTheOdordPictureDiclionαりノのそれぞれのペー ジについての様 々な練習問題が掲載 されてお り、 vocabularyinPr・aCticeシリーズ と同等の効果 を上げることができると考えていたO

しか し、 ワークブ ックに掲載 されている練習問題は様々な工夫がされている点で大変優れたも

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-伊藤: 「沖大英語」 の確立に向けて のではあるものの、必ず しも授業使用 に適 していなか った り、oralEngllShで扱 うほうが望 ましい と思われ る リスニ ング問題であった りと、多様 な練習問題がかえって毎回の授業 にお ける定期的 使用 を困難な ものに して いる との意見が多 く出され、そ のため各教員の語重 力強化策 に対す る取 り組みがバ ラバ ラにな り、語糞 力強化策 という取 り組み 自体 に黄色信号が ともる事態 にまで達 し ていたO そ こで、語糞 力強化策 と して定評 のある英英辞典 の定義 を利用 した語嚢学習方法 を取 り入れ、 これ をTheOdordPictureDictionaryの視覚情報 を利用 した語嚢学習 と組み合わせ る ことで成果が 期待できるのではな いか と考 えたのが2005年度 の取 り組みである。 この取 り組みは、 日本語訳 と共 に英単語 を覚える方式 とは異な り、語嚢情報 を概念的な認識 として定着 させ る取 り組み とし て大変興味深 く、 またすで にNHKテ レビで放映 されて いる 「英語で しゃべ らナイ ト」 にお いて 「パ ックン英検」 とい う名称で も好評 を得て いる企画で あるため、学 生 にも取 り組みやす い課題 のよ うに思えた。そ こで、利用す る定義文 をどの辞書か ら採取す るか につ いて議論が行われ、以 下の点 を有 して いる辞書 を選考 した。 (9)a.学生が余裕 を持 って購入できる廉価な もの。 b.定義文がわか りやす く書かれているもの。 C.語糞 力のあま りない学生にも使 えるよ うに定義 に使用す る語桑が制限 されて いるもの。 d.学生が常 に持 ち運びができるよ うに分厚 いものでないもの。 どの辞書 も一長一短 あ り、選考 は困難であったが、学生 に英英辞書 を購入 させ る こと自体がかな りの努力を有す るという点 を考慮 して、難易度 と価格 を最重要ポイ ン トにす る ことに した。そ の 結果、Murphy&Brooks(2003)LongmanWordwiseDictionaryが選択 された。 この辞書は約2000円 程度で、英英辞書 としてはかな りの低価格で購入で きるだけでな く、英検3級程度の英語力があ れば充分読み こなせ る難 易度であ り、 またCOBUILDな どで採用 されているよ うな説明型定義 も 要所で用 い られている点な どが重要視 された。 ただ し、下位 レベルのクラス受講生 には負担 にな る可能性が危倶 されたため、実施 クラスは上位4クラスに限定 し、 「wordwiseプロジェク ト」 と 銘打 った取 り組みが2005年度よ り始 まった. これは、毎回、TheOxfordPictureDictionafyの任意 の1- 2ページに登場す る単語 を10語選び、定義文 を提示 して該当する単語 を選択肢よ り選んで 答えるという形式の小テス トを上位4クラスで実行するものである。 小テス ト作成 には教員 の負担が大 き くなる と思われ るため、専任教員3名 と非常勤教員1名か らなる4教員で担 当箇所 を割 り振 り、それぞれが2005年度 中に同 じ形式の小テス トを実施 し、使 用 した問題 を全教員で共有す るというのが 当プロジェク トの根幹である。 当初 は4クラスのみで 実施 していたが、学生か らの反応 は悪 くな く、短 いなが らも正確 な英文解釈 を行 う良い機会 にな り、 またある事物 を説明す る際の表現方法 を身につ ける格好 の学習材料 とな りうる ことな どが確 認できたため、噂 を聞いた 中位 ク ラス を担 当す る教員か らも続 々 と参加 の 申 し出があ り、2005 年度後半か ら2006年度 にかけて、BasicEnglishI

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Ⅱを象徴す る取 り組み とな った。 これ を受 け て、入試問題で も同 じ形式の問題 を出題す るよ うにして、沖縄大学が実践す る特色 のある英語教 育であることをア ピールす るよ う心掛 けた。

しか し、 「W(Ndwiseプロジェク ト」 は一定の成功 を収めた ものの、 WordwiseDictiona7yの記載語 嚢が少なす ぎるため に、 TheOxfordPictureDICttOnaryには掲載 され て いる ものの、 Wordwise DECtionaryには掲載 されて いない とい う理 由で扱 うことを断念せ ざるを得 な い重要な語句が出て

きて、不都合 を感 じる場面が多 くあった。英英辞書 の廉価性 と難易度 を優先 した ことの弊害が生

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39-沖縄大学人文学部紀要 第10号 2007

じて しまったのであるo逆 に、TheOxfordPictureDictionaTγが視覚情報 をもとに語句を導入 して いるため、抽象的な単語や動詞、形容詞な どの記載があまり多 くないため、 Wordwiseには記載 さ れていて も扱 うことができないということも多 くあった。 このため、英検やTOEICな どの試験の 際に、学習 した語嚢知識が活用できないな どの問題が表面化 してきた0 そんな状況 にあった2006年度 に一つの転機が訪れた。老朽化 したLL教室 を リニ ューアル して cALL教室化す る必要がでたのである。CALL教室導入の際に、学習ソフ トも導入することが検討 され、アルク社が開発 したアルクネ ッ トアカデ ミー2のPowerWordsという学習 プログラム と出会 うことになった。PowerWordsはアルク社が開発 した標準語柔水準

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VL)12000に基づいて、学 習者の語棄 レベルが 「レベル診断テス ト」 によ り判定 され、そののちに学習者の レベル に応 じた 語費 レベルで様 々な練習問題 を経験す ることで語重力が強化 される仕組みになっているものであ る。教員はクラス管理者 として学習者の学習履歴 をチェックす ることができるようになってお り、 学習者 に、例 えば下記のよ うな課題 を課すだけで、後 は学習状況 をモニターすればよいという、 教員にとって も大変負担が軽いというのが大 きな利点である。 (10)a.一週間最低30分間学習すること (一 日約5分間の学習 に相当)。 b.レベル診断テス トで診断された レベルの50ユニ ッ トの学習 を完成 させ ること。 アル クネ ッ トアカデ ミー2は2006年度夏季休暇 中に新規導入 されたCALL教室 とともに導入 さ れ、キ ャンパス内の どこか らで もアクセスできる環境 になった。 これ をうけて、2006年度後期 か ら英語担 当専任教員のクラスで試験的 に導入 された。続 いて、2007年度 には学外か らのアク セス も可能 にし、BasicEnglishI

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Ⅱ担 当の全教員向けに操作説明を行 った上で、全 クラスにお いて使用す る ことを申し合わせた。その結果、2007年度筆者が担 当す る17名か らなる 1年次の クラスでは、入学時の4月に行 った レベル診断テス トでは レベル 2が 1名でそれ以外の16名は全 て レベル1であったが、(10)の課題 を前期中に課 した後、 10月は じめに再度行った レベル診断テ ス トでは、 6名が レベル 2、 1名が レベル 3に達 していたo このクラスではWordwiseプロジェク トも継続 して行 っていたが、半年間で も充分成果が現れて くるという証左になったのではないか と思われる。 ただ し、情報教育が高校で必修化 された現在で も、pcに抵抗感 をもつ学生は少なか らず存在 し ている ことか ら、 どうして もpcに向かお うとしない学生が数名でてきて しまう。語糞力強化策は 今後、ほとん どの学生が所有 している携帯電話 を利用 した対策 も検討する価値があると思われる。 5.1.3. 英文 日記 BasICEnglish発足 当時か ら開始 されていた英文 日記であるが、 もっとも険 しい道 を歩んできた 取 り組みで もあった。 まず、 日本語で も日記を書 く習慣 を持たない学生にとって、毎 日、 もしく は定期的 に、 しか も英語で執筆が課 されている英文 日記はもっともス トレスを感 じる課題のよう で、 これ を継続的に書かせ るには教員側 にも相 当の努力が必要 になって くる。特 に、事務的に一 目の出来事 を坦 々と書き記すタイ プの学生が男子学生を中心 に多 く見 られ、同 じタイプの文章を 延々と書き続 けた り、 また特 に書 くことがないといって、英文 日記執筆 自体 を放棄 した りするよ うな事態 も起 こっていた。従 って、ただ書かせ るというだけでは、ある意味当然ではあるが、思 うような効果は期待できない。 これ に対 して、教員側は一 日に起 こった出来事 を述べた ら、次 にその感想を述べ、最後 に出来 事に対する補足や事実の追加な どを行って、最低3行は書 くように指導 した り、石原 (2001,2006) -40一

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伊藤 : 「沖大英語」 の確 立 に向 けて

な どに掲載 されているよ うな文例 を場面毎 に紹介 した りす る ことによって、と りあえず 「英借文」 を行わせた り、…whodoyouta一ktowhenyouhaveaproblem?… といった質問文 を300間ほ ど収録 し た リス トHwritingprompts" を配布 し、 どうして も書 くことがな い場合 には、 この中の質問の一 つを3行以上で答える とい う可能性 も認めた りして、執筆 を促す指導 を しな い と基礎 的な英語 力 を有 していない学生に対 しては英文 日記の運用は予想以上 に難 しい ことがわかった。 BasicEnglish発足 当時は、学習 した文法知識 を実際 に運用す るための機会 として英文 日記 を捉 えてお り、 いわば 「文法知識応用 のための手段」 として捉 えて いたが、実際 に運用 してみ る と、 この構想は基礎的な英語 力を有 していな い学生 には運用が難 しく、授業で主 として行 う文法知識 修得 も英文 日記作成 を念頭 に置 いた 「作文 のための文法指導」 という、発想 の転換 もしていかな ければ今後 も継続す る ことは難 しいと言わ ざるを得な い。言 い換 えると、英文 日記 を書 けるよ う にす るための文法指導 という視点 を今後 は もっと取 り入れてい く必要があろう。 しか し、諸 々の問題がある とはいえ、英文 日記 を全 クラス の統一課題 とした2003年度以降 と それ以前の学生の2年次 における英作文能力を比べると、極めて主観的ではあるが、各段 の違 い がある ことは確かである。2003年度以降の学 生は、個 人差 はあるが、英語 に所 々の誤 りはある ものの、実 に流暢 に英語で文章が書 けるよ うになった とい う印象 を持 っている。従 って、英文 日 記は実際の運用 の仕方 については、今後 も試行錯誤 を繰 り返 さざるを得な いが、継続 して運用 し てい く方策 を模索する ことが懸命 のよ うに思われ る。 5.1.4.多読 (GradedReaders) BasICEnglishコースで導入 した数多 くの試み の 中で、 おそ らく最 も成功 して いる取 り組 みが GradedReadersを用 いた多読であろ う。それ までの授業で居眠 りを して いる学生 もGradedReaders の読書 を始 める と全 く眠る ことな く読み続 けている とい う光景は どのクラスで も見 られ るよ うに な り、半信半疑で始めた教員か らの評判 も大変良いものであったO 授業中での利用 のみな らず、 図書館 に所蔵 されて いるGradedReadersを読む ことも全 クラス共 通の課題 としたため、 図書館でのGradedReaders貸 し出 しが飛躍的 に伸びた。下記 の表は2002年 度か ら5年間のGradedReadersを配貨 して いる図書館 の 「外 国語 レベル ア ップコーナー」 の貸 し 出 し冊数であるC 年 度 2002 2003 2004 2005 2006 表 4 :図書館でのGradedReaders貸出冊数 2002年度 には一年間に61冊 しか貸 し出されて いなかったが、BasicEnglish が発足 した2003 年度か ら急激 に貸 出冊数が増え、2006年度 には2009冊 とな り、5年間で約33倍 の貸 出数 にな っ ている。 9) GradedReadersの所蔵数が洋書所蔵数全体 の12.6%で あるのに対 し、貸 出数は全洋書貸 出数 の 93.1%も占めている。 さ らに、和書 を含めた全蔵書数全体では、GradedReadersの所蔵数はほんの 1.4%にす ぎな いにもかかわ らず、貸 出数では全蔵書貸 出数の16.3%も占めている。 もちろん、 図 書 を借 り出さないで、図書館 内で閲覧す る学生 もかな り多 くいるため、実際 に測定す る ことは極 めて難 しいが、GradedReadersの利用率はかな り高 い ことが予想 され る。 本 プロジェク トを開始 した 当時 は、 図書館利用率 を高める ことを意 図 して いなか ったため、 こ の結果 は完全に想定外であったが、思 いがけず学生 (特 に1年生) の図書館利用 という重要なス タデ ィスキル に貢献できた ことは数学的 に大変意義深 いもの と考 え られ るO]o)

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-沖縄大学人文学部紀要 第10号 2007

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Ⅱにおいては、学生は一週間に最低

1-2

冊の

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を読んで、 「読書記録 カー ド」 に記入 し、次 の授業で担 当教員 に提 出す ることになっている。参考 までに、 筆者が

2006

年度前期 に担 当 したクラス

26

名の平均読書数は34冊で、最 も多 く読んだ学生は約4 ケ月間で

102

冊 読 んで いた。 この プ ロジ ェク トの大 変優 れ て い る点 の一 つ は、英文 日記や

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で も同じであるが、課題 に上限を作っていないため、やる気のある学生はいくらでも 学習す ることができるということである。 ただ し、冊数で課題 を設定す ると、学生は極めて難易度の低 い書籍 に集中する傾向がある。 こ の ことは、学生 に易 しい英文 を大量に読 ませるという趣 旨には合致 しているのであるが、難易度 の低 い書籍の多 くは内容があま り豊かであるとはいえず、必ず しも学生は興味を示 さない。やは り

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を読む ことにある程度慣れた後 は、少 し内容のある書籍 を読んで もらい、読 書す る楽 しみ を感 じて もらいたいとの意見が多 く出されるようにな り、一部のクラスで試験的に 導入 して成功 を収めていた

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S英語学習法研究会

(

2005

)

『読書記録手帳』 (コスモ ピア) を

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0

7

年度か らほぼ全 クラスで用いることにした。 この 『読書記録手帳』 は、読んだ書籍の語負数を記 入す る欄があ り、預金通帳に預金 を貯めていく感覚で、読んだ語垂数 を記録できるため、学生に とって少 し手応えのある書籍に手 を伸ばす (いわゆる 「キ リン読み」 の) きっかけになるのでは ないか、あるいは少 し簡単 と思われる書籍 をできるだけ多 く読 もうとする (いわゆる 「パ ンダ読 み」 の)原動力になるのではないか と考えた。学生には、語費数 を記録 しなければいけないとい う負担が生 じるため、授業中に用 いる書籍だけでな く、図書館 にも協力をいただき下記の図のよ うに書籍の表紙 を見れば必要な情報がわかるよ うにした。語桑数の情報は、学生が携帯する 『読 書記録手帳』 の巻末 を参考 にし、収録 されていない書籍 については古川昭夫ほか

(

2005)

『英語 多読完全 ブックガイ ド』や古川昭夫ほか

(

2007

)

『英語多読完全 ブックガイ ド改訂第

2

版』 を参 考 に し 、そ れ ら に も 収 録 さ れ て い な い 書 籍 は

SS

S英 語 学 習 法 研 究 会 の

Web

ペ ー ジ 01tq):〟www.seg.co.jp/sss/)で調べることを原則 とした。 この取 り組 み の成果 は、 本稿執筆段 階で は、 まだは っき りとは 出て いな いが、参考 まで に、

2007

年度前期 に筆者が担 当した

17

名のクラスでは

4

ケ月間に

6

名が

5

万語 を突破 し、そのうち 3名が

1

0

万語 を突破 し、その3名の うちの 1人は約

25

万語 にも達 している。

42-シ リーズ yL

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2

1

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2

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980 ●

図5:読書記録 に必要な情報の掲載

(18)

伊 藤 .「沖大英語」の確立に向けて 5.1.5. アチーブメン トテス ト 2003年度 よ り実施 しているアチーブメン トテス トは、一年間の学習 ・教育成果 を確認す る上 で、極めて重要な情報 を提供 して くれ るものであることは疑 いの余地はな く、そ の点は、2006 年度の大学基準協会による相互評価 ・認証評価 で もこの取 り組みは高 く評価 されて いる 也!王pi!! wwwokinawa-U,ac,iD/soumuTot)ics.Dht)?eld-00007)02003年度か ら2004年度にかけては、3.5節で 既述 した経緯か らA.C.E.を採用 し、一定の成果 を達成することができた と思われたが、学生の側 か ら獲得 した得点が何 を意味するのか、つまり英検やTOEIC、TOEFL等で いうところの どの程度 の実力なのかがわか りにくいとの意見が寄せ られ るようにな り、2005年度か らはスコア と英検 の級 との相関がスコアシー トに掲載 される英検協会作成の 「英語能力判定テス ト」 を採用するこ とにした。 このテス トは、A.C.E.と同程度の低価格で施行できるだけでな く、3.6節で述べたよう な英語能力テス ト受験奨励策 にもなると考 え られたOその意味では、次節で述べる英検受験者増 加にこのテス ト採用は貢献 しているとも考えることができる。 しか し、 この種の試験で高得点 をとれ るよ うにすることがBasicEnglishコースの 目標ではない ため、必ず しもクラスで良い成績 を収めている学生がアチー ブメン トテス トで良い成績 を収める とは限 らないという結果が出ている。川テス トが英語力を正 しく判定できるか という基本的な問 題に結びついて しまうが、学習の結果、 どれだけの ことが成果 としてあ らわれているか というラ ーニ ングアウ トカムズ (leanlingoutcomes) を測定す るという方針は今後 も守 るべきであ り、従 ってBasicEnglishの目的 ・運営をどのようにplacementtest、achievementtestの内容 と有意義なかた ちでつなげていくかが今後の課題 となろう0 5.1.6. 英語能力テス ト受験奨励 3.6節で取 り上げた英語能力テス ト受験奨励 として行 った英検、TOEIC、TOEFLの成績 による 単位認定制度であるが、導入 した2003年度はさほどの成果は上げ られなか った。学生部就職課 で行 ってきた対策講座 も2002年度か ら2003年度 の2カ年 を見て も以下のような受講者数であ り、 英検な どの英語能力テス ト受験 に対する盛 り上が りが一向に見 られなかった。 年度\講座名 英検準 1級対策講座 英検 2級対策講座 TOEFL対策講座 TOEIC対策講座 2002年度 募集な し 3名 (不開講) 3名 (不開講) 10名 表5:学生部就職課主催 ・各種英語試験対策講座への受講希望者数 そ こで、2004年度よ り、 これ らの講座 を共通科 目Ⅱのキ ャリア形成科 目として単位化す る こ とで受講者数を増加 させ、ひいては各種英語能力試験の受験者数が増加することを狙 うことにし た。 この狙いは的中 し、2004年度 の単位化 された各種英語能力テス ト対策講座は下記のよ うな 受講者にまで増大 した (TOEFL・TOEIC対策講座は教室の関係で32名が定員)。 年度\講座名 英検対策講座

英検対策講座

TOEFL.TOEtC対策講座

TOEFL.TOEtC対策講座Ⅱ 表6:単位化 され共通科 目となった各種英語試験対策講座への受講者数 その後 も英検対策講座は 100名 を超 えるほどの人気 にな り、英検への受験者数 もこれ を機 に一気 に増え始めた。

-4

3

(19)

-沖縄大学人文学部紀要 第10号 2007 年度 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 表7 :1994年か ら2006年 までの英検 (準2級&2級)受験音数 期待以上 に人気の出た 「英検対策講座」は2007年度 にクラスを増設 した。そ して、 この年の 英語検定試験では、すでに第1回 目の試験が終 了 した時点で84名の学生が受験 している。2006 年に 「文科省認定」 の冠が消え、 ここ数年間に毎年受験者が減少 していると言われるが、本学で は英検 の人気は衰えず、 クラスを増設 してもなお、各クラス50名程度の学生が受講 してお り、語 学のクラス としては大 きすぎる。 この傾向が今後 も進むよ うであれば、更なるクラス増設 も必要 か と思われる。 12)

一方、TOEICは2004年 10月に本学で初めてTOEIC-IP試験が実施 され、TOEFLは2005年度よ り、英語科教育実習希望者 と一年間の英語圏長期留学希望者に対 し受験 を義務づけ、2005年 5 月に本学で初めてTOEFL-1TP試験 を実施 した。その後 も、TOEIC-1P、TOEFL-1TPともに年 2回の ペースで毎回10名以上の受験者 を集めている。 しか し、2006年よ りTOEFLは公式試験 に大幅な 変 更 が行 われ、TOEFL-1TPとはか な り異 な る もの とな って しま った。 今後 も対策 講座 で、 TOEFLIITP対策 とTOEFL公式試験の両方 を扱 うべきなのか、 どち らか一方のみを扱 うのか.今後 検討が必要である。 5.1.7. まとめ Bas】cEnglishI&Ⅱの二年 目 (2004年度)以降の取 り組みを見てきたが、二年 目以降 もうまく いかない部分 については毎年新たな試みを行 い改善に努めてきたOそれ に伴 い、徐々にではある がカリキュラムの成熟度 も増 してきたように思われる。 その他 の大きな変化 として、2005年度 にBasicEnglishは人文学部だけのカ リキュラムか ら法経 学部生も対象にした全学共通のプログラムになったOその結果、受講者数は倍増するが、英語が 得意でない、 あるいは英語があま り好 きではないという学生 もこのカ リキュラムで多 く学習する よ うになった。 この変更 によって、カ リキュラムの内容が大き く変化す ることはなかったが、英 語学習 を本学入学の目的 としない学生が大量 に存在する中下位クラスの運営が これ までのや り方 でよいのか という点 については今後慎重に検討されるべき事柄 となろう。 5.2 BasicEnglishⅢ&Ⅳのその後 (2005年度か ら2007年度 までの展開)

BasicEngllShI&Ⅱか ら 1年遅れてスター トしたBasicEnglishⅢ&Ⅳはまだ 4年の歴史 しか有 し て いな いが、 この3年間で どのよ うな問題が生 じ、 どのよ うな展開があったのか を見ていきた い.

5.2.1 リーデ ィング能力向上策

読解技術 に焦点 をおいたBasicEnglishⅢ&IVの リーデ ィング能力向上策は、学生か らの評価は 比較的良好である。用途 に応 じた読み方 を導入す るために、さまざまなスタイルの文章にふれる とい う経験 が学 生 には新鮮 に映 った のか も しれ な い。 そ こで、2005年度 か らは全 クラスで ReadLngPowerシリーズを教科書 として採用す ることに し、 リーデ ィングに関 しては統一的プログ

ラム施行 に踏み切った。 13)

表 3 この種 の認定 は入学時のみ に行 って いる大学が多いが、本学では在校生の受験者数 も増やす必 要がある ことか ら、複数 回にわた って単位認定が受 け られ る可能性 を残 した。 3

参照

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