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21世紀に読むドイモイ (ライブラリ・コーナー)

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Academic year: 2021

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21世紀に読むドイモイ (ライブラリ・コーナー)

著者

土佐 美菜実

権利

Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization

(IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp

雑誌名

アジ研ワールド・トレンド

257

ページ

59-59

発行年

2017-02

出版者

日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL

http://hdl.handle.net/2344/00048542

(2)

59

アジ研ワールド・トレンド No.257(2017. 3)

二一世紀に読むドイモイ

土佐

美菜実

  一九八六年一二月の第六回ベトナ ム共産党大会で打ちだされたドイモ イ政策が三〇年目を迎えた。ドイモ イ路線を堅持してきたベトナムでは、 二〇〇八年に一人あたりGDPが一 〇〇〇ドルを突破し、今や中所得国 の位置付けにある。その間、世界は ソ 連 の 崩 壊 や 各 国 で の 民 主 化 運 動、 そして今日ではあたりまえとなった グローバリゼーションなど、実に多 くのことを経験してきた。イギリス のEU離脱や二〇一六年アメリカ大 統領選挙にみられるように、世界の 様相に大きな変化が予想される今日 において、ベトナムの歩んできた道 とこれからの行く末をつぶさに見て いくことは、ベトナム地域研究を越 えた示唆を私たちに与えてくれると 思われる。以下ではベトナム社会に つ い て ド イ モ イ 政 策 を 主 軸 に 分 析・ 考察した比較的最近に刊行された日 本語図書をいくつか紹介したい。   ま ず、 ド イ モ イ と は 何 で あ る か、 というところから頭に入れておきた い場合には 今井昭夫・岩井美佐紀編 著『現代ベトナムを知るための六〇 章 』( 二 〇 一 二 年、 明 石 書 店 ) の 第 Ⅴ部「ドイモイ下における政治の諸 相」を一通り読むことをおすすめし たい。ドイモイ開始の経緯に始まり、 ベトナム共産党、情報統制、行政機 関、国際関係など、ドイモイ下での 様々なベトナムの体制変化について、 簡潔な文章でまとめられている。   グエン・スアン・オァイン著、片 岡利昭訳『ドイモイよ蘇れ   ゆたか な社会をめざして――発展的ドイモ イ の 提 言 ――』 ( 二 〇 〇 三 年、 ビ ス タ ピ ー・ エ ス ) は、 南 ベ ト ナ ム 時 代には副首相も務めた、ドイモイの 生 み の 親 と も 言 え る 経 済 学 者 グ エ ン・スアン・オァイン氏自らが、ド イモイ開始の歴史的背景や経済政策 としてのドイモイを細やかに分析し た一冊である。また本著の最後にお いて、政策開始からドイモイの展開 を見続けてきた著者によるドイモイ 達成度のレビューがあり、現在のベ トナムに対する課題が提示されてい る。   次に 鎌田隆著『ベトナムの可能性 ――ドイモイの 『未来社会像』 ――』 ( 二 〇 〇 六 年、 シ イ ー ム ) で は ド イ モイによる成果や課題のほか、主婦、 経済学者、少数民族など、現地調査 から得たドイモイ下ベトナムに関す る様々な現地の声を、ベトナム在住 の 日 本 人 も 含 め て 拾 い 上 げ て い る。 後半部分では医療・福祉・教育の各 分野の民間および外国支援へのやむ を得ない依存の現状について解説す るとともに、日本のNGOによる支 援活動も紹介している。同じく障害 者を中心とした教育・福祉政策の考 察と近年の状況については、 黒田学 ほか編『胎動するベトナムの教育と 福祉――ドイモイ政策下の障害者と 家 族 の 実 態 ――』 ( 二 〇 〇 三 年、 文 理 閣 ) が あ る。 本 著 で は、 「 ベ ト ナ ム盲人協会」などの当事者組織の動 向や、近年に開始された障害児教育 教員養成制度の実態や課題について 詳細にまとめられている。   古田元夫著『ドイモイの誕生―― ベトナムにおける改革路線の形成過 程 ――』 ( 二 〇 〇 九 年、 青 木 書 店 ) は「シリーズ   民族を問う」のひと つとして出版された。このなかで著 者は、ドイモイの提唱はソ連による ペレストロイカの影響は否めないが、 ベトナム現地における「下からのイ ニシアティブ」こそが重要な役割を 果たしたという視点のもと、ドイモ イ路線形成史を論じている。地方に おける配給制度や価格決定の実験的 な見直し、共産党指導部内での論争 を 通 じ て、 「 ド イ モ イ 路 線 の 形 成 は …ベトナムにおける『民族化』の道 を切り開くものだった」というベト ナム独自の文脈を明確にしながら形 成過程を描いている。さらに著者は、 二一世紀に入り外国人研究者がアク セスできる関連資料の公開が進んだ という研究事情の変化を指摘してお り、従来の研究からのさらなる展開 が可能になったことを示している。   経済論を中心とした トラン・ヴァ ン・ ト ウ 著『 ベ ト ナ ム 経 済 発 展 論 ――中所得国の罠と新たなドイモイ ――』 (二〇一〇年、 勁草書房) では、 ドイモイ路線構築における特徴やそ のプロセスを、共産党の思想的変化 や国際環境の変容を背景にしながら 考察、課題を提示している。後半部 分では農村工業化や農村における土 地所有問題について触れながら、政 策下での具体的な問題点を指摘して いる。   最後に、ドイモイ下のベトナムで 呼応し合う「国家」と「社会」の関 係性を軸に論じた 寺本実編著、岩井 美佐紀・竹内郁雄・中野亜里著『現 代ベトナムの国家と社会――人々と 国 の 関 係 性 が 生 み 出 す「 ド イ モ イ 」 のダイナミズム――』 (二〇一一年、 明石書店) を紹介したい。本著では、 単なる経済路線の転換にとどまらな いドイモイ政策を開拓移民事業、障 害者生活、市民社会などの様々な次 元から分析を試みている。現体制が 強 く 維 持 さ れ る 中 で、 社 会( 国 民 ) の存在を能動的な主体のひとつと捉 え、具体的な事例のなかで国家との 関わり合いを論じている。 ( と さ   み な み / ア ジ ア 経 済 研 究 所   図書館) 18_ライブラリー.indd 59 17/02/03 10:29

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1 Library, Institute of Developing Economies, Japan External Trade Organization (3-2-2 Wakaba Mihama-ku Chiba-shi, Chiba 261-8545). 情報管理 56(1), 043-048,

Basic Input-Output Table of Thailand, 1975, (IDE Statistical Data Series, No. 30), Tokyo: Institute of Developing Economies. OSCAS-NEC (Office of Statistical Coordination

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