判例研究 : 条約破棄手続の合憲性審査が拒否された事例
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(2) 1 2. 土屋孝次. は、ソ連崩壊後ロシアを敵国とみなす必要がなくなったこと、 9 . 1 1テロ により合衆国の本土防衛政策に変更をきたしたことなどを挙げた九. Bush大統領は、 ABM条約の破棄問題に関して上院、下院いずれに対 しても提案を行わず、連邦議会の同意も求めなかった。この中で、下院 本会議において、 ABM条約破棄に関する審議を行うべきであるとの動 議が提出されたが、 254対 169で認められなかった。同様に、上院 においても R u s s e lF e i n g o l d議員が条約破棄に反対する動きをみせたが、 結局具体的な決議は審議されなかった。. 2002年 6 月 1 2 日、条約脱退の 2目前、動議表決で破れた Dennis K u c i n i c h議員ら民主党所属の 32名の下院議員は、大統領が議会の同意 なしに単独で条約を破棄することはできないとして、コロンビア地区連 邦地方裁判所に訴訟を提起した。原告は、憲法 6条 2節の最高法規条項 によって条約には「国の最高法規J として連邦法と同等の効力が認めら れており、大統領が単独で連邦法を廃止できないと同様に、条約破棄に 議会の同意が必要であるとした連邦議会の条約破棄への関与は、憲法上 の均衡抑制原理に合致し、議会の多数もしくは上院の 3分の 2の同意を 得るまで、 ABM条約の効力は維持されると主張された。. o l i nP o w e l l国務長官、 DonaldRumsfeld これに対して、 Bush大統領、 C 国防長官ら被告は、司法手続上の問題として、議員らに本件訴訟を提起 する原告適格がないとした。また、提起された問題が司法判断を回避さ. p o l i t i c a lq u e s t i o n ) であり、条約終結前の段階で れるべき「政治問題 J( r i p e )していないと反論した。さらに、実体論としては、 は事件が成熟 ( 外交関係に関する大統領の憲法的権限が憲法 2条の行政部権限として明 示されている事実、および 200年以上にわたる外交権限行使の慣行によ り、大統領は議会の同意なしに条約を破棄する権限を保持していると反 論した。. 【判旨】却下(原告敗訴). ( B a t e裁判官法廷意見) 1 . コロンピア地区連邦地裁の JohnD.Bate裁判官は、 Bush大統領の 主張を受け入れ、憲法問題に踏込まずに事件を却下した。 まず、 B ate裁判官は、本件において議員には原告適格が認められない. ainesv .Byrd, 521U . S .811 とした。議員の原告適格について最高裁は、 R ( 19 9 7 )において示している。最高裁は、項目別拒否権制度によって個々.
(3) 判例研究:条約破棄手続の合憲性審査が拒否された事例. 1 3. の議員の法案に対する投票権の価値が減ずることになるかどうかが争わ れた事例において、原告が蒙った「事実上の損害 Jが個人的、特定的、 永続的、かっ司法的に認識できるものではないとみなした ~o. そこで、本件においても同様に、 K u c i n i c h議員らが主張する損害は、 組織的な立法権限の抽象的な価値の低下に過ぎないと考えられる。また、 連邦議会が ABM条約破棄手続から排除されたとしても、他の代替手段、 たとえば法律制定、予算措置、そして最終的には大統領弾劾など、議会 に認められている諸権限の行使によって問題の政治的救済が可能となる。 実際、連邦議会全体が条約終結手続に関して何らかの主張をしているわ けではなく、また原告である 32 名の議員らも全体としての連邦議会を 代表しているとは述べていないのである。. 2 . 次に、 Bate裁判官は、原告適格に関わらず、そもそも条約終結に関 する大統領と議会との紛争は、政治部門に解決が委ねられている f 政治問 題」であり、司法判断適合性が認められないとした。同裁判官が援用する. oldwaterv .C a r t e r ,444U . S .996( 19 7 9 ) である 5。同事件で 先例は、 G a r t e r 政 権 に よ る 米 台 相 互 防 衛 条 約 (MutualD e f e n s e Tr e a t y は 、 C Betweent h eUnitedS t a t e sandt h eR e p u b l i co fC h i n a )の一方的破棄に oldwater上院議員が憲法違反を主張していた。コロ 対して親台湾派の G ンビア地区連邦地裁は大統領単独の条約破棄が最高法規条項に反するた め違憲と判断したが 6、コロンピア地区連邦控訴裁は議会の憲法的権限 に条約終結承認権が明示的に含まれていないとして、一転して大統領単 独の条約破棄手続を容認した 7。これに対して、最高裁は 6対 3の多数 で 司 法 審 査 を 拒 否 す る 判 断 を 示 し た の で あ る が 、 こ の う ち 4名 ( R e h n q u i s t、 S t e v e n s、S t e w a r t、Burger)の相対多数意見は、条約終 結に関する問題を端的に「政治問題 Jとし司法判断適合性を否定ていた もっとも、先例拘束性が認められる多数意見が構成されなかったために、 同判決の先例としての価値は確固たるものではないしかしながら、 Bate裁判官は、条約破棄に関する Goldwater相対多数意見を「指導的 であり重要である J として援用したので、あるリ i. Bate裁判官は、まず、憲法が条約終結手続に関して明文で定めていな い事実が司法判断を回避させる理由になるとする、そもそも、外交に関わ る問題の解決は大統領と連邦議会の判断に委ねられており、司法部が関 与する余地はないいことに、国防、軍縮といった問題に関する条約の法的 地位についての判断は、政治部門の判断が尊重されるべき問題といえるい 仮に、大統領の決定後 1年以上も経過した後に、裁判所が条約終結に関 する手続を違憲と宣した場合、ひとつの問題について司法部と大統領が.
(4) 1 4. 土屋孝次. 異なる判断を示すことになる。このような状態は、大統領と連邦議会の 憲法意的権限にかかわる微妙なバランスと司法判断が可能な事件争訟を 解決する裁判所の権限の両者を傷つけることになろう。このように述べ て 、 Bate裁判官は、 Bush政権側の主張に沿い、司法判断を行わずに事 件を却下した。. ucinich議員ら原告は、大統領単独の条約破棄が 本件判決について K 合憲か違憲かについては触れられていないこと、条約破棄に関して議会 全体による異議が示された場合に司法審査が行われる可能性が容認され ているとして、控訴を行わないと発表した。この結果、間判決は確定し たのである. υ. 【解説 1 1 . 合衆国憲法上、政府のいずれの機関に外交政策の決定権が委ねられ ているのか、明確ではない 10。大統領が広範な外交権限を保持しており、 迅速かっ効果的、統一的に権限を行使しているのは間違いない。大統領 は最高司令官として国内外において合衆国軍を指揮する権限を保持し、 大使を任命し、外交使節を接受し、条約を締結できる。しかし、同時に 憲法は、連邦議会に対して通商などに関する幅広い立法権、予算歳出権、 宣戦布告権など外交関係に重大な影響を与える諸権限を付与し、また、 上院には外交官任命承認権、条約承認権などを割り当てている。憲法学 説の多くが外交分野に関する議会権限を大統領抑制機能を果たすものと して評価しているのに対して、第二次世界大戦後の実務は大統領を外交 権限の唯一の執行機関とみなしている。外交権限のあり方をめぐっては、 学説と実務の憲法解釈にはなはだしい草離が見られるのである。 合衆国において「何が法であるか」について述べるのは、連邦司法部 の職務である II 事実、司法部の法的判断は、時として政治部門に重大 な影響を与えてきている。最高裁は、ウォーターゲート事件に関連して 大統領執務室における会話テープを刑事訴訟の証拠として引き渡すよう 命じて Nixon政権の幕引きに手を貸し 12、2000年の大統領選挙におい ては、フロリダ州最高裁判所による投票用紙の数え直し決定を憲法修正 1 4条に違反すると判断して 1: 1、B ush政権の誕生に助力したのである。 もっとも、現実の裁判所は、外交問題あるいは戦争権限関係の事件の ような政治的要素の強し、法的紛争に対しては限定的な介入しか行ってこ s t a n d i n g )J r 成熟性 ( r i p e n e s s )J r ムー なかった。司法部は、「原告適格 ( t )Jr 衡平法上の裁量 ( e q u i t a b l ed i s c r e t i o n )Jあるいは「政治問題 J ト(moo.
(5) 判例研究:条約破棄手続の合憲性審査が拒否された事例. 1 5. などの司法手続上の諸問題を持ち出すことによって、政治的に重大な影 響のある諸事件について判断を回避し、あるいは、訴えを却下してきた のである 140 しかしながら、少数ではあるが、連邦裁判所が大統領と議会との権限 配分にかかわる法的問題に介入した事件もある。この場合、裁判所は、. uman大統領による鉄鋼所接取決定を違憲とした最高 朝鮮戦争時代、Tr a c k s o n裁判官の同意意見の分析手法を用いて、違憲、合 裁判決、特に J 憲の判断を行っている 1~o J a c k s o n同意意見では、議会が大統領に対し て明確に授権を行っている場合、議会の明示的承認のないトワイライト ゾーン、そして、議会が明確に反対している場合の 3つの領域が設定さ れ、大統領が合憲的に権限行使を行えるか否かについての相対的な基準 を示している。 また、裁判所は、司法判断回避の諸原理を適用するにあたっても、争 点、となった憲法問題の法的意義について事実上の示唆を与えている。特 定の憲法問題について司法の場で争うための条件を示すにあたって、当 該憲法問題の性質が問われるのである c 外交分野への司法審査を無視で きない所以であるい 2 . 合衆国憲法は、条約を破棄する手続について規定していない。条約 締結については、大統領が連邦議会上院の助言と向意を受けて締結する こととしている。上院の同意は出席議員の 3分の 2が必要となっており、 特別多数決制が採用されている。憲法起草者は、上院の条約承認権に抑 制均衡制と連邦制という合衆国憲法の基本構造に関する意義を見いだし ていた。上院は条約締結に関して「助言と承認 J を行うことで,大統領 の条約締結権限を抑制できる。また、州代表的性質を持つ上院に条約承 認権を与えたことで、連邦法と同等の効力を持つ条約によって州、地域 の利益が安易に侵害されないよう保障することができたといえる。もっ ashington大統領の政権以来、上院の条約締結に対する「助言 J とも、 W は形骸化しており、また、条約形式以外の国際協定が増加しているなど 状況の変化は見られる。しかし、軍縮や人権分野に関しては依然として 上院の条約承認権が重要な地位を占めている。 これに対して下院は、条約締結手続自体には関与していなし、。憲法起 草者は、条約締結手続から明確に下院を排除しているのである。しかし ながら、条約が自動執行 ( s e l f e x e c u t e )で、はなく国内法を必要とする場合、 あるいは条約の執行に予算措置が求められる場合においては、連邦議会 全体が条約の法的効力を担保するために関与することになる。また、連 邦議会が大統領の拒否権を乗り越えて、条約の国内効力を取り消す内容.
(6) 1 6. 土屋孝次. を持つ連邦法を制定することも可能である。このように見ると、下院を 含む議会全体の条約締結過程への協力は、大統領にとって不可欠なもの といえる。 そこで、このような大統領と議会の共同作業の成果である条約を破棄 する場合に、憲法上、大統領が単独で決定することができるのか、議会 全体あるいは上院の関与が必要なのかが憲法問題として提起されること になる。. 3 . Bush大統領によって任命された Bate裁判官による判決は、条約終 結手続に対する憲法的異議を門前払いするものであった。 連邦議会議員が大統領の政策に異を唱えて、問題解決を司法の場に持 ち込む事件は珍しくない。一般的には議員が反対党の大統領を訴えるが、 事例によっては、党派を超えた議会対大統領の構図で紛争が司法部に持. aines判決以降、議員が ち込まれている l九しかしながら、最高裁の R この種の訴訟を提起したとしても、原告適格が認められないとして却下 されることが多くなっている. 。憲法 3条のもとで原告適格が認められ. 17. るためには、原告が事実上の損害を蒙っている事、原告の損害が被告の 行為によって引き起こされている事、そして裁判所が当該損害について 救済できること、以上 3要件が求められる.議会内部で政治的対決に敗 れた少数派議員が紛争を訴訟で解決しようとする場合、個々の議員の蒙 った損害を立証できず、また、他の政治的救済が存在するとして原告適 格が否定されることになるのであるひ もっとも、原告適格は事例ごとに検討される問題であり、事実上の損 害の立証次第では議員に原告適格が容認される可能性もある。たとえば、 議員個人の利益が損なわれていると立証できた場合、あるいは、議会、 各院、委員会等、議会内の組織全体が原告となっている場合、そして、 議員以外の者が訴訟に加わっている場合などである。事実、 C l i n t o nv .. C i t yofNewYork, 524U.S. 41 7( 19 9 8 )では、 Raines事件と同様の事例に ついて、議院外の者の訴えが認められている、本件判決においても、議会 全体あるいは院全体が原告となるか、あるいは、原告議員らが議会全体 を代表している旨の立証があれば、原告適格が認められると解釈できる。 これに対して、第 2の却下理由、大統領単独による条約破棄が司法判 断適合性の否定される「政治問題」であるとする判断は、今後、同種の 事件について司法的解決が否定される可能性を示唆している. 。もっと. 1H. も、「政治問題」だと結論するのであれば不要のはずの原告適格に対する 審査が先に行われているのは、先例として挙げた G oldwater判決が相対 多数意見しか構成できていなかったことによると考えられる。「政治問.
(7) 判例研究:条約破棄手続の合憲性審査が拒否された事例. 1 7. 題 j に関する重要判決である Bakerv .Carr , 369U.S.186( 19 6 2 )が述べる ように、外交領域の問題が必ずしも司法判断適合性を持たないわけでは ない点を確認すべきであろう。このような観点に立ち、本稿は大統領単 独による条約終結の憲法問題が司法の場で争われうる問題かどうかは、 法的には確定していないと評価する"。. 4. そこで、憲法上、大統領が単独で条約を終結することができるのか 20。合衆国憲法制定後初めての条約終結は、 1 798年 、 Adams. が関われる. 大統領による対フランス条約の終了宣言によって行われている。同条約 については、連邦議会が終結に関する決議を通過させており、 Adams 大統領の署名によって、圏内法的に効力を失っている。以後歴代の大統 領は、原則として条約終結に連邦議会の同意を得てきているといわれて し 、 る 。 その例外的事件が、 G oldwater事件において問題となった 1978年の 米台相互防衛条約の破棄である. 2 I。もっとも、. C a r t e r 大統領による条. 約破棄は、中華人民共和国の国家承認に基づく二カ国間の了解事項であ った。国家承認は大統領権限であること、また、翌年 4月に制定された. a r t e r政権の政 「ひとつの中国 j 問題に関する連邦法が、内容的には C 策と整合しないにしても、米台相 E防衛条約の破棄に関する連邦議会の 事実上の承認とみなせる。 このようにみると、 Bush大統領による ABM条約の破棄は、合衆国 の歴史においても異例の事象であったと理解できる。このような条約終 結が合憲的に認められるとするならば、同じく条約締結手続に従った国 連憲章からの離脱も大統領の単独の判断で可能ということになる。本件 訴訟において Bush政権は、条約の単独破棄に関する憲法上の根拠につ いて、 G oldwater事件における C a r t e r大統領の主張をそのまま援用し ているが、外交に関する幅広い大統領権限の存在から直接的に条約終結 権限を導き出せるものかどうか検討を要する。少なくとも、議会の明示 的な反対意思が明らかな場合、憲法文言が存在しない大統領単独の条約 終結手続は違憲性が強く推定できるといえよう。. 5. もっとも、条約終結に関する連邦議会の関与方法については、検討 課題が残されている。合衆国が締結できる国際協定の種類には、条約、 「連邦議会が承認した行政協定 Jおよび行政協定の 3種類がある。この うち合衆国憲法に締結手続が定められているのは条約のみで、他の国際 協定形式については法的に不明確な点が残されているの特に大統領が議 会の多数の承認を得る「連邦議会が承認した行政協定 J については、近 時条約の代替手段とみなされているものの、少数ながらその合憲性を疑.
(8) 1 8. 土屋孝次. 問視する主張もみられる. 220. 条約終結手続の根拠を憲法 2条の条約条項に求める立場では、締結に 関与した機関が終結にも参加することになると解される。すなわち、条 約の破棄の場合には出席している上院議員の 3分の 2の同意、「連邦議 会が承認した行政協定 Jでは連邦議会各院の過半数、そして大統領単独 で締結できる行政協定の場合には、議会の関与なしで破棄できると解す ることになる。この解釈に従えば、条約の終結に関する本件訴訟に関し て、終結手続に関与する権限を保持しない下院議員 3 2名に原告適格は 認められないことになる。 他方、条約終結に議会が関与する根拠を「最高法規条項 j,こ求めれば、 全てのタイプの国際協定について、その終結に連邦議会の過半数の同意 が必要となる日 : 3。この点、鉄鋼所接取事件における J ackson裁判官の同 意意見に従えば、本件のように憲法の規定が明確ではない事例に関して、 連邦議会の過半数が条約終結に対して明示的に反対を唱えれば、大統領 の単独行為は違憲であるとみなされることになる。本件訴訟における原 告議員らが議会関与の根拠を「最高法規条項 Jに置いた意図は、 J ackson 意見の射程との関係でも理解できるのである。今後、大統領と議会とが 党派的に分裂したとき、 Bush 大統領が積極的に道を切り開いた議会承 認なき条約破棄手続に対して、憲法的異議が提起されることになろう。 さて、外交、戦争権限の拡大的行使において、 Bush大統領は、 20世 紀の歴代大統領と同一線上にある。しかし、その権限行使のあり方は、 確実に駒を 1つずつ進めたものでことも事実であろう。司法部の抑制的 傾向により外交にかかわる憲法問題は、法的には未解決のまま残される ことが多い。このため、大統領による行動が憲法違反であったか否かの 判断は、最終的には合衆国国民が選挙のステージにおいて投票によって 決することになる。 2004年の大統領選挙において、国民が Bush大統領 により提起された憲法的諸問題 2~ についてどのように評価したか、選挙. 結果を越えた慎重な検討が求められよう。. 1 ABM 条約の破棄に反対するグ、ルーフ。は、同条約が過去 30年間にわ たって核抑止に重要な役割を果たした「軍縮の要石」であると評価して いた。 2 ABMT r e a t y , a r t . X , Vc 1 .2 . : i Un i t e dS t a t e sDepartmento fS t a t e s, Texto fDiplomaticNotesSent t oRussia, Belaurus, Kazakhstan, andUkraine(Dec.14, 2 0 0 2 ) .. 4. Raines.521U . S . a t8 2 0 ..
(9) 判例研究:条約破棄手続の合憲性審査が拒否された事例. 1 9. 5 S eee . g ., AlanM.Wachman, C a r t e r ' sC o n s t i t u t i o n a lConundrum:An ExaminationofTheP r e s i d e nt ' sU n i l a t e r a lTerminationo f A τ' r e a t y, 8 F l e t c h e rF. 427( 19 84);GuyM . M i l l e r , T r e a t yTerminationunderThe UnitedS t a t e sC o n s t i t u t i o n : R e a s s e s s i n gTheLegacyo fGoldwaterv . C a r t e r , 27N. Y .U.J. Int 'l& P o l, 859( 19 9 4 ) . 6 G oldwaterv .C a r t e r , 481F . S u p p . 9 4 9 ( D . D . C . 1 9 7 9 ) . 7 G oldwaterv .C a r t e r , 617F . 2 d6 9 7 ( D . C . C i r . 1 9 7 9 ) . 8 これに対して、相対多数意見の結論にのみ賛成した P o w e l l裁判官の. 同意意見は、大統領と議会との間で憲法的権限に関する主張が十分にな されていない段階では、事件は「成熟していなしリとみなしており、事例 毎のアドホックな検討が必要であることを示唆している, Bate裁判官によって下級審先例として引用されている、 Madei n i r . 2 0 0I)では、 USAFoundationv .UnitedS t a t e s . 2 4 2F . 3 d1300(11thC Goldwater判決の相対多数意見を「決定的ではないが、十分に指導的な ( a t1 3 0 5 )としている。 内容を持つもの J I0S eeH . J e f f e r s o nP o w e l l, TheP r e s i d e n t ' sA u t h o r i t yo v e rF o r e i g n. 。. A f f a i r s ; A nEssayi nC o n s t i t u t i o n a lI n t e r p r e t a t i o n ( C a r o l i n aAcademic P r e s s2 0 0 2 ) .同書については拙稿「書評:大統領の外交政策決定権 J ア メリカ法 [ 2003-2) p p . 3 8 8・394を参照のこと。 11 M arburyv .Madison, 1Cranch(5U . S .) 13 7, 1 7 7( 18 0 3 ) . 12 U nitedS t a t e sv .Nixon, 418U.S.683(974). 1: 3 B ushv .Gore, 531U . S .98( 2 0 0 0 ) . 14 連邦議会議員による訴訟に対する司法審査拒否の法技術的問題につ いては、拙稿「アメリカにおける議院規則制定権の限界一増税法案の可 決に特別多数を求める連邦下院規則の合憲性ー」 日本法政学会「法政論 叢 J3 5巻 1号 pp.34-54を参照のこと。 )5 Y oungstownSheet& Tu b eC o .v .Sawyer , 343U.S.579( 19 5 2 ) ( Jackson, J ., c o n c u r r i n g ) . I6 S eee . g ., SenateS e l e c tCommitteeonP r e s i d e n t i a lCampaign A c t i v i t i e sv .Nixon, 498F . 2 d7 2 5 ( D . C . C i r . 1 9 7 4 ) . 17 S eee . g . , ・Chenowethv .C l i n t o n, 1 8 1F .3d1 1 2 ( D . C . C i r . 1 9 9 9 ) ; Campbellv .C l i n t o n, 203F . 3 d1 9 ( D . C . C i r . 2 0 0 0 ) . IH S eeBeaconProductsC o r p .v .Reagan, 633F . S u p p . 1 1 9 1, 1 1 9 8・99 (D. M a s s . 1 9 8 6 ), a f i 打 do no t h e rgrounds, 814F . 2 dH1stC i r . 1 9 8 7 ) .同事件 はニカラグアとの友好条約破棄に関する訴訟であり、司法判断適合性を oldwaterの最高裁相対多数意見に全面的に依拠し 否定した同判決は G ている。 1リ S ee8180UnitedS t a t e sv .ATT.567F . 2 d1 2 H D . C . C i r . 1 9 7 7 ) .重大な f 政治問題 J に対する司法審査を容認した同判決については、拙稿「ア 3巻 1号 メリカにおける議会調査権の限界の再検討」近畿大皐法皐 4.
(10) 2 0. 土屋孝次. pp.163-190 ( 19 9 5 ) を参照。 20 S eee . g ., L o u i sHenkin, L i t i g a t i n gt h eP r e s i d e n t ' sPowert o T e r m i n a t eT r e a t i e s, 7 3Am.J. lnt ' l6 4 7( 19 7 9 ) ; A l a nC . S w a n, T h eC o n s t i t u t i o n a l Powert oTerminateT r e a t i e s :Wh o, When, andWhy , 6Y a l eStud.World Pub.Ord.159( 19 7 9 ) ; J o n a t h a nYorkThomas, 1heAbuseo fH i s t o r y : A R e f u t a t i o no ft h eS t a t eDepartmentA n a l y s i so fA l l e g a t i o nI n s t a n c e s 6Y a l eStud.World o fIndependentP r e s i d e n t i a lTreatyTermination, P u b . O r d . 2 7 ( 9 7 9 ) ; R a o u lB e r g e r, TheP r e s i d e n t 'sU n i l a t e r a lTerminationo f t h eTaiwanTr e a t y , 75Nw.U . L . R e v . 5 7引1 9 8 0 ) . 2 1 ただし、 K oh教授は、他に大統領が単独で条約を終結した 3例(国 司. 際司法裁判所の強制管轄に関する取極め、ユネスコ条約、ニカラグア友 eeHaroldH.Koh, 1 、 heN a t i o n a lSecur ity 好条約)を挙げている。 S. Constitution:SharingPowerAfterThe I r a n " C o n t r a A f f a i r 44( 19 9 0 ) .. 22 r 連邦議会が承認した行政協定」をめぐる史的展開と憲法手続的諸問 題については、拙稿「アメリカにおける上院の条約承認権の変貌一連邦 議会の国際協定承認権の台頭との関連で-J 涯畿大皐法皐 44巻 3・4合 併号 p p . 7 7ー 1 0 2( 1 9 9 7 )、同 r r 連邦議会が承認した行政協定 j の台頭 、アメリカ法 [ 2001-1Jp p . 5 7 " 6 7、同 fアメリカ連邦議会 と憲法問題 J 8巻 1号 p p . 1 7 3・1 9 4( 2 0 0 1 )、 の国際協定承認権の憲法的根拠 j法政論叢 3 同「判例研究:ルワンダ国際刑事法廷との国際協定に基づき合衆国が行 ったジェノサイド容疑者の引渡しが合憲と判断された事例 J近畿大学工 J3 1号 p p . 6 3 " 7 2( 2 0 01)、および各稿にお 学部紀要(人文・社会科学篇) ける参考文献を参照のこと。 2 J 大統領単独で締結できる行政協定の破棄に議会承認が必要かどうか については、別個検討が必要である 2 4 たとえば、宣戦布告なしに戦闘が開始された「イラク戦争」の合憲 .Bush,322F . 3 d1 0 9( 1s tC i r .2 0 0 3 ) ; O ' C o n n o rv . 性に関する、 Doev UnitedS t a t e s ( N o . 0 2・2311, 1 0 t hC i rJ u l22, 2 0 0 3 )がある。両事件では、 各控訴際の判断は司法判断回避であったが、判決後の状況を鑑みると開 戦の合法的根拠が崩れつつあるともみなせる。 また、敵性戦闘員の拘留権限と人身保護令状請求が争われた一連の事件 がある。合衆国圏内で敵性戦闘員として拘束された合衆国市民に関する Rumsfeldv .P a d i l l a( C a s eN o . 0 3 "1 0 2 7 )、戦闘地域において敵性戦闘員 .Rumsfeld(CaseNo. として拘束された合衆国市民にかかわる Hamdiv 03・6 6 9 6 )、海外基地における外国籍捕虜の人権保障と司法管轄権にかか asulv .Bush(Ca s eN o . 0 3 " 3 3 4 ) ; A lOdahv .UnitedS t a t e s ( C a s e わる R No.03・343)(SupremeCouurt, June28,2 0 0 4 )であるこれらの事件では、 最高裁判所が手続的問題に限定して介入した結果、改めて実体的問題が 下級裁判所で審査されはじめている。上告受理事件が厳選されている近.
(11) 判例研究:条約破棄手続の合憲性審査が拒否された事例. 2 1. 年、裁判官の立場はそれぞれ分裂しているものの、最高裁が外交、戦争 分野に関わる事件に対して積極的介入姿勢を見せたことは注目に値す る". (本稿は、 2004年 1 0月 30日、第 1 9 5回広島公法研究会において「プ ッシュ政権の外交権限行使と司法審査 j として報告したものの一部であ る。質疑応答において貴重なご意見、ご批判を頂いた会員諸氏に感謝す る。).
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都は、大気汚染防止法第23条及び都民の健康と安全を確保する環境に関する条例
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