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〔資 料〕『秋田年中御行事』翻刻と解題

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Academic year: 2021

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(1)

甲子祭、御誕生日、七月支干御祭、節分、獅子廻し、御祥月のことが書か れている。行事を具体的に示すと一月は若水汲み、謡初、宝船、御湯殿初、 御馬屋祭、七草、蔵開き、鎌倉祝儀、具足鏡開き餅、三月は節句、五月は 端 午 の 節 句、七 月 は 盆 行 事 (高 燈 籠、盆 棚、御 霊 棚) 、八 月、九 月 の 月 見、 十月は亥の子、十一月は氏神様御祭礼、大師講、十二月は川浸りの餅、機 神様の祭り、大黒天の年取り、御先祖様御祭事、煤払いである。 本資料には金照寺、宝鏡院、天徳寺、永源院、声体寺、泉福院などの寺 院の名が見られ、いずれも藩主佐竹氏と縁の深い寺院である。宝鏡院は藩 主家祈願所であり、金照寺、泉福院は松慶寺とともに佐竹三堅固山と呼ば れ、久 保 田 城 鬼 門 守 護 の 祈 願 所 で あ っ た 〔秋 田 市 編   二 〇 〇 三   七 三〕 。一 月 十 六 日 条 に「朝 五 ツ 時 初 御 祈 禱 ニ 付 金 照 寺 御 玄 関 よ り 罷 出 候」 、一 月 二 十一日条に「宝鏡院へ御使者裃を以春御祈禱御願被成候」など、祈禱につ いて記述がある。天徳寺は代々の佐竹氏の菩提寺である。一月十六日条の 「天 徳 寺 年 礼 ニ 被 参 候」か ら 始 ま り、七 月 に は「御 墓 御 掃 除 天 徳 寺 永 源 院 声 体 寺 江 御 歩 行 御 中 間 被 遣 候」や「切 子 燈 籠 大 壱 ツ 御 蝋 燭 共 天 徳 寺 江 被 遣 候」 、「天徳寺盆礼ニ被参候」と盆行事に至るまで年中行事に登場する。各 寺院と佐竹氏との関係を知ることができる資料といえる。 城 の 鎮 守 で あ る 正 (小) 八 幡 宮 へ の 御 代 参、稲 荷 神 社 へ 四 月 十 五 日 の 祭 礼時の供物についての記述がある。さらに、城の鎮守だけではなく、藤倉 観音、八橋村天満宮や寺内古四王宮、天王村天王宮などにも代参をしてい た。六 月 五 日 条 に「天 王 村 天 王 宮 明 六 日 よ り 七 日 迄 之 祭 礼 右 江 梅 津 藤 十 郎 様 よ り 御 代 参 立 申 候」と あ る。こ の 祭 礼 に つ い て 嘉 永 年 代 に 編 著 さ れ た 『絹 篩』の 巻 之 一 に「六 日 神 輿 掃 除 式   両 統 神 酒 七 品 物 捧 け 社 参、潮 を 以 〔解    題〕 『秋田年中御行事』は秋田県公文書館に所蔵されている。体裁は和綴じ、 縦 十 二 ・ 四 セ ン チ メ ー ト ル、横 十 七 ・ 一 セ ン チ メ ー ト ル で あ る。 (資 料 1) 著 者、成 立 年 代 は 不 詳 で あ る。だ が、一 月 十 一 日 条 に「慶 應 二 年 (一 八 六 六) 」や 三 月 二 十 四 日 条 に「安 政 六 年 (一 八 五 九) 」の 年 号 が 見 ら れ る。ま た、一 月 十 三 日 条 に「平 田 大 角 (下 り 候 頃 よ り 始 り 候) 」と あ る。平 田 大 角 は 平 田 篤 胤 の こ と で あ り、 「高 根 様 御 影 之 御 懸 物 御 直 々 御 懸 被 成 候」は 平 田が秋田藩に来てから始まったという。平田篤胤が幕府から国許帰還を命 〔資    料〕

  『秋田年中御行事』翻刻と解題

後藤

 

麻衣子

ぜられ、久保田に帰ったのは天保十 二 年 (一 八 四 一) の こ と で あ っ た。 以 上 の こ と か ら、 『秋 田 年 中 御 行 事』は幕末期の秋田藩の年中行事を 示した資料であると考えられる。 『秋 田 年 中 御 行 事』の 存 在 は 早 く から知られていたが、筆者がカマク ラについての研究で一部を活用した のみで、これまで資料の全容は活字 化されてこなかった。本稿では秋田 藩の年中行事が記されている新資料 として翻刻し紹介する。 『秋 田 年 中 御 行 事』の 構 成 は、ま ず一月から十二月までの年中行事が 順に書き留められており、その後に 学苑 ・ 資料紹介特集号   第九四九号   三九一〜四二三   (二〇一九 ・ 一一) 資料 1

(2)

て掃除す。神主清めの祈禱有り神楽を奏す。今晩夜籠りの式天王村の部に 有り。七日八ツ時頃七度半の使にて漸に神主夫婦一番へ来り、挨拶なし畳 の上土足にて通り酒部屋に入る。神主の妻と酒姥と両人にて神供を部屋の 内 に て 焚 き 糀 を 交 へ 酒 を 造 り 玉 瓶 (曲 け ク ル ケ の 事) に 入、二 壺 一 番 統 の 御 幣 取 い た き 村 中 行 列 し て 天 王 村 御 旅 所 に お い て 神 輿 に 備 ふ」 〔今 村 監 修   一九七一b   一六八〕 と祭礼の様子が記されている。以上のように藩と周辺 の神社との関わりを示す資料として興味深い。 一 月 三 日 条 に は「萬 歳 罷 上 り 御 広 間 ニ 而 狂 言 七 番 申 上 候」と あ る。秋 田 万歳は『出羽国秋田領風俗問状 (1 ( 答』には「万歳ハもと三河の国より常陸へ 来り住てけるが、慶長年間この地へ移り来れりと申すなり」と記され佐竹 氏が秋田へ移封の際に常陸から移り住んだことが知られる。彼らは「城へ 登 り て 祝 の 詞 を 申、そ れ よ り 士 家 の 町 々 を 回 (2 ( る」と あ り、 『秋 田 年 中 御 行 事』ではその城での万歳のことが記されている。 一月五日の御馬屋祭には「猿廻し罷上り候」とある。猿廻しも『出羽国 秋田領風俗問状答』によると「常陸より移り来けるものにて、三須田左太 夫、松岡武太夫の両人通り名にて今に名のり侍る」と常陸から移ってきた ものである。猿は馬の病気を防ぐとされ、城主や武家などでは厩で舞わせ ていたが、秋田藩主佐竹氏も「御馬屋祭」にて猿廻しを呼んでいたことが この資料から窺える。 一月十五日条の晩に行われた「鎌倉御祝儀」において「御酒被下候時   若 殿 様 御 幼 年 ニ 候 得 は 御 年 男 之 宅 江 被 為 成 候 事 有 之 候   左 候 へ は 手 妻 と か 何 そ 芸 を す る も の 御 家 来 之 方 ニ 而 呼 寄 入   御 覧 ニ 候 事 有 之 候」と 手 品 か 何 か芸をするものを呼び寄せたとあり、また年中行事の最後の方には「獅子 廻 し」の 記 述 な ど が 見 ら れ、 「万 歳」 、「猿 廻 し」と 芸 能 の 面 に 関 し て も 価 値のある資料である。 本資料の特色は年中行事の変化を知ることができる点である。例えば、 三月二十四日条に「正月廿四日天神様御祭事御備白餅御開きニ候所慶應元 丑年より今月ニ相成候」とあり、行事日の変更が説明されている。また著 者は古日記 ・ 古年中行事 ・ 拂河新左衛門勤中之年中行事 ・ 年中行事御役所 日記 ・ 元文三年午の御日記などを引用している。一月五日の御馬屋祭にお いて「古日記ニハ御馬屋祭米壱升餅御初尾三拾五文御広間御祝儀白米壱升 餅 鳥 目 三 拾 五 文 宛 両 人 江 被 下 候 と 有   御 馬 屋 祭 分 ハ 別 ニ 被 下 候 様 ニ 見 得 候 へ共梶山新五郎勤中より前条之通ニ候」と、御馬屋祭で演じた猿廻しへ下 される物の内容に変化が生じたことが窺える。七月十五日条に「但元文三 年 (一 七 三 八) 午 の 御 日 記 ニ ハ 十 四 日 御 祝 に 刺 鯖 用 る と あ り」 な ど い つ の 日 記を見たのかが分かる記述もある。さらに平田が来てから始まった行事も 記されていることから、平田が年中行事に影響を与えていたことも窺える。 資料には行事の準備段階から終了後までが記録されている。その一例を 挙げると鎌倉祝儀の準備は一月十二日条の「鎌倉為築候事」すなわちカマ クラを築くところから始まり、カマクラ飾りの材料や拵え方、行事当日の 火振りの様子、晩の鎌倉祝儀の料理まで記録されており、鎌倉祝儀の一連 の流れを知ることが出来る。 また行事内容だけでなく、行事を遂行する者、行事の実施場所、服装、 食事内容、行事の中心になる神仏に至るまで詳細に書き綴っている。食事 内容は膳の中身、餅の種類まで細かく記されている。行事を中心に進める の は「御 年 男」が 多 く、 「御 小 姓」 、「御 中 間」 、「御 歩 行」な ど そ の 役 割 に ついても記載がある。一月十一日条に小正月用の餅のことが書かれている が、 「摩 利 支 天」や「天 神 様」 、「さ い の 神」な ど 供 え る 神 の 名 が 見 ら れ、 信仰していた神が分かる。 さらに行事を行うのは武士だけではなく、宝川村、飯塚村など周辺の村 も準備に関わっていたことも資料から窺える。一月十日条「宝川村より若 木 と ご ろ 献 上 被 下 物 ハ 飯 塚 村 之 通 ニ 候」 、十 二 月 二 十 八 日 条「宝 川 む ら 人 足両人参年縄なゐ候事」など献上物や年縄を綯うなどの労働力を提供して いたことが認められる。 したがって、年中行事の記載からは、行事に関わっていた人々や、神仏 信仰のありよう、さらに行事の目的なども解明することができ、主として 武士の年中行事を知る上で貴重な資料といえる。 本 資 料 に は 全 六 図 (資 料 2― 7) が 挿 入 さ れ て い る。翻 刻 に 先 立 ち、以 下 にこれらの画像を紹介する。

(3)

資料 2

資料 3

(4)

資料 5

資料 6

(5)

〔凡    例〕 一   本資料は秋田県公文書館所蔵の原本を底本とした。     資料番号はA 3‌ 8‌ 5-1‌ 3である。 一  ‌ 本 資 料 の 翻 刻 に あ た り、原 本 の 体 裁 を 維 持 す る よ う に 努 め た が、便 宜 上 次 の ように改めた。    一   原本の字数にかかわらず、本翻刻では一行三十三文字とした。    一   文意の区切りは一字あけて示した。    一  ‌ 原 文 は 殿 様、御 惣 体 様、上 々 様 な ど の 前 は 敬 称 と し て 改 行 ま た は 一、二 字分をあけているが、すべて一字あけて統一した。    一   割注は括弧 (   ) で示し、割注の中の割注は〔   〕とし、一行に組んだ。    一   漢字は新字体に改めたが、一部旧字体をそのまま用いたものもある。    一  ‌ 異体字、変体仮名は現行の字体に統一した。例「 」(畢) など。 「ゟ」 は「より」に改めた。    一   助詞としての「江」 、「而」は活字を小さく記した。    一   原本の字で判読不能な個所は、その字数分を□で示した。 〔翻    刻〕

秋田年中御行事

    正月元日 一   三ケ日豆売にて候   御茶屋之火焚初メ候事 一 ‌  三 ケ 日 暁 六 ツ 時 御 年 男 裃 着 用 御 書 院 始 御 座 敷 御 定 居 御 茶 屋 迄 竹 箒 を 以 掃き初候事 一 ‌  三 ケ 日 水 汲 ニ 若 水 桶 へ 未 明 ニ 水 を 汲 せ 御 台 処 に 差 置 御 年 男 出   殿 之 上 に御薄茶御用御釜ヘ右若水七五三に入御茶屋之水瓶ニも入候事 一 ‌  三 ケ 日   御 神 檀 ヘ 御 神 酒 一 対 (御 へ き に て) 御 雑 煮 之 餅 (大 砂 鉢 三 峯) 外ニ小茶碗二ツヘ御燈明右は御役人也   御備之上申上候得は   御惣体様 (御 上 下 す) 御 拝   御 内 佛 様 へ も 壱 寸 四 方 之 あ ぶ り 餅 上 ル (女 中 共 ニ 候) 御拝被成置事 一 ‌  御 神 佛 様 御 拝   御 惣 体 様 被 為 済 候 上 御 常 居 へ 御 揃 御 着 座   于 時 御 年 男 小 角 一 膳 宛 差 上 候   御 薄 茶 (御 次 間 ニ 而 立 て 三 之 五 之 一 度 ニ) へ き に 纏 ひ   御 前 ニ 持 出   御 壱 人 限 手 移 ニ 上 之 (慶 應 元 子 年 よ り 御 薄 茶 ニ 成) 右 引 而 餅 御 膳 上 ル   一 ツ 御 盃 (三 峯 な り) 長 柄 御 銚 子 ニ 而 冷 酒 (と そ ハ 宵 よ り 入) 三 献 上 之 右 引 而 御 本 膳 御 脇 共 差 上 之 味 噌 漬 の 九 ツ 茄 子 御 香 物 御 小 皿 江 弐 切四切斗宛 (御年男瀬戸物入盆に乗御壱人限) 上ル   冷酒三献御湯 (こかし 入 御 湯 桶 に て 御 小 姓 上 ル) 上 之 御 飯 鉢 御 通 ひ 盆 下 ル   右 脇 よ り 段 々 ニ 御 年 男下ケ候事    小角拵様左ニ (資料 2) 栗七梅干三 山椒 串柿五昆布 ︵天地 ツ ケ 四処 さ ぐ ︶ の 通 四寸四方 上様 足 こ 御年男方也 膳 の 敷紙大抱弐枚     餅御膳    ‌ 平ハぼ (3 ( た二切   坪ハ化粧納豆   右何れもふたなし   御香物なし    雑煮餅 (焼豆ふ   牛房   串貝   ばぢこんふ   わらひ)     御本膳   けん海老    ‌ 御 鱠 (ふ り こ   大 根   に ん し ん   前 之 魚)   御 汁 (こ の り   わ ら ひ   牛 房   串貝)   御香物   御飯     御脇    御平 (はんべん   くろのり)   御屋喜物 (すし鰤   弐疋あぶりて)    猪口昆ぶすし (白髪こんふ   にしん   ふりこ   数の子)

(6)

‌ 右何れも上ケ下ケ共ニ御年男ニ候   餅御飯御汁之御替りハ御小姓也   御 湯も御小姓上候事 一   右御膳椀御不行之分御用ひ只白箸付候事 一   右御膳中御附人御役人相揃年頭御祝詞申上候事 一 ‌  御 廻 座 以 上 之 御 客 御 通 被 成 へ は 御 小 姓 御 手 拭 搓 出 し 但 御 紋 之 三 峯 江 左 之通   ‌ 敷紙大方三ケ枝松壱本   ゆつり葉栗山椒小梅干串柿かやの実二ツ破 りくるみ扇昆布なり (右は御年男晦日ニ拵置可申事) 一   昼御飯も御定居ニ 而 御年男差上候   御本膳 御 ‌ 鱠 朝 之 通   御 汁 (こ の り   つ ミ 入   牛 房   わ ら ひ) 香 物 (九 ツ な す 上 下 す) 御飯   ‌ 御 脇   御 屋 喜 物 す し 鰤 猪 口 昆 ふ す し 平 な し ニ 候   左 候 得 は 何 そ 全 頭 なりか連□者□付也上候事も有之候 一   右以下冷酒御湯等都 而 朝之通ニ候   ‌ 但   殿様御年礼ニ被為出餘りニ速く相成候得は御跡御膳ニ差上残り 御手回様御済被成候事 一   三ケ日御年男へ朝昼共御茶屋ニおゐて御上並ニ餅御飯被下候事 一   晩御上ノ間ニ 而 御酒盛被成候事   御吸物 (定りなし) 御口取 (取合五品もり) 御浜屋喜 (尾頭付一ツ)   暖酒    右畢 而   御膳 (御鱠又ハほだすし鰤御屋喜物交えて付ル   御汁取合香物御飯)   御脇なし 右御宮仕御小姓肩衣ニ 而 上ル   御冷酒不上ら御湯ハ常之通御釜の侭也     同二日 一   朝昼御規式より餅之御膳御本膳共元日之通ニ候 一 ‌  晩 御 酒 盛 元 日 晩 之 通   但 ぶ り 子 の 御 吸 物 差 上 候 事   外 ニ 何 ニ 而 も 御 吸 物上候事 一 ‌  晩 御 謡 (4 ( 初 御 祝 儀 ニ 付 御 家 中 一 統 見 習 之 者 迄 も 御 茶 屋 ニ お ゐ て 御 酒 頂 戴 被仰付候   御酒後御役人之心得を以御蓋 カサ 之飯被下候   御酒肴左ニ    ‌ 御 吸 物 (ふ り こ   豆 ふ) 鉢 (ふ り こ   数 の 子   お ひ た し) 鉢 (す し 鰤) 鉢 (ぼら位之尾頭付) 一   御年男宝 (5 ( 船を認   御惣体様へ壱枚ツゝ差上歌左之通   なかきよのとをのねふりのみなめさめなみのりふねのをとのよきかな   右歌止めより読んても同し事也     同三日 一   朝昼御規式晩御酒盛共惣 而 元日之通也 一 ‌  萬 歳 罷 上 り 御 広 間 ニ 而 狂 言 七 番 申 上 候   畢 而 御 台 処 ニ 而 鰤 の す し 昆 布 す し 数 の 子 な の ひ た し ニ て 御 酒 被 下 候   外 ニ 切 餅 (四 寸 四 方) 三 ほ た 壱 切 リ 白 米 壱 升 祝 儀 □ 百 文 宛 両 人 ニ 松 ゆ つ り 葉 添 て 被 下 候 事 (古 日 記 五 十 文 と有百文ハ御□中とニ有り)     ‌但 御 好 被 為 有 候 得 は 百 文 之 外 に 被 下 候 事   近 年 御 好 五 番 定 例 ニ 相 成 候 一 ‌  薄 暮 時 頃 御 家 中 一 統 御 歩 行 ニ 至 迄 御 盃 頂 戴 被 仰 付 御 附 人 外 士 御 家 頼 御 膳 番 同 助 力 加 勢 迄 御 客 対 処 ニ 而 被 下 候   且 御 附 人 は 無 役 足 共 家 席 ニ 而 一 番ニ出候事

(7)

一   御盃拝領ニ罷出候次第左ニ (資料 3)   ‌ 右 御 座 敷 御 次 間 へ 御 家 頼 御 膳 番 詰 候 後 (南 う し ろ)   殿 様 御 裃 正 面 江 御 出 座   于 時 御 盃 三 峯 御 肴 (ス ル メ   コ ン ブ) 三 峯 御 下 捨 へ き 上 ル   長 柄 御 銚 子 御 前 ニ 持 出 ル   立 原 御 次 之 間 二 畳 目 ニ 而 扇 を 取 御 敷 際 ニ 而 拝 伏   即 御 敷 居 内 壱 畳 目 へ 罷 出 ル (内 へ と 御 着 ハ 御 附 人 な れ ハ な し 外 士 ハ 御 意 之 上 内 に 入)   殿 様 御 盃 御 取 り 被 遊 候 節 御 会 釈 被 成 下 候 故 平 伏 す   一 献 被 召 上 候 と進み出ル (三畳目より不立すり出候也)   ‌ 御 肴 献 し 少 々 退 き 平 伏 し 后 壱 畳 目 へ 復 座 す   三 献 ニ 御 加 ひ 被 召 上 候 而 御 盃三峯御銚子持からみ御宮仕弐畳目へ持来たり   三峯置と即弐畳目へ進 ん で 御 盃 を 両 手 ニ 而 取 り 拝 伏 す   三 峯 邪 魔 な ら ハ 左 之 方 へ 膝 を 寄 せ て 頂 き 申 候   于 時 壱 献 頂 戴 懐 よ り 紙 を 出 し (紙 出 す 時 下 座 へ 膝 を 寄 せ る) 御 盃 を 紙 ニ 載 せ 置 き 御 肴 拝 領 す   弐 三 尺 退 き 平 伏 す   即 二 畳 目 ニ 復 座 (御 肴 を 懐 中 す 主 人 よ り 拝 領 之 物 ハ 袂 江 入 間 敷 事) 之 上 二 献 頂 戴 都 合 三 献 也   御 盃 を 紙 ニ て 能 々 拭 ひ 紙 を 懐 中 し て 御 盃 を 両 手 ニ 而 三 峯 へ 置 返 盃 被 仰 付 候   直 々 御 小 姓 右 御 盃   殿 様 へ 差 上 候 と 二 畳 目 居 形 ニ 而 平 伏 し 次 の 間 二 畳 目 ニ 而 扇 を 持 退 去 致 役 人 詰 席 江 退 去 之 節 ハ 中 礼 あ る な り   夫 よ り 梶 山 塩 右 同 断   畢 而 御 家 来 被 下 候 節 は 矢 張 御 附 人 之 通 ニ 出   し か し な か ら 内 へ と (役 人 申 事 も 有) 御 意 之 上 内 へ 入 候 也   御 盃 三 峯 御 肴 拝 領 三 献 ニ 加 ひ 御 返 盃なし   直ニ手ニ持詰席へ退き候   御膳番同助力加勢迄右之通ニ候   只 御座敷之違ひ候迄なり   御肴献上ハ無之候事 一   外士ハ御対面処ニ 而 各家席ニ罷出御盃頂戴す   図左ニ (資料 4)   ‌ 右御対面処へ御客対処より御出之節ハ畳御席下御通行御出座前御家来御 膳 番 図 之 通 り 之 処 へ 詰 居 候   于 時 御 盃 三 峯 へ (引 盃 人 数 た け 置) 乗 御 小 姓 出 之 (御 歩 行 ニ 被 下 候 土 器 ハ 士 分 済 頃 へ き に 乗 て 出 三 峯 へ 移 置) 御 肴 三 峯 御下捨土器捌 へき 上ル   即御宮仕長柄御銚子捌 へき 持からみ出ル   殿様壱献被召 上候と上席之役人御肴献之平伏す   詰席へ退く二献御加ひ三献ニ被召上 候 而 右 御 盃 へ き に て 受 取 外 士 上 席 之 人 江 被 下 候   御 広 間 上 ニ よ り 二 畳 目 図之所へ罷出一献頂戴御肴拝領復座三献ニ加ひ御盃手持引取候也   以下 順 席 頂 戴 す   畢 而 御 歩 行 御 茶 屋 上 之 間 図 之 如 く 屏 風 を 立 一 畳 目 へ 被 召 出 候   御 宮 仕 御 小 姓 土 器 を 手 乃 平 ニ 乗 御 銚 子 御 長 柄 也   御 歩 行 へ 被 下 候   一献つき御膳番御肴被下後二献被下退去也   御歩行無残済候へは相済候 様御役人申上即御引取被遊候 一 ‌  右 御 引 取 被 成 置 候 得 は 御 役 人 共 御 広 間 之 内 御 客 対 次 之 間 後 ろ に 座 附 候   御附人之外御盃頂戴之人相揃一同御礼申上候 一 ‌  右 畢 而 御 附 人 (部 屋 頭 共) 御 家 来 御 膳 番 相 揃 御 前 へ 罷 出 御 盃 頂 戴 被 仰 付 無役の出入口 扇置処 御盃頂戴之席 役人中礼ス 御盃御肴上ルと罷出候席 御肴献し此所ニ復座ス 役 人 詰 上 棚御 床御 御盃拝領之席 士の詰処 屏風 ○御 歩行 御茶屋 番 ○御膳 人 役 御 床御

(8)

一統雖有奉存申と御礼申上候様御家来上候 一   右罷下り御役人御茶屋ニ 而 御歩行共之御礼申受候事      同四日 一   前度今日御馬出初之処御障り有之六日ニ相成候      同五日 一   御神檀 江 御神酒一対御備之事 (御役人なり) 一 ‌  御 買 初 ニ 付 塩 壱 升 板 お こ し 飴 御 町 使 に 買 せ 候   御 神 佛 様 へ 御 備   御 惣 体 様 江 御 居 ハ 里 (せ い か へ 盆 膳 さ つ き 海 老 添) 当 番 御 小 姓 女 中 共 迄 も 被 下 候事 一 ‌  御 湯 殿 初 ニ 付   殿 様   奥 様 御 夜 食 膳 白 米 五 合 宛 其 上 ニ 切 餅 三 ツ 祝 儀 弐 拾五文添御湯殿へ備候上水汲ニ被下候事 一   猿廻し罷上り候     御馬屋祭      御神酒二引盃壱ツ白米壱升      目刺壱串昆布餅ほた一切      半紙七枚御初尾百文       右台ニ乗たち板かや添      ‌ 御 広 間 ニ 而 御 祝 儀 申 上 候 被 下 物 萬 歳 之 通   白 米 壱 升 鳥 目 百 文 切 餅 三ツほた壱切   ‌ 右 畢 而 御 台 所 ニ 而 萬 歳 之 通 酒 肴 ニ 而 御 酒 被 下 候   御 馬 屋 へ 持 参 し 白 米 壱 升 餅 三 切 ほ た 御 初 尾 百 文 と も 御 広 間 ニ 而 御 祝 儀 申 上 候   被 下 物 共 同 様 二 人前に致被下候事    ‌ 但古日記ニハ御馬屋祭米壱升餅御初尾三拾五文御広間御祝儀白米壱升 餅 鳥 目 三 拾 五 文 宛 両 人 江 被 下 候 と 有   御 馬 屋 祭 分 ハ 別 ニ 被 下 候 様 ニ 見 得候へ共梶山新五郎勤中より前条之通ニ候      同六日 一   御馬出し初ニ付御年男裃着用ニ候    白餅一重   御神酒二錫 三峯 引盃一    目刺一串こんふ松ゆつり葉    酒壱樽 壱升入   ‌ 右 品 三 献 台 ニ 入 御 厩 へ 定 番 ニ 為 持 御 馬 之 前 ニ 備 ル   御 年 男 引 盃 江 酒 三 献 つ き 御 馬 江 懸 る 後 御 年 男 拝 す   右 品 之 内 御 神 酒 斗 り   御 上 へ 上 り 餅 酒 等 ハ直々定番ニ拝領之事    但御神酒ハ男様斗御頂き被成候事      同七日 一   暁七ツ時御年男裃着用御茶屋あき之方ニ向ひ七草なせり   叩候 一 ‌  御 神 檀 江 御 神 酒 一 対   白 御 粥 (七 升 上 之 置 大 佛 様 也) 御 屋 喜 者 御 役 人 御 備候事 一 ‌  御 神 佛 様 御 拝 御 済 候   御 定 居 江 御 着 座 被 成 候   于 時 御 年 男 白 御 粥 之 御 膳 上 ル   平 ハ ほ た 二 切 坪 ハ 化 粧 納 豆 御 汁 椀 ニ 而 御 粥 上 ル   白 御 箸 也   御 冷 酒 三 献 上 ル   長 柄 御 銚 子 也 (以 上 裃 共 御 年 男)   右 引 而 御 本 膳 (皿 汁 香 物 飯) 御脇 (御やき物平猪口) 冷酒三献御湯   湯桶也   上ル     但御粥之御膳より冷酒迄上下共御年男ニ候     御本膳より以下御小姓御宮仕也

(9)

一   昼御膳御脇冷酒上ル   上ケ下ケ共御年男ニ無之候 一   朝昼晩之御料理御酒肴御膳之上ハ都 而 元日之通ニ候 一   今日迄ニ御附人家 江 年頭被為入候事 一   朝御粥御飯二共御上置ニ 而 御年男ニ被下候      同八日 一   御神檀 江 御神酒一対御備候事      同十日 一   御神檀 江 御神酒壱対御備候事 一 ‌  秋 田 郡 飯 塚 前 組 (6 ( 代 よ り 先 例 之 通 根 松 献 上 被 下 物 四 寸 四 方 之 切 餅 五 ツ 大 方也   半紙之包水引ニ 而 結松ゆつりは添被下候事 一   宝川 (7 ( 村より若木とごろ献上被下物ハ飯塚村之通ニ候      同十一日 一  ‌ 朝御蔵開ニ付御家頼御膳番御蔵役御升取迄肩衣着御年男裃着用罷出候     御神酒錫二 (へき) 御引盃一白餅一重     目刺一串酒壱樽こんふ松ゆつりは   ‌ 右品三献台ニ入御中間ニ為持先ツ御米蔵へ行き御蔵仕舞之時米積置候   前 へ 三 献 台 居 る   于 時 御 年 男 盃 江 錫 よ り 三 献 つ き 俵 江 懸 る   左 候 へ は 御 家 頼 よ り 御 升 取 迄 拝 礼 い た し 候   其 後 御 土 蔵 江 行 き 前 之 通 三 献 上 ル   拝 礼有之候 一 ‌  右御祝儀薄暮頃より御年男 肩衣 御蔵役御升取迄御役処 江 罷出吸物一通御 肴三種ニ 而 御酒被下候   御備之餅一重雑煮ニ致し拝領被仰付候事     但御肴   鉢 (ふりこ   数の子   なひたし)   鉢 (尾頭付たい)     餅之時膳之上鱠   香の物也    ‌ 附 宝 暦 十 一 巳 年 湊 惣 左 衛 門 宅 ニ 而 役 方 斗 打 寄 相 済 候 と も 日 記 ニ 見 得 た り 一 ‌  今日小正月餅搗ニ付御側御番所当番非番とも白の丸餅 (海老添) 御祝と して被下候 一   餅御用粳五斗搗目黒御用とも     一   今日御規式之餅品ハ末を見るべし     一   摩利支 (8 ( 天へ御備菱餅五 (内三白内二目黒)     一   天神様之餅一重     一   御居ハり乃小餅御人数たけ取     一   御神佛様へ上候   小餅 (白目黒) 腰髙饅頭位     一   御鏡餅   壱重     一   御役中ハさいの神餅 一 ‌  御 惣 体 様 御 居 ハ リ せ い 貝 盆 小 餅 二 (内 一 目 黒 内 二 白) 豆 の 粉 懸 (海 老 壱 疋) 膳さつき也 一   御附人家御役人之宅 江 取付餅被下候事 一   九ツ時   御惣体様御定居 江 御着座御つま様之御規式有之候尤御裃ニ候 一   溜塗り之大膳ニ白餅一重 (敷栗七串柿弐本紙こんふ松ゆつりは)   ‌ 右 餅 を 上 ル (下 タ へ 品 置 に 上 ル 也)   右 下 て 小 膳 ニ 白 餅 一 重 (敷 紙〔栗 五 ‌ 串 柿 二 と ご ろ 三 根 松 弐 本 松 の 根 の 方 左 リ 之 方 ニ 向 候 下 □ 雛 二 通 り 宛 乗 ル   ‌ 頭 ハ 年 男 之 方 ニ 向 右 雛 拵 据 ハ テ い わ し〕   生 大 根〔三 歩 位 ニ し て 四 方 角 長 サ 二 寸〕右 二 品 紙 ニ テ 一 包 ニ し て 紙 よ り ニ て 一 処 結 紅 付 ル)   右 餅 一 膳 宛 上 ル   之 即 上 よ り 下 ル   餅 の (四 寸 四 方 の 切 餅 三〔内 一 ツ 目 黒〕御 汁 椀 に 入 る 余 程

(10)

乗る也〕 )   御膳 (平ハほた二切坪化粧納豆也   蓋にきな粉御右之方ニ置) 上ル と 三 ツ の 内 上 な る 目 黒 餅 半 分 斗 り 被 召 上 り 即 長 柄 ニ 而 三 献 上 ル 之 (以 上 上 ケ 下 ケ 共 御 年 男 也)   右 引 而 御 本 膳 (皿 汁 香 物 飯) 御 脇 (す し 鰤 こ ん ふ す し)   冷酒三献御湯 (湯桶) 上ル   右御膳御宮仕の御小姓下ル之なり 一 ‌  御 神 檀 江 御 神 酒 壱 対 四 寸 四 方 之 餅 三 切 (内 一 目 黒) き な 粉 懸 ル   三 峯 御 瀬戸物ニ 而 御役人御備候事     ‌ 但神明様之御茶碗迚茶呑茶碗位之小茶碗ニ白目黒之小サなる餅二ツ 宛御茶碗二ツへ上ル   きな粉かゝるなり 一   御年男 江 御茶屋ニ 而 御上並餅三切御飯御家喜物とも被下候事 一 ‌  摩 利 支 天 江 御 備 之 ひ し 餅 (白 三 ツ 目 黒 二 ツ)   殿 様 御 裃 ニ 而 御 裂 初 (少 々 鉋 丁ニ 而 御こぢ被成候) 跡御年男ひしニたち候事 一 ‌  右 ひ し 餅 之 た ち く つ 並 御 規 式 御 下 り 之 餅 共 無 残 御 年 男 之 宅 へ 御 飯 焚 へ 申付下ケ候事 一 ‌  御 土 蔵 よ り 御 召 御 具 足 壱 順 出 シ (箱 の ま ゝ) 御 対 面 所 御 床 脇 へ 置 夫 を 御 屏風囲ニする也   右御具足前へ御土蔵より蓋ニ穴の明た箱を取出其箱中 ニ御規式之節いち前□に差上候溜ぬり之大膳   白餅其侭置其上ニ右ひし 餅五ツを重ねふたして穴より三ケ枝之松御直ニ御立被成候   其上ニ摩利 支天之御影之御懸物御直々正面ニ御懸被成置候   廿一日御具足之餅御開 迄御屏風囲ニて誰も明る事ならさるなり     但御庭 江 御土蔵御普請以来同所 江 御餝りニ相成候 一   御洗初被成置候事   御祝儀弐拾五文御飯焚初音 江 被下候事 一   干餅をあみ釣候事御祝儀右同断 一    ‌ 慶應二寅年   殿様御産穢ニ候得共餅搗並御祝共あり   摩利支天之御 備物等ハ御隠居様   若殿様御扱被成候   殿様御出席無之候      同十二日 一   鎌倉為築候事      但雪無之時ハしめ縄張候事   且御幼年御男子様無之共御吉例事 一   御年始御振舞被成候得共近年今日ニ無之候      同十三日 一 ‌  御 神 檀 江 御 神 酒 一 対 (へ き) 白 御 飯 (三 峯 御 瀬 戸) 御 砂 鉢 江 塩 煮 い も 鰹 節 輪 切 (山 椒 み そ て ん 角) 右 弐 品 盛 三 峯 御 膳 番 裃 着 罷 出 候   高 根 様 御 影 之 御 懸物御直々御懸被成候   御肩衣ニ 而 御拝被成候事     ‌ 是ハ近年平田大角下り候頃より始り候   此御神様御信心被成候得は 御長寿を授け給ふと言ふ 一   明日鎌倉並舞玉御用之柳為買候事      同十四日 一   舞玉餅搗   粳     但御年男柳枝へ五ツ七ツ付候へは跡女中共付候事     一   大柳壱本   御客対御次間へ飾ル分     一   御人数丈ケ壱本ツヽ御客対北の長押に並べてさし置候分     一   御神佛様御用弐本御土蔵壱本鎌倉小四本     一   鎌倉御用大柳壱本分御番所へ遣候事 一 ‌  御 番 所 江 一 統 出 候 而 左 義 長 鎌 倉 大 明 神 之 御 旗 弐 流 拵 大 柳 壱 本 江 舞 玉 を 付 五色紙ニ 而 志てを裂ち付候   右成丈ケ早ぐ出来候様専一也     但半紙 四状 五色紙九枚御役所より早朝ニ受取候事

(11)

一 ‌  薄 暮 頃 御 附 人 御 家 頼 御 膳 番 御 家 中 一 統 肩 衣 塵 草 履 ニ 而 御 中 ノ 口 ヘ 相 詰 候   于 時 御 年 男 裃 申 上 候 得 は   上 々 様 御 中 ノ 口 江 被 為 入 候   御 年 男 切 火 ニ 而 鎌倉 江 火焚申候   御小姓御歩行御中間とも迄火を振り貝を吹く事 一   右鎌倉の灰を台十能ニ取り御家御炉之四角へ右灰少々宛御年男置候事 一 ‌  右鎌倉火振候事   畢 而   殿様 (御肩衣)   上々様御茶屋へ (薄べり敷候事) 被 為 入 候 而 若 木 (宝 川 よ り 上 之 柳 朝 よ り 小 サ ク 切 り 火 ニ 干 置 也) の 火 ニ 御 あ た り 被 成 候   御 茶 屋 之 御 炉 よ り 七 り ん 江 火 を 取 御 湯 涌 し 御 年 男 煎 茶 を 拵 ひ 候 而   御 惣 体 様 江 上 御 附 人 並 御 家 頼 御 膳 番 御 年 男 江 も 若 木 之 御 茶 被 下 候   良暫ぐ御咄被為有奥 江 御引取被遊候事 一   今晩鎌倉御祝儀可被成候処御日柄ニ付明十五日ニ被成置候 一   昼御祝之御膳も御日柄ニ付明日ニ被成候事 一   昼後年縄を卸し候御台所ニ差置当三十日ニ又掛候事 一 ‌  厄 拂 御 手 廻 様 御 壱 人 た り 共 若 他 江 取 為 出 御 留 主 な れ ハ 御 帰 り 之 上 に 為 拂候事 一 ‌  御 年 賀 之 御 方 様 被 為 有 候 得 は 御 歩 行 裃 ニ 而 御 年 之 数 銭 を 四 辻 江 御 厄 落 被 成候事   御歩行帰りし上御茶屋ニ 而 御酒切餅   被下尤晩也      但男様   二五八   御女儀様   三七九      同十五日 一   御神檀 江 御神酒二対   小豆御粥 三峯   御焼肴 尾頭付 御役人御備候事 一 ‌  御 神 佛 様 御 済 之 上 御 定 居 江 御 着 坐   于 時 御 年 男 小 豆 粥 之 御 膳 (平 ほ た 二 切   坪 化 粧 納 豆) 冷 酒 三 献 長 柄 ニ 而 上 ル (右 上 ケ 下 ケ 御 年 男 也)   右 引 而 御 本 膳 (皿   汁   香 物   飯) 御 脇 (御 家 喜 物 す し 鰤   平   猪 口 〔こ ん ふ   す し〕 ) 冷酒三献御湯上ル   都 而 七日之通   御脇より段々御小姓下候事 一   朝御粥御飯を始二平共   御上並七日之通御年男へ被下候事 一 ‌  昼 御 膳 昨 日 御 年 取 御 祝 儀 兼 候 而 御 小 姓 差 上 之 御 膳 之 上 御 鱠   御 汁   御 香物   御飯御脇屋喜物鰤   猪口   冷酒三献御湯上候事   御小姓肩衣候 一 ‌  晩 七 日 晩 之 通 之 御 酒 盛 江 昨 晩 之 鎌 倉 御 祝 を も 御 兼 被 成 候 ニ 付 鎌 倉 御 祝 儀 之 分 鯨 之 御 吸 物 上 ル   御 肴 二 ニ 而 二 種 ニ 而 御 酒 盛 被 成 候   別 ニ 御 吸 物 一通り上ル 一   右畢 而 昨晩差上候筈御祝ひ之雑煮餅上ル   但し御鱠   御香物斗りなり 一   右引 而 御膳上ル   皿 すし鰤   御汁   御香物也 一 ‌  今 晩 御 年 男 之 宅 ニ お ゐ て 御 祝 儀 之 御 酒 頂 戴 ニ 付 当 番 之 御 小 姓 ハ 御 酒 肴 御 吸 物 差 上 候   後 ハ 御 暇 下 候   依 而 御 雑 煮 よ り 御 夜 食 之 御 膳 御 宮 仕 等 ハ 女中共ニ候は旧例之事 一 ‌  鎌 倉 御 祝 儀 昨 晩 之 処 御 障 日 ニ 付 今 晩 ニ 候   例 年 之 通 御 年 男 宅 ニ 而 御 家 中 一 統 御 歩 行 御 中 間 迄 御 酒 被 下 候   御 吸 物 ハ 鯨 牛 房 焼 き 豆 ふ ニ 而 御 肴 ハ 左ニ      侍分之方    一   数の子ぶりこ菜のひたし   一   すし鰤    一   各よしのすま屋喜      御歩行御中間共ヘハ    一   数の子菜ひたし   一   すし鰤    一   昆布すし   一酒五升   一統 江 也       但御役ニ 而 御在口中ハ召斗得と古年中行事ニ有 一 ‌  右 御 酒 被 下 候 時   若 殿 様 御 幼 年 ニ 候 得 は 御 年 男 之 宅 江 被 為 成 候 事 有 之 候   左 候 へ は 手 妻 と か 何 そ 芸 を す る も の 御 家 来 之 方 ニ 而 呼 寄 入   御 覧 ニ

(12)

候事有之候 一 ‌  右 御 祝 儀 江 御 家 中 出 仕 以 前 之 世 忰 共 も 罷 出 候   御 役 人 の 心 得 ニ 而 後 ト ニ て蓋のめし被下候   尤一統なり 一   御年男之宅 江 宅 江 御台所より下候品左ニ     一   炭   大すみとりにて   壱ツ     一   薪   大ニ 而   壱把     一   水   油   半盃     一   大蝋燭   三挺小ニ 而 弐丁位    ‌ 但拂河新左衛門勤中之年中行事ニ   若殿様被為入候ニ付物入も可有之 鳥目弐百文被下候   但し近年不被為入候も物   入口有之ニ付弐百文被 下候と書記し有り 一 ‌  他 之 御 屋 敷 と 違 ひ 御 幼 年 御 男 子 様 不 被 為 有 候 共 年 々 右 之 通 御 祝 儀 有 之 候事 一   右御祝儀御年男之宅ニ 而 可致筈ニ候へ共手狭御家頼御膳番之宅備候事 一   明朝之別当御役人より申伝候事      同十六日 一 ‌  朝 五 ツ 時 初 御 祈 禱 ニ 付 金 照 (9 ( 寺 御 玄 関 よ り 罷 出 候   御 二 階 江 通 り 候   御 祈禱前山椒味噌田角餅出之御茶出ル 一   御惣体様にも田角餅上候事    御神檀 江 御供物左之通    御神酒一対   小餅十   生り物 (栗よふの物)    干菓子 (松風よふの物) 御洗米   燈明   二       右は三峯壱膳ニ纏敷紙有り   外ニ山田重 江 白米壱升御初尾弐百文     ‌ 但拂河新左衛門勤中之年中行事ニハ四節御祈禱之節ハ弐百文ニ候へ 共初御祈禱ハ弐匁五六分より三匁位としるしあり   右之通御番所より別当出御備之上に金照寺勤行致候事 一 ‌  右 畢 而   殿 様 御 裃 御 二 階 江 被 為 出 候   于 時 御 小 姓 一 ツ 御 盃 三 峯 昆 布 斗 之 (敷 紙) 三 峯 出 ル   御 下 捨 へ き 御 双 方 江 出 ス   御 小 姓 御 長 柄 銚 子 持 出 ル   金 照 寺 始 江 肴 被 進 三 献 ニ 加 ひ   殿 様 江 上 ル   肴 差 上 三 献 被 召 上 候   右 御 盃斗相済御吸物   御口取   大平   右二種出ル   暖酒 (松ゆつりは付候   御 銚 子 也) 出 ル   畢 而 御 膳   御 脇 (平 油 揚 ニ 候   坪 牛 房 あ へ 物) 御 湯 (湯 桶 に て) 上ル   右引 而 御煎茶御菓子出ス   即罷帰候 一   右御供物即下ケ   殿様上様御神酒御頂き被遊候事 一 ‌  天 徳 ((1 ( 寺 年 礼 ニ 被 参 候   御 客 対 ニ 而 御 逢 被 成 置 候   御 菓 子 八 寸 御 煎 茶 被 差出候事     ‌ 但 跡 よ り 瀬 戸 重 江 御 肴 弐 種 吸 物 壱 通 御 酒 壱 湯 御 拵 被 遂 候 事 も 有 之 候   此 方 様 御 供 廻 へ 御 酒 為 給 候 得 は 天 徳 寺 伴 僧 共 へ 料 ニ 而 被 下 候 事 も あ り 一   一季御歩行並御下男共御暇願小頭を以て願申出候 一   先年より御卒去被成候   御方々様御年廻取調申上候事     ‌ 但 御 年 回 御 当 り 之 御 方 様 御 祥 月 御 佛 事 被 成 候   御 方 様 認 御 役 処 江 張 出し候事 一 ‌  天 徳 寺 江 御 手 懸 之 儀   義 □ 公 様 江 御 伺 申 上 候 所 前 度 よ り 惣 而 出 家 へ ハ 御 手懸不被指出候段安政六未正月十二日波多野新太郎を以被仰出候      同十八日

(13)

一   御神檀 江 御神酒壱対御備候事      同廿日 一   皿 江 もくさ置火付ケて御茶屋入口地ふくへ差置候事   但御悉皆也 一  ‌ 御具足之餅御開 ((( ( き前度今日之儀御障日ニ付明日ニ成候 一 ‌  忌 懸 ニ 無 之 共 死 人 在 之 家 江 今 日 行 候   右 ハ 明 日 之 御 具 足 餅 拝 領 被 仰 付 不申候事      同廿一日 一 ‌  御 具 足 之 餅 箱 侭 御 年 男 下 之 右 餅 染 ひ ん ((1 ( ニ 致 御 砂 鉢 ニ 盛 り 三 峯 御 直 々 御 備御拝被成置候事 一 ‌  右 御 開 き 之 餅   御 奥 様 御 裃 御 定 居 江 御 居 ハ り   于 時 御 具 足 餅 之 御 膳 (皿 す り 大 根 猪 口 さ と う 御 香 の も の) 御 小 姓 上 之 冷 酒 三 献 長 柄 ニ 而 上 ル   右 引 而 御 不 断 之 御 膳 差 上 候 事   餅 (や か す) 但 初 差 上 候 時 ニ 御 椀 之 蓋 小 姓 江 生 餅 七 八 歩 位 ニ 切 二 ツ (目 黒 白) 差 上 候   前 代 ハ 生 餅 ニ 而 御 頂 き 候 事 ニ 有 之候得共御戴きにくき故ニせんひんニして被召上候事   御鱠ハ精進なり 一 ‌  御 女 儀 様 ニ ハ 御 鏡 の 餅 (御 重 ハ や き) 御 開 ら き ニ 候   右 餅 せ ん ひ ん ニ し て被召上候   服忌ある人ハ御具足餅御頂き不相成候故御鏡之餅被下候事 一 ‌  御 家 中 御 奉 公 仕 候 面 々 不 残 帯 刀 之 ま ゝ 裃 着 用 御 広 間 江 列 座 (御 附 人 御 膳 番迄南うしろニ着座) 頂戴す   膳之上皿すり大根は精進也   香の物斗也   冷酒三献被下候   御歩行御中間共宮仕之候   御歩行御中間共ハ御台処ニ 而 頂戴仕候     但御役人心得を以砂糖出候事も有之候    ‌ 但服忌ある面々ハ拝領ニ不罷出候   且右餅せんひんに拵候ハ御歩行御 中間之役也   御台所囲炉に候一円女之手さゝせぬ事専一なり 一   御鏡之餅御附人之妻女共 江 被下候事    但御茶屋ニ 而 せんひん之事ニハ無之候   生餅宅 江 下ケ被下候事 一  ‌ 宝鏡 ((1 ( 院へ御使者裃を以春御祈禱御願被成候   同院 江 御初尾拵包昆布 (紙 ニ 而 包 む) 被 遣 候   こ ん ふ 無 之 節 ハ 串 柿 弐 連 ニ 候   右 御 初 尾 拵 包 内 五 包 ハ方丈三包泉光院弐包ハ伴僧ニ候   御手廻様御年齢認遣候事     ‌ 但前度ハ宝鏡院四ツ時分被越候   御昼飯御振舞御酒も被指出候   尤 供 廻 り 無 残 支 度 被 下 候   御 差 障 有 之 候 得 は 同 寺 江 御 頼 被 成 候 得 共 近 年御障無之共御頼被成候   尤御使者裃着用罷越申候 乗 ル 広蓋 江 白銀拾匁 此所昆布 一    ‌ 但 昆 布 一 反 無 之 串 柿 被 遣 候 時 ハ 串 柿 二 連 と 認 候 事   水 引 ニ 而 結 候 (資 料 5) 一 ‌  例 年 之 通 御 歩 行 御 中 間 共 被 留 置 候 も の 御 暇 被 下 候 も の 小 姓 江 御 膳 番 申 渡候事      同廿二日 一 ‌  宝 鏡 院 よ り 以 使 僧 御 祈 禱 之 御 守 札 並 経 巻 軸 物 し や く ぢ や う 等 被 遣 候   即入御晩翌日迄御使者を以御返礼被遣候事

(14)

     同廿四日 一   今日天神様御祭事之所三月ニ被改置候      同廿八日 一   御餅搗ニ候   粳     但御年賀之御方様不為有候共年々右之通ニ候事 一 ‌  御 惣 体 様 へ 御 居 ハ り の 小 餅 二 せ い 貝 盆 ニ 入 き な 粉 懸 ケ ざ つ き の 御 膳 へ 乗せ海老壱疋添十一日之通差上候事 一 ‌  御 神 檀 江 御 神 酒 壱 対 小 茶 碗 弐 ツ へ 腰 高 饅 頭 位 之 小 餅 弐 ツ ツ ヽ き な 粉 拭 上候事      同晦日 一   御座敷明之方 江 大三十日之通年縄掛候事 一   御銚子若水桶結ひ直し候事 一 ‌  九ツ時御神檀 江 御神酒一対白御飯 三峯 御屋喜物全頭やうの者御役人御備 之上御拝被成置候事 一 ‌  同 時   御 惣 体 様 御 揃 御 着 座   于 時 御 昼 御 膳 (鱠 〔大 根   に ん し ん   ふ り こ〕 香 の 物   御 飯) 汁 (つ ゝ メ 牛 房 わ ら ひ) 御 脇 (平 は ん へ ん   す し 鰤   こ ん ふ す し) 冷 酒 三 献 上 ル   但 今 日 結 直 し 候   御 銚 子 ニ 而 右 御 宮 仕 御 小 姓 肩 衣 ニ 而 上候事   御湯釜ニ 而 よろし 一 ‌  晩 於 御 上 ノ 間 ニ 御 酒 盛 被 成 候   御 吸 物 一 通 御 口 取 (取 合   五 合) 御 浜 屋 喜 (頭付き) ニ 而 被召上候 一 ‌  右 畢 而 御 夜 喰 之 御 膳 (皿 〔阿 そ 魚   す し 鰤   付 り〕 香 の 物) (汁   御 飯) 御 脇 冷酒なし御湯上候事 一 ‌  御 厄 拂 ひ 罷 上 り 候   御 出 入 之 神 主 有 之   旧 冬 之 分 と も 一 同 ニ 祝 儀 被 下 候事も有之候      二月朔日 一   豆からニ 而 火焚初御座敷掃初若水為汲候事   元日之通候 一 ‌  御 神 佛 様 江 御 備 膳   御 惣 体 様 江 小 角 御 膳 御 薄 茶 餅 御 膳 御 本 膳 御 脇 御 冷 酒 ニ至迄惣 而 御料理元日之通ニ候事     但し松なすハ不差上候 一   昼御膳御晩酒盛共元日之通ニ候 一   御年男へ朝昼餅御飯共元日之通り被下候事 一   朝昼晩共   殿様御肩衣被為召候故御宮仕之御小姓も肩衣着用之事      同二日 一 ‌  御 下 男 共 出 代 ニ 候   新 ニ 御 抱 ニ 罷 成 候 も の へ ハ 御 台 処 ニ 而 朝 支 度 被 下 候事     但へき茶碗   被渡下候事 一   御歩行並御中間共迄敷莚壱枚ツゝ被渡下候事      同五日 一 ‌  朝 御 年 男 裃 年 縄 外 し 候   右 年 縄 御 台 処 江 下 ケ 置 味 噌 煮 し 時 御 用 ひ ニ 相 成候事 一 ‌  御 神 檀 並 御 内 佛 様 江 差 上 候   舞 玉 を 始 御 客 対 処 し 餅 花 共 無 残 卸 し 候   右 舞 玉 豆 粳 右 三 品 煎 り   御 神 佛 様 江 御 備 ニ 候   御 銘 々 様 へ も せ い 貝 盆 ニ 入海老壱疋添ざツき之御膳ニ乗せ御居ハり候事

(15)

     同廿八日 一   御雛御飾り被成候   但廿九日晦日御日柄ニ付今日被成候      三月二日 一   節句ノ餅搗ニ候 粳          同三日 一 ‌  御 神 檀 江 御 神 酒 酒 一 対 (へ き   梅 の 枝) 砂 鉢 江 餅 三 切 (内 一 ツ よ も き   四 寸 四 方 也) 三 峯 小 茶 碗 二 ツ へ 二 切 (内 壱 ツ   よ も き) き な こ 懸 御 役 人 御 備 候事 一   御内佛様へも二ツ宛きな粉懸上候事 一 ‌  御 神 佛 様 御 納 被 成 置 上 御 定 居 へ 御 揃   于 時 御 年 男 御 膳 (汁 椀 四 寸 四 方 ノ 餅三 〔内一ツよもき〕 平ぼた二蓋豆の粉左へ置) 差上候   餅三ツ之内上之よも き斗やき候   右半分斗被召上候   冷酒三献上ル   御盃三峯桃の枝壱本添 御銚子ハ□重御用ひ之分也   ‌ 右 引 而 (以 上 御 年 男 上 ル) 御 本 膳 (皿   汁   香 の 物   御 飯) 御 脇 塩 い わ し 冷 酒三献御宮仕御小姓上ル之御湯上ケて引之也 一   朝餅御飯御上並ニ 而 御年男 江 被下候事 一   御規式御下り之餅右同人 江 被下候事 一   御手拭湯鉢 江 ひし餅五 (内二ツ   よもき) 三峯桃枝壱本のし包添 一   晩御吸物一通御肴二種ニ 而 御酒盛之事      同十七日 一   藤倉観 ((1 ( 音 江 御代参 御膳番 被上候      同廿四日 一 ‌  天 神 様 御 影 御 軸 (竹 堂 ((1 ( 様 御 筆 ニ 無 之 候) 御 神 檀 西 ノ 方 江 懸 御 机 を 居 御 神 酒赤強飯御菓子御備之事 但今日中仕舞候事      ‌ 但   若殿様被為入候節ハ御家中世倅共罷出甘酒強飯等拝領被仰付 候事有之候 一   八橋村   天満 ((1 ( 宮へ御代参 御膳番     但   帰候上御頭付之御肴ニ 而 御酒被下候事     右年中行事御役所日記ニも見得たり 一 ‌  正 月 廿 四 日 天 神 様 御 祭 事 御 備 白 餅 御 開 き ニ 候 所 慶 應 元 丑 年 よ り 今 月 ニ 相 成 候   先 ツ 御 神 檀 之 間 西 之 方 江 前 々 よ り 御 伝 来 之 御 影 御 軸 物 御 役 人 懸 之 前 へ 御 机 を 置 梅 の 花 花 筒 ニ さ し 上 ル   御 神 檀 前 江 か づ き ご も 敷 候   向 て左之方へ梅の花細口ニさし上置其後御茶屋仕末宜候ハヽ即申上候   左 候 へ は   殿 様 御 裃 御 直 々   竹 堂 様 御 筆 御 影 候   御 懸 物 御 懸 被 成 置 候   于 時せんひん (白砂糖かゝる) 三峯御神酒壱対御屋喜物 全頭 三峯 (八寸なり) 御 菓 子 重 (練 り よ う か ん   白 ま く り) 八 寸 御 直 々 御 二 処 共 御 備 被 成 置 候   其 後 御 納 被 成 候   御 同 苗 衆 御 附 人 御 役 人 御 年 男 (孰 れ も 裃 着) 迄 敷 居 内 ニ 而 拝礼被仰付候    但藤吉様御実母之御飯ニ候節御敷居外ニ 而 御拝被成候事有之候 一 ‌  右 御 神 拝 後 御 定 居 へ 御 着 座   御 同 苗 衆 御 同 座 也   御 附 人 御 役 人 御 次 之 間 へ 罷 出 ル   于 時 御 口 取   御 鉢 尾 頭 付 有 右 二 種 出 ル   殿 様 木 盃 ニ 而 冷 酒 三献被召上右御盃御役人迄段々御巡盞ニ三献宛拝領被仰付候   其後暖酒 頂戴す

(16)

一 ‌  右 畢 而 餅 之 御 膳 (皿 〔す り 鱠   海 老 壱 ツ〕   猪 口 太 白   御 香 の 物 な り) 上 ル   冷 酒 三 献 上 ル   御 膳 (平 汁   香 の 物   御 飯) 御 引 落 し ニ 而 上 ル   御 湯 右 引 而 御煎茶出候     但御宮仕御小姓肩衣ニ候 一 ‌  御 附 人 御 役 人 御 前 ニ お ゐ て 御 酒 頂 戴 被 仰 付 餅 以 下 ハ 御 茶 屋 ニ 而 被 下 候 事 一 ‌  御 供 物 御 直 々 御 下 被 成 候 後   竹 堂 様 御 筆 之 御 軸 御 直 々 御 仕 舞 被 成 候 御 下りし御茶菓子御神酒御肴御頂之上御同苗衆ハ不申及御役人ニ至迄御菓 子 三品 御屋喜物少々宛紙ニ包ミ被下候事     但し梶山□□御内意病気中右供物被下候事有之候 一   御余り之餅有之候得は御宮仕之者へ一膳ツヽも被下候事有之候 一   安政六未正月都屋住御附人 江 は御酒御餅等不被下置候段被仰渡候      同廿七日 一 ‌  今 明 日 之 内 泉 村 大 日 ((1 ( 尊 へ 御 社 参 被 成 置 候 者 御 直 参 之 節 は 泉 福 ((1 ( 院 へ 御 礼 銀壱匁   御初尾   包御初大柏子   御代参之節ハ御初尾   包御初 一   今明日之内強飯御神酒御神檀へ御備之事 一   御代参相勤候者帰之上尾頭付肴ニて御酒被下候得共近年無之候      四月四日 一 ‌  小 八 幡 ((1 ( 宮 へ 御 代 参 御 膳 番 裃 飴 草 あ ん ひ (11 ( ん (数 三 十) 求 メ 帰 候 事 右 二 品   御 佛 様 江 御 備   御 惣 体 様 へ も 差 上 候   ざ つ き せ い 貝 盃 ニ 入 海 老 壱 ツ 添 也 (海老なき時ハのし添)    ‌ 但拂河新左衛門勤中之年中行事ニあめあんひんの外ニ串柿三本求候と 有之候へ共近年無之候   年信様御日記ニ辰年より被止置候とあり      同五日 一   御神檀 江 御神酒一対赤強飯御備之事      同七日 一  ‌ 今明日之内古四王 (1( ( 宮 江 御代参 御膳番 被云置候事      同十四日 一 ‌  明 日 之 別 当 御 役 人 よ り 申 伝 候 事   甘 酒 造 候 事   御 香 替 江 御 役 人 申 付 候 事      同十五日 一   赤強飯蒸懸候 粳壱斗五升 一   御神檀 江 御神酒一対小茶碗弐ツへ強飯燈明御役人御備之事 一 ‌  御 氏 神 様 御 祭 事 ニ 付 金 照 寺 罷 出 候   御 祈 禱 畢 而   御 惣 体 様 御 参 詣 被 成 候   御供物御下り候上御神酒強飯洗米斗御惣体様御頂き被成置候事        御供物左之通    御稲荷 (11 ( 様へ     一   白餅十   栗   干菓子   御洗米 (三峯)     一  ‌ 御 神 酒 (甘 酒) 一 対   強 飯 藁 苞 二 燈 明 一 三 峯 ニ 而 上 ル   し と き 二 捌 (わら敷) 鮒二   御捌わら敷候 而 上ル    三宝荒神へ

(17)

    一 ‌  御 神 酒 三 ツ (甘 酒) 強 飯 小 茶 碗 三 燈 明 壱 ツ 三 峯 也   黒 御 膳 也 上 ル 一   御絵馬金之緒   御両宮へ御納メ被成候 一   金照寺へ御初尾   白米壱升ニ候   御祈禱畢 而 強飯御茶御菓子被指出候 一 ‌  御 手 廻 様 御 壱 人 は 一 銅 ツ ヽ 包 御 初 御 下 り 之 御 供 物 別 当 江 被 下 候 し と き 生魚ハ下別当御中間拝領之事 一   右之外御宮 江 用意之品々左之通      一   包御初尾 (へき)     一   御手水之事      一   火打箱             一   沈香      一   半紙              一   薄へり弐枚      一   かや壱本           一   しめ縄之事      一   裂板小刀 一 ‌  右 之 外 飯 櫃 江 強 飯 を 入 御 祈 禱 前 ニ 御 宮 江 持 参 り 御 参 詣 相 済 候   後 半 紙 半 分ニ強飯包ミ御家中御歩行御中間迄子供三人居れハ亭主分共四包ミ五人 居れハ六包宛被下候 (残れハ別当下別当して分ケル) 一 ‌  上 々 様 へ 強 飯 御 煮 〆 (豆 ふ 茸 ふ き に し ん こ ん に や く) 付 に て 御 小 姓 肩 衣 さ し上候 一 ‌  当 番 之 両 御 小 姓 へ 御 茶 屋 ニ 而 強 飯 (平 ノ 蓋) 御 煮 〆 (小 皿) ま て 拝 領 被 仰付候 一   御親類様へ御配り御附人御役人 江 一重宛被下候事 一   山崎道祖神へ御備分御下屋敷守ニ渡遣之候事      一   強飯壱重     一   蝋燭小弐丁 (内一丁御堂   内一丁室宝寺行)      一   半紙拾枚     一   御初      一   白米壱升   右御初尾堂宿室宝寺へ持参   同寺より御幣を切りもらひ御堂 江 納置候事     同廿八日 一   御幟御小簱立候事     但御幼年之御子様不被為入候   共年々被立置候事     五月四日 一   笹巻柏巻女中共巻候事 一   御本屋始御屋根無残表裏御長屋共御中間菖蒲蓬指候事 一   かづき巻之餅搗候   粳   ‌ 御歩行御中間共御台処ニおゐて巻候   御配り分ハ十把を合せ一束ねニ致 候   一把之巻根左ニ (資料 6) 燈心から 壱ツ入 右通十把束ねて 御手拭御配りとす 一 ‌  御 年 男 菖 蒲 三 本 蓬 弐 本 を 紙 よ り ニ て 三 所 編 み 外 菖 蒲 弐 本 蓬 壱 本 位 紙 よ りニて三所結ひ是を今晩御枕御布団之下タへ御敷被成候   御人数たけ拵 ひ候   右紙よりニて結ひ候所へ紅付候事      同五日 一 ‌  御 神 檀 江 御 神 酒 一 対 (菖 蒲 蓬 添 へ き) 鉢 江 か つ き 巻 五 ツ (菖 蒲 蓬 添 三 峯) 御役人備之御内佛様 江 も上ル 一 ‌  御 神 佛 様 被 為 済 御 定 居 江 御 揃 御 着 座   于 時 御 年 男 善 い 事 聞 の 三 峯 上 ル  

(18)

鉢 江 皮 む き い も 拾 本 位 中 程 紙 よ り 二 本 ニ 而 一 処 結 ひ 紅 付 ル   三 峯 前 の 方 へ竹の子弐本生皮付いも弐本しほ手弐本菖蒲弐本よもき弐本何れも弐本 ツヽ置差上候得は   御銘々様善い事聞被遊候 一 ‌  右 引 而 粽 の 御 膳 (平 ほ た 二 切   飯 椀 か つ き 笹 五   汁 椀 き な 粉   御 香 物) (慶 應 二 年 よ り 止) 御 年 男 上 ル   御 盃 三 峯 (菖 蒲   よ も き) 冷 酒 三 献 朔 届 之 御 銚 子 ニ 而 上 ル   (以 上 上 下 共 御 年 男) 右 引 而 御 本 膳 (鱠   汁   香 物   飯) 御 脇 塩 いわし 冷酒三献御湯御宮仕御小姓上下候 一   御手懸錫鉢へかつき巻一束菖蒲蓬のし添 一   御配り之粽へのし包ミ添女中使ニ 而 被進候事 一   朝かつき巻を始御飯共御上並御年男 江 被下候事 一 ‌  御 惣 体 様 江 御 昼 笹 巻 柏 巻 上 ル   ざ ツ き 御 膳 ニ て 坪 煮 〆 (竹 の 子   や き 豆 腐   ふきいも   いわし) 御香の物さし上候事 一   御家中一統見習之者迄も笹巻柏巻煮〆共へきにて拝領被仰付候事 一   晩御肴二種   御吸物一通ニ 而 御酒盛三月之通ニ候      同十六日 一   朝金照寺四節御祈禱ニ罷出候   御祈禱畢 而 御吸物一通御肴口取    大平   右弐種ニ 而 御酒御振舞    御膳   御脇ニ 而 御飯御湯出ル   引 而 御煎茶御菓子被指出候     ‌ 但近年金照寺より断ニ付初終りのミに被成下度儀抔五月九月ハ御断 ニ付御初尾ニ 而 増被遣候事   御供物左之通 一   御神酒一対白餅十なり物干菓子御洗米右御戴被成候   別当肩衣ニ候      六月朔日 一 ‌  御 神 檀 江 御 神 酒 壱 対 小 茶 碗 へ き 二 ツ へ 干 餅 二 切 ツ ヽ 上 候   御 佛 様 江 も 御 備之事   一 ‌  御 惣 体 様 へ 御 居 ハ り ざ ツ き せ い 貝 盆 江 干 餅 五 切 宛 上 ル   海 老 一 ツ ヽ 添 候 一   御例御番所両御小姓中 江 干餅五ツ切位ツヽ海老添被下候    但差入中忌中等ニ候得は不被下候      同五日 一 ‌  天 王 村 天 王 (11 ( 宮 明 六 日 よ り 七 日 迄 之 祭 礼 右 江 梅 津 藤 十 郎 様 よ り 御 代 参 立 申候   依 而 以御使者扇子 (御人数たけ) 大蝋燭弐挺御初尾被遣御祈禱之儀 御頼被成候   御扇子梅津家より返り候得は   御神檀 江 納置候事    但脇御屋敷ハ御子包方之御召物なと被遣候御家も有之候      同八日 一 ‌  通 町 小 林 孫 八 よ り 天 保 年 中 献 上 に 相 成 候   大 日 尊 御 祭 事 ニ 付 金 照 寺 罷 出候外ニ出家弐人宝鏡院より参候      御神檀 江 御供物左ニ      一   白丸餅一重   黒御膳ニて      一   白小餅十   生り物   干菓子   洗米   三峯      一   染餅鉢ニ盛り御神酒一対   三峯      一   花 細口ニ 而 燈明      一   御初尾   白米壱升ツヽ三人ヘ山田重   右御備之上勤行有之候   畢 而   殿様 御裃 御拝被成置候事 一 ‌  小 林 孫 八 江 前 日 手 紙 遣 し 今 日 罷 出 候   当 人 よ り 樽 二 蝋 燭 二 挺 献 上 有 之  

(19)

直々御備ニ相成候   御目通り被仰付   御神檀拝礼被仰付候   御役所ニお ゐて御酒餅御料理御茶子被下候事 一   御小座ニおゐて金照寺御取扱左之通     吸物一通   御口取   大平     鉢 (指身)   冷酒三献夫より暖酒出ス   ‌ 右 畢 而 餅 御 膳 (皿   猪 口 さ と う 香 の 物   餅 せ ん ひ ん 雑 煮 と も) 御 本 膳 (平 汁 白 飯) 御 引 落 し に て 御 小 姓 差 上 候   御 湯 上 ル   右 引 而 煎 茶 菓 子 銘 々 出 之 候事 一 ‌  御 供 物 御 神 酒 御 頂 き 被 成 候   右 御 備 之 内 白 丸 餅 壱 ツ 献 上 樽 之 内 一 御 歩 行使を以孫八宅 江 被下候事   其余ハ別当 裃 へ拝領被仰付候事 一   御役人 裃 は不申及別当並御宮仕御小姓へ餅拝領被仰付候      七月朔日 一 ‌  今朝御内佛様へ御膳 当時十二膳 上ル   御料理左之通   御惣体様御拝領被 成候     ‌ 御膳 (御皿 〔堅瓜   すもも   葛に〕 御汁 〔霰麩   のり〕 御坪あへ物   御飯)     御脇 (御平 〔油あけ豆ふ   なす芹〕 御香の物) 一 ‌  今 明 日 二 日 其 向 江 切 子 燈 籠 大 壱 ツ 小 ニ 而 弐 ツ 注 文 致 候 事   先 年 小 野 家 内 佐木□六郎と申者 江 頼候遣候品左ニ      一   美濃紙廿五枚     一   大方廿六枚      一   半紙   壱帖      一   杉原   弐枚      一   中奉書   壱枚       右細工料三百文仰ニ候         同六日 一 ‌  御 召 御 具 足 始 御 伴 具 足 御 歩 行 御 下 男 共 着 料 其 外 御 幕 御 馬 具 等 御 虫 干 被 成 候   左 候 得 は 御 例 御 番 所 よ り 不 寝 番 出 候 事 (但 御 役 所 よ り 御 番 之 人 へ 御 酒被下候事あり) 一   高燈籠柱今日立候   明晩より燈籠上候事   一   今晩小豆御膳上ル   茄子豆腐之御平へ摺こま懸      同七日 一   御神檀 江 御神酒壱対御備候事 一 ‌  朝御膳 (皿   汁   香物   御飯) 御脇 塩いわし 冷酒三献御湯御小姓差上之候 事 一   御昼素麺御小姓上ル   御膳ざツきニ候     御小皿 (からし   むかツ)   御皿素麺 但平ノ蓋する 御小皿梅漬    右引 而 昼御膳御小姓差上申候 一   晩之御酒盛御吸物一御肴二種ニ 而 五月節句晩之通ニ候     同十日 一   金照寺金毘羅山御祭礼御社参御礼銀      包御初尾十二銅ニ候   御代参なれハ 一   御神檀 江 御神酒一対強飯御備ニ候   右金毘羅山御祭礼六月ニ成候 一  ‌ 御墓御掃除天徳寺永源 (11 ( 院声体 (11 ( 寺 江 御歩行御中間被遣候 一   御上はしめ御役所詰所〳〵之行燈張替候事

(20)

    同十一日 一   御女儀様今明日之内御墓御参り被成置候事     一   あらひ米 (なす木瓜米)   一花     一   小蝋燭      一白張燈籠二     一   布施 (弐拾五文ツヽ二ケ処)     同十三日 一   切子燈籠大壱ツ御蝋燭共天徳寺 江 被遣候     但宝暦十一巳年堀田藤内御使者ニ 而 被遣候事御日記ニ有り 一   御客対処御棚之前 江 御盆棚仕組候   御膳番肩衣ニ 而 罷出候    一   真中 江 阿弥陀佛之懸物掛候    一 ‌  向 て 右 之 方 ヘ ハ 門 光 院 様 御 東 院 様 鎌 剛 院 様 養 貞 院 様 貞 隆 院 様 向 て 左 之 方 ヘ ハ 観 □ 院 様 貞 寿 院 様 慧 秋 院 様 真 空 院 様 之 御 懸 物 左 右 江 懸 ル 真 下 へ 御 先 祖 様 は し め 他 江 被 為 出 候   御 方 様 之 御 法 名 書 之 紙 を す り 右 掛 物 紙 江 認 候   御 法 名 洩 れ た る 御 方 様 ハ 御 佛 檀 有 之 御 牌 御 飾 立 候 相成候   一円ニ蓬の葉敷候   細目素めん浜なすせんへい之類品々上 候事   一 ‌  前 へ 大 机 置 御 膳 御 備 ニ 成 候   其 前 に 黒 の 御 机 置 花 二 瓶 蝋 燭 三 四 ツ せ ん香立テ御香炉等差置申候     但左右 江 切子燈籠弐ツ 一 ‌  御膳御備之上申上候得ハ   殿様 御肩衣   上々様御拝被成置候事 一   御霊膳御料理御献立左之通    七月十三日昼品     酢あへ (堅瓜   干こんにゃく   しそ   蓮根   めくり)   汁 (唐瓜)     平 (焼豆ふ   さゝけ   なす)   香の物   白御飯   同日御夜食     蕎麦   へき味噌   御香の物   同十四日未明     暁餅 (但小豆付) (重之内へ蓬葉敷餅五ツ七ツ位入弐段上ル)   同日朝御膳     平 (へきとうふ   めくり)   汁 (すくりな)     坪 (さゝけ   こまあへ)   香の物   白御飯   同日御昼     真桑瓜   同日昼御膳    ‌ 酒ひて (引瓜   梅そうめん   ねりいご)   平 (ころもよし) (やき豆ふ   牛房   塩せんまへ)   汁 (根いも   なすひ)     坪 (こまあへ   葉にんしん)   香の物   白御飯     同日御夜食     平 (豆腐   なすひ   くつ煮)   小豆御飯   香の物     同十五日明ケ時     強飯 赤   御重二段ニ上ル   同日朝御膳     平 (八盃豆ふ   松も)   汁 なすひ          香の物     坪 (ひたし   干大根   切りこま)   白御飯   同日□□     素麺    梅漬

(21)

      香乃物   同日昼御膳     平 (とうふ   唐瓜   塩水ふき)   汁 (さゝけ)        香の物     坪 (なすやき)    白御飯   同日御夜食     皿 (瓜ノすあへ)    餅 (せんひん   雑煮)        香の物     御煎茶   御菓子   まんぢう 一   今日より十五日迄薄暮時松火焚候□□      同十四日 一 ‌  暁六ツ時餅搗候 粳七升 是焼の餅といふ   御棚はしめ御佛様へ小豆餅 (但 俗ニ云とり付) 御備   上々様へも上ル   ざツきせい貝盃 一   右餅御附人御役人御家中一統御歩行御中間とも迄被下候 一   朝晩迄候   御霊膳ハ前條御献立之通御備之事 一   声体寺御棚経ニ罷出候   御茶御菓子御布施ニ候     但し小僧斗ニ候得は御布施斗被下候 一   永源院御棚経ニ罷出候   御膳之上御酒被指出候   料理左ニ     ‌ 酒 ひ て (引 瓜   梅 そ う め ん   ね り い こ   し ゐ 茸   干 こ ん に や く)   汁 (ね いも   なすひ) 茶わん酒   香の物   めし     二     平 (焼豆ふ   牛房   塩せんまい)   坪 (こまあへ   葉にんちん)     湯    茶   茶子御布施 一 ‌  御 親 類 様 よ り 御 代 香 参 候 へ ハ 御 香 炉 二 畳 目 被 置 諸 士 罷 出 候 得 ハ 三 畳 目 へ置候事      同十五日   御祝詞なし 一 ‌  明 六 ツ 時 赤 強 飯 為 蒸 候 粳 七 升 御 棚 は し め 御 佛 様 へ も 上 ル   上 々 様 へ 上 ル 一 ‌  右 強 飯 御 家 中 一 同 御 歩 行 御 中 間 迄 暁 乃 餅 之 通 被 下 候 (士 ハ 御 重 ニ 而 被 下 候   御歩行へハせい貝盃御下男ハ平の蓋也) 一 ‌  御 盆 棚 御 備 物 御 朝 昼 御 夜 食 迄 之 御 膳 等 ハ 前 條 御 献 立 之 通 上 ル   御 茶 御 菓子御備今晩中御仕舞被成候事 一 ‌  御上様朝御膳之時御礼目ニ付御皿塩いわし御汁 (くツ煮   豆ふ)   御昼素麺例之通ニ 而 御小姓上ル 一 ‌  九ツ時御神檀 江 白御飯   三峯御屋喜物 弐鉢 三峯御神酒一対御備之事 一 ‌  同 時   御 惣 体 様 御 定 居 へ 御 着 座   于 時 御 年 男 蓬 飯 小 魚 御 規 式 之 御 膳 御 皿 (生 魚   く す   つ ミ 七 疋) 御 香 の 物 御 飯( 小 サ き 握 め し 壱 ツ 蓬 葉 ニ 入 屋 柴 と云竹ニ 而 一処結二包ミ赤の汁椀ニ入ル也) 上ル   冷酒三献御盃三峯ニ 而 上候     ‌ 但御皿の生き魚はね上り御膳等ニ落死す候得は替敷故   御惣体様御 分 大 鉢 へ 御 取 纏 ニ 而 近 年 差 上 候   左 候 ヘ ハ 御 膳 之 上 な ま く さ き 物 無 之ニ付御皿ほた二ツ宛差上候   又蓮飯御両親様御持被遊候得はにき りめし二ツ入るゝなり都合四ツニ成候   ‌ 右引 而 (以上御年男) 御本膳 (皿 〔魚   堅瓜海老   しそめうか〕   汁 〔なまくさ   ね いも   なす〕 香の物   めし)   御脇 (屋喜物刺鯖二 〔骨をとりてほして置焼〕 平 〔む かつ焼豆腐   牛房   塩せんまい〕 )   冷酒三献御湯御宮仕之御小姓差上候

(22)

   但元文三午年の御日記ニハ十四日御祝に刺鯖用るとあり 一 ‌  御 夜 食 ニ ハ 町 よ り 搗 餅 御 取 寄 せ ん ひ ん 雑 煮 に し て 御 棚 に も 御 備   御 惣 体様御皿瓜の酢あへ御香物ニ 而 被召上候事      同十六日 一 ‌  天 徳 寺 盆 礼 ニ 被 参 候   御 客 対 処 ニ 而 御 逢 御 茶 御 菓 子 (八 寸 ニ 乗 る) 差 出 し 極 々 御 懇 意 ニ 而 此 方 様 同 寺 へ 被 為 出 候 節 な と も 酒 也 餅 な り 御 振 舞 有 之 候 へ ハ 御 勝 手 へ 瀬 戸 三 段 組 之 重 (三 品 位 す) 御 酒 茶 入 御 吸 物 一 ツ 位 に て 御 振 舞 被 成 候   供 廻 り 酒 茶 弐 種 納 豆 摺 大 根 位 之 品 ニ 而 茶 碗 酒 為 呑 候 事   近年多分左様之事不被成候 一 ‌  御 棚 よ り 御 下 り し 切 子 燈 籠 弐 ツ と も 蝋 燭 二 丁 添 御 歩 行 使 ニ 而 声 体 寺 江 被 遣候      同廿七日 一   泉村大日尊へ今明日之内御参詣被成置候   去三月之通ニ候      八月七日 一   寺内古四王宮 江 今明日之内御代参包御初十弐銅ニ候      同十五日 一   御二階次之間掃き清め御机を置   ‌ 月夜美様 江 御供物御年男裃御備之上申上候   殿様 御肩衣 御拝領被成置候    御供物左に     三峯      生大根 (弐本葉共) 御神酒 (壱対) 燈明     三峯      白餅 (弐紙) 梨桃枝大豆いものご   ‌ 右御供物暮鐘過頃御年男下ケ直々御頂き之事申上候   残物有之候得は御 年男 江 被下候事 一   御神佛様へ御備有之候   ‌ 御惣体様へもせい貝盆枝豆はしめ梨桃等海老添上ル   当番御小姓女中共 へも少々宛拝領被仰付候     ‌ 但し海老無之時ハのし添上ル   嘉永三戌年御妾のおもと鮎の頭を付 上候 而 大々御呵ニ相成候事有之候      同廿四日 一 ‌  竹 堂 様 御 筆 下 之 天 神 様 御 祭 礼 ニ 付 御 備 物 之 赤 強 飯 為 蒸 候 (粳 弐 升 小 豆 五 合) 一   御神檀 並 西之方へ奉懸候   ‌ 御神影御供物 (赤強飯御神酒御菓子御屋喜物   正月之通) 御直〳〵御備被成 置 候 事   其 外 御 同 苗 衆 御 附 人 御 年 男 迄 拝 礼 被 仰 付 候 事 迄 都 而 正 月 之 通 ニ 候事 一 ‌  御 定 居 ニ お ゐ て 御 酒 盛 御 肴 二 種 ニ 而 候   冷 酒 暖 酒 等 迄 御 附 人 御 役 人 迄 拝 領 被 仰 付 候   右 引 而 御 膳 (御 平   御 汁   香 物   御 飯) 差 上 候   御 汁 御 吸 物之代りニ差上候事有之候 一   御供物御頂き之上御附人御役人共へ拝領被仰付候事正月之通ニ候      同廿八日

(23)

一 ‌  宝 川 村 よ り 初 御 物 成 上 納 ニ 付 海 老 摺 大 根 之 生 酢 数 の 子 菜 ひ た し 右 弐 種 ニて上納ニ参候者共へ無残御酒被下候事     但来月上納候相成候事も有之候     九月九日 一   今朝未明ニ御菜園畑より茄子九ツ為取味噌漬為致候事 一   御神檀へ御神酒一対 (黄葉添) 御備候事 一 ‌  朝 御 膳 (皿   汁   香 物   御 飯) 御 脇 塩 い わ し 御 冷 酒 (黄 葉 一 枚) 御 湯 御 宮 仕御小姓差上候 一晩御酒盛御吸物壱通御肴 (御取鉢尾頭附) 弐種ニ候      同十三日 一 ‌  後 の 御 月 見 ニ 付 八 月 十 五 日 之 通 御 年 男   月 夜 美 様 江 御 神 酒 大 根 二 御 燈 明三峯栗いもの子梨もゝ類白餅二十御備仕申上候得は御拝被成置候   以 下先月十五日之通ニ候      同十六日 一   四節御祈禱ニ付金照寺罷出候   ‌ 御 神 檀 御 供 物 白 餅 十 生 り 物 (栗 十) 干 菓 子 十 洗 米 三 峯 敷 紙 御 神 酒 壱 対 ニ 候   御 初 尾   白 米 壱 升 山 田 重 御 祈 禱 畢 而 御 煎 茶 御 菓 子 被 指 出 候   直 々 別 当 (御 番 処) 御 供 物 御 頂 き 候 事 申 上 候 御 い た ゝ き 壱 は 別 当 肩 衣 へ 被 下 候 事     ‌ 但 し 前 度 御 酒 御 膳 御 振 舞 被 成 候 得 共 同 寺 江 御 断 御 初 尾 増 被 遣 候 事 ニ 相成居候      十月 一 ‌  今 月 中 ノ 亥 之 日 亥 猪 之 餅 子 御 家 中 一 統 御 客 対 所 ニ お ゐ て 頂 戴 被 仰 付 候   殿 様 御 裃 正 面 江 御 出 座   于 時 錫 之 大 鉢 江 盛 り 御 餅 子 (大 豆 粉   小 豆 粉   す り こ ま) 三 峯 白 箸 添 御 宮 仕 御 小 姓 差 上 候   第 一 番 に 立 原 (無 汲 た り 共) 罷 出御鳥目餅子二ツ被下候   次ニ梶山塩御役人相済外士順々ニ罷出頂戴被 仰付候     但拝領之面々肩衣ニ 而 も不苦候旨嘉永元申年被仰出候 一 ‌  同 日 夕 焼 共 御 客 有 之 候   御 酒 被 指 出 候 上 餅 御 振 舞 其 上 ニ 御 膳 御 皿 御 汁 御飯引落し 而 御振舞被成候 一   御家中一統 江 も御茶屋ニ 而 ぜんひん雑煮とも頂戴被仰付候事      十一月十五日 一   御神檀 江 御神酒一対小茶碗弐ツ 江 強飯御燈明御役人備之候事 一 ‌  御 氏 神 様 御 祭 礼 金 照 寺 罷 出 候   御 備 物 御 初 尾 御 下 り 物 御 頂 き 御 家 中 並 御下男子供 江 御備之強飯紙包ニ 而 被下候より惣して四月十五日之通ニ候 一   山崎道祖神堂へ御供物右同断之事 一 ‌  上 々 様 御 居 ハ り 御 附 人 御 役 人 へ 御 堂 ニ 而 被 下 候 事 よ り 当 番 之 御 小 姓 と もへ拝領被仰付候事共都 而 四月之通ニ候 一   御用聞納屋へ御歩行 裃 使ニ 而 御祝儀被下候      一   行器二   強飯入     一   御肴二 (背黒位□□□)      一   竹筒二 (酒五合ツヽ) 但四□      一   御祝儀弐百文大方水引ニ 而 結   ‌ 右 懸 台 ニ 乗 風 呂 敷 懸 候   御 中 間 羽 飛 ニ 而 参 候   向 方 ニ 而 御 歩 行 下 々 迄 祝

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