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IoTセンシングによるオフィス活用率測定の有効性評価─「働き方改革×オフィス改革」への適応事例─

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デジタルプラクティス Vol.10 No.4(Oct. 2019)

IoTセンシングによるオフィス活用率測定の有効性評

価─「働き方改革×オフィス改革」への適応事例─

高田 芽衣   中嶋 啓   山田 健一郎   玉垣 亮   笈田 邦彦 (株)日立製作所  (株)日立ソリューションズ  (株)日立アーバンインベストメント  近年都心の賃貸オフィス増に後押しされ,働き方改革を実現する施策として都心オフィスに移転 する企業が増加している.本研究で筆者らは,「働き方改革×オフィス改革」の実現に向け,IoT センサを用いてオフィスの活用状況を定量的に把握するための計測を行った.具体的には,オフ ィス内の複数フロアの天井に赤外線とBluetooth Low Energy対応の複合型センサを設置しエリ ア活用率を計測した.BLEを一定期間のみ使用し,赤外センサの値をBLEで補正することで,ワ ーカーに常時BLEタグを装着させなくても,赤外センサ単独では困難なエリア活用率のレベル計 測を実現可能な見通しを得た.

1.はじめに

内閣府が2016年度より「働き方改革」として推奨する「時間や場所に囚われない働き方」の実 現[1]や,社内外とのコミュニケーション増進による生産性向上等を目的として,近年,オフィス の移転を決意する企業が増えている.実際2016~2017年の間にオフィス移転を行った企業の 66.7%が,移転を機に働き方改革に着手していた[2]. その背景には,業務の効率向上だけではなく,人材不足の深刻化もある.企業は,優秀な人材 を確保するために,以前よりも快適なオフィス環境や従業員の通勤利便性を重視するようにな り,ある程度の賃料負担増を許容してでも,都心の好立地にあるオフィスへと移転するニーズが 増加している. 筆者らは「働き方改革×オフィス改革」を標語に掲げ,オフィス移転を契機として,テレワー クやサテライトオフィス活用等の施策と合わせて働き方改革を推進していくことを企業向けに提 案している. 近年のオフィス形態のトレンドとしては,従業員1人ひとりにあらかじめ席が割り振られる固 定制から,誰がどこに座っても良いフリーアドレス制に移行しつつある.さらに先進事例では, オ フ ィ ス で 行 う さ ま ざ ま な 業 務 ・ 行 動 に 適 し た 多 種 の 空 間 を 提 供 す る Activity Based Working(以下ABW)の実用化が始まっている[3].ABWとは,オフィスの中で働く場所や机 特集号招待論文 1 1 1 2 3 1 2 3

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などを仕事内容に合わせて選ぶ働き方,たとえば,1人で集中したい作業は静かな席で行い,リ ラックスしたい打合せにはソファを使うなど,目的に合わせて都度フレキシブルに場所を選んで 働くことを指す. ABWの実践にあたっては,ワーカーがオフィスでどのような作業を,統計的にどのような割 合で実施しているかに基づき,各作業に適したエリアを必要な広さで準備することが基本となる [4].たとえば2~3名での打合せが多い部署向けには,2~3名用の打合せスペースを多めに設定 する,というように,各エリアの面積配分をワーカーの働き方に合わせて設定することが望まし い.そこでオフィスの運営上特に重要となるのが,「オフィスのエリアごとの活用率」の時間推 移の測定である.活用率とは,当該エリアのキャパシティ(席数)に対する利用人数の割合であ り,その一日の時間変化を測定することで,ワーカーの働き方と提供されている各種エリアの広 さ・席数がマッチしているかどうかを判断できる. 「働き方改革」が進展するにつれてオフィスの使われ方は変化するため,活用率調査は運用開 始後も継続的に実施されることが望ましい.しかし実際には,コスト的な制約等から初期段階で は定量的な調査を行うものの,運用開始後はワーカーからの聞き取りやアンケート調整するのみ となるケースが多い. 本研究で筆者らは,オフィスの活用状況を定量的かつ継続的に把握可能とすることを目的に, IoTセンサを活用した低コストな計測手法の検討を行った.本稿では,第2章においてIoTセンシ ングをオフィスの活用状況の計測に利用した先行事例を紹介する.第3章において今回筆者らが 実施したオフィス活用率測定の取組みについて説明し,第4章でまとめと考察を述べる.

2.IoTセンシング利用の先行事例

オフィスの活用状況を定量的に把握するためにIoTセンシングを利用した先行事例は複数あ る. たとえば,各ワーカーに位置計測用端末を持たせてオフィス内の位置情報を取得し,同時に PC操作ロガーで作業状況の取得を行う方法がある[5].行動パターンを把握する有用な手法であ るが,監視下に置かれているという印象をワーカーに与えやすく,長期間の計測は肉体的・精神 的負荷となる可能性が懸念される. また,ワーカーに適切な休憩を促すことを目的として,机や椅子に加速度センサを設置してワ ーカーの離着席推定を行う方法がある[6].ワーカーへの負担が軽く,かつ安価な方法である が,多目的スペースなど,座って作業しない可能性のある場は対象外となる. 部屋に設置した赤外センサで行動計測をする試みもある.一般家庭向けに,省エネや高齢者の 見守りを目的として,赤外センサとドア開閉センサ,家電等の消費電力を計測するセンサを用い て家庭内での人の行動を識別できるか実験している[7].本検討で対象としているオフィスでの行 動とは種類が異なるが,低コストかつ居住者のプライバシーを侵害しないタグレスの行動認識シ ステムとしての特徴は共通と考えられる. 赤外センサで複数人の移動推定を行っている報告もある[8].家庭内で部屋や通路での在/不 在の2値でのみセンシングし,部屋間の移動経路を辿る.朝に誰の部屋から出て来たかにより人 の特定まで行う.各人の行動推定が目的であり,複数人で部屋を利用する際の活用率の計測は目 的としていない.

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このような先行事例を踏まえ,オフィスでのワーカーの状況把握の測定に関し,次の方針をと った.

(1)個人を識別しない赤外センサを主としてワーカーの状況把握を行えるよう,Bluetooth Low Energy[9](以下BLE)のタグを一定期間のみ使用し,赤外センサ値をBLEで補正する.

(2)必ずしも座って作業しない可能性のあるスペースの活用状況も把握できるよう,センサ を天井に設置する手法を選択する.

3.オフィス活用率測定の取組み

3.1 実験環境と実験目的 3.1.1 実験環境 実験環境としては,フリーアドレス制オフィスの複数フロアを対象とし,その天井に複合型セ ンサを設置した.この複合型センサには,表1 に示す2種類のセンサが内蔵されている.フロアに 勤務するワーカー160名に,4週間の計測期間中にBLEの名札型タグ(ビーコン)を装着しても らい,オフィス内での行動を計測した.センサ毎の利害得失を表1にまとめる.

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3.1.2 実験目的 執筆者らは,低コストで職場導入への抵抗感も少ない赤外センサを用いて,個人を識別しない 形で状態把握できるのが望ましいと考えたが,赤外センサで十分な精度が得られるか不明であっ た.そこで比較のため,個人の動きを正確に把握できるBLEでも計測を行い,BLEの測定結果を 正解として利用することにした.また,赤外センサだけでは十分な精度が得られない場合の次善 策として,BLEを一定期間のみ使用して補正するための近似式を求め,その後は,ワーカーに常 時BLEタグを装着させなくても,赤外センサ値を補正することでエリア活用率のレベル計測を実 現できるかを実験した. 3.2 赤外センサ値のBLEによる補正方法 赤外センサ値をBLEで補正する方法を検討するにあたり,赤外センサとBLEセンサ(タグ)そ れぞれにおける「オフィスのエリアごとの活用率」の定義を定めた.ここでいうエリアとは, ABWのオフィスにおいて「1人で集中して作業を行うためのブース」「複数人で気軽な打合せを 行うためのオープンスペース」等,用途が異なる什器が設置された,オフィス内の特定の場所を 指す.エリアごとに面積もレイアウト形状(壁・天井高・仕切りの有無等)もまちまちである 表1 実証に利用したセンサの種別と利害得失

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が,センサはおおむね3m間隔で天井に取り付けられているため,1エリアに含まれるセンサ数に は1~24個と幅がある.赤外センサで計測される「エリアごとの活用率」U は(1)式により定 義される. ・・・(1) N :エリア内で人の動きを検知したセンサ数 N :エリア内の全センサ数 U は,エリア内に人がいなければ0%,検知上限はエリア内すべてのセンサがONの状態で, 100%となる. 赤外センサによる人感検知は,センサ出力をそのまま用いると誤検出や未検出が多いことが知 られている.そこで移動平均フィルタを用いて平滑化した値を15分ごとに求め1サンプル値とし た. 一方BLEセンサで計測される「エリアごとの活用率」U は(2)式により定義される. ・・・(2) N :エリア内で在圏を検知したタグ数 N :エリアの定員数 N のエリア定員数は,固定席のように整然と席が並ぶ場合と,コミュニケーション目的 のオープンエリアの席とでは面積も人の入り方も異なるが,ここでは端的にエリアに設置された 椅子の数を基準とした.U もエリア内にタグを付けた人がいなければ0%だが,定員数以上に タグを付けた人が入ってくれば,100%以上の値も取り得る.時間方向には15分間の平均値を1 サンプル値とした. 今回の実験では,赤外センサとBLEセンサの両方で同じエリア内の人の動きを計測し,U とU の相関関係を表すモデルとして原点を通るn 次の多項式近似を(3)式のように仮定し た. ・・・(3) n:多項式近似の次数(値域1~6) a,b,c,d,e,f:多項式近似の係数 係数a~f を最小二乗法で求め,更にモデルと測定値の残差の二乗和が最小となる次数n を最適 解とした. 3.3 測定結果詳細 3.3.1 エリア活用率の日ごとの変化 本節では,計測したエリアの中で最も安定してデータ取得できたフリーアドレスエリアAを例 に,計測結果と近似式の算出について述べる. IR

=

U

IR NtotalNon on total IR BLE

=

U

BLE NNcapacitybeacon

beacon capacity capacity BLE IR BLE

(

) = a

+ b

+ … + f

U

MOD−IR

U

IR

(

U

IR

)

n

(

U

IR

)

n−1

(

U

IR

)

0

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日ごとの変化を見るため,複数日のデータを測定し,比較した.図1 ,図2 に同エリアで測定し た2日間分の活用率を示す.図より,赤外センサで計測される活用率U と,BLEセンサで計測さ れる活用率U の間には,一定の相関関係が見られるが,赤外センサの活用率が70%以上の領 域でばらつきが大きくなっていることが分かる. これは,フリーアドレスエリアを利用する際のワーカーの業務内容や典型的な過ごし方等,活 用率に影響を与えるワーカーの動きの頻度分布が共通しているために一定の相関関係が見られる ものの,赤外センサの活用率が高い,すなわち人の動きが激しい領域では,少人数が激しく動い ているのか,多人数があまり動いていないのかの判別がつきづらいため,ばらつきが大きくなっ ているものと推測される. IR BLE 図1 フリーアドレスエリアAの活用率(Day1)

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そこで今回,図1,図2に示した2日分のデータを重畳した上で近似式を計算することとした. 多項式近似の次数n を振ってモデル化の残差を求めた結果,図3 に示すようにn=2の時に残差最小 となり,近似式は(4)式となった. ・・・(4) 図2 フリーアドレスエリアAの活用率(Day2)

(

) = 0.36 ·

U

MOD−IR

U

IR

(

U

IR

)

2 図3 多項式近似次数nと残差(フリーアドレスエリアA)

(8)

2日分を重畳したデータおよび求めた近似モデルの曲線を図4に示す. 3.3.2 近似モデルによる補正(同エリア・同日) 本項では,3.3.1項で求めたエリア活用率の近似モデルの確認を行う.図5 に,フリーアドレス エリアAの活用率を示す.赤外センサで得た活用率(赤),BLEで得た活用率(青),赤外セン サで得た活用率を,同日を含む2日分の同エリアのデータを基に作成した近似モデルを用いて補 正した活用率(橙)を示す.15分単位で得られたデータを単純平均して1時間単位のプロットに し,1日分の結果を表示している. 図4 フリーアドレスエリアAの活用率(2日分重畳) 図5 フリーアドレスエリアAの活用率

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活用率は,赤外センサのみの計測では,10%台から90%台まで急峻に変化し,日中高いレベ ルが継続している.一方,BLEのみの計測では,活用率は20%~30%の間で推移している.図 1,図2でも示されたが,赤外センサのみの計測では,エリア利用の有無は判別可能であるが,活 用率を判別するのは困難である. 3.3.3 同エリアの近似モデルによる別日の補正 本項では,3.3.1項で求めたフリーアドレスエリアAの活用率近似モデルを,同エリアの別日の データの補正に利用できるかを検証する. 図6 に同じフリーアドレスエリアAで取得した,図1,図2とは別日の活用率データを示す.こ のDay3のフリーアドレスエリアAの赤外センサのデータを,同エリアの近似式(4)で補正した 結果を図7 に示す.補正後のデータ(橙)はBLEのみの結果(青)とレベルが合っていることか ら,この近似モデルで同エリアの別日のデータでも補正可能なことが分かった. 図6 フリーアドレスエリアAの活用率(Day3)

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この近似モデルは,「オフィスエリアの使われ方が算出時と同様」の範囲で有効であり,利用 人数やエリアの使われ方が大きく異なると精度が悪くなる.一般的なオフィスにおいては,部署 の配置転換,人事異動等が行われる半年~1年に1回程度の割合で,BLEによる計測をやり直し, 常に実態に即した近似モデルを利用すると精度を維持可能と考えられる. 3.3.4 別エリアの近似モデルによる同日の補正 本項では,3.3.1項で求めたフリーアドレスエリアAの活用率の近似モデルを,別のフリーアド レスエリアBの補正に利用できるかを検証し,モデルの適用範囲を調べる. フリーアドレスエリアAの近似式(4)をエリアBの補正に用いる前に,比較対象として,フ リーアドレスエリアBの活用率近似式を算出してみる.(4)式と同じ方法で2日分を重畳したデ ータを基に算出した.多項式近似の次数n を振ってモデル化の残差を求めた結果,図8 に示すよう にn=4の時に残差最小となり,近似式は(5)式のようになった. ・・・(5) 図7 同エリアの近似モデルによる別日のデータの補正

(

) = 1.49 ·

U

MOD−IR

U

IR

(

U

IR

)

4

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フリーアドレスエリアBの活用率(2日分)と,算出した近似式の結果を図9に示す. 図10 にフリーアドレスエリアBの赤外センサのデータ(赤)をフリーアドレスエリアAの近似 モデルで補正した結果(緑)を示す.BLEのみの結果(青)とはレベルが合わなくなり,別エリ アの近似モデルを用いての補正は難しいことが判明した. 図8 多項式近似次数nと残差(フリーアドレスエリアB) 図9 フリーアドレスエリアBの活用率(2日分重畳)

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フリーアドレスエリアAとフリーアドレスエリアBとでは,BLEの利用率に大きな違いが見ら れた.この違いは,2つのエリアのワーカーの業務内容の違いに起因すると推測される.フリー アドレスエリアAを利用するのは営業部署のワーカー中心で,顧客先への出張や打合せが多く, 席の活用率は低い.一方,フリーアドレスエリアBを利用するのは総務や財務等,コーボレート 部門のワーカー中心で,出張の頻度は営業に比べて少なく,伝票処理等のデスクワークで席を長 時間利用するケースが多い. このようにエリアを利用するワーカーの所属部署によって業務内容が異なると,計測される活 用率の傾向にも差が生じる.さらには,エリア形状(周辺に遮蔽物があるか,見通しが良いフロ アレイアウトか,等)やセンサ配置によっても大きく影響を受ける.こうしたことから,BLEを 用いて赤外センサのデータを補正する場合には,エリアごとに近似曲線を算出し,異なる近似モ デルにより補正を行う必要があることが分かった.

4.まとめと考察

本章では,筆者らが実施したオフィス活用率測定の取組みについてのまとめと考察を述べる. 本計測では,オフィス内の複数フロアを対象とし,その天井に赤外線とBLE対応の複合型セン サを設置し,赤外センサのみで計測した場合と,BLEを一定期間のみ使用し赤外センサの値を BLEで補正した場合を比較した. BLEによる補正方法としては,赤外センサで計測したエリア活用率(人の動きの検出有無によ って変化する)と,BLEで計測したエリア活用率(エリア内に在圏検知されたユーザ数/エリア 定員数)の相関曲線に対し,残差が最小になるような近似モデルを最小二乗法によって求め,こ のモデルによって赤外データを補正する. 3.3.2項の図5に示したように,赤外センサのみの計測では,エリア利用の有無は判別可能であ るが,活用率まで判別するのは困難であることが分かった.本研究で新たに提案した,BLEによ る近似モデルを利用した補正を用いることによって,エリアの活用率を計測可能な見通しを得 図10 別エリアの近似モデルによる補正

(13)

た.

5.おわりに

近年,人材不足の深刻化を背景として,「働き方改革」を目的にオフィスの移転を決意する企業 が増えている.筆者らは「働き方改革×オフィス改革」を標語に掲げ,オフィス移転を契機とし て,テレワークやサテライトオフィス活用等の施策と合わせて働き方改革を推進していくことを 企業向けに提案している. 本研究では,オフィスの利用実態を定量的かつ継続的に把握可能とすることを目的に,IoTセ ンサを活用した低コストな計測手法の検討を行った.具体的には,オフィス内の天井に赤外線と BLE対応の複合型センサを設置し,両センサの精度を比較した.また,BLEを一定期間のみ使用 して補正するための近似式を求めた後は,ワーカーに常時BLEタグを装着させなくても,赤外セ ンサ値を補正することでエリア活用率のレベル計測を実現できるかを実験した. その結果,赤外センサのみではエリア利用の有無は判別できるが,活用率のレベル計測は困難 であった.一方,本研究で提案したBLEによる補正を用いることで,赤外センサでもエリア活用 率を計測可能な見通しを得た. 今後はBLEタグを用いた計測により,オフィスにおけるワーカーの活性度やオフィス快適性向 上の用途まで広げることを目指し,検討を進めていく予定である. 謝辞 本研究において,計測にご協力をいただいた,(株)日立アーバンインベストメントお よび(株)日立ソリューションズの関係者の皆様に深く感謝いたします. 参考文献 1)内閣府:働き方改革実行計画工程表(平成29年3月28日働き方改革実現会議決定), http://www.kantei.go.jp/jp/headline/pdf/20170328/02.pdf 2)ザイマックス総研:「オフィス入居に関するアンケート」調査結果, https://soken.xymax.co.jp/hatarakikataoffice/viewpoint/column007.html

3)ITOKI TOKYO XORK:https://www.itoki.jp/xork/

4)CBRE:CBREが選択した,アクティビティベース型ワークプレイス(ABW), https://www.cbre-propertysearch.jp/article/office_workplacestrategy_2015-vol4/ 5)佐藤,岡田,神谷 他:オフィス内センサ環境を利用したワーカーの行動モデル化とその分 析,情処学会第74回全国大会, pp.3-379-380 (2019/05) . 6)池田,坪下,大西 他:環境センサを用いたオフィスワーカーの離着席推定, 信学技報, LOIS2017-40, pp.87-91 (2017/11) . 7)栢本,泰,中川 他:エナジーハーベスト焦電型赤外線・ドア開閉センサと家電消費電力に基 づいた宅内生活行動認識システム , 情処学会論文誌, Vol58, No.2, pp.409-418 (2017/02) . 8)村尾,寺田,矢野 他:疎に配置された赤外線センサを用いた住宅内人物移動推定方法 ,情処 学会論文誌 , Vol.57, No.10, pp.2175-2185 (2016/10) .

9)Bluetooth Low Energy ─ It Starts with Advertising ─ ,

https://blog.bluetooth.com/bluetooth-low-energy-it-starts-with-advertising

高田 芽衣(正会員)[email protected]

2019年,東京農工大学工学府博士後期電子情報工学専攻修了,博士(工学).1997年 (株)日立製作所入社,2016年より東京社会イノベーション協創センタに所属.現在,働

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採録決定:2019年8月14日 編集担当:平井 千秋((株)日立製作所) 従事. 中嶋 啓(非会員)[email protected] (株)日立製作所 東京社会イノベーション協創センタ サービスデザイン&エンジニアリ ング部に所属.現在,顧客協創手法NEXPERIENCEを活用したサービスデザイン活動に従 事. 山田 健一郎(非会員)[email protected] (株)日立製作所 東京社会イノベーション協創センタ カスタマーフロントプロジェク トに所属.現在,オフィス関連のソリューション検討,ビル・アーバン分野での顧客協創 活動に従事. 玉垣 亮(非会員)[email protected] (株)日立ソリューションズ 社会イノベーションシステム事業部 企画部に所属.現 在,施設IoTおよびモビリティ領域での事業開発,マーケティング,プロモーションに従 事. 笈田 邦彦(非会員)[email protected] (株)日立アーバンインベストメント ソリューション営業統括センタ オフィスソリュ ーション部に所属.現在,オフィスソリューション事業の企画・営業に従事.一級建築 士.

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