高等学校通常学級に在籍する慢性疾患生徒への認知的特性とその影響
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(2) で,“周りと同じ・違う”に対する心理状態をさ. 検定においても,心理的適応,身体的健康適応,. らに調査する必要が示唆された。. 集団同一視,「援助要請」,「セルフ・イニシアチ. 3.研究2. ブ」で有意差が認められた。心理的適応に関して. 1)目的 研究1で示された,「周りと同じ・違. は男子の有意を示した先行研究と同じ結果とな. う」が,高校の通常学級に在籍する慢性疾患生徒. った。. に特有な認知的特性がどうかを調査するために,. 3.適応感への影響. Stanton A.L., Co11ins C.A.,& Sworowski. 重回帰分析の結果,疾患の有無に関係なく,集. LA.(2001)の「慢性疾患への適応に関する影響モ. 団同一視が学校適応に影響を与えている事が示. デル」とLazarus S R、,Fo1kman S.(1984)の心理. 唆された。今回の結果は,通常学級に在籍する生. ストレス理論を適用した。この二つの理論を基に,. 徒の学校の居心地の良さを計る上で指標になる. 慢性疾患生徒が通常学級で学校生活を送る中で,. ことが明らかになった。また,rセルフ・イニシ. 「周りと同じ・違う」という認知的評価と対処行. アチブ」の重要性も示され,特に疾患を有する生. 動,心理的適応,学校適応,身体的健康適応との. 徒の心理的適応への影響が示唆された。また,疾. 関連性のモデルを作成した。. 患有のみ「援助要請」の身体的健康適応への影響. 2)対象と方法. が示され,今後の通常学級における支援の有り方. 近畿圏内の通常学級に在籍する高校生353人. の方向性を示す結果となった。. (内,疾患生徒43人)を対象に質問紙調査を行. 4.疾患種別による相関. った。調査内容は「周りと同じ・違う」に関する. 1型糖尿病と他の疾患の2グループに分けて,. r認知的評価」r対処行動」に関するもの(20項. 相関分析を行った。1型糖尿病では,3つの適応. 目)GHQ(Genera1Hea1th Questionnaire)から. において「セルフ・イニシアチブ」との相関が見. 身体的健康に関する質問(1O項目),自己肯定感. られ,重要性が示された。その他疾患グループで. 尺度を参照した心理的適応に関する質問(8項目),. は集団同一視と学校適応との間に強いう相関が. 学校の居心地度をビジュアル・アナライズ方式で. 見られたが,1型糖尿病では,r援助要請」との. 問うた学校適応(1OO分率),そしてr周りと同. 相関有が認められた。疾患種に特徴の差が確認さ. じ・違う」の比較対象として集団同一視尺度であ. れた。. った。. 4.本研究の限界と今後の展望. 3)結果と考察. 3者の語りから得られた帽りと同じ」を通常. 1.因子分析. 学級に在籍する慢性疾患生徒の特徴とすると,. 「認知的評価」と「対処行動」について因子分. r同じ志向」で留まることなく,r援助要請」と. 析を実施したところ,r同じ志向」r援助要請」rセ. rセルフ・イニシアチブ」が身に着くように支援. ルフ・イニシアチブ」の3因子が抽出された。r同. していくことが,通常学級における慢性疾患生徒. じ志向」は慢性疾患生徒の認知的特徴の」つとい. への支援内容と考えることができる。しかし,今. うことが示唆された。. 回実施した研究1,2の調査人数は限定的であり,. 2.疾患の有無と性別による比較. 結果を断言することは難しい。今後は,通常学級. 疾患の有無と性別においてMam Whitneyの. で困難さを感じている当事者や,特別支援学校の. U検定を実施したところ,疾患の有無による有意. 在籍生徒などへの調査を含め,詳細な検討を行う. 差は認められなかった。性別による有意差は心理. 必要があると考えられる。. 的適応,集団同」視,「援助要請」,セルフ・イニ. 主任指導教員 有園 博子. シアチブで認められた。疾患の無い男女の間のU. 指導教員 有園 博子.
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