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Academic year: 2021

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特 集 序 文

特集「農業に貢献する環境バイオテクノロジー

∼古くて新しい『堆肥化技術』複雑系から環境保全・資源循環に向けて∼

」によせて

木 邑 敏 章

Toshiaki Kimura 堆肥化は,農業・畜産業等から発生する有機物を微生物の働きにより分解し,植物の吸収しやすい状態に する,昔から一般的に行われている技術である。今から約 40 年前,米国の “Compost Researcher” Clarence Golueke は,堆肥化とは,「生物系廃棄物をあるコントロールされた条件下で,取り扱い易く,貯蔵性良くそ して環境に害を及ぼすことなく安全に土壌還元可能な状態まで微生物分解すること」であると定義している。 近年,政府は,化成肥料の高騰や環境保全の観点から,堆肥の利用を促しており,また,多くのバイオマ スタウンにおいて,堆肥センターが設置され運用されている。しかしながら,悪臭苦情,温室効果ガスや水 質汚染などの環境問題,堆肥の品質の問題などが未解決である。その理由として,原料の不均一性,堆肥化 環境の制御の困難さ,評価基準のあいまいさなどが挙げられる。 このような課題に対して,近年の微生物集団解析技術などの最新技術を取り入れて,単なる廃棄物処理で はなく,複雑系の原料から品質の安定した良質な生産物をつくる「ものづくり」へと発展する必要がある。 本特集は,2015 年 3 月 29 日に開催された,日本農芸化学会の共催シンポジウム「農業に貢献する環境バ イオテクノロジー∼古くて新しい『堆肥化技術』複雑系から環境保全・資源循環に向けて∼」で,ご講演い ただいた各方面の専門家の先生から寄稿されたものである。これまで,堆肥化について,「原料から施用まで」 一貫して,取り上げ,まとめられたものは少なく,興味深い内容になっている。春田先生(首都大)には, 原料糞や堆肥化過程の微生物といった「複雑系」に対する解析手法や課題等について,宮竹先生(帯広畜産 大)には,堆肥化技術そのものを現場の事例も交えて工学的な観点で,ご紹介いただき,大坪先生(東北学 院大)には,温室効果ガスである亜酸化窒素を抑制する微生物について,荒川先生(九州沖縄農研センター) には,堆肥の現場での利用の観点からペレット堆肥等についてご紹介いただき,最後に,篠原先生(野茶研) には,新たな視点ということで,有機養液栽培を中心に魅力的な話題提供いただいた。 本特集が,将来の日本の資源問題・農業問題の解決や地域活性化に向けた議論のきっかけとなることを期 待している。 (環境バイオテクノロジー学会 企画幹事 トヨタ自動車株式会社 新事業企画部 バイオ・緑化研究所)

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