• 検索結果がありません。

漏電遮断器における放射イミュニティ性能とその対策例について

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "漏電遮断器における放射イミュニティ性能とその対策例について"

Copied!
6
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

1 はじめに

漏電遮断器(Earthleakagecircuitbreaker; ELCB(日), Circuit-breakersprovidingresidualcurrent ; CBR(欧)) は,古くから重要なライフラインの一つである電気の安 全を担う重要な機器である.1970~80年代にかけ,アマ チュア無線の普及により漏電遮断器への影響が確認さ れ,各漏電遮断器メーカーは電磁波対策をとってきた.

その後,近年では,携帯電話やスマートフォン,Wi-Fi

(WirelessFidelity)やBluetoothの近距離通信など高周波

数帯(数百MHz~数GHz)の通信機器が急速に普及し ている.国内外の情勢をみると,諸国によるミサイルの 脅威や領空・領海侵入が増える中,地上の防衛設備(レ ーダー)の設置が増加している.この防衛設備の周波数 帯は,携帯電話やスマートフォンといった高周波数帯を 使用しており,防衛の観点から強い電界を発している. こういった背景の中,現在市場で流通,使用されてい る電気機器が様々な電子ノイズにより予期せぬ不要動作 を起こし,生活に影響を与えかねないと考える.その中 で電気という重要なライフラインの安全利用に寄与する 漏電遮断器について,現在市場で流通している国内外の メ ー カ ー の も の を 選 び, 放 射 イ ミ ュ ニ テ ィ 性 能 (Electromagneticsusceptibility;EMS)の調査を行った1,2)

国 内 外 の 漏 電 遮 断 器 に つ い て は, 日 本 産 業 規 格 (Japaneseindustrialstandards;JIS)及び国際電気標準 会議規格(Internationalelectrotechnicalcommission; IECstandard)でEMS性能は担保されているが,規格外 の電子ノイズにさらされた場合の検証はされていないこ とが多い.そこで,本研究では規格どおりの実験条件に 加え,規格外の条件での動作検証を行った. 2 試験装置および方法 1)試験装置 本研究で使用したEMS試験環境の構成を図1,写真

1-1,1-2に示す.EMS試験環境は,JIS(JISC8201-2-2: 漏電遮断器3),及びJISC61000-4-3:電磁両立性4))を参

照し,主に計測・制御室と電波暗室(3m法)の2つから

なる.計測・制御室においては,PCから電界発生器

(Rohde & Schwarz社製,型式;SMB100A/02)を制御 し,任意の周波数・強度をもった電界を発生させる.電

界は電界発生アンテナより,3m離れた被試験機器

(EquipmentUnderTest; EUT)である漏電遮断器に放射 される.アンテナからの直接波以外の不要な反射波を防 ぐため,暗室内は全面に電波吸収体を貼り付けている. EUTは事前に電界校正した均一領域内に設置しており, 近傍では電界センサーでアンテナより放射された電界強 度を計測している.試験中,EUTの不要動作の確認は暗 室内の監視カメラで監視している. 2) 試験方法 試験は2段階の条件で行った.1段階目は,漏電遮断器 単体にスポット周波数時と周波数スイープ時の2パター ンで行った((a) 通常試験).2段階目は,1段階目で不 要動作を確認した漏電遮断器の中から上位2器種を選 び,電界の影響を軽減させる対策例を施し,周波数スイ ープを行った((b) 追加対策試験). (a) 通常試験 まず,スポット周波数における試験条件について表1に 示す.スポット周波数では,JIS規格に定められたMHz帯 の3点(144MHz,430MHz,900MHz)の周波数およ びJIS規格外のGHz帯の2点(1.5GHz,2.4GHz)で実験 を行った.尚,漏電遮断器のJIS規格には27MHzがある が,試験装置の性能が80MHz以上であるため今回は除外 した.電界強度は,MHz帯においてはJIS規格(低周波 数から順に3.16V/m,10V/m,20V/m)および規格外 (10V/m,20V/m,30V/m)の6条件で試験を行った. GHz帯においては,電界強度を4条件(低周波数から順 に10V/m,1V/mおよび15V/m,5V/m)に設定した. JIS規格ではGHz帯について定められていないため,携帯

漏電遮断器における放射イミュニティ性能とその対策例について

槇 田 英 範

*

1

,松 永 武 士

*

2

,吉 原 俊 輔

*

2

,崔  光 石

*

3 近年,スマートフォンに代表される高周波数帯の通信機器の普及が進み,同周波数帯を利用する地上の防衛 設備(レーダーなど)も増加傾向にある.このような背景から,現在市場で流通している電気機器が電子ノイズ による予期せぬ不要動作を起こす恐れがある.そこで本研究では,電気という重要なライフラインの安全利用に 寄与する国内・外製の10種類の漏電遮断器を対象とした放射イミュニティ試験を3m法電波暗室中で行った.そ の結果,一部の漏電遮断器で本来はJIS規格外の周波数及び電界強度の領域ではあるが不要動作を確認した.そ のため,電界軽減対策例を検討し試験を行った.試験結果により,漏電遮断器が規格外の周波数や強い電界を受 ける環境下では,鉄箱に納めて外部からの電界を受ける面をメッシュ材にするなどの対策を施すことで電界を軽 減する効果があることを確認した. キーワード:放射イミュニティ,漏電遮断器,不要動作

原稿受付 2020年7月15日(Received date: July 15, 2020) 原稿受理 2020年10月9日(Accepted date: October 9, 2020)

J-STAGE Advance published date: November 11, 2020 *1テンパール工業株式会社 *2(公社)産業安全技術協会 *3労働安全衛生総合研究所電気安全研究グループ 連絡先:〒204-0024 東京都清瀬市梅園1-4-6 労働安全衛生総合研究所電気安全研究グループ 崔 光石 E-mail: [email protected] doi: 10.2486/josh.JOSH-2020-0016-GE 原著論文

(2)

電話や身近で使用されているWi-Fi・Bluetoothといった 近距離通信の周波数を選定した.電界強度は動作有無確 認のため,実際よりも強く(約2~5倍)設定した. MHz帯,GHz帯すべての試験条件において,アンテ ナの偏波面は水平・垂直偏波両方で電界を放射した.ま た電界の放射時間は,JIS規格で定められている2秒間と, 規格外の10秒間で行っている. 次に,周波数スイープにおける試験条件を表2に示す. 周波数スイープは,設定した範囲の周波数を1 %のステ ップで連続的に変化させる.スイープする周波数の始点 は,スポット周波数試験に合わせ,MHz帯では144MHz, GHz帯では1GHzを始点とした.終点は,MHz帯では 1000MHz,GHz帯では2.5 GHzである.周波数スイー プにおける電界強度は20 V/mとし,不要動作を確認し た場合は15V/m,10V/mと電界強度を段階的に下げて 試験を行った.周波数スポットの実験と同様,アンテナ の偏波面は水平・垂直偏波両方で電界を放射した.電界 の放射時間は2秒間としている.周波数スイープ時の放 射電界強度プロット図の一例を図2に示す.プロット図 には,電界センサーの測定電界強度(V/m),電界発生 器の設定電界強度 (V/m),アンテナからの送信電力 (W),EUTから反射した反射電力(W)が表示される. (b) 追加対策試験 追加対策試験では,外部電界による漏電遮断器の不要 図1 試験構成図 写真1-1 電波暗室内構成 写真1-2 EUT周辺の構成 表1 スポット周波数における試験条件(放射時間2,10秒) 周波数帯 周波数 電界強度 (JIS規格) [V/m] 電界強度 (JIS規格外) [V/m] 偏波面 MHz 144MHz 3.16 10 水平 ・ 垂直 430MHz 10 20 900MHz 20 30 GHz 1.5GHz - 10,15 2.4GHz - 1,5 表2 周波数スイープにおける試験条件(放射時間2秒) 周波数帯 周波数範囲 電界強度[V/m] 偏波面 備考 MHz 1000MHz144~ 20 水平・ 垂直 不要動作を確認し た場合は15V/m, 10V/mと 電 界 強 度を段階的に下げ て試験する. GHz 2.15GHz.0~

(3)

動作を軽減させる対策を施し,MHz帯の周波数スイープ 試験を行った.MHz帯のみとした理由として,a.通常試 験においてスポット周波数による試験とGHz帯の周波 数スイープ試験においては,いずれのEUTにおいても不 要動作は確認できなかったためである. 試験内容は,鉄箱(板厚1.6mm,L500mm×W310 mm×D150 mm)に入れ,前面を鉄材(板厚1.6mm) 又はメッシュ材(TRUSCO製,ステンレスSUS304材, 線径0.1mm,メッシュサイズ0.154mm)の蓋をした場 合で比較した.鉄箱と鉄材及びメッシュ材は電気的に接 続し,鉄箱はD種接地を施している.(写真2-1,2-2) 尚,鉄箱に鉄材をした時はEUTの動作を監視カメラで 確認できないため,鉄箱外部に設けた,EUTの負荷側端 子より配線された端子台にデジタル電圧計(電池式)を 接続し,電圧の有無で判定した. 試験は,漏電遮断器単体で不要動作が確認されたMHz 帯の周波数スイープで行った. 3)被試験機器(EUT) 写真3に漏電遮断器の一例を示す.本研究で使用した EUTは,2019年時点で日本の市場で流通している国内・ 外メーカーの漏電遮断器から,産業用・住宅用を問わず, 無作為に10品目(A~J)を選択した. (a)通常試験では10品目を試験し,(b)追加対策試験 では通常試験を行った中で,周波数スイープで不要動作 周波数帯域の広い結果となった上位2品目を選択した. (表3)また,図3は漏電遮断器単体時の不要動作周波数 帯域を示す. 3 試験結果及び考察 (a)通常試験について表4にスポット周波数における実 験結果を示す.表の中の○は不要動作なし,×は不要動 作ありを示す.スポット周波数においては,すべてのEUT においてMHz帯のJIS規格及びJIS規格外,並びにGHz帯 について不要動作は無かった.また,放射時間をJIS規格 の2秒と規格外の10秒と変えた場合でも不要動作に影響 は無かった.不要動作する場合は,動作する周波数でEUT は即動作するため,時間による影響はないと考える. 次に,表5にスイープ周波数における実験結果を示す. 測定電界 強度(V/m) 設定電界 強度(V/m) 送信電力(w) 反射電力(w) 144MHz 周波数(MHz) 図2 周波数スイープ時の放射電界強度プロット図 〔電界強度:平均25.3V/m(78.9W,-1.88dBm)       最小19.7V/m(56.1W,-5.22dBm)       最大36.0V/m(119.8W,1.75dBm)〕 鉄材 鉄箱 接地線 (アース) 鉄箱 メッシュ材 接地線 (アース) 写真2-1 対策例 (鉄箱+鉄材) 写真2-2 対策例 (鉄箱+メッシュ材) 写真3 漏電遮断器例(住宅用) 表3 漏電遮断器単体時における周波数スイープ試験 (MHz帯)結果 周 波 数 偏 波 方 向 EUT A B C D E F G H I J 144 ~ 100 0 MH z 垂 直 × × × ○ ○ × ○ ○ ○ ○ 水 平 × × ○ ○ ○ × ○ ○ ○ ○ この2 品種を選定 ○:不要動作なし,×:不要動作あり ※Bの不要動作を確認した周波数  :335~385MHz,475~514MHz,551~568MHz   (15,20V/m)   Fの不要動作を確認した周波数  :274~393MHz(10,15,20V/m) 図3 漏電遮断器単体時の不要動作周波数帯域 Vol. 14, No. 1, pp. 59 64, (2021)

(4)

表の中の○は不要動作なし,×は不要動作ありを示す. スイープ周波数においては,一部のEUTにおいてMHz 帯で不要動作が見られた.尚,不要動作があったEUTは 住宅用漏電遮断器であり,産業用漏電遮断器では不要動 作は無かった.これは,過電圧検出リード線(中性線欠 相保護機能)の有無の影響と考えられる.この機能は単 相3線式回路において異常電圧による負荷機器の故障を 防ぐために設けられたもので,この過電圧検出リード線 に放射電界により電圧が発生し,漏電遮断器が不要動作 したと考えられる.この過電圧検出リード線は住宅用漏 電遮断器(単相3線式回路用)のみにあり,産業用漏電 遮断器には無いものである.過電圧検出リード線(中性 線欠相保護機能)が住宅用漏電遮断器にある理由として, 住宅内の回路は単相3線式回路であり,この回路の場合, 中性線欠相保護機能が必須と内線規程で規定されてい る.産業用は多くの回路で三相3線式が使用されている ため,不要としている.不要動作が見られたMHz帯の周 波数を見ると,144~170MHz付近と330~560MHz付近 において垂直・水平偏波方向とも動作している. 不要動作が確認された周波数帯域について,総務省が 公開している電波使用状況5)によると,今回, 誤作動が見 られた周波数は,アマチュア無線や地方公共団体及び電 力・ガス・運輸交通等公共機関の公共業務,船舶通信, テレビ放送(UHF帯)で使用されている. 一方,(b)追加対策試験について表6,7に試験結果を 示す.表6は鉄箱に鉄蓋をした場合,表7は鉄箱にメッ シュ材をした場合の結果である. 鉄箱に鉄蓋をした場合は,垂直又は水平偏波方向で不 要動作を確認した.このとき,不要動作した周波数帯域 については,漏電遮断器単体時(図4)に比べて不要動 作した範囲が狭くなっている.不要動作した周波数帯域 は,Bについては水平偏波方向のみで,電界強度20V/m において397~405MHz,443~485MHz,Fについては 垂直偏波方向のみで,電界強度20V/mにおいて281~ 表4 スポット周波数における実験帯域 周波数 電界強度 偏波方向 EUT A B C D E F G H I J MHz 帯 144 MHz 規格 垂直 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 水平 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 規格外 垂直 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 水平 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 430 MHz 規格 垂直 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 水平 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 規格外 垂直 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 水平 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 900 MHz 規格 垂直 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 水平 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 規格外 垂直 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 水平 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ GHz帯 1.5 GHz 規格外 垂直 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 水平 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 2.4 GHz 規格外 垂直 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 水平 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○:不要動作なし,×:不要動作あり 表5 スイープ周波数における実験(放射電界強度) 帯域 周波数 偏波方向 EUT A B C D E F G H I J MHz 1441000~ MHz 垂直 × × × ○ ○ × ○ ○ ○ ○ 水平 × × ○ ○ ○ × ○ ○ ○ ○ GHz 1.20.~5 GHz 垂直 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 水平 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○:不要動作なし,×:不要動作あり 表6 漏電遮断器を鉄箱+鉄材に入れたときの周波数 スイープにおける試験 周波数 電界強度 偏波方向 EUT B F 144~1000 MHz 20V/m 垂直 ○ × 水平 × ○ ○:不要動作なし,×:不要動作あり ※Bの不要動作を確認した周波数   397~405MHz,443~485MHz(20V/m)  Fの不要動作を確認した周波数   281~303MHz(20V/m),286~306MHz(15V/m)

(5)

303MHz,15V/mにおいて286~306MHzとなった (表6,図4). 次に,鉄箱にメッシュ材をした場合は,垂直又は水平偏 波方向で不要動作を確認した.このときの不要動作した 周波数帯域は,鉄蓋をした場合に比べ,さらに範囲が狭く なっている.不要動作した周波数帯域は,Bについては水 平偏波方向のみで,電界強度20V/mにおいて447MHz, 530MHz,Fについては垂直偏波方向のみで,電界強度20 V/mにおいて300~306MHzとなった(表7,図5). 今回の実験結果として, EUTを金属で囲う(鉄箱)こ とで,電磁波シールドにより,電界の影響を抑える効果 があることを再現性よく確認した. 一般的には,金属の導電率の高い材料ほど高い電磁波 シールド効果が得られる.しかし,今回の鉄箱の蓋を鉄 材とメッシュ材にした場合の実験結果の明確な差につい ては,メッシュ材の種類,大きさなどを変更しながら, 追加実験を行う必要がある. なお,EUTによって誤動作が起こる偏波方向が異なる 原因として,メーカーの違いによる漏電遮断器の漏電検 出部の性能差,センサーや基板の配置の向きによる差の 影響などが推測される. 不要動作が確認された周波数帯域について,総務省が 公開している電波使用状況5)によると,公共業務通信, 航空管制通信,デジタル空港無線,ラジオゾンデ及び気 象用ラジオ・ロボットなどで使用されている. 不要動作が確認された周波数帯域について,前述に示 す用途では基地局(放射点)の電界強度はかなり大きいと 考えられるが,管理区域での使用や一般生活環境とは十 分距離が離れているため減衰している.電波防護指針6) 示されている通り,管理区域内であっても作業者への影響 は少なく,漏電遮断器については単体でも問題はなく,多 くは鉄箱内に収められて使用されているため試験電界強 度に比べはるかに小さく影響はないものと考える. 4 まとめ 本研究では,漏電遮断器の放射イミュニティ性能と対 策例について試験及び検討した.試験結果をまとめると 次のとおりである. (1) 今回調査した国内外すべての漏電遮断器単体にお いて,規格(JISC8201-2-2 附属書2)に規定され ている周波数・電界強度においては,不要動作は なく,安全であることが示唆された. (2) 漏電遮断器が規格外の周波数や強い電界を受ける 環境下では,鉄箱に納めることで電界の影響を抑 える効果があることを確認した. (3) 鉄箱において,外部からの電界を受ける面をSUS 製メッシュ材にした場合,鉄材に比べて相対的に 効果が高いことを確認した. (4) 一般的に漏電遮断器は,住宅用用途を除き,鉄製 の箱に納められていることが多いためそれだけ で十分な効果があるが,放射点に近く規格外の周 波数で強い電界が発生する環境下で漏電遮断器 を使用する場合は,SUS製メッシュ材と組み合わ せるなど対策も必要と考える. 尚,漏電遮断器単体においては,JIS規格により放射イ ミュニティ性能を担保している.今回は規格外の実験で あり,一般環境下では安全に使用できるものであること を補足しておく.      文 1) 槇田 英範,松永武士,吉原俊輔,崔光石.漏電遮断器の放 射イミュニティ特性について.第52回安全工学研究発表会 予稿集. 2019: 155-158.  2) 槇田英範, 松永武士, 吉原俊輔,崔光石. 漏電遮断器の放射 イミュニティ性能と対策例について. 安全工学シンポジ ウム2020予稿集. 2020:148-151. 3) 日本産業規格.JISC8201-2-2:2016 低圧開閉装置及び制御 装置―第2-2部:漏電遮断器. 4) 日本産業規格.JISC61000-4-3:2012 電磁両立性. 5) 総務省.我が国の電波の使用状況.2019. 6) 総務省.電波利用における人体の防護指針.電波防護指針  諮問第38号.1990. 表7 漏電遮断器を鉄箱+メッシュ材に入れたときの 周波数スイープにおける試験 周波数 電界強度 偏波方向 EUT B F 144~1000 MHz 20V/m 垂直 ○ × 水平 × ○ ○:不要動作なし,×:不要動作あり ※Bの不要動作を確認した周波数   447MHz,530MHz(20V/m)  Fの不要動作を確認した周波数   300~306MHz(20V/m) (※B 垂直偏波時,F 水平偏波時は不要動作無し) 図4 鉄箱+鉄材時の不要動作周波数帯域 (※B 垂直偏波時,F 水平偏波時は不要動作無し) 図5 鉄箱+メッシュ材時の不要動作周波数帯域 Vol. 14, No. 1, pp. 59 64, (2021)

(6)

Electromagnetic susceptibility of earth leakage circuit breakers and a countermeasure

by

Hidenori Makida*

1

, Takeshi Matsunaga*

2

, Shunsuke Yoshihara*

2

and Kwangseok Choi*

3 The electromagnetic susceptibility (EMS) is the sensitivity of a device to an incoming electromagnetic interference. It is especially very important for devices related to safety to operate normally under unexpected noise. This paper experimentally investigated the EMS of ten kinds of commercial earth leakage circuit breakers (Equipment under test: EUT). This EMS test was carried out in a 3-meter anechoic chamber with an EMS automation measuring equipment, vertical radiating (or horizontal) antenna, and electric filed probe, and etc. During the test, the EUT was monitored through a video camera to check whether any malfunctions occurred. As for the results, there were no malfunctions for the electric field strength and frequencies mentioned in the JIS standard. However, some of the EUT malfunctioned at several specific values not mentioned in the JIS standard. In addition, a countermeasure to prevent malfunction is also mentioned in this paper.

Key Words: Electromagnetic susceptibility, leakage circuit breakers, malfunction

*1 Tempearl Industrial Co.,

*2 Technology Institution of Industrial Safety.

参照

関連したドキュメント

本案における複数の放送対象地域における放送番組の

なお,今回の申請対象は D/G に接続する電気盤に対する HEAF 対策であるが,本資料では前回 の HEAF 対策(外部電源の給電時における非常用所内電源系統の電気盤に対する

原子炉本体 原子炉圧力容器周囲のコンクリート壁, 原子炉格納容器外周の壁 放射線遮蔽機能 放射線障害の防止に影響する有意な損

このうち、放 射化汚 染については 、放射 能レベルの比較的 高い原子炉 領域設備等を対象 に 時間的減衰を考慮す る。機器及び配管の

このうち、放 射化汚 染については 、放射 能レベルの比較的 高い原子炉 領域設備等を対象 に 時間的減衰を考慮す る。機器及び配管の

このうち、放 射化汚 染については 、放射 能レベルの比較的 高い原子炉 領域設備等を対象 に 時間的減衰を考慮す る。機器及び配管の

このうち、放 射化汚 染については 、放射 能レベルの比較的 高い原子炉 領域設備等を対象 に 時間的減衰を考慮す る。機器及び配管の

このうち、放 射化汚 染については 、放射 能レベルの比較的 高い原子炉 領域設備等を対象 に 時間的減衰を考慮す る。機器及び配管の