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「本の世界を広げよう『高瀬舟』森鴎外」

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Academic year: 2021

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研究主題 論理的 に思考し見方や考 え方を磨く国語科音声言語指導の在り 方 −コミュニケーション技術を 生かす対話活動の工 夫−

第3学 年

国語科学習指導案

指 導 者 ○○○○ 1 単元名「本の世 界を広げよう『高 瀬 舟』森? 外」 2 目 標 ○ テーマに対 して考えを深 めるために,積極的に話し合 いに参加し他の 人の考えを聞こ 。 ( ) うとする 関心・意欲 ・態度 ○ 「生 「死」に 深くかかわる小説 を読み味わい 「命 」について自分の 考えを持つ。」 , (読むことエ) ○ 他の人の意 見を聞いたり ,自分の考えを 話したりすることを通して, 自分のものの見 方や考え方 を深めたりすることができる 。 (話すこと ・聞くことア) ○ 根拠を明らかにしながら,筋道を立 てて説明することができる。 (話すこと ・聞くことウ) ○ 発言の際, 論点を見失わないように留意 し,協力しながら話し合いを 進めることがで きる。 (話すこと ・聞くことエ) 3 指導観 ○ 本学年の生 徒は,一学期 に「話すこと・ 聞くこと」の 学習とし て,単元「話 し合って考え を深めよう」においてグ ル ー プ討議を 通して考えを 深め,磨いていく学習を行っ た。そこで学習後の自 己評価を行ったところ,次のような結 果が出た。 まず 「グ ル ー プ 討 議を 通 して 考え が 変わ っ た か 」という 質, 。 , 。( ) 問に対し 52%の生徒が変 わったことを実感 している 図1 「ほとんど 変わらなかった 「 全く変 わ ら な か っ た」 と答 えた」 生徒の多くは ,理由として 「グループで 出された考えがほとん ど同じであったから」であった。 次に「ど の よ う に変わったか 」 という質問に対し て は 「違。 , う考えが加わって,新し い考えになった」が最も 多かった。(図 2)しかし, 新しい考えを 創造したというよりは,違う 考えに 変わった生徒 がほとんどであることが, 生徒のワークシートか らうかがえた。 「テ ー マに対し て考えを 深めることができたか」と い う質問に 対し ,91 % の 生徒 が「 考 えを 深 め る こ と が で き た」 と 実感 して おり 「 グループ 討議 を通 して 考え を深 める 」と い う ね ら い に対, する達成感を感じていることが分かる (図3)。 また, 前回の学 習を通し て次の よ う な生徒の 実態が明 らかとな った。 かなり変 わった 1 1 % 少し変 わった 4 1 % ほとんど 変わらな かった 2 9 % 全 く変 わ らなかっ た 19% 0 5 10 15 20 25 30 説明が加わり詳しくなった 矛盾点がなくなり、 説得力のあるものになった 違う考えが加わって、 新しい考えになった 考えを少し変え、他の人により 納得してもらえるようにした 図1 グループ討議を通して 考えが変わったか 図2 どのように変わったか 少し深め ることが できた 47% 深めるこ とができ た 44% あまり深 めること ができな かった 8% 深めるこ とができ なかった 1% 図3 テーマに対して考えを

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・ 自分の考えを抽 象 的な言葉や広い概念 を持つ言葉で表現 する。 ・ 考えと根拠が短 絡 的で論理的でない。 ・ 互いの考えの共 通 点や相違点を整理することに難しさを 感じている。 ・ 自分の考えや 相手の考えを 十分に理解していないため, 同意・不同意を 明確にして発言 できない。 このような 実態を踏まえ ,互いの考えに 対して理解を 深める質問や確 認を行う時間を 十分に設定するとともに,共通点・相違点 を整理する際 の手だてを工夫 する必要がある と考える。 ○ 本単元「高瀬舟 」は 「知足」と 「安楽死」を主題とした作品である。, そこで,ここでは「喜助 のしたことは弟 殺しと言えるのか」というテーマを設定し, グループ討議を通 して読みを深め,考 えを磨いていくことをねらいとする 。 喜 助の境 遇や事 件の状 況を踏 まえて 考えた 場合, はっきりと「弟 殺しと 言える 「弟」 殺しと言え な い」とはっきり 答えの出るものではない。 はっきりと答え が出せないから こそ,生徒は 自分の考えのよりどころとなる根拠を文中 から探そうとしたり,進んで他 の人の意見を 聞こうとしたりすることが考 えられる。そこで,様々な立 場の考えを聞い たり,対立す る考えの根拠となるものを検 討し合ったりすることによって,生徒は葛藤 し 「生 「死 「命」について考 えを深めることができると考える。, 」 」 ○ 本単元の 指導にあたっては, 考えを 深めていくまでの過 程を「見 つめる 「深 める」」 「磨く」の3つの 段階に分けて考える 。 「 見つめる」段 階では,テ ー マを基に本文を 通読し,自分 の考えをまとめる。そして,読 み取りに差がないように,喜 助の人物像や 境遇,事件の 状況を全体の場 で共通理解を図 る。その上で 再度,テーマについて自分の 考えをまとめさせる。そして ,始めに書いた 考えと本文を読み 取った後の考えを比 較させ,考えの変 化に気付かせる。 次に,グループ討議を行 い,互いの考え を対比させて 共通点・相違点 を整理する技術 を生かして, 自分や他者の考 えを見つめ, それらを対比 させて共通点や 相違点を見いだ し,自分とは 違う価値観に気 付くことを目 標とする。共通点・相違点を 整理することに 難しさを感じていたという実 態を踏まえ, ここでは根拠 をポストイット に書き込ませ, それらを出し 合いながら共 通 点・相違点を 整理させる。 また,相手の閑 雅の不明確な点 については,その 都度質問や確認を行 わせる。 「深める」 段階では,相 手の意見を批 判 的な立場で聞 く技術を生かし ,互いの考えを 批判的な立場 で見たり,質問 ・確認し た り し合いながら ,互いの考えに 対して理解を深 めることを目 標としている。 そのために, まず相違点に 着目した質問の 仕方について説 明し,他の人 に対する質問や 確認したいことについてまとめさせる。次 に,互いに質問 や確認を行う 時間を設定する 。ここで自分 に出された質 問や確認を基に ,自分の考えの 不明確な点や矛 盾 点を明らかにし,自 分の考えを見つめ 直す。 最後に「磨 く」段階では ,主張と根拠の 妥当性を考えながら聞く技術 や根拠や具体的 事実を付け加 え,意見の正 当 性を主張する 技術を生かし ,自分たちの考 えを根拠や具体 的事実を加え て説得力のあるものにしたり ,新たな考え を創造したりすることを目標と している。そこで,前時で整 理した自分の 考えを出し合 いながら,それぞれの考えと根 拠を検討さ せ る。そのために ,新たにポストイットを配 布して根拠を書 き込ませ,グル ープで出されている考えを整 理して,対 立 点を明らかにさせる。対立点 を検討し合いな がらグループ の考えを一つにまとめさせることによって ,安易に多数決 に流されない姿 勢を育てる。 グループでまとめた考えを, 学級全体で報 告し合うことによって,さらに 考え深めさせたい 。

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4 単元指導計画 主な学習活動と内容 指導上の留意点及び内言のコミュニケーション技術 段階 配時 見 1 ○ テーマを基に,本文の内容を通読する。 ○ テーマと関連のある部分には傍線を引かせる。 つ <テーマ> 喜助の行為に共感できるか。 め ○ 通読後の考えをワークシートに書く ○ 根拠を明確にし,考えをまとめさせる。。 る 「共感できる 「共感できない」」 4 ○ 本文の記述を基に考えたことを付せ ○ テーマについて考えを深めるうえで関連のある んに書く。 記述についてはその都度取り上げ,考えをもたせ ・喜助の人物像や舟の上の喜助の様子に る。 対する考え ・島へ行く喜助の心境とその理由に対す ○ 喜助の境遇を基に,喜助と弟との絆の強さ,深 る考え さに気付かせる。 ・喜助の境遇と弟が死を選んだ理由に対 する考え 1 ○ かみそりを抜くまでの喜助と弟の目 , 。 の変化を基に 喜助の葛藤を読み取る (「 」 ) ○ 庄兵衛が二つの立場で揺れている様 ○ 庄兵衛の 弟殺しと言えるかどうか という 子を読み取る。 葛藤を基に,喜助の行為に対する二つの立場の考 えと根拠を整理させる。 ○ 付せんを基に論を組み立てる。 ○ 文中の表現や付せんを自分の考えを裏付ける根 拠として整理させ,論を組み立てさせる。 カード操作による内言の対話 ・適切な情報を選ぶ技術 ・情報を基に考えをまとめる技術 深 1 ○ 提示された資料を基に,テーマに対 ○ 資料と自分の考えとを比較させながら,自分の め する考えをまとめる。 考えをより説得力のあるものにさせる。 カード操作による内言の対話 ・自分の考えと相手の考えを比較させて共通点・ る 相違点を 整理する技術 1 ○ 同じ立場の人と交流し,自分の考え ○ 相手と考えや根拠を比較させ,共通点・相違点 を整理する。 を整理させる。 同じ立場でのペア交流による内言の ・自分の考えと相手の考えを比較させて共通点・ 対話 相違点を 整理する技術 ・不明確な点や矛盾点を整理する技術 ○ 不明確な点や矛盾点を明らかにし,それらを基 に自分の論を固めさせる。 磨 3 ○ 対立する立場同士で討論を行う。 ○ 相手の考えと根拠に矛盾点がないか検討させ く 対立する立場との討論による外言の る。 対話 1 ○ 討論会を基にテーマに対する考えを ○ 質問や確認を基に,自分の考えを正当化するた まとめる。 めに必要な根拠や説明を補わせる。 ・主張と根拠の妥当性を検討する技術 ・主張を支える根拠の信頼性を検討する技術

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< 第7時> ( ) 授業の仮説1 これまで読 み取って来た 内容やそれに対 する考えをカード化し,喜助 の行為に「共感 」「 」 , できる 共感できない のどちらの根拠としてふさわしいかを整理 する活動を行えば 自分の考えが 視覚的にも整理 されるので矛盾点や不明確 な点に気付くことができ,論理 的に自分の考えをまとめることができるだろう。 ( ) 目標2 ・提 示した 資料, 本文の 記述を 基に し た考え や判断 を喜助 の行為に 「共感 できる 「共」 感できない 」の二つの立場 に整理し,整 理したものを基 に,二つの立 場の根拠を比較 ・検討して自分 の考えをまとめることができる。 ・自分が選択 した立場ではない根拠を基に ,批判的な立 場から自分の考 えに対する質問 や反論を想定することができる。 ( ) 授業の展開( /3 7 12) 形態 学習活動・内容<生かす技術> 指導上の留意点 評価規準 配時 一 1 本時のねらいを確認する。 ○ 討論会に向けて,自分の考えをま 3 斉 読み取った内容やそれに対する考えをも とめていくことについて説明する。 とに,テーマに対する考えをまとめよう。 10 個 2 読み取った内容やそれに対する考えを書 ○ 付箋を二つの立場に分類・整理し ・自分の考えを 別 いた付箋を「共感できる」「共感できない」の てプリントに貼らせることによっ 二つの立場に分 二つの立場に分類整理する。 て,自分の考えが視覚的に分かるよ 類整理できてい ○ 自分の考えの中に相対する二つの考えが うにする。 るか (観察法・。 存在し,立場が明確になっていないことに 作品法) 気付くこと。 15 一 3 資料を読み 「生 「死 「命」に対する考 ○, 」 」 提示した様々な考え方を操作整理 斉 えを知り,それらが「共感できる 「共感で」 しやすいようにカード化したものを きない」のどちらの立場に近い考え方か分 準備し配布する。 類・整理する。 ○ 提示する考え方を準備する際,次 ○ 資料の考え方を知ることによって,テー の2点について配慮する。 マに対する見方や考え方を広げること。 ①片方の立場の考え方に偏らないこと ②どちらの立場にも共通する考え方を 用意すること 20 個 4 分類整理したものを基に,自分の考えを ○ 両方の立場に付箋が分かれた場合 ・付箋の内容を 別 まとめる。 は,どちらが説得力があるか,論理 比較検討 して立 ○ 立場を明確にし,根拠を基に論理的に自 的であるかと言う視点で比較検討さ 場を選択してい 分の論を組み立てること。 せる。 るか (観察法・。 ○ 自分が選択しなかった立場の根拠 作品法) <自分の考えと相手の考えを比較させて共 を基に批判的な立場で質問や反論を ・自分の考えに 通点・相違点を整理する技術> 想定し,論をまとめさせる。 対する質問や反 ○ 説得力のある構成(主張と根拠・ 論を想定できて 。 ( ) 事実の関係に矛盾がないか)を意識 いるか 作品法 してまとめさせる。 個 5 次時からの授業の進め方について確認す ○ 討論会に向けて同じ立場で論を組 7 別 る。 み立てた人と考えを整理し合うこと を確認する。

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参照

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