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サクラマス野生集団の遺伝的多様性の評価とコンピューターシミュレーションによる親魚集団の管理手法に関する研究

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(1)

サクラマス野生集団の遺伝的多様性の評価とコンピ

ューターシミュレーションによる親魚集団の管理手

法に関する研究

著者

野口 大毅

870

発行年

2005

URL

http://hdl.handle.net/10097/16265

(2)

名(本籍)

学 位 の 種 類

学 位 記 番 号

学位授与年月 日

学位授与の要件

研 究 科 専 攻

学 位 論 文 題 目

の ぐち だい き

士(農

学)

第870号

成18年3,月24目

学 位 規 則 第4条

第1項

該 当

農 学研 究科 環境修 復生 物工 学 専攻

(博士 課程)

サ ク ラマ ス野 生集 団の遺伝 的 多様 性 の評 価 とコ ン ピュー

ター シ ミュ レー シ ョンに よ る親 魚 集 団 の管 理 手法 に 関す

る研 究

論 文 審 査 委 員

(主

査)教

(副

査)教

西

助教 授

(3)

序論

サ ケ科 サ ケ 属 の一 種 サ ク ラマ ス(0ηoo〃加 σ伽 脚50〃 〃αyoのは 、食 味 に優 れ てお り、 目本 の 食 文 化 の 一 端 を担 っ て お り、また、遊魚 の対象 として も人気 が高い。 しか し、乱獲や河川環境 の悪化 によ り資 源 量 が 著 し く低 下 して お り、富 山 県 にお い て は希 少 種 に指 定 され て い る。この よ うな 産業 的 、お よび 、 資 源 保 護 の観 点 か ら、養殖 事 業や 放 流 事 業 が長 年 に わ た り行 われ て い る。 種 苗 放 流 は資 源 増 大 の た めの一 つ の有 効 な手 法 で あ るが 、無 秩 序 な放 流 は在 来集 団 の 遺伝 的 多様 性 と地 域 特 異 性 を 消失 させ 、 在 来集 団 の適 応 度 を低 下 させ る恐 れ が あ る と言 われ て い る。 これ を防 ぐた め に は 、在 来 集 団 の多 様性 と分化 の現 状 を把 握 し、種 苗放 流 の リス ク を管 理 す る必 要 が あ る。 これ ま で 、在 来集 団 の多 様 性 と集 団分 化 に 関す る研 究 は、 アイ ソザ イ ム 分析 、お よび 、 ミ トコン ド リアDNA のD-LOOP領 域 の分析 に よって 実 施 され て い るが 、マ ー カー 座 の感 度 が低 い た め 、統 一 的 な 見解 を 得 る に は至 って い ない 。 そ こで 、本 研 究 で は 、高 感 度 マ ー カー で あ るマ イ ク ロサ テ ライ トDNAマ ー カ ー を開 発 し、そ のマーカー座 の性能 を検討 した後 、在来集団 の多様性 と集 団分化 を検討 した。種苗放 流 の リス ク を管 理 す るた め に は、 在 来 集 団 にお け る放 流 個 体 の追 跡調 査 と、 多 様性 低 下 防止 手 法 の 開 発 が 必 要 で あ る。 放 流 個体 の追 跡 調 査 に は、AssignmentTestを 利 用 して 個 体 の 産 地 を 推 定す る こ とを 試 み た 。多様 性 の低 下 を防 止 す る手 法 と して は 、遠 縁 の個 体 を選 び 交 配 を行 う、M㎞alKinship法(MK 法)が有 効 と 考 え、 継 代 シ ミュ レー シ ゴン を30世 代 に わ た づて 行 い 、 多様 性 レベル 維 持 に 関 す る勧 果 を評 価 検討 した 。

第 一 章

マイクロサ テライトDNAマ

ー カー の 開 発

マ イ ク ロ サ テ ラ イ トDNAマ ー カ ー を 、 以 下 の3種 の 方 法 で 開 発 し た 。 1)サ ク ラ マ スDNAか ら の マ イ ク ロ サ テ ラ イ ト部 位 の 同 定 サ ク ラ マ スDNAの ゲ ノ ム ラ イ ブ ラ リー を 作 成 し そ の 中 か らマ イ ク ロ サ テ ラ イ ト領 域 を 単 離 し 、21 種 の プ ラ イ マ ー セ ッ トが 設 計 し た 。21種 の プ ラ イ マ ー セ ッ トで 増 幅 を 試 み た と こ ろ 、 全 て の プ ライ マ ー セ ッ トに お い て 増 幅 が 確 認 で き た 。 こ れ ら の う ち 、 変 異 が 検 出 さ れ 、 ア リル 型 の 識 別 が 可 能 で あ る 2セ ッ トに0〃2α01お よ び 伽 α02と 名 づ け た 。 2)サ ケ 属 の 他 魚 種 の マ イ ク ロ サ テ ラ イ トプ ラ イ マ ー の転 用 マ ス ノ ス ケ 、 カ ラ フ トマ ス 、 ベ ニ サ ケ で 開 発 され た5つ の 既 知 の プ ラ イ マ ー セ ッ トを 用 い て 、 サ ク ラ マ ス の マ イ ク ロ サ テ ラ イ ト領 域 の 増 幅 を 試 み た と こ ろ 、 全 て の プ ラ イ マ ー に お い て サ ク ラ マ ス に お い て 増 幅 が 確 認 され た 。 こ の う ち 、 マ ス ノ ス ケ の マ イ ク ロ サ テ ラ イ ト領 域 の 一 つ で あ り、GAリ ピ ー トを 持 つ 伽520(AccessionNO.AYO42710)は 、 変 異 が 検 出 さ れ 、 ア リル 型 を 明 確 に 識 別 す る こ とが 可 能 で あ っ た 3)サ ケ 属 他 魚 種 の 遺 伝 子 の イ ン トロ ン 領 域 か らマ イ ク ロ サ テ ラ イ ト領 域 を 探 索 、 同 定 国 際 塩 基 配 列 デ ー タ ベ ー ス に 登 録 さ れ て い る0ηoor伽o肋3属 魚 種 の イ ン トロ ン 領 域 中 か らマ イ ク ロ サ テ ラ イ ト部 位 を 探 索 し た と こ ろ 、 シ ロ サ ケ のsomatolactin遺 伝 子(AccessionNO.:DlO638)と ニ ジ マ ス のIgMheavychain遺 伝 子(AccessionNO.:X83372)の イ ン トロ ン部 分 に 、そ れ ぞ れCTとTAを 単 位 と し た マ イ ク ロ サ テ ラ イ ト領 域 が 存 在 す る こ とが 判 明 し た の で 、 プ ラ イ マ ー を 設 計 し増 幅 を 試 み た と こ

(4)

ろ 、 そ れ ぞ れ 変 異 が 検 出 され ア リル 型 を 明 確 に 識 別 す る こ と が 可 能 で あ っ た 。 以 上 の5マ ー カ ー 座 の プ ロ フ ィ ー ル を 表1-1に 示 す 。 表1-1開 発 さ れ た マ イ ク ロサ テ ラ イ ト側Aマ ー カー の プ ロ フ ィ ー ル マ ー カ ー 座 リ ピ ー ト モ チ ー フ Primer配 列(5,→3「) アニ ー リン グ 温 度 出典 Ots520 0卿 躍01 0加 躍02 0鷹 露3舵 0蹴 α4'η ・ (GA)nF:AGAGTGCAAGGCGAGTATTC R:CTTGACAGCAGGTAACCATG (CA)n(C'1)nF:GTGTGGATGGCGATTGGTGT R:TCCCCTGAGATCATTGTAAA (CA)nF:AATGCCTGTTGGGAAAGAGA R:TAGGGGTTTGTAATGTAGAA (CT)nF:TTTCTCCTTTAGCCCAATG R:CAGAGTAGACAGGGGGATG (TA)nF:CTGCGCATGTGTAGCCTATG RTCTTTAGAGGGGGTCATTAC 5090 5690 56`C 5690 56℃ NaishandPark (Acc.No:AYO42710) 本 研 究 本 研究 Takayamaetal. (Acc.No:D10638) Andersonetal. (Acc.No:X83372) これ らの5マ ー カ ー座 が多 様 性 解 析 に使 用 可 能 で あ るか を検 討 す るた め に2001年 に富 山県 神 通 川 へ 遡 上 した44個 体 の サ ンプ ル と新 潟 県 荒川 へ遡 上 した25個 体 を用 い て 多 様 性 を評 価 した。 多 様 性 の 指 標 と して、ア リル 数(NA)、 ア リル のサ イ ズ 幅 、ヘ テp接 合 度 の期 待{直(乃ε)と観 察値 伽)を 求 め 咋。また 、' これ らのマ ー カ ー がハ ー デ ィー ワイ ンベ ル グ 平衡 か ら逸 脱 して い るか を 検 定 した 。以 上 の結 果 を表1-2 に示 す 。 表1-2開 発 され た マ イ ク ロサ テ ラ イ トD甑 マ ー カ ー の 変 異 量 マ ー カ ー 座 採集地 点 変異量の指標 0欝5200π 昭010蹴 摩¢020〃3庭03」 ヒ80初 α04〃2ッ 神 通 川 2001年 度 C唖=44) NA SizeRange(bp) ho ゐe P臼v劉iue 1416 173-209121-173 0.8410.750 0.8590.917 0.4590.033* 17 124-190 0.aie O.897 0.206 96 108-130150-164 0.9090.636 0.8810.630 0.5520.944 荒 川 2001年 度 (N置25) NA SizeRange(bp) ゐ0 ゐe P-va匿 聾e izas 171-199119-199 0.8800.920 0.9170.958 0.6460.407 15 ias-isz osso O.916 0.788 106 108-130150-164 0.9200.680 0.S190.759 0.8610.054 ★は 、ハーデ ィー ワイ ンベル グ平衡か らの逸脱 ア リル 数 は 、6か ら24個 ま で の 範 囲 を 示 し、 ヘ テ ロ 接 合 度 の 期 待 値(漉)は 、0.630か ら0.958ま で の 範 囲 を 示 し 、 ヘ テ ロ接 合 体 率 の 観 察 値 伽)は0.636∼0.920を 示 した 。 ハ ー デ ィ ー ワ イ ン ベ ル グ 平 衡 か ら の 逸 脱 は 、 神 通 川 の0脚01で の み 観 察 され 、 そ れ 以 外 の マ ー カ ー 座 で は 逸 脱 は 観 察 され な か っ た 。 0脚01に 関 し て は 、 荒 川 の0〃2α01で は 逸 脱 が 観 察 さ れ な い こ と か ら、 神 通 川 集 団 の 構 造 に 起 因 して い る と考 え られ 、 マ ー カ ー 座 に 起 因 して い る も の で は な い と考 え られ る 。 以 上 の 結 果 か ら 、 本 章 で 開 発 され た5マ ー カ ー 座 は サ ク ラ マ ス の集 団 解 析 を 行 う の に 有 効 な 変 異 量 が あ る と考 え ら れ た 。

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第二章 マイクロサテライトDNAマ ーカーの遺 伝様式の検証と個体間距離 の推 定

マ イ ク ロサ テ ライ トDNAマ ー カ ー は 、 高 変 異 性 で あ る た め プ ライ マー サイ トも変 異 しや す く、低 感 度 マ ー カ ー に 比 べ塩 基配 列 にお け る特 異 性 は 必 ず しも高 い とは い え な い。 従 っ て 、 目的 と しな いマ イ ク ロサ テ ライ ト座 が 増幅 され た り、 目的 とす るマ ー カー ア リル が 増 幅 され ない 可 能 性 が あ る た め、 マ ー カ ー座 毎 に そ れ らの遺 伝 様 式 の 確認 を行 う必 要 が あ る。 そ こで 、本 章 で は、 両 親 の ア リル 型 が明 らか な2交 配 区 を用 い て 、第 一 章 で 開発 した マ ー カ ー 座 が メ ンデ ル 遺 伝 す るか 否 か を調 べ た 。 両 親 の ア リル 型 か ら予 想 され る仔魚 の ア リル 型 頻 度 の 期 待 値 と仔 魚 の ア リル 型 頻 度 の観 察 値 を比 較 し、-2 検 定 を行 っ た と ころ 、 メ ンデ ル の 分 離 比 か らの逸 脱 は 観 察 され ず 、 メ ンデ ル 遺伝 して い る こ とが 分 か っ た(表2-1)。 表2-1マ イ ク ロ サ テ ラ イ トDMマ ー カ ー の ア リル 型 の 遺 伝 様 式 お よ び メ ン デ ル 式 分 離 に 関 す る λ'2検定

交配区

遺伝子座

両親の遺伝型

叢 黎 型 観察値 期待値P柚

0む520 雄195〃9517η9525 雌17〃199195Z19921 230 .55523 0鋭 α01 雄123Z12312淵12328 雌123〃35123Z13519 23.50 .18923 .5 A 0脚02 雄124!128124〃2830 雌128∼72812翫12818 240 .08324 0〃 露α03ゐ ε

謹1多 瀦

・3刎・848

48 ハ感 雄 OmaO4my 雌 IS2/IS210152/154 152/15414

1伽58暮

辮 謬}1

12 120 .72112 12 0応520 雄195ZZ95195Z19523 雌195Z197195Z19719 210 .53721 OmaOI 雄123ZZ23 雌123Z123 123/12342 42 ハζぶ BO配 α02

・2初281多瀦

124/13010 雌12〃130 128/1309 10.25 10.250 .16110 .25 10.25 0〃 昭03舵 雄122四22116α2227 雌,116α18118∠12215 210 .06421

伽 ・

雄1揚 鶏 多

霧 多ll

20.50 .87620 .5 ま た 、 マ ー カ ー 間 に連 鎖 関係 が あ る か否 か を 、2001年 に 富 山県神 通川 へ遡 上 した44個 体 のサ ンプ ル と新 潟 県 荒 川 へ 遡 上 した25個 体 を用 い て連 鎖 不 平 衡 の検 定 を行 っ た と ころ、2集 団 間 を通 して 連 鎖 不 平 衡 が 観 察 され た マ ー カ ー対 は な か った 。 メ ンデ ル 遺 伝 お よ び染 色 体 上 で の連 鎖 関 係 が ない こ とか ら、 中立 なマ ー カー 座 として集 団解 析 に利 用 可 能 で あ る こ とが わ か った 。 これ ら5プ ライ マ ー が家 系解 析 に利 用 可 能 で あ る か を検 討 す るた め に 、 同胞 集 団 内 お よび 半 同胞 集 団 間 にお け る 、P5α(アリル 共有 度)の 分布 を 求 め た と こ ろ、単 峰 型 の分 布 を描 き、家 系 を反 映 した結 果 を示 した(図2一1お よび 図2・2)。

(6)

0.350.35 0刃 ・… 一 一 ・・ …iα30

繋i,蒔

0.00、1Q203040.50石 α7α809LOO.00ユ0.20、3α40.50.60.70.80.91.0 ρ38禽 ヨ 図2-1同 胞 集 団 内 に お け る み8の 頻 度 分 布 図 .2-2半 同 胞 集 団 間(交 配 区1-2間)に お け る 月g∂の 頻 度 分 布 そ し て 、2交 配 区 の 全 個 体 間 の1-P5α を 求 め 、UPGMへ 法 に よ っ て ク ラ ス タ ー 解 析 を行 っ た と こ ろ 、 家 系 に 対 応 し た 明 確 な 二 つ の ク ラ ス タ ー を 形 成 した(図2-3)。 3嵩 9p 8ト r♪り ♪ε噌 9Z-91一 εVI璽 ツ0・εVN

監澱

9」 ge

1

露11.1,1 エ る ほ り

轟Lい 箪Lし}N 刈 ●θu犠 図2-32交 配 区(MA1と 撚2)に 属 す る個 体 の 個 体 間 距 離 に 基 づ くUPG撚 デ ン ドロ グ ラ ム この こ と か ら、5マ ー カ ー座 を使 っ て半 同胞 集 団 を識 別 で き る可 能性 が あ る と考 え られ る。 以 上 の2点 か ら、開 発 した5マ ー カ ー座 は 、 家 系 解 析 に 有効 と考 え られ た。

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第 三 章 マイクロサ テライトDNAマ

ー カー によるサ クラマスの 遺 伝 的 多様 性 と

集 団 分 化

富 山 県 神 通 川(2001年 、2002年)、 新 潟 県 魚 野 川 、荒 川 、三 面 川 、 北 海 道 尻 別 川 、暑 寒 別 川 、標 津 川 、 岩 手 県 安 家 川(以 上2001年)、 宮 城 県 気 仙 沼 沖(2003年)の9水 域(10標 本 集 団)で そ れ ぞ れ17∼48個 体 を 採 集 し、計333個 体 を サ ン プ ル と し て 供 した 。遺 伝 的 多 様 性 ア リル 数(NA)、 ア リル リ ッ チ ネ ス(AR)、 ヘ テ ロ 接 合 度 の 期 待 値 伽)と 観 察 値 伽)、 ハ ー デ ィ ー ワ イ ン ベ ル グ 平 衡 か らの 逸 脱 に 関 す る 、P-valueを 求 め た と こ ろ 、 表3・1の 結 果 を 示 し た 。 表3-1天 然 ザ クラマ ス10標 本 集 団 の 遺 伝 的 多 様 性 マ ー カー 座 神 通 川 神 通 川 三面 川 魚 野 川 荒 川 尻 別 川 標 津jll暑 寒 別 川 安 家 川 気 仙 沼 沖 2002002 Sample4444 Size 17 21 25 48 43 26 21 44 OmaOINA16191519 AR13.113.315.017.3 hoO.7500.7050.8240.952 heO.9170.8800.9380.948 ρ 一》a[ロeOO33寧0000串0.2020.174 241913191514 19.713.59.516.413.49.0 0.9200.5830.5580.8460.7140.659 0.9580.915 ,0.8000.9470.9080.764 0.4070.000`0.000'0.023'0.003'0.339 OmaO2NA17171312 AR12.612.513.010.9 hoO.8180.8640.8820.714 heO.8970.8950.8890.868 P-valueO.2060.5080.8680.166 151818151323 13214.013.612.511.914.4 0.8800.8750.8600.7310.9050.773 0.9160.9260.9180.8920.8940.893 0.7880.048"0.0510.3080.9650.002' OmaO3keNA91089 AR8.89.58.08.7 hoO.9090.7730.8240.667 heO.8810.8850.8000.847 P-valueO.5520.1090,3820.028' 1011129815 8.87.19.97.37.911.4 0.9200.9170.8600.7690.7620.795 0.8190.8190.8800.7960.8290.898 0.8610.fi450.8490.7870 .036'0.002' OmaO4myNA6555 AR4.94.65.04.7 hoO.6360.6360.7650.667 heO.6300.6610.7290.642 P-valueO.9440.1080.4840.810 656757 5.64.85.46.54.85.5 0.6800.6670.7910.6540.7620.638 0.7580.7020.8110.7930.6820.701 0.0540.2340.7750.1560.5430.148 Ofs520NA14121112 AR10.69.811.011.1 hoO.8410.7950.7060.714 heO.8590.8540.8340.879 P-valueO.4590.013"0.020'0.070 121615151116 11.312.111.812.710.7t1.2 0.8800.8750.8600.8850.9520.888 0.9170.8840.8880.9020.8830.865 0.6460.2140.7460.1180.6520.826 5座 の 平 均 値 NA12.4012.6010.4011.4013.4013.8012.8013.0010.4015.00 AR10.009.9510.4010.5711.7210.3010.0411.089.7410.29 HoO.7910.7550.8000.7430.8560.7830.7860.7770.8190.750 .陥0 。8370。8350.8380.83'70.8740.8490.8560。8660り8390.824 *印 は 、バ ー7イ ー ワ ー イ ペ ル 平 衡 、ら の 逸 脱(5艶 水 ま)示 各 地 点 に お け る 、 ヘ テ ロ接 合 度 の 期 待 値 の 平 均 値(Hε:5マ ー カ ー 座)は 気 仙 沼 沖 の0.824か ら荒 川 の 0.874、ア リル リ ッチ ネ ス の 平 均 値(5マ ー カ ー 座)は 安 家 川 の9.74か ら荒 川 の11.72ま で の 値 を 示 し た 。 荒 川 は 、 全 て の マ ー カ ー 座 に お い て ハ ー デ ィ ー ワ イ ンベ ル グ 平 衡 か ら の 逸 脱 が 確 認 さ れ ず 、 そ れ 以 外 の 標 本 集 団 で は 、1∼2マ ー カ ー 座 で ハ ー デ ィー ワイ ン ベ ル グ 平 衡 か ら'の逸 脱 が 観 察 され た が 、全 て の マ ー カ ー 座 で 逸 脱 して い る集 団 は な か っ た 。 マ イ ク ロ サ テ ラ イ トDNAマ ー カ ー に よ る ヘ テ ロ 接 合 度 の 期 待 値 の 平 均 値(飽:5マ ー カ ー 座)は 、 絶 滅 危 惧 種 の リ ュ ウキ ュ ウ ア ユ で は0.364か ら0.348、 も し く は0.176か ら0.226程 度 で あ り 、 多 様 性 に

(8)

富 ん で い る と言 わ れ て い るマ ダイ と ヒラ メに お い て は、0.694か ら0.924、0.74か ら0.76程 度 の値 を示 す。本 研 究 にお け るサ ク ラマ ス の0.824か ら0.874と い う値 は 、多 様 性 に 富 ん で い るマ ダイ お よび ヒラ メ と比 べ て も大 差 な く、 十分 な多 様 性 を保 持 して い る と考 え られ る。 次 に 、 サ ク ラマ ス の 異 な る遡 上 年 の標 本集 団 間 にお いて 異 質 性 が 存 在 す るか 否 か を判 定 す る た め、 富 山 県神 通川 の2001年 標 本 群 、2002年 標 本 群 を用 い てFst分 析 を行 った と こ ろ、 両 標 本 集 団 間 に異 質 性 は認 め られ な か っ た。 次 に水 域 間 に異 質性 が 存在 す る か否 か を調 べ るた め に、9水 域 間 で のF就 分 析 お よびAmova分 析 を行 った と こ ろ、全 て の 水域 間 で 異 質 性 が観 察 され 、全 標 本 集 団 の 変 異 量 の うち 、 集 団 間 の変 異 は3.18%を 占 めて い る こ とが わ か っ た 。 以 上 か ら、 サ クラ マ ス の在 来集 団 で は 、 同 一 水 域 の異 な る漁獲 年 の標 本 群 は同 一 とみ なせ るが 、永 域 間 は異 な る分集 団 を形 成 して い る こ とが わ か っ た。 こ の現 象 は 、 サ ク ラマ スが 、サ ケ 科魚 類 の 中 で も特 に強 い 母 川 回 帰性 を有 して い るた め水 域 毎 に 強 い遺 伝 的独 立性 を備 え た こ とを示 唆 して い る。 安家川 魚野川 気仙沼沖 図3-1 面 川 神 通 川 2042 98 神 通 川 zoos

57, io -5zo 標 津川 30 尻 別 川 荒 川 暑 寒 別 川 神 通 川2001 神 通 川2002 荒 川 三 面 川 尻 別 川 魚野 川 安 家 川 標 津 川 気 仙 沼 沖 暑 寒 別 川 一 〇.os CavalIi-sforzaの 距 離 に よ る 網eighbor-Jointing(陶) デ ン ド ロ グ ラ ム(上 側)とUPGMAデ ン ド ロ グ ラ ム(下 側) 噌1 1ioo 51 1 23 ト d 3 ト 5

38 Cavalli-SfbrzaandEdwardsの 遺 伝 距 離 を 求 め 、UPGMA法 とNJ法 と に よ っ て デ ン ド ロ グ ラ ム を 作 成 し た と こ ろ 、 図3・1の 樹 形 を 示 し た 。

(9)

異 質 性 が 観 察 され なか った神 通 川 の2001年 度 と2002年 度 の標 本 群 は、UPGMA法 とNJ法 で共 に ク ラス ター を形 成 し、ブ ー トス トラ ップ値 も極 め て大 き く、信 頼 性 が 高 か っ た が 、そ れ 以 外 の 地 点 で は 、 UPGMA法 とNJ法 で 共 通 の ク ラス ター は な く、ま た 、ク ラ ス タ ー 間 の肢 長 が 長 い とい う傾 向 も観 察 さ れ 、 そ れ ぞ れ の ク ラス ター の ブ ー トス トラ ップ値 も小 さか っ た。 従 っ て 、そ れ ぞれ の グル ー プ性 に 関 して は系 統 的 意 味 を見 出す こ と は出 来 な い と判 断 され た。 地 理 的 な 距 離 と ク ラス ター に 正 の相 関が ない 原 因 と して 、以 下 の三 点 が考 え られ た 。 一 つ 目は、 異 な る河川 に 由来 す る種 苗 が放 流 され 、遺 伝 的 撹 乱 が お き て い る 可能 性 が あ る こ と。 二 つ 目 は、 近 年 集 団 サ イ ズ が 急激 に減 少 して 小集 団化 し、遺 伝 的 浮 動 に よ る無 方 向へ の 分 化 が 加 速 して い る可 能 性 が あ る こ と。 三 つ 目は 、 現 在 で も一 定 の遺 伝 子 交 流 が お き てお り、 分 集 団 間 の遺 伝 的 分 化 が 中 断 した た め 分 化 の程 度 が 小 さ くな った 可 能性 が あ るこ と。 ク ラ ス タ ー 間 の肢 長 が 長 か っ た こ とは 、 二 点 目 と三 点 目の仮 説 を 示唆 して い る と考 え られ る。

第四章 個体 レベルの家系および集団識別解析法の検討

サ ク ラ マ ス の 半 同 胞 集 団 に お い て 、 家 系 が 推 定 で き る か 否 か を 調 べ る た め に 、 半 同 胞 関 係 に あ る2 交 配 区 に 属 す る 全 て の 個 体 に 対 し てAssignm㎞tTestを 行 っ た と こ ろ 、 交 配 区1に 属 す る 全45個 体 、 交 配 区2に 属 す る 全40個 体 が 、そ れ ぞ れ の 家 系 に 正 し く再 配 置 され 、サ ク ラ マ ス の 家 系 判 別 が 可 能 で あ る こ と が わ か っ た 。 こ れ を 利 用 す れ ば 、 サ ク ラ マ ス の 親 魚 お よ び 仔 魚 集 団 の 遺 伝 的 管 理 に 応 用 で き る と 考 え ら れ る 。 次 に 、 野 生 集 団 に 対 す るAssig㎜entTestを 試 み た 。 初 め に 、 集 団 間 の 遺 伝 的 分 化 が 明 確 な ア ユ (Plecoglossusaltivelis)を モ デ ル ケ ー ス と し て 個 体 の 識 別 を 試 み 、Assig㎜entTestの 有 効 性 に つ い て 確 認 す る こ と と した 。 ア ユ に は 、 琵 琶 湖 に 陸 封 され た 集 団 と 両 側 回 遊 す る集 団 が あ り、 両 者 は 生 殖 隔 離 し て い る こ と が 知 られ て い る 。標 本 群 と して は 、1998年 に 吉 野 川 の 第 十 堰 下 流 域 か ら採 集 し た 両 側 回 遊 型 ア ユ 稚 魚(A1)と 勝 浦 川 か ら 採 集 し た 両 側 回 遊 型 ア ユ 稚 魚(A2)お よ び 、琵 琶 湖 か ら 採 集 さ れ た1997年 の 陸 封 型 ア ユ 種 苗(L1)と1998年 の 陸 封 型 ア ユ 種 苗(L2)を 利 用 し た 。5マ ー カ ー 座 に よ るAssig㎜entTest を 行 っ た と こ ろ 再 配 置 率 は0.88∼0.94、9マ ー カ ー 座 に よ るAssig㎜entTestを 行 っ た と こ ろ 再 配 置 率 は0.97∼0.99を 示 した(表4-1)。 表4-1ア ユ の 型 判 別 結 果 マ ー カ ー 座 数 Al サ ンプル 地点 AZLI L2 5座 両側 回遊型 陸封 型 '再配置 率 68 9 羽 0 51 3 0.94 3 36 0.92 7 70 0.91 9座 両側 回遊型 陸封 型 再配置 率 71 2 0.97 1 67 0.99 ア ユ の各 標 本 個 体 を両 側 回 遊 型 と陸 封型 に 判別 す る こ とは 、5マ ー カ ー座 で も可 能 で あ る が 、 さ ら に増 や せ ぱ 詳細 な デ ー タが得 られ る事 が期 待 で き る と考 え られ る。

(10)

さて 、 これ ま で 陸封 型 と両 側 回 遊 型 の混 合 率 は、 両集 団 を特 徴 付 け るマ ー カ ー座 の ア リル 頻度 に 基 づ い て推 定 して きた 。 これ に 対 し、 それ ぞ れ の個 体 が 陸 封型 と両側 回 遊 型 か判 明す れ ば 、 よ り正 確 な 混 合 率 の推 定 が期 待 で き る。 そ こで 、従 来 法 お よび 、 陸 封 型 と両 側 回 遊 型 を個 体判 別 す る こ とに よっ て推 定す る方 法 で、 混 合 率 を 推 定 した とこ ろ、 表4-2お よび 図4・1の 結 果 を示 した 。

表4-2各

標本群 にお けるア ユの型判 別 および混合率 の推定

陸封型の混合率

標本群名

サ ンプル数 両側回遊型

陸封型

個体判別法

頻度法

Ql

Q2

Q3

Q4

Q5

39 80 40 39 40 33 59 22 18 32 6 21 18 21 S 0.154 0.263 0.450 0.538 0.200 一〇.013 0.241 0.476 0。577 o.02s 0.70 0.60 陸 封0・50 型 個0・40 体 の0・30 混 AO.20ロ 率0 .10 0.00 -0 .10 ■ 個 体 判 別 法 □頻 度 法 標 本群

図4-1ア

ユ の陸封型一両側回遊型混合集 団における混合率

両 側 回 遊 型 と陸 封 型 の 混 合 率 を、個 体 の型 判 別 に よっ て推 定 した場 合 と従 来 の方 法 で 推 定 した場 合 を比較 す る と、混 合 率 がや や 高 い 状 態 で は 両者 は よ く一 致 した が 、陸 封 型 の 混 合 率 が 低 い 標 本 群 にお い て は 、 両方 法 の結 果 は大 き く異 な って い た。 両 側 回遊 型 と陸 封型 の 混合 率 を、 個 体 の 型 判 別 に よ っ て推 定 した 場 合 は 、頻 度 の影 響 を受 け る こ とが な く、 よ り正 確 に推 定 で きた も の と考 え られ る。 サ ク ラマ ス天 然 個 体 を 、9地 点 に割 当て るAssig㎜entTestを 行 っ た とこ ろ、LOD値 が0以 上 の 時 に は 、 全体 で の再 配 置 率 が0.463と 、著 しく低 か っ た。LOD値 を1以 上 の個 体 に 限定 す る と、全 体 で は 0.750に 上 が っ た(表4-3)。

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表4-3天 然 サ ク ラ マ ス のAssignmenttest結 果 神 通 川 神 通 川 三 面川 魚 野 川 標 本 集 団 20012002 荒 川 尻別 川 標 津川 暑寒 別川 気 仙沼 沖 全 体 再 配 置 率0.4320.4770.5880.5240。1600.4380.6280.4810。4320。463 LodO再 配 置 数19211011 以 上 誤 認 識2523710 合 計44441721 4Z1271319145 2127161425168 2548432744313 再 配 置 率0.7500.667LOOOO.7140.3330.6250.9380.8890.5①00.750 Lod1再 配 置 数3645 以 上 誤 認 識1302 合 計4947 15158451 2311417 38169868 LOD値 が 、0以 上 、1以 上 ど ち らの 揚 合 も、個 体 の再 配 置 率 は低 か っ た が 、 ま った く分 化 が お きて い な い分 集 団 問 で 同様 の こ とを行 っ た場 合 に は、均 等 に9水 域 に割 当 て られ る た め理 論 的 に は0.11の 再 配 置 率 に な る こ とを想 定 す れ ば 、 それ ぞ れ の 水 域 に 再 配 置 され る傾 向 が 比 較 的 高 い と評 価 で き る。 再 配置 率 が低 い理 由 と して 、 サ ン プル 数 お よび マ ー カ ー の数 が少 な い こ と、 お よび 、集 団 間 の 遺伝 的 分化 が 小 さい こ とな どが考 え られ る。 今 後 、 マ ニ カ ー の 数 とサ ンプ ル数 を増 や す こ とに よ り遺 伝 的 分 化 状態 と集 団構 造 を よ り明 確 にで きれ ば、'個体 レベル の集 団判 別 が で き る可 能 性 が ある。

第 五章 コンピューター シュミレー ションによるサ クラマス集 団 の遺 伝 的 多様 性 の 喪 失 防 止

法 の 検 討

第 一 節 遺 伝 子 型 発 生 シ ミコ.レー シ ョン 法 の 検 討 プ ロ グ ラ ム 言 語Perlに よ っ て 、遺 伝 子 型 発 生 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン を 作 成 した 。 ア ル ゴ リ ズ ム は 以 下 の 通 り とす る。 遺 伝 子 座0〃2α01が 、 雄 親 で はP1∠P2、 雌 親 で はM1雌 だ っ た 仮 定 す る と 、 子 供 の 遺 伝 子 座0襯01で は 、二 つ の ア リル の う ち の 片 側 が 、雄 親 の ア リルP1とP2の い ず れ か が1/2の 確 率 で 選 ば れ る。 も う片 側 の ア リル は 、 雌 親 の ア リ ル 鮒 と 翅 の ど ち ら か が1!2の 確 率 で 選 ば れ る 。 従 っ て 、 子 供 の 遺 伝 子 座0〃2α01は 、P1〃1、P1脇 、P2㎜ 、P2細 の4種 類 の い ず れ か の 型 に な る。 こ の よ う に し て 、1遺 伝 子 座 の ア リル 型 が き ま り、 こ の 操 作 を 、5マ ー カ ー 座 全 て で 順 次 実 行 し 、子 供 の 遺 伝 子 型 を 決 定 し た 。 シ ミ ュ レ ー トさ れ た 集 団 が 、 現 実 の サ ク ラ マ ス の 遺 伝 様 式 を 反 映 して い る か ど う か を 、第 二 章 で 用 い た2家 系 を モ デ ル と し て 用 い 検 討 した 。 そ れ ぞ れ の 交 配 区 の 親 魚 デ ー タ か ら、 上 記 の コ ン ピ ュ ー タ ー シ ミ ュ レー シ ョン に よ っ て100個 体 の 子 を 作 出 し、 そ れ ぞ れ の 交配 区 の シ ミュ レー シ ョ ンデ ー タセ ッ ト と した 。 こ う し て 得 られ た 仮 想 交 配 区 と実 在 交 配 区 の 間 に 異 質 性 が 存 在 す る か を調 べ る た め 、 仮 想 交 配 区 をtriallか らtrial10ま で10集 団 作 成 し 、実 在 交 配 区 と併 せ た 計11集 団 でFst分 析 を 行 い 異 質 性 を 検 定 した 。 そ の 結 果 、1対 の 仮 想 集 団 間 で わ ず か な 異 質 性 が 観 察 さ れ た 以 外 は 、 両 集 団 間 に 異 質 性 は 観 察 され な か っ た 。 こ の こ と か ら 、 仮 想 集 団 は 実 在 集 団 を反 映 し て い る と考 え られ た 。 次 に 、仮 想 同 胞 集 団 のP8α の 分 布 を 求 め 、実 在 同 胞 集 団 のP∫ αの 頻 度 分 布 と 併 せ て 表 示 し た と こ ろ 、 図5-1-1の よ うに 極 め て 類 似 し た グ ラ フ を 示 した 。

(12)

o.aa 0.35 0.25

1

._i

……

i

l

匿 1 … 9 ii … … …

幽 壷 壷 幽 0.40 ass oao o.zs 頻o .za 度 0.15 o.ia o.os o.ao 00.10.20.30.40SO.60.70.80.91 Psa 〔 壌 在集団 頻o .zo+仮想集団 度 0.15 o.io a.os o.oo ロ 実在集団 十 仮想集団 00.10.20.30.40.50.60.70.80.91 Psa

図5-1-1サ

クラマス 同胞集 団2集 団 とそれ ぞれの仮想集 団における 禽8の 分布の比較

仮 想 半 同 胞 集 団 のP5α の 分 布 を 求 め 、 実 在 半 同 胞 集 団 のP∫ α の 頻 度 分 布 と 併 せ て 表 示 し た と こ ろ 、 図5-1-2の よ うに 極 め て 類 似 し た グ ラ フ を 示 した 。 o.aa oss ono a.zs 頻o .xo 度 0。亘5 o.ia o.os 〔 コ実在集団 一★幽仮惣集団 0.00 00.10.20.30.40SO.60.76.80.91 Pso 図5・1・2サ ク ラマ ス 人 工 交 配 区2集 団 と仮 想 集 団 に お け る 盈 αの分 布 の 比 較 以 上 の3集 団 に お い て 、 仮 想 集 団 の 頻 度 分 布 と実 在 集 団 の 頻 度 分 布 をf検 定 に よ っ て 調 べ た と こ ろ 、仮 想 集 団 一実 大 集 団 間 に 有 意 差 は 認 め られ ず 、仮 想 集 団 のP∫ αの 分 布 は 現 実 集 団 のP5α の 分 布 と よ く 一 致 し て い る と考 え られ た 。 親 の 遺 伝 子 型 の み が 知 ら れ て い る18集 団 を シ ミ ュ レ ー トし て 仮 想 集 団 を 作 成 し 、AsslgnmentTest を 行 っ た と こ ろ 、1集 団 を 除 い た17集 団 で は 、95∼100%と 概 ね 高 い 識 別 率 を 示 し た(表5-1-1)。1集 団 に お い て は 、84%と 他 の 集 団 に 比 べ る と比 較 的 低 い 値 に と ど ま っ た が 、 誤 判 別 され た 個 体 の う ち の 87.5%は 、 元 の 集 団 の 半 同 胞 集 団 に割 り当 て られ た 。 こ の こ と か ら 、 親 の デ ー タ の 性 質 に よ っ て 精 度 は 変 わ る が 、 家 系 を 概 ね 識 別 で き る と考 え られ た 。

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表5-1-1ヤ マ メ人 工 交 配 区 シ ミコ.レー シ ョン に よ るAssignmentTestの 結 果 家 系

㎜LIIM[A2㎜ ㎜L4醜51MML6N正A7】MLへ8㎜M[A101MML111顯 、12㎜L131>IA14】M[A151M【A16N正A171M【A18 MAI95 Ntaaioo MA3100 MA4 MA5 MA6 May MA8 判 定MA9 結 果MA10 iii MA125 MA13 MA14 nzais MA16 MA17 MA18 4 95 i 100 4 96 99 1 ioo 100 1 3 952 98 1 2 98 i 98 1 1 99 ioa 2 9614 484 100 第 二 節 遺 伝 的 多 様 性 の 維 持 に 関 す る研 究 富 山 県神 通 川 、新 潟 県 荒 川 、 北海 道 暑寒 別 川 、岩 手 県安 家 川(以 上2001年)の 遺 伝 子 型 デ ー タか ら無 作 為 に100個 体 を非 復 元 抽 出 し、 これ を コ ン ピュー タ ー シ ミュ レー シ ョン の創 始 者 集 団 と した。 世 代 交 代 は 、 図5・2・1に示 す モデ ル に 基 づ い て設 計 し、 プ ロ グ ラム 言 語Per1に よっ て実 装 した 。 交 配 は 、 父 親 集 団 、母 親 集 団か らラ ンダ ム に1個 体 ず つ親 魚 を復 元 抽 出 して 子 供 を1個 体 作 成 す る。 これ を 、 子 供 が500個 体 に な るま で繰 り返 した 。 親 魚 の選 択 方 法 各 世 代 の親 魚 は、 以 下 の3層種 類 の選 択 方 法 で 選 ばれ た 。 1)オ ス集 団 、 メ ス集 団 か ら、任 意 に1個 体ず つ 非 復 元 抽 出 し、任 意 の親 魚 数 にな るま で 父親 集 団 、 母 親 集 団 に加 えて い く。(以 下 、 ラ ン ダム 抽 出 と表記) 2)オ ス集 団 に属 す る全 て の個 体 と、 メス集 団 に属 す る全 て の 個 体 間 のP3α を算 出 し、P∫αが最 小 の ペ ア を非 復 元 抽 出 し、任 意 の 親 魚 数 に な るま で 父親 集 団 、母親集 団に加 えてい く。(以下、MK-Pah 抽 出 と表 記) 3)オ ス集 団 に属 す る あ る1個 体 と、メ ス集 団 に 属 す る全 て の個 体 との間 のP3α の 平 均値 を算 出す る。 Pmの 平 均値 は 、そ のオ ス とメ ス集 団 との 間 の 距 離 と考 え 、P∫αの平 均 値 が 小 さい個 体 か ら順 に 、 任 意 の親 魚 数 にな るま で父 親 集 団 に加 えて い く。 メ ス に関 して も、 同 様 の 方 法 で任 意 の親 魚 数 に な るま で母 親 集 団 に加 え て い く。(以 下 、MK.Ave。 抽 出 と表 記)

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次 の世 代ヘ コピー

子集 団

始祖集団

:N自100

性分割

オス

メス

父親

0

親選択

ランダム選択

MK選 択

遺 伝 子 型 発 生 シ ミュレ ー シ ョン 0 N=540

性分割

オス

メス

図5-2-1世 代 交 代 シ ミ ュ レー シ ョ ン の 流 れ 多 様 性 の 評 価 各 世 代 に お け る 子 供 の 数 は500個 体 作 出 し、30世 代 継 代 した 。 各 世 代 に お い て 、 子 集 団 の ア リル 数(NA)、 ヘ テ ロ接 合 度 の 期 待 値(Hθ)を 求 め た 。 親 魚 の 数 に よ る 多 様 性 の 変 化 を 調 べ る た め に 、 親:魚数 を20個 体(オ ス 、 メ ス 、10個 体 ず つ 、 以 下 の 親 魚 数 は 、 オ ス 、 メ ス 同 数 ず つ の 和 とす る)、 30個 体 、40個 体 、50個 体 、60個 体 、70個 体 、80個 体 、90個 体 、100個 体 、200個 体 に お い て 、 ラ ン ダ ム 抽 出 、MK-Paセ 抽 出 、MK-Ave.抽 出 の 親 魚 選 択 法 に よ っ て シ ミ ュ レー シ ョ ン を 行 っ た と こ ろ 、 ア リル 数 は 表5-2-1、 、 ヘ テ ロ 接 合 度 の 期 待 値 は 、 表5-2-2の 結 果 を 示 し た 。 親 魚 数 が50個 体 の 時 は 、 ラ ン ダ ム 抽 出 の 際 は ア リル 数(NA)が99個 か ら26.8個 、入 テ ロ 接 合 摩 の 期 待 値(Hθ)は0.89か ら0.71に 減 少 した 。 こ れ に 対 し 、MK-Ave.抽 出 で は 、 ア リル 数(NA)は99個 か ら47.4個 へ の 減 少 に と ど ま り、 ヘ テ ロ 接 合 度 の 期 待 値(地)は0.89を 維 持 した 。MK-Pair抽 出 で は 、 ア リル 数(NA)は99個 か ら43.6個 へ の 減 少 に と ど ま り、ヘ テ ロ接 合 度 の 期 待 値(He)は0.89か ら0.88と 殆 ど変 わ らず 、 多 様 性 維 持 に 関 し

て 効 果 を 示 した 。MK・Ave、 抽 出 とMK・Pair抽 出 の 効 果 を検 討 す る た め に 、 そ れ ぞ れ の ア リル 数(NA)お よ び ヘ テ ロ 接 合 度 の 期 待 値(旋)と ラ ン ダ ム 抽 出 に お け る 値 との 比 を と っ た と こ ろ 、図5。2-2の 結 果 を 示 し た 。MK-Ave.抽 出 で は 、親 魚 数 が 多 い と き は 最 も 高 い 効 果 を 示 した が 、親 魚 数 が70∼40の 時 点 で 効 果 が 落 ち 、 親 魚 数 が30で は ラ ン ダ ム 抽 出 と 同 程 度 の 効 果 に な り、20で は ラ ン ダ ム 抽 出 の 半 分 の 効 果 に ま で 落 ち 込 ん だ 。 親 魚 数 が 少 な く な る に つ れ 効 果 が 上 が り、 常 に ラ ン ダ ム 交 配 よ り高 い 効 果 を 示 し た 。 ま た 、 親 魚 数 が 少 な く な る に つ れ 効 果 が 上 が っ た が 、 親 魚 数 が20に お い て は 、若 干 効 果 が 低 下 し た 。 ア リル 数(NA)は 、 親 魚 数 が 少 な く な る に っ れ 効 果 が 上 が り続 け た 。

(15)

表5-2-1選 択 方 法 と 親 魚 数 の 違 い に よ る1,5,15,30世 代 目 に お け る ア リ ル 数 の 変 化 GenelationlGenelation5Genelation15Genelation30 NeAve.PairRand.Ave.PairRand.Ave.PairRand.Ave.PairRand. 2071.463.960.8 3080.573.770.5 4086.580.878.7 5089.786.083.4 6092.490.086.7 7094.092.890.9 8095.994.694.0 9097.396.796.4 10098.597.598.0 20098.997.598.8 32.343.836.5 49.853.444.8 62.959.251.3 71.864.156.1 77.568.560.0 81.571.364.1 84.373.767.4 85.877.870.4 87.778.772.5 93.988.384.5 14.027.920.0 28.339.726.1 43.745.931.1 57.150.935.8 66.455.338.4 74.557.841.9 78.761.545.0 81.764.547.7 84.865.650.3 92.677.964.7 6.116.512.5 16.030.116.3 33.338.520.8 47.443.624.0 59.248.126.8 68.650.729.2 73.954.131.6 78.5.56.933.8 82.358.336.1 92.571.850.0 表5-2-2選 択 方 法 と 親 魚 数 の 違 い に よ る1,5,15,30世 代 目 に お け る ヘ テ ロ 接 合 度 の 期 待 値 の 変 化 GenelafionlGenelationsGeoelation15Genelation30 NeAve.PairRand.Ave.PairRand.Ave.PairRand.Ave.PairRand. 200.900.890.87 300.910.890.88 400.900.890.88 500.900.890.88 600.900.890.88 700.900.890.88 '800 .890.890.88 900.890.890.88 1000.890.890.88 Zooossosgass 0.800.870.80 0.870.890.83 0.900.900.85 0.910.900.85 0.420.910.86 0.930.910.86 0.930.910.86 0.930,910.87 0.930.910.87 0.940.910.88 0.560.780.67 0.780.870.74 0.860.890.77 0.900.900.79 0.410.900.81 0.930.910.82 0.930.910.82 0.930.920.83 0.940.920.84 0.940.930.86 0.240.670.51 0.b20.800.60 0.830.870.67 0.890.880.71 0.910.900.73 0.920.900.75 0.930.900.76 0.930.910.78 0.930.910.79 0.940.930.83 親 魚 数 が 少 な い 際 に、MK-Ave.抽 出 で は効 果 が 落 ち、MK-Pak抽 出 で は 効 果 が 安 定 して い る こ とに つ い て は 、 以下 の よ うに解釈 した。 今 回実 験 に用 い た標 本 は、 異 質性 が検 定 され た4集 団 の サ ンプル を混 合 して い る。 仮 に 、2つ の分集 団 が存 在 し、'2つ の分 集 団 問 で サ ンプ ル サ イ ズ に差 が あ った と仮 定 す る。 そ の 際 に は 、MK・Ave.抽 出 で は 、 小集 団 の 個 体 は 、大 集 団 に属 す る個 体 との個 体 間 距 離 が 不 当 に高 く加 算 され るた め平 均 値 が高 くな る。 そ の た め 、親 魚 数 が極 端 に 小 さ くなっ た と き は、 小集 団 に属 す る個 体 の み が選 ばれ る ので 、 む しろ 多様 性 が 低 下 す る も の と思 わ れ る。 一 方 、MK-Pa辻 抽 出 で は 、個 体 間 距離 が遠 いペ アが 確 実 に 選 ばれ るの で 、親 魚 数 が少 ない 場 合 にお い て も安 定 した 成 果 を残 せ るだ ろ う。

(16)

以 上 か ら 、 本 節 に お い て 、MhlimalKinship選 択 は 、 多 様 性 維 持 に 効 果 が あ る こ と が 示 され た 。 しか し 、 対 象 集 団 の 特 性 や 、 親 魚 の 数 に よ っ て は 逆 効 果 を 引 き 起 こ す 危 険 性 も 明 らか に な っ た 。 今 後 、 Min量malKinship選 択 を 実 施 す る 際 に は 、 継 代 シ ミ ュ レー シ ョ ン を 行 い リ ス ク を は か る こ と が 必 要 で あ ろ う。 選 択 の 効 率 3.0 2.0 1.0 o.o

}

MK-Ave・i ii

♂}

M陥 ・…l i 匿 i

I

i…

1甘,聖rlPllI 2.0 血 1 選 択 の 効 率 MK-Ave. MK-Pair o.0 20010090807060504030202001009080706050403020 親 魚 数 親 魚 数 図5-2-2MK選 択 の2方 法(Ave.とPair)の 多 様 性 維 持 に 関 す る 効 率 (ラ ン ダ ム 抽 出 時 の 龍(左 側)お よ びM(右 側)の 値 と の 比)

第六章 サクラマス種 苗放 流における遺伝的管理方法の提案

現在 、サ ク ラマ スの 種 苗 生 産 は、そ れ ぞ れ の 雌 か ら搾 出 され た 卵 に 、数 尾 の雄 の 混 合 精 子 を媒 精 す る ケー スが 多 い 。 この 方 法 は 簡 便 で あ るが 、 人 工種 苗 集 団 にお け る有 効 な親 魚 数 が 、少 な くな りや す く、遺 伝 的 多 様 性 が低 下 す る危 険性 が あ る。 種 苗 生 産 は 、産 卵 艀 化 、 育 成 の2つ の 過 程 か らな る。 上 記 の方 法 で は、 産 卵艀 化 の簡 便 化 は可 能 で あ るが 、 多様 性 の低 い種 苗 を育 成 してい るこ とに な り、総 '合的 に考 え る と遺伝 資 源 の保 全 の観 点 か ら無 視 で きな い重 要 な 問題 が あ る と考 え られ る。 この 問題 を 解 決す る一 つ の方 法 がMinimal照nship法 で あ る。MhimalKjnship法 で は 、産 卵 、艀 化 の段 階 で遺 伝 的 多 様性 を維 持 す る た め非 血 縁 親 魚 を選 別 す る コス トが か か るが 、無 作為 に 作 られ た 種苗 に 比 べ て 小数 の 種 苗 で も高 い 多様 性 を維 持 で き る だ ろ う。 この こ とに よ り、 育成 の コス トが 軽減 で き、 遺 伝 資源 ン を 保持 す る こ とが で き る もの と考 え られ る。 現 状 で は、 遺伝 解 析 に よっ て親 魚 を選 び 出す に は 高 い コ ス トが 必 要 で あ る が、 持 続 的 に栽 培 漁 業 を存 続 させ てい くた め の未 来 へ の 投 資 と考 えれ ば 、 そ の 価値 は 大 きい 。 そ こで 、 漁 業 団体 、種 苗 生 産 団 体 、試 験 研 究機 関 の三 者 が 連携 して 、 サ ク ラマ ス 資源 を維 持 す るた めの 種 苗 管 理 方 式 を考 案 した 。 そ の 方 式 を 図6に 示 した 。 これ は、 まず 、 漁 業 団 体 お よび 種 苗 生 産 団 体 は 、 サ ク ラマ ス の一 部組 織 を 、試 験研 究 機 関 を提 供 す る。 試 験 研 究 機 関で は 、漁 業 団 体 か ら提 供 を 受 けた 組 織 を用 い てDNAマ ー カ ー解 析 を行 い 、遺 伝 的 多 様 性 の 評 価 や 、 昨 年 度 放 流 した 個 体 の モ ニ タ リン グな ど、 産 地推 定 な どを 行 い 、 サ ク ラマ ス 情報 を集 約 化 す る。 種 苗 生 産 団 体 か ら提 供 を受 け た

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親 魚 候 補 の 遺伝 的 デ ー タか らは 、Min㎞alKinship法 に よ って 親 魚 デ ー タ を選 定 し、 シ ミュ レー シ ョン を行 うこ とに よ って リス ク を評 価 した後 、種 苗 生 産 団 体 へ 親 魚 と して最 適 と判 断 され た個 体 の情 報 を 提 供 す る。 種 苗 生 産 団 体 は 、種 苗 生 産 お よ び放 流 を行 い 、サ ク ラマ ス資 源 の増 大 に寄 与 す る。

漁 獲 、生産 業 務

試験研究業務

サクラマス 囎

1

組綴提供

DNAマrカ

ー備{

多様性評価

情報転用

個 体 の プ ロフ ァイ リン グ 放 流 個 体 のモ ニタリン グ 産 地 推 定(As鵠9皿R㎝tT㏄ 詮)

け発 ス

鷺 萄墨

『DNAマ+蜥

情報提供

1

シ ミュ レー ションに よる 親 魚 選 択 親 魚DNAデ ータ を次世代へ転用

放流種苗

図6サ

クラマス種苗放流 における遺伝 的管理方法

以 上 の連 携 関係 を 以 下 に ま とあ る。 漁 業 団 体 は試 験 研 究 機 関 へ組 織 を 提 供 し、試 験 研 究機 関 は、 種 苗 生産 団 体 との 連携 に よっ てサ ク ラマ ス資 源 の増 大 に寄 与 し漁 業 団 体 の利 益 を増 大 させ る。 種 苗生 産 団 体 は 、試 験 研 究 団体 へ 組 織 を提 供 し、試 験 研 究機 関 は種 苗 生 産 団 体 へ 情 報 を還 元 す る。この方 式 は 、 各組 織 間 が 互 い に 協 力す る こ とに よ る、漁 業 資 源 の 継 続 的 な利 用 に 有 効 で あ る と考 え られ る。

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論 文 審 査 結 果 要 旨

サ ケ 科 サ ケ 属 の 一 種 サ ク ラ マ ス(Oncorhynchusmasoumasou)は,日 本 の 食:文 化 の 一 端 を 担 う重 要 魚 種 の 一 つ で あ る が,乱 獲 や 河 川 環 境 の 悪 化 に よ り資 源 量 が 著 し く 低 下 し,富 山 県 で は 希 少 種 に 指 定 さ れ て い る 。 本 研 究 は,本 種 の 絶 滅 リス ク を 査 定 ・評 価 し,集 団 の 遺 伝 的 管 理 手 法 の 開 発 を 目指 し た も の で あ る 。 最 初 に,集 団 遺 伝 学 的 分 析 に 必 要 な 高 感 度 マ ー カ ー で あ る マ イ ク ロ サ テ ラ イ トDNAマ ー カ ー の 開 発 を 試 み,多 数 の プ ラ イ マ ー セ ッ トを 作 製 し,多 型 性 を備 え る5つ の プ ラ イ マ ー セ ッ トの 開 発 に 成 功 し, そ れ ら の マ ー カ ー 座 の 特 性 評 価 を 行 っ て い る 。 次 に,日 本 に お け る 天 然 サ ク ラ マ ス の 遺 伝 的 集 団 構 造 の 分 析 を 試 み,漁 獲 年 級 群 間 に 異 質 性 は な い が,河 川 間 で は 異 質 性 が 存 在 す る こ と を 解 明 し て い る 。 さ ら に,種 苗 放 流 の リス ク を 管 理 す る た め に は,在 来 集 団 に お け る 放 流 個 体 の 識 別 と追 跡 調 査 手 法 の 開 発 を 目的 と して,遺 伝 マ ー カ ー を 利 用 し たAssignmentTestを 実 施 し,個 体 の 産 地 判 定 を 試 み て い る 。 集 団 構 造 が ア ユ の よ うに 明 確 な 場 合 に は,個 体 判 別 に 基 づ き,異 な る集 団 の 混 合 状 況 を 推 定 す る こ と が 可 能 で あ っ た が,サ ク ラ マ ス の よ う に,集 団 構 造 が 不 明 瞭 な 魚 種 で は,分 集 団 の 判 別 率 は や や 低 く な る こ と を 明 ら か に し た 。 今 後,マ ー カ ー 数 を 増 や す な ど し て 集 団 間 の 分 化 程 度 を よ り明 確 に 捉 え る こ と を 試 み る 必 要 が 有 る 。 ま た,遺 伝 的 分 化 の 状 態 に よ っ て は,個 体 判 別 が 困 難 な 場 合 が 想 定 さ れ, 履 歴 マ ー カ ー の 併 用 も視 野 に 入 れ る必 要 性 が 示 唆 され た 。 多 様 性 の 低 下 を 防 止 手 法 と して は,遠 縁 の 個 体 を 選 び 交 配 を 行 う,MinimalKinship法(MK法)が 有 効 と考 え,継 代 シ ミ ュ レー シ ョ ン を30世 代 に わ た っ て 行 い,遺 伝 的 多 様 性 レベ ル 維 持 に 関 す る 効 果 を 評 価 ・検 討 し,本 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 法 が 遺 伝 的 多 様 性 レベ ル 維 持 の た め の 情 報 を 得 る 上 で 効 果 的 で あ る こ と を 明 ら か に し た 。 し か し,対 象 集 団 の 特 性 や,親 魚 の 数 に よ っ て は 逆 効 果 を 引 き 起 こす 危 険 性 も示 唆 され,今 後,種 苗 生 産 の 現 場 に お い てMinimalKinship選 択 交 配 を 実 施 す る 際 に は,継 代 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に 基 づ く リ ス ク 予 測 を 実 施 し,リ ス ク 防 止 条 件 を 解 明 した 後 に,種 苗 生 産 と そ の 放 流 を 実 施 す べ き とす る 管 理 マ ニ ュ ア ル を 提 案 し た 。 以 上 の よ う に,本 研 究 は 現 存 の サ ク ラ マ ス 集 団 の 多 様 性 をDNAマ ー カ ー に よ っ て 評 価 し,こ れ ら の デ ー タ ー を 用 い た シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ り,野 生 集 団 の 遺 伝 的 保 全 に 配 慮 した サ ク ラ マ ス 放 流 事 業 の あ り方 に つ い て 価 値 あ る 提 言 を 行 っ て い る 。 よ っ て,審 査 委 員 一 同 は 本 論 文 の 著 者 を 博 士(農 学) の 学 位 を 授 与 す る に 値 す る も の と判 定 し た 。

参照

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