1 -第3学年3組 道徳学習指導案 指導者 1 主題名 「個性を伸ばす」 内容項目2-(5) 個性や立場の尊重、謙虚、広い心 資 料 「兄からのメッセージ」 田久保江美 作 読売新聞社編「第37回全国小中学校作文コンクール作文優秀作品集」 2 指導観 ○ 中学生にもなれば、身体的特徴、あるいは能力(上手、得意、下手、苦手)といった外面的な 自己認識から、性格、気質、対自己評価などの内面的なものへと自己認識が移行する。それぞれ が互いに、他の人とは違う自分らしさを身につけ、自分とは異なる個性の持ち主に出会い、それ を素直に受け入れる心を持つということは、よりよい自分をつくるうえで大切である。 ○ 本学級の生徒は、明るく意欲的に様々な活動に取り組んでいる。班ごとの係活動・当番活動は きちんと行い、高校調べの発表原稿作成などの学習活動も班ごとに協力して行うことができてい る。しかしながらいったん仕事分担が決まると、自分の仕事はきちんとやりとげるが他人の仕事 まで積極的に手伝うという意識は薄い生徒が多いようである。また、人によってものの見方や考 え方などに違いがあることに気づいていながら、自分と利害が対立するような場合、自己本位に なってしまい、相手の立場や意見を尊重できないこともある。他人の個性や、良い面を理解しよ うとはせず、他人の悪い面ばかりに目がいき、つい批判してしまう場面も見られる。人間として 大きく成長するためには、相手の立場や意見を尊重し、謙虚にこれに学ぶ姿勢が大切である。 ○ 本資料「兄からのメッセージ」は生活に密着した生徒作文であり、葛藤資料である。作者が自 分と考え方や生き方の違う兄を、温かい愛情を持って見つめ、謙虚にこれに学びながら、人間と して成長していく姿を描いている。兄の生き方は、いわゆる男性的な生き方ではない。しかしな がら、ひたすら誠実であり着実で、責任感に富み、その個性を見事に生かした生き方である。結 果的に華道部に入部した兄を肯定し、母親の言った言葉により、性格や生き方など全く対照的な 作者が兄を認め受け入れ、学ぼうとする態度を示していることに気づかせたい。作者の心を十分 に理解し、固定観念にとらわれない広い心と、多様な見方を学ぶように指導したい。 3 本時の指導の工夫 (成就感を味わわせるための)資料が生きる発問の工夫 板書・プリントの工夫 導 A:自分との関わりを意識化させる発問 入 ①他人の発表を聞きそれぞれの個性を理解するとともに、自分 ①事前調査の結果を知 の個性についてもあらためて見つめ直す。 らせる。 B:人としての道徳性を認識させる発問 展 ①いわゆる「男らしい」とは言えない兄の、人間としてのすば ②班で話し合った意見 開 らしさに気づかせる。 を紙に書き、黒板に B:自分との関わりで道徳性を深めさせる発問 掲示させる。 ②作者の兄に対する愛情や尊敬の気持ちに気づかせ、謙虚に兄 から学ぼうとしている姿勢を理解させる。(中心発問) C:自己の道徳性の成長を実感させる発問 終 ①自己の見方についてふり返らせることで、自分も同じような 末 考え方をしていたことがあることに気づかせ、各人の個性や 立場を尊重していこうという気持ちになっていることを実感 させる。
2 -4 ねらい 各人の個性や立場を尊重し、多様な考え方があることを理解させる。 5 展開 配時 学習活動と主な発問 予想される生徒の反応 指導上の工夫と留意点 導 1.自分自身の個性について ・スポーツが得意 ・音楽が好き ○自分の個性について事前に書か 入 発表し合う。 ・明るく、積極的である せたものを使い、発表させる。 ○自分の個性、特徴について ・人にやさしい ・元気がいい (尊重感) 十 発表しよう。 ・まじめである ・きれい好き ○クラス全員の結果を示し、他の 分 ・自分の仕事をがんばる 人の個性について考えさせる。 ・負けず嫌い ・思いやりがある (共存感) 2.「兄からのメッセージを」 ○範読の際には、家族それぞれに 読んで話し合う。 声の変化を工夫したい。 展 ○華道部に入った兄を、家族 ・母は、兄の考え方を支持してい ○作者は男の在り方ということに 開 はそれぞれどのような気持 る。 ついて、彼女なりの観念を持っ ちで見ていたのだろう。 ・作者は少しあきれている。 ているが、男らしくない兄に対 ・もっと男らしくなってほしい。 しての意見交換にはあまり時間 三 ・父は運動部に入らなかったこと をかけずに、次の兄のよさにつ 十 を残念に思っている。 いての話し合いにつなげていく。 分 ○兄のよさは、どんなところ ・運動会で転んだ子を待ってやる ○両親の期待とは少し違ったかも にあるだろうか。 やさしい子。 しれないが、兄の持つすばらし ・みんなのいやがる係や掃除の班 い一面をよく理解させたい。 長を進んで引き受け、誠実に仕 (成就感) 事をする。 ・先生の励ましの言葉にこたえる まじめさがある。 ・目立たないけど努力家である。 ・まじめで着実な子である。 ○兄からのメッセージを受け ・華道部でも兄らしくていい。 ○班でそれぞれの考えを交流させ、 とめた江美は、兄のことを ・ちゃんと自分のことを考えてい 意見を黒板に掲示させる。 どう思っているのだろうか。 る。 (共存感) (主発問) ・将来の目標をしっかり持ってい ○兄のことを、少しあきれ軽蔑し る。 ていた作者が、兄の個性を認め、 ・この兄でよかった。 一人の人間として尊敬するよう ・尊敬している。 になっていった心の変化に気づ かせる。(成就感) ○各人の個性や立場を尊重し、多 様な考え方があることを理解さ せる。(尊重感、成就感) 終 3.「トマトとメロン」の詩を ・自分だけの考え方で見ちゃいけ ○自己の道徳性の成長を実感させ 末 聞き、今日の授業の感想を ない。 るために、「トマトとメロン」の 記録プリントに記入する。 ・一人ひとり違った個性があるか 詩を掲示し、授業を通して考え 十 ○江美や家族のように、偏っ ら、男が華道とか女がサッカー たことを記述させ、本時の思考 分 た見方で物事を見ていたこ とか関係ない。 を振り返らせる。(成就感) とはないだろうか。 ・一人ひとりをしっかりと見たら、 たくさんいいところを持ってい るから、個性があるということ は大切なことだ。