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中間赤方偏移の大光度赤外線円盤銀河における星形成領域の研究

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(1)

中間赤方偏移の大光度赤外線円盤銀河における星形

成領域の研究

著者

本田 和志

学位授与機関

Tohoku University

(2)

修士論文

中間赤方偏移の大光度赤外線円盤銀河における

星形成領域の研究

東北大学大学院理学研究科

天文学専攻

本田 和志

平成

24

年度

(3)

要旨

本研究においては、円盤銀河の形成の様子の手掛かりを得るため、CANDELS (Cosmic Assembly Near-infrared Deep Extragalactic Legacy Survey)の GOODS-S 領域の画像にて、0.7 < z < 1.2 の clumpy な大光度赤外線円盤銀河(LIR > 1011L⊙) の解析を行った。用いた画像は f160w フィルターによって撮影されたものであり、 今回私たちは、主に銀河の円盤成分に注目する。  解析は、GALFIT を用いたフィッティングにより行われた。その際に、clump な どの顕著な成分の影響を抑え、より正確かつ容易に円盤成分をフィッティングする ことのできる手法を確立した。GALFIT を用いて 1 度フィッティングを行い、その 結果をもとにマスクを作成して 2 度目のフィッティングを行う、というこの手法に より、銀河の円盤成分との乖離のより少ないスムース・モデルを作成することに 成功し、多くのサンプルにて clump などの成分を効果的に抽出することが可能と なった。  この手法により得られた銀河円盤のモデルから、銀河円盤のセルシック指数の ピークは、主に 0.5 から 0.7 の間と導かれ、z ∼ 1 における clumpy な大光度赤外線 円盤銀河の円盤成分が、従来得られている結果よりも平坦である可能性が示され た。これは、銀河の成長に伴い銀河が指数法則へと近付いていくというシナリオ を示唆しうるものである。  また同時に、z ∼ 1 における clumpy な大光度赤外線円盤銀河の円盤の構造は、 赤外線光度や銀河の「clumpy さ」、つまり銀河の星形成の活発さによらない要素 にて決定されるものであるという結果も得られた。

(4)
(5)

目 次

第 1 章 研究背景・目的 5 1.1 本研究の背景 . . . . 5 1.1.1 銀河の分類について . . . . 5 1.1.2 表面輝度プロファイル . . . . 6 1.1.3 clumpyな銀河 . . . . 7 1.1.4 現在までに得られている描像 . . . . 7 1.1.5 観測的研究の現状 . . . . 9 1.2 本研究の目的 . . . . 9 第 2 章 サンプル選択 11 2.1 観測データ . . . . 11 2.2 サンプル選択 . . . 12 2.2.1 サンプルの選択基準 . . . . 12 2.2.2 赤方偏移による選択 . . . . 12 2.2.3 赤外線光度による選択 . . . 12 2.2.4 処理条件による選択 . . . . 17 第 3 章 データ解析 20 3.1 GALFITによる銀河のフィッティング . . . 20 3.1.1 1度目のフィッティング . . . 20 3.1.2 顕著なコンポーネントの除外 . . . . 22 3.1.3 2度目のフィッティング . . . 23 3.1.4 フィッティングの精度について . . . . 26 第 4 章 結果 27 4.1 各サンプルのフィッティング結果 . . . 27 4.1.1 ID3213 . . . . 27 4.1.2 ID3920 . . . . 30 4.1.3 ID4179 . . . . 33 4.1.4 ID4350 . . . . 35 4.1.5 ID6272 . . . . 38 4.1.6 ID9400 . . . . 40 4.1.7 ID10016 . . . . 42

(6)

4.1.8 ID10972 . . . . 45 4.1.9 ID10995 . . . . 48 4.1.10 ID11295 . . . . 51 4.1.11 ID11381 . . . . 53 4.1.12 ID11867 . . . . 56 4.1.13 ID11879 . . . . 58 4.1.14 ID12349 . . . . 61 4.1.15 ID12998 . . . . 63 4.1.16 ID13194 . . . . 66 4.1.17 ID13540 . . . . 68 4.1.18 ID13617 . . . . 71 4.2 銀河円盤のパラメータ . . . 74 第 5 章 考察 75 5.1 手法について . . . 75 5.2 銀河円盤について . . . 77 5.2.1 円盤のパラメータ . . . 77 5.2.2 clumpyさによる分類 . . . 86 第 6 章 結論 93 6.1 本研究の成果 . . . 93 6.2 今後の課題 . . . . 93

(7)

1

章 研究背景・目的

以下では、本研究を進めるにあたって必要となる知識や背景、および本研究の 目的について記す。

1.1

本研究の背景

1.1.1

銀河の分類について

宇宙に存在する星や星間物質、ダークマターなどの集合体である銀河は、これ まで様々な方法で分類されてきた。その中でも代表的な、もっとも基本的な分類 に、ハッブル分類がある。ハッブル分類は、1936 年に E. Hubble が提唱した銀河 の分類法であり、主に銀河を形態の面から分類しようというものである。  ハッブル分類は、大きく分けて規則銀河と不規則銀河に銀河を分類する。規則 銀河とは、回転対称性が良く、中心に集中するような光を持っている銀河であり、 不規則銀河はその名の通りに形状に規則性が見られない銀河のことである。更に 規則銀河は、その中で楕円銀河、円盤銀河(渦巻銀河、棒渦巻銀河)、レンズ状銀 河などに分類される。楕円銀河とは、楕円の形状をとった銀河であり、光が中心 に集中し、周辺に向かって滑らかに減少していくものである。星形成が活発では ない、古い種族の星によって構成されている。円盤銀河とは、回転する円盤成分 を持った銀河である。円盤には渦巻銀河や棒渦巻き銀河のような種類があり、ど ちらも中心にある回転楕円体成分であるバルジ、回転によって支えられる円盤成 分、そしてそれらを球状に取り囲むとり囲むハローからなる。円盤成分は比較的 若い星からなっており、回転による密度波のパターンである渦状腕などにおいて、 活発な星形成が行われている。渦巻き銀河と棒渦巻き銀河の差異は、銀河内にお ける棒構造の有無である。レンズ状銀河は楕円銀河と円盤銀河の中間の性質を持 つ銀河である。  ハッブル分類の規則銀河についての分類は、しばしば「ハッブルの音叉図」と呼 ばれる図にて表される。これは、左側から右側へ向け、楕円銀河→レンズ状銀河→ 円盤銀河の順に並べた図であり、円盤銀河において渦巻銀河と棒渦巻銀河の二つに 枝分かれすることから、その形状を音叉に喩えて名付けられたものである。また、 各分類においても、楕円銀河では扁平率、円盤銀河では渦状腕の巻き込みの強さな どで細かく分類されている。この図においては、左側に存在する銀河ほど早期型、 右側の銀河ほど晩期型である、と言われるが、これは早期型から晩期型へと銀河

(8)

が進化していくことを意味する訳ではない。銀河が形状的にどのような進化をす るかについては、現在も精力的に研究が進められており、近年の観測においては不 規則銀河が渦巻銀河へと進化する可能性なども示されている(R. Delgado-Serrano et al. 2010[4])。  ハッブル分類は、様々な訂正などを加えられながら、しかし基本的な分類はそ のままに現在まで用いられている。本研究においては、ハッブル分類における円 盤銀河に相当する銀河に、主に注目することとなる。

1.1.2

表面輝度プロファイル

銀河を主観ではなく定量的に分類するうえで、大きな手掛かりとなるのが銀河 の表面輝度である。銀河はその構造により、それぞれ異なる表面輝度分布を持っ ている。その分布がどのようなプロファイルに適合するかによって、銀河の分類、 性質を判断することが可能となる。  銀河の表面輝度プロファイルには、観測事実より近似されたものとして、ド・ ヴォークルール則や指数法則、セルシック則などが存在する。ド・ヴォークルー ル則は楕円銀河によく適合したプロファイルであり、銀河の半径 r の位置におけ る表面輝度を I (r) とすると、以下のような式で表される。 I (r) = Ieexp [ −7.67((r re )1/4 − 1 )] (1.1) ここで、reは有効半径と呼ばれる値であり、それより内側に銀河の全光度の半分 を含む半径である。また Ieは、有効半径の位置における表面輝度を表す。  次に、指数法則について説明する。これは、円盤銀河の円盤部分(つまり、バ ルジの影響の少ない外側)についてよく適合するプロファイルであり、以下のよ うな式で表される。 I (r) = I0exp ( −r h ) (1.2) この式 (1.2) における I0は、このプロファイルを円盤中心部まで適用した際の、円 盤中心部の表面輝度である。また h はスケール長と呼ばれる値であり、円盤の表 面輝度が I0/eになる半径である。この指数法則を、ド・ヴォークルール則と同じ く reなどを用いた式へと書き換えると、 I (r) = Ieexp [ −1.68((r re ) − 1)] (1.3) となる。そして、この式 (1.1) と式 (1.3) の両者を再現し、多様な銀河の表面輝度 プロファイルに適用できるようにしたプロファイルが、セルシック則である。セ ルシック則では、銀河の表面輝度の中心集中度を表すパラメータである、セルシッ ク指数 n を導入し、 I (r) = Ieexp [ −bn ((r)1/n − 1 )] (1.4)

(9)

と銀河の表面輝度を記述した。ここで bnは n の関数であり、n = 4 の時に bn ∼ 7.67 を、n = 1 の時に bn ∼ 1.68 を持つような値である。つまり式 (1.4) は、n = 4 の時 は式 (1.1) を、n = 1 の時は式 (1.3) を再現する。よってセルシック則は、楕円銀河 のプロファイルであるド・ヴォークルール則から円盤銀河のプロファイルである 指数法則にまで適用できる、柔軟なプロファイルとなっているのである。本研究 では、銀河の表面輝度プロファイルとしてセルシック則を用いることとする [18]。

1.1.3

clumpy

な銀河

銀河の形成と進化についての研究は、これまで様々な手法により進められてき た。中でも、銀河の進化過程の初期段階に位置する若い銀河についての研究は、そ れを深めることにより我々の生きる現代に存在する銀河が、どのような過程を経 て現在の形状、性質を得たのかを明らかにすることが可能となると期待されるた め、非常に興味深いものである。  また、そういった初期銀河の研究は、主として二つの方向からのアプローチに よって研究されてきた。一つは、過去の姿を留めていると考えられる遠方宇宙に 存在する高赤方偏移銀河を観測しようとする、観測的なアプローチ。もう一つは、 観測によって得られたデータなどをもとにシミュレーションなどを行い、銀河の 変化を再現しようとする、理論的なアプローチである。こういったアプローチの 成果により、今日私たちは、現代の宇宙に至るまでの銀河の形成・進化について、 ある程度の描像を得るまでに理解を深めることができている。  その中でも、今回私たちは、円盤銀河の初期段階に注目する。  多くが今日ではしっかりとした円盤を形作っている円盤銀河は、しかし非常に 遠方においてはそうではない。遠方宇宙においては、綺麗な円盤を持っている訳 ではない、ぶつぶつと途切れた歪な円盤を持つ円盤銀河が数多く存在することが、 数多くの観測によりわかっている。”clumpy”な銀河と呼ばれるこういった銀河は、 現代の宇宙に存在する円盤銀河の初期段階の姿である可能性が高いと信じられて いる。

1.1.4

現在までに得られている描像

円盤銀河の clump 構造の性質については、現在までに観測・シミュレーション の両面からのアプローチにより、以下のような描像が得られている。  まず、clump の起源についてだが、clump は円盤銀河の形成初期のガス円盤内部 に重力不安定性が生じることによって、ガスの密度が高くなった箇所であると考え られている。ガスの密度が高い部分であるので、その内部では活発な星形成が起 こっていると考えられる。言い方を変えれば、初期銀河における星形成は、その大 部分が clump の中で起こっていると思われるのだ(Masafumi Noguchi 1999[14])。  では、その clump が形作られる際の重力不安定性は、何によって引き起こされ

(10)

るものなのか。現在では、この重力不安定性の発生には、銀河初期における cold streamが大きな役割を果たすのではないかという説が有力になっている。銀河形 成は、宇宙初期のわずかな密度揺らぎが成長し、ダークマターハロー(球形、あ るいは楕円体のダークマターの塊)を形成することから始まる。そうして形成さ れたダークマターハローの内部で、星間ガスが収縮することによって、銀河は形 成されると考えられている。星間ガスの収縮に関しては、通常はある程度収縮し た時点でガスがビリアル温度に達し、そこから更なるメカニズムによってガス全 体が冷却され、収縮していく、という過程を辿る。しかし、この過程に従わず、全 体的な冷却を経る前に外側からフィラメント構造に沿って、ビリアル温度に達し ていない冷たい(1 万度程度)ガスが流入することにより、ガスが豊富な円盤が形 成される、というメカニズムも唱えられている。これが cold stream であり、この メカニズムの際に円盤に自己重力不安定性が生じ、この不安定性により形作られ るガスの塊こそが銀河の clump なのではないか、と考えられているのだ(Daniel Ceverino et al. 2010[1])。

  Masafumi Noguchi 1999[14] や Daniel Ceverino et al. 2010[1] においては、シ ミュレーションによりこうした重力不安定性の発生したガスの挙動が再現されて いる。銀河円盤の外側に生じた clump は、その内部にて活発な星形成を行いなが ら、力学的摩擦などで角運動量を失うことにより、時間とともにディスクの中心 へと移動していき、最後には中心のバルジへと加わる。ただし、clump の寿命は 円盤の中心へ到るまでのタイムスケールよりも短いことも多く、円盤の中心に至 る前に破壊されるなどして消えるものもある。その場合、それらの clump は周囲 に円盤成分を供給することとなる。  こういった運動の性質から考えられる当然の帰結として、clump の年齢及びそ こに含まれる星の割合は、ディスクの中心から遠ざかるにつれて、ともに下がっ ていく。逆に言えば、ディスクの中心へ向けて、clump は年老いた、内部に星を多 く含むものへと成長していくのである(Daniel Ceverino et al. 2011[2])。

 大規模な合体などを経験しなければ、通常、円盤銀河はまずほぼ clump だけに よって構成される clump cluster の形をとり、そこからそれらの clump の間の領域 に赤い円盤成分を持つ clumpy な円盤銀河へと進化するはずである。そして、そう して形作られた clumpy な円盤銀河が、現代宇宙に存在する安定した円盤銀河へと 進化する、というのが、現在得られている主な描像なのだ(Brue G, Elmegreen et al. 2009[5]、 Debra Meloy Elmegreen et al. 2009[6]、Debra Meloy Elmegreen et al. 2007[7])。

 現在のこの分野における研究では、こういった描像が正しいかどうかを検証す ることを、大きな目的の一つとしている。

(11)

1.1.5

観測的研究の現状

それでは、こういった clumpy な銀河についての描像、ひいては円盤銀河の進化 の様子について検証するためには、どのような銀河を観測するべきなのか。  現在までに、円盤銀河の clump 構造についての観測は数多く進められており、 z ≥ 2 の高赤方偏移や、z ∼ 0 などの近傍の銀河における傾向などは、特に詳しく 研究されている。そういった研究によると、z ≥ 2 では非常に clumpy な、ほとん ど円盤の体を成していないものの回転に支えられているような銀河が支配的となっ ており、対象的に z ∼ 0 では、完全に出来上がった綺麗な円盤を持つ円盤銀河が支 配的となっているようだ。  こういった傾向から、銀河が極めて clumpy な形状から始まり、ゆっくりと現代 の完成した円盤へと進化していく、という描像を描くのは容易いことだろう。しか し、こういった描像を信頼性の高いものにするには、それらの中間にあたる、z ∼ 1 の中間赤方偏移に存在する銀河について観測し、調査することが不可欠である。し かして、こういった中間赤方偏移における円盤銀河の clump 構造について、詳し く調べた研究は、そう多くは存在しないというのが現状である。  よって今回、私たちは、z ∼ 1 の中間赤方偏移の銀河に注目する。  では、この中間赤方偏移において、私たちはどのような銀河に注目すれば良い のか。円盤銀河に注目することは当然として、clump の存在する構造について観察 するためには、星形成が活発な銀河を観測することが好ましい。そこで私たちは 今回、z ∼ 1 に存在する円盤銀河のうち、大光度赤外線銀河(Luminous InfraRed Galaxies:LIRG)に注目する。Konishi et al. 2011[13] によると、z ∼ 1 の銀河か ら LIRG を選び出した場合、そのほとんどが円盤銀河であるという。また同時に、 z ∼ 1 の銀河は、その約 6 割が LIRG であるという。これは、z ∼ 1 において円盤 銀河がまだまだ形成過程の只中にあるということを示す結果であるが、それと同 時に、今回注目する銀河(z ∼ 1 の大光度赤外線円盤銀河)について、こういった 銀河に選択的に注目することによるバイアスが少なく抑えられるということをも 示すものであるだろう。

1.2

本研究の目的

以上の背景を踏まえて、本研究においては、clumpy な銀河についてどのような 目的を持って研究を進めれば良いのか。まず、clumpy な銀河についての性質を調 べるためには、銀河を構成する大きな要素である、clump と円盤について、それ ぞれ調べることが肝要だろう。その為には、それらのコンポーネントを、より正 確に分離し、それぞれを同定する手法を確立することは重要である。  更に、clumpy な銀河となると、clump そのものについて意識が向きがちだが、 その clump を除いた箇所、つまり形成途中と思われる円盤成分がどのような性質 を持っているのか、ということを調べることは意義深い。今回注目する銀河は、所

(12)

謂「clump の間の領域に赤い円盤成分を持つ clumpy な円盤銀河」であり、その円 盤成分はまさに形成途中の円盤である。まだ完全には出来上がっていないそれは、 現代のそれとは異なる構造を持つ可能性があると考えられる。よって本研究では、 clumpyな円盤銀河の円盤部分へと主に注目することとする。  以上より、改めて記すと、本研究においては • 円盤銀河の形成初期に、ガス不安定性の結果として clump が形成され、時間 の経過とともにそれが移動していく、という描像と関連して、clumpy な銀 河の円盤成分がどのような性質を持っているのか、ということを調べたい。 • そのために、z ∼ 1 の大光度赤外線円盤銀河に注目し、その clump 構造と円 盤成分を分離、同定するための手法を確立し、円盤の性質を調査する。 ことが目的となる。

(13)

2

章 サンプル選択

以下では、本研究に用いるサンプルの選択について記す。

2.1

観測データ

まず、本研究に用いる観測データについて紹介する。

 本研究においては、ハッブル宇宙望遠鏡の大型プロジェクトの一つ、CANDELS (Cosmic Assembly Near-infrared Deep Extragalactic Legacy Survey)[12] によっ て得られた画像を、主に用いる。CANDELS とは、2010 年から 2013 年にかけて 実施される観測プロジェクトであり、Advanced Camera for Sarveys(ACS)と Wide Field Camera(WFC3)を用いて、可視光から近赤外までにわたる波長範 囲で深宇宙領域を観測するというものである。観測時間は 902 orbit(約 4ヶ月) にも及び、その長い観測時間により、非常に深く高解像度なイメージを得ること が可能となる。CANDELS には、668 sq arcmin をカバーする”Wide”な観測と、

120 sq arcminをより深く観測する”Deep”な観測とが存在するが、本研究では中

間赤方偏移銀河の clump を同定するという都合上、より深い画像が必要となる ため、後者を用いる。今回用いる観測データは、現在までに公開されており利用 可能である、GOODS-S 領域のものである(画像の重ね合わせについては、iraf を用いて自分で行った)。この CANDELS/Deep の GOODS-S における観測の 座標は RA = 53.122751、Dec = −27.805089 であり、5σ point-source limit は

H = 27.7[mag]となっている。

 また、この CANDELS の観測画像からサンプルを選び出す際には、過去の

GOODS-S領域についての観測により得られたカタログを利用する。今回利用するカタロ

グは、GOODS-MUSIC カタログ(MUltiwavelength Southern Infrared Catalog)

[11][16]である。これは、ESO(ヨーロッパ南天天文台)の望遠鏡である VLT(Very

Large Telescope)、及びハッブル宇宙望遠鏡の ACS、そして Spitzer 衛星の IRAC や MIPS を用いて GOODS-S 領域について観測を行い、INAF(伊宇宙物理学国家 機関)により作成された銀河のカタログである。GOODS-S 領域に存在する 18657 の銀河の位置、各波長における AB 等級、赤方偏移などが記載されている。記載

する銀河は z バンドや Ks バンドによって選択され、Ks ≤ 23.8、z ≤ 26 などの銀

河が多く含まれている。

(14)

ペクトル・テンプレートを用いる。Chary and Elbaz 2001[3] の SED テンプレート である。これは、銀河の光度別に、105 のスペクトルテンプレートが作成されたも のである。

2.2

サンプル選択

以下に、実際のサンプル銀河の選択過程を記す。

2.2.1

サンプルの選択基準

初めに、本研究によるサンプル銀河の選択基準を記す。今回調べたいのは、赤 方偏移 z ∼ 1 の大光度赤外線円盤銀河である。よって、具体的には • 0.7 < z < 1.2 の赤方偏移範囲に存在する銀河。 • LIR > 1011L⊙である赤外線光度 LIRを持つ銀河(LIRG)。 の 2 つの条件を、同時に満たす円盤銀河をサンプルとして選択する。

2.2.2

赤方偏移による選択

まず、GOODS-MUSIC カタログに記載された銀河から、赤方偏移 z の値によっ てサンプル候補を絞り込む。

  GOODS-MUSIC カタログにおいて、赤方偏移は spectroscopic redshift と

phot-metric redshiftの両方がそれぞれ測定されている。今回は、それぞれの銀河につい て、そのうちの精度の良い方の赤方偏移(zbest)を赤方偏移 z として採用し、サ ンプル選択を進める。こうして決定された赤方偏移 z について、0.7 < z < 1.2 の 範囲にある銀河だけを、awk を用いて取り出した。この条件により、18657 あった 銀河は、3004 にまで絞り込まれた。

2.2.3

赤外線光度による選択

ここから更にサンプルを絞り込むには、サンプルの赤外線における絶対光度を 求めなければならない。この光度を求めるには、GOODS-MUSIC カタログに記載 されている MIPS 24[μ m] における AB 等級を使用する。  この段階で、まず MIPS 24[μ m] での AB 等級の観測値が、GOODS-MUSIC に おける画像 bin の取り直しなどの処理に伴い信頼性が低くなっていると思われる ものを切り捨て、730 の銀河が残った [16]。  また、以下の計算においては、各々のパラメータの数値として、物質による密度パ

(15)

ラメータ Ωm = 0.3、ハッブル定数 H0 = 72[kms−1Mpc−1]、光速 c = 299792458[m/s] 3.0× 108[m/s]を用いる。 光度距離 サンプルの実視等級から絶対光度を求めるためには、サンプルまでの距離を求 める必要がある。しかし、遠方の天体について考える場合、我々が通常 2 点間の距 離を見積もる時に用いる固有距離を採用することは適切ではない。何故なら、こ れほどの距離のスケールになると、観測する対象が電磁波を放出する時刻と観測 者がそれを受け取る時刻との間には無視できない差が生じるからである。その時 間にも空間は膨張しているため、2 点の位置を同時に測った場合の距離を示す固有 距離は、観測している天体との実際の距離と等価であるとは言い難い。  よって、本研究では、対象銀河との距離に光度距離を採用する。光度距離とは、 天体の実際の明るさと観測される明るさとの違い、つまり天体がどのくらい暗く 見えるかで定義される距離である。これは、天体のフラックスを f 、絶対光度を L とすると、以下の式 (2.1) のような dLで表される。 dL= √ L 4πf (2.1)  ここでフラックスは、単位時間、単位面積あたりを通過するエネルギーであり、 従ってこの値は宇宙膨張の影響を大きくうけることになる。電磁波のエネルギー は、宇宙膨張に伴い波長が伸びることにより、(1 + z)−1倍になる。同時に、単位 時間は (1 + z) 倍になるので、受け取るエネルギーは (1 + z)−2となるのである。ま た、ロバートソン-ウォーカー計量(RW 計量)を用いると、天体から光の広がる 面積は 4πr2(r は動径座標)となるので、フラックスについては、 f = L 4πr2(1 + z)2 (2.2) の式が成り立つことになる。これを式 (2.1) と合わせると、 dL= (1 + z) r (2.3) となる。 いま、宇宙定数が存在して平坦な場合(Ωm+ ΩΛ = 1)を仮定して、RW 計量を用 いて式 (2.3) の動径座標 r を考えると、光度距離 dLは、 dL(z) = c H0 (1 + z)z 0 dz ( Ωm(1 + z)3+ 1− Ωm )1 2 (2.4) となる [18][19]。

(16)

実視等級から絶対光度への変換 AB等級は、 AB等級 = −2.5 log([ergs−1cm−2Hz−1] ) − 48.60 (2.5) と定義される。ここで fν は、単位振動数あたりのフラックスである。よって、こ の式 (2.5) より、fνは、 = 10 AB等級+48.60 2.5 [ergs−1cm−2Hz−1] (2.6) となる。  対象天体から出ているフラックスの総量、つまり絶対光度を Lνemとし、光は天 体から球状に一様に出ているとすると、光度距離 dLにおいて観測者が観測するフ ラックス fνobsとの関係は、 Lνemdνem = 4πd 2 Lfνobsdνobs (2.7) となる。  また、赤方偏移によって波長が、つまり振動数が変わるため、 dνem = (1 + z) dνobs (2.8) となる。よって、式 (2.7)、式 (2.8) より、LνemLνem = 4πd 2 Lfνobs 1 1 + z (2.9) で求めることができる。  以上より、式 (2.4)、式 (2.5)、式 (2.9) を用いれば、カタログに記載されたサン プルの AB 等級から、サンプルの絶対光度を求めることが可能である。 トータルの赤外線光度の換算 これまでの計算にて得られた絶対光度は、観測している波長における光度であ る。本研究のサンプル選択に用いたい光度は、赤外線におけるトータルの光度 LT IR である。よって、ここから更に光度を補正していかなければならない。  現在、IRAS 衛星による観測により、静止系 12[μ m] における光度と赤外線全体 の光度との間の関係は既知である。今回のサンプル選択では、z ∼ 1 の銀河におい て、24[μ m] で観測された値を用いているので、静止系における波長は丁度 12[μ m]となる。よって、この既知の関係を用いるのは自然なことだろう。ただし、今 回設定した赤方偏移範囲は 0.7 < z < 1.2 であるため、正確に 12[μ m] における光 度とはなっていない。まずは、この補正をすることが必要となる。

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10000 1e+006 1e+008 1e+010 1e+012 1e+014 0.1 1 10 100 1000 10000 100000 1e+006 νL_ν[L_sun ] λ[μm] Chary & Elbaz (2001)

図 2.1: Chary and Elbaz 2001[3] の SED テンプレート(数値データから再描画し たもの) テンプレートを用いる。1 これは、光度別に、105 の銀河のスペクトル・テンプレー トが作成されたものである。この中から、今回選択したい銀河の光度にもっとも 近いテンプレートである、L = 1.0062728× 1011L のテンプレート(図 2.2)を抜 き出す。  このテンプレートの銀河を、z = 0、つまり 12[μ m] において観測したフラック スの値と、サンプル銀河の z において観測したフラックスの値との比を求め、サン プル銀河の光度を補正する。z = 0 における観測値を計算する際には、テンプレー トの光度を IRAS の 12[μ m] のフィルタ応答関数2(図 2.3)で慣らした値⟨Fλ12⟩ を 求める。この補正は、フィルタ関数を Qλとすると、 ⟨Fλ12⟩ = ∑ 12 · Qλ· ∆λ · ∆λ (2.10) という形で行う。サンプル銀河の z において観測したフラックスの値⟨Fλλz⟩ を求 める際には、Spitzer MIPS 24[μ m] のフィルタ応答関数3(図 2.4)を、サンプル の赤方偏移の分だけ偏移させ、上記と同じように使用する。こうして求められた ⟨Fλ12⟩ と ⟨Fλλz⟩ との比、 ν12⟨Fν12⟩ νλz⟨Fνλz⟩ を、式 (2.9) から求まる νLνemにかけることに より導かれる値を、サンプルの 12[μ m] における光度の値とみなす。  ここまでの過程により、サンプルの 12[μ m] における光度 Lλ=12[μ m]が導かれ

1http://david.elbaz3.free.fr/astro codes/chary elbaz.html 2http://lambda.gsfc.nasa.gov/product/iras/spectral resp.cfm 3http://irsa.ipac.caltech.edu/data/SPITZER/docs/mips/

(18)

10000 100000 1e+006 1e+007 1e+008 1e+009 1e+010 1e+011 0.1 1 10 100 1000 10000 100000 1e+006 νL_ν[L_sun ] λ[μm] Chary & Elbaz (2001)

L=1.0062728e+11L_sun 図 2.2: L = 1.0062728× 1011L のテンプレート 0 0.2 0.4 0.6 0.8 1 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 Relative response Wavelength [μm] IRAS 12[μm] 図 2.3: IRAS 12[μ m] の応答関数

(19)

0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 18 20 22 24 26 28 30 32 34 response lambda [μm] Spitzer MIPS 24[μm] 図 2.4: Spitzer MIPS 24[μ m] の応答関数 る。最後に、これを赤外線におけるトータルの光度 LT IRへ変換するには、IRAS 衛星による観測から導かれた、静止系 12[μ m] における光度と赤外線全体の光度 との間の関係式を用いる。この式は、Chary and Elbaz 2001[3] の式 (5) から参照 することができ、式 (2.11) のようになっている。 LIR = 0.89+0.38−0.27L1.09412[μ m] (2.11) なお、この式 (2.11) における光度 LIRや L12[μ m]は、各々の光度に振動数をかけ たものとなっている。この式を用いて、Lλ=12[μ m]を LT IRへと変換する。  こうして最終的に導かれた赤外線におけるトータルの光度 LT IRにおいて、LT IR > 1011[L ]のサンプルだけを抽出する。この手順により、703 のサンプルは 118 へと 絞られた。

2.2.4

処理条件による選択

最後に、本研究による解析の条件に合致するサンプルを、118 の銀河の中から選 択する。その条件とは、 • Clumpy な円盤銀河であること。 • f160w フィルタにおける観測範囲に入っていること。 • 次項にて説明するフィッティング処理が、ある程度容易であること。

(20)

である。   1 つ目の項目については、今回は星形成の過渡にある銀河、つまり clumpy な銀 河について注目したいので、自明な条件だろう。clumpy かどうかの判断は、clump 構造が顕著に観察される f606w(V バンド相当のフィルタ)や f814w(I バンド相 当のフィルタ)の画像にて、目視によって行われた。   2 つ目の項目については、今回は clumpy な銀河の、主に円盤部分に注目して フィッティングを行い、解析したいので、円盤部分がもっとも顕著に観測される波 長帯のフィルタである f160w(H バンド相当)の画像を用いる。よって、このフィ ルタによる観測の範囲に入っていることが、サンプルの条件となるのである。ま た、観測時間が長いため、CANDELS の長所である「深さ」を最大限に発揮でき る点も、このフィルタの画像を用いる大きなメリットとなる。   3 つ目の項目によって除外される銀河は、端的に記すなら、「合体中の銀河」「ご く近くに他の明るい天体が存在する銀河」「バルジ構造が非常に顕著である銀河」 である。これらの条件が設定される理由については、次項で説明する。以上の条 件により、118 の銀河は最終的に 18 に絞られた。  最終的に選択されたサンプルの ID およびパラメータは、表 2.1 のようになる。 なお、以下では GOODS-MUSIC カタログにおける銀河 ID を、サンプル ID とし て用いる。

(21)

サンプル ID rad dec z LT IR[×1011L⊙] 3213 53.071468 -27.880995 0.9897 1.231+0.593−0.405 3920 53.071545 -27.872448 1.0970 4.472+2.082−1.439 4179 53.088913 -27.868073 1.0600 1.301+0.621−0.426 4350 53.178036 -27.866455 1.1230 1.775+0.860−0.586 6272 53.107765 -27.838816 1.0949 2.934+1.329−0.927 9400 53.176182 -27.796131 0.9961 3.197+1.419−0.996 10016 53.166176 -27.787519 1.0970 2.668+1.308−0.888 10972 53.058411 -27.776188 0.8370 1.003+0.516−0.345 10995 53.064449 -27.775389 0.7350 1.403+0.642−0.446 11295 53.102543 -27.772272 1.1000 1.405+0.775−0.505 11381 53.105938 -27.771420 0.8960 2.693+1.206−0.844 11867 53.194630 -27.765539 1.0950 1.101+0.559−0.375 11879 53.050865 -27.765104 1.0380 1.245+0.602−0.411 12349 53.111939 -27.757832 0.8310 1.730+0.772−0.541 12998 53.086315 -27.748251 0.9690 3.364+1.491−1.0468 13194 53.068733 -27.746950 0.9760 2.153+0.979−0.682 13540 53.107349 -27.741922 0.8910 2.449+1.080−0.760 13617 53.150124 -27.739946 1.0380 1.351+0.675−0.455 表 2.1: サンプルパラメータ

(22)

3

章 データ解析

以下に、選択されたサンプル銀河の解析過程を記す。

3.1

GALFIT

による銀河のフィッティング

本研究における銀河の解析には、GALFIT1というフィッティングコードを用い る。これは、各種パラメータの初期値を与えることにより、銀河画像の 2 次元の光度 プロファイルをフィッティングするものである。初期値を入力すべきパラメータは、 等級、座標、有効半径、軸比、Position Angle などであるが、これは SExtractor2

て測定したものを用いる。また、フィッティングには PSF 画像が必要だが、この PSF画像はフィッティングの対象天体と同じ画像に存在する点光源を利用した。  本来、GALFIT はド・ヴォークルール則や指数法則、セルシック則などの様々な 形式のプロファイルを、しかも複数用いてフィッティングすることが可能である。 今回の研究対象のような、clumpy で歪な円盤を持つ銀河をフィッティングする際 には、シングルコンポーネントのスムースモデルだけでのフィッティングよりも、 こういった複数のプロファイルを用いたフィッティングの方が相応しいように思わ れる。しかし、シングルコンポーネントのフィッティングに比べて、ダブルコン ポーネント(及びそれ以上のコンポーネント)のフィッティングは難易度が高く、 正確で信頼のおける結果を得ることは難しい。ましてや、それを複数のサンプル にて実施することを考えると、その困難さ、不確実性は非常に大きなものとなる。  そこで本研究においては、セルシック則のシングルコンポーネントによるフィッ ティングを、clumpy な銀河の円盤成分について行う、より正確でかつある程度容 易な手法を確立した。以下に、今回のサンプル銀河の一つである、サンプル ID6272 (図 3.1)を用いて、その手法を説明していく。

3.1.1

1

度目のフィッティング

まず、通常の手順で、GALFIT によるシングルコンポーネントのフィッティング を行う。そのために、対象の銀河についてのパラメータを、SExtractor にて測定 する。等級、座標については出力された値をそのまま用い、Position Angle につい 1http://users.obs.carnegiescience.edu/peng/work/galfit/galfit.html

(23)

-0.65 -0.53 -0.4 -0.27 -0.15 -0.024 0.1 0.22 0.35 0.48 0.6 図 3.1: サンプル ID6272 の銀河(f160w フィルタ) ては、出力された値を GALFIT における角度の基準にあわせて変換し、用いる。 軸比は長軸と短軸の値をもとに計算し、有効半径は R50(光度が半分になる半径) の値を初期値として採用する。  これらの値を用いて、対象の銀河に GALFIT をかける。プロファイルの種類は セルシック則を用いる。これは、セルシック則がもっとも柔軟に光度プロファイ ルをフィッティングできるモデルであると考えられるからである(セルシック則に ついての詳細は、1.1.2 を参照のこと)。セルシック指数の初期値については、1 か ら 8 まで変化させてフィッティングを行い、結果として導かれる χ2の値(3.1.4 を 参照)がもっとも小さなものを採用する。χ2の値が同じ場合には、初期値として 入力したセルシック指数の値が、結果として出力されたものにもっとも近いもの を採用する。  そうして行われた 1 度目のフィッティングの結果は、図 3.2 のようになる。画像 を見ればわかる通り、この時点では、大まかな形自体はフィッティングできている ものの、所謂「引き過ぎた」箇所(左下の画像における、黒くなっている部分。わ かり易く示すため、本論文ではフィッティング結果の図において、「画像の sky 領 域のもっとも低いカウント値」において等高線を引く。つまり、緑色の線に縁どら れた内側が、sky 領域よりもカウント値が低い箇所、つまり「引き過ぎた」箇所で ある)が多く見られ、うまく円盤をフィッティングできているとは言えない状態で ある。これは、clump やバルジなどの円盤よりも顕著なコンポーネントを含めた 全体について、1 つのコンポーネントでフィッティングしようとしていることに起 因する結果である。GALFIT は、全体の明るさの平均をもとにモデルの明るさを

(24)

-0.65 -0.53 -0.4 -0.27 -0.15 -0.024 0.1 0.22 0.35 0.48 0.6 図 3.2: ID6272 の 1 度目のフィッティング結果。左上:本来の銀河画像。右上: GALFITによって作成されたスムースモデル。左下:本来の銀河画像からモデル を差し引いたもの(等高線は、sky 領域の最低値) 決定するので、顕著なコンポーネントを含んでいる分、顕著ではない円盤部分は 引き過ぎてしまうのだ。

3.1.2

顕著なコンポーネントの除外

1度目のフィッティングでは、clump やバルジなどの顕著なコンポーネントに引っ 張られて、円盤を充分にフィッティングできないという問題が生じた。よって、顕 著なコンポーネントを除外して、再度フィッティングを試みることにする。  顕著なコンポーネントの除外には、GALFIT の「Bad pixel mask」パラメータ を利用する。つまり、顕著なコンポーネントの部分を指定したマスク画像を作成 し、それを「Bad pixel mask」として用いて、顕著なコンポーネントを考慮に入 れない、純粋に円盤部分だけを用いたフィッティングを行うのだ。  マスク画像の作成には、1 度目のフィッティングの結果画像を用いる。この結果 画像に SExtractor をかけ、天体として検出された部分をマスクする。つまり、顕 著なコンポーネントの影響を受けたモデルを差し引いて、それでもなお残ってい るコンポーネントをマスクするのである。顕著なコンポーネントは、主に明るさ を過剰に見積もる方向へとモデルに影響するはずなので、この処理によって顕著 でないコンポーネントがマスクされる可能性は低く抑えられていると考えられる。

(25)

 こうして作成されたマスク画像は、図 3.3 のようになる。図 3.3 の左側の画像が、 マスクを作成する元となった 1 度目のフィッティングの結果画像。右側が、マスク 画像である。このマスク画像を用いれば、銀河の clump やバルジに影響されず、純 -0.65 -0.53 -0.4 -0.27 -0.15 -0.024 0.1 0.22 0.35 0.48 0.6 図 3.3: ID6272 のマスク画像。左:1 度目のフィッティングの結果画像。右:SExtractor を用いて作成したマスク画像 粋に円盤のみをフィッティングすることが可能となる。

3.1.3

2

度目のフィッティング

マスク画像を用いて、2 度目のフィッティングを行う。  フィッティングする元の画像には、1 度目のフィッティングの際に作成されてい る、処理範囲の部分だけを切り出された銀河画像を用いる。この画像を用いる理 由は、作成したマスク画像と座標が一致する画像だからである。よって、1 度目の フィッティングとは対象天体の座標などが変わっているため、再度 SExtractor を 用いて、GALFIT に入力するパラメータを測定しなければならない。各パラメー タの決定の仕方については、1 度目のフィッティング(3.1.1)に倣うことにする。  測定されたパラメータを入力し、3.1.2 にて作成したマスク画像を「Bad pixel mask」に指定して、再度 GALFIT を走らせる。その結果は、図 3.4 のようになる。 結果画像を 1 度目のフィッティングと比べれば明らかなことだが(図 3.5)、顕著な コンポーネントにマスクをかけて処理をした 2 度目のフィッティングの方が、「引 き過ぎ」な部分も少なく、より正確に円盤部分をフィッティングし、差し引くこと

(26)

-0.65 -0.53 -0.4 -0.27 -0.15 -0.024 0.1 0.22 0.35 0.48 0.6

図 3.4: ID6272 の 2 度目のフィッティング結果。左上:本来の銀河画像。右上:1 度目のフィッティング結果から作成したマスク画像。左下:GALFIT によって作成 されたスムースモデル。右下:本来の銀河画像からモデルを差し引いたもの(等 高線は、sky 領域の最低値)

(27)

ができている。  よって、この手法を用いれば、clumpy な円盤銀河(つまり、形成途中の円盤銀 -0.65 -0.53 -0.4 -0.27 -0.15 -0.024 0.1 0.22 0.35 0.48 0.6 図 3.5: ID6272 におけるフィッティング結果の比較。左:1 度目のフィッティング 結果。右:2 度目のフィッティング結果。両方とも、等高線は sky 領域の最低値 河)の円盤部分にのみ注目し、その性質を調べることが可能である。また同時に、 円盤部分をフィッティングしたモデルを差し引くことにより、銀河の clump 部分な どを正確に同定し、解析することが可能となる。本研究では、主に前者の点に注 目し、次節以降の解析を進めていく。  ただし、この手法には課題も存在する。まず、合体中の銀河などについては、シ ングルコンポーネントではうまくフィッティングすることが難しい。次に、対象天 体とあまりに近い位置に、対象天体よりも非常に明るい天体が混入していた場合、 フィッティング対象がそちらへと移行してしまい、目当ての天体をフィッティング することができない(ただし、ある程度対象天体と離れていたり、対象天体と比 して光度が顕著ではない混入物に関しては、むしろこの手法によって効果的に除 去できる可能性もある)。そして、銀河のバルジが顕著な場合、つまり銀河の光度 が中心に集中し過ぎている場合、1 度目のフィッティングの時点でフィッティング 対象がそちらへと引っ張られてしまい、円盤をフィッティングすることができなく なってしまう。よって、今回のサンプル選択においては、そのような銀河をサンプ ルから除外せざるを得なかった。2.2.4 における選択条件は、このようにして設定 されたのである。また、この条件に合致する銀河の選定は、実際に 1 度目のフィッ ティングを実施して行った。1 度目のフィッティングの結果が、バルジ部分に偏り 過ぎているものを除外したのである。

(28)

3.1.4

フィッティングの精度について

GALFITにおいては、フィッティング結果の評価を、一般的な検定パラメータ である χ2とその自由度 ν、そして χ2 で見積もっている。一般に、χ2が 1 に 近付くほど、フィッティングの精度は高いと評価できる。  これらのパラメータのうち、χ2は χ2 = nxx=1 nyy=1

(fdata(x, y)− fmodel(x, y))

σ (x, y)2 (3.1) で定義されている。ここで fdata(x, y)はフィッティングする元の画像の値、fmodel(x, y) は最終的に導かれるモデルの値、そして σ (x, y) はポアソン統計にて導かれる、画 像の標準偏差である。また、χ2の自由度である ν は、主に処理する画像範囲のピ クセル数に依存する [15]。  この χ2、および χ2 の値は、同条件にて複数のフィッティングを行い、どの fittingがもっともうまくいっているかを評価する際には有用なパラメータである。 しかし、今回用いている手法では、1 度目のフィッティングと 2 度目のフィッティン グでは、マスクをかけることで処理範囲が変わり、また画像の傾向も変わること になる。つまり、ν や σ (x, y) の値が大きく変わることとなり、式 (3.1) などから、 2つのフィッティングの精度を比較する際には、これらのパラメータを用いること は適当ではないと思われる。  よって本論文では、次章より記していくフィッティングの結果において、(記述 はするが)これらのパラメータを精度の議論に用いることはしない。今回のフィッ ティングは銀河全体ではなく銀河の円盤部分をより良くフィッティングすることを 目的としているため、フィッティングの精度の評価としては、「フィッティング結 果において、sky 領域よりも暗い(つまり物理的ではない)領域がどれだけ小さく なったか」「フィッティング結果において引き残ったコンポーネントが、どれだけ 確からしいか」に注目していく。

(29)

4

章 結果

4.1

各サンプルのフィッティング結果

以下では、各サンプルのフィッティング結果、およびその結果に SExtractor を かけ、引き残った clump などの部分を検出した結果を記す。引き残りの検出のた めの SExtractor の設定は、なるべく成分を細かく分けて検出し、またある程度顕 著なものだけを検出できるよう、今回は「DEBLEND NTHRESH」を 64、「DE-BLEND MINCONT」を 0、「DETECT MINAREA」を 5、「DETECT THRESH」 を 5 に統一する。

4.1.1

ID3213

サンプル ID3213 の銀河について、1 度目のフィッティングの結果は図 4.1 のよう になった。また、2 度目のフィッティングの結果は、図 4.2 のようになった。なお、 1度目と 2 度目のフィッティングにおけるフィッティングそのものについてのパラ メータは表 4.1、フィッティングしたモデルのパラメータは表 4.2 のようになった。  また、このフィッティングの結果画像に SExtractor をかけ、引き残ったコンポー 回数 χ2 自由度 ν χ2 1 667.075 9993 0.067 2 561.325 9420 0.060 表 4.1: ID3213 のフィッティングについてのパラメータ 回数 等級 有効半径 [kpc] セルシック指数 軸比 PA[deg]U p=0Lef t=90 1 21.99±0.01 5.00±0.06 1.43±0.04 0.38±0.00 -2.56±0.34 2 22.09±0.01 4.83±0.07 1.53±0.04 0.37±0.01 -2.02±0.38 表 4.2: ID3213 のフィッティングモデルのパラメータ ネントを検出した結果は、図 4.3 のようになる。検出されたコンポーネントの、 SExtractorによって導かれたパラメータは、表 4.3 のようになる。  この銀河については、元よりある程度フィッティングのし易い形状の銀河であっ

(30)

-0.65 -0.53 -0.4 -0.27 -0.15 -0.024 0.1 0.22 0.35 0.48 0.6 図 4.1: ID3213 の 1 度目のフィッティング結果。左上:本来の銀河画像。右上: GALFITによって作成されたスムースモデル。左下:本来の銀河画像からモデル を差し引いたもの(等高線は、sky 領域の最低値) -0.65 -0.53 -0.4 -0.27 -0.15 -0.024 0.1 0.22 0.35 0.48 0.6 図 4.2: ID3213 の 2 度目のフィッティング結果。左上:本来の銀河画像。右上:1 度目のフィッティング結果から作成したマスク画像。左下:GALFIT によって作成 されたスムースモデル。右下:本来の銀河画像からモデルを差し引いたもの(sky 領域よりも暗くなった箇所が無いため、等高線は無し)

(31)

-0.65 -0.53 -0.4 -0.27 -0.15 -0.024 0.1 0.22 0.35 0.48 0.6 図 4.3: ID3213 のフィッティング結果をもとに、顕著なコンポーネントを検出した 結果。左上:本来の銀河画像。右上:2 度目のフィッティングの結果画像。左下: 2度目のフィッティングの結果画像に、SExtractor をかけた結果 識別色 等級 R50[kpc] 紫 25.78±0.04 1.80 青 26.24±0.05 1.46 水色 25.83±0.04 1.85 緑 25.78±0.04 1.82 黄緑 26.24±0.04 0.93 表 4.3: ID3213 の顕著なコンポーネントのパラメータ(識別色は、図 4.3 に対応)

(32)

たため、本手法による効果はわかりにくいが、「引き過ぎた部分」がなくなってい ることなどから、フィッティングが改善されていることが確認できる。

4.1.2

ID3920

サンプル ID3920 の銀河について、1 度目のフィッティングの結果は図 4.4 のよう になった。また、2 度目のフィッティングの結果は、図 4.5 のようになった。なお、 -0.65 -0.53 -0.4 -0.27 -0.15 -0.024 0.1 0.22 0.35 0.48 0.6 図 4.4: ID3920 の 1 度目のフィッティング結果。左上:本来の銀河画像。右上: GALFITによって作成されたスムースモデル。左下:本来の銀河画像からモデル を差し引いたもの(等高線は、sky 領域の最低値) 1度目と 2 度目のフィッティングにおけるフィッティングそのものについてのパラ メータは表 4.4、フィッティングしたモデルのパラメータは表 4.5 のようになった。  このフィッティングの結果画像に SExtractor をかけ、引き残ったコンポーネント 回数 χ2 自由度 ν χ2 1 1317.654 9993 0.132 2 530.609 8765 0.061 表 4.4: ID3920 のフィッティングについてのパラメータ を検出した結果は、図 4.6 のようになる。検出されたコンポーネントの、SExtractor によって導かれたパラメータは、表 4.6 のようになる。

(33)

-0.65 -0.53 -0.4 -0.27 -0.15 -0.024 0.1 0.22 0.35 0.48 0.6 図 4.5: ID3920 の 2 度目のフィッティング結果。左上:本来の銀河画像。右上:1 度目のフィッティング結果から作成したマスク画像。左下:GALFIT によって作成 されたスムースモデル。右下:本来の銀河画像からモデルを差し引いたもの(等 高線は、sky 領域の最低値) 回数 等級 有効半径 [kpc] セルシック指数 軸比 PA[deg]U p=0Lef t=90 1 20.77±0.01 3.45±0.03 1.19±0.02 0.43±0.00 -86.58±0.36 2 20.95±0.01 3.39±0.03 1.30±0.02 0.48±0.00 89.41±0.43 表 4.5: ID3920 のフィッティングモデルのパラメータ 識別色 等級 R50[kpc] 水色 23.88±0.01 1.60 緑 23.71±0.00 0.92 黄緑 23.54±0.01 1.60 表 4.6: ID3920 の顕著なコンポーネントのパラメータ(識別色は、図 4.6 に対応)

(34)

-0.65 -0.53 -0.4 -0.27 -0.15 -0.024 0.1 0.22 0.35 0.48 0.6 図 4.6: ID3920 のフィッティング結果をもとに、顕著なコンポーネントを検出した 結果。左上:本来の銀河画像。右上:2 度目のフィッティングの結果画像。左下: 2度目のフィッティングの結果画像に、SExtractor をかけた結果  このサンプルについての処理は、本手法が処理対象の銀河のある程度近くに存 在する他天体にもマスクをかけることが可能であり、他天体による干渉を効果的 に除去する効果が期待できる可能性を示している。

(35)

4.1.3

ID4179

サンプル ID4179 の銀河について、1 度目のフィッティングの結果は図 4.7 のよう になった。また、2 度目のフィッティングの結果は、図 4.8 のようになった。なお、 -0.65 -0.53 -0.4 -0.27 -0.15 -0.024 0.1 0.22 0.35 0.48 0.6 図 4.7: ID4179 の 1 度目のフィッティング結果。左上:本来の銀河画像。右上: GALFITによって作成されたスムースモデル。左下:本来の銀河画像からモデル を差し引いたもの(等高線は、sky 領域の最低値) 1度目と 2 度目のフィッティングにおけるフィッティングそのものについてのパラ メータは表 4.7、フィッティングしたモデルのパラメータは表 4.8 のようになった。  このフィッティングの結果画像に SExtractor をかけ、引き残ったコンポーネント 回数 χ2 自由度 ν χ2 1 733.839 9993 0.073 2 490.994 8979 0.055 表 4.7: ID4179 のフィッティングについてのパラメータ を検出した結果は、図 4.9 のようになる。検出されたコンポーネントの、SExtractor によって導かれたパラメータは、表 4.9 のようになる。  このサンプルについてのフィッティングは、1 度目と 2 度目のフィッティングの 間における結果の改善、顕著なコンポーネントの検出などの全般について、概ね 良好であったと言えるだろう。

(36)

-0.65 -0.53 -0.4 -0.27 -0.15 -0.024 0.1 0.22 0.35 0.48 0.6 図 4.8: ID4179 の 2 度目のフィッティング結果。左上:本来の銀河画像。右上:1 度目のフィッティング結果から作成したマスク画像。左下:GALFIT によって作成 されたスムースモデル。右下:本来の銀河画像からモデルを差し引いたもの(等 高線は、sky 領域の最低値) 回数 等級 有効半径 [kpc] セルシック指数 軸比 PA[deg]U p=0Lef t=90 1 21.30±0.01 5.33±0.02 0.51±0.01 0.86±0.00 -2.98±1.45 2 21.51±0.01 5.65±0.04 0.41±0.01 0.85±0.00 -8.18±1.60 表 4.8: ID4179 のフィッティングモデルのパラメータ 識別色 等級 R50[kpc] 紫 23.41±0.01 1.95 青 24.96±0.03 2.04 水色 24.64±0.02 1.92 緑 24.51±0.02 2.35 表 4.9: ID4179 の顕著なコンポーネントのパラメータ(識別色は、図 4.9 に対応)

(37)

-0.65 -0.53 -0.4 -0.27 -0.15 -0.024 0.1 0.22 0.35 0.48 0.6 図 4.9: ID4179 のフィッティング結果をもとに、顕著なコンポーネントを検出した 結果。左上:本来の銀河画像。右上:2 度目のフィッティングの結果画像。左下: 2度目のフィッティングの結果画像に、SExtractor をかけた結果

4.1.4

ID4350

サンプル ID4350 の銀河について、1 度目のフィッティングの結果は図 4.10 のよ うになった。また、2 度目のフィッティングの結果は、図 4.11 のようになった。な お、1 度目と 2 度目のフィッティングにおけるフィッティングそのものについての パラメータは表 4.10、フィッティングしたモデルのパラメータは表 4.11 のように なった。  また、フィッティングの結果画像に SExtractor をかけ、引き残ったコンポー 回数 χ2 自由度 ν χ2 1 1495.118 9993 0.150 2 1241.054 9679 0.128 表 4.10: ID4350 のフィッティングについてのパラメータ ネントを検出した結果は、図 4.12 のようになる。検出されたコンポーネントの、 SExtractorによって導かれたパラメータは、表 4.12 のようになる。  この銀河は、f814w などのフィルターを用いた画像においては clumpy な銀河で あるのだが、この f160w フィルターの画像においてはその構造がわかりにくくなっ ており、引き残りの検出などにおいては、芳しい結果は得られていない。しかし、

(38)

-0.65 -0.53 -0.4 -0.27 -0.15 -0.024 0.1 0.22 0.35 0.48 0.6 図 4.10: ID4350 の 1 度目のフィッティング結果。左上:本来の銀河画像。右上: GALFITによって作成されたスムースモデル。左下:本来の銀河画像からモデル を差し引いたもの(等高線は、sky 領域の最低値) 回数 等級 有効半径 [kpc] セルシック指数 軸比 PA[deg]U p=0Lef t=90 1 21.74±0.01 2.14±0.03 0.85±0.03 0.71±0.01 11.15±1.71 2 21.77±0.01 2.18±0.04 0.83±0.03 0.69±0.01 12.43±1.55 表 4.11: ID4350 のフィッティングモデルのパラメータ 識別色 等級 R50[kpc] 緑 26.42±0.06 0.69 表 4.12: ID4350 の顕著なコンポーネントのパラメータ(識別色は、図 4.12 に対応)

(39)

-0.65 -0.53 -0.4 -0.27 -0.15 -0.024 0.1 0.22 0.35 0.48 0.6 図 4.11: ID4350 の 2 度目のフィッティング結果。左上:本来の銀河画像。右上:1 度目のフィッティング結果から作成したマスク画像。左下:GALFIT によって作成 されたスムースモデル。右下:本来の銀河画像からモデルを差し引いたもの(等 高線は、sky 領域の最低値) -0.65 -0.53 -0.4 -0.27 -0.15 -0.024 0.1 0.22 0.35 0.48 0.6 図 4.12: ID4350 のフィッティング結果をもとに、顕著なコンポーネントを検出し た結果。左上:本来の銀河画像。右上:2 度目のフィッティングの結果画像。左下: 2度目のフィッティングの結果画像に、SExtractor をかけた結果

(40)

モデルのフィット自体は良好であるので、モデルのパラメータなどについては、充 分に議論に使用できうるものとなっているだろう。

4.1.5

ID6272

サンプル ID6272 の銀河についてのフィッティングの結果画像は、3.1 を参照のこ と。なお、1 度目と 2 度目のフィッティングにおけるフィッティングそのものにつ いてのパラメータは表 4.13、フィッティングしたモデルのパラメータは表 4.14 の ようになった。  また、このフィッティングの結果画像に SExtractor をかけ、引き残ったコンポー 回数 χ2 自由度 ν χ2 1 611.653 9993 0.061 2 420.533 9221 0.046 表 4.13: ID6272 のフィッティングについてのパラメータ 回数 等級 有効半径 [kpc] セルシック指数 軸比 PA[deg]U p=0Lef t=90 1 21.08±0.01 5.34±0.02 0.30±0.00 0.77±0.00 23.87±0.65 2 21.27±0.01 5.17±0.03 0.29±0.01 0.79±0.00 27.94±0.93 表 4.14: ID6272 のフィッティングモデルのパラメータ ネントを検出した結果は、図 4.13 のようになる。検出されたコンポーネントの、 SExtractorによって導かれたパラメータは、表 4.15 のようになる。  この銀河は、円盤の明瞭さ、clump の顕著さなどの状態が非常に良好なため、 識別色 等級 R50[kpc] 紫 26.50±0.05 1.28 青 25.64±0.03 1.02 水色 24.64±0.02 2.41 緑 25.25±0.03 1.82 黄緑 25.99±0.02 0.98 黄 25.71±0.03 1.43 橙 24.77±0.02 2.02 赤(印なし) 23.96±0.01 2.17 赤(印あり) 23.78±0.01 1.38 表 4.15: ID6272 の顕著なコンポーネントのパラメータ(識別色は、図 4.13 に対応)

(41)

-0.65 -0.53 -0.4 -0.27 -0.15 -0.024 0.1 0.22 0.35 0.48 0.6 図 4.13: ID6272 のフィッティング結果をもとに、顕著なコンポーネントを検出し た結果。左上:本来の銀河画像。右上:2 度目のフィッティングの結果画像。左下: 2度目のフィッティングの結果画像に、SExtractor をかけた結果 フィッティングの結果も良好なものとなった。顕著なコンポーネントの検出も、そ れぞれのコンポーネントが充分に分離され、有用なものなっている。

(42)

4.1.6

ID9400

サンプル ID9400 の銀河について、1 度目のフィッティングの結果は図 4.14 のよ うになった。また、2 度目のフィッティングの結果は、図 4.15 のようになった。1 度 -0.65 -0.53 -0.4 -0.27 -0.15 -0.024 0.1 0.22 0.35 0.48 0.6 図 4.14: ID9400 の 1 度目のフィッティング結果。左上:本来の銀河画像。右上: GALFITによって作成されたスムースモデル。左下:本来の銀河画像からモデル を差し引いたもの(等高線は、sky 領域の最低値) 目と 2 度目のフィッティングにおけるフィッティングそのものについてのパラメー タは表 4.16、フィッティングしたモデルのパラメータは表 4.17 のようになってい る。  また、フィッティングの結果画像に SExtractor をかけ、引き残ったコンポー 回数 χ2 自由度 ν χ2 1 661.304 9993 0.066 2 488.938 9296 0.053 表 4.16: ID9400 のフィッティングについてのパラメータ ネントを検出した結果は、図 4.16 のようになる。検出されたコンポーネントの、 SExtractorによって導かれたパラメータは、表 4.18 のようになる。  このサンプルも、円盤部分がある程度フィットし易い形状となっており、フィッ ティング結果は良好である。1 度目と 2 度目のフィッティングの間でのモデルの改 善も、結果画像に有意に表れている。

(43)

-0.65 -0.53 -0.4 -0.27 -0.15 -0.024 0.1 0.22 0.35 0.48 0.6 図 4.15: ID9400 の 2 度目のフィッティング結果。左上:本来の銀河画像。右上:1 度目のフィッティング結果から作成したマスク画像。左下:GALFIT によって作成 されたスムースモデル。右下:本来の銀河画像からモデルを差し引いたもの(等 高線は、sky 領域の最低値) 回数 等級 有効半径 [kpc] セルシック指数 軸比 PA[deg]U p=0Lef t=90 1 20.75±0.00 4.88±0.02 0.40±0.00 0.79±0.00 89.53±0.69 2 20.89±0.01 4.94±0.03 0.37±0.01 0.82±0.00 89.82±0.99 表 4.17: ID9400 のフィッティングモデルのパラメータ 識別色 等級 R50[kpc] 紫 24.55±0.01 1.64 青 23.96±0.01 2.04 水色 23.61±0.01 1.24 緑 25.56±0.02 1.31 表 4.18: ID9400 の顕著なコンポーネントのパラメータ(識別色は、図 4.16 に対応)

(44)

-0.65 -0.53 -0.4 -0.27 -0.15 -0.024 0.1 0.22 0.35 0.48 0.6 図 4.16: ID9400 のフィッティング結果をもとに、顕著なコンポーネントを検出し た結果。左上:本来の銀河画像。右上:2 度目のフィッティングの結果画像。左下: 2度目のフィッティングの結果画像に、SExtractor をかけた結果

4.1.7

ID10016

サンプル ID10016 の銀河について、1 度目のフィッティングの結果は図 4.17 のよ うになった。また、2 度目のフィッティングの結果は、図 4.18 のようになった。な お、1 度目と 2 度目のフィッティングにおけるフィッティングそのものについての パラメータは表 4.19、フィッティングしたモデルのパラメータは表 4.20 のように なった。  また、このフィッティングの結果画像に SExtractor をかけ、引き残ったコンポー 回数 χ2 自由度 ν χ2 1 767.331 9993 0.077 2 464.155 8867 0.052 表 4.19: ID10016 のフィッティングについてのパラメータ ネントを検出した結果は、図 4.19 のようになる。検出されたコンポーネントの、 SExtractorによって導かれたパラメータは、表 4.21 のようになる。  画像から、モデルの改善は一定の効果を見せており、顕著なコンポーネントの 検出についても、良好と思われる結果が示されていることが読み取れる。

(45)

-0.65 -0.53 -0.4 -0.27 -0.15 -0.024 0.1 0.22 0.35 0.48 0.6 図 4.17: ID10016 の 1 度目のフィッティング結果。左上:本来の銀河画像。右上: GALFITによって作成されたスムースモデル。左下:本来の銀河画像からモデル を差し引いたもの(等高線は、sky 領域の最低値) 回数 等級 有効半径 [kpc] セルシック指数 軸比 PA[deg]U p=0Lef t=90 1 20.91±0.01 4.79±0.03 0.64±0.01 0.80±0.00 9.74±0.89 2 21.03±0.01 5.06±0.03 0.53±0.01 0.78±0.00 9.13±0.80 表 4.20: ID10016 のフィッティングモデルのパラメータ 識別色 等級 R50[kpc] 紫 24.38±0.02 3.16 青 23.86±0.01 1.15 緑 25.97±0.03 1.09 黄 25.49±0.04 1.53 橙 24.88±0.02 2.33 表 4.21: ID10016 の顕著なコンポーネントのパラメータ(識別色は、図 4.19 に対応)

(46)

-0.65 -0.53 -0.4 -0.27 -0.15 -0.024 0.1 0.22 0.35 0.48 0.6 図 4.18: ID10016 の 2 度目のフィッティング結果。左上:本来の銀河画像。右上:1 度目のフィッティング結果から作成したマスク画像。左下:GALFIT によって作成 されたスムースモデル。右下:本来の銀河画像からモデルを差し引いたもの(等 高線は、sky 領域の最低値) -0.65 -0.53 -0.4 -0.27 -0.15 -0.024 0.1 0.22 0.35 0.48 0.6 図 4.19: ID10016 のフィッティング結果をもとに、顕著なコンポーネントを検出し た結果。左上:本来の銀河画像。右上:2 度目のフィッティングの結果画像。左下: 2度目のフィッティングの結果画像に、SExtractor をかけた結果

図 2.1: Chary and Elbaz 2001[3] の SED テンプレート(数値データから再描画し たもの) テンプレートを用いる。 1 これは、光度別に、 105 の銀河のスペクトル・テンプレー トが作成されたものである。この中から、今回選択したい銀河の光度にもっとも 近いテンプレートである、L = 1.0062728 × 10 11 L ⊙ のテンプレート(図 2.2)を抜 き出す。  このテンプレートの銀河を、 z = 0、つまり 12[μ m] において観測したフラック スの値と、サンプ
図 3.4: ID6272 の 2 度目のフィッティング結果。左上:本来の銀河画像。右上:1
図 4.52: ID13617 のフィッティング結果をもとに、顕著なコンポーネントを検出し
図 5.3: Konishi et al. 2011 『MOIRCS Deep Survey. VII. NIR Morphologies of Star- Star-Forming Galaxies at Redshift z ∼ 1』より Fig.7 を引用。右のパネルの赤い丸が、今 回の結果と比較すべき z ∼ 1 の LIRG である。なお、以下に Konishi et al
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参照

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