1
別紙標準様式(第7条関係)
会 議 録
会 議 の 名 称 平成 27 年度第1回枚方市文化財保護審議会 開 催 日 時 平成 27 年9月1日(火) 14 時 00 分から 15 時 30 分まで 開 催 場 所 輝きプラザ 3階 教育委員会室 出 席 者 審議会委員:土井委員、井上委員、奥田委員、田委員、川畑委員、宮野委員、 高田委員 欠 席 者 審議会委員:高委員、柏木委員 案 件 名 報告(1)「歴史文化遺産の保存と活用のための整備構想」について (2)田中家住宅鋳物工場及び主屋の耐震工事実施設計について (3)国登録有形文化財(建造物)の候補について (4)九頭神廃寺出土銅造誕生釈迦仏立像の所在の場所の変更について (5)その他 案件(1)枚方宿鍵屋資料館別棟の改修について 提 出 さ れ た 資 料 等 の 名 称 ・歴史文化遺産の保存と活用のための整備構想〈概要版〉 ・歴史文化遺産の保存と活用のための整備構想~歴史の薫りを豊かに伝える まちをめざして~ ・大阪府有形文化財 田中家住宅 鋳物工場・主屋の耐震工事の方針(案) ・奥野家住宅 調査報告書 ・九頭神廃寺出土銅造誕生釈迦仏立像 ・特別史跡百済寺跡再整備事業年次計画表・工事範囲・広報ひらかた平成 27 年 9 月号特集記事 ・楠葉台場跡保存整備事業位置図・平面図 ・東高野街道(出屋敷地区)整備事業位置図・平面図・計画平面図(1)・(2) ・枚方宿鍵屋資料館別棟の改修について 決 定 事 項 案件(1)事務局案で決定した。 報告(1)から(5)について報告を受けた。 会議の公開、非公開の別 及 び 非 公 開 の 理 由 一部非公開。枚方市情報公開条例第6条第1号及び第6号に規定する非公開 情報が含まれる事項について審議・調査を行うため。 会議録の公表、非公表 の別及び非公表の理由 一部非公表。枚方市情報公開条例第6条第1号に規定する非公開情報が含ま れる事項について審議・調査を行うため。 傍 聴 者 の 数 0人 所 管 部 署 ( 事 務 局 ) 教育委員会 社会教育部 文化財課 枚方市ホームページ掲載 会議録(部分公表)2 審 議 内 容 土井会長 それでは審議会を開会する。本日の委員の出席状況および事務局の出席状 況の報告をお願いする。 <事務局より委員の出席状況および事務局の出席状況の報告> 〈事務局〉 それでは、配付資料の確認をさせていただく。 <配付資料の確認> 土井会長 それでは審議を始めるにあたりご協力をお願いする。さて本審議会は「枚 方市審議会等の会議の公開等に関する規程」に基づき運営を行うため、会議 の公開・非公開については、原則公開としているが、昨年度の審議会で枚方 市情報公開条例第6条の規定による非公開情報が含まれるもの、すなわち 「個人に関する情報」または「意思形成過程情報」に該当するものは非公開 とすることに決定した。本審議会の案件・報告の公開・非公開について確認 したいので、事務局案をお願いする。 〈事務局〉 本審議会の公開・非公開については事前に会長・副会長に確認していただ いているが、委員の皆様にもご確認をお願いする。「案件(1)枚方宿鍵屋 資料館別棟の改修について」、「報告(2)田中家住宅鋳物工場及び主屋の耐 震工事実施設計について」及び「報告(5)その他」は枚方市情報公開条例 第 6 条第 6 号の意思形成過程に関する情報に該当するため、また「報告(3) 国登録有形文化財(建造物)の候補について」及び「報告(4)九頭神廃寺 出土銅造誕生釈迦仏立像の所在の場所の変更について」は同条例第6条第1 号個人に関する情報に該当するため、非公開が妥当であると考えるがいかが か。 土井会長 ただ今、事務局から審議会の公開等に関する説明があったが、委員の 皆様からご質問、ご意見等があれば伺いたい。 <異議なし> 土井会長 異議なしでよろしいか。そのように取り扱う。また公表する会議録につい ても、同様とする。それでは「報告(1)歴史文化遺産の保存と活用のた めの整備構想の策定について」のみ公開となるため、報告を先に進める。 傍聴人はいるか。 〈事務局〉 傍聴人なし。 土井会長 それでは傍聴人なしのため先に進める。
3 報告1:「歴史文化遺産の保存と活用のための整備構想」について 〈事務局〉 資料として「歴史文化遺産の保存と活用のための整備構想」及び、概要を 送付している。この構想は、枚方市の歴史文化遺産の保存と活用の基本的な 考え方と方向性を明らかにするために、平成20 年に枚方市歴史文化遺産整 備構想策定委員会を設置し、策定作業を進めてきたものである。これまでの 文化財保護審議会でも様々なご意見を頂戴してきたが、パブリックコメント 等の手続きを経て平成27 年3月に策定した。 「歴史文化遺産の保存と活用のための整備構想」本文の主要なポイントを 抜粋した概要版にて説明する。1.「基本的な考え方」、この構想は古来から 受け継いできた歴史文化遺産を保存し後世に継承するだけでなく、歴史の薫 り豊かなまちづくりや文化的観光などへ活用することを目的としている。そ の目的のもと2.「本市の文化財保護行政の現状」を記述している。(1)「文 化財の指定・登録」で、国・府・市の指定文化財、国登録文化財、市登録文 化財の状況や件数を記載している。次の(2)「歴史文化遺産の保存と活用 事業」ではこれまで行った、あるいは現在行っている保存活用事業を3つに 分けて記載している。①「建造物の修復」重要文化財あるいは市指定文化財 の保存修理工事をこれまで行ってきており、直近では平成21 年から 23 年 にかけて国の重要文化財である片埜神社本殿の保存修理事業を行った。② 「歴史資料館の整備」で2つの資料館を公開している。昭和59 年に旧田中 家鋳物民俗資料館が開館、平成13 年に枚方宿鍵屋資料館が開館した。③「史 跡整備等」で国の史跡あるいは市指定の史跡を史跡公園として整備してい る。現在、百済寺跡では再整備事業に取り組み、また国史跡楠葉台場跡は楠 葉中之芝土地区画整理事業の中で、現在、暫定的に整備工事が行われている。 (3)「埋蔵文化財の保護」では本市の文化財保護行政の中でも大きな柱で ある埋蔵文化財について、概要版では2行ほどの記載だが本編ではかなりペ ージを割いて説明している。埋蔵文化財包蔵地の周知と発掘調査は日常業務 の中で毎日取り組んでいる。(4)「啓発普及事業」では、文化財展示あるい は歴史講座等のイベントの実施、あるいは各史跡や重要文化財の場所に文化 財説明板・案内板を設置している。また、ホームページの充実ということで 市内の文化財や文化財の保護についてのページをもうけるなど充実させて いる。他に歴史文化遺産関係図書等の発行や年に1回文化財防火デーの時期 に実施している消防訓練。こちらは毎年各文化財の所有者、例えば文化財を 所有の社寺等で年1回行うなど啓発普及事業もあわせて行っている。3.「本 市の文化財保護行政の課題」では、まず(1)「歴史文化遺産のネットワー ク化」。整備事業や建造物の修復等を1つ1つ行っているが、それを市民に より判りやすく周知、あるいは活用していこうと地域性あるいは時代等によ るまとまりを踏まえてネットワーク化をすることで圏域を設定し市民に分 かりやすく周知をしよう。これが必要ではないかということが1つ。(2)
4 「文化財の保存と活用」では、近年、保存だけでなく活用が重要であると盛 んに言われるようになった。その中でもいくつか挙げているが①「歴史文化 遺産としての古文書あるいは公文書」、これも保存・収集して公開する仕組 みが必要である。続いて②「民俗文化財の保存と活用」。これまでから民俗 文化財については収集をしており、旧田中家鋳物民俗資料館や枚方宿鍵屋資 料館で一部展示をしている。学校教育との関係では、小学校3年生の単元「昔 のくらし」でいわゆる古い生活の用具を勉強しに学校から団体で見学される こともある。これについても今後も収集を進めるとともに、民具はかさばる ので保存場所等も集中して管理するため写真と説明を一緒にした形でのデ ータベース化を手がけている。③「出土遺物の整理と保存・活用」。これは 埋蔵文化財の発掘調査でずっと以前から行われているが、報告書が全て刊行 できているという状態ではない。発掘調査に追われて未報告になっている調 査も多くあるので、計画的に整理をして報告書を刊行していく課題がある。 (3)「啓発普及と情報発信の充実」。我々はいつも啓発普及と情報発信をし ているつもりだが、市民にとってはまだ知る人ぞ知るという状態。興味のあ る方には情報はすぐ届くが、そうでない方には難しいところがある。今後と もそういったものをいろいろな方法を使いながら充実をしていく必要があ る。最後に「歴史・文化的景観の保全」でこれは文化財だけに限った話では ないが、景観の保全が文化財保護法の中でも文化的景観の考え方として取り 入れられており、山間部の棚田や里山も含め景観の保全を図る仕組みが課題 となっている。そういった現状と課題を踏まえ、次のページでは「歴史文化 遺産の保存と活用に向けて」、まず「ネットワーク化で歴史文化遺産を巡る 歴史回廊」ということで、市内に点在する歴史文化遺産について、地域性や 時代等のまとまりを踏まえてネットワーク化し圏域を設定する。それを「歴 史回廊」と名付け、有効に保存・活用・周知していこうというものである。 京街道歴史回廊、交野ヶ原歴史回廊、東高野街道歴史回廊という3つのかた ち、時代的にも近世・古代・中世、地域的にも淀川沿い・中央部、若干東に 寄った東高野街道という形で地域的或いは時代的にもまとまりを踏まえて 設定をしている。ここを重点的に周知しながらこれを将来的には全市的に広 げていこう、歴史の薫りを豊かに伝えるまちを目指して、という形で取り組 んでいる。これについては今後の歴史文化遺産の整備事業、現在進行中のも のも含めて整備事業のベースとなるものであり、史跡整備だけでなく、これ も後ほど報告するが、東高野街道出屋敷地区の整備等についてもこれをもと に進めて行きたいと考えている。市民の方もご覧いただけるように枚方市ホ ームページにこの本編と概要版を掲載し、市内に8館ある市立図書館にも配 架をしている。また、市内の歴史文化遺産の概要についても記載をしている ので、地域学習や歴史学習の参考になるように市内の小中学校にも配付をし た。
5 土井会長 3.「本市の文化財の保護行政の課題」の(2)①に記載されている明治 以降の公文書の量はかなりあるのか。 〈事務局〉 枚方市市史資料室で管理している明治期以降の公文書の数はそんなに無 い。ただ戦前の町議会の会議録等は廃棄文書ではないので、まだ本庁に保管 されている。そういうものはマイクロフィルムになり現在は書庫に仕舞われ た状態だが、活用できるような仕組みが今後必要になってくるのではないか。 枚方で公文書館というのはなかなか難しい話だが、このような機能をもった 図書館や博物館もあちらこちらに出来ているので市史資料室についてもその ような機能を目指して収集をしているところである。 土井会長 国の方でも明治以降の近代文書、特に行政文書について国の指定も大分進 んできているようで近代日本がどういったあゆみをとり、どのような仕組み の中で自治が行われていったかが分かるので非常に重要な資料だと思う。積 極的に保管及び公開に努めていただきたい。 〈事務局〉 補足すると、地方文書、いわゆる旧家からでてくる文書だが、当時の庄屋 クラスの家で明治以降になっても公的な役職を担っていたこともあり、その 中に混ざっていることもある。そういったものも市史で管理している。 土井会長 それは寄託か。 〈事務局〉 ほとんどの場合は寄託。市史資料室が昭和40年代に市史を作っていたと きは借用という形をとっていたが、市史編纂事業が終わってから、こんなも のがあると連絡頂いたものは寄託という手続きをとっている。 奥田委員 部落差別につながる資料が残っている場合は、非公開にしたほうがよい。 土地台帳等は非公開としているところがある。 報告2:大阪府有形文化財 田中家住宅 鋳物工場・主屋の耐震工事の方針について 土井会長 それでは、次に「報告(2)田中家住宅鋳物工場及び主屋の耐震工事実施設 計について」に移るが、この報告以降は非公開事案となる。それでは事務局か ら説明をお願いする。 〈事務局〉 枚方上之町の田中家は古くから鋳物業に携わり、江戸時代には真継家から独 占的営業を許され、河内国左右惣官鋳物師として河内の鋳物師を統率し、梵鐘、 鍋、釜などを鋳造していた。田中家鋳物工場は、全国に例を見ない珍しい建築 遺構であり、また田中家主屋は、鋳物師という火を使う職業から、防火のため 屋根に瓦が葺かれていた点が、周辺の民家と異なる特徴である。鋳物工場・主 屋とも、江戸時代の貴重な建築遺構として大阪府指定有形文化財の指定を受け ている。本市は、田中氏から鋳物工場と主屋の寄贈を受け、藤阪天神町に移築 復原して昭和59年10月に「旧田中家鋳物民俗資料館」として開館した。鋳物工 場では鋳物の歴史、主屋では民俗文化財を展示している。また、本市では従前
6 から市の施設の耐震化を進めていたが、耐震化目標を確実に達成するため、「枚 方市市有建築物耐震化実施計画」を平成23年4月に策定した。市立の資料館で ある田中家住宅も実施計画の対象として、平成26年度から3ヵ年の計画で耐震 化を図ることとなっており、平成27年度は、昨年度完了した耐震調査の結果を 受け、実施設計を予定している。そこで、今後、実施設計を進めていくにあた り、耐震工事の方針について、ご報告する。2.耐震補強工事(鋳物工場)を ご覧いただきたい。耐震補強工事としては、鋳物工場に格子パネルを6箇所設 置し、耐震補強を図る。図8-1は鋳物工場の平面図だが、図中の黒矢印の位置 が、格子パネルの設置予定となっている箇所。6箇所中3箇所を、従来から展 示パネルを設置している箇所にし、展示への影響を最小限にとどめるようにし た。格子パネルの形状を、右上の図8-2に示しているのでご覧いただきたい。 格子パネルは、面格子と呼ばれる角材を格子状に組んだ、パネル状の耐震補強 工法である。伝統工法の室内の景観を損ねることなく、簡易な工事で耐震補強 が実現できるのが特長で、揺れに合わせてゆがみながら力を吸収する性質を持 ち、しかも復元力に優れる特性は、従来の筋交いを使った一般的な補強技術に 代わる工法とされている。このパネルを、右の「松本酒造吟醸酒蔵」の写真の ように、地面と梁の間に設置する。次に、3.屋根瓦の葺き替え工事にについ て説明する。屋根に関しては、(1)~(4)の作業を実施する予定。右中段に示 している「屋根の断面イメージ図」施工前のように、鋳物工場・主屋とも、現 在は竹野地の上に葺き土があり、その上に瓦が葺かれているが、このたびの工 事では、まず屋根の荷重による負荷を軽減するため、葺き土を除去する。次に、 その下の「鋳物工場の天井」の写真をご覧いただきたい。このように、鋳物工 場・主屋とも天井は竹で組まれており、「竹野地」と呼ばれているが、痛みが 多く見受けられるため、傷んだ部分については、適宜交換する。そして、ここ が一番大きな変更部分になるが、瓦を留めていた葺き土がなくなるので、瓦を 固定するために、「屋根の断面イメージ図」施工後のように、野地板を竹野地 の上に設置し、釘止めするという方法をとる。現在、雨漏りが発生する箇所が あるが、野地板を設置することで雨漏りを解消することができ、また竹野地へ の荷重を軽減する効果もある。最後に、瓦については当初からの瓦で使用可能 なものは温存して、1箇所にまとめて葺きなおし、再利用が不能なものは新しい 瓦に替える。その際、新しい瓦は、古い風合いに加工し、見た目の不自然さが ないようにする。屋根に関する工事については以上の方法で執り行う予定。さ て、次に4.修繕について、傷んだ部材や古くなった電気設備を中心に必要箇 所の修繕を耐震工事と併せて行うことを考えている。田委員にご相談しながら、
7 また、大阪府のご意見を聞きながら適切な修繕が行われるよう進める。最後に、 5.その他ですが、主屋の東側の構造部に白蟻の害を受けていると思われる箇 所があると分かった。蟻の道が確認され、梁の貫通調査の結果でも中心部分が 空洞になっているので、周辺の梁や柱について、今後、継続調査していく予定。 弱った部材については、このたびの工事で対応するが、取替えではなく、補強 材を入れる案で検討している。 井上副会長 屋根瓦の葺き替え工事は大阪府の指導を受けて当然の工事だが、野地板を新 設するというのは完全に現状変更ということか。 〈事務局〉 はい。 井上副会長 痕跡があったわけではなく、現実に合わせてということか。 〈事務局〉 はい。屋根の荷重をそのままにしておくと、どうしても構造強化をしないと いけない。なるべく残しながらしていくという方法で、土を取り除くといいの ではないかと。 土井会長 葺き土を野地板に変えると重量的に大分違うか。 〈事務局〉 はい。調査では、やはり土は重たいというのもあった。板の厚さはコンパネ 程度の十何 mm で、軽くなると聞いている。 土井会長 その葺き土はいつ頃のものか分かるか。 〈事務局〉 解体して移築復原をした時のもの。 奥田委員 若いか。 〈事務局〉 はい。移築復原した時のもの。 奥田委員 その移築復原というのはその時の土をもう一度採用したのか。 〈事務局〉 いいえ、土は採用していない。聞いているのは、枚方上之町の工場と主屋が 建っていたものの寄付を受けた。まず解体をして復原場所が決まるまで部材を 何年か保管していた。それを復原したので壁土も含めて土は全部その時に新し くしたという。 奥田委員 薬師寺の調査で解体されている。あれは屋根の瓦や壁土等も別々に置いて、 もう一度足りない部分だけ入れる。瓦が重いから軽くするんだといって焼きの 強いのを入れたら同じ重さになった、そういう話にもなっている。 〈事務局〉 瓦は一部そのものを採用しているが、やはり使えないものはその移築・復原 の時に新しく葺いているし、壁土については移築・復原してからも、もう1回 塗り直しをしているので、その時もまた新しい土になっている。 奥田委員 瓦の場合は見えないところ、例えば塔の場合で言うと、上の方が1番新しい 瓦で、下の方が1番古い瓦となっている。大体どこのお寺でも見える前のとこ ろは古い瓦で見えないところは新しい瓦に変わっている。そんなパターンにな っている。 〈事務局〉 先ほど、井上副会長から発言があった野地板の現状変更について、確かに野 地板の新設が現状変更に該当するかしないか微妙なところだと大阪府の担当
8 から聞いている。該当すれば手続きを行っていく。 (報告3、報告4は非公開) 報告5:その他 特別史跡百済寺跡再整備事業 〈事務局〉 これについては昨年の文化財保護審議会で基本設計のご説明をさせて頂い た。昨年度は支障木の伐採に一部とりかかった。今年度からは本格的に工事が 始まるので経過報告をさせて頂く。まず1枚ものカラーのイメージ図を付けて いる。これが完成のイメージで、平成30年の完成を目指している。今年度の予 定については平面図をご覧いただきたい。平成27年度の工事範囲は伽藍の北側 の約3分の1の斜めにハッチングをしているところ。この範囲については盛土 造成それから土羽で仕上げている基壇の立体復元までと芝張りも行う。青い線 で四角く囲っているところがいくつかあるが、ここには松や杉といった大きな 樹木が生えている。単純に抜いてしまうと遺構ごと破壊してしまうので調査を しながら抜根をしていく。斜めにハッチングしている以外にもいくつかそうい うところがあるが、今年度はその斜線の範囲の中で発掘調査が行われる。図面 の右側にも斜線があるが、1番右端の道路上の斜線についてはここに雨水の排 水管を埋める工事を行う。そのすぐ左側に青くスクリーントーンをかけたとこ ろに、アプローチのスロープと階段がつくところがある。今後発掘調査をする 必要があるので、とりあえず今年度発掘調査を行う。そのトーンをかけた間の 白いところには現在文化財収蔵庫という鉄筋の建物が建っている。昭和45,6 年だと思うが建てた時に発掘調査をしているため必要ない。その後のスケジュ ールとしては1枚目に戻っていただき、エクセルの表になっているが、工事の 種類毎に平成30年までの予定で行っていくという状況。3枚目は「広報ひらか た」の9月1日号に百済寺の特集記事を掲載していたのでコピーをお付けした。 百済寺跡の現状報告については以上。 土井会長 せん仏は現在どちらに保管されているか。 〈事務局〉 百済寺の文化財収蔵庫。文化財収蔵庫という名前だが、発掘調査が始まってか らは、現場事務所というような形で使っており、遺物もそこで調査、作業をし ている。 土井会長 百済寺は発掘調査の報告書に載せられているが、あの種類だけか。もっと破 片等は出ているのか。 〈事務局〉 ほとんど報告書に載せていると思う。
9 奥田委員 細かく小さいものは分からないので載っていない。形の分かるものは皆載っ ていると思う。私も全部見たが面白かった。 報告5:その他 楠葉台場跡保存整備事業 〈事務局〉 楠葉台場跡については、総面積約9haの区画整理事業が行われており、そ の中の約3haが史跡指定地。最寄の駅は橋本になり、橋本と樟葉の間で淀川 沿い、京阪のすぐ横である。現在、区画整理事業の中で暫定的に造成工事が行 われており、これについては市の事業ではなく、組合施行で行われている。国 史跡のため枚方楠葉中之芝土地区画整理組合から文化庁宛の現状変更許可申請 書を提出してもらい工事を進めているという状況。若干の工事があるが、ほぼ 8月末で終了している。これは区画整理事業で保留地というのがあてられてお り、保留地を売却した費用で事業全体を運営するというのが区画整理事業であ るが、その保留地がこの史跡の中に設定されているため、国の補助金を得て市 が公有化していくというのが今年度の事業になっている。平成27年度予算が骨 格予算であり、今後、補正予算で公有化の買収費用を要求していくことになっ ているので今年度末に買収をし、市のものになる。ただ、ここは広い土地でい わゆる園路がこの史跡を挟んで北と南の地区をつなぐ通路になっているので共 用開始をしていかないといけないため園路については閉鎖できないことから供 用開始状態である。公園全体についても買収自体は今年度中になるが、買収が 完了する前に供用開始をしていく必要があるため、そういった作業を枚方市楠 葉中之芝土地区画整理組合とうちの方で協議を進めながら準備を進めていくか たちになる。主なものとして今年度は公有化、買収するということである。暫 定的な整備のため、今何があるかというと何もない状態。もともと台場なので 土塁や堀があって広場のような状態のため、建物がいくつも建っていたような 史跡ではない。植栽で土塁の位置を表現していく。右側の平面図を見ていただ きたい。緑の点々となっているところは低木の植栽で土塁の位置を表現する。 暫定的な整備としてはここまでで、あとは文化財課で説明板や案内板を今年度 中に設置をしていきたい。買収がすんだら、はれて市のものとして公園になっ ていくが、それまでに供用を開始する必要がある。 報告5:その他 東高野街道(出屋敷地区)整備事業 〈事務局〉 東高野街道については、前回の審議会で市民に歴史街道として周知していく ことと、整備を行っていくことを説明した。東高野街道は京都から高野山の間 の河内長野まで続いているが、枚方市域で旧の街道の形状が残っているところ
10 は少ない。資料左側の地図で市域の中央にある出屋敷地区は集落の中を通って いるので形状どおり、それと南の方の茄子作地区は本尊掛松という融通念仏宗 の遺跡があり、その前が交野市との境界になっている道で、ここに一部その道 幅が残っている状態。後は、幹線道路と重複しているところが多くあり、国道 1号や水道みちと通称呼んでいる府道と重なっているような状況。そんな中で 最近、旧の街道を歩く方が結構おり、ホームページなんかを見るとそのように 自分で歩いているのをアップしている方もいる。出屋敷の辺りでも日曜日なん かに団体でリュック背負いながら歩いていることも結構ある。そういうことも あり、東高野街道は京街道と並んで枚方の中では古い道であると周知していこ うということ。当初の考えでは今年度と来年度の2ヵ年にわたって行う計画の 事業。右側の平面図について、下の方に赤で三角になっている部分はポケット パークを作ろうと考えている。このポケットパークと道筋のいわゆるカラー舗 装をセットで整備事業としている。平成27年度についてはポケットパークと、 道路改良を約3分の1くらい赤矢印の実線のところまでの予定だったが、工事 設計を依頼している道路整備課によるとポケットパークに結構予算がかかり、 今年度カラー舗装は赤の点線のところまでとかなり短くなった。こういう状態 でカラー舗装は今年度ここまで、ただし、来年度は1番北の府道杉田口禁野線 までいく。スケジュールについては、この辺りには農家の方がいるので、道の 工事が農閑期でないと出来ないということになり、秋の農繁期が終わってから 舗装は着工することで予定している。次のページにポケットパークの設計図面 を載せている。ちょうど府道と旧の街道の分かれ道になっているY字路の先端 のところ。ここにベンチと東屋、説明板の設置を進めている。 案件1:枚方宿鍵屋資料館別棟の改修について 〈事務局〉 市の史跡に指定している敷地内に、江戸時代の町家「主屋」と昭和の初めに 建てられた「別棟」があり、枚方宿の歴史を伝える資料館として開館している。 主屋は、市指定有形文化財であり、解体復元をしている。別棟は、資料館とし た際に改造して展示室を設けている。今回、指定文化財ではないが、別棟1階 に雨戸を新設するにあたり、外観に影響があることから改修内容についてご審 議していただく。なお、2階大広間の畳を新調にするに伴い床面の補修を行う ので、こちらは外観に影響が無いため、報告とさせていただく。まず雨戸の新 設の改修部分について、資料1ページ右側の上部、平面図(別棟1階)で、主 屋と別棟の間に黒の点線で囲っている部分の詳細平面図を中ほどに記載してい る。ページ左に戻っていただき、説明する。廊下部分の外部建具は5枚のガラ
11 ス戸がある。東から、開け閉めのできない固定されたハメゴロシの戸1枚、柱 をはさみ引違い戸4枚からなる。ハメゴロシの戸の部分には雨戸が有るが、引 違い戸部分の外側に手摺りがあることから雨戸が併設できない状態。そのため 荒天時には引違いのガラス戸4枚をはずし、木製雨戸への入替えを行っている。 今回、風雨の侵入を防ぐこと及び歪みのある板ガラスの入ったガラス戸の保護 のため雨戸を新設し、それに伴う戸袋、手摺などの必要な改修を行うもの。た だし建物の外観にも関係するため、雨戸は木製板戸に、戸袋は既存の外観を参 考に側面の幅を大きくする。また、撤去した手摺りは安全のため内側に新たに 設置し、そのデザイン意匠は2階の既存手摺りを参考にしたいと考えている。 改修の詳細については表にまとめている。また、ページ右側、中ほどの平面図 詳細、詳細図は現況が黒、改修後を赤で表示している。現況の外観や内部の写 真も掲載しているのでご参照いただきたい。まず、①手摺りについて、雨戸用 の敷居を設置するため既存の手摺りを撤去する。ただし、最下の横木は敷居と して使用可能であれば再利用する。②樋は取り付けられている柱との間を少し 開け雨戸用の敷鴨居が通るようにする。③鴨居・敷居は雨戸の通る道として一 筋鴨居を新設する。敷居には現在ハメゴロシの戸に併設してある雨戸と同様に 断面がかまぼこ型の金属レールである甲丸レールを使用する。④雨戸をしまう 戸袋は、妻板増設ということで、既設の雨戸1枚を収納している戸袋に妻板を 設け、雨戸計5枚を収納する戸袋に改修する。⑤雨戸は既存の1枚も含め木製 板戸を5枚新調する。⑥ハメゴロシ戸は開き戸へ改修する。これは雨戸を順次 繰り出す用の「戸繰り窓・繰出し窓」の設置を検討したが既設の戸袋裏の壁が 耐力壁に相当し、構造上穴を開けることが好ましくなく設置できなくなったた め。また、外部からの雨戸送りは高低差があり雨戸の下部に手が届くのみで5 枚の雨戸の繰り出しは困難であることから開閉できないハメゴロシの戸を内開 き戸に改修し、そこから戸袋側面の戸繰り口から雨戸を繰り出すこととする。 ⑦手摺りは、安全のため内側に新たに設置し、デザインは2階の既存の手摺り を参考にする。以上が1階の雨戸の新設に伴う改修内容の説明である。ご審議 の前に続けて2階の大広間の改修の説明をさせていただく。2ページをご覧い ただきたい。2階大広間の床面の不陸補修について説明する。大広間の畳の磨 耗が激しく全面新調するに伴い、床面の不陸の調整を実施する。隣接する畳と 最大1センチの段差が生じている箇所が大広間全体に見受けられ、歩くと不均 等感があり座卓を並べると不安定になることから、畳下の床板の不陸補修の必 要が考えられる。床板を撤去し、根太下にパッキンを入れ調整のうえコンパネ を張るという概要。表内の説明のとおり、畳の下には約33センチ×198センチの
12 床板があり、厚みが不均一、反っているという状態もあり、凸凹の一因と考え られる。また傾きも見られることから床板を受ける横木である根太をあわせて 調整したうえで、既存の床板に代わり厚さ12ミリのコンパネを張って不陸を解 消するもの。説明は以上。では、階の雨戸の改修について、ご審議いただきた い。 土井会長 枚方宿鍵屋資料館別棟の改修について委員の皆さんからご質問、ご意見等はあ か。 川畑委員 雨戸の新設はいつ頃からの課題になっていたか。 〈事務局〉 資料館の館長から直接聞いたのは昨年度初め頃。 川畑委員 それまでは問題には。 〈事務局〉 荒天・台風のたびにガラスをはずして板戸に入れ替えるが、それが続いた事 もありかなり大変だった。ガラス戸そのものが、歪みのある昔のガラスで何と かしたいという声があったこと、また、これだけでなく大広間の畳等他にもあ ったため、その1つとして話がでてきた。 川畑委員 近年の天候不順で、そろそろしなければいけないということで現実化された ということか。 〈事務局〉 はい。 宮野委員 雨戸は木製ということだが、あくまで荒天時のための雨をかぶるものか。景 観は考えずに白木か、それとも古色か。 〈事務局〉 古色。ここの写真にある雨戸の戸袋があるがそのような風合いに。外観も木 のため、それに合うように考えている。 土井会長 それでは枚方宿鍵屋資料館別棟の改修内容については事務局案でよろしいか。 <異議なし> 土井会長 異議なしと認める。よって本件についてはただいま申し上げたとおりに決定 する。以上で本日の案件はすべて終了したが課題が残ったものもあったので、 それは確認して頂くということで、平成27年度第1回枚方市文化財保護審議 会を終了する。