Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/
Title
スキルスラボ実習による学習効果について
Author(s)
市島, 丈裕; 齋藤, 寛一; 三條, 祐介; 河地, 誉; 酒井,
克彦; 澁井, 武夫; 佐藤, 一道; 野村, 武史; 小鹿, 恭
太郎; 大金, 覚; 石田, 瞭; 髙野, 伸夫
Journal
歯科学報, 116(3): 238-238
URL
http://hdl.handle.net/10130/4020
Right
目的:近年,シミュレータを用いた学習方法が急速 な広がりを見せている。シミュレータを用いた学習 が効果的であるという報告はさまざまな分野で散見 される。歯科教育モデル・コア・カリキュラムでも 『シミュレーションの技法を併用して教育を行うこ とが極めて効果的である。』と重要性を強調してい る。今回,本学の卒前臨床教育にスキルスラボ実習 を取り入れたので報告する。 方法:卒前臨床教育は前期と後期でスキルスラボに ある別のシミュレータによる実習を行った。前期 は,血圧測定トレーナ,経管栄養シミュレータ,採 血,静注シミュレータを用いた。後期は,よりアド バンスな内容を含んだ瞳孔反射,血圧測定,呼吸音 測定,心電図シミュレーション等を体験できるフィ ジカルアセスメントモデル,模擬痰を用いて喀痰吸 引を体験できる吸引シミュレータ,気管挿管を体験 できる DAM シミュレータトレーニングモデルを用 いた。 結果および考察:今回,学生に対してアンケート調 査を行った。評価は「全くそうでなかった」「どち らかといえばそうでなかった」「どちらかといえば そうだった」「全く そ う だ っ た」の4段 階 で 行 っ た。それぞれ学べる疾患や技能,知識について評価 を行った。すべてのシミュレータで約9割の学生が 「どちらかといえばそうだった」,「全くそうだっ た」を選択しており,良好な結果であった。意見と して肯定的なものは「座学の知識と実際に患者へ行 う施術との間を埋められた。」や「心電図,呼吸音 や挿管など実際に体験しないとわからないことを体 験し,深く理解できた。」等があり,否定的なもの は「手技の学習にはなりましたが,人間ではないの で緊張感がなかった。」や「もっと練習できる機会 が欲しい。」があった。現在,スキルスラボを学生 が使用するのは講義時間のみである。管理等の問題 はあるが,将来的には学生が自由にスキルスラボを 使用できる環境づくりも重要と思われる。『瞳孔反 射や呼吸音測定等の学生にとって,馴染みの少ない ことを学ぶフィジカルアセスメントモデル実習時に は知識確認のためにプレテスト,ポストテストを 行った。』プレテストの結果は10点満点で最低点0 点,最高点は7点で平均点が3.56点であった。ポス トテストの結果は最低点6点,最高点が10点で平均 点が9.44点であった。これらの結果より卒前臨床教 育期間におけるスキルスラボを用いた実習による学 習は効果的であり有用な学習方法のひとつであると 考えられた。 目的:東京歯科大学市川総合病院は千葉県東葛南部 の中核病院であり,地域支援病院として地域連携を 密に行っている。今回は引き続き当科に求められる 役割を検討し,地域歯科医療のニーズに合った医療 サービスを提供するために過去1年間に入院加療を 要した患者の動向を調査した。 方法:平成27年4月1日から平成28年3月31日まで に東京歯科大学市川総合病院歯科・口腔外科に入院 加療を行った患者を対象とした。疾患分類は日本口 腔外科学会が作成した実績調査票に準じ検討を行っ た。 結果:入院症例521例であり,そのうち男性は54%, 女性は46%(平均年齢54.6歳)であった。疾患別で は,歯の疾患が35%,嚢胞性疾患が16%,炎症性疾 患が13%,外傷が9%,良性腫瘍並びに腫瘍類似疾 患が7%であった。悪性腫瘍は口腔がんセンターに 移行し加療を行っているため今回は調査対象外とし た。入院症例のうち基礎疾患を有する症例は67%で 高血圧症が34%,心疾患が16%,糖尿病が13%,脳 血管疾患が10%であった。全体のうち予定入院は84 %,緊急入院が16%であった。予定入院のうち全身 麻酔が61%,局所麻酔が39%であった。予定全身麻 酔のうち,術式は抜歯術が30%,嚢胞摘出術が22 %,良性腫瘍切除術が11%であった。予定局所麻酔 症例93%が紹介症例で抜歯術が75%を占め,平均年 齢67歳,基礎疾患保有率88%であった。時間外緊急 入院症例は51症例であり,顎口腔領域の骨折の観血 的整復固定術が31%,炎症性疾患の消炎手術が31% であった。 考察:当科における入院症例の特徴は,地域診療所 からの紹介患者が多くの割合を占め,内容は予定局 所麻酔症例で基礎疾患を有する高齢者の抜歯症例が 多かった。基礎疾患は高血圧症や心血管疾患を含む 循環器疾患が多く,特に心疾患の口腔管理が重要と されている。2.5次救急病院として入院加療を必要 とする炎症,外傷も比較的多いのが本病院の特徴で ある。