Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/
Title
№18:東京歯科大学千葉病院口腔外科における平成
26年度初診患者の臨床統計
Author(s)
渡邊, 豪士; 翁長, 欣子; 鬼谷, 薫; 金川, 結紀子; 小
杉, 彩歌; 小坂井, 絢子; 左, 右; 松本, 暢久; 有泉,
高晴; 山田, 祥; 右田, 雅士; 恩田, 健志; 成田, 真人;
藥師寺, 孝; 大畠, 仁; 髙木, 多加志; 髙野, 伸夫; 柴
原, 孝彦
Journal
歯科学報, 115(5): 479-479
URL
http://hdl.handle.net/10130/3826
Right
背景および目的:東京歯科大学市川総合病院は千葉 県東 南部の中核病院で歯科・口腔外科は3次医療 を担い,地域歯科診療所と連携を密に行っている。 今回は今後当科に求められる役割を検討し地域歯科 医療のニーズに合った医療を提供するために過去1 年間に入院加療を要した患者動向を調査した。 方法:平成26年4月1日から平成27年3月31日まで に東京歯科大学市川総合病院歯科口腔外科に入院加 療した患者を対象とした。疾患分類は!日本口腔外 科学会が作成した実績調査票に準じ検討を行った。 結 果:入 院 症 例546例 で あ り,そ の う ち 男 性 は53 %,女性は47%(平均年齢53.6歳)であった。疾患 別では,歯の疾患が37%,嚢胞性疾患が14%,外傷 が11%,炎症性疾患が8%,良性腫瘍並びに腫瘍類 似疾患が6%であった。悪性腫瘍は口腔がんセン ターに移行し加療を行っているため今回は調査対象 外とした。入院症例のうち基礎疾患を有する症例は 74%で高血圧が24%,循環器疾患が21%,糖尿病が 12%であった。全体のうち予定入院は89%,緊急入 院が11%であった。予定入院のうち全身麻酔が56 %,局所麻酔が44%であった。予定全身麻酔のうち 基礎疾患の保有率は63%であり,術式は,抜歯術が 16%,嚢胞摘出術が27%,良性腫瘍切除が21%で あった。予定局所麻酔症例85%が紹介症例で抜歯術 が73%を占め,平均年齢68.2歳,基礎疾患保有率90 %であった。緊急入院症例全身麻酔症例が43%,局 所麻酔症例が41%,手術なしが16%であった。全身 麻酔症例は顎口腔領域の骨折の観血的整復固定術が 46%,炎症性疾患の消炎手術が54%であった。局所 麻酔症例は82%が急性歯性感染症の消炎処置であり 外傷は18%であった。手術を行わなかった症例は非 観血的整復固定術が56%,炎症性疾患が22%であっ た。 考察:当科における入院症例の特徴は,予定局所麻 酔症例で基礎疾患を有する高齢者の紹介による抜歯 症例が多かったように地域歯科医療後方支援中核と なっていることが明確となった。また,救急病院で あるため顎口腔領域の外傷・重症歯性感染症の緊急 入院が多く,更なる休日・夜間初期対応体制の整備 が必要と考えられた。顎変形症や先天性疾患は28例 のみであったが,現在近隣矯正歯科や産婦人科と連 携を図り,顎変形症・唇顎口蓋裂などの症例を増加 させる計画を進めている。 目的:東京歯科大学口腔外科は昭和56年9月,大学 の千葉市への移転を機に開設されて以来,当科は地 域歯科医師会の協力のもと医療連携を重視しながら 高次医療機関として,千葉県の地域歯科医療の向上 を目指し活動してきた。本学口腔外科は,口腔疾患 の治療と抑制,口腔機能の保全と回復に向けて,治 療水準を向上すべく,基礎的かつ臨床的研究を積み 重ねてきた。今後の千葉病院における医療提携の内 容と質の向上を目指すため,平成26年度の初診患者 の調査を行ったので報告する。 方法:今回は平成26年4月1日から平成27年3月31 日までの1年間における当科の初診患者を対象と し,日本口腔外科学会調査企画委員会が作成した口 腔外科疾患症例調査票に基づき,性別,年齢分布, 月別患者数,来院の主訴,紹介元地域,受診経路, 疾患別,基礎疾患の有無について調査した。 結果:期間中に受診した初診 患 者 数 は8,366名 で あった。大学の拠点を水道橋へ移転した後も初診患 者数の減少はなく,また過去5年間と比較して大き な変動はなかった。性差は男性3,437名(41.1%), 女性4,929名(58.9%)であった。年齢は0歳から 101歳,平均年齢は44歳であった。年齢別患者数は 20歳代が最も多く,歯の疾患,特に埋伏歯関連が多 数を占めていた。次いで,30歳代,60歳代が多く, 20歳代と比べると基礎疾患有病者率が高くなり,歯 周疾患や腫瘍性病変,口腔粘膜疾患の割合の増加が 認められた。疾患別では歯の疾患が過半数を占めて おり,次いで顎関節症が多かった。基礎疾患を有し ている患者は2,535名(30.3%)であり,高血圧症 が最も多かった。月別患者数では7月が最も多く, 1月が最も少なかった。紹介元地域はほとんどが千 葉県内で,千葉市が最も多かった。受診経路は他の 医院または歯科医院からの紹介受診が過半数を占め ており,紹介率は71%であった。 考察:当科は年間8,000人以上の初診 患 者 が 来 院 し,紹介率71%であることから地域歯科医療におい て重要な役割があるといえる。さらに,基礎疾患を 有している患者や高齢の患者が多数来院しているの が現状であり,今後高齢社会に伴い,基礎疾患を有 している患者のさらなる増加が予想される。今後も 地域の医療機関との連携をさらに密なものとし,合 併症発生時にも対応できるよう,口腔外科としての 専門性に加えて全身管理の充実を図りながら,診療 の向上に努めていきたいと考えている。