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自給飼料の生産力・品質の向上のために取り組むべき課題

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Academic year: 2021

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北畜会報 43 : 81-82, 2001

会員からの声

自給飼料の生産力・品質の向上のために取り組むべき課題

古 川 研 治

十勝農業協同組合連合会

は じ め に

ある日本経済の動向に関するコラムの中で,「21世 紀を乗り越えるためには,すでにあるものを生かし, 知恵を絞って人間らしく堅実に歩む方法を見つけるべ き」という記述があった.酪農の生産現場を考えた時, まさに唱すでにあるものグを十分に生かしきれていな い面が多いように感じられる. 1つ挙げるとすれば, 「土地(草地)J ということになろう.現在,十勝管内 の牧草収量は,

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,飼料用とうもろこしは

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前後であり,自給飼料の栄養価と同様,大きな変 化がない.十勝酪農はこれまで生産者ならぴに関係機 関の努力により,我が国を代表する生乳生産地帯に発 展してきた.21世紀においても十勝酪農が新たな飛躍 を遂げるためにはさまざまな課題を解決する必要があ るが,その中でも特に「自給飼料の生産力・品質の向 上」が重要であると思われる.

自給飼料生産に関する問題は?

十勝管内の酪農家戸数は現在,

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戸を切ってい るが,高齢化,後継者不足などにより,今後さらに減 少する予測を立てざるを得ない状況である.地域全体 の生産性向上のためには

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頭当たり乳量の増加,さら には規模拡大がカギとなる. 1頭当たり乳量の増加に 関してはさまざまな議論があろうが,基本的には自給 飼料の品質向上およぴ年間を通して給与できる量の確 保に裏付けられたものでなければならない. 十勝管内では昭和

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年に十勝地域酪農経営情報シ ステムの開始に伴い,飼料分析,土壌分析サービスが 実施され,重要な情報源の

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っとして酪農家・関係機 関に提供されてきた.飼料分析については,個体乳量 の上昇に対応した飼養技術への要望,飼料特性の評価, 分析法の簡易化等の研究が活発に展開され,現在では 年間

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点の分析を実施しており,生産現場 における日常の飼料給与の場面で活用されている.ま た,近年では畜試および道内分析機関の協力のもと, 飼料分析値の精度向上に取り組んで、いる.一方,草地 土壌の分析点数は現在,年間約

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点程度で,十勝 管内の草地面積が約

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であることを考えると あまりにも少ない.これは 自給飼料が乳牛の飼養管 理において重要で、あることは理解されているものの, その基盤となる草地土壌および施肥に対する関心が低 いことを反映しているものと考えられる.収量調査や 現場の勉強会等を通して確認する限り,草地の施肥管 理では,施肥量が北海道施肥標準に合っておらず,

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矯正のための土壌改良資材も施用されていないことが 多い.草地更新では補助事業を除くと自家更新の実施 も少なく,実施されたとしても手間やコストの問題か ら十分な土壌改良資材,堆肥が投入されていない場合 もある. 自給飼料の生産性が向上しない要因はさまざま考え られるが,まず,生産者が自給飼料の生産性を改善す ることの必要性を理解しなければならない.例えば, 土壌分析の実施を普及するうえでは,「土壌分析をしま しょう.その結果に基づいた施肥をしましょう.J と 言ったところで,その成果が経済的に明確でなければ, 生産者もその必要性を感じないであろう.このことは 自給飼料生産に限ったことではないが,関係者がこの ような視点を持つことが重要と考えられる.これらの ことを踏まえた上で今後,取り組むべき課題を整理す ると次の通りである. (1 ) 家畜糞尿を有効に利用した施肥管理技術の確立 「家畜排植物の管理の適正化及び利用の促進に関す る法律」が施行されてから,屋根付き堆肥舎を設置し た農場が数多く見られるようになり,各方面できまざ ま処理方法が検討されているが,草地の生産性の改善, 飼料生産費の低減のためには,家畜糞尿をホ肥料庁と して捉えて有効活用することが重要で、ある.そのため には,草地だけでなく,畑地も含めた地域全体の耕地 に還元するシステムを検討するとともに,土壌分析に 基づく科学的な施肥管理を検討・普及する必要がある. (2) アルフアルファ栽培の普及推進 高泌乳牛の要求量に見合うように自給飼料の栄養成 分,採食量を改善する上でアルフアルファの果たす役 割は大きい.十勝管内でも過去に栽培が試みられてい るが,初期生育段階での雑草害や凍害による衰退によ り,栽培面積は約

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程度にとどまっている.し かし,道東の気象条件に適応できる品種の開発,コー テイング加工技術の普及,また牧草の収穫体系も乾草 からサイレージに変化し,安定的に栽培,利用できる

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-81-古川研治 環境が揃ってきており,積極的な利用を普及推進すべ きである. (3) 簡易更新・追播技術の確立 草地の経年化に伴う収量性の低下を改善するために は草地更新が必要で、あるが,補助事業以外の草地更新 の実施は少ない.低コストかつ簡易に草地の生産性を 改善するために簡易更新,追播技術を普及すべきであ る.これらの技術に関しては生産者の関心は意外に高 く,実際に実施している生産者も多い.当然, どの圃 場においても対応できるものではないが,成功させる ための条件を整理,普及する必要がある. (4) コントラクター組織の充実・強化 自給飼料収穫・調製における労働時間,機械経費の 低減だけでなく,今後は上記の糞尿活用の分野におい ても重要な役割を果たすものと考えられる.また,飼 料用とうもろこしを有効活用するため,コーンクラッ シャーの導入による収穫・調製体系,乳牛への飼料給 与方法を検討すべきと考えられる.

最 後 に

以上の点を柱に十勝管内の自給飼料の生産力・品質 向上の定着を図っていきたい.この他にも,家畜の消 化性も考慮した新品種の開発,採食量向上を目的とし た飼料特性の評価方法の充実,飼料給与方法への応用 などの課題が挙げられる.これらを実現して,生産現 場で成果を上げていくうえでは,研究機関のより一層 の協力を願いたいと思7. また,今後とも私共は十勝 管内での取り組みや実態を各場面で紹介するととも に,生産現場との接点としての役割を果たしていきた いと思う.

参照

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