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数学A 順列と組合せ

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Academic year: 2021

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(1)

数学科学習指導案

広島県立海田高等学校 久田 和典

1 日時・場所 平成 24 年3月 14 日(水)13:00~13:30

2 学年・学級 第4年次

3 単

名 数学A 順列と組合せ

4 研究テーマ 筋道を立てて考える能力を高める高等学校数学科授業の工夫

- 問題解決の過程におけるメタ認知の働きに着目して -

5 研究テーマとのかかわり

本研究において,筋道を立てて考える能力とは,既習の経験,知識を生かし,帰納的な考え,類推

的な考え,演繹的な考えを用いて,根拠を明らかにしながら思考を進めていく力であるととらえる。

この単元は,場合の数をもれなく順序よく整理して数え上げることや,順列や組合せの考え方を用

いることなど,筋道を立てて考える能力の育成に適している。

本時においては,[問題の理解],[計画の立案],[計画の実行],[振り返り]の4段階の問題解決の

過程を通して,場合の数(組合せ)の理解を深めるとともに,筋道を立てて考える能力を高める指導

を行う。具体的には,ふきだしを利用して,生徒に自分の思考を記述させ,自分自身の思考や認知を

監視・制御する高次の認知機能であるメタ認知の働きを意識させること,ふきだしの記述から生徒の

思考を把握し,つまずいている点については発問による支援を行うこと,ふきだしをたどって生徒に

自分の思考過程を振り返らせ,問題解決の手順を説明させることを通して,筋道を立てて考える能力

を高めることをねらう。

6 単元について

○ 単元観

本単元は,高等学校学習指導要領によると,

「数学A」の内容(1)場合の数と確率において,

「場

合の数を求めるときの基本的な考え方や確率についての理解を深め,それらを事象の考察に活用でき

るようにする。」とある。また,高等学校学習指導要領解説数学編によると,

「ここでは,数え上げの

原則や,順列・組合せ及びその総数の求め方について理解させるとともに,それらを具体的な場面に

活用できるようにする。

」とある。

本単元では,中学校で扱った基本的な個数の処理の考え方を基にして,樹形図などを用いて,順列

や組合せについて理解させるとともに,それを具体的な場面に活用できるようにし,実生活に数学的

な見方や考え方が活用できることを認識させることが求められている。また,条件にしたがって筋道

を立てて考えを進めることや,事象を簡潔,明瞭,的確に表し,定式化することなど,数学的な見方

や考え方のよさを感じさせられる単元である。

○ 生徒観

4年次生は 13 名中9名が職に就き,働きながら卒業を目指している。前期の出席状況は,常時約

8名が出席している。週に2回の授業で学習を積み上げていくことは難しいが,ある程度は前時の内

容を引き継いで授業が進められる。しかし,1年次及び2年次において実施した広島県高等学校共通

学力テストの結果では,知識・理解にかかわる設問の通過率が低く,既習事項の定着に課題がある。

また,問題の構造を理解したり,図や式や記号などで数学的に表現したりすることが苦手で,本単

元にかかわっては,和と積のどちらか,順列と組合せのどちらかを判断することが難しい生徒が多い

と予想される。

(2)

○ 指導観

本単元においては,樹形図や辞書式配列など,もれなく重複なく数えるための基礎となる方法を中

心として,場合の数について考察させる。そして,具体的な場面の考察を通して,場合の数における

和と積や,順列と組合せの考え方の違いについて指導し,その意味を理解させる。また,問題の場面

を定式化し,処理した結果を用いて解釈する際は,できるだけ身近な事象を扱い,そのよさや有用性

を感じさせる。

場合の数を求める際は,その手順や判断,根拠にかかわる思考をワークシートに記述させ,その記

述を基に,自分の思考過程をたどらせる。そして,それを説明させることで,筋道を立てて考えるこ

とを意識付け,本時で用いた問題解決方略をあとの問題解決に活用させる。

前時を欠席した生徒や既習事項の定着が不十分な生徒のために,問題解決にかかわる既習事項は,

あらかじめ確認しておく。本時においては,最短経路の総数を求める手順や組合せの総数の計算方法

について,前時の復習として授業の最初に確認しておく。

7 単元の目標

場合の数を求めるときの基本的な考え方についての理解を深め,それらを事象の考察に活用できる

ようにする。

8 単元の評価規準

関心・意欲・態度

数学的な見方や考え方

表現・処理

知識・理解

数学的活動を通して,場合

の数における考え方や体

系に関心をもつとともに,

数学的な見方や考え方の

よさを認識し,それらを事

象の考察に活用しようと

している。

数学的活動を通して,場合

の数における数学的な見

方や考え方を身に付け,事

象を数学的にとらえ,論理

的に考えるとともに思考

の過程を振り返り,多面

的・発展的に考えることが

できる。

場合の数において,事象を

数学的に考察し,表現し処

理する仕方や,推論の方法

を身に付け,よりよく問題

を解決できる。

場合の数における基本的

な概念,原理・法則,用語・

記号などを理解し,基礎的

な知識を身に付けている。

9 指導と評価の計画(全 16 時間)

学習内容(時数)

評 価

関 考 表 知

評価規準

評価方法

第一次

順列

樹形図と積の法則(1)

樹形図を用いて,もれなく,重複する

ことなく,効率的に数えたり考えたり

することができる。

行動観察

ワークシート

順列(1)

積の法則と順列の関連から,順列の式

の意味について考察することができ

る。

行動観察

ワークシート

順列の総数の計算(1)

積の法則や階乗 ,順列の式

用いて順列の総数を求めることができ

る。

行動観察

ワークシート

条件の付いた順列(1)

条件が付いた順列の求め方について考

察することができる。

行動観察

ワークシート

円順列と重複順列(1)

円順列,重複順列について理解し,基

礎的な知識を身に付けている。

行動観察

ワークシート

順列の問題演習(2)

順列の考え方に関心をもち,具体的な

事象の考察に積の法則や順列の考え方

を活用しようとする。

行動観察

ワークシート

積の法則や順列について理解し,それ

を具体的な問題の解決に用いている。

行動観察

ワークシート

(3)

第二次

組合せ

組合せ(1)

順列と組合せの違いや組合せの計算方

法について理解し,基礎的な知識を身

に付けている。

行動観察

ワークシート

組合せの総数の計算(2)

組合せの式

を用いて,組合せの総

数を求めることができる。

行動観察

ワークシート

組合せの総数

の意味や,

を用いる有用性について考察すること

ができる。

行動観察

ワークシート

組合せの問題演習(2)

【本時 2/2】

組合せの考え方に関心をもち,具体的

な事象の考察に組合せの考え方を活用

しようとする。

行動観察

ワークシート

具体的な場面における場合の数を,組

合せを用いて求めることができる。

行動観察

ワークシート

二項定理(1)

パスカルの三角形や二項定理を用い

て,具体的な式の展開ができる。

行動観察

ワークシート

第三次

集合

集合と要素(1)

集合と要素の関係や,物事を考える場

合に集合の考えが有効であることが分

かる。

行動観察

ワークシート

共通部分と和集合(1)

二つの集合の共通部分と和集合を,ベ

ン図で表すことができ,集合の要素の

個数を求めることができる。

行動観察

ワークシート

部分集合と補集合(1)

全体集合と補集合,部分集合の意味を

理解し,それを問題の解決に用いてい

る。

行動観察

ワークシート

10 本時の展開

(1) 本時の目標

具体的な場面における場合の数を,組合せを用いて求めることができるようにする。

(2) 観点別評価規準

具体的な場面における場合の数を,組合せを用いて求めることができる。【表現・処理】

(3) 準備物

ワークシート,画用紙,マグネットシート,ホワイトボードマーカー

(4) 学習の展開

学習活動

指導上の留意事項

評価規準

評価方法

(4)

前時の復習として,4×5の例にお いて,AからBへの最短経路の総数 の求め方を発表する。 組合せの計算式を発表し,最短経路 の総数を求める。 7

3

7

3

3!

7× 6× 5

3× 2× 1

=35

前時の内容を忘れた生徒に,前時の ワークシートを見返すよう指示す る。 矢印をかき並べ,最短経路の道順と 矢印の並びが対応していることを確 認する。 組合せの考え方を用いて最短経路の 総数が求まることを確認する。 ↑について選べば,自動的に→の順 番が決まることにふれ, = を 確認する。

問題を提示する。 ワークシートを配付 する。  

① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦

→ ↑ → → ↑ ↑ →

下の図の道を平和公園から広島駅に向かって歩くとき, 途中でお好み村を通る最短距離の道順は何通りありますか。 広島銀行 福屋 三越 パルコ 袋町小学校 天満屋 袋町公園 新天地公園 平和公園 広島駅 本通り 平和大通り お好み村 生徒の発表の例 ・最初に矢印の数を確認する ・↑3本と→4本の並べ方を考えれ ばよい ・1番目から7番目のうち↑が入る 3つを選べばいいから ・ でもできる B A

(5)

○ [問題の理解]をする。 (ワークシートの①) [問題の理解]にかかわる問題解決方 略を発表する。 ○ ワークシートに問題解決の見 通しをかき,[計画の立案]をする。 見通しを立てるときに考えたこ とを,ワークシートのふきだしに かく。(ワークシートの②) 立てた見通しを発表する。 発表した問題解決方略を板書で確認 する。 [計画の立案]ができていない生徒に, 発問による支援を行う。 近くの席の人と話し合って考えを交 流してもよいと指示をする。 発表した見通しを全体で共有する。 [問題の理解]にかかわる 問題解決方略の例 ・求めるものを確認する ・分かりやすい図をかく ・図のポイントになる点に記号 をつける ・前にやった問題と比べる 発問の例 ・問題を理解するためにどんな ことをしますか ・何を求める問題ですか ・問題から分かっていることは 何ですか ・前にやった問題とどこが違い ますか    発問の例 ・どんな見通しを立てましたか ・どんなことに気付きましたか ・どのように考えましたか ・なぜそう考えましたか    筋道立てて考える能力の例 ・前にやった問題に似ていない か,同じ解き方が使えないか考 える ・既習事項が問題の解決に使えな いか考える [計画の立案]の例 AからCまでとCからBまでを 分けて求める 予想されるメタ認知的活動の例 発問による支援の例 モニタリング コントロール ・C地点を通る条件 がつくと道順は少 なくなるみたいだ ・最短距離だから通 らない道があるな ・ためしにC地点を 通る道順を図にか いてみよう ・通らない道は無視 して考えよう ・C地点を通る条件 がつくと道順の総 数はどうなります か ・全ての道を通りま すか ・前のときは矢印を かいて並べ方を考 えたな ・C地点を通る道順 の矢印をかき並べ てみよう ・前にやった考え方 と同じようにでき ませんか ・常に,AからCは ↑2本→2本でC からBは↑2本→ 3本だな ・AからCまでとC からBまでを分け て考えてみよう ・C地点までとその 後とで矢印の本数 はどうなっていま すか A B C B A C

(6)

○ ワークシートに解答をかきなが ら,[計画の実行]をする。 (ワークシートの③) [計画の実行]が進んでいない生徒に 発問による支援を行う。 近くの席の人と話し合って考えを交 流してもよいと指示をする。 既習事項が定着していない生徒に, ヒントカードを渡す。 具体的な場面における 場合の数を,組合せを 用いて求めることがで きる。【表現・処理】 行動観察 ワークシート ○ [振り返り]をし,自分がどのよう な流れで問題を解いたかをワーク シートにかく。また,問題を解く ときに考えたことや気を付けたこ とをふきだしにかく。 (ワークシートの④) ○ [振り返り]まで早くできた生徒 は,同じ解き方で類似問題を解く。 (ワークシートの⑦) 解答がかけている生徒は,解答を板 書する。 [振り返り]を促すために,生徒に発問 による支援を行う。 筋道立てて考える能力の例 ・手順に沿って最短経路の総数を 求める式を立てる ・積の法則を用いて最短経路の総 数を求める [計画の実行]の例 4

2

4× 3

2× 1

=6

5

2

5× 4

2× 1

=10

6× 10=60

60 通り 予想されるメタ認知的活動の例 発問による支援の例 モニタリング コントロール ・最初に何をした のだったかな ・何のためにそう したのかな ・図にかき込んだ ことを見返そう ・立てた見通しを 確認しよう ・まず何をしました か ・なぜそうしたので すか ・どうやって式を 立てたのかな ・このとき何を考 えていたのかな ・図と立てた式を 見比べよう ・途中で考えたこ とを思い出そう ・次にどうしました か ・そのとき何を考え ましたか ・どうやって答え を求めたのかな ・この解き方でよ かったのかな ・計算が正しいか 見直そう ・他の解き方がな いか考えてみよ う ・問題を解くときに 気を付けたことは 何ですか ・他の解き方はない ですか 予想されるメタ認知的活動の例 発問による支援の例 モニタリング コントロール ・AからCの矢印は何 本かな ・↑2本と→2本だな ・ で求められるな ・計算のやり方はどう だったかな ・図に矢印をかき入 れよう ・式を立てよう ・組合せの計算をし て値を求めよう ・前にやった問題を 見返してみよう ・最短距離の道順を求 めるためにまず何を するのでしたか ・矢印の数と式はどの ように対応していま すか ・どんな式が立てられ ますか ・どのように計算した らよいですか ・CからBの矢印は何 本かな ・↑2本と→3本だな ・ で求められるな ・分けて求めた値をた すのかかけるのかど っちかだな ・これを樹形図でかく とどうなるかな ・A→Cの道順それぞ れにC→Bの道順が あるな ・前にやった問題を 見返してみよう ・とりあえず樹形図 をかいてみよう ・A→Cの道順とC →Bの道順をかけ て答えを求めよう ・分けて求めた値から どうやって答えを求 めますか ・困ったときは樹形図 で考えられませんか ・樹形図からどんなこ とが分かりますか ヒントカードの例 組合せの式 例 異なる6個のものから2個を選ぶ n

C

r!

6

2

6

2

2!

6× 5

2× 1

=15通り

 町から 町へ 町から 町へ          町から町を通って 町へ行く道順の樹形図 場合の数は      通り 町 町 町      A q p x y z A B C C B A B B C p q x y z x y z 6

(7)

○ 黒板を参考にしてワークシート に解答のまとめをする。 (ワークシートの⑤) ○ ふきだしの記述を基に,根拠を 明らかにして問題解決の手順を発 表する。(ワークシートの④,⑤) 数学の用語・記号を適切に用いて, 筋道立った解答のかき方を示す。 樹形図を基に,積の法則を確認する。

まと

○ 今回自分で意識して実行した問 題解決方略及び次に同様の問題を 解くときに心がける問題解決方略 をワークシートにかく。 (ワークシートの⑥) ○ 本時の手順を用いて類似問題を 解く。(ワークシートの⑦) 時間がない場合は,家で解くよう促 す。 生徒の発表の例 発問の例 ・AからCの道順を求めた ・↑2本と→2本だから の式を立 てた ・(4×3)÷(2×1)で6が求まっ た ・まず何をしましたか ・どのように考えましたか ・計算式はどうなりましたか ・CからBの道順を求めた ・↑2本と→3本だから の式を立 てた ・(5×4)÷(2×1)で 10 が求まっ た ・次に何をしましたか ・どのように考えましたか ・計算式はどうなりましたか ・6と 10 をかけて 60 が求まった ・積の法則が使えるから ・AからCの道順それぞれにCから Bの道順があるから ・60 通り ・それから何をしましたか ・なぜかけたのですか ・なぜ積の法則が使えると考えたの ですか ・答えはどのようにかいたらよいで すか A→C 4

2

4

2!

4× 3

2× 1

=6

(通り) C→B 5

2

5

2

2!

5× 4

2× 1

=10

(通り) 積の法則より A→C→B

6× 10=60

60 通り

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