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中国の地方大学における応用技術型人材の養成 -三者連携によるインターンシップに焦点をあてて- [ PDF

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1 1.章構成 序章 第1節 研究目的と背景 第2節 理論の検討と課題設定 第3節 研究方法 第1章 高等教育大衆化の中国特色と地方大学 第1節 高等教育大衆化が地方大学にもたらす影響 第2節 地方大学の位置づけ 第3節 地方大学が応用技術型大学へ転換の必要性と 課題 第2章 諸外国と中国におけるインターンシップの多様 な発展 第1節 インターンシップの定義 第2節 諸外国のインターンシップとその理論的把握 第3節 インターンシップの現状と問題 第3章 アンケート調査をもとにした地方大学における インターンシップの実態 第1節 対象校の選択理由とサンプル概要 第2節 学校・専門別インターンシップの実施状況 第3節 学校・専門別インターンシップの比較と分析 第4章 インタビュー調査をもとにした三者連携の実態 の検討 第1節 学校の積極的関与とインターンシップの効果 第2節 専門分野別インターンシップと就職の関連性 第3節 学校と企業の連携の実態 終章 結論と課題 第1節 結論 第2節 今後の課題 2.概要 <序章> 研究目的 本論文は、職業教育を整備し応用型人材養成を充実さ せていこうとしている地方地域を研究対象として、在校 生、卒業生、就職指導センターの職員、企業側の担当者 のアンケート・インタビュー調査を行い、地方大学の応 用技術型人材養成の特色、特にインターンシップに焦点 を当てて検討を行い、さらなる職業統合的学習への展開 の可能性について考察を進めることを目的とする。 研究背景 高等教育大衆化以来、地方大学を始め各高等教育機関 において生徒募集枠を広げるなどで高等教育の規模を拡 大しつつある。このような背景の下で、地方大学の卒業 生の就職問題が困難となる。学生数が増え続けるため、 教員と生徒の比率は、本科大学において教員と学生の最 良比率 14:1 という基準まで達さず(孔ら 2007)、それ に加え、教員の資質問題も疑問視されている。また、教 育施設の面においても、教室、実験室、実習する場所な ど、教育の需要を満たすことができない大学の数が多い など、様々な問題が起こっている。 地方大学のこれらの問題に対して、2014 年 2 月 26 日 の中国国務院常務会議で、就職を方向付けた現代の職業 教育体系を構築し、実験的に一部の地方大学を先に応用 技術型大学へ転換するという方針を示した。そして、応 用技術型大学へ転換するために、「人材育成モデルを創新 する」というスローガンが打ち出され、伝統的な研究型 人材を育成する理念から離れる一方で、応用技術型人材 を育成するという方向性で改革が進んでいる。 高等教育大衆化段階において、応用技術型人材の養成 を目標とする地方大学は、産学連携教育という有効な方 法を利用して学生の就職競争力を向上させるべきである (芦 2014)などと指摘され、インターンシップの重要性 が体現された。今まで地方大学におけるインターンシッ プの展開をみてみると、インターンシップのモデルが単 一であり、インターンシップの実施時期が合理的ではな いなど様々な問題があり、カリキュラム改革が急務であ るという現状がある。また、企業側では、利潤を主要な 目的としているため、インターンシップ学生を受け入れ

中国の地方大学における応用技術型人材の養成

―三者連携によるインターンシップに焦点をあてて―

キーワード:地方大学 職業教育 応用技術型人材 インターンシップ 教育システム専攻 譚 瑩瑩

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2 ることについて積極的ではない。これら大学、企業双方 の問題が存在している。 課題設定 重点大学におけるインターンシップは学校側が積極的 に関与し、校内の実験室・実習場所のほか、多くの企業 と連携して充実した校外実習ネットワークを作成し、学 生の企業実習により良い実習環境を提供している。また、 専門分野の点からいうと、高等職業技術学院は専門職業 性の育成がより適切になされており、インターンシップ を通して学生の職業的・専門的能力を重視されている。 これらの観点から、地方大学におけるインターンシップ について以下の仮説を立てた。 1学校が統一に配属したインターンシップに参加した学 生の方が、インターンシップを通して専門技能の向上 に役立つ。 2専門分野によって、専門職業性の強い分野の方は専門 職業性の弱い専門分野より、インターンシップを通し て就職に関する能力・スキルの形成に役立つ。 研究方法 1.文献研究 職業教育の課題の中で人材育成の問題が重視されてい る地方大学は、高等教育大衆化によって規模が大きくな りつつあるが、人材育成の質的保証について様々な問題 が起こっていた。特に学生の実践力を育成するために不 可欠な一環としてのインターンシップは、モデルの単一 化、実施時期・期間の不合理、大学と企業双方の関与が 不足など、インターンシップの発展に制作している。本 論文では、まずアメリカ、日本、ドイツ等のような産学 連携教育が進んでいる国々における産学連携を通した教 育に関する先行研究を収集する。それぞれの国において、 産学連携を通した教育の種類、実施状況、実施方法を把 握し、練れた理論と経験を参考しながら、中国地方大学 における応用技術型人材の育成に関する先行研究、政策、 公表データ、中国における産学連携教育二関する文献を 把握した上に、応用技術型人材の養成に不可欠な一環と してのインターンシップの適切性、さらに職業統合的学 習への展開の可能性について検討する。 2.実証研究 アンケート調査 対象校:長春師範大学、吉林建築大学、長春大学 対象者:対象校の在校生 専門分野:人文、社会、理工、情報。 1 つの大学で各分野から 50 名選び、計 200 名。 サンプル数:600 名。

地方大学の歴史変革からみると、大学のタイプは

二つに分けられる。一つはもともと専門学校である

学校の中で何校から合併してきた四年制の総合型

大学になった大学である。もう一つはもともと専門

学校であり、後から学院と専門を増加し、国の本科

教育審査に合格して四年制大学になった大学であ

る。また、前身が専門学校の大学の中で、準専門職

的な大学と専門職養成の大学がある(例えば師範型

大学、医学大学など)。本論文はインターンシップ

の特徴を考える上に、専門職養成の大学における特

定の資格取得を目的として実施するインターンシ

ップ(教育実習、看護実習など)を三つ目のタイプ

として取り上げた。

3つの大学の在校生を対象としたアンケート調査を 通して、学生が専門課程の把握、課程の設置、教育施設、 教員の資質、各種資格を所得するための指導などに対す る評価、インターンシップの事前教育、実施中の指導、 そしてインターンシップ後それに対する満足度、大学で の学修や身に付いた技能から自己に対する評価を明らか にする。 インタビュー調査 卒業生(15 名) 出身校:長春師範大学、吉林建築大学、長春大学 専門分野:人文、社会、理工、情報 就職経験:1 年~5 年(近年の IS 動向をみるため) 大学側(3 名) 対象者:三つの大学の就職指導センターの教員 企業側(2 名) 対象者:国営企業の人事部担当者と民営企業の社長 アンケート調査に合わせて、3 つの大学の卒業生、大 学就職指導センターの教員、企業側の方を対象としたイ ンタビュー調査を通して、卒業生からみるインターンシ ップと就職の関連性、就職後にインターンシップの有用 性、大学就職指導センターの役割、学校と企業との連携 の実態、企業が大卒者に対する評価、企業からのフィー ドバックについて検討する。 <第 1 章> 2011 年国際標準教育分類1により、高等職業教育は ISCED5に属し、専門職業教育を中心としているのに対し て、大学教育(学士レベル)は ISCED6に相当する。人 1国連教育科学文化組織(UNESCO)2011「国際標準教育分類」 http://www.uis.unesco.org/Library/Documents/2011-internat ional-standard-classification-education-isced-2012-en.pdf

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3 材タイプについて、ISCED5は「技能型」人材を育成する ことを目的とし、ISCED6は「学術型」または「応用型」 人材を養成することを目的とする。(潘,2006)が指摘し たように、研究型大学は「学術型人材」を育成すること を目標とするのに対して、地方の応用型大学は「応用型 人材」を育成することを目的とする。 高等教育大衆化が続く背景のもとで、地方大学は単に 量を重視する一方、質的問題が多く現れてきており(楊 2009)、教員と生徒の比率、教員の資質、教育施設の整備、 教育経費の不足、そして卒業生の就職など、様々な問題 が地方大学の持続可能な発展に大きな影響を与えている。 これらの問題を解決するには、学校運営の方向、人材養 成の目標、専門課程の設置、そして奉仕する地域の需要 など、多くの面から地方大学の位置づけを明らかにする 必要があり、応用技術型人材の養成が目下の急務となる。 <第2章> 応用技術型人材を育成するために不可欠な一環として の産学連携教育の概念は、国や社会背景によって人々の 認識が異なる。日本では産学連携教育としてのインター ンシップについて、「学生が在学中に自らの専攻、将来の キャリアに関連した就業体験を行うこと」と広義に定義 される(吉本 2006)。中国では、産学連携教育の定義は 統一されず、そして呼び方もいくつかある。今までに、 高等教育機関における産学連携の教育モデルは次のよう に大きく三つある。 先学後工 学生の理論的勉強と職場での実践を二つの段階に分けて おり、理論的勉強は前の三年間或いは三年間半で行い、 実践の部分は残りの一年間或いは半年で行う教育モデル である。3+1または3.5+0.5モデルとも言う 学工後期 交替 サンドイッチモデルと似ている。学生を三年の後期から 実習に行かせ、四年の前半から学校に戻させ理論の勉強 を続ける。四年の後期はまた実習に行かせる教育モデル である 総合実習 三年の後期又は四年の前期に学生を企業、科研所、政府 機関などへ派遣し、専門技能の集中訓練、課題研究、社 会調査などを行う教育モデルである。このモデルは師範 類学校でよく使われている 産学連携教育を通して応用技術型人材を育成する必要 性は既に社会の中で認められるが、産学連携の内包やそ れに対する認識は企業と大学双方は一致されていない。 政策の面において、産学連携教育に関する規定は一部の 関連政策に散らばっているが、明確ではない(呉 2011)。 そして地域や大学レベルによって、重点大学又は北京、 上海のような大都市にある大学より地方の大学では産学 連携教育としてのインターンシップは遅れている。これ らの問題を含め、地方大学におけるインターンシップの 特徴や存在する問題を解明するために、次の章でアンケ ート調査を通して分析する。 <第3章> 地方大学の在校生を対象としたアンケート調査を行い、 学校別・専門分野別という観点からインターンシップの 実施の実態やその違いを分析した結果は次のようである。 大学タイプ別インターンシップの特徴について、師範 型大学の方では、インターンシップの実施期間が最も長 く、ほぼ 1 か月以上に集中している。学校側がインター ン先の提供に積極的に関与し、専門との関連性を確保で きる。一方、前身が専門学校であり、専門職養成の特徴 を残っている大学の方では、インターンシップ中の指導 の仕組むは学生の自己操作を中心に指導するような形な っており、他のタイプの大学より優れている。学生はイ ンターンシップを通して専門技能の向上や就職に関する 能力・スキルの形成という点で満足度が最も高い。これ に対して、総合型大学の方は、インターンシップを通し て専門技能の向上や就職に関する能力・スキルの形成に ついて、学生の満足度が三つのタイプの大学の中で最も 低いことが分かった。 専門分野別インターンシップの特徴をみると、理工系 の方は、インターンシップの実施期間が最も長く、イン ターン先は学校が統一に配属する方が多く、そして 9 割 以上が専門と関連している。インターンシップ中の指導 は学生が自己操作を中心に指導してもらうという形が多 い。インターンシップを通して、専門技能の向上や就職 に関する能力・スキルの形成について他の専門分野より 役立つと思う学生の比率が高い。理工以外の 3 つの専門 分野において、インターンシップの実施期間はより短く、 インターン先は学生自分で又は親族と友人に頼って探す 方が多く、7 割以上専門と関連している。そしてインタ ーンシップ中に、具体的な仕事について企業側の担当者 が説明するという形で指導する方が多い。インターンシ ップの効果について学生の満足度が理工より低い。この 結果から、理工と同じく専門職業性の強い情報分野は、 インターンシップの評価がそれほど高くないことが分か った。 <第4章> アンケート調査の結果に合わせて、卒業生、就職指導 センターの教員、企業側の方へのインタビュー調査を通 して以下のことを明らかにした。 学校がインターン先を配属する場合は全ての学生を対 象とすることではない。そして、学校配属の方は、専門 と関連し、実施期間がそろっており、標準的なプログラ ムのようなものである一方、学生が自分でインターン先

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4 を探す方は、実施期間にばらつきが見え、全ては専門と 関連するとは限らない。学校が配属する場合、実施時期 は比較的に早く、自分で探す場合はほとんど第8学期に 集中している。この時期は学生が卒業論文や就職活動等 で時間に追われてしまうという問題がある。インターン シップを通して専門技能の向上という点で、学校が配属 の方は比較的に評価が高く、自分で探す方は評価が高い ものもあれば、非常に低い評価をされるものもある。 また、同じ大学においても専門分野によってインター ンシップ実施の状況が異なり、積極的に取り組んでいる 学部もあれば、あまり重視していない学部もある。学生 にとってインターンシップに参加する目的は明確ではな い。全ての専門分野においてインターンシップを行う前 に、専門教育との関連性を意識させる事前教育が足りな いことがその一つの原因と言える。インターンシップの 効果について、理工の方は学生の満足度が高いのに対し て、他の専門分野は、同じ専門分野においてもインター ンシップを通して就職に関わる能力・スキルの形成など 就職に役立つ状況に対する満足度にばらつきが見える。 企業側が学生に対して、集中力が足りず、勉強の姿勢 が正しくなく、専門知識活用することができず、眼識は 高いが自分ではできないなどと評価された。 <終章> 結論 学校が統一に配属したインターンシップは、専門と の関連を確保でき、時期の配置が合理的であり、参加し た学生は専門技能の向上に対して評価が高いため、仮説 1はこの面から言うと当てはまる。 インターンシップの期間や専門との関連性、また指導 を受ける状況から、理工分野の方が優れているが、情報 分野は人文、社会分野とは違いが少ない。そしてインタ ーンシップを通して就職に関する能力・スキルの形成か ら、理工分野は少し高いが、全体から見れば四つの分野 はあまり違いが目立たない。仮説2は、理工分野の状況 から言うと当てはまるが、理工と同じく専門職業性の強 い情報分野の状況から考えると、はやり当てはまるとは 言い難い。 インターンシップモデルについて、「先学後工」モデル は時期的に合理的ではなく、インターンシップを通して 学修の深化ができないなどのデメリットがあり、「学工 後期交替」モデルは時期的に合理的であり、理論と実践 をうまく結合することができるため、応用技術型人材の 養成にもっと適する。 大学が配属した短期的なインターンシップは職業教育 又は専門教育に主眼を置き職業的・専門的能力を形成す るための就業体験としては必ずしも十分ではない。 インターンシップの内容について大学が主体的に 関与せず、企業に任せるという状況が多い。このため、 大学が学生のインターンシップの実態を把握することが 困難になる。大学の関与や教育的支援が十分ではない。 多くの専門分野において、学生にとってインターンシ ップは単なる就業体験で終わることがあり、職場で体験 した内容が自らの学修内容や専門性と高めていくことに 結びつかない。伝統的な産学連携を通して教育は、理工 学系では企業・産業の文脈を教育に取り入れやすいのに 対して、人文社会系ではなかなかなじみにくく、職業体 験の内容は専門と関連しないなどといった問題が存在し ている。 今後の課題 インターンシップと専門教育における学修との関連性 が希薄である問題について、インターンシップやキャリ ア教育が大学内において就職指導センターの一部の教職 員の任務と捉えられ、専門教育を担当する教員の関与が 不十分であることがその一つの原因と考えられる。今回 の調査の補足として、これから専門教育を担当する教員 を対象としたインタビュー調査を行い、学生の専門的学 修と職業訓練の中で大学側の役割を明らかにし、地方大 学における応用技術型人材養成の問題をより全面的分析 していきたい。 3.主要参考文献・資料 俞 寧[ほか] 2012「地方本科院校三段式産学合作人材 培養模式創新与実践」『重慶理工大学学報(社会科 学)』2012 年 11 期 pp.102-105 呉淑娟 2011「関于我国産学研合作深入開展的制約要素 与対策研究」『石油教育』2011 年 05 期 pp.57-63 楊黎明 2009「高等教育大衆化与中国地方大学的定位」 『高等理科教育』2009 年 02 期 pp.1-3 潘懋元 2006『応用型人材育成理論と実践』厦門大学出 版社 孔鋼城 雷環 2007「我国高等教育大衆化階段教育質量 問題浅析」『清華大学教育研究』2007 年第 4 期 pp.107 -133 吉本圭一 2006「インターンシップ制度の多様な展開と インターンシップ研究」『インターンシップ研究年 報』第9 号 pp.17-24

参照

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