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固体酸化物形燃料電池の導入効果に関する研究 -エネルギー需要に応じた最適機器仕様と排熱の有効利用について- [ PDF

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Academic year: 2021

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(1)固体酸化物形燃料電池の導入効果に関する研究 -エネルギー需要に応じた最適機器仕様と排熱の有効利用について-. 奥田 有規 1. はじめに. 定格発電出力 0.7kW 定格発電効率 42.5%HHV 定格排熱回収効率 36.8%HHV 貯湯温度 70℃ 貯湯槽容量 90L サブボイラー効率 95%HHV 燃料 都市ガス13A. 需要と固体酸化物形燃料電池(以下 SOFC と表記)の導入効 果の関係性を検証し、エネルギー需要に応じた最適な定格発 電出力と貯湯容量を明らかにすることである。もう一つは、 排熱を有効利用する方策を提案し、その効果を試算すること. 効率[%HHV]. 表 1 SOFC 機器仕様. 本研究には 2 つの目的がある。一つは、住宅のエネルギー. 発電効率. 45% 40% 35% 30% 25% 20% 15% 10% 5% 0% 0%. 25% 50% 75% 部分負荷率(発電量/定格発電量). 100%. 図 1 部分負荷特性. である。本稿では、これら 2 つの目的を達成するため数値シ. 表 2 入力負荷作成条件. ミュレーションにより検討を行った結果について報告する。. (ⅰ) 戸建住宅を想定した条件. 2. エネルギー需要に応じた最適機器仕様の検討 要素. 2.1 シミュレーション概要. A. 表 1 に SOFC の機器仕様を示す。SOFC は燃料電池の中で. 水準3 2人. 構成 家電機器・ガスコンロ 湯の使用. 毎日入浴. 空調用電力. 暖冷房温度 (暖房/冷房). 24/24℃. 22/26℃. 20/28℃. E. 床暖房. 温水式床暖房. あり. なし. 入浴形態. 多消費型 1年中湯. 夫(勤め人)、妻(勤め人). D. 給湯. べ作動温度が非常に高く、起動・停止に長時間を要するため、 運転を行い、貯湯槽が満蓄になった場合は、停止するのでは. 水準2 4人. 老夫婦、夫(勤め人)、妻(主婦)、 夫(勤め人)、妻(主婦)、 子供(中学生)、子供(小学生) 子供(中学生)、子供(小学生). 節約型 1年中水 1日おきに入浴 とシャワー 1日おきに入浴 とシャワー 毎日入浴. C. 『24 時間運転』が基本となる。そのため、常時電力負荷追従. 水準1 6人. 人数. 世帯構成. B 一般電力・ガス. 最も発電効率が高い機器であるが、一方で他の燃料電池に比. 標準型 冬季のみ湯 1日おきに入浴 とシャワー. 夏期. 毎日入浴. 中間期. 毎日入浴. 毎日入浴. 冬期. 毎日入浴. (ⅱ) 集合住宅を想定した条件 要素. 1). 子供(中学生)、子供(小学生). 子供(中学生). 家電機器・ガスコンロ 湯の使用. 多消費型 1年中湯. 標準型 冬季のみ湯 1日おきに入浴 とシャワー. 2人 夫(勤め人)、妻(勤め人). 毎日入浴. 空調用電力. 暖冷房温度 (暖房/冷房). 24/24℃. 22/26℃. 20/28℃. E. 床暖房. 温水式床暖房. あり. なし. 入浴形態. 夏期. 毎日入浴. 中間期. 毎日入浴. 毎日入浴. 冬期. 毎日入浴. うシステムとの比較により算出する。. 2800. 1000. 3700. 2.2 入力負荷データの作成. 1400. 2755. 子供室1 子供室2. ホール 玄関. 押入. 洗面所. 台所. 2250. 入力負荷の作成は表 2 に基づき行った。検討地域は福岡. 5555. 3100. 給湯. 1600. 系統からの買電及び効率 0.8 のガスボイラーにより需要を賄. 構成. D. C. 150Lまで 20L刻みで変化させて検討を行った。 導入効果は、. 水準3. 3人 夫(勤め人)、妻(主婦)、. 節約型 1年中水 1日おきに入浴 とシャワー 1日おきに入浴 とシャワー 毎日入浴. 応じた最適な機器仕様を明らかにするため、定格発電出力は 0.3kW から 1.5kW まで 0.2kW 刻みで、貯湯容量は 10L から. 水準2. 4人 夫(勤め人)、妻(主婦)、. トイレ. 3). 県福岡市とし、対象建物モデルは戸建住宅 と集合住宅 を. 浴室. 温水式床暖房 5650. 押入. 設定した。表 2 に示す 5 つの要素についてそれぞれ複数の水. 居間 主寝室. 温水式 床暖房. 準を設け、エネルギー需要の異なる入力負荷モデルを作成. (a)1 階平面図. (b)2 階平面図. 3790. 6955. した 4)。浴槽の湯はり量は戸建住宅が 200L、集合住宅が. (ⅰ)戸建住宅. 180L と設定し、要素 A の在室スケジュール、要素 B の電. 図 2 建物モデル平面図[単位:mm]. 力・調理用ガス負荷、要素 C の給湯負荷を生活スケジュール 5). 自動生成プログラム SCHEDULE Ver.2.0 により作成した。 準年間エネルギー消費量、表 4 に在室スケジュールを示す。 要素 D、E の空調負荷と床暖房負荷は、動的熱負荷計算プロ グラム THERB6)により算出した。冷房期間は 6 月~9 月、暖 房期間は 12 月~3 月とし、在室時に空調を行う設定とした。 床暖房パネルは居間に敷設し、冬期のみ使用する。実機の仕 43-1. 3165. (ⅱ)集合住宅. 表 3 機器の年間エネルギー消費量 年間エネルギー消費量[kWh/年] 6人家族 4人家族 3人家族 2人家族 多消費 標準 節約 多消費 標準 節約 多消費 標準 節約 多消費 標準 節約 冷蔵庫 1007 655 290 1007 655 290 1007 655 290 1007 655 290 電気ポット 683 347 0 683 347 0 683 347 0 683 347 0 炊飯器 206 131 88 206 131 88 129 82 55 129 82 55 電子レンジ 83 83 83 83 83 83 74 74 74 74 74 74 ガスコンロ 2137 2137 2137 1094 1094 1094 753 753 753 662 662 662 テレビ 1314 398 347 1091 331 258 1091 331 258 570 173 150 AV機器、PC 128 76 35 128 76 35 84 76 10 84 43 10 スタンド 98 98 98 88 88 88 84 84 84 13 13 13 温水洗浄便座 350 230 94 350 230 94 350 230 94 350 230 94 掃除機 63 42 31 63 42 31 63 42 31 63 42 31 洗濯機 71 45 30 42 26 17 42 26 17 42 26 17 ドライヤー 278 278 278 206 206 206 164 164 164 164 164 164 アイロン 103 103 103 63 63 63 63 63 63 63 63 63 照明(戸建) 2127 1830 1533 1983 1713 1442 1563 1386 1209 照明(集合) 1288 1029 770 1192 952 713 936 756 575 対象機器. 図2に建物モデルの平面図、表3に世帯人数別の機器の各水. 1650. B 一般電力・ガス. 水準1 人数. 世帯構成. 1000 1550. 分負荷特性を用いて再構築した。本章ではエネルギー需要に. A. 3700. 往研究 で構築したプログラムをベースとし、図 1 に示す部. 12600. なくファンを用いて放熱する。SOFC 導入効果算出には、既. 2). 排熱回収効率.

(2) 表 4 在室スケジュール (ⅰ)6 人家族. 様と合わせて床暖房用温水の熱源はサブボイラーとし、 SOFC の排熱は利用しない。床暖房を使用する場合は、居間. 在室スケジュール *色塗りの時間が在室時間帯(数字は在室人数) 対象日. の在室スケジュールに則って運転を行い、床暖房だけで室. 平日. 温が設定温度に達しない場合にはエアコンを併用する設定 休日. とした。以上により作成した戸建住宅と集合住宅の合計 324. 1. 対象室 LDK 主寝室 子供室1 子供室2 和室 LDK 主寝室 子供室1 子供室2 和室. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 2 1 1 2. 2 1 1 2. 2 1 1 2. 2 1 1 2. 2 1 1 2. 2 1 1 2. 1 1 1 1 2. 2 1 1 2. 2 1 1 2. 2 1 1 2. 2 1 1 2. 2 1 1 2. 2 1 1 2. 2 1 1 2. 8 6. 9 2. 10. 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23. 1. 2. 2. 1 1 1 1 1 2. 6. 2. 2. 4. 1 1. 1. 2. 2. 6. 1 1. 1 1. 6. 5. 2. 2. 1. 1 1 2 2. 1 1 2 2. 1 1 2. 1 1 2. 1. 6. 4. 2. 1 1. 1. 6. 4 1 1. 2 1 1 2 2 1 1 2. (ⅱ)4 人家族. 通りの負荷の年間需要分布を図 3 に示す。戸建住宅を想定. 在室スケジュール *色塗りの時間が在室時間帯(数字は在室人数) 対象日. した場合は電力需要が 2925~9203kWh/年、給湯需要が 2251. 1. 対象室 LDK 主寝室 子供室1 子供室2 LDK 主寝室 子供室1 子供室2. 平日. ~5645kWh/年、集合住宅では電力需要が 1906~6811kWh/年、 休日. 給湯需要が 2075~4193kWh/年の範囲内で分布している。. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 2 1 1. 2 1 1. 2 1 1. 2 1 1. 2 1 1. 2 1 1. 1 1 1 1. 2 1 1. 2 1 1. 2 1 1. 2 1 1. 2 1 1. 2 1 1. 2 1 1. 8 4. 9 1. 10. 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23. 1. 1. 1. 1. 1. 1 1 1 1. 4. 1. 2. 1 1 2. 1 4. 4. 3. 3. 2. 1. 1. 2. 2. 1 1 2. 1 1. 1 1. 1 1. 1. 4. 3. 1. 4. 1 1 1. 1. 1 1. 1 1. 2 1 1 2 1 1. (ⅲ)3 人家族. 2.3 シミュレーション結果. 在室スケジュール *色塗りの時間が在室時間帯(数字は在室人数) 対象日. まず、定格発電出力 0.7kW、貯湯容量 90L(以下、. 平日. 0.7kW-90L と表記)の場合の 1 次エネルギー削減率を図 4 に. 1. 対象室 LDK 主寝室 子供室1 LDK 主寝室 子供室1. 休日. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 2 1. 2 1. 2 1. 2 1. 2 1. 2 1. 1 1 1. 2 1. 2 1. 2 1. 2 1. 2 1. 2 1. 2 1. 8 4. 9 1. 10. 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23. 1. 1. 1. 1. 1 1 1 1. 4. 1. 2. 4. 3. 3. 2. 4. 1 2. 1 2. 1 2. 1. 1. 1. 1. 4. 3. 1 2. 1. 4. 1 1. 1. 1. 2 1 2 1. (ⅳ)2 人家族. 示す。電力負荷が 4527 kWh のとき 1 次エネルギー削減率が. 在室スケジュール *色塗りの時間が在室時間帯(数字は在室人数) 対象日. 最大(22.7%)となり、電力負荷が 6000 kWh 以上または 4000. 対象室 LDK 主寝室 LDK 主寝室. 平日. kWh 以下になると削減率は徐々に低下し、2500 kWh 以下で. 休日. はマイナスとなる。現行機の仕様(0.7kW-90L)では、エネ. 次に、戸建住宅と集合住宅それぞれについて、表 2 の全 ての要素で水準 2 を選択して作成される負荷(以下、標準負. 3. 2. 2. 4. 2. 2. 2. 2. 2. 5 2 2. 6. 7 1 1. 2 2. 2. 戸建4人. 8. 9. 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23. 2. 1. 2. 2. 2. 2. 2. 2. 2. 2. 2. 2 1 1. 2. 2. 1. 2. 戸建2人. 集合4人. 集合3人. 集合2人. 6000. 給湯需要[kWh/年]. ことが分かる。. 2. 2. 戸建6人. 7000. ルギー需要が小さすぎると省エネルギー効果が得られない. 1. 5000 4000 3000 2000 1000 1000. 荷と表記)を使用し、定格発電出力と貯湯容量を変化させた. 2000. 3000. 4000. 5000. 6000. 7000. 8000. 9000. 10000. 電力需要[kWh/年]. 図 3 負荷モデルの年間需要分布. ときの 1 次エネルギー削減率の比較を行った(図 5)。戸建. 戸建住宅. 次エネルギー削減率が最大となり、集合住宅では 0.3kW ま. 1次エネルギー削減率[%]. 住宅の場合、定格発電出力が 0.5kW または 0.7kW の時に 1 たは 0.5kW の時に最大となる。また、貯湯容量が大きくな るにつれて1次エネルギー削減率は増加するが、ある量以上 になると横ばいに推移する。燃料電池は設置スペースが限 られることが多いため、本稿では、貯湯容量を 20L 増加させ. 集合住宅. 25 20 15 10. 5 0 -5 -10 1000. 2000. 3000. 4000. 5000. 6000. 7000. 8000. 9000. 10000. 電力需要[kWh/年]. たときの 1 次エネルギー削減率の増加量が 1.0 ポイント以下. 図 4 0.7kW-90L の 1 次エネルギー削減率. 機器仕様となった。 図 6 に世帯構成別最適定格発電出力の割合、図 7 にエネル. 1.5kW 0.7kW. 20. 1.3kW 0.5kW. 1.1kW 0.3kW. 10 0. -10 -20. ギー需要別最適機器仕様を示す。世帯構成人数が増加する. 10. 30. 50. 70. 90. 1.5kW 0.7kW. 0.9kW. 110 130 150. 1次エネルギー削減率[%]. では 0.7kW-90L、集合住宅の標準負荷では0.5kW-70Lが最適. 1次エネルギー削減率[%]. になるときを最適値とした。その結果、戸建住宅の標準負荷. 20. 1.3kW 0.5kW. 0.9kW. 10 0. -10 -20. 10. 30. 50. 70. 90. 110 130 150. 貯湯容量[L]. 貯湯容量[L]. (ⅰ)戸建住宅. ほど最適定格発電出力は大きくなる(図 6) 。今回検討した. 1.1kW 0.3kW. (ⅱ)集合住宅. 図 5 標準負荷での機器仕様別 1 次エネルギー削減率. エネルギー需要および最適な貯湯容量選定方法では、最適. 0.9kW 0.5kW. 定格発電出力が 0.3kW~0.9kW、最適貯湯容量が 50L~110L. 0.7kW 0.3kW. 0.3kW-50L 0.3kW-70L. 2人. 6000. 4人. で、省エネルギー効果が得られることが示された。 2人. 戸建住宅. 3. 排熱の放熱を抑える運転制御方法の検討 これまでの検討結果から、貯湯容量をより小さい 10L や. 0.7kW-50L 0.7kW-70L × 0.9kW-70L 0.7kW-90L 0.7kW-110L. 7000. 3人. 給湯需要[kWh/年]. ギー需要が小さな家庭でも、適切な機器仕様を選定すること. 集合住宅. となり、その組合せは図 7 に示す 11 通りとなった。エネル. 0.5kW-50L 0.5kW-70L 0.5kW-90L 0.5kW-110L. 4人. 5000 4000 3000 2000. 6人. 30Lとしたケースでは、余剰排熱のファンによる放熱が増加 し、エネルギー消費量削減効果が小さくなることが確認さ. 0%. 50% 割合. 100%. れた。しかし、集合住宅への適用を考えた場合、貯湯槽を. 図 6 世帯構成別最適 定格出力の割合. 43-2. 1000 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000 10000. 電力需要[kWh/年]. 図 7 エネルギー需要別最適機器仕様.

(3) 1. 10. 0.5. 5. 0. 0 0. 2. 4. 6. 15. 1.5. 15. 1. 10. 1. 10. 0.5. 5. 0. 0 2. 4. 40. 0.4. 20. 0.2. 放熱量[kW]. 0.6. 0 0. 2. 4. 6. 8 10 12 14 16 18 20 22 24 4月26日. 0 0. 2. 4. (ⅱ)貯湯温度と放熱状況 図 8 case0 の中間期運転状況. 第2層 第5層. 0.8. 0.6. 40. 0.4. 20. 0.2. 0. 0 2. 4. 6. 現在SOFCに採用されている方法と同様に、常時電力負荷に追従して運転する。. case1. 貯湯槽内の温度を常時監視し、貯湯槽を7分割した際の最上槽の温度が60℃以 上になった場合に、SOFCの発電出力の最大値を50%に落として運転する。. case2. 一週間前の日の電力負荷から日積算排熱回収量を算出し、その排熱回収量と 給湯負荷が等しくなるような発電出力の最大値を求める。それを当該日の上限 出力値と設定し、発電出力がその数値以下になるように運転を行う。. エネルギー消費量[kWh/日]. 制御方法. case0. 0.8. 0.6. 40. 0.4. 20. 0.2. 0. 0. 買電. 23.4. 第2層 第5層. 2. 4. 6. 8 10 12 14 16 18 20 22 24 4月26日. (ⅱ)貯湯温度と放熱状況 図 10 case2 の中間期運転状況. 45 30. 最下層 第4層 最上層. 60. 0. (ⅱ)貯湯温度と放熱状況 図 9 case1 の中間期運転状況. 運転方法. 8 10 12 14 16 18 20 22 24 4月26日. 放熱量 第3層 第6層. 80. 8 10 12 14 16 18 20 22 24 4月26日. 表 5 運転制御方法. 6. (ⅰ)発電状況. 最下層 第4層 最上層. 60. 0. 20. 5. 0. 8 10 12 14 16 18 20 22 24 4月26日. 放熱量 第3層 第6層. 80. 0.8. 0. 6. 0.5. (ⅰ)発電状況. 第2層 第5層. 60. 給湯負荷. 1.5. 0. 貯湯温度[℃]. 貯湯温度[℃]. 80. 発電量. 2. 8 10 12 14 16 18 20 22 24 4月26日 最下層 第4層 最上層. 電力負荷. 20. (ⅰ)発電状況 放熱量 第3層 第6層. 給湯負荷. 給湯[kW]. 15. 発電量. 放熱量[kW]. 1.5. 電力負荷. 電力[kW]. 2. 給湯[kW]. 20. 放熱量[kW]. 給湯負荷. 給湯[kW] 電力[kW]. 電力[kW]. 発電量. 貯湯温度[℃]. 電力負荷. 2. FCガス. 22.1. 21.4. case1. case2. サブボイラーガス. 24.9. 25.6. 26.6. case1. case2. 15 0. case0. 2次エネルギー消費量. case0. 1次エネルギー消費量. 図 11 代表日のエネルギー消費量. 設置するスペースは十分ではなく、更なる小容量化が必要で. を行っており、その間の発電出力は最大で 0.35kW となる。. ある。そこで、貯湯温度の監視によるフィードバック制御や. 貯湯槽は20時頃に満蓄となり、日積算放熱量はcase0と比較. 前週のエネルギー使用状況から判断する学習制御により、. して 5 分の 1 以下に減尐する。case2 では、1 週間前の 4 月. 一部の時間帯で電力負荷追従をせず発電出力を下げて貯湯. 19 日の排熱回収量と給湯負荷が等しくなるような発電出力. 槽が満蓄になる時間を遅らせる運転制御方法を提案し、そ. の最大値が 45.3%となったため、一日を通して“発電出力. の省エネルギー効果を算定する。. 45.3%以下”で制御を行い、放熱は無くなっている。. 3.1 シミュレーション概要. 図 11 に各ケースにおける代表日エネルギー消費量を示す。. 提案する運転方法での SOFC 導入効果算出には、前章で構. case1やcase2の運転方法とすることで放熱量を減尐させるこ. 築したプログラムをベースとし、機器の出力に関する制御. とができたが、1 次エネルギー消費量は増加する結果となっ. 文を追記して再構築した。表 5 に運転制御方法を示す。. た。発電出力を下げたことによる発電効率の低下と買電量. SOFC の定格発電出力と貯湯容量は 0.7kW-90L とし、電. の増加が主な要因と考えられる。したがって、SOFC におい. 力・給湯負荷条件は集合住宅の標準負荷とした。運転制御. ては、現在採用されている常時電力負荷追従運転の方が省. 方法は case1、case2 の 2 つを提案し、通常運転を行う case0. エネルギー効果が得られることが示された。. と比較した。case1 は貯湯槽の蓄熱状況から判断して満蓄に. 4. 浴槽を利用した貯湯槽小容量化に関する検討. なりそうな時に出力を下げるため、熱ロスを確実に低減さ. 前章において、一部の時間帯で出力を抑えて余剰排熱を削. せることができる。case2 は一週間前のエネルギー需要から. 減することによる省エネルギー効果を検討したが、制御方. 排熱回収量と給湯負荷が等しくなるような上限出力を設定. 法を変更しても1次エネルギーを削減することはできず、制. し運転を行うため規則的な生活をしている家庭では排熱を. 御方法の改善による余剰排熱の削減は難しいことが明らか. 有効に利用できる可能性がある。今回は case1 や case2 のよ. となった。そこで、貯湯槽を小容量化した上で排熱を有効. うな運転を行うことで得られる省エネルギー効果を試算す. 活用する方策として、貯湯槽が満蓄になり余剰排熱が出た. るため、給湯需要が比較的小さい中間期の代表日を選び運. 際に尐しずつ浴槽に湯張りをしていく運転方法(以下、排熱. 転状況や 1 次エネルギー削減効果の比較を行った。. 浴槽出湯運転と表記)を提案し、その効果を検証する。. 3.2 シミュレーション結果. 4.1 シミュレーション概要. 図 8~10 に代表日(4 月 26 日)における各ケースの運転. 排熱浴槽出湯運転では、衛生的観点から一日に一回、入. 状況を示す。case0 の運転状況をみると、電力負荷は0.12kW. 浴後に浴槽内の湯を排水する。その後、貯湯槽が満蓄とな. から 1.7kW の間で推移しており、給湯は湯はり時に最大で. った際には浴槽に出湯する。出湯温度は、安全性や浴槽か. 19.5kW の負荷がある。貯湯槽は 18 時半頃に満蓄となる。. らの熱損失による温度低下などを考慮して決める必要があ. case1 では、貯湯槽最上層温度が 60℃以上という条件に当て. る。今回の検討では 45℃とした。入浴時刻直前になって、. はまる 2 時から 21 時の間で“発電出力 50%以下”という制御. 浴槽が満水である 180L に達していない場合、貯湯槽から出. 43-3.

(4) 表 6 検討ケース. が、SOFC の現行機が浴槽追焚きの加熱回路を持たないため、 蓄熱量[kWh]. サブボイラーで加熱するものとした。住宅の電力・給湯負 荷条件は、集合住宅の標準負荷とした。 検討ケースを表 6 に示す。検討では排熱浴槽出湯運転を. 1. 0. 浴槽水温 浴槽水量. 200 150 100 50 0. 200 150 100 50 0. 0 2 4 6 8 10121416182022 2月26日. (ⅰ)蓄熱量・サブボイラーガス (ⅱ)浴槽水温・水量 図 12 case1(0.7kW-20L) 蓄熱量[kWh]. および「高断熱浴槽」の性能を参考に熱貫流率を設定した。 浴槽からの熱損失量は、熱負荷計算プログラム THERB にて. サブボイラーガス消費量 貯湯槽蓄熱量. 2 1. 30 15. 0. 予め計算した浴室温度と湯温との差に、湯の表面積と熱貫 あるため、機器の定格発電出力は 0.3kW、0.5kW、0.7kW の. 2. 50 40 30 20 10 0. 0 2 4 6 8 10121416182022 2月26日. る。浴槽の性能は JIS A 55327)に規定される「非高断熱浴槽」. 流率を乗じて求める。貯湯槽の小容量化を目指した検証で. 30. 0 0 2 4 6 8 10121416182022 2月26日. ガス熱量[kW] 浴槽水温[℃]. case2を計算し、排熱浴槽出湯運転を行わないcase0と比較す. 12 180L. 15. 0. 行い浴槽が通常の性能である case1 と高断熱浴槽を使用する. case2 する 高断熱浴槽. -. サブボイラーガス消費量 貯湯槽蓄熱量. 2. case1 する 通常浴槽. 浴槽水量[L]. る。加熱源として貯湯槽の湯を活用することも考えられる. case0 しない -. 浴槽水量[L]. 40℃に満たない場合はサブボイラーにより 40℃まで加熱す. 浴槽水温[℃]. ケース 排熱浴槽出湯運転 浴槽タイプ 浴槽の熱貫流率 [ W/(m2・K)] 浴槽容量. ガス熱量[kW]. 湯し、不足分を補う。湯温の低下により浴槽内の水温が. 浴槽水温 浴槽水量. 50 40 30 20 10 0. 0 2 4 6 8 10121416182022 2月26日. (ⅰ)蓄熱量・サブボイラーガス (ⅱ)浴槽水温・水量 図 13 case2(0.7kW-20L). 3 通り、貯湯容量は10L、20L、30L、50L、70L、90L の6 通 りで変化させて検討を行う。. 1次エネルギー削減率[%]. case0. 4.2 シミュレーション結果 図 12~図 13 に 0.7kW-20L の計算結果を示す。case1、 case2 共に入浴時以外はサブボイラーが稼働しておらず、貯. case1. case2. 20 15. 10 5. 0 10L 20L 30L 50L 70L 90L 10L 20L 30L 50L 70L 90L 10L 20L 30L 50L 70L 90L. 湯槽の蓄熱量のみで給湯負荷を賄えている。入浴直前の浴. 0.3kW. 0.5kW. 0.7kW. 図 14 1 次エネルギー削減率. 槽水量は 127L、浴槽水温は case1 が 22.2℃、case2 が 36.0℃ ーガス消費量が通常浴槽の case1 に比べ抑えられている。. case0との1次エネルギー 消費量の差[GJ/年]. であり、高断熱浴槽とした case2 では入浴直前のサブボイラ 各ケースの 1 次エネルギー削減率を図 14 に、case0 との 1 次エネルギー消費量の差を図 15 に示す。排熱浴槽出湯運転 は定格発電出力が 0.3kW の場合は貯湯槽が 10L であっても. case1-case0. 5. case2-case0. 4. 3 2 1 0 -1 10L 20L 30L 50L 70L 90L 10L 20L 30L 50L 70L 90L 10L 20L 30L 50L 70L 90L. 効果が小さいが、定格発電出力が 0.5kW や 0.7kW の場合に. 0.3kW. 0.5kW. 0.7kW. は、貯湯容量が 30L 以下の時に特に有効である。case0 では. 図15 排熱浴槽出湯運転の1次エネルギー削減効果. 貯湯容量が10Lの場合、定格発電出力が0.7kW の時が最も1. に応じた適切な機器仕様を選定することで、省エネルギー効. 次エネルギー削減率が低いが、case2 では 0.3kW が最も低く. 果がさらに高められることが示された。また、余剰排熱の有. なっており、排熱浴槽出湯運転を採用することによって. 効活用法として、貯湯槽が満蓄となった際に排熱で浴槽に湯. SOFC の最適な仕様が変わることが示された。0.7kW-10L に. 張りを行う排熱浴槽出湯運転の有用性を確認し、SOFC の省. おける排熱浴槽出湯運転の省エネルギー効果は case1 で. エネルギー効果を大きく低下させることなく集合住宅にお. 2.1GJ/年、case2 で 4.3GJ/年であり、高断熱浴槽を用いること. ける貯湯槽の小容量化が実現できることを示した。. で排熱浴槽出湯運転の効果は通常の浴槽に比べ2倍程度に向. 【参考文献】 1) 黒木洋,他 3名:家庭用固体高分子形燃料電池 CGSの運転方法と導入効果 家庭 用分散型電熱源の導入効果に関する研究 その 1,日本建築学会環境系論文集, No.610,pp.67-73,2006年 12 月 2) (一般財団法人)建築環境・省エネルギー機構:住宅の熱負荷計算プログラム評 定要領,1995 年 3) 宇田川光弘:標準問題の提案 伝熱解析の現状と課題,日本建築学会環境工学委 員会第 15回熱シンポジウム,1985 年 4) 長谷川兼一,他 7名:低負荷型ライフスタイルの省エネルギー効果,日本建築学 会環境系論文集,No.608,pp.97-104,2006 年 10月 5) 空気調和・衛生工学会:シンポジウム 住宅における生活スケジュールとエネル ギー消費 テキストと付属プログラム SCHEDULE Ver.2.0,2000年 6) Ozaki A. , Watanabe T. and Takase S. : Simulation Software of the Hydrothermal Environment of Buildings Based on Detailed Thermodynamic Models , eSim 2004 of the Canadian Conference on Building Energy Simulation,pp.45-54,2004 7) 財団法人日本規格協会:JIS A 5532:2006,浴槽,2006 年. 上している。 5. おわりに 本研究では、まず住宅のエネルギー需要と SOFC の導入 効果の関係性を明らかにし、エネルギー需要に応じた最適 な定格発電出力と貯湯容量を明らかにした。さらに排熱の 放熱を抑える運転制御方法や余剰排熱の有効活用法を提案 し、その効果を検討した。その結果、今回検討したエネル ギー需要の範囲内では、最適定格発電出力が 0.3kW~0.9kW、 最適貯湯容量が 50L~110L となり、住宅のエネルギー需要 43-4.

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