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日本語文法学会第 20 回大会発表要旨 A 会場 13: 30~ 14: 10 文法化論から見た係り結びの発生と変遷 ナロック ハイコ ( 東北大学 ) 係り結び構文の成立と構造について様々な仮説があるが それらを総合的に そして特に文法化論の観点から再検討する 主な仮説のタイプとしては (1) 分

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日 本 語 文 法 学 会 第 20 回 大 会 発 表 要 旨 A 会 場 13: 30~ 14: 10 文 法 化 論 か ら 見 た 係 り 結 び の 発 生 と 変 遷 ナ ロ ッ ク ・ ハ イ コ ( 東 北 大 学 ) 係 り 結 び 構 文 の 成 立 と 構 造 に つ い て 様 々 な 仮 説 が あ る が 、 そ れ ら を 総 合 的 に 、 そ し て 特 に 文 法 化 論 の 観 点 か ら 再 検 討 す る 。主 な 仮 説 の タ イ プ と し て は( 1 )分 裂 文 説 、( 2 )焦 点 ( Wh-)移 動 説 、( 3 )連 置 文 説 、( 4 )助 詞 挿 入 説 が 知 ら れ 、そ れ ぞ れ の 中 で も 複 数 の 異 な る 提 案 が な さ れ て い る 。 本 発 表 で は 、 古 代 語 に お け る 統 語 構 造 の 共 時 的 記 述 と し て ( 2 ) の 精 度 が 最 も 高 い も の の 、成 立 論 と し て は( 1 )と( 3 )、実 際 の 上 代 語 の デ ー タ に 鑑 み て ( 4 ) の 要 素 を 入 れ た ( 3 ) に 特 に 妥 当 性 が あ る と 論 じ る 。

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日 本 語 文 法 学 会 第 20 回 大 会 発 表 要 旨 A 会 場 14: 20~ 15: 00 ユ ニ ッ ト 化 の 諸 相 ― 「 思 い 出 し た よ う に 」 に つ い て の 一 考 察 ― 氏 家 啓 吾 ( 東 京 大 学 大 学 院 生 )・ 萩 澤 大 輝 ( 神 戸 市 外 国 語 大 学 大 学 院 生 ) 次 の 例 に 見 ら れ る 「 思 い 出 し た よ う に 」 は 、 ご く 一 般 的 な 表 現 で あ る 。 ( 1)「―そういえば、数日前のことですが」鷹晃が、 ふ と 思 い 出 し た よ う に 言 っ た 。 ( 2) 姑 は 時 々 思 い 出 し た よ う に 電 話 を し て く る 。 本 発 表 で は 「 思 い 出 し た よ う に 」 が ひ と ま と ま り の 表 現 と し て 定 着 ( ユ ニ ッ ト 化 ) し て い る と 考 え る 。 さ ら に 、 以 下 に 示 す 無 生 物 主 語 の 例 や 点 在 を 表 す 例 の 観 察 か ら 、 意 味 が 希 薄 化 し 、 間 隔 を 置 い て 不 定 期 的 に 反 復 さ れ る 出 来 事 を 描 写 す る 表 現 に な っ て い る と 主 張 す る 。 ( 3) 降 り 止 み そ う か な と 思 っ た と こ ろ で 、 ま た 思 い 出 し た よ う に 雨 脚 が 強 く な る 。 ( 4) 思 い 出 し た よ う に 電 灯 が 立 っ て い る 。 以 上 の 現 象 に は 文 法 化 と さ れ る 現 象 と の 共 通 点 が 見 ら れ る 。 ユ ニ ッ ト 化 と い う 観 点 に よ っ て 、 語 彙 と 文 法 の 二 分 法 に と ら わ れ な い 観 察 ・ 分 析 が 可 能 に な る 。

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日 本 語 文 法 学 会 第 20 回 大 会 発 表 要 旨 A 会 場 15: 10~ 15: 50 推 量 を 表 す 助 動 詞 群 の 形 成 に 対 す る 構 文 ス キ ー マ の 役 割 平 野 啓 太 ( 大 阪 大 学 大 学 院 生 ) 現 代 日 本 語 で は 、 推 量 を 表 す 助 動 詞 は 「 よ う だ 」 の よ う に 「 形 式 名 詞 + コ ピ ュ ラ 」 に 由 来 す る も の と 、 「 ら し い 」 「 み た い だ 」 「 ぽ い 」 「 く さ い 」 の よ う に 「 接 尾 辞 」 由 来 の も の が 一 群 を 占 め る 。 本 研 究 で は 、 こ れ ら の 形 式 名 詞 、 接 尾 辞 で 起 こ る 形 式 的 ・ 機 能 的 拡 張 が 構 文 ス キ ー マ に よ っ て 促 進 さ れ た こ と を 主 張 す る 。 「 接 尾 辞 」 由 来 の も の に つ い て は 、 先 例 で 定 着 し た 構 文 ス キ ー マ [ 文 ( 終 止 形 ・ 名 詞 ) + 接 尾 辞 / 助 動 詞 ] ( = 推 量 ) に 引 き つ け ら れ る 形 で 、 一 方 、 「 形 式 名 詞 」 由 来 の も の に つ い て は 、 構 文 ス キ ー マ [ 文 ( 終 止 形 ) + 形 式 名 詞 ( + コ ピ ュ ラ ) / 助 動 詞 ] ( = 推 量 ) に 引 き つ け ら れ る 形 で 形 式 的 ・ 機 能 的 拡 張 を 起 こ し て い く こ と を 示 す 。 こ の こ と か ら 、 現 在 の 助 動 詞 の 体 系 が 上 記 の よ う な 構 文 ス キ ー マ を 介 し 、 動 的 に 構 築 さ れ て き た こ と が 示 唆 さ れ る 。

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日 本 語 文 法 学 会 第 20 回 大 会 発 表 要 旨 A 会 場 16: 10~ 16: 50 現 代 日 本 語 の 発 話 末 に 現 れ る 感 動 詞 「 え 」 の 位 置 付 け 落 合 哉 人 ( 筑 波 大 学 大 学 院 生 ) 本 発 表 は 、 現 代 日 本 語 の 発 話 末 に 現 れ る (1)a の よ う な 「 え 」 を 取 り 上 げ る も の で あ る 。 発 表 の 前 半 で は 、 こ の よ う な 発 話 末 の 「 え 」 が 、 共 起 す る 文 の 種 類 、 標 示 す る 心 的 操 作 、 聞 き 手 と 関 わ り 方 の 3 点 に 関 し て (1)b の よ う な 発 話 頭 の「 え 」と 異 な る 特 徴 を 持 ち 、特 に 自 ら の 要 求 に 対 応 が な さ れ る 見 込 み が 低 い 状 況 で 現 れ る こ と を 指 摘 す る 。 (1)( ミ ス を 犯 し た 部 下 に 対 し て ) a. お 前 、 何 や っ て ん だ 、 え ? / b. え 、 お 前 、 何 や っ て ん だ ? 発 表 の 後 半 で は 、 発 話 末 の 「 え 」 の 位 置 付 け に つ い て 、 発 話 頭 の 「 え 」 に よ る 「 聞 き 返 し 」 と 結 び つ け る 説 明 と 発 話 頭 の 「 え 」 が 標 示 す る 「 既 存 の 想 定 と の 食 い 違 い 」 と 結 び つ け る 説 明 の 2 点 を 挙 げ 、 ど ち ら の 説 明 で も 反 論 が 生 じ る こ と を 述 べ る 。 こ れ を 踏 ま え 、 発 話 末 の 「 え 」 は 単 独 で 何 ら か の 見 込 み の 低 さ を 示 す 固 有 の 語 と 見 な せ る こ と を 主 張 す る 。

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日 本 語 文 法 学 会 第 20 回 大 会 発 表 要 旨 A 会 場 17: 00~ 17: 40 単 音 節 語 「あ 」の 長 音 化 形 態 が 担 う 機 能 に つ い て 松 岡 み ゆ き ( 愛 知 文 教 大 学 ) 本 研 究 は 、 単 音 節 語 「あ 」の 長 音 化 形 態 の 運 用 の も と と な る 資 材 レ ベ ル の 機 能 を 、 そ の 起 源 で あ る と 考 え ら れ る 単 音 節 語 「 あ 」 の 機 能 と の 関 係 も 併 せ て 提 示 す る も の で あ る 。 長 音 化 し た 「 あ 」 に は 1)知 覚 心 像 と 記 憶 心 像 の 照 合 過 程 の 表 示 、 2)照 合 し 判 断 し た 内 容 の 「受 け 入 れ 」表 示 、3)「 受 け 入 れ 」の 返 答 と し て の 使 用 、4)知 覚 心 像 の 「受 け 入 れ 」に 伴 う 情 動 の 表 出 、 5)記 憶 心 像 の 想 起 に 伴 う 情 動 の 表 出 、 6)情 動 の 表 出 と い う 6 つ の 機 能 が 見 ら れ る 。 こ の こ と か ら 、長 音 化 し た 「あ 」は 、単 音 節 語 「あ 」が 担 う 判 断 の 前 後 の 認 知 的 操 作 1 と 2、2 の 発 展 的 機 能 と し て の 3 の ほ か 、 2 の 中 で 情 意 性 の 高 い 表 現 を 分 出 す る 4 と 、 刺 激 が 話 者 の 内 面 に あ り 非 分 析 的 な 談 話 展 開 で 使 用 さ れ る 5 と 6 の よ う な 情 意 性 が 前 景 化 す る 機 能 を 持 つ も の と し て 、 そ の 全 体 像 を 捉 え る こ と が で き る こ と を 示 す 。

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日 本 語 文 法 学 会 第 20 回 大 会 発 表 要 旨 B 会 場 13: 30~ 14: 10 二 種 類 の 抽 象 名 詞 所 有 文 と コ ン ト ロ ー ル 現 象 阿 久 澤 弘 陽 ( 聖 学 院 大 学 )・ 竹 沢 幸 一 ( 筑 波 大 学 ) 本 発 表 で は 、埋 め 込 み 節 を 伴 う 抽 象 名 詞 所 有 文 を 対 象 に 、埋 め 込 み 節 に 現 れ る 空 主 語( φ ) 解 釈 の 決 定 方 法 を コ ン ト ロ ー ル の 観 点 か ら 論 じ る 。具 体 的 に は 、抽 象 名 詞 所 有 文 に は 、「 覚 悟 が あ る 」( 太 郎 iに は [ φi 退 職 す る ] 覚 悟 が あ る ) の よ う に 主 節 所 有 者 句 が 空 主 語 の 解 釈 と な る 場 合 と 、「 価 値 が あ る 」( 学 生 iに と っ て こ の 本 に は[ φi 読 む ]価 値 が あ る )の よ う に ニ ト ッ テ 経 験 者 句 が 空 主 語 の 解 釈 と な る 場 合 が あ る こ と を 明 ら か に す る 。 く わ え て 、 「 価 値 が あ る 」 に は 、 一 つ の 構 文 形 式 な が ら 、 空 要 素 の 解 釈 の 決 定 に お い て ① 順 行 コ ン ト ロ ー ル 、 ② 逆 行 コ ン ト ロ ー ル 、 ③ 普 遍 量 化 空 範 疇 に よ る コ ン ト ロ ー ル と い う 3 つ の パ タ ー ン が 存 在 す る こ と を 、 時 制 節 を と る 難 易 述 語 を 分 析 し た 王 ・ 竹 沢 ( 2019) に 基 づ き な が ら 示 す 。 王 丹 丹 ・ 竹 沢 幸 一 ( 2019)「 難 易 文 に お け る コ ン ト ロ ー ル 現 象 」 未 公 刊 論 文 .

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日 本 語 文 法 学 会 第 20 回 大 会 発 表 要 旨 B 会 場 14: 20~ 15: 00 現 代 語 コ ソ ア の 指 示 に つ い て 岡 﨑 友 子 ( 東 洋 大 学 ) 指 示 詞 の 現 場 調 査 に 、 高 橋 調 査 法 を 用 い た 高 橋 ・ 中 村 ( 1992) 安 部 ( 2008) 等 が あ り 、 年 代 ・ 地 域 の 違 い で 指 示 領 域 に 差 異 が あ る こ と が 指 摘 さ れ て い る 。 た だ し 、 そ れ ら は 同 対 象 に 対 す る 被 験 者 全 体 の 傾 向 を 示 す も の で あ り 、 指 示 対 象 ( 人 「 ソ ノ 」 と 場 所 「 ソ コ 」)・ 個 人 別 に よ る 差 異 は み る こ と が で き な い 。 本 発 表 は 位 置 条 件 と 指 示 対 象 を 3 パ タ ー ン ( 指 示 詞 は 2 パ タ ー ン ) 用 意 し 調 査 を 行 っ た 。 ま ず 、 調 査 デ ー タ を 全 体 的 に ま と め 先 行 研 究 の 成 果 と 比 較 、 次 に 、 個 人 ・ 指 示 対 象 別 に 追 跡 し た 。 そ の 結 果 、 明 ら か に 指 示 領 域 に は 一 定 の 傾 向 が あ る こ と 、 ま た 、 こ れ ま で 示 さ れ な か っ た 個 人 ・ 対 象 別 に よ る 差 異 が あ る こ と が 明 ら か と な っ た 。 安 部 清 哉 ( 2008)「 指 示 代 名 詞 の 現 場 指 示 の 領 域 ― 高 橋 調 査 方 に よ る 2008 年 若 者 の コ ソ ア ド ― 」『 学 習 院 大 学 文 学 部 研 究 年 報 』 55、 pp.73-112 高 橋 太 郎 ・ 中 村 祐 里 子 ( 1992)「 1991 年 、 わ か も の の コ ソ ア ド 」『 麗 澤 大 学 論 叢 』 3、 pp.1-35

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日 本 語 文 法 学 会 第 20 回 大 会 発 表 要 旨 B 会 場 15: 10~ 15: 50

東 京 方 言 に お け る 名 詞 主 要 部 が な い 節 で の 主 格 属 格 交 替 と 動 詞 に つ い て

佐 久 間 篤 (南 山 大 学 大 学 院 )

東 京 方 言 に は 主 格 属 格 交 替 現 象 と 呼 ば れ る あ る 種 の 従 属 節 で 主 語 に 属 格 が 付 与 さ れ る こ と が 可 能 な 現 象 が あ る が 名 詞 的 な 要 素 が 節 の 主 要 部 と し て 現 れ な い 節 (ND-NGC 節 )で も 起 こ る と さ れ る 。 Miyagawa(2013)は 、 そ の 場 合 、 weak v と dependent tense が 主 語 に 属 格 を 付 与 す る と し 、 佐 久 間 (2019)は 心 理 動 詞 と ND-NGC 節 を 用 い た 分 析 か ら Miyagawa(2013) を 支 持 し た 。 し か し 、 佐 久 間 (2019)の 分 析 に は 動 詞 を 使 役 化 し た 可 能 性 と 、 与 格 名 詞 句 を 項 と し て 取 る 動 詞 を 考 慮 に 入 れ て い な い 問 題 が あ る 。 本 発 表 で は こ れ ら の 問 題 を 考 慮 し た 分 析 を 行 い 、 Miyagawa (2013)や 佐 久 間 (2019)は 支 持 で き る と 主 張 す る 。

参 考 文 献 : Miyagwa, Shigeru (2013). Strong Uniformity and Ga/No Conversion. English Linguistics 30. pp. 1–24./ 佐 久 間 篤 (2019)「 東 京 方 言 に お け る 心 理 動 詞 と 主 格 属 格 交 替 現 象 に つ い て 」『 日 本 言 語 学 会 第 158 回 大 会 予 稿 集 』 121- 127.

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日 本 語 文 法 学 会 第 20 回 大 会 発 表 要 旨 B 会 場 16: 10~ 16: 50 「 3 日 も 働 か な か っ た 」 の 3 つ の 解 釈 今 田 水 穂 ( 筑 波 大 学 ) 「 3 日 も 働 か な か っ た 」 と い う 文 の 異 な る 解 釈 に つ い て 、 構 成 的 意 味 論 に 基 づ く 分 析 を 行 う 。 こ の 文 は 少 な く と も 3 つ の 読 み を 持 つ 。 第 1 は 「 働 か な い 日 が 3 日 も あ っ た 」 と い う 読 み 、 第 2 は 「 3 日 す ら 働 か な か っ た 」 と い う 読 み 、 第 3 は 「 3 日 も 働 き は し な か っ た 」 と い う 読 み あ る 。 こ れ ら の 読 み は 、 尺 度 含 意 、 否 定 辞 の 作 用 域 、 意 外 性 な ど い く つ も の 意 味 論 的 要 素 の 相 互 作 用 で 生 み 出 さ れ る 。 本 発 表 の 基 本 的 な 提 案 は 、 3 つ の 読 み は 否 定 辞 が 数 量 詞 よ り 内 側 で 解 釈 さ れ る か 、「 も 」 と 数 量 詞 の 中 間 で 解 釈 さ れ る か 、「 も 」 よ り 外 側 で 解 釈 さ れ る か に よ っ て 生 み 出 さ れ る と い う も の で あ る 。数 量 詞 、否 定 辞 、「 も 」の 演 算 と 含 意 の 形 式 的 記 述 を 検 討 し 、 そ れ ら の 演 算 順 序 に よ っ て 「 3 日 も 働 か な か っ た 」 の 3 つ の 読 み が 生 み 出 さ れ る こ と を 示 す 。

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日 本 語 文 法 学 会 第 20 回 大 会 発 表 要 旨 B 会 場 17: 00~ 17: 40 ダ ケ デ ナ ク 構 文 か ら 見 え て く る こ と 茂 木 俊 伸 ( 熊 本 大 学 ) 本 発 表 で は ,「 太 郎 だ け で (は )な く ,次 郎 も 来 た 」の よ う な ダ ケ デ ナ ク 構 文 に つ い て 分 析 を 行 い ,1) ダ ケ デ ナ ク は〈 非 限 定 〉の 表 現 で あ る が ,接 続 形 で あ る こ と に よ り ,実 質 的 に 要 素 の〈 累 加 〉を 表 す こ と ,2) ダ ケ デ ナ ク 構 文 は ,共 起 す る と り た て ・ 並 列 ・ 数 量 表 現 な ど に 注 目 す る と 5 つ の 類 型 に ま と め ら れ , 要 素 の 〈 非 限 定 〉 と 量 の 〈 非 限 定 〉 と い う 2 つ の 側 面 を 持 つ こ と , を 示 す 。 さ ら に , ダ ケ デ ナ ク 構 文 の よ う な と り た て 表 現 , 並 列 表 現 , 接 続 詞 等 が 共 起 す る 事 例 の 分 析 を 進 め て い く と , 必 然 的 に 「 と り た て 」 概 念 や 研 究 の 射 程 の 再 検 討 を 含 め た 形 で と り た て 研 究 が 展 開 さ れ て い く こ と に な る , と い う こ と を 述 べ る 。

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日 本 語 文 法 学 会 第 20 回 大 会 発 表 要 旨 C 会 場 13: 30~ 14: 10 「( 過 去 に ) ~ シ タ カ 」 に 対 す る 「 シ ナ カ ッ タ 」 と 「 シ テ イ ナ イ 」 の 使 用 条 件 高 恩 淑 ( 一 橋 大 学 非 常 勤 講 師 ) 現 代 日 本 語 に お い て「 何 々 シ タ カ 」と い う 質 問 に 対 す る 否 定 の 返 答 に は 、「 シ ナ カ ッ タ 」 と 「 シ テ イ ナ イ 」 の 二 つ の 形 式 が 多 く 使 わ れ る 。 日 本 語 教 育 の 現 場 で は 、 発 話 時 に お い て 実 現 可 能 性 が あ れ ば 完 了 を 表 す 「 シ テ イ ナ イ 」 が 使 わ れ 、 発 話 時 に お い て 実 現 可 能 性 が な け れ ば 過 去 を 表 す 「 シ ナ カ ッ タ 」 が 使 わ れ る と い う 説 明 が 一 般 的 で あ る 。 し か し 、 実 際 の 会 話 で は 、 明 ら か に 過 去 の 事 態 で あ っ て も 「 シ テ イ ナ イ 」 が 使 わ れ る こ と が よ く あ る 。 従 来 の 研 究 で は 、否 定 応 答 文 に お け る「「 シ ナ カ ッ タ 」と「 シ テ イ ナ イ 」の 使 用 条 件 を 文 の 語 用 論 的 な 機 能 だ け で 説 明 す る こ と が 多 か っ た が 、 本 発 表 で は 、「( 過 去 に ) ~ シ タ カ 」 に 対 す る 「 シ ナ カ ッ タ 」 と 「 シ テ イ ナ イ 」 の 使 用 傾 向 を 統 語 論 的 な 観 点 か ら 分 析 を 試 み た い 。 ま ず 、 述 語 動 詞 の 種 類 に 着 目 し 、 次 に 主 体 の 意 志 介 入 の 有 無 を 問 う 。 最 後 に 、 話 し 手 の 心 的 態 度 の 焦 点 を 当 て て 、 考 察 を 行 う 。

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日 本 語 文 法 学 会 第 20 回 大 会 発 表 要 旨 B 会 場 14: 20~ 15: 00 「 て お く 」 に お け る 命 令 表 現 の 機 能 佐 藤 琢 三 (学 習 院 女 子 大 学 )・ 庵 功 雄 (一 橋 大 学 ) 一 般 的 に 補 助 動 詞「 て お く 」は 、「 準 備 」の 意 味 を 表 す と さ れ る 。し か し 、こ れ ま で も 指 摘 さ れ て き た よ う に 、「 て お く 」の 文 に は 準 備 の 意 味 が 明 白 に は 読 み と れ な い も の 、ま た「 て お く 」が つ か な く と も 準 備 を 表 す も の な ど も 少 な く な い 。本 発 表 は 特 に 命 令 表 現 に 着 目 し 、 ①「 て お く 」は 限 界 性 を も ち う る 動 詞 に つ く た め 、「 て お い て く だ さ い 」は あ る 時 点 以 前 に 動 作 を 完 了 す る こ と を 命 じ る 、 ② 「 て お い て く だ さ い 」 は 、 デ フ ォ ル ト に お い て 発 話 時 よ り 後 の 時 点 に お け る 動 作 の 実 行 を 命 じ る 、 と い う 点 を 主 張 す る 。 ま た 、 こ れ ら の 特 徴 が 、 「 準 備 」 と い う 基 本 的 意 味 特 徴 や 、 段 取 り 意 識 と 行 為 遂 行 の タ イ ミ ン グ 考 慮 が 強 く 働 い た 場 合 に 使 わ れ や す い と い う 語 用 論 的 特 徴 と 整 合 的 で あ る こ と を 論 じ る 。

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日 本 語 文 法 学 会 第 20 回 大 会 発 表 要 旨 C 会 場 15: 10~ 15: 50 ガ 節 に お け る 従 属 節 事 態 先 行 型 の ル 形 三 好 伸 芳 ( 実 践 女 子 大 学 ) 日 本 語 に は「 絶 対 テ ン ス / 相 対 テ ン ス 」と 呼 ば れ る テ ン ス 解 釈 の 分 類 が 存 在 す る が 、「 カ ラ 節 / ノ デ 節 」 に は 、 そ の よ う な 分 類 に 当 て は ま ら な い 「 従 属 節 事 態 先 行 型 」 の ル 形 が あ る こ と が 知 ら れ て お り 、岩 崎 卓( 1994)「 ノ デ 節 、カ ラ 節 の テ ン ス に つ い て 」(『 国 語 学 』179, pp. 1-12.)な ど の 研 究 に よ っ て 詳 細 な 分 析 が な さ れ て い る 。一 方 で 、従 属 節 事 態 先 行 型 の ル 形 は 、 次 の よ う に ガ 節 で も 現 れ る こ と が で き る 。 ( i) ( 花 子 が 太 郎 を 批 判 し た 。) 太 郎 が 反 論 す る が 、 花 子 は 意 に 介 さ な か っ た 。 本 研 究 で は 、 従 属 節 事 態 先 行 型 の ル 形 が ガ 節 に も 現 れ る こ と を 確 認 し た う え で 、 ① ど の よ う な 環 境 に お い て 当 該 の 例 が 成 立 す る の か 、 ② な ぜ 当 該 の 環 境 に お い て ル 形 が 現 れ る こ と が 可 能 な の か を 明 ら か に す る 。

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日 本 語 文 法 学 会 第 20 回 大 会 発 表 要 旨 C 会 場 16: 10~ 16: 50 従 属 節 に お け る 補 助 動 詞 “ し ま う ” 近 藤 優 美 子 ( 京 都 外 国 語 大 学 ・ 大 阪 大 学 大 学 院 生 ) 補 助 動 詞 “ し ま う ”( 以 下 “ テ シ マ ウ ”) は , 従 属 節 に お い て , 主 節 と は 異 な る 現 象 を み せ る 。 ① 補 助 動 詞 で は テ シ マ ウ の み が 前 接 動 詞 と の 間 に 助 詞 が 挿 入 で き な い が , 従 属 節 で は , 終 了 用 法 ( テ シ マ ウ を 含 む 動 詞 句 の 事 態 が 終 点 に 達 し た こ と を 明 示 す る ) は 助 詞 が 挿 入 で き る 。 一 方 , 事 態 が 想 定 外 と の 評 価 を 表 す 想 定 外 用 法 は , 従 属 節 で も 助 詞 を 挿 入 で き な い 。 ② 補 助 動 詞 は 原 則 的 に 独 自 の ア ク セ ン ト 型 を 失 う が , 従 属 節 で は 一 部 保 持 す る 。 こ の 現 象 の 検 証 に , い わ ゆ る 「 文 法 化 」 の 観 点 を 援 用 し , 次 の 2 点 を 主 張 す る 。 1 . 従 属 節 で 助 詞 が 挿 入 で き る 終 了 用 法 は , 助 詞 が 挿 入 で き な い 想 定 外 用 法 よ り 自 立 性 を 保 ち , 元 と な る 動 詞 “ し ま う ” に 近 い 性 質 を 有 す る 。 2 . 助 詞 挿 入 と ア ク セ ン ト 型 の 保 持 は , テ シ マ ウ が 自 立 性 を 保 つ こ と を 示 す こ と か ら , こ の 2 つ の 現 象 が み ら れ る 従 属 節 で は , そ れ が み ら れ な い 主 節 と 比 べ , い わ ゆ る 「 文 法 化 」 が 進 み に く い と い う 仮 説 が 示 唆 さ れ る 。

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日 本 語 文 法 学 会 第 20 回 大 会 発 表 要 旨 C 会 場 17: 00~ 17: 40 テ キ ス ト に お け る ハ と ガ の 対 立 ― 辞 書 は 新 し い の が い い 構 文 の 考 察 ― 石 原 佳 弥 子 ( 一 橋 大 学 大 学 院 生) 野 田 (1996)は 「 X は Y が Z 」 構 文 の 「 辞 書 は 新 し い の が い い 」 構 文 の 中 で ガ が 排 他 の 意 味 を 持 つ タ イ プ を 「選 択 型 」と 呼 ん で い る が , こ の 「 選 択 型 」 の 文 で は Y 部 分 が 情 報 構 造 の 焦 点 に な る と 考 え ら れ る 。 こ の こ と を 受 け て 「 辞 書 は 新 し い の が い い 」 構 文 の 選 択 型 と 考 え ら れ る 用 例 を「 現 代 日 本 語 書 き 言 葉 均 衡 コ ー パ ス (BCCWJ)」か ら 抽 出 し ,〔 相 手 に 勧 め る 〕 意 味 を も つ 場 合 に は Y が 情 報 構 造 の 焦 点 に な る と い う 仮 説 を 立 て そ の 成 立 の 可 否 と 条 件 を 調 査・考 察 し た 。本 発 表 で は ,「 辞 書 は 新 し い の が い い 」構 文 の 選 択 型 の 文 で X と Y が あ る 一 定 の 関 係 性 を 持 ち ,テ キ ス ト に お い て X 名 詞 句 が 照 応 関 係 に な い も の は X が 主 題 と な り , 「 Y が Z 」 が 情 報 構 造 の 焦 点 と な る こ と , ま た , そ の 条 件 以 外 で は す べ て の 文 で Y が 情 報 構 造 の 焦 点 に な る と い う 調 査 ・ 考 察 か ら 得 ら れ た 結 果 を 発 表 す る 。 野 田 尚 史 (1996)『「 は 」 と 「 が 」』 く ろ し お 出 版

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日 本 語 文 法 学 会 第 20 回 大 会 発 表 要 旨 D 会 場 13: 30~ 14: 10 働 き か け と 変 化 の 文 法 ― 被 害 受 身 を 中 心 に ― 鄭 宇 鎭 ( 東 京 大 学 大 学 院 生 )・ 田 中 太 一 ( 東 京 大 学 大 学 院 生 ) 日 本 語 受 身 文 に は 、「 太 郎 は 父 親 に 殴 ら れ た 。」 の よ う に 主 語 の 指 示 対 象 に 生 じ る 被 害 を 義 務 的 に 表 す わ け で は な い も の と 、「 太 郎 は 父 親 に 死 な れ た 。」 の よ う に 主 語 の 指 示 対 象 に 生 じ る 被 害 を 義 務 的 に 表 す も の が 存 在 す る 。 本 発 表 で は 、 行 為 連 鎖 モ デ ル に よ っ て 受 身 文 を 分 析 す る こ と で 、行 為 者 の 対 象 に 対 す る〈 働 き か け 〉と 対 象 の〈 変 化 〉の う ち 、〈 働 き か け 〉 の 強 弱 が 被 害 性 の 有 無 と 相 関 す る こ と を 明 ら か に す る 。 こ の よ う な 相 関 が 存 在 す る の は 、私 た ち の 知 識 に「〈 働 き か け 〉の 強 弱( 有 無 )と〈 変 化 〉 の 強 弱 ( 有 無 ) に は 相 関 が あ る 。〈 働 き か け 〉 が 強 い ほ ど 〈 変 化 〉 が 生 じ や す い 。」 と い う 〈 働 き か け 〉 と 〈 変 化 〉 の 関 係 に か ん す る 素 朴 モ デ ル が 存 在 す る た め で あ る 。 本 発 表 で は さ ら に 、こ の モ デ ル が 、ニ 受 身 と ニ ヨ ッ テ 受 身 の 重 要 な 相 違 点 を 示 す こ と 、「 目 を 輝 か せ る 」 タ イ プ の 構 文 の 意 味 記 述 に お い て も 有 用 で あ る こ と を 示 す 。

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日 本 語 文 法 学 会 第 20 回 大 会 発 表 要 旨 D 会 場 14: 20~ 15: 00 国 語 辞 書 に お い て 自 他 両 用 と さ れ る 二 字 漢 語 サ 変 動 詞 の 用 法 - コ ー パ ス に 基 づ い て - 楊 健 (神 戸 市 外 国 語 大 学 大 学 院 生 ) 本 発 表 は 国 語 辞 書 に お い て「 自 他 両 用 」と さ れ る 二 字 漢 語 サ 変 動 詞 に 着 目 し 、『 現 代 日 本 語 書 き 言 葉 均 衡 コ ー パ ス 』(BCCWJ)を 用 い て 、二 字 漢 語 サ 変 動 詞 の 使 用 実 態 に 基 づ い て 、二 字 漢 語 サ 変 動 詞 の 使 用 上 の 用 法 を 検 討 す る 。 次 の 2 点 に つ い て 述 べ る 。 ① 国 語 辞 書 で 「 自 他 両 用 」と 判 定 さ れ て い る 二 字 漢 語 サ 変 動 詞 は 、必 ず し も「 非 対 格 構 文 vs 対 格 構 文 」と い う 対 応 関 係 を 持 つ わ け で は な い 。 ほ か に 「 非 能 格 構 文 vs 対 格 構 文 」 の 対 応 関 係 を 持 つ 動 詞 、 ニ 格 を 取 る 自 動 詞 用 法 を 併 せ 持 つ 動 詞 、 ヲ 格 と 取 る 他 動 詞 用 法 が 見 ら れ な い 動 詞 が 含 ま れ て い る 。② 二 字 漢 語 サ 変 動 詞 の な か に は 、「 自 他 両 用 」と は い え 、自 他 用 法 に 偏 り が 見 ら れ る も の が あ る 。 他 動 詞 用 法 が 劣 勢 に な り つ つ あ り 、 自 動 詞 専 用 化 の 傾 向 が あ る も の が 存 在 し (消 滅 、減 少 、増 加 な ど )、自 動 詞 用 法 が 劣 勢 に な り つ つ あ り 、他 動 詞 専 用 化 の 傾 向 が あ る も の も 存 在 す る (開 始 、 破 壊 )。

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日 本 語 文 法 学 会 第 20 回 大 会 発 表 要 旨 D 会 場 15: 10~ 15: 50 二 つ の 語 用 論 的 分 業 ― 語 彙 的 ・ 生 産 的 使 役 と 能 ・ 受 動 ― ル デ ィ ・ ト ー ト ( 長 崎 大 学 ) 形 式 的 に 無 標 な 語 彙 的 使 役 が 意 味 的 に も 無 標 で 、 形 式 的 に 有 標 な 生 産 的 使 役 が 意 味 的 に も 有 標 で あ る こ と を 「 語 用 論 的 分 業 」 と し て 捉 え る 分 析 が あ る 。 更 に 、 発 話 過 程 に お い て は 解 釈 過 程 も 参 照 さ れ 、 解 釈 過 程 に お い て は 発 話 過 程 も 参 照 さ れ る 双 方 向 的 な 形 式 的 モ デ ル も 提 唱 さ れ て い る 。 主 語 の 指 示 対 象 の 属 性 が 含 意 さ れ る 属 性 叙 述 受 動 文 と 、 主 語 の 指 示 対 象 と 何 ら か の 関 連 を 有 す る「 潜 在 的 受 影 者 」の 受 影 性 が 含 意 さ れ る 潜 在 的 受 影 者 受 動 文 も 、 対 応 す る 能 動 文 よ り 有 標 な 形 式 で あ る だ け で な く 、 対 応 す る 能 動 文 に は 必 ず し も 伴 わ な い 非 動 作 主 に 関 連 す る 含 意 を 持 つ こ と に よ り 意 味 的 に も 有 標 で あ る と 言 え る 。 本 発 表 の 主 な 目 的 は 、 こ れ ら の 現 象 が ど の 程 度 平 行 的 で あ る か 吟 味 す る こ と で あ る 。 こ れ ら の 受 動 文 の 発 話 過 程 の 調 和 文 法 ( H a r m o n i c G r a m m a r ) に よ る モ デ ル を 紹 介 し て か ら 、 語 用 論 的 分 業 の 分 析 を そ れ に 適 用 し 、 双 方 向 的 解 釈 過 程 の モ デ ル を 提 示 す る 。

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日 本 語 文 法 学 会 第 20 回 大 会 発 表 要 旨 D 会 場 16: 10~ 16: 50 副 詞 か ら 見 た 古 代 語 と 近 代 語 川 瀬 卓 ( 白 百 合 女 子 大 学 ) 副 詞 の 歴 史 的 研 究 は 、 と も す れ ば 個 別 の 語 史 的 研 究 で 終 わ り が ち で あ る 。 も ち ろ ん 個 別 の 語 史 の 積 み 重 ね が 重 要 で あ る こ と は 言 う ま で も な い が 、 一 方 で 、 全 体 的 な 視 野 か ら 日 本 語 史 全 体 の 問 題 と し て 捉 え 直 す こ と も 必 要 で あ ろ う 。 こ れ ま で の 日 本 語 史 研 究 に お い て 、 様 々 な 立 場 か ら 古 代 語 と 近 代 語 の 違 い に つ い て 指 摘 さ れ て い る が 、 副 詞 に 焦 点 を 当 て て 考 察 し た も の は さ ほ ど 多 く な い 。 本 発 表 で は 副 詞 を 視 点 と し て 、 古 代 語 と 近 代 語 の 特 徴 を 考 え て み た い 。 具 体 的 に は 、 不 定 語 と 助 詞 に よ っ て 構 成 さ れ る 副 詞 (「 い か に も 」「 ど う も 」 「 ど う ぞ 」「 ど う か 」)、仮 定 と 可 能 性 想 定 と 呼 応 す る 副 詞(「 も し 」「 も し か し た ら 」類 、「 ひ ょ っ と し た ら 」 類 ) と い う 二 つ の 事 例 を も と に 、 従 来 文 法 史 研 究 で 指 摘 さ れ て き た 分 析 的 傾 向 ( 文 法 的 意 味 の 分 担 ) が 副 詞 に お い て も 生 じ る こ と を 述 べ る 。 ま た 、 副 詞 の 発 達 に 関 す る 仮 説 と 今 後 考 え て い く べ き 課 題 に つ い て も 示 し た い 。

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日 本 語 文 法 学 会 第 20 回 大 会 発 表 要 旨 D 会 場 17: 00~ 17: 40 近 代 語 に お け る 「 V ツ ツ ア ル 」 の 用 法 に 関 す る 考 察 ― 明 治 期 の 英 語 の 「 be+Ving」 を 通 し て ― 徐 恵 君 ( 拓 殖 大 学 大 学 院 生 ) 本 発 表 で は 、明 治 期 の 英 語 の「be+Ving」を 通 し て 、近 代 語 に お け る「 V ツ ツ ア ル 」の 用 法 に 関 す る 研 究 成 果 に つ い て 発 表 す る 。 内 容 は 、 次 の 通 り で あ る 。 1. 幕 末 か ら 明 治 初 期 に 作 ら れ た 英 学 資 料 、『 明 治 文 学 全 集 』、明 治 に お け る 新 聞 資 料 を も と に 、 近 代 語 に お け る 「V ツ ツ ア ル 」 は 翻 訳 表 現 で あ る か ど う か に つ い て 考 察 し た ( 調 査 1)。2. 明 治 の 英 語 読 本( 原 文 と 訳 文 )を 用 い て 、進 行 形 時 制 表 現( 現 在 進 行 形 、過 去 進 行 形 、 未 来 進 行 形 、 現 在 完 了 進 行 形 、 過 去 完 了 進 行 形 、 未 来 完 了 進 行 形 ) に つ い て 、 英 語 の 「be+Ving」( Ving は 動 詞 の 現 在 分 詞 )の 部 分 が 日 本 語 に ど の よ う に 翻 訳 さ れ て い る か を 調 査 し た ( 調 査 2) 。 3. 明 治 期 の 英 語 読 本 に お け る 「 be+ Ving」 の 例 文 を 分 析 し 、 当 時 の 進 行 形 の 用 法 を 明 ら か に し た 。4. 明 治 期 の 英 語 読 本 に お け る 「 be+ Ving」 の 翻 訳 状 況 と 用 法 を 明 ら か に す る こ と を 通 し 、 翻 訳 表 現 と し て の 「V ツ ツ ア ル 」 の 用 法 を 考 察 し た 。

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日 本 語 文 法 学 会 第 20 回 大 会 発 表 要 旨 パ ネ ル セ ッ シ ョ ン 9: 50~ 11: 30 日 琉 諸 方 言 の 格 と 情 報 構 造 司 会 者 : 小 西 い ず み ( 広 島 大 学 ) 発 表 者 : 下 地 理 則 ( 九 州 大 学 )、 佐 々 木 冠 ( 立 命 館 大 学 )、 松 岡 葵 ( 九 州 大 学 大 学 院 生 ) コ メ ン テ ー タ ー : 風 間 伸 次 郎 ( 東 京 外 国 語 大 学 ) 2009 年 ユ ネ ス コ が 発 表 し た 消 滅 危 機 言 語 の 一 覧 に ア イ ヌ 語 や 八 丈 語 、琉 球 諸 語 が 含 ま れ た こ と を 契 機 と し 、 そ れ ら の 言 語 の 記 録 と 継 承 の 重 要 性 が 一 段 と 強 く 認 識 さ れ る よ う に な っ た 。 日 本 語 の 地 域 方 言 に お け る 標 準 語 化 の 進 行 に 対 す る 危 機 意 識 も 促 さ れ た 。 こ う し た 状 況 を ふ ま え 、 国 立 国 語 研 究 所 の 共 同 研 究 プ ロ ジ ェ ク ト 「 日 本 の 消 滅 危 機 言 語 ・ 方 言 の 記 録 と ド キ ュ メ ン テ ー シ ョ ン の 作 成 」( 略 称「 危 機 言 語・方 言 」、リ ー ダ ー:木 部 暢 子 )が 2016 年 度 に 始 ま っ た 。プ ロ ジ ェ ク ト の 主 目 的 は 、(1)日 本 各 地 の 消 滅 危 機 言 語・方 言 の 記 録 の 作 成 、 (2)そ の 言 語 の 特 徴 の 分 析 、 (3)消 滅 危 機 言 語 ・ 方 言 の 維 持 の 方 法 の 検 討 や 継 承 活 動 の 支 援 で あ る 。こ の う ち 最 も 基 礎 的 な (1)に は 全 て の 対 象 言 語・方 言 の 文 法 書 の 作 成 が 含 ま れ る 。 プ ロ ジ ェ ク ト で は そ の 支 援 の た め に 、 共 通 調 査 項 目 を 選 定 し 、 年 度 ご と に 重 点 テ ー マ を 設 け て 研 究 発 表 会 を 開 催 す る な ど し て 成 果 を 蓄 積 し て き た 。 本 パ ネ ル セ ッ シ ョ ン で は そ の う ち 「 格 ・ 情 報 構 造 」 を テ ー マ と し 、 日 琉 諸 方 言 の 格 ・ 情 報 構 造 に 関 し て 記 述 面 で 何 が 明 ら か に な り 、 ど の よ う な 理 論 的 示 唆 が 得 ら れ る の か を 議 論 す る 。 趣 旨 説 明 の あ と 、 次 の 3 件 の 発 表 を 行 う 。 1. 下 地 理 則 「 日 琉 諸 語 の 格 体 系 の 多 様 性 の 記 述 と 説 明 モ デ ル の 構 築 を 目 指 し て 」 2. 佐 々 木 冠 「 日 本 語 方 言 の 斜 格 に お け る 意 味 役 割 と 名 詞 句 階 層 」 3. 松 岡 葵「 心 情 述 語 文 に お け る 述 語 の 品 詞 と 格 フ レ ー ム と の 関 連 性:日 本 語 標 準 語 と 宮 崎 県 椎 葉 村 尾 前 方 言 を 中 心 に 」 発 表 1 の 下 地 は 、 危 機 言 語 ・ 方 言 プ ロ ジ ェ ク ト の 中 心 的 メ ン バ ー と し て 宮 古 語 伊 良 部 島 方 言 な ど を 担 当 す る ほ か 、 文 法 書 の ア ウ ト ラ イ ン や 共 通 調 査 項 目 の 作 成 を 主 導 し て き た 。 本 発 表 で は 、『 日 本 語 の 格 標 示 と 分 裂 自 動 詞 性 』( 竹 内 史 郎 ・ 下 地 理 則 編 、 く ろ し お 出 版 、 2019) な ど の 成 果 に 基 づ き 、 標 準 語 を 含 め た 全 国 諸 方 言 ( 東 北 か ら 琉 球 ま で ) の 主 格 ガ 系 の 分 布 パ タ ー ン に 関 す る 方 言 バ リ エ ー シ ョ ン を フ ィ ー ル ド デ ー タ を も と に 論 じ る 。 そ の 上 で 、 こ の 方 言 バ リ エ ー シ ョ ン を 統 一 的 に 説 明 す る に は 、 ガ が も つ 情 報 構 造 上 の 機 能 ( 脱 主 題 化 機 能 ) が 重 要 な ポ イ ン ト と な る こ と を 示 す 。 発 表 2 の 佐 々 木 は 、 茨 城 県 水 海 道 方 言 に お け る 格 の バ リ エ ー シ ョ ン と そ の 意 味 的 ・ 統 語 的 性 質 を 記 述 し て い る (『 水 海 道 方 言 に お け る 格 と 文 法 関 係 』 く ろ し お 出 版 、 2004)。 同 方 言 は 、 連 体 修 飾 構 造 に 現 れ る 格 と し て 3 形 式 、 対 格 と し て 名 詞 句 の 有 生 性 に よ り 区 別 さ れ る 2 形 式 、標 準 語 の「 に 」に 対 応 し て 与 格( 有 生 / 無 生 の 区 別 あ り )・ 経 験 者 格 ・ 位 格 が 区 別 さ れ る 。 こ の 発 表 で は 、 佐 々 木 が 上 掲 書 以 降 継 続 し て 研 究 し て き た 、 日 本 語 諸 方 言 に お け る 斜 格 の バ リ エ ー シ ョ ン と そ の 意 味 的 ・ 統 語 的 性 質 に つ い て 、 特 に 意 味 役 割 と 名 詞 句 階 層 上 の 位 置 づ け に 着 目 し て 整 理 ・ 記 述 す る と と も に 、 そ の 理 論 的 検 討 を 行 う 。 発 表 3 の 松 岡 は 、 危 機 言 語 ・ 方 言 プ ロ ジ ェ ク ト の 対 象 方 言 の 一 つ 宮 崎 県 椎 葉 村 尾 前 方 言 の 心 情 形 容 詞 文 (「 私 は 太 郎 が 憎 い / 怖 い 」 等 ) に お い て 、《 経 験 者 項 - 刺 激 項 》 が 標 準 語

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と 同 様 の 《 主 格 - 主 格 》 の ほ か 、 述 語 に よ っ て は 《 主 格 - 対 格 》 ま た は 《 主 格 - 与 格 》 を と る こ と を 記 述 し 、そ の 類 型 論 的 な 位 置 づ け を 考 察 し て い る(「 言 語 類 型 論 的 観 点 か ら 見 た 宮 崎 県 椎 葉 村 尾 前 方 言 に お け る 形 容 詞 経 験 者 構 文 の 格 標 示 」 第 158 回 日 本 言 語 学 会 大 会 、 2019)。本 発 表 で は 、心 情 述 語 文 に つ い て 、述 語 の 品 詞 が 格 フ レ ー ム に 与 え る 影 響 に 着 目 し 、 日 本 語 標 準 語 と 尾 前 方 言 を 中 心 に 検 討 す る 。 3 件 の 発 表 を 受 け 、 風 間 が 、 特 に 言 語 類 型 論 の 観 点 か ら 記 述 ・ 理 論 的 意 義 や 課 題 に つ い て コ メ ン ト す る 。 さ ら に 、 参 加 者 か ら の 質 疑 を 受 け 、 全 体 で 議 論 す る 。

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日 本 語 文 法 学 会 第 20 回 大 会 発 表 要 旨 チ ュ ー ト リ ア ル 9: 50~ 11: 30 言 語 類 型 論 と 周 辺 諸 言 語 か ら 見 た 日 本 語 形 態 法 江 畑 冬 生 ( 新 潟 大 学 ) 本 チ ュ ー ト リ ア ル で は 次 の こ と を 論 じ る . ま ず , 形 態 的 単 位 に 関 す る 基 本 概 念 の 整 理 を 行 う .具 体 的 に は ,自 立 語・接 語・接 辞・自 由 形 態 素・( 非 )自 立 形 式 の 区 別 ,屈 折( 接 辞 ) と 派 生 ( 接 辞 ) の 区 別 の 問 題 を 扱 う . 次 に , 形 態 類 型 論 に 関 す る 基 本 概 念 の 整 理 を 行 う . こ こ で は 孤 立 語・膠 着 語・屈 折 語・複 統 合 語 の 区 別 の 問 題 や「 抱 合 」現 象 に つ い て 述 べ る . 以 上 を 踏 ま え た 本 チ ュ ー ト リ ア ル の 中 心 部 分 は , 形 態 的 類 型 論 と 周 辺 諸 言 語 を 考 慮 し な が ら , 日 本 語 形 態 法 の 諸 問 題 を 論 じ る こ と に あ る . 日 本 語 動 詞 形 態 法 の 概 要 , 日 本 語 動 詞 の 活 用 体 系 , 名 詞 形 態 法 と 動 詞 形 態 法 そ れ ぞ れ の 特 徴 に つ い て , 具 体 例 を 取 り 上 げ な が ら 論 じ る . 最 後 に , 日 本 語 ( お よ び 周 辺 諸 言 語 ) の 形 態 法 か ら 一 般 言 語 学 お よ び 言 語 類 型 論 に 対 し ど の よ う な 示 唆 が 得 ら れ る の か を 検 討 す る . 特 に 語 彙 的 緊 密 性 と 統 語 的 派 生 の 問 題 お よ び 音 韻 語 と 文 法 語 の 区 別 の 問 題 を 取 り 上 げ る .

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日 本 語 文 法 学 会 第 20 回 大 会 発 表 要 旨 シ ン ポ ジ ウ ム 13: 40~ 15: 50 受 身 の タ イ プ 再 考 杉 本 武 ( 筑 波 大 学 ) 受 身 文 の 研 究 に お い て 、 直 接 受 身 文 と 間 接 受 身 文 、 ま と も の 受 身 文 と 迷 惑 の 受 身 文 、 あ る い は こ れ ら に 加 え 所 有 者 受 身 文 、 ま た 、 降 格 受 身 文 と 昇 格 受 身 文 な ど の よ う に 、 い く つ か の タ イ プ 分 け が な さ れ 、 そ の 上 で 受 身 文 に つ い て 論 じ ら れ て き た 。 こ れ ら の タ イ プ 分 け は 、 観 点 の 違 い も あ り 、 必 ず し も 一 致 し な い 。 こ れ ら の タ イ プ 分 け を そ の 観 点 の 違 い を 中 心 に 概 観 し た 上 で 、 周 辺 的 な 受 身 文 と し て 、 気 象 受 身 文 と 移 動 動 詞 の 受 身 文 を 取 り 上 げ 、 ど の よ う な タ イ プ に な る の か 検 討 す る 。 こ れ に よ っ て 、 受 身 文 の タ イ プ に つ い て 残 さ れ た 課 題 を 示 す 。

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日 本 語 文 法 学 会 第 20 回 大 会 発 表 要 旨 シ ン ポ ジ ウ ム 13: 40~ 15: 50 日 本 語 受 身 文 研 究 の 視 座 益 岡 隆 志 ( 関 西 外 国 語 大 学 ) 本 発 表 で は , 文 の 形 と 意 味 の 相 関 を 追 究 す る 文 論 ( sentence grammar) の 立 場 か ら , 現 代 日 本 語 の 受 身 文 を 分 析 す る た め の 視 座 ( perspectives) を 提 示 す る 。 本 発 表 の 構 成 は 次 の と お り で あ る 。 は じ め に , 発 表 者 が 接 し た 先 行 研 究 の な か で 本 発 表 と の 関 係 で 特 に 注 目 さ れ る 研 究 の 内 容 を 素 描 す る 。 そ れ を も と に , 受 身 文 研 究 の 視 座 と し て ,( ⅰ )「 叙 述 類 型 の 視 座 」(「 事 象 叙 述 受 身 文 」 vs.「 属 性 叙 述 受 身 文 」),( ⅱ )「 主 観 性 の 視 座 」( 事 象 叙 述 受 身 文 に お け る 「 受 影 受 身 文 」 vs.「 中 立 受 身 文 」),( ⅲ )「 意 味 的 ネ ッ ト ワ ー ク の 視 座 」( 受 影 受 身 文 と 受 益 文 の 意 味 的 関 連 ) を 話 題 に 供 す る 。 最 後 に , 本 発 表 に 関 わ る さ ら な る 課 題 に 触 れ る 。

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日 本 語 文 法 学 会 第 20 回 大 会 発 表 要 旨 シ ン ポ ジ ウ ム 13: 40~ 15: 50 ニ 受 身 文 と 被 害 の 意 味 に つ い て 金 水 敏 ( 大 阪 大 学 ) 本 発 表 で は 、 金 水 ( 印 刷 中 ) で 述 べ た 、 受 動 化 の 動 機 付 け の 観 点 か ら ニ 受 身 文 、 ニ ヨ ッ テ 受 身 文 、ゼ ロ 受 身 文 の 相 違 点 に つ い て 説 明 す る と と も に 、林 下・後 藤・金 水 (2016; 2017) で 述 べ て い る「 除 項 ラ レ・加 項 ラ レ 」の 区 別 と の 関 連 に つ い て も 触 れ る 。枠 組 み と し て は 、 主 と し て ビ リ ヤ ー ド ボ ー ル ・ モ デ ル お よ び 降 格 / 昇 格 受 動 文 の 観 点 を 用 い 、 日 本 語 の 受 身 文 の 動 機 付 け に つ い て 説 明 し 、 ニ 受 身 文 が 必 ず し も 被 影 響 ・ 被 害 の 意 味 の み か ら 説 明 す る べ き で は な い こ と 、 ま た 視 点 固 定 の 原 則 が 受 動 化 の 動 機 付 け と し て 関 与 し て い る 場 合 の 少 な く な い こ と を 述 べ る 。林 下・後 藤・金 水 (2016; 2017) で 触 れ た「 除 項 ラ レ・加 項 ラ レ 」 の 理 論 に 対 し て は 、 概 ね 整 合 的 で あ る が 、 精 密 な 記 述 の た め に な お い く つ か の 意 味 論 的 な 制 約 を 仮 定 す る 必 要 が あ る こ と を 述 べ る 。

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日 本 語 文 法 学 会 第 20 回 大 会 発 表 要 旨 シ ン ポ ジ ウ ム 13: 40~ 15: 50 文 法 研 究 者 ・ 日 本 語 教 授 者 ・ 日 本 語 学 習 者 の 目 で 受 身 を 見 る - あ わ せ て , 被 害 性 の 有 無 に か か わ る 要 因 を 求 め る - 菊 地 康 人 ( 東 京 大 学 ) 文 法 研 究 と 日 本 語 教 育 を 行 き 来 し な が ら 話 を 展 開 す る 。 ま ず , 直 接 受 身 ・ 間 接 受 身 ・ 持 ち 主 の 受 身 に つ い て 振 り 返 っ た 上 で , 日 本 語 教 育 に お け る 受 身 の 問 題 点 を 見 る 。 日 本 語 教 育 で は , 受 身 を こ の 3 つ に 分 け て 教 え る こ と が 多 い が , 分 類 や , 各 タ イ プ の 能 動 文 ( 的 な も の ) と 受 身 と の 対 応 の 説 明 が 難 し く 映 り , 受 身 を 適 切 に 使 い こ な せ な い 学 習 者 が 多 い 。 ま た , 日 本 語 教 育 の 受 身 は , 被 害 系 に 偏 り が ち で あ る 。 こ れ ら の 問 題 点 を 解 決 す る 指 導 法 を 発 表 者 ら は 開 発 し て き た の で , そ れ を 紹 介 す る 。 そ の 際 , 個 々 の 受 身 文 の 被 害 性 の 有 無 を 学 習 者 が 識 別 で き る こ と が 必 要 な の で , そ の 識 別 法 と し て 「 差 し 向 け 」 と い う 概 念 を 提 案 す る 。「 イ ン ヴ ォ ル ブ メ ン ト 」よ り シ ン プ ル で ,説 明 力 も 高 く ,か つ 他 の 言 語 現 象 へ の 説 明 力 も も つ , 日 本 語 学 的 に も 有 望 な 概 念 か と 思 わ れ る 。 本 発 表 が 〈 日 本 語 教 育 か ら 日 本 語 学 へ の 貢 献 〉 と い う 方 向 の 萌 芽 的 な も の に な っ て い る と 見 て い た だ け れ ば 幸 い で あ る 。

参照

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