道
元
禅
師
と
宏
智
頌
古
⇔
黒
丸
五 八寛
之
第 十 一 則雲
門
両 病 挙 、 雲 門 大 師 云、 光 不 二 透 脱一 有 二 両般
病 叩 一 切 処 不 γ 明 、 面 前有
γ物
是 一 。 透 二 得 一 切 法 空→ 隠 隠 地 似 γ 有 二箇
物一 相 似、 亦 是 光 不 二 透 脱 殉 又 法身
亦有
二 両 般病
殉 得 F 到 二 法身
一為
二 法執
不 レ 忘 、 巳 見 猶 存一 堕 二在
法 身 辺 哨 是 一 。 直饒
透 得 放 過 即 不 可 、 子 細 点 検 将来
有
一甚
麼
気 息 →亦
是 病 。 こ の 公 案 は 、雲
門
が 参 禅 学道
上 の 用 心 を 示 し て 、 我 執 と 法 執 を 両 般 の 病 と し て 斥 け た も の で あ る 。 道 元 禅 師 に は、 こ の 本 則 に つ い て の 直接
的
な 提 唱 は見
ら れ な い が、 雲 門 の 「 透 法 身 の 句 」 に つ い て 『 永 平 広 録 』 に 二箇
所 の 上 堂 語 が 存 す る の で 、 本稿
で は 間接
的
な 関 連 事 項 と し て こ の 本 則 を 取 り 上 げ た 。 『 永 平 広 録 』 の 上 堂 語 は 次 の 如 く で あ る 。 上 堂 。 記 得、 僧 問 二 雲 門 噛 如 何 是 透 法 身 句 。 雲 門 日 、 北 斗 裡 蔵 γ 身 。 師 日 、 雲 門 老 人 只 道 二 得 法 身 句 噛 未 7 道 二 得 透 法 身 句 刈 或 有 7 問 二 大 仏 如 何 是 透 法 身 句 噛 即 向 7 伊 道、 法 身 裡 蔵 レ 身 。 下 座 。 ( 巻 第 二 ) 上 堂 。 記 得、 僧 問 二 雲 門 → 如 何 是 透 法 身 句 。 門 日、 北 斗 裡 蔵 ン 身 。 師 日 、 雲 門 道 也 太 熬 道 、 祗 道 二 得 八 九 成 嚇 或 有 レ 人 問 二 永 平 如 何 是 透 法 身 句 → 祗 向 γ 伊 道 、 杓 二 晉 釈 迦 噛 斗 二 量 達 磨 鴫 ( 巻 第 四 ) 『 永 平 広 録 』 第 二 巻 は 大 仏 寺 語 録 で あ り 、 第 三 巻 以 下 は 永 平 寺 語 録 で あ る が、禅
師 は 雲 門 の 透 法 身 の 句 と し て の 「北
斗 ヘ ヘ ヘ マ マ 裡 に 身 を 蔵 す 」 の 語 は 、法
身 の 句 の 道 取 で あ っ て 、 透 法身
の 句 の 道得
で は な い と い う の で あ る 。 す な わ ち 道 元 禅師
か ら は 、 雲 門 の 語 は 法 身 辺 を 示 し た も の で あ る が 、 更 に こ れ を 透 脱 す る と こ ろ が な け れ ば 透 法 身 の 句 と は な ら な い と す る の で あ っ て 、 証 上 の 修 行 を 説 く 道 元 禅 の 面 口 が よ く 表 れ て い る 。 こ の観
点 か らす
れ ば 、『
宏
智 頌 古 』 の 本 則 は 、 修 行 上 の 実 際 の 用 心 を 示 し た も の と し て 参 学 す べ き で は あ る が 、 さ ら に 本 分 上 よ り す る 透 法 身 の 開 演 を 残 し て い る、 と い う こ と に な る で あNII-Electronic Library Service ろ う 。 第 十 二 則 地 蔵
種
田挙
、 地 蔵 問 二 修 山 主 →甚
処 来 。修
云、 南方
来 。 蔵 云 、 南 方 近 日 仏 法 如 何 。 修 云 、 商 量 浩 浩 地 。 蔵 云 、争
如 我 這 裏 種 レ 田簿
γ 飯 喫 。 修 云、 争 二 奈 三界
一 何 Q 蔵 云 、 彌 喚 二 甚 陛 一作
三 二界
幻 相 の 行 履 が 示 さ れ て い る こ と は 、 証 を離
れ ぬ 修 こ そ 仏法
の真
髄
で あ る こ と を 指 摘 さ れ た も の と い え よ う 。 第 十 三則
臨 済 瞎 驢挙
、 臨 済 将 レ 示 レ 滅 嘱 二 . 二 聖 叩 吾 遷 化 後 不 γ 得 ン 滅 二 却 吾 正 法 眼 蔵 幻 聖 云、 争敢
滅
二 却 和 尚 正 法 眼 蔵 叩 済 云 、 忽 有 7 人 間 〆 汝作
麼
生 対 。 聖便
喝 。 済 云 、 誰 知 吾 正 法 眼 蔵 向 二 這瞎
驢
辺一 滅 却 。N工 工一Eleotronlo Llbrary Servloe 道 元
禅
師 は 『 永 平 広 録 』 巻 第 六 の 上 堂 語 に こ の 本 則 を 挙 げ て 、 次 の よ う に 述 べ て い る 。 地 蔵 和 尚、 紹 修 山 主、 雖 二 恁 麼 道 → 永 平 老 漢 又 有 二 道 処 殉 不 下 如 二 三 界一 見 中 三 界 が 入 出 何 妨 無 二 内 外 → 遮 莫 商 量 浩 浩 地 、 世 人 愛 処 我 何 愛 。 既 到一 一 這 裡一 畢 竟 作 麼 生 。 良 久 日 、 地 蔵 和 尚 春 農 早、 這 裡 種 γ 田 搏 レ 飯 喫 。 右 の 上 堂 語 は 『 石 頭 和 尚 草庵
歌 』 の 「 住庵
人 鎮 常 在 、 不 γ属
三 中間
与 二 内 外→ 世 人 住 処 我 不 レ 住 、 世 人愛
処 我 不 レ 愛 」 ( 大 正 五 一 ・ 四 六 一C
) の 句 に 基 づ い て 「 不 如 三 界 見 三 界 」 の境
地 か ら 、 地 蔵 和 尚 の 平 常底
の 仏 法 を 挙揚
し た も の で あ る 。 こ の 本 則 に つ い て 宏 智 頌 古 で は 「 種 ノ 田 摶 レ 飯 家 常 事 、 不 二 是 飽 参 人一 不 γ知
、 参 飽 明 知 無 二 所 求 こ と頌
し て い る が 、 『 永平
広録
』 で コ ゐ ヘ ヘ マ ヘ ヤ へ も も マ は 「 既 到 二 這 裡一 畢 竟 作 麼 生 」 と し て 「 這 裡 種 7 田 摶 グ飯
喫
」 と述
べ て い る よ う に 、飽
参
に 至 る 時 節 を 俟 た ず 、 直 下 に 諸法
実 道 元 禅 師 と 宏 智 頌 古 ( 黒 丸 ) 『臨
済 録 』 の 「 行 録 」 に 収 録 さ れ て い る 右 の 本 則 は 、 『 正 法 眼 蔵 』 で は 「 仏 道 」 の 巻 に引
用 さ れ て い る 。「 仏 道 」 の
巻
で は 、 道 元禅
師 が 宗 名 を 否 定 す る 因 み に 、臨
済 が 遷 化 に臨
ん で 「 吾 が 正 法 眼蔵
を 滅 却 す る こ と を 得 ざ れ 」 と 嘱 し て 、 「吾
が 禅 宗 」 と も 「吾
が 臨済
宗 」 と弖
一・ 口 わ な か っ た こ と を 中 心 と し て 説 か れ て い る が 、 こ の 本 則 に 関 す る 提 唱 は 次 の如
く で あ る 。 た と ひ 滅 却 は 正 法 眼 蔵 の 理 象 な り と も、 か く の ご と く 付 属 す る な り 。 向 二 這 瞎 驢 辺 一 滅 却、 ま こ と に 付 属 の 誰 知 な り 。 臨 済 門 下 に は 、 た だ 三 聖 の み な り 。 法 兄 法 弟 に お よ ぼ し 、 → 列 せ し む べ か ら ず 、 ま さ に 明 窓 下 安 排 な り 。 臨 済 三 聖 の 因 縁 は 仏 祖 な り 。 今 日 臨 済 の 付 属 は 、 昔 日 霊 山 の 付 属 な り。臨
済 と 三 聖 の 因 縁 は 仏 祖 の 行 業 と し て称
揚 さ れ 、臨
済 に よ っ て 「 誰 知 吾 正 法 眼 蔵 向 二 這 瞎 驢 辺一 滅 却 」 と道
破
さ れ た 正 法 五 九道 元 禅 師 と 宏 智 頌 古 ( 黒 丸 ) 眼 蔵 の
付
属
は、 釈尊
の 霊 山 会 上 に お け る 正 法眼
蔵
涅
槃 妙 心 の 付 属 に 異 ら な い と さ れ る 。 そ の仏
法
相 承 の 源流
と し て伝
承 さ れ る 霊 山 の 付 属 に つ い て は、 こ れ を 主 題 と し て 『 正 法 眼蔵
優曇
華 』 の 巻 が 撰 述 さ れ 、 ま た 「 面 授 」 の 巻 、 「仏
道 」 の巻
、 お よ び 「 密 語 」 の 巻 等 に お い て そ の 宗 教 的 意義
が 明 ら か に さ れ て い る 。第
十 八 則 趙 州 狗 子 挙 、僧
問 二趙
州 →狗
子 還 有 二 仏 性 一 也 無 。 州 云 、有
。 僧 云、 既有
、為
二甚
麼一 却撞
一 一 入 這 箇 皮 袋 殉 州 云 、 為 他 知 而 故 犯 。 又 有 7僧
問、狗
子 還 有 二 仏 性一 也 無 。 州 云、 無 。 僧 云 、 → 切 衆 生皆
有
二 仏 性ハ狗
子 為 二 什麼
一 却無
。 州 云、 為伊
有 業 識 在 。 趙 州 狗 子 の 公 案 は 、 い わ ゆ る無
字
の 公 案 と し て 中 国 ・ 日 本 の 禅 界 に 普 く 知 ら れ る が 、 宏 智 頌 古 の 本 則 で は 、 有 仏 性 と 無 仏 性 の 公案
か ら 成 っ て い る 。 道 元 禅師
は 『 正 法 眼蔵
仏 性 』 の 巻 で 、趙
州
の 「 有 」 と 「 為 他 知 而 故 犯 」 、 お よ び 「 無」 と 「 為 伊 有業
識
在
」 の 道 著 に つ い て 抽 提 し、 仏 性 の 本 質 を 明 ら か に し て い る 。 「 仏 性 」 の 巻 の 該 当箇
所 の 要 旨 を 抜萃
し て み る と 、先
ず 「有
」 の 意 味 に つ い て 、 こ の 有 の 様 子 は 、 教 家 の 論 師 等 の 有 に あ ら ず 、 有 部 の 論 有 に あ ら ざ る な り 。 す す み て 仏 有 を 学 す べ し 。 仏 有 は 趙 州 有 な り 、 趙 州 有 六 〇 は 狗 子 有 な り 、 狗 子 有 は 仏 性 有 な り 。 と 説 か れ る よ う に 、 こ の 有 は 「 仏有
」 す な わ ち 「 仏 性有
」 で あ る と さ れ る 。 し た が っ て 、 そ れ は有
無 の 有 で な い こ と は 明 ら か で あ り 、 悉 有 仏 性 ( 悉 有 は 仏 性 ) に 於 け る 有 仏 性 の 意味
と 解 し て よ い で あ ろ う 。 そ し て 、 こ の 有 に 関 連 す る趙
州
の 「 為 他 知 而 故 犯 」 と は 、 こ の 語 は 世 俗 の 言 語 と し て、 ひ さ し く 途 中 に 流 布 せ り と い へ ど も 、 い ま は 趙 州 の 道 得 な り 。 い ふ と こ ろ は、 し り て こ と さ ら を か す と な り 。 … … … … 知 而 の ゆ え に 故 犯 あ る べ き な り 。 し る ぺ し、 こ の 故 犯、 す な は ち 脱 体 の 行 履 を 覆 蔵 せ る な ら ん 、 こ れ 撞 入 と 説 著 す る な り 。 脱 体 の 行 履、 そ の 正 当 覆 蔵 の と き、 自 己 に も 覆 蔵 し 、 佗 人 に も. 覆 蔵 す 。 と 開 演 さ れ 、知
而 故 犯 と は 脱 体 の 行 履1
す な わ ち 仏 性 自体
の は た ら き を 示 し た 言 葉 と し て 拈提
さ れ て い る 。 次 に 趙 州 の 「無
」 に 就 い て は 、 趙 州 い は く、 無 。 こ の 道 を き き て 習 学 す べ き 方 路 あ り。 仏 性 の 自 称 す る 無 も 恁 麼 道 な る べ し 、 狗 子 の 目 称 ナ る 無 も 恁 慶 道 な る べ し 、 傍 観 者 の 喚 作 の 無 も 恁 麼 道 な る べ し 。 そ の 無 わ つ か に 消 石 の 日 あ る べ し 。 と し て 、 無 の 恁 麼 時 に は 仏 性 も無
、 狗 子 も 無、傍
観 者 も ま た無
で あ る と い う 、 無 の 尽 界 ( 消 石 の 日 ) が 説 か れ る 。 言 う ま で も な く 、 こ の 無 は 絶 対 無 、 す な わ ち 無 限 絶対
の 事 実 を い うNII-Electronic Library Service も の で あ る 。 そ し て 、 無 の 様 相 が 「 為 佗 有 業 識 在 」 と さ れ る 所 以 は 、 こ の 道 旨 は 、 為 佗 有 は 業 識 な り、 業 識 有、 為 佗 有 な り と も、 狗 子 無 、 仏 性 無 な り。 業 識 い ま だ 狗 子 を 会 せ ず 、 狗 子 い か で か 仏 性 に あ は ん。 た と ひ 双 放 双 収 す と も 、 な ほ こ れ 業 識 の 始 終 な り 。 と い う 如 く 、 為 佗
有
は 業 識i
す な わ ち 狗 子 が 業 識 有 即仏
性無
と し て 、 そ れ自
体
が 絶 対 的 な 生 命 の 真 相 で あ る こ と を 指摘
さ れ て い る 。 こ の宗
旨
の 開 演 は 『 永 平 広 録 』巻
一 の 上 堂 に も 、 上 堂 云 、 但 看 業 識 太 茫 茫、 一 切 衆 生 無 仏 性 、 下 座 。 の 語 が 見 ら れ 、 一切
衆 生 の 業 識茫
茫 の 現 実 の他
に 、 衆 生 に内
在 し或
は 衆 生 を 超 越 す る が ご と き 仏 性 は あ り得
な い こ と が 示 さ れ て い る 。 『 永 平 広 録 』 に は 又 、 次 の 上 堂語
と 頌 古 二 首 が 存 す る 。 上 堂 。 挙 二 趙 州 狗 子 無 仏 性、 狗 子 有 仏 性 一 了 、 師 乃 日、 今 日 永 平 有 二 山 偈 殉 亀 毛 兎 角 非 二 同 類 → 春 日 花 明 如 二 月 開 → 業 識 性 将一一 諸 仏 性 ( 趙 州 主 丈 一 条 来 。 ( 巻 第 六 ) 全 身 狗 子 全 身 仏、 箇 裡 難 レ 論 有 也 無 、 } 等 売 来 還 自 買、 莫 レ 憂 折 本 又 偏 枯 。 ( 巻 第 九 ) 有 無 二 仏 性、 不 7 造 二 衆 生 命 ハ 雖 γ 似 二 酪 成 τ 蘇 、 猶 如 二 滅 尽 定 → ( 巻 第 九 ) 以 上 の 所 説 に よ っ て 見 る に 、 道 元 禅 師 は 趙 州狗
子 の 公案
に 就 い て は 、 原 典 に 従 っ て有
仏 性 ・ 無 仏 性 の 宗義
を の べ て 、 い 道 元 禅 師 と 宏 智 頌 古 ( 黒 丸 ) わ ゆ る 無 字 の 公 案 と し て 重 視 さ れ た 「 無 」 の 一面
の み を 、 特 に 取 り 上 げ て 論 ず る こ と は な か っ た こ と を 窺 う こ と が で き る 。第
十 九 則雲 門 須 弥 挙、
僧
問 二 雲 門 ハ 不 起 一 念 還 有 γ 過 也 無 。門
云 、 須 弥 山 。 こ の 本 則 に 就 い て の 宏 智 禅 師 の 頌 は 次 の よ う で あ る 。 不 起 一 念 須 弥 山 超 陽 法 施 意 非 r 慳 肯 来 両 手 相 分 付 擬 去 千 尋 不 γ 可 レ 攀 滄 海 濶 白 雲 閑 莫 卜 将 二 毫 髪 一 著 中 其 間 上 仮 鶏 声 韻 難 レ 謾 7 我 未 三 肯 模 胡 放 二 過 関 一 宏 智 頌 古 で は 、 最 初 に 不起
一 念 の 当 体 が 雲 門 の い う 須 弥 山 で あ る こ と を 示 し 、 「 還 っ て 過 有 り や、 ま た無
し や 」 と第
二 念 に 亙 っ た 僧 の 問 に 対 し て 、 第 四 句 に 「 擬 し 去 ら ば 千 尋攀
づ べ か ら ず 」 と し て 擬 滞 す る こ と を 戒 め 、 次 い で 「 滄 海 濶 く 白 雲 閑 な り 」 と 須弥
山 の 風 光 を の べ て い る 。 道 元 禅 師 は 『永
平 広 録 』巻
一 に こ の 公 案 を 挙 げ て 、 須 弥 山 也 須 弥 山 親 見 二 拈 花一 自 破 顔 一 念 百 年 一. 一 万 日 樵 夫 消 息 在 二 山即
と 説 き 、 雲門
に お い て 「 須弥
山 」 と し て 表 現 さ れ た 木来
の 面 目 は 、 釈 尊 の 拈 華 の 時 節 に は 迦 葉 の 破 顔 微笑
と な り 、 ま た樵
夫 の 面 目 は 山 を離
れ る こ と が な い よ う に 、常
に 「 須弥
山 」 の 六 一 N工 工一Eleotronlo Llbrary道 元 禅 師 と 宏 智 頌 古 ( 黒 丸 ) 万 里 → 条 鉄 で あ る こ と を 明 ら か に し て い る 。 第 二 十
則
地 蔵 親 切 挙、 地 蔵 問 二 法 眼 { 上 座 何
往
。 眼 云 、 逝 灑行
脚 。 蔵 云、 行脚
事
作
麼 生 。 眼 云 、 不 〆 知 。 蔵 云 、 不 知 最 親 切 。 眼 谿 然 大 悟 。 『 永 平 広 録 』 に こ の 本 則 を 提 唱 し た 上 堂 語 と、 頌 古 一 首 が 収 録 さ れ て い る 。 す な わ ち 上 堂 語 で は 、 本 則 に続
い て 師 云、 若 是 興 聖、 向 二 地 蔵 和 尚 一 道 。 不 知 是 最 親 切 、 知 也 最 親 切、 親 切 一 二 任 最 親 切 囎 且 問 、 親 二 切 箇 甚 腰 殉 ( 巻 第 一 ) と 説 き 、 ま た. 頌 古 に は 騰 騰 〜 了 又 騰 騰 行 脚 何 関 曲 直 繩 若 欠 二 大 成 方 一 寸 一 其 知 弥 少 二 三 升 ( 巻 第 九 ) と 詠 ん で い る 。 道 元 禅 師 が 「 不 知 是 最 親 切 、 知 也最
親 切 」 と の べ て い る の は、 薬 山 惟儼
が 「 兀 兀 地 の 思 量 は 什麼
ぞ 」 と の 問 に 対 し て 「 思 量 は 箇 の 不 思 量 底 な り 」 と 言 っ た こ と ば を想
起 さ せ る 。 薬 山 の い う 思 量 ( 知 ) と 不 思 量 ( 不 知 ) と は 、 も と よ り 相 対 的 関係
に あ る の で は な く 、 兀 兀 地 ( 打 坐 ) の 思 量 が 不 思 量 で あ る こ と を 示 し て い る の で あ り 、 右 の 上 堂 語 で は 「 且 ら く 問 う 、箇
の 甚・ 麼 に か 親 切 な る や 」 と い う 「 甚 麼 」 こ そ 参 究 す べ き 課 題 で あ る 。 『 正 法 眼蔵
偏参
』 の 巻 に 、 偏 参 の 宗 旨 、 た だ 玄 沙 に 参 学 す べ し … … … … 雲 巌 道 吾 等 、 在 薬 山 六 二 四 十 年 の あ ひ だ 功 夫 参 学 す る、 こ れ 偏 参 な り 、 二 祖 そ の か み 嵩 山 に 参 学 す る こ と 八 載 な り、 皮 肉 骨 髄 を 偏 参 し つ く す 、 偏 参 は た だ 只 管 打 坐 身 心 脱 落 な り 。 と提
唱 さ れ て い る こ と は、 偏 参 行脚
の 本 質 を 明 ら か な ら し め る も の で あ る と 同 時 に 、 本 則 に 於 け る 地 蔵 の 「 不 知 是 最親
切 」 の 語 は 、 道 元 禅 師 の 宗 義 か ら は 「 只 管打
坐 ・身
心 脱落
」 の 世 界 に 契 当 す る も の と 見 る こ と が で き よ う 。 第 二 十 一 則 雲 巌 掃 地 挙、 雲 巌 掃 地 次 、 道 吾 云 、 太 区 区 生 。 巌 云 、 須 γ 知 γ有
下 不 二 区 区 一 者 皿 吾 云、 恁麼
則 有 二第
二 月 一 也 。巌
提
二 起 掃箒
一 云 、 這 箇 是 第 幾 月 。 吾便
休 去 。 玄 沙 云 、 正 是 第 二 月 。 雲 門 云、 奴 見 レ 婢 殷 勤 。右
の 本 則 に 基 づ く 宏 智禅
師 の 頌 古 は 次 の よ う で あ る 。 借 来 聊 爾 了 二 門 頭一 得 ン 用 随 γ 宜 即 便 休 象 骨 巌 前 弄 7 蛇 手 児 時 做 処 老 知 γ 羞 こ の 頌 で は 、 第 一 句 に 雲 巌 の 掃 地 を、第
二 句 に 道 吾 の 月 の 話 頭 を 、 第 三 句 と第
四 句 に 玄 沙 と 雲 門 に つ い て 、 そ れ ぞ れ の 宗意
を の べ て い る 。 第 三、 第 四 句 は 雪 峰 看 蛇 の 公案
( 宏智
頌 古第
二 十 四 則 ) に お け る 玄 沙 と 雲 門 の 対応
の こ と を 頌 し た も の で あ る か ら 、 こ の 本 則 の 宏智
. 頌 古 は、 四 人 の禅
者 を 点 検 しNII-Electronic Library Service 評 価 し た も の に な っ て い る 。 道 元
禅
師 は 『 永 平 広 録 』巻
第
九 に 、 『 景 徳 伝 燈 録 』 に 拠 っ て こ の 公 案 を掲
げ 、 誰 人 掃 「 地 更 看 γ 月 禿 帚 放 γ 光 透 二 大 虚一 千 万 月 中 重 二 此 月 一 縦 云 二 第 二一 又 何 初 ( 流 布 本 ) と 頌 し て い る 。 宏 智 頌 古 で は 雲 巌 の 掃 地 に つ い て 「 借 り 来 っ て 聊 繭 と し て 門 頭 を 了 ず 」 と の べ て い る の に 対 し て 、道
元 禅 師 は 「 禿 帚 光 を 放 っ て 大 虚 に 透 る 」 と し、 ま た 道 吾 の い う 月 に っ い て 前 者 が 「 用 ゆ る こ と を得
、 宜 し き に 随 っ て す な わ ち 休 す 」 と 詠 ん で い る の に 対 し 、禅
師 は 「 千 万 月 中 に 此 月 を 重 ぬ 」 と な し て い る よ う に 、 こ の商
量 に お け る 掃 地 ・ 看 月 を 第 一 義 の 仏 法 と し て 示 し て い る こ と が 明 ら か で あ る 。 ま た 『 永 平 広 録 』 で は 、玄
沙 と 雲 門 の著
語
に つ い て は 尋 . 凵 及 し て い な い が 、 そ の 方 が こ の 公案
の 原 形 に 即 す る も の と 思 わ れ る 。 第 二 十 三 則魯
祖
面 壁 挙、 魯 祖 凡 見 二僧
来 一 便 而 壁 。 南 泉 聞 云 、 我 尋 常 向 〆 他 道 、 空劫
以 前 承 当 、 仏 未 二 出 世一 時 会 取 、 尚 不 レ 得・ 二 箇 半 箇 → 他 恁 麼 塑 年 去 。宏
智 頌 古 と 永 平 広 録 の 頌 古 は 次 の ご と く で あ る 。 淡 中 有 レ 味 妙 超 二 情 謂 一 綿 綿 若 〆 存 兮 象 先 兀 兀 如 γ 愚 兮 道 貴 道 元 禅 師 と 宏 智 頌 古 ( 黒 丸 ) 玉 雕 レ 文 以 喪 〆 淳 珠 在 レ 淵 而 自 媚 十 分 爽 気 兮 清 磨 二 暑 秋 一 一 片 閑 雲 兮 遠 分 二 天 水 一 吾 師 独 歩 転 身 路 数 見 二 僧 来 一 絶 二 異回
教 三 面 壁 失 二 他 功 一 ( 宏 智 頌 古 ) 設 欲 三 為 レ 君 談 二 得 半 一 還 ( 永 平 広 録 巻 九 ) 本 則 で は 魯 祖 の 而 壁 に つ い て 、 南 泉 が そ の 真 義 を 説 示 し た 内容
に な っ て い る 。 宏 智 頌 古 は 、 そ の 本 則 全 体 の 宗 意 を文
学 的 に表
現 し た も の で あ る が、 永 平 広 録 で は 右 の 頌 古 に 「魯
祖 宝 雲禅
師 尋 常 見 二 僧 来一 便 面 壁 」 と 題 し て い る こ と か ら も 知 ら れ る よ う に 、魯
祖 の 面 壁 そ の も の を 詠 ん で い る こ と が 明瞭
で あ る 。第
二 十 七則
法 眼 指 簾 挙 、 法 眼 以 γ 手 指 γ簾
。 一 失 。 時 有 三 一 僧→ 同 去 捲 γ 簾 。 眼 云 、 一得
『 永 平 広 録 』 に 次 の 上 堂 語 が あ る 。 ヒ 堂 日 、 記 得 、 法 眼 一 日 坐 次、 忽 指 二 面 前 簾 子 殉 時 有 二 二 僧 → 同 去 巻。 法 眼 目、 一 得 一 失 。 師 口、 永 平 不 二 恁 麼 道 而 良 久 日 、 開 ノ 池 不 〆 待 7 月 、 池 成 月 自 来。 ( 巻 第 一. 一 ) 本 則 に お け る法
眼 の 「 一 得 一 失 」 の 語 は、埣
啄 同 時 の 独 白 の 宗 風 を 発 揮 し た も の で あ る が 、 そ れ に よ っ て 学 人 が す べ て宗
意 を 学得
し う る と い う も の で は な い 。 こ れ に対
し て 道 元 禅 六 一 二 N工 工一Eleotronlo Llbrary道 元 禅 師 と 宏 智 頌 古 ( 黒 丸 ) 師 の 「 池 を 開 い て 月 を 待 た ず、 池 成 っ て 月 お の ず か ら
来
る 」 の 二 句 は 、 修 行 の ほ か に 証 果 を 期 さ な い 不 染 汚 の 仏法
が 、 特 定 の 対機
( 本 則 で は 二僧
) に 限 ら れ る こ と な く 垂 示 さ れ て い る も の と し て 注 目 し た い 。 第 三 十則
大 随 劫 火
挙
、 僧 問 二 大 随→劫
火 洞 然 大 千 倶 壌 、 未審
這 箇 壊 不 壊 。 随 云 、 壊 。 僧 云 、 恁 麼 則 随 〆 他 去 也 。 随 云 、 随 〆 他 去 。僧
問 二 竜 済 嚇 劫 火 洞 然 大 千 供 壊 、 未審
這箇
壊 不 壊 。 済 云 、 不 壊 。 僧 云 、 為 〆甚
不 壊 。 済 云 、 為 レ 同 二 大 千 → こ の 木 則 の前
半 の 部 分 ( 僧 問 二 大 随一 か ら随
云 随 〆他
去 ま で ) は 、 雪 竇 頌 古 第 二 十 九 則 と 同 】 で あ る 。 雪竇
頌古
で は 本 則 後 半 の 竜済
と の 問 答 は 存 し な い か ら 、 そ こ で は 「 這 箇 壊 か 不 壊 か 」 の 問 に 対 し て 「 壞 」 と し て の み 宗 要 を 示 し た の を 、 宏智
頌古
で は 同 じ質
問
に つ い て 「 壊 」 と 「 不 壊 」 と を 併 せ て 示 す こ 」 ; 一 辷 つ ご 、 二 D 凶 自 再 う h 弘 仁 財 二 嗣 罫 月. 寉 二 し ぐ 、6
ニ レ 一。 ハ 、 ( 臣 ( U 」 6 ノ 〆 弓 豆! ‘ コ 匚 囲 匡 / フ‘ [ F 非 に ト ・ 石 ケ レ ー 丶 」 ! L 〔 7知
ら れ る 。 し た が っ て 、 そ れ ぞ れ の 本 則 に 基 づ い て 詠 ま れ る 頌 の 内 容 も お の ず か ら 異 な っ て い る 。 宏 智 頌 古 雪 竇 頌 古 壊 不 壊 劫 火 光 中 立 二 間 端 一 随 γ 他 去 也 大 千 界 衲 僧 猶 滞 二 両 重 関 一 句 裏 了 無 二 鈎 鎖 機 一 脚 頭 多 被 二 葛 藤 礙 一 会 不 会 分 明 底 事 丁 寧 勲 知 心 拈 出 勿 二 商 量 一 輸 二 我 当 行 相 買 売一 可 γ 憐 一 句 随 7 他 語 万 里 区 区 独 往 還 六 四 雪 竇 頌 古 で は質
問 せ る僧
の 脚 下 を点
検 し 、宏
智
頌 古 で は 本 則 全体
の 宗 意 を の べ て い る 。 こ れ に対
し て 、 道 元 禅師
の 頌 古 は 次 の よ う で あ る 。 披 毛 載 角 同 γ 他 去 劫 火 洞 然 不 二 転 頭一 墨 穴 死 灰 消 息 断 誰 能 向 ド 此 問 二 因 由 一 ( 永 平 広 録 第 九 巻 ・ 流 布 本 ) 披 毛 戴 角 同 7 他 去 劫 火 洞 然 不 二 転 頭 一 枯 木 死 灰 猶 焼 尽 有 二 何 面 目 一 恨 二 因 由 冖 ( 永 平 広 録 第 九 巻 ・ 門 鶴 木 ) 永 平 広 録 の 流 布 本 と 門鶴
本 で は、 第 三 句 と 第 四 句 、 お よ び 第 一 句 の載
と戴
の 字 に 相違
が 見 ら れ る が 、 何 れ も 「 随 他 去 」 の 真実
義 を 直 下 卒 直 に 開 演 さ れ て い る こ と が 明 瞭 で あ る 。 第 三 十 六 則馬 師 不 安 挙 、 馬
大
師 不 安 。 院 主 問 、 和 尚 近 日 尊位
如 何 。 大 師 云 、 日 面 仏 月面
仏 。 雪 竇 頌古
( 第 三 則 ) 古 は 次 の如
く で あ る 。 と宏
智 頌 占、 お よ び 永 平 広 録 所 収 の 頌NII-Electronic Library Service 宏 智 頌 古 日 面 月 面 星 流 電 巻 鏡 対 7 像 而 無 〆 私 珠 在 レ 盤 而 自 転 君 不 / 見 鈷 鎚 前 百 錬 之 金 刀 尺 下 一 機 之 絹 江 西 曾 有 ゾ 仏 雪 竇 頌 古 日 面 仏 月 面 仏 五 帝 三 皇 是 何 物 二 十 年 来 曾 苦 辛 為 γ 君 幾 下 二 蒼 竜 窟 一 屈 堪 γ 述 明 眼 衲 僧 莫 二 軽 忽 一 日 月 以 為 レ 面 何 事 未 二 相 備一 囲 γ 碁 逢 二 敵 手 一 ( 永 平 広 録 第 九 巻 ) 雪 竇 頌
古
で は 馬 祖 の 「 日 面 仏 月面
仏
」 に 就 い て 、「 五 帝 三 皇 是 れ 何
物
ぞ 」 と い う 禅 月 貫休
の 無 呈 礙 を あ ら わ す 語 に よ っ て 生 死 透脱
の 境 地 を 示 し、 第 三 句 以 下 は 学 人 に 対 す る 厳 し い 提 撕 と な っ て い る 。 宏 智 頌 古 で は 「 星 流 れ 電巻
く 」 が ご と き 馬祖
の 無 礙自
在 の 心 境 を 、 明 鏡 ・ 珠 玉 に た と え て 頌 し た 後 、 本 来 人 を 意味
す る 百 錬 の 金 ・ 一機
の絹
を 徹 見 せ し め よ う と の 宗意
が 窺 わ れ る 。 ま た 道 元禅
師 の 頌 古 で は 、 宏 智 頌 古 の 明 鏡 止 水 の境
界
を さ ら に 一 歩 進 め 、「 何 事 か 未 だ 相 備 ら ざ る 」 と の 本 来 成
仏
の 立 場 か ら、 馬 祖 の 日 面 仏 月 面 仏 の 道 取 は 「 碁 を 囲 ん で敵
手 に逢
う 」 が ご と く 、 対 機 に 応ず
る 遊 戯 三昧
の境
地 と し て こ れ を 頌 さ れ た も の と 見 る こ と が で き よ う 。 道 元 禅 師 と 宏 智 頌 古 ( 黒 丸 ) 第 四 十 則 趙 州洗
鉢
挙、 僧 問 二 趙 州 → 学 人 乍 入叢
林 乞 帥 指 示 。 僧 云、 喫 了 。 州 云、 洗 二 鉢 盂一 去 。 州 云 、 喫粥
了 也 未 。 『 永 平 広 録 』 第 六 巻 に 、右
の 本 則 に 基 づ い て 次 の 上 堂 語 が あ る 。 趙 州 古 仏、 既 恁 麼 道 。 永 平 今 有 二 山 偈 叩 良 久 云 、 翠 竹 桃 花 是 画 図 、 胡 蘆 藤 種 纒 二 胡 蘆 → 赤 鬚 胡 更 胡 鬚 赤 、 喫 粥 了 兮 洗 二 鉢 盂 噸 こ の 道 元禅
師 の 偈 を 宏智
頌
古 と 対 比 し て み る と 、 次 の よ う で あ る 。 宏 智 頌 古 粥 罷 令 三 教 洗 二 鉢 孟一 豁 然 心 地 自 相 符 而 今 参 飽 叢 林 客 且 道 其 間 有 γ 悟 無宏
智 頌 古 で は こ の 本 則 を 頌 す る に 、 る を 宗 要 と す る黙
照禅
の 面 目 が 顕著
で あ り、 竹 桃花
を 一 幅 の 画 と し て 大 自 然 の 実 相 を 証 す る 、転
我道
環 の 宗 風 が お の ず か ら闡
明 で あ る 。 第 四 十 七則
趙
州栢
樹 挙 、 永 平 広 録 翠 竹 桃 花 是 画 図 胡 蘆 藤 種 纒 二 胡 蘆一 赤 鬚 胡 更 胡 鬚 赤 喫 粥 了 兮 洗 二 鉢 孟一 心 地 相符
し 而 今 参飽
せ 永 平 広 録 で は翆
我 転 法 ・法
僧 問 二 趙 州 ハ如
何
是 祖 師 西 来意
。 州 云 、 庭 前 栢樹
子 。 六 五 N工 工一Eleotronlo Llbrary道 元 禅 師 と 宏 智 頌 占 ( 黒 丸 ) 趙 州 栢 樹 子 の 公
案
に 就 い て は 『 正 法 眼 蔵 』 に 「 栢 樹 子 」 の巻
が あ り 、『 永 平 広 録 』 に は
第
六 巻 ・ 第 七 巻 の 上 堂 語 と 第 八巻
の 小 参 普 説 、 お よ び 第 九巻
に 偈 頌 二 首 ( 流 布 本 ) な い し 三 首 ( 門 鶴 本 ) が あ っ て 、 そ の宗
旨
が 開 演 さ れ て い る 。 尤 も 、 道 元禅
師 が こ の 公案
を引
用 さ れ た原
典 は 『聯
燈 会 要 』 ( 第 六 巻 趙 州 章 ) で あ る と さ れ る ( 岩 波 文 庫 渉 典 他 ) が 、 『 趙 州 禅 師 語録
』 の 原 文 は 次 の よ う で あ る 。 時 有 僧 問、 如 何 是 祖 師 西 来 意 。 師 云、 庭 前 栢 樹 子 。 僧 云、 和 尚 莫 将 境 示 人 。 師 云、 我 不 将 境 示 人 。 云、 如 何 是 祖 師 西 来 意 。 師 云 、 庭 前 栢 樹 子 。 『 宏智
頌古
』 の 本 則 は 、 こ の 一 連 の 問 答 の最
初 の 部 分 だ け で あ る の に 対 し、 道 元禅
師 の 著 述 で は す べ て右
の 全 文 を 提 唱 さ れ て い る か ら 、 こ の 公 案 に 関 し て は 宏 智 頌 古 か ら の 直 接 的 な 引 用 例 と は な ら な い 。 け れ ど も こ の 本 則 は 、 趙 州 狗 子 の 公案
と と も に 古 来 叢 林 に 知 ら れ た 公案
で も あ る の で 、 敢 て こ N に 取 り 上 げ る こ と に し た 。 『 正 法 眼 蔵 栢 樹 子 』 で は 初 め に次
の よ う に 述 べ て い る 。 こ の 一 則 の 公 案 は、 趙 州 よ り 起 首 せ り と い へ ど も, 必 竟 じ て 諸 仏 の 渾 身 に 作 家 し き た れ る と こ ろ な り。 た れ か こ れ 主 人 公 な り 。 い ま し る べ き 道 理 は 、 庭 前 栢 樹 子 こ れ 境 に あ ら ざ る 宗 旨 な り 。 栢 樹 子 こ れ 自 己 に あ ら ざ る 宗 旨 な り。 和 尚 莫 以 境 示 人 な る が ゆ え に 、 吾 不 以 境 示 人 な る が ゆ え に 。 趙 州 の い う 「 庭 前 の 栢 樹 子 」 は 、 境 ( 他 ) を 以 て 人 ( 自 ) 六 六 に 示 し た も の で は な い こ と が 明 ら か に さ れ て い る 。す
な わ ち 人 と境
・ 自 と 他 と の 相 対 的 立 場 か ら は 、 祖 師 西来
意 を 示 す栢
樹 子 の 宗 旨 は 承当
さ れ な い こ と を 意味
し て い る 。 こ の 趙 州 の 道 は、 仏 法 の 極 意 を 問 う 僧 の 質 問 に 対 応 し た も の で あ る か ら 、 世 法 に よ っ て は 把 捉 さ れ 得 な い こ と は 当 然 で あ ろ う 。 し か し 、 学 人 の 間 に は 誤 っ て 理 解 す る も の が 稲 麻 竹 葦 の如
く で あ っ た へ む と し う 近 代 学 人、 不 レ 会 二 趙 州 意 ハ 不 レ 学 二 趙 州 言 幻 深 可 二 憐 憫 一 者 也 。 或 云、 趙 州 為 7 不 7 令 二 学 人 之 一 点 見 解 門 所 以 前 来 也 道 二 庭 前 栢 樹 子 → 後 頭 也 道一庭
前 栢 樹 子 叩 或 云 、 一 切 言 語 悉 是 説 レ 禅 、 所 以 前 後 同 以 道 二 栢 樹 子 一 也 。 如 〆 是 等 之 輩 如 二 稲 麻 竹 葦 殉 然 而 於 二 趙 州 道 処 → 将 γ 著 二 春 夢 一 也 未 γ 得 在 。 ( 永 平 広 録 第 七 巻 ) 道 元 禅 師 は 語 を つ い で 次 の ご と く 示 し て い る 。 今 有 γ 人 間 二 永 平 如 何 是 祖 師 西 来 意 → 向 γ 他 道、 蒼 波 迢 迢 渉 二 . 二 周 而 他 若 道 三 和 尚 莫 二 以 γ 境 示 7 人 、 須 二 向 γ 他 道 ハ 吾丕
一 以 γ 境 示 τ 人 。 他 又 問 下 如 何 是 和 尚 不 = 以 γ 境 示 τ 人 底 道 b 祗 向 γ 他 道 。 霊 山 瞬 目 豈 時 節 、 微 笑 破 顔 尚 未 ゾ 休 、 四 五 千 条 花 柳 巷 、 二 三 万 座 管 絃 楼。 ( 同 右 ) こ りE
堂 云 艇 で ま 『 王 去 艮 成 百 封 子 コD
售
で 重 べ て ハ る吋
待 の 関 係 を 超 え た 世 界 が 詠 ま れ て い る が 、 そ の 骨 子 は 『 永 平 広 録 』第
六 巻 の 上 堂 語 に お い て も 同 一 で あ る 。 師 日 、 南 無 趙 州 古 仏、 拈 二 出 西 来 宗 旨 噛 西 来 意 若 何、 庭 前 栢 樹 子 、 不 二 以 γ 境 示 7 人 、 ロ ハ 将 〆 栢 挙 似 。 敢 問 、 諸 禅 徳 要 7 会一 一 這 箇 道 理 一 麼 。 良 久 日、 莫 下 将 二 江 南 橘 畦 喚 作 中 江 北 枳 如 ( 流 布 本 )NII-Electronic Library Service ( 註 ) 門 鶴 木 で は
ー
の 部 分 は 次 の よ う で あ る 、 趙 州 古 栢 立 二 庭 前 剛 爾 北 誰 疑 橘 与 μ 枳 。祖
師 西 来 意 は 只 箇 の 栢 樹 子 で あ っ て 、 そ れ は 江 南 の橘
を 以 て 江 北 の 枳 と な す よ う で は な ら な い 、 と禅
師
は 説 か れ る の で あ り 、 「 栢 樹 子 」 は 彼 此 対 待 の 関係
に な い こ と が 明 ら か に さ れ て い る 。 そ し て 『 永. 平 広 録 』 第 入 巻 の冬
至 小 参 で は 、 一 句 毎 の 著 語 に よ っ て 宗 要 が 示 さ れ 、 こ の 公案
全体
の意
義 が の べ ら れ て い る 。 ( 師 日 以 下 が 禅 師 の 著 語 ) 冬 憂 小 参 。 挙、 僧 問 二 趙 州 蝋 如 何 是 祖 師 西 来 意 。 師 臼、 濔 香 頭 是 吾 舌 頭 。 州 云 、 庭 前 栢 樹 子 。 師 日、 覿 颪 難 γ 呈 向 上 機 、 家 風 万 古 為 γ 人 旛 。 僧 日 、 和 尚 莫 二 以 γ 境 示 τ 入 。 師 日 、 剛 突 二 眼 晴 一 看 二 北 斗 殉 州 云 、 吾 不 二 以 7 境 示 τ 人 。 師 日 、 不 7 鳴 γ 条 風 帯 二 春 声 幻 僧 日 、 如 何 是 祖 麟 西 来 意 。 師 日 、 明 年 更 有 二 新 条 一 在 、 撩 瓢 乱 春 風} 卒 未 γ 休 。 州 去 、 庭 離 栢 樹 子 。 師 灣 、 誰 向 二 遣 頭 …篳
魚
緞 叩 今 雖 二 恁 麼 → 更 有 二 永 平 道 取 → 要 〆 聴 麼 。 良 久 云、 歳 寒 知 得 青 松 意 、 又 掘 二 霊 根 一 峯 頂 栽 。 久 立 衆 慈 伏 惟 珍 重 。 以 上 に よ っ て 、道
兀 禅 師 が こ の 趙 州栢
樹 子 の 公案
を 再 三 に 亙 っ て提
唱 さ れ て い る こ と が 知 ら れ る と 岡時
に 、 人 ・ 境 の 間 が 極 限 に ま で 一 元 化 さ れ 、 つ い に は 大 自 然 の み と な っ た 「栢
道 元 禅 鯒 と 宏 智 頌 古 ( 黒 丸 ) 樹 子 」 の 世 界 が 現 成 し て い る こ と を見
る こ と が で き る 。 ま た 『 永 平 広 録 』第
九 巻 に は 、 次 の 頚 占 二首
な い し 三 首 が 存 す る 。 ( 門 鶴 本 ) 無 根 栢 樹 掛 二 虚 空一 祖 意 西 来 何 後 前 古 仏 守 γ 株 枝 葉 落 代 γ 他 一 諮 窯 二 天 然 兀 地 図 γ 弼 年 歳 積 雪 霜 一 骨 在 二 庭 前 一 趙 州 莫 レ 道 西 来 意 古 節 中 才 豈 自 然 有 μ 僧 問 瓢 道 誚 彊 老… ロ ハ 道 庭 晶 別 栢 樹 枝 端 的 之 言 雖 二 是 妙一 担 恨 祖 師 来 意 遅 ( 流 布 本 ) 無 根 栢 樹 大 虚 懸 祖 意 西 来 徹 黒 後 先 一 古 仏 守 レ 株 枝 葉 落 只 留 二 寅 実 【 飽 孤 風 煙 一 ( 上 の 一 首 な し ) ( 上 の 頌 に 全 同 ) 第 四 十 九 則洞 山
供
真 挙 、 洞 山 供 二 養 雲 巌 真 一 次 、 遂 挙 二 前 遨 γ真
話 →有
〆憎
問 、雲
巌 道 二 祇 這 是一 意 旨 如 侮 。 山 云 、 我 当 時幾
錯
会 二先
師 意 殉 僧 云 、 未審
雲 巌 選 知 ゲ有
也無
。 山 激 、若
不 ゲ 知 〆有
争 解一恁
麼
道 噛若
知 γ有
争 肯 恁 麼道
。 六 七 N工 工一Eleotronlo Llbrary道 元 禅 師 と 宏 智 頌 古 ( 黒 丸 ) 『 永 平 広 録 』 第 七 巻 に こ の 本 則 を 挙 し た 上 堂 語 が あ り 、