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EMC Celerra NSシリーズにおけるVMware ESX Serverのバックアップおよびレプリケーション

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EMC Celerra NSシリーズにおけるVMware ESX

Serverのバックアップおよびレプリケーション

ベスト・プラクティスのプランニング

USホワイトペーパー翻訳版 要約

NASは、VMware Infrastructure環境向けの一般的なストレージ・プラットフォームです。EMC® Celerra®は、 NFS Datastore、VMFS over iSCSI、RDM over iSCSIという形式で、VMware ESX Serverにストレージを提供す ることができます。このホワイト・ペーパーでは、ESX Serverに提供されるストレージのバックアップおよ びレプリケーション操作を実行するためのさまざまなCelerraテクノロジーについて説明します。

2008年3月

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Copyright © 2008 EMC Corporation.不許複製

EMC Corporationは、この資料に記載される情報が、発効日時点で正確であるとみなします。情報は予告なく 変更されることがあります。 この資料に記載されている情報は、「現状有姿」の条件で提供されます。EMC Corporationは、この資料に記 載される情報に関して、どのような内容についても表明保証条項を設けません。特に、商品性や特定の目的 に対する適応性に対する保証はいたしません。 この資料に記載されるいかなるEMCソフトウェアの使用、複製、頒布も当該ソフトウェア・ライセンスが必 要です。 最新のEMC製品名については、EMC.comでEMC Corporationの商標を参照してください。 その他すべての名称や製品の商標は、それぞれ所有者の商標または登録商標です。 パーツ番号H4311-J

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目次

エグゼクティブ・サマリー ... 4

はじめに ... 4

対象読者 ... 5 用語 ... 5

テクノロジーの概要 ... 6

Celerra SnapSure ... 6 Celerra Replicator ... 6

iSCSI 用の Celerra Replicator... 6

Celerra NS シリーズにおける NDMP... 6

VMware Consolidated Backup ... 7

バックアップ・オプションとリカバリ・オプション ... 7

NFS Datastore ... 8 VMFS over iSCSI ... 10 RDM over iSCSI ... 11 VCB によるファイル・レベルのバックアップ ... 11

他のファイル・レベル・バックアップの選択肢 ... 13

レプリケーション... 14 NFS Datastore ... 14 VMFS over iSCSI ... 16 RDM over iSCSI ... 16

データの整合性... 16

まとめ ... 17

結論 ... 18

関連資料 ... 18

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エグゼクティブ・サマリー

ESXに対してNFS Datastore、VMFS over iSCSI、RDM over iSCSI形式でストレージを提供できるNASに、VMware ESX Serverを組み合わせて使用するユーザの増加に伴い、VMware環境でデータを保護するために一体的で堅 牢なバックアップ/レプリケーション・ソリューションを提供することがますます重要になっています。仮想 サーバ環境には、災害復旧機能を備えた可用性の高いストレージ環境が欠かせません。ユーザは、従来型の バックアップおよびレプリケーション・アプリケーションをESX Serverやゲスト仮想マシンで実行することや、 VMwareのESX機能を使用すること、またはネイティブのストレージ・アレイ・ベース・テクノロジーを活用 することなど、さまざまなオプションの中から選択しなければなりません。

EMC® Celerra®は、VMware ESX Serverに提供されるストレージの形式に応じてバックアップとレプリケーシ ョンを実行するための、さまざまな機能とテクノロジーを備えています。ストレージがNFS、Celerra SnapSure™、Celerra NDMPを使用して提供される場合は、どちらもイメージ・レベルのバックアップとリカ バリが可能です。Celerra Replicator™を使用すると、災害復旧を目的としてファイル・システムを複製するこ とができます。ストレージがiSCSIを使用して提供される場合、iSCSI用のCelerra Replicatorを使用して、同じ CelerraまたはリモートCelerraにあるiSCSI LUNのスナップとクローンを作成できます。さらに、VCB(VMware Consolidated Backup)により、ストレージ形式に関係なくイメージ・レベルとファイル・レベルのバックアッ プとリカバリが可能です。

このホワイト・ペーパーでは、EMC CelerraをVMware ESX環境で使用しているユーザが、できるだけ短いRTO (目標復旧時間)と適切なRPO(目標復旧時点)を実現しつつ、バックアップとレプリケーションで使用可 能なさまざまなオプションについて考察します。ここで示しているベスト・プラクティスに従うことにより、 Celerraが提供する先進的な機能を活かして、仮想環境でSLAを効果的に満たす堅牢なソリューションを構築 することができます。

はじめに

VMware Infrastructure 3は、NFSおよびiSCSIプロトコルを使用してNASストレージ・デバイスをサポートしま す。Celerra IPストレージでは、NFSからエクスポートされたファイル・システムおよびiSCSI LUNをVMware ESX Serverに提供して、仮想マシンおよび仮想ディスクとして使用するデータストアを作成します。Celerra はスケーラビリティと信頼性が高く、使いやすさと管理のしやすさを備えており、高い可用性と高度なデー タ保護機構を持っています。 ビジネス継続性と災害復旧は、ビジネスの成功にとって欠かせません。そのためには、仮想環境でも物理環 境でも同様に最高レベルの注意を向け、最も信頼性のあるテクノロジーを使用することが必要です。EMC Celerraは、これらのビジネス要件に対応する数多くの選択肢を用意しています。このドキュメントの目的は、 バックアップおよびレプリケーション操作のためにCelerraが備えているさまざまなテクノロジーについて調 べ、NFSまたはiSCSIを使用してストレージをESX Serverに提供する際の適切なソリューションを説明するこ とです。また、このホワイト・ペーパーでは、アレイ・ベース・テクノロジーを使用してバックアップとレ プリケーションをVMware ESX環境で実行する際のベスト・プラクティスも推奨します。

VMware ESX Server 3.5では、VCB(VMware Consolidated Backup)に新しいLANモード・バックアップが含ま れています。この追加により、Windowsゲスト・ホストに関しては、ストレージの提供形式に関係なくファ イル・レベルのバックアップが可能になっています。このドキュメントでは、VCBのこの新しい機能も扱い、 Celerraストレージでどのように実行されるのかを説明します。さらに、Celerraがストレージの場合に、ファ イル・レベルのバックアップがどのような仕組みで行われるかを示すために、VCBの代替方法を説明します。 このドキュメントでは、バックアップおよびレプリケーション操作をVMware ESX Server環境のCelerraで実行 するための計画方法および推奨事項を示しています。しかし、その詳細な手順は示していません。具体的な 指示については、適切なCelerra管理者ガイドおよびVMwareユーザ・マニュアルを参照してください。 このホワイト・ペーパーで示しているソリューションは一般的なものであり、Celerraのストレージ・レイア ウト、RAIDタイプ、ボリュームとファイル・システムの管理に関係なく、ほとんどすべての構成に適用でき ます。したがって、これらのストレージ設計上の考慮事項は、このホワイト・ペーパーでは扱いません。そ

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れらは、ESX ServerにおけるMicrosoft Exchangeなど、具体的なアプリケーション展開計画の一部として考慮 してください。

対象読者

このホワイト・ペーパーに含まれるベスト・プラクティスの情報は、EMC Celerraをストレージとして含む VMware環境の計画、設計、管理を行い、バックアップ/レプリケーション・ソリューションの実装に関連し ているEMCのユーザー、パートナー、サービス担当者を対象にしています。読者には、ESX ServerおよびCelerra に関する実際の経験があることが前提です。

用語

CBMAPI(Celerraブロック管理アプリケーション・プログラミング・インタフェース):Celerra iSCSIデバ イスのスナップショットおよびレプリケーションを管理するためのホスト・ユーティリティ。 CBMCLI(Celerraブロック管理コマンド・ライン・インタフェース):CBMAPIを呼び出すソフトウェア・ パッケージ。このパッケージに含まれるコマンドをLinuxホストで実行することにより、Celerra iSCSI LUNの スナップショットの管理と、そのスナップショットのローカルおよびリモート・レプリケーションの管理が 可能です。 Celerra Replicator:IP経由で非同期レプリケーションを行うCelerraの機能。ローカル・サイトまたはリモー ト・サイトに、整合性のあるポイント・イン・タイムNASファイル・システムまたはiSCSI LUNコピーを作成 します。レプリケーションの間も本番データを使用することができ、変更された部分だけがネットワークを 通じて送られます。 データストア:基盤となる物理ストレージ・リソースのプールを仮想的に提供する、VMFSまたはNFSのファ イル・システム。このような物理ストレージ・リソースは、ローカル・サーバのSCSIディスク、ファイバ・ チャネルSANディスク・アレイ、iSCSI SANディスク・アレイ、またはNASストレージ・アレイによって構成 されます。 iSCSI(インターネットSCSI):SCSIパケットをTCP/IPネットワークで送るためのプロトコル。

iSCSI LUN:ストレージ・メディアの読み書きなど、SCSIコマンドを処理するCelerra iSCSIソフトウェアの機 能。

NDMP(Network Data Management Protocol):異機種混在ネットワークに接続されたストレージをエン タープライズ全体でバックアップおよびリカバリするために設計された、オープンな標準ネットワーク・プ ロトコル。 NFS(ネットワーク ファイル システム):リモート・ファイル・システム間で透過的なアクセスを実現す る分散ファイル・システム。NFSにより、すべてのネットワーク・システムが1つのディレクトリを共有でき ます。 PLU(プライマリ・ロジカル・ユニット):プライマリのストレージ・デバイスとして使用されるiSCSI LUN。 RDM(Rawデバイス・マッピング):RDMは、VMFSボリューム内に存在する.vmdkファイルであるポイン タと、その.vmdkファイルがポイントする物理rawデバイスの組み合わせから構成されます。RDMは、物理互 換モードまたは仮想互換モードのどちらかです。 スナップショット(またはiSCSIスナップショット):iSCSI LUNに格納されているデータのポイント・イン・ タイム・イメージ。 SnapSure:ファイル・システムの読み取り専用ポイント・イン・タイム・コピーを提供するCelerraの機能。 チェックポイントとも呼ばれます。

VCB(VMware Consolidated Backup):VMware Infrastructure製品スイートの一部。仮想マシンに対するデ ータ保護ソリューションを提供します。バックアップの負荷を本番ESX Serverホストからプロキシ・サーバに オフロードすることにより、バックアップ・ソフトウェアの能力を拡張し、仮想マシンを高速で効率よくバ ックアップできるようにします。

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仮想マシン:ゲスト・オペレーティング・システムと関連するアプリケーションが実行される、仮想化され たx86 PC。仮想マシンは、主に.vmx構成ファイルと1つまたは多数の.vmdk仮想ディスク・ファイルを含む個々 のファイルの集合でもあります。

VMFS(Virtual Machine File System):VMware独自のファイル・システム。データ・ストアにインストール され、ESX Serverが仮想マシンを置くために使用されます。 VMwareスナップショット:スナップショットが作成された時点の仮想マシンの全体的な状態をキャプチャす るVMwareの機能。

テクノロジーの概要

Celerra SnapSure

Celerra SnapSure機能は、PFS(本番ファイル・システム)から読み取り専用のロジカルなポイント・イン・タ イム・イメージ(チェックポイント)を作成します。SnapSureは、ファイル・システムごとに最大で96個の PFSチェックポイントを保持でき、PFSアプリケーションは引き続きリアルタイム・データにアクセスできま す。SnapSureの基本方針は、Copy on First Writeです。PFS内のブロックが変更されると、そのブロックのオリ ジナルの内容を含むコピーが、SavVolと呼ばれる別のボリュームに保存されます。PFS内の同じブロックに対 するその後の変更は、SavVolにはコピーされません。PFSに含まれるオリジナルのブロック(SavVol内)と変 更されていないPFSブロック(PFS内に残っている)は、ビットマップおよびブロックマップのデータ追跡構 造に従って、SnapSureに読み取られます。これらのブロックの組み合わせにより、ファイル・システムの完 全なポイント・イン・タイム・イメージが得られます。このイメージをチェックポイントと呼びます。

Celerra Replicator

Celerra Replicatorは、ソース・ファイル・システムの読み取り専用ポイント・イン・タイム・コピーを作成し、 定期的にこのコピーを更新してソース・ファイル・システムとの整合性を保ちます。この読み取り専用コピ ーは、同じCelerraキャビネット内のData Mover、またはリモート・サイトのData Moverが使用できます。通常 は災害が原因でソース・ファイル・システムが使用できなくなった場合、コピー先のファイル・システムを 読み取り/書き込み可能にして、ローカルまたはリモートのレプリケーション・フェイルオーバー・プロセス を適用できます。ソース・サイトが再び使用可能になったら、ファイル・システムを再同期してからレプリ ケーションの方向を反転させるプロセスにより、レプリケーションをリストアし、ソースを読み取り/書き込 み可能にして、コピー先を再び読み取り専用にします。

iSCSI 用の Celerra Replicator

iSCSI用のCelerra Replicatorは、ローカル・スナップショット(LUNのポイント・イン・タイム・コピー)をIP ネットワークを通じてコピー先に非同期に配布することにより、本番iSCSI LUNを複製します。この機能では、 ソースとコピー先の間に1対1の関係が成立します。コピー先のLUNは読み取り専用として保護され、iSCSIイ ニシエータが書き込むことはできません。また、iSCSI用のCelerra Replicatorはフェイルオーバー機能も備えて いるため、ソース・サイトで災害が発生したときは、コピー先のレプリカは書き込み可能になり、本番LUN として使用できます。オリジナルの本番LUNのサービスが復旧したら、手動プロセスでフェイル・バックし て、複製の関係を再確立することができます。

Celerra NS シリーズにおける NDMP

NDMP(Network Data Management Protocol)では、サードパーティのソフトウェアをNDMPサーバにインスト ールすることなく、ネットワーク・バックアップ・アプリケーションを通じてサーバのバックアップとリカ バリが制御できます。Celerraを使用すると、X-Blade(Data Mover)がNDMPサーバとして機能します。NDMP ベースのバックアップは、大容量のバックアップや複数のプロトコルをサポートする必要がある環境で使用 されます。プロトコルにより、バックアップまたはリストアの制御コンポーネントとデータ転送コンポーネ ントが分離されます。実際のバックアップは、X-Blade(Data Mover)によって処理され、それによってネット ワーク・トラフィックが最小化されます。

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VMware Consolidated Backup

VCB(VMware Consolidated Backup)では、プロキシ・サーバを利用した一元的なバックアップ機能を提供す ることにより、いつでも仮想マシンをバックアップでき、本番ESX Serverホストへの負荷を減らすことができ ます。VCBと既存のバックアップ・ツールおよびテクノロジーとの統合により、仮想マシンのファイルのフ ル・バックアップおよびインクリメンタル・バックアップが行われます。VCBでは、任意のオペレーティン グ・システムが実行されている仮想マシンにおけるイメージ・レベルのフル・バックアップのほか、Microsoft Windowsが実行されている仮想マシンにおけるファイル・レベルのバックアップが可能です。この場合、ゲ スト・ホストでバックアップ・エージェントを使用する必要はありません。図1に、VCBがどのように機能す るかを示します。 図1:VMware Consolidated Backup

VMwareは、Consolidated Backupの2つのモード(SANモードとLANモード)をサポートしています。SANモー ドは、ESX Serverが仮想マシン・ディスクのストレージにファイバ・チャネルSANまたはiSCSI SANを使用し ている場合に使用されます。LANモードは、ESX ServerがDASやNASなどのローカル・ストレージ・デバイ スを使用している場合に選択されます。LANモードは、ESX Server 3.5以降でサポートされています。このモ ードでは、VCBはバックアップ・プロセスをESX ServerシステムからVCBプロキシにオフロードしません。 これは、仮想ディスクのデータがESX ServerホストからLANを経由してVCBプロキシに転送されるためです。 図2に、この2つのモードの違いを示します。 図2:VCBのSANモードとLANモード

バックアップ・オプションとリカバリ・オプション

EMC CelerraとVMware Infrastructureの組み合わせにより、ESX ServerでNFS Datastore、VMFS over iSCSI、RDM over iSCSIのどれを使用している場合でも、バックアップおよびリカバリ方法に様々な可能性が生まれます。

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SLA(Service Level Agreement)を満たし、ダウンタイムを最小化するための適切な方法を使用できるように、 ユーザのRPO(目標復旧時点)、RTO(目標復旧時間)を決定することが重要です。 このホワイト・ペーパーでは、ストレージ・レイヤーに関して、論理バックアップと物理バックアップの2つ のタイプのバックアップを取り上げます。論理バックアップでは、本番データの物理的に独立したコピーは 作成されません。あるポイント・イン・タイムにおけるファイル・システムまたはiSCSI LUNのビューが提供 されます。論理バックアップは、ごく短時間で作成でき、格納にはごく小さい領域しか必要としません。し たがって、論理バックアップは極めて頻繁に作成することができます。論理バックアップからのリストアも、 データの変更量によっては短時間で実行できます。これにより、平均修復時間が大幅に短縮されます。しか し、論理バックアップは物理バックアップの代替にはなりません。ファイル・システムまたはiSCSI LUNの論 理的な破壊や、誤ってファイルを削除したなどの人為的なエラーに対する保護にはなりますが、ハードウェ ア障害から保護することはできません。また、本番ファイル・システムまたはiSCSI LUNに障害が発生すると、 チェックポイントやスナップショットは使用できなくなります。物理バックアップは、ファイル・システム またはiSCSI LUN全体の完全なコピーを別の物理メディア上に作成します。バックアップおよびリカバリにか かる時間は長くなる可能性がありますが、ハードウェア障害が発生しても保護されます。

NFS Datastore

Celerra SnapSureを使用すると、ファイル・システムの論理バックアップを作成できるだけでなく、そのスケ ジュールを設定できます。バックアップは、NFS(Network File System)データストアとしてESX Serverにエ クスポートできます。これは、以下のCelerraコマンドを使用するか、Celerra Manager GUIで同等の操作を行い ます。

# /nas/sbin/fs_ckpt <ESXファイル・システム> -name <チェックポイント名> -Create

# /nas/sbin/rootfs_ckpt <チェックポイント名> -name <新しいチェックポイント名> -Restore

一般的に、この方法はデータストア単位で行います。複数の仮想マシンが1つのデータストアを共有している 場合は、1回の操作で同時に整合性を維持しながらそれらの仮想マシンをバックアップおよび復旧できます。 ただし、仮想マシンを個別にリカバリすることが必要な場合は、次の手順に従います。 1. 仮想マシンをオフにします。 2. チェックポイントをマウントします。 3. 目的の仮想マシンの仮想ディスク・ファイルの位置に移動します。 4. 手動でファイルをチェックポイントからコピーし、ディレクトリ/vmfs/volumes/<ESXファイル・ システム>の下のデータストアに追加します。 5. 仮想マシンをオンにします。 Celerraコマンド/nas/bin/fs_copyを使用して、フルまたはインクリメンタルの物理バックアップを作成できま す。これは通常、ファイル・システムをATAドライブで構成されたCelerra上のボリューム、または別のCelerra にバックアップするために使用します。しかし、fs_copyはバックアップに使用する場合は便利ですが、リカ バリの場合は制限があります。fs_copyを使用してデータをソース・ファイル・システムに直接コピー・バッ クすることはできません。コピー先をマウントしてから、手動でファイルをコピー・バックする必要があり ます。これによってリカバリ時間が不必要に長くなる可能性があります。そのため、fs_copyを使用してNFS Datastoreをバックアップすることは推奨されません。 推奨される物理バックアップおよびリカバリの方法は、NDMPプロトコルを使用することです。その際、 Integrated Checkpoints機能およびEMC NetWorker®、または他の互換性のあるバックアップ・ソフトウェアと組 み合わせてCelerra Backupを使用します。この手順は、次のようになります。

1. テープの代わりにディスクにバックアップすることでパフォーマンスを向上させる場合は、Celerra にVTLU(Virtual Tape Library Unit)を作成します。

2. EMC NetWorkerにライブラリを作成します。

3. NetWorkerを構成して、ブートストラップ構成、バックアップ・グループ、バックアップ・クライ アントなどを作成します。

4. NetWorker Backupを起動します。 5. NetWorker Recoverを実行します。

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バックアップまたはリカバリの対象として、NFS Datastore全体または個別の仮想マシンを選択できます。図3

に、処理中のNetWorkerのスクリーンショットを示します。

図3:EMC NetWorkerを使用したNDMPリカバリ

Celerra BackupをIntegrated Checkpointsと組み合わせて使用するには、環境変数で「SNAPSURE=y」と設定し ます。この機能では、認定ベンダーのバックアップ・ソフトウェアで環境変数を入力することにより、チェ ックポイントの作成、管理、削除操作を自動化できます。図4に、EMC NetWorkerでバックアップ・クライア ントを作成する際にSNAPSURE変数を設定する様子を示します。

図4:Celerra BackupとIntegrated Checkpoint

バックアップ・ソフトウェアで変数を設定すると、特定のジョブを実行するたびに、NDMPバックアップの 開始前にファイル・システムのチェックポイントが自動的に作成されます(および読み取り専用としてマウ ントされます)。自動的にチェックポイントがバックアップに使用され、ファイル・システム上の本番アク ティビティは中断することなく継続されます。バックアップ・プロセスでは、チェックポイントが自動的に 管理されます(たとえば、領域に余裕があればSavVolは必要に応じて自動的に拡張されます)。バックアッ プが完了すると、それが成功したか失敗したかに関係なく、チェックポイントは自動的に削除されます。

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VMFS over iSCSI

VMFS over iSCSIを使用する場合、Celerra iSCSI LUNはvmfs-3としてESX Serverに提供され、フォーマットさ れます。この状況では、Celerra上でiSCSIスナップショットを作成して、iSCSI LUNのポイント・イン・タイ ム論理バックアップを提供することができます。iSCSIスナップショットを作成して管理するには、CBMCLI (Celerraブロック管理コマンド・ライン・インタフェース)パッケージを含むLinuxホストが必要です。Linux ホストでのスナップショットの作成とリストアには、以下のコマンドを使用します。

# cbm_iscsi --snap <ESX iSCSI LUN> --create

# cbm_iscsi --snap <ESX iSCSI LUN> --restore <スナップ名>

一般的に、この方法は複数のLUNにまたがらない限りはVMFS単位で行います。複数の仮想マシンが1つの VMFSを共有している場合は、1回の操作で同時にそれらの仮想マシンをバックアップおよび復旧できます。 PLUから複数のスナップショットを作成する場合、以前のスナップショットをリストアすると、それ以降の すべてのスナップショットは削除されます。さらに、PLUおよびそのスナップショットを格納するファイル・ システムに、スナップショットの作成とスナップショットからのリストアのための十分な空きスペースがあ るかどうか、注意する必要があります。 スナップショットを読み書き可能にし、ESX Serverに接続すると、そのスナップショットから個別の仮想マシ ンをリストアできます。ESX Serverでは、図5に示すようにVMwareの詳細設定でLVM.DisallowSnapshotLun を0に設定しない限り、スナップされたVMFSはデフォルトでは使用できません。

図5:スナップショットの処理に関するESX Serverの詳細設定

スナップされたVMFSがESX Serverからアクセス可能である場合は、スナップされたVMFSからオリジナルの VMFSに仮想マシン・ファイルをコピーして、仮想マシンのリカバリを行うことができます。

物理バックアップを作成するには、Celerra iSCSI ReplicationベースのLUNクローン機能を使用できます。ター ゲットとして、本番LUNと同じサイズのiSCSI LUNをFCまたはATAディスクに作成する必要があります。こ れは、以下のコマンドで開始するレプリケーション・セッションの対象となります。

# cbm_replicate --dev <ESX iSCSI LUN> --session --create --alias <alias_name> --dest_ip <dest_dm_ip> --dest_name <cel_name> --label <sess_label>

バックアップは、ローカルとリモートのどちらにも作成できます。PLUが完全に複製されたら、ターゲット LUNをスタンドアロン・コピーにするためにレプリケーション・セッションを停止します。必要に応じて、 このターゲットLUNを読み書き可能にすることができます。ターゲットLUNは、オプションで同じESX Server または別のESX Serverに接続できます。同じサーバの場合は、オブジェクトIDの重複を避けるためにディス クの再署名を有効にする必要があります。そのためには、図5に示したようにVMwareの詳細設定を変更して

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LVM.EnableResignatureを1に設定します。 ターゲットLUNをESX Serverに接続したら、個別の仮想マシンのフォルダをターゲットLUNからPLUにコピー するだけで、その仮想マシンをリストアすることができます。VMFS全体のリカバリが必要なときは、 cbm_replicateコマンドを使用して、レプリケーション・セッションをターゲットLUNからPLUへの逆方向に確 立します。 スナップショットのリストアなどのストレージ操作を実行すると、VI(Virtual Infrastructure)クライアントの GUIがESX Serverの実際の状態と一致しなくなることがあります。たとえば、バックアップ時点でVMwareス ナップショットがすでに存在していて、VMwareスナップショットが後から追加または削除されると、LUNの リストア後、VIクライアントのSnapshot MangerはすべてのVMwareスナップショットを正しくレポートしない 可能性があります。GUI情報を更新する方法の1つは、以下のコマンドをサービス・コンソールで実行してESX ホスト・エージェントを実行することです。

# service mgmt-vmware restart

再度Snapshot Managerが実行されると、バックアップ時点よりも前に存在していたすべてのVMwareスナップ ショットがリストアされ、更新されます。しかし、バックアップ時点よりも後に作成されたVMwareスナップ ショットは、iSCSI LUNリストアの後では失われます。

RDM over iSCSI

ESX ServerにRDMとして提供されたiSCSI LUNは、非仮想環境の場合と同じように通常のRawデバイスです。 RDMでは、物理デバイスへの直接アクセスによるメリットは維持したまま、VMFSファイル・システムの仮 想ディスクを上回るいくつかのメリットを提供します。メリットの1つは、RDMが物理モードであるか仮想モ ードであるかに関係なく、ストレージ・アレイ・ベースのデータ保護テクノロジーのメリットをフルに受け ることができるという点です。

論理バックアップおよび論理リカバリでは、CelerraベースのiSCSIポイント・イン・タイム・スナップショッ トを作成できます。RDMボリュームを物理的にバックアップする場合も、Celerra iSCSI Replicationベースの LUNクローン機能を使用してクローンを作成します。RDMを使用するときは、クラスタ化されたアプリケー ションの定数ディスクとして使用する場合を除き、RDMボリュームを異なる仮想マシン間、または異なるア プリケーション間で共有しないことを推奨します。RDMボリュームは、通常アプリケーション・データを保 持するためにのみ使用します。したがって、RDMボリュームのバックアップは、通常は仮想マシンやアプリ ケーションではなくアプリケーション・データを保護するためのものです。 RDMでは、スナップショットまたはクローンを作成する際に2つの選択肢があります。 ・ CBMCLIパッケージをインストールし、前のセクションで説明したようにcbm_iscsiコマンドおよび cbm_replicateコマンドを使用する。

・ EMC RM(Replication Manager)をインストールする。Replication Managerは、ディスク・ベースのス ナップおよびレプリカの操作、管理を実現するために、Celerraおよび他のプラットフォーム向けに簡潔な インターフェイスを備えており、Windowsアプリケーションとの統合によってアプリケーション・レベル の整合性を実現します。 注意:現時点では、Replication Managerには以下の制限があります。 ・現在のところ、物理互換モードではRDMボリュームだけがサポートされている。 ・ Replication Managerによって認識されるのは、NTFSとしてフォーマットされたRDMボリュームだ けなので、Microsoft Windowsゲスト・マシンのバックアップは、この方法によってのみ可能。他の OSの仮想マシンでは、クラッシュ・コンシステントなバックアップには依然としてCBMCLIが必要で す。

VCB によるファイル・レベルのバックアップ

ここまで説明してきたCelerraアレイ・ベースのバックアップおよびリカバリ・ソリューションは、データス

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トア・レベルか、それよりも細かい仮想マシン・イメージ・レベルで動作します。仮想マシン内に存在する 個別のファイルをバックアップするには、他のツールが必要です。VCB(VMware Consolidated Backup)は、 ファイル・レベルおよびイメージ・レベルのバックアップを行うための便利なツールです。Windowsシステ ムでは、物理的または仮想的なVCBプロキシを構成する必要があり、EMC NetWorkerなどのサードパーティ 製バックアップ・ソフトウェア、VCBのバックアップ・ソフトウェア用統合モジュール、およびVCBソフト ウェア自体が必要です。VMwareは、上に示した後者2つのコンポーネントを無償ダウンロードで提供します。 ただし、ESX ServerまたはVC(VirtualCenter)サーバでのVCBライセンスを購入して有効化する必要がありま す。この3つのコンポーネントすべてがインストールされたら、最初のバックアップを作成する前に、<VCB installed path>¥configディレクトリにある構成ファイルconfig.jsを変更する必要があります。このファイル には、各パラメータを定義するコメントが記述されています。 統合モジュールに付属するREADMEファイルには、VCBバックアップを初めて行う際の正しい準備と実行に 関する手順が含まれています。このファイルに従うことを推奨します。EMC NetWorkerによってバックアッ プが開始されると、統合モジュールで用意されているスクリプトが起動し、それによってCLIコマンド vcbMounter.exe(VCBソフトウェア内)が開始されます。このコマンドは、VCサーバまたはESX Serverに 直接接続して、バックアップ対象の仮想マシンを探します。vcbMounter.exeに渡される引数は、「config.js」 とEMC NetWorkerのSave Set構文から取得されます。

ESX 3.0.2では、VCBはFC(ファイバ・チャネル)またはiSCSIを使用したバックアップのみが実行可能でし た。ESX 3.5では、すでに3.0.2に組み込まれていたSANモード・バックアップに加えて、LANモード・バック アップに対応しました。LANモードにより、NFS Datastoreやローカル・ドライブをサポートしていない初期 バージョンのVCBが持っていた弱点が克服されました。テストにより、VCBの機能はNFS Datastoreでもロー カル・ドライブでも有効であることが分かっています。しかし、LANモードではIPネットワークが飽和する 可能性があることと、1つの仮想ディスクは1 TBまでであることに注意してください。 VCBのイメージ・レベル・バックアップでは、どのタイプのOSが実行されている仮想マシンでもサポートさ れます。EMC NetWorkerのSave Setに、キーワード「*FULL*」、またはターゲットの仮想マシンの名前かIP を含める必要があります。最初に、VCBがVMの構成ファイルとローカル・ディレクトリにあるその仮想ディ スクを取得し、その後、NetWorkerがディレクトリのバックアップを作成します。リストアの際、NetWorker によってリストアされるのは、VCBプロキシ上のディレクトリだけです。vcbRestoreコマンド、またはGUI のVMware Converterツールを使って仮想マシンをESX Serverにリストアする最後のステップを実行するの は、管理者に任されています。vcbRestoreコマンドはVCBプロキシには使用できないため、ESXサービス・ コンソールから直接実行しなければなりません。 VCBファイル・レベル・バックアップでは、WindowsゲストOSのみがサポートされます。EMC NetWorkerの Save Setに、ターゲットの仮想マシンの名前かIP、またはバックアップするパスをコロンで区切ったリスト を含める必要があります。最初に、VCBがVMwareスナップショットを作成し、mountvm.exeを使用して仮 想ディスクをVCBプロキシにマウントしてから、Save Setから提供されたリストの内容をNetWorkerがバック アップします。リストアの際、NetWorkerによってリストアされるのは、ローカルのVCBプロキシに存在する 指定されたファイルまたはディレクトリだけです。CIFSを使ってファイルまたはディレクトリをターゲット の仮想マシンにコピーする最後のステップを実行するのは、管理者の責任です。

注意:VCBファイル・レベル・バックアップに関してよくある誤解は、NASデバイスでVMFS over iSCSIだけ がサポートされるというものです。ESX 3.5でLANモードのサポートが始まると、テストによってVCBファイ ル・レベル・バックアップがVMFS over iSCSI、NFS Datastore、VMFS over local diskなど、多くのストレージ・ タイプで使用可能であることが示されました。 注意:VCBの使用を計画する際は、以下のガイドラインとベスト・プラクティスに注意してください。 ・ 仮想マシンのイメージ・レベル・バックアップは、どのOSが実行されている仮想マシンでも実行 可能。ファイル・レベル・バックアップは、Windows仮想マシンでのみ実行可能。 ・ RDM物理モードは、VCBではサポートされない。 ・ 仮想モードのRDMディスクをバックアップすると、標準の仮想ディスク・フォーマットに変換さ れる。したがって、リストアされるとRDMフォーマットではなくなっている。 デフォルトのバックアップ・モードは「san」。LANベース・バックアップを実行するには、config.js のTRANSPORT_MODEを「nbd」または「nbdssl」に変更する。

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・vcbMounterコマンドおよびvcbRestoreコマンドは、ESX Serverで直接、VCBライセンスなしで実 行可能。ただし、バックアップ/リストア中は追加のリソースが消費されるため、ESX Serverにパフォ ーマンスの影響がある。

・ vcbRestoreは、VCBプロキシでは使用できない。VCBイメージ・バックアップをリストアするに は、ESX Serverから直接実行するか、VMware Converterをインストールする必要がある。

・ VCBプロキシ上のMountvm.exeは、NTFSパーティションを含む仮想ディスクをマウントできる ツール。 ・ ファイル・レベル・バックアップを作成する前に、VCBは_VCB_BACKUP_という仮想マシン・ スナップショットを作成する。同じ名前のスナップショットがすでに存在する場合、EMC NetWorker ジョブはハングする。このデフォルトの動作は、config.jsのパラメータ PREEXISTING_VCB_SNAPSHOTをdeleteに変更することによって変更可能。 ・ バックアップ・ジョブが失敗した場合、仮想マシンがスナップショット・モードでマウントされ たままになる可能性がある。vcbCleanupを実行してスナップショットをクリーンアップし、 config.jsのBACKUPROOTで指定されたディレクトリから仮想マシンをアンマウントする。 ・ デフォルトでは、VCBはターゲットの仮想マシンをIPアドレスによって検索するので、初めてバ ックアップするときは、VMwareツールが情報をESX ServerまたはVCサーバに伝達できるように、仮 想マシンがオンになっている必要がある。この情報は、最初のバックアップ後、VCBプロキシにロー カル・キャッシングされる。これを避けるには、config.jsでVM_LOOKUP_METHOD=”name”と設 定して、仮想マシンを名前によって検索するように切り替える。仮想マシン名に重複があるとバック アップは失敗する。 ・ 何らかの理由でvcbMounterがハングすると、NetWorkerはその完了を待ったままハングする。こ の問題を解決するには、sysinternals.comからProcess Explorerユーティリティをダウンロードし、 vcbMounterプロセスを右クリックして、Propertiesを選択する。[Image]タブの「Command line] テキストボックスに、vcbMounterコマンドの構文全体が表示される。コマンドをコピーし、ハング したプロセスをキルしてから、DOSウィンドウにペーストしてコマンドを手動で実行し、結果を見て コマンドがハングした理由を判断する。 ・ vcbRestoreは、デフォルトではイメージをオリジナルの場所にリストアする。catalogファイル のリストにあるパスを編集することにより、代替の場所を指定できる。

他のファイル・レベル・バックアップの選択肢

ファイル・レベル・バックアップには、VCB以外にも選択肢があります。従来からの方法は、物理マシンと 同じ方法で仮想マシンにバックアップ・エージェントをインストールすることです。 ファイル・レベル・バックアップを行うもう1つの方法は、Linuxホストを使って.vmdkファイルをマウント し、.vmdk内のファイルに直接アクセスするというものです。この方法の手順を以下に示します。

1. http://linux-ntfs.org/doku.phpにある Linux NTFS driverをダウンロードし、Linuxホストにインスト ールします。

2. NFS Datastoreとして使用されるファイル・システムをLinuxホストにマウントします。これで、構 成と仮想ディスク・ファイルにアクセスし、仮想マシンのイメージ・レベル・バックアップを作成で きるようになります。

# mount <DMのIP>:/<ESXファイル・システム> /mnt/esxfs

3. 仮想マシンの仮想ディスク・ファイルをループバック・マウントとしてマウントします。マウン トの開始オフセットとして32256、ファイル・システムとしてNTFSを指定します。次に、マウントさ れた.vmdkに移動します。.vmdkはNTFSファイル・システムとして表示され、仮想マシン内のすべて のファイルを確認できます。これらをバックアップします。

# mount /mnt/esxfs/<VM>/nfs-flat.vmdk /mnt/vmdk –o ro,loop=/dev/loop2,offset=32256 –t ntfs

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・ 動作確認が行われたのはNFS Datastoreのみ。 ・ VCBはWindows仮想マシンでのみ実行可能。この代替方法は、Linuxホストでループバック・マウ ント可能なファイル・システムを持つすべてのゲストOSで実行できる可能性がある。 ・ ループバック・マウントのオフセットは常に同じ。OS、パーティションなどに応じて正しい値を 決定することは難しい場合がある。 ・ この代替方法は、シン・プロビジョニングとは対照的に「フラットな」仮想ディスクが割り当て られた場合にのみ有効。EMCのテストでは、シン・プロビジョニングされた仮想ディスクはオフセッ トを使用してマウントすることはできない。それに対してVCBにはmountvm.exeというユーティリ ティが付属しており、NTFSパーティションを含む「フラットな」またはシン・プロビジョニングさ れた仮想ディスクをマウント可能。 ・ 仮想ディスク・ファイルのマウントが成功したら、Linuxシステムでファイルのバックアップが実 行される。したがって、Windows ACLは維持されず、リストア後に破棄される。 ファイル・レベルのバックアップは、RDMデバイスの場合も、CBMCLIパッケージを使用して物理互換モー ドと仮想互換モードのどちらでも実行できます。以下にその手順を示します。 1. RDM LUNのiSCSIスナップショットを作成します。 2. スナップショットをプロモートし、次のようにしてバックアップ・サーバへのアクセス権を付与 します。

# cbm_iscsi --snap /dev/sdh --promote <LUN ID> --mask <イニシエータ>

3. バックアップ・サーバ上のスナップショットに接続します。スナップショット内のファイルをバ ックアップする準備ができました。 4. 完了したらスナップショットをデモートし、削除します。

レプリケーション

DR(災害復旧)のためには、本番ファイル・システム、またはESX Serverストレージに使用されているiSCSI LUNのリモート・レプリカが必要です。Celerraは、ファイル・システムまたはiSCSI LUNを保護するための高 度なデータ・レプリケーション・テクノロジーを備えています。災害時には、管理者による介入を最小限に 抑えつつ、コピー先にフェイルオーバーすることができます。レプリケーション・セッションを維持する必 要があり、スナップショットは定期的に更新しなければなりません。更新頻度は、WANの使用可能な帯域幅 とRPOによって決定されます。

NFS Datastore

Celerra Replicatorを使用して、NFS DatastoreとしてESX Serverにエクスポートされたファイル・システムを複 製できます。このためには、Celerraの/nas/bin/fs_replicateコマンドか、Celerra Managerを使用します。レプ リケーションはデータストア・レベルで動作します。複数の仮想マシンが同じデータストア内に存在する場 合、それらは同時に複製されます。個別の仮想マシンを扱うためにもっと細かいイメージ・レベルでの操作 が必要な場合は、仮想マシンをそれ独自のNFS Datastoreに入れます。ただし、その場合は、ESX Serverあたり のNFSマウントの上限が32であることに注意してください。図6に、この数をデフォルトの8から増やす方法 を示します。

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図6:ESX ServerあたりのNFSマウントの最大値の変更

レプリカをプロモートするフェイルオーバー操作が終わると、コピー先のファイル・システムをNFS Datastore としてリモートESX Serverにマウントできます。リモートESX Serverを構成する際は、複製される仮想マシン にアクセスできるようにネットワークを構成する必要があります。ファイル・システム内に存在する仮想マ シンは、VI Clientを通じてESX Serverに登録する必要があります。図7に示すように、NFS Datastoreを参照 し、.vmx構成ファイルを右クリックし、[Add to Inventory]を選択して、登録を完了します。 図7:ESX Serverへの仮想マシンの登録 登録する必要がある仮想マシンの数が多い場合は、ESXサービス・コンソール・コマンドvmware-cmdを使 用して、このプロセスを自動化することもできます。これは、以下の簡単なシェル・スクリプトで行うこと ができます。 for vm in `ls /vmfs/volumes/<データストア名>` do

/usr/bin/vmware-cmd –s register /vmfs/volumes/<データストア名>/$vm/*.vmx done

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「msg.uuid.moved」に関するポップアップ・メッセージ・ボックスが表示されます。この手順を完了するには、 [Keep]オプションを選択します。

VMFS over iSCSI

Celerra Replicatorを使用して、VMFSデータストアとしてESX ServerにエクスポートされたiSCSI LUNを複製で きます。CBMCLIパッケージのcbm_replicateコマンドを使用すると、iSCSIレプリケーション・セッション を作成および管理できます。レプリケーションはLUNレベルで動作します。複数の仮想マシンが同じiSCSI LUN内に存在する場合、それらは同時に複製されます。個別の仮想マシンを扱うためにもっと細かいイメー ジ・レベルでの操作が必要な場合は、仮想マシンをそれ独自のiSCSI LUNに入れます。ただし、この方法を使 用する場合、ESX ServerあたりのVMFSファイル・システムの上限は256です。 NFS Datastoreの場合と同様に、フェイルオーバーの後で仮想マシンをリモートESX Serverに登録する必要があ ります。仮想マシンの登録は、図7に示すようにDatastore BrowserのGUIインタフェースで行うか、サービス・ コンソール・コマンドvmware-cmdによるスクリプトで行います。

RDM over iSCSI

RDMボリュームのレプリケーションは、これまでに説明したRDMボリュームの物理バックアップとよく似て います。iSCSI用Celerra Replicatorでは、CBMCLIパッケージのcbm_replicateコマンドまたはReplication Managerを使用して、ESX ServerにRDMボリュームとして提供されたiSCSI LUNを複製できます。Replication Managerを使用できるのは、NTFSとしてフォーマットされたRDMだけで、物理互換モードでなければなりま せん。

データの整合性

ESX Serverにストレージを提供するためにEMC Celerraが導入されている環境では、原則として、このホワイ ト・ペーパーで説明されているCelerraバックアップおよびレプリケーション・テクノロジーによってクラッ シュ・コンシステンシが提供されます。仮想マシンのゲストOS、アプリケーション、アプリケーション・デ ータ、アプリケーション・ログがまとめて1つのデータストアにカプセル化される簡素化された構成では、 Celerraテクノロジーの1つを使用してクラッシュ・コンシステンシを実現できます。しかし、多くのアプリケ ーション、特にデータベース・アプリケーションでは、データとログを別のファイル・システムまたはiSCSI LUNに分けることが推奨されています。このベスト・プラクティスに従うと、1つの仮想マシンが複数の仮 想ディスク(.vmdkファイル)を複数のデータストアにわたって持つことになります。したがって、 バックアップまたはレプリケーションの際は、それらのデータストアにわたってデータ整合性を維持するこ とが不可欠です。VMware SnapshotをCelerraテクノロジーと組み合わせて使用することにより、このような複 雑な状況でもクラッシュ・コンシステンシが得られます。 VMware Snapshotは、仮想マシン・ベースで機能するソフトウェア・ベースのテクノロジーです。VMware Snapshotを作成すると、すべてのI/Oが停止され、仮想マシンがその設定、仮想ディスク、および(仮想マシ ンが実行中の場合は)メモリの状態も含めて記録されます。既存の仮想ディスクへの書き込みは停止され、 その後に変更されたブロックは新しく作成された仮想ディスク、すなわち.vmdk差分ファイルに書き込まれま す。オリジナルの仮想ディスクに対するI/Oが停止されるため、差分ファイルを破棄すると仮想マシンをスナ ップショットの状態に戻すことができます。一方、スナップショットを削除する場合は、仮想ディスクが1つ に統合されます。

VMware Snapshotが作成されると、仮想ディスクがNFS Datastore内に存在する場合はSnapSureチェックポイン トを開始することにより、仮想ディスクがVMFS/iSCSIまたはRDM/iSCSIに存在する場合はiSCSIスナップショ ットを作成することにより、仮想マシンのバックアップを作成できます。仮想マシンに属するすべての仮想 ディスクを含むすべてのデータストアのスナップショットが、1つの完全な「バックアップ・セット」になり ます。VMware Snapshotを作成した時点の状態に戻すには、そのすべてをまとめてリストアする必要がありま す。スナップショットのリストアが他の仮想マシンに影響することを避けるために、同じデータストアにあ る複数の仮想マシンの.vmdkファイルは別々に配置するように注意します。 「バックアップ・セット」が正常に保たれている限り、VMFS/iSCSI、RDM/iSCSI、NFSなど異なるプロトコ ルやストレージ・タイプの間でもクラッシュ・コンシステンシが維持されます。ただし、RDM(物理モード)

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はVMware Snapshotテクノロジーによってサポートされていないため、例外です。以下に、クラッシュ・コン システントなバックアップおよびリストア操作を実行するために必要な手順の概要を示します。 (バックアップ) 1. VMware Snapshotを起動し、仮想マシンが起動中であればメモリの状態を取得します。 2. 仮想マシンに属する仮想ディスクを含むすべてのデータストアのCelerraチェックポイントまたは スナップショットを作成します。 3. データストアをローカルまたはリモートのCelerraに複製します(オプション)。 4. 差分をオリジナルの仮想ディスクに適用して仮想ディスクを統合できるように、VMware Snapshot を削除します。 (リストア) 5. 仮想マシンをオフにします。 6. 仮想マシンに属する仮想ディスクを含むすべてのデータストアのチェックポイントまたはスナッ プショットをリストアします。

7. サービス・コンソール・コマンド「service mgmt-vmware restart」を実行してESXホスト・エー ジェントを起動します。このエージェントは、VI Client GUIにレポートされる仮想マシンの状態を更 新します(更新が行われるまで30秒待ってから、次に進んでください)。

8. VMware Snapshot Managerを起動し、ステップ1で作成したスナップショットに戻します。 9. 仮想マシンをオンにします。

まとめ

表1に、ESX Serverに提供されたCelerraストレージのバックアップおよびレプリケーションについてこのホワ イト・ペーパーで説明した、すべてのオプションをまとめます。 表1:バックアップおよびレプリケーションのオプション バックアップ/リカバリ レプリケーション ブロック・レベル ファイル・レベル NFS

Datastore ・ Celerra SnapSure

・ Celerra NDMP • VCB(Windows) • ループバック・マウ ント(すべての OS) Celerra Replicator VMFS/iSCSI • Celerra iSCSI スナップショ ット(CBMCLI) • Celerra iSCSI レプリケー ション・ベース・クローン (CBMCLI)

VCB(Windows) iSCSI 用 Celerra レプ リケーション (CBMCLI) RDM/iSCSI (物理) • Celerra iSCSI スナップシ ョット(CBMCLI または RM) • Celerra iSCSI レプリケー ション・ベース・クローン (CBMCLI または RM) Celerra iSCSI スナッ プショット(CBMCLI) iSCSI 用 Celerra レプ リケーション (CBMCLI または RM) RDM/iSCSI (仮想) • Celerra iSCSI スナップショ ット(CBMCLI) • Celerra iSCSI レプリケー ション・ベース・クローン (CBMCLI) Celerra iSCSI スナッ プショット(CBMCLI) iSCSI 用 Celerra レプ リケーション (CBMCLI)

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VMware ESX Serverに展開されたMicrosoft ExchangeやMicrosoft SQL Serverなどのアプリケーションの保護に 関する詳細と推奨事項については、Powerlink®にあるベスト・プラクティスの計画作成を参照してください。

結論

VMware Virtual Infrastructureとの統合が進むにつれて、より多くの本番アプリケーションがESX Serverに展開 されるようになります。これらのアプリケーションは、環境と要件の下で可能な最短のRTOと最高のRPOを 達成しつつ、ビジネス継続性が得られる信頼性の高いバックアップおよびリカバリ・ソリューションを必要 とします。さらに、災害の際にはリモート・レプリカからデータを簡単に短時間で復旧させる必要がありま す。

EMC Celerraは、NFS Datastore、VMFS over iSCSI、RDM over iSCSIという形式で、ESX Serverにストレージを 提供することができます。このホワイト・ペーパーでは、これらの形式それぞれについて、Celerraで用意さ れているさまざまなストレージ・ベースの選択肢を説明し、テクノロジーを使用する際のベスト・プラクテ ィスをいくつか紹介しました。いくつかのVMwareテクノロジーを利用したEMC Celerraは、高パフォーマン スで使いやすく管理しやすいNASプラットフォームであり、最高レベルの柔軟性と信頼性を持つバックアッ プ/レプリケーション・ソリューションを必要とするESX Server環境にアプリケーションを展開する際の理想 的な存在です。

関連資料

詳細については、Powerlinkにある以下のドキュメントを参照してください。

・ ホワイト・ペーパー「Using EMC Celerra IP Storage with VMware Infrastructure 3 over iSCSI and NFS - Best Practices Planning」

・ テクニカル・モジュール「Using Celerra Replicator for iSCSI」 ・ テクニカル・ノート「iSCSI Replication-Based LUN Clone」 ・ 「Replication Manager/SE for Celerra User Guide」

・ ホワイト・ペーパー「EMC Solutions for Microsoft Exchange 2007 EMC Celerra NS Series – Best Practices Planning」

・ ホワイト・ペーパー「EMC Solutions for Microsoft SQL Server 2005 EMC Celerra NS Series – Best Practices Planning」

Powerlinkには、以下のテクニカル・モジュールの複数のバージョンが置かれています。お使いのCelerraに対 応したモジュールを使用してください。

・ テクニカル・モジュール「Configuring NDMP Backups on Celerra」 ・ テクニカル・モジュール「Using SnapSure on Celerra」

・ テクニカル・モジュール「Installing Celerra iSCSI Host Components」 ・ テクニカル・モジュール「Using Celerra Replicator」

VMware Virtual Infrastructure 3の詳細については、VMwareのWeb サイト( http://www.vmware.com/)で以下の 情報を参照してください。

・ VMware Virtual Infrastructure 3ドキュメント ・ VMware Consolidated Backup

参照

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