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(1)

−64−−  

設備投資計算における計算   利子率の再吟味  

井  上  康  男  

1.問題の提起  

近年設備投資に関する文献においてほ経済性計算の方法として内部利益芸  

(Internalrateofreturnmethod)と資本価値法(Presentvalu?metb   とが有名になって−来た。・この両方法は最近における設備投資計算濫関する   なる書物においてはとんど何時も代表的な計算方法として論ぜられており,  

なる注目をあつめているものである。そしてこの両者の優劣が問題とされ   き,資本価値法の方が優れているとする主張が漸次優勢となって来た。内   益率法に.おいて.ほ⊥定の投資案の内部利益率が切拾率よりも大であれば,  

投資案ほ一応合格圏内に㌧入る。また資本価値法においてこは一億の投資案の   l の純収入の流れを割引率で割引いた現在価値から最初の投資支出額を差引  

軋︒︑か∴・果∴ニ琉  部 こ 将 い  

、「当 資本価値(純現在価値)が0よりも大であれば,この投資案ほ−・瓜考慮圏内璧      →   

入るのである。そうするとこの内部利益率法に.おける切拾率および資本価   における割引率を何に・よって決定するかが問題となってくる。そ・してこの  

に.関して:は同者をともに・資本コスト(Costof Capital)に,よって決定すべミ誓 ■  

、こ ̄:二∴ー 

、ニ 

らないから,この資本コストを切捨率や割引率紅すべきであるという考え  

、由来するものである。ところでこの内部利益率韓を含んだ広い意味匿おけ    資利益率法紅.おいて採用すべき切捨率および資本価値法に.おいて使用する    な割引率を総称して一計算利子率という。従来の文献においてはこの功捨率   

引率の両者を混同して同山の資本コストであると考える傾向が強かったの   

(2)

設備投資計算たおける計界利子率の再吟味   −65−  

ルながら筆者はこの切捨率と割引率とほ別の物であるから区別すべき   者えるのである0このことについてほさら紅儀の節においてくわしく   いと思う。さらにまた従来の文献における有力説ほ切捨率と割引率の両   々だ引算利子率を同一・の資本コストであると考える点に酎、てほ−・致し   が,それでほこの資本コストは一価何であるかということになると諸説   んとして統一的な見解にはまとまっていないのである。  

利子率の決定ほ設備投資の経済性計算濫おいて非常に重要な事柄である  

、かわらず,このよう紅なお未解決のままで論議されているのが現状であ   れ敵襲者ほ・本稿においてこの設備投資の経済性計算匿お骨る計算利子率   の問題を再検討し,これ紅対して何らかの解決のいとぐちを見出すため  

してみたいと考えるのである。計算利子率ほ切捨率と割引率とから成り  

↓、る。一そこで以下の研究に.おいては先ず計算利子率のうち,切捨率の適   決定の問題から検討を始めてゆきたいと思う。  

2..切捨率算定の実務   

率の内容に・ついては従来からいろいろな説が主張せられて・いる。キころ   ヅ.カのヴァンデルおよぴヴァン1/ル両氏ほ1962年に.共著「資本予算にお  

(1)  

例」を出版しているが,この中でコンソーリデエーザイッド電機株式会社  

onsdlidated E王ectricalProdqcts,1nc.,以下Conelpすなわちコネノレプ  

称することとする)における切捨率決定の実際例が述べられてこいる。こ   務例は切捨率の決定に.関して我々に.教えてくれるとこ.ろが大であるので,  

陀、ねいてはこのコネルプ社において設備投資の経済性計算上の切捨率が如   て決定されているかについて研究して:みようと思う。  

の会社においては設備投資の経済性計算の方法として投資利益率法が採用   それは各事業部毎に区別して実施されているのである。そして事業部毎   菜部の目標利益率(切捨率)が決定されている。この目標利益率(切拾  

・F・Vandelland R・FlVancil,Casesin CapitalBudgeting,Richa工d D   Ln,1962 

(3)

第37巻 第2・3号   

コ¢の.﹁︑刀  

忘N.NIN  

∞りト.のlの  

トN¢れN讐  

○¢Nh宏  

一のの.〇ト  

牽朝粥朝   00の.NC  Oの○ポ¢  の∞の占∞  のの寸ポ寸−  ○のNJのの  のN卜.のト¢  ∽寸のJ寸寸  りの寸.のN寸  廿∽N.寸の寸  苫ゆ.杓トの  のト¢ポの  の寸NゴT  00の.Nの  のlCJN  り○∞ぶの  ト¢のガト寸   ︒′JだJ=樽赴  

︵朋︶  ︵ゝ︑﹂臣題辞︶   り貰○増や小01  

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¢寸N.トの  

監常滑銘   トのNれNl  OTト.NN  OT〇.のの   トのT.T   の卜寸∂−   ︵専ゆゴ已   .d.︷︻  

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⁚ ⁚⁝⁝紳 猶 Y 避  ⁝⁚粗茶寝蒜怒  ・≠舶散知嚢1b叫鴇献肥竪  

⁝救出単板鴇月額朝鮮  

磯  胡  

浜野朝潮亜   一重  相 磯 新  選  粥  抑  嘲新Q望Q卑  増聾唖縛唖H   南 粟   褒 東  歌 建  碑 尋  

匪据膳囁  

(4)

設備投資計算における討辞利子率の再吟味   −67−  

計穿ほ次のようにして一行われる。  

わち先ず次のような過去の年度の実際投資利益率:   

毎年の実際の減価償却後および法人税等の割当て控除後(法人    税等ほ儲引前利益紅比例して各事業部紅配分される)の利益  

各事業部の相投資  

年毎匿求める0ただし分母の阻投資とほ粗資産(すなわち減価償却控除前   資産帳侍価額)差引流動負債を意味するのであって,それは毎年期首と期   粗投資在高を単純平均することによって求めるのである。 

定サ 

してこのように」して求められた過去の年度の投資利益率について最近5ケ   単縄平均を求めるのである。これがその事業部の目標利益率(切捨率)  

なる。さらにこのように・して算出した事業部毎の目療利益率が,企業全体に   て上紅述べたのと同一・の計算方法で算出した企業全体の目標利益率よりも   小ときは,この企業全体の目標利益率を一そ・の事業部の目標利益率(切捨  

として採鳳する。このような目標利益率が原則として/設備投資の経済性討   の切捨率となるのである。 

ネルプ祉における最近の各事業部毎の切捨率は次の欝2表の如くである。  

第2表(3)  

事   業   部   切 捨 率  

大型家庭電気用品部   小型家庭電気用品部   竃 楓 部 品 部  

コソナロ−・ル装置部  

重 電 機 部  

企 菜 全 体 

8い1%   

13。0   

103    20.3   

7、0  

)、こR;FⅤandellandR.F…Vancil,Ibid,p.6。   

(5)

第37巻 第2・3号  

ー6β −  

さら紅各事業部常・おいては設備校費ほ 

(1)、原価節約またほ.取替投資  

(2)工場拡張投資  

(3)作業方式における重要な革新的新方法の採用または新製品投資  

(4)利益性分析を行うことが木可能であるが,しかしながら企業にとって必    な投資  

の4つに二.分けられる。そして−・般の設備投資((4)の投資を除く)に対して:ほ   2表の切捨率が適用されるが,不確実性にもとずく特に大なる危険に対処  

ために,工場拡張投資に対しては上述の切捨率プラス5%を,また新製品投   に.対しては次の第3表の如ぐ上述の切拾率プラス10%を各々の切拾率として   る。  

第3表(4)  

次に.設備計画における各設備投資実の投資利益率は矢張り減価償却および   人税等税引後の,将来の耐用年数問における見積の年平均利益÷固定設備   び運転資本への付加的相投資によって算定される。そしてこの各投資実の   利益率が上に.述べた切捨率よりも大であるならば,・その投資案ほ一応合実   に入るのである。また小さけれはその投資案は不合格となるのである。   

以上のように各事業部毎に当該事業部の過去の平均的投資利益率を切揺   するのは,将来の投資によって現在までに獲得して来た投資利益率の実績  

(4)RF.Vandelland.R F.,Vancil,Ibid‥,p78 

(6)

設備投資計簸における計算利子率の再吟味   札−69−−  

せてはならないとするからである。さらに・また事業部の目標利益率(切捨  

;企米全体の目標利益率(切捨率)よりも小さいときほ,後者の企業全体   摩利益率を当該事業部の切捨率として採鳳する理由は各事業部の利益率右  

の利益率以上の水準におくことを狙ったためである。  

て企業全体   

在匿おいては以上のよう紅各事業部毎紅切捨率を決定しているが,この結   至る経路に・おいてはこのように各事業部毎に切拾率を決定すべきかまたは   栄部を嘩じて−・本の切捨率を採用すべきかに・関して賛否両論があったので  

、て,切捨率の一一・本化に対する賛成論者ほ次の如く主張レた。サーなわち切捨   各事業部別に設定し,企業全体を通じて−・本化しないときは,たとえば25  

切拾率を有する事菓部に・おいて:ほ2∩%の投資利益率を有する投資案が跡捨   れるのに反して,他の7%の切捨率を有する事業部においてはわずか8%  

資利益率を有する投資案が採用される。これを企業全体から見ると8%の  

盛の投資案を採用して−,坤%の利益率を有する投資案を不合格とするとい   ことになる。これほ株主の不利益に.なるというのである。  

これに対して各事業部別に相異なる切捨率の設定を主張する論者ほ次の理由   かかげて反対した。すなわち各事業部ほ事実上各々独立の会社と同一・であ  

それ故各事業部毎に・その特殊性を認め・こ,異なる切捨率の設定を許可する   とは,各事業部がそ・の属する業界の競争場裡において一勝ち残るために是非必  

ことである。それは各事業部を各々存続させるため紅必要である。このよ   2らの議論の中現在では後者の主張が採用されているわけである。  

らにまた上述の現在採用されている切捨率の実質的な内容に関しても,そ   亨決定されるに至るまでの経路においてほ種々の議論がないわけではなかっ  

その主張するところは我々が切拾率決定の問題を論ずる上に非常に重要な   を有するので,以下この議論の内容を研究してみることにしよう。  

なわちコネルプ社の管理者逮の意見ほこれを大きく分け・ると次の2っの反  

見の対立から成り立っていた。籍一一・のグル−プは(1)過去の平均的投資利益   もって切憮率とすべきであると主張する人達であり,他の第二のグル・−プ   

(7)

弗37巻 第2・3号   ーー7〃−  

ほ(2)資本コストを切捨率として:採用すべきであると主路する人達であった。   

これらの主張の内容をさらに・詳細に.研究すると,それほ次の如くである。   

(1)過去の平均的投資利益率を切捨率として採用すべ尊であると主張する   解(The Historic Return onAssets Approach)  

株主ほ過去の利益率に満足して−いるからコネルプ社の′株式に.投資している   で串るという観点に・立てば,将来の設備投資がこの過去の平均利益率を低下   せないように缶画することが経営者の株主に対する義務である。このために   過去の平均的投資利益率を切拾率として,それ以下の切捨率しか有しない投   薬はこれを切捨てごることが必要である。以上のような理由から過去の平均的   資利益率が切捨率として.−主張されるのである。しかしこの過去の投資利益率   計算方法に.関しては種々の意見があった。その詳細な内容ほ以下の通り   る。  

A.過去の投資利益率算定の計算方法に.ついて  

1.粗投資対純利益率(Net Return on GrossInvestment)   

これは現在コネルプ社紅おいて採用されている切拾率である。それ腰   減価償却費および相税控除後の純利益  

粗投資(=減価償却費を控除しない前の給帳簿資産−流動負債)  

で表わされる。   

現在の経営者の中多数の人達ほこの方法を最も現実的でしかも有意義な方   であると考えてこいる。   

2.粗投資対現金流入益比率(Cash Flow to GrossInvestment)  

ある1人の経営者は投資利益率の分母ほ1と同様でよいが,分子の方は税  

玖V.  あ  

で  後利益と減価償却費との合計である現金流入額(流入益)を採用すべ   と主張した。彼の見解によると減価償却に見合う現金流入額は純利益  

き   ∵∴∴   匪   樺  固  

と  

重要であって,設備投資の資金源として使鳳することが出来る。それゆえ勝機 軍  

償却資金は設備投資の重要な源泉である。株主は会社の成長に大いに関心を礫       執  

っているから,投下資本に対する現金流入額の比率を低落させることを欲   

(8)

設備投資計算における計算利子率の再吟味   ・−・7.Z−  

う。この比率を切捨率として採用するならば,そのような危険を避け   立つというのである○  

味投資対純利益率(NetReturnonNetInvestment)  

見解匿よると過去の投資利益率ほ次の比率で表わすことが望ましいとす  

減価償却および租税差引後。純利益   減価償却費控除後の総資産・一流動負債  

式の分母は,固定負債,優先株,普通株,剰余金の合計を表わす。経営   の分母軋対する純利益率を維持またほ・改善する義務がある。そうするこ   ってはじめて瀾主の有する株式の価値を維持またほ改善するこ上が出来  

普通株式資本帳簿価値対純利益率(Net Return onEquityBook  

は次匿比率で表わされる。  

減価償却および租税差引後純利益   普通株式資本帳簿価値(普通株資本金+剰余金)  

比率を切拾率として採用するのほ次の理由に・よる。すなわち普通株主は   投下資本に対する利益の増大を希望している。したがって.普通株式資本   値対純利益率を大ならしめることが普通株主の見地からすると好ましい   ある。しかしこの方法にほ困難な問題が付随している。すなわら各事業部   本金は本社から総体として資金を受け入れているのであって,帳簿上負債  

ノ自己資本の種類を区別して:いないのであるぐ,つまり本社勘定一本やりで   金を記帳している。したがって二本故における普通株式資本の帳簿価値を   業部に割当てることに問題が存在している。特に.ある1つの事業部の部品   の事業部への投蛍ほ他の事業部よりも危険の程度が/トさいから,彼の事業   会社全体の  平均よりぺ「一層大きい割合の負債と小さい割合の自己資本を受  

る余地がある。したがって各事業部の総資本の割合によって本社の普   資本を各事業部に比例按分することにほ反対であると主張した。しかし   

(9)

第37巻 肇2・3号  

− 72−−  

彼はそれに代わる妥当な解決策紅関する彼自身の試案粧ついてほ何一つ示し   いないのである。   

5.再調達時価対純利益率(NetReturnonReplacement Valu占s)  

以上の1から4までに述べた投資利益率の算式に・おいてこは分母は会計上のIb   簿価値によって表わされるものである。ところがこ.」で述べられる再調達時   対純利益率は次の比率で表わされるのである。  

減価偵却および租税控除後の純利益   

減価償却控除前の現在の再調達時価で評価した総資産・−流動負債   このような時価によって資産側を評価する主張の根拠は資産の帳簿価値   計上の操作がなされているから,現在の時価を表わさなけれほな、らないとい   意味においてほ奥実の価値を表示してこいない。資本計画においてほ資産は硯   の価格で表示声れることが適当である。すなわち資産を時価で再評価するこ   は株主に対して現在に.おける轟実の価値を表示するから,株主のために本   利益になる判断が出来るのである。資産を時価で評価しないと.真実の投資利   率を知ることが出来ないというのである。たとえば電機部品部における棚卸   産価値ほ後入先出法が適用されてこいるから,約1千万ドル程低目に評価され   いる。他の事業部では大部分先入先出法を適用して:いるから棚卸資産ほ大体   備に掛・、価格で表示されている。また電輝部品部および重電磯部に・おける固   資産の帳簿価値ほたとえば時価の半分以下に二評価されているのに対して,顔  

 ̄ ̄− 

・ 

_ 

減価償却費ほ現実的な借を表わさないから,投資利益率の適正な計算が   いというのである。   

6.その他の方法  

その他の投資利益率の計算方式においてほ.以上にあげた各種の投資利益率讐  

分子,分母を各々取り出して組み合わすこ.とも出来る。たとえば正味投資頻肇  

一現金流入額比率(Cash Flow ReturnonNetInvestment)はこの例で   

(10)

設備投資計算における計算利子率の再吟味   −7β−   

ような種類の投資利益率も無視すべきではない。  

資利益率の計算方法におけるその他の意見の差異について   事巣部別に・利益を求める方法に関して  

在の手続セは各事業部個有の費用は当該事業部に賦課して−あるが,本社の   ほ配賦されていない。しかしこの本社費用を各事発部へ配賦しないならば  

決定するための各事業部の投資利益率ほ現実的,突崩的ではない。こ   捨率を   

ような議論に・対してほ相当の支持者があるが,さてその配賦基準として売上  

≠利益,粗投資,その他の基準のいずれを採るべきかということに・なると意  

の一致を見ていない。駕た切捨率を算定するために・本社の資産を各事業部虹   する必要があると主張する人もいる。   

加重平均を行う方法について 

てコネルプ社は切拾率を決定するために最近5ケ年間の単純平均を計算す  

法を採用している。この最近5ケ年間が適当かどうか議論がある。もっ   い最近の数年間の平均が適切であると主張する人もあるが,またある人は   年間は余りに短かすぎで切拾率を低目に評価す−るおそ・れがあるとしている。  

た任革に・5年間を選ぶよりほ,もっと組織的な方法で計算年数を嘩ぶ必要が   とする人もある。さらに単純平均ではなくて加重平均(最近の年に重いク  

トをおく)を採用した方がよいとする人もある。  

2)資本コストを切捨率として牒用すべきであるとする見解(The Cost o董  

CapitalApproach)  

幣すなわち資本ほ色々な形態で嘩々の価格において購入することの出来る   の商品である。  

ある投資案の利益率が資本コストよりも大であるならば,株主は∴その資本を   達して,その設備に投資することによって利益を受けるであろう。したがっ   追加的設備投資の可否を判定するための切拾率は資本コストである。これが   の説の主張の根拠である。そ・の反面こ.の説の弱点ほ各種資金の資本コストの   定について種々なる意見の差異があり,そのため掛刷的な見解が存在しない   小うことである。   

(11)

第37巻 第2・3号   

T7ぜ・−・  

このような意見の差異の内容を示すと次の如くなる。  

A.切拾率としての資本ゴストを計算する骨組について   1.最もコストの低い調達資本部分のコ.ストを採用する説   

この見解によると最もコストの低い追加的調達資金のコストよりも大なる  益率を有するあらゆる投資案ほ採用するのが望ましく,この最小の資本コス   が切拾率となると主張する。たとえばコネルプ社にとって:最も低い資本コ 

トは社債の4%である。社債をいくらでも発行するこ・とが出来るならは   の最低の資本コスト以上の利益率を有する投資案を採用すれぼするはど株主   利益は増大する。   

2.最もコストの高い調達資金部分の資本コストを採用する説   

これは追加的調達資金の最も高い資本コスト以上の利益率を生ぜしめる投   薬は確実に採用することが望ましいから,この最も高い資本コストを切拾率   すべきであるとする見解である。コネルプ社紅おいてこはこれは普通株式資本   資本コストを表わしている。   

8.加重平均資本コスト(現在の帳簿価値)   

コネルプ社に.おいてほ現在すでに各種の資本が投下されて存在している。  

れらの既存の各種資本を現在の市場において再たび調達すると仮定するなら  支払わなければならないであろう各種資本の現在のコストを見積るととが出  

る。コネルプ杜の現在の資本構成(帳簿価値)をウェイトとして,これら既   資本の現在の市場における資本コストの加重平均値を求めるのである。   

たとえばクエイトほ次のようにして計算される。  

金 額   社   債(3、75%)12p百万ドル   優  先  株(6%配当)50  

普 通 株(700万株)70  

利益剰余金  

引   374百万ドル  

百分率   り,エイ†  

32.1%   0」・321   

13 4   8.134   

1声7   O 187 

・ 

▼.   0・358  

100%   1  

そしてこの加重平均値を切捨率とするのである。   

(12)

設備投資計静払おける計罫利子率の再吟味   −7∂− 

口重平均資森コスト(理想閉資本構成)  

ルプ社における現在の資本構成ほ固定したものではない。将来この資本   はもっと理想的な資本構成紅向って進んだ行くであろう。現在の経営政策   いて予想せられるとの将来の理想的資本構成(帳簿価値)はたとえば次の   な構成となるであろう。  

百分率    33.3%  

1010    56.7   社   債  

優  先  株  

普通株および利益剰余金  

計   100い0%  

の理想的資本構成をク1‡.イトとして各種資本の現在の資本コストの加重平   な求め,これを切拾率とするというのである。   

加重平均資本コスト(市場価値)  

の説によると現在の資本構成が現在の市場価値陀二よって評価される。そし   この現在の資本構成の市場価値をウェイト降するのである。たとえば現在普  

は700万株が発行されて∴おり,その1株当り市場価格ほ.48ドノレである。そ  ると普通株の総市場価値ほ83,600万ドルである。社債の市場価値ほ利子の   の総支払額(4,500万ドル)を現在の市場利子率(4.75%)で割ろととに   て測定出来る。この計昇の結果,社債の市場価値は9,500万ドルである。  

株の市場価値も社債と同様の方法紅よって6,500万ドルと計算されたとし   う。これらの資料から次のクエイトが得られる。  

金 額   社   債  9,500方ドル   優 先 株  6,500   普 通 株 嬰L至型  

封   49,600万ドル  

百分率   ウ.エイト   19.1%   0い191  

131   0131   67.8   0.678   

iOO.0%  

(13)

第37巻 第2・3号  

−−76−・  

このクエイトを用いて−現在の資本構成中の各種資本の現在め資本コストの加   重平均値を求めて−,これを切拾率とするのである。  

6.将来の追加的資本の加重平均コスト  

以上の8から6までにこおいてほ.現在の累積的資本構成を基礎としてクエイト   を算定したのであったが,今度ほ将来の追加的資本のみを基礎としてウメ.イト   を算定する見解である。この計算例をあげてみると,たとえば今後5年間の設   備資金需要を予測するのである。この必要資金見積が飢,500万ドルであるとし  

よう。今後5年間の留保利益は合計6,500万ドルと予想される。それ故5年日   の設備投資資金を完全に・まかなうためには柑,000万ドルの追加資本を外部市場   から調達しなければならない。現在の社債政策に.よって社債ほ追加的調達資   金体の約だ欄達することが望ましい。したがって少くとも7,400ドル   普通株式の発行に.よってまかなわなければならないと判断される。優先株は   後の5年間ほ使用しないものとする。そ‥うすると将来の追加的調達資金をグ£  

イトの基礎として採用する方法ほ次の如く計算される。  

源   泉   ●追加的資金見敬   百分率  

社   債   7,600万ドル   35、4%  

普 通 株 式   7,400   34.3   留 保 利 益   6,500   30.3   劉   21,500万ドル   100。0%   

このウェイトを使用して平均的資本コストを計算するのである。   

7.現金流入額の加蚤平均コスト   

以上述べたどの方法も減価償却資金の存在を考慮紅入れていない。たとえ   今後5年間の減価償却積立金による資金は8,500万ドルと推定される。・そう  

ると今後5年間の追加的資本をクエイト算定の基埠とするこの方法においで   エイトほ次の如く計算される。   

(14)

設備投資計静紅おける計算利子率の再吟嘩   −77・一  

資 金 源   追加的資本   百分率   ウエイト   減価償却費   8,500方ドル   28,3%   0,283   社   偵   7,600   25.3   0‖253  

普 通 株 式   7,400   24.7   0、247   留 保 利 益   6,500   21.7   0.217  

釘   30,000万ドル  100.0%   1.00   減価償却資金の資本コストを決定した後,加重平均資本コストはすでに・述べ   のと同一・の方法によって一計穿される。  

最もコストの高い追加的資本グループの加重平均資本コスト  

この説紅よると将来の5年間の追加的資本全体をたとえば次の如く資本コス   ノの低い内部資金グループ(コストの低い社債を含む)と資本コストの高い外  

資金グループとに分けるのである。この両グループほ各々独立の資本コスト   有するやら,加重平均コストを別々に計算する。・そ・のときのウ一エイトは次の  

くである。  

グ ル ー♪ プ Ⅰ   源   泉   金   額  ̄   減 価 償 却   8,500万ドル   社   債   3,900   留 保 利 益   6,500  

計   18,900万ドル  

百分率   ウエイト  

45.0%   0.450   

20.6   0.206    34.4   0.344    100.0%   1、000  

グ ル・−・プ Ⅱ   源   泉   金  額   借  入  金   3,700万ドル   普通株式爽行   7,400  

計   11,100万ドル  

百分率   ウエイト   333%   0…333  

0・667  

ユ00い0%   1000   

(15)

欝37巻 欝2・3号   

−−7β−  

グル・→プⅡの加重平均資本コストがおそ・らく・−−一層高い値を有するから,こ   を切拾率(Cut・Off rate)として∵採用するのである。たとえばグ)L/−プⅠの加   平均資本コス†より大きいが,グル・−・プⅡの加重平均資本コストよりも小さし   利益率の投資案が存在するとき,この投資案を採用すべきか否か。またこの   き加重平均資本コストの高い資金グループを調達すべきか中止すべきかの問   を解決するために・,このように調達資金を分けてご考える必要があるのであ′る   B.諸種の鱒達資本の資本コストを測定する方法に・ついて   

以上A項払おいてほ切捨率としての資本コストを計算する大綱的骨組陀二閑   て.生じた議論を検討したのであるが,このB項に二おいて−は今度はその算定の   礎となる各種の個別的資金の資本コストは如何にして決定されるかの問題を   扱う。ただし租税は簡単化のため,すでに.考慮されていることに.して議論し   いことにする。  

1.社   債   

社債の資本コストを測定するに二は4っの異なる見解があった。  

a)表示利子率  

コネルプ社の社債の表示利・子率は8.75%である。  

b)現在の市場利子率   ノ  

コネルプ社の社債の現在の市場利子率は4.75%である。  

C)過去の平均市場利子率   

第2次大戦後コネルプ社の社債の市場利子率は2.8%から4.8%までの間    変動した。したがってその平均市場利子率は約3.2%である。  

d)将来の予想市場利子率   

こ一そ・は適当に.選んだ将来の数年間に.おける市場利子率を見積ったものセ    る。   

2.優 先 株 式   

優先株の資本コストを測定する方法に関する意見の差異ほ社債のそれ匿似   いる。  

a)表示配当 率   

(16)

設備投資計算における計節制子率の再吟味   −−7クー  

れは現在コネルプ社に・おいては6%である0   市場価格に対する現在の配当率し実質的配当率)  

配当額は1株について6ドルである。またニユー・ヨーク証券取引所に・おけ   現在の市場価格は180ドルである0 したがって現在の市場価格に対する配   率は4・6%である0  

過去の平均配当率  

戦後において表示配当率6%のコネルプ社の優先株は市場価格紅対する実  

的配当率で考えると3・7%乃至5・1%の間を変動し,過去の実質的平均配当  

は乎濁4.2%であった。  

)将来の予想配当率  

これは将来の適当な期間における優先株の実質的予想配当率を意味する。  

普通株の新株発行  

畠株新株発行の資本コストは次の如ぐである。  

東本コスト算定式における分子の内容  

資本コスト算定式における分子ほ多くの人の見解に・よると1株当り配当額   ミ普通株に・対サーる現金支出額であるから,これが普通株の資本コストである  

主張される。また1一・方1株当り利益を主張する人もある。アメリカの学者   女′≠・ソロモソ(EzraSolomon)ほ編著「株式会社資本の管理」1959年  

(ち) 申の論文「会社の資本コストの測定」において設備投資の経済性計算の方   として内部利益率法を推奨しているが,この場合に各投資秦の内部利益率   対する切拾率は資金需要曲線と資金供給曲線との交点によって決まるとし   ている。そしてこの資金供給曲線を形成する各種の追加的調達資金の資本コ   ストの申,普通株新株発行の資本コスト として次のような主張を行ってい  

。彼ほ現在の普通株主の利益を守るという見地から各種蘭達資本の資本コ   トを考察サーる。普通株主の信託を受けている経営者は常紅普通株主の利益   Ez工■aぶ0lomon,Measll王inga company,scostof占apital,i‡1:Ez工a Solo皿On,  

heManagementof CorporateCapital,The F工eePressofGlencoe,1959,pp.   

(17)

簡37巻一軍2・3号   ー・.β∂− 

に・なるような設備投資を行わなければならない。長期的に見ると普通株1   の所有者ほその1株から生ずる利益の所有者である。それ故1株当りの将   の利益がどうなるかが普通株主にとって:ほ最∴大の関心事である。したがっ   設備投資紅よらて普通株主が1株当りに・ついて得る年度利益が減少しない  

とが必要である。それ故普通株新株発行の資本コスト(踪」ほ次の式で   わされるとするのである。  

眉A・(∫+g)一旦A・∫  月A  

亀=   P・ズ   P  

ただし  

ア=新株発行の1株当り正味芋澱額(発行価格差引発行費用)  

g=新株発行株数  

思A=設備投資が行われないと仮定したときの,1株当りの将来の   度利益の最良の見積り  

∫コ既存の普通株式数   

こ.の脆を切拾率とすることによって普通株1株当りの年度利益を減少   しめるような設備投資案はこれを否決することが出来る。すなわち普通新    の資本コストは現在の普通株1株当りの市場手取価格に.対する,投資案が    周されないときの普通株1株当りの将来の年平均利益の比率である。こぁ   

うな・ユズラ・ソロモソの見解ほコネルプ社の経営者の申,普通株の資本コ   トの算定式における分子として1株当り利益を主張した人々と類似した見    であると言うことが出来る。  

b)資本コスト算定式における分母の内容   

資本コスト算定式における分母ほ1株当り市場価格であるとする説とこ    から各種の発行費用を差引いた正味手取額であるとする説との2つの見解   

あるが,会社が実際に手に入れて設備に投資するのは後者であるから正鱒    取額を採用すべきであるという主張が有力説である。  

C)資料の選択   

(18)

設備投資引算における計静利子率の再吟味   −βJ− 

次に上述の分子および分母の数値ほ如何なる資料紅基いて選ぶぺきかとい  

ぅ問題が生ずるo  

∴現在の状況  

現在の資料を採鳳する。  

ii∴過去の平均資料   

これは最近の数年問紅おける計算贋料の加重またほ嘩純平均を採用す    る。  

iii.将来の発行時における資料  

これほ普通株の将来の発行予想時点において予測される資料を見積っで    採鳳する。  

iv.1株当りの将来の利益または配当の平均   

との見解によると将来の1株当りの年平均利益またほ配当(普通株式が   増資されないと仮定して一見括ったところの)を現在の市場価格で割って資   本±ストを求めるのである。  

Ⅴ.利益またほ.配当の割引率   

この主張によると先ず1株当りの将来の利益(または配当)の流れを見   横り,こ.れを現在佃備に割引いたものが丁度現在の市場佃格に等しくなる   ような割引率を資本コストとするのである。  

留 保 利 益  

政利益の資本コストを測定する方法に関する程々なる見解は次の如くであ  

零 コ ス ナ  

これは層保利益の資本コストほ0であるとする主張である。  

普通株式の資本コストと同一・であるとする説  

これほ留保利益は単に普通株新株発行の代用物であるにすぎない。したが   てそのコストは普通株の資本コストと略々同一・であるとする見解である。  

ズラ・ソロモンは留保利益の資本コスト(‰)は次の算式で表わされる   

(19)

筋a7巻 滞2・3号  

−−82 −  

(6)   

としている。  

垢=−㌃・(ト沼才)  

ただし  

〟= 現在の普通株1株当り市場栖格  

ガ1ニ= 設備投資が行われないと仮定したときの,普通株1株当りのギ   来の年利益の最良の見積り   

∽才=個人所得税率の平均値  

このソロモソの考え方は本項の見解に腰似したものであると言うことが    きるであろう。  

C)個人所得税の考慮  

現金配当にほ個人所得税がかかるから(その税率は高い),利益をすべ   金配当して,その後に.普通株を募集するよりも留保する方が株主の利益に  

る。それ故留保利益は普通株式よりも低いコストを持つ。  

5.減 価 債 却   

減価償却資金の資本コストに関しても次のような種々なる見解が存在した   a)零 コ ス ト  

これは減価償却積立金はすでに会社内に.存在する資本であって,   

必要がないからコストを有しないとする説である。  

b)過去の平均的投資利益率  

こ.の見解は減価債一却積立金ほ会社の利益を維持するために.会社の資産が   耗するにつれて,それを取替更新するための準備金である。それを投下し   いと従来の資産利益率ほ消滅するであろう。それ放これを機会原価として  

えて見ると,その資本コストとしてほすでに(1)の段において述べた過去    均的投資利益率の中のどれか1つを採用するのが適当であるとする考え    ある。   

(6)Egf■a Solo皿On,Ibid p,133   

(20)

設備投資計算におけ富計界利子率の再吟味   −ββ一   

本のコスト  

播償却は以前に投下した資本の回収額である。したがってそのコストは   会 社内に存在している総資本構成の全体としての平均的資本コスト軋   セ匿   

しい筈である。それ故滅相償却積立金のコスl・はすでに上において述べた  

の総資本のか−1壷平均コストの■11どれか−−一・つを選べばよい。  

ノ∵損失コスト  

とれは減価岱却掛2金は大部分の場合会社の過去の利益を減少させないた  

ノに設備へ投資されるものである。それ故減価償却資金の資本コストほもし  

れを設備へ投資しなかったならば生ずるであろう利益の減少額(損失)を   該減価償却資金で割ることによって求められるとする見解である0   そ・の他の資本コストに関する見解   

上の資本コストを切捨率とする見解ほ会社全体の資本コストを対象として  

。、それでは各事業部毎の切捨率ほどうして瀧定するのか。・そのためにほ各  

部とそれと同一・の仕事をしている外部の専業の競争会社に粗ける種々なる  

を比較して各事業部毎に適正な資本コストを決定し,これを基にして各事   部の切拾率を算定するのである。たと.えばコネルプ社のコントロ−ル装置部   自動装置部)ほ戦後著るしい成長を遂げた。これと同じ成長率を有する外部  

業の競争会社の普通株ほ.たとえば20という高い市場価格対純利益率を有し   いる。それ故コネルプ祉のコントロ−ル装置部における普通株め資本コスト   税引後で5%であると推定することが出来るのである。またコネルプ社の垂   鱒革と同じような利益額を獲得している外部の競争会社における普通株の市   価格対純利益率ほ約甲である。それ故コネルプ祉の重電機部に対す皐普通株   資本コストほ税引後で約12.5%であると想定するのである。さらにまた危険   の少ない事業部に.おいてほ借入金をさらに多額に借入れることが出来るであ  

う。投資紅対する要求額も各事業灘耽.よって異なる。このような諸要素を勘   して各事業部の資本コストを決定するのモある。   

以⊥にこおいて筆名ほ′コネルプ社において現在採用されている切拾率である   

(21)

第37巻 滞2・・3号  

一一ざJ 】  

ところの粗投資対純利益率に結論がまとまる迄に切拾率の決定紅関してコ   プ社の管理者連に.よって色々と主張された種々なる議論の内容について検討を   加えて一乗た。  

5。.切捨率の決定要素  

以上コネルプ社において行われた切捨率に関する種々なる論議についてそ−の   主張の内容を1つ1つ検討してみると各意見とも各々その主張にほ一応の根  

があって−,その上に立脚して立論されていることが分るのである。そケする   その中との主張が一・番適当なのであろうか。結論から先に述べるならば筆者  

それは経営者がそ・の資本計画匿あたって諸種の事情を考慮して最も適当である   と考える内容の切捨率な選択すれほよいと考える○つまりそれは経営者の適正  

な政策に.よって決めればよいと考えるのである0勿論その決定は慈恵的な判断  

によってではなくして,適正な判断に・よって∵裁決されることが条件である。  

来主張されている種々なる切拾率のヰjどれを選ぶかは経営者の適正な選択の  

題である。それは経偏者の適正な政策によって決まるべきものである。たと   ば後藤幸男教授ほ論文「資本費の再吟味」(神戸商科大学,商大論集,1963年  

6号,23貢)において次の如く述べられている。   

「資本艶の意味するところとしてほ  

(1)資本運用に対して要求される最低の利益率  

(2)投資の可否を決定する棄却率  

(3)いわゆる金利ないしは資本調達の費用  

(4)長期の目標利益率   

こ.れと同様の見解ほSolomonの書物でも明らかに・されている。そしてこ   ちの資本費の中どれを投資の基準として使うかは,その意図によって異なる   いうのが通説である」   

この引用文の最後の文章ほどれを使うかは・そ・の意図によって異なるとして  

るが,その意味するところは上述の考え方と頬似してこいるのではなかろうか  

思う。   

(22)

設備投資計罫における計静利子率の再吟味   −β5− 

営者は具体的資本計画にあたって企業の安定と成長のために・どの切捨率を  を具体的に■その目的に・・そうよう適正に∴決定すべきである。しかし   すべきか   

こで経営者がその適正な選好によってどの切拾率を遊ばうとも,設備投資を   行 した後において−は常に次甲ような経営資産対必要営業利益率ほ企業全体と  

ては必ず満足・されるよう考慮を払わなければならないと考える。それ故次に 

萌する経営資産対必要営業利益率は企糞全体としての切拾率の一層であると   えてよいと思う0  

の企業全体の切捨率の一種としての経営資産対必要営業利益率の内容は以  

の如ぐである。  

最初に次の貸借対照表から出発する。ただし計算例の数億ほ仮定的に.想定し  

ものである0  

今 期 末 の 貸 借 対 照 表  

産 備  

資 設  

助 走   

流 固  

営業上の賢掛金および支払手形 30‡⑨   その他の流動負債  

固 定 負 偵   自 己 資 本  

15  

180  

∠  

825  

取 得 原 価 600   

減価償却引当金 J_   595  

投 資 勘 考   20   繰 延 資 産   Ⅶ  

825  

ず今期末の貸借対照表の借方例の資産から投蟄勘定と繰延資産を除外す   or残りは流動資産200万円と固定設備600万円である。固定設備は減価償却前  

最初の取得原価で評価する。こ・れから貸方側の営業上の買甜金および支払手   80万円を差引く(=①+④−一⑧)。残りは770万円である。これに次年度に設  

呼・投下される追加資本たとえ.ば釦0万円を加算する。この合計を筆者ほ経営   感と呼ぶ。  

次年度の経営資産=今期未の固定資産+今期末の(流動資産一営業上の買粗   金および受払手形)+次年度に設備へ投下する追加資本   

(23)

簡37巻 欝2・3号  

→− β万一−  

これは上述の引算例によれほ970万円である。  

そして次のような目標利益率を求める。  

次年度における最低必要利益+支払利子  

目標利益率=   

次年度の経営資産  

最低必要利益=配当金+最低社内留保一卜税金+繰延資産償却費   ところでこの目標利益率ほ次年度の短期のものであるから,これな・長期の目   礫利益率に′なおさなけれはならない。目標利益率が長期のもので蒔ければな  

ない理由ほ次の如くである。たとえば今年8%のコストの社債で設備資金   借入れたとする。ところが他人資本の借入れが限界に達したので翌年は20%  

コストの自己資本で設備資金を調達しなければならなくなったとすれほ,毎年   経営資産対必要営業利益率は変動してくる。しかし設備は長期的に・存続する   のであるから切捨率ほ毎年変動しないことが望ましい。したがって将来の長   の予想(特に最適の資本構造紅基く)をも考慮に入れて,この短期の督標利   率を長期の経営資産対必要営業利益率(長期の目標利益率)に修弔すべきで  

る。そして−経営者は.資本計画においてほ常にこの長期の目標利益率を設備投   の経済性計算に率いてご企業全体の最低の切拾率の標準として必ず考慮すべき   あると考えるのである。すなわちこの考え方は投資勘定と繰延資産は考慮外   おき,流動資本と固定設備との合討としての経営資産のみによって最低の必   利益額と他人資本利子を獲得することを狙ったわけである。   

さてある期間の資本計画紅おいて全ての設備投資案に対して上述の企業全   の最低の切拾率である経営資産対必要営某利益率を通風するのが適当である   考えられる場合ほこの経営資産対必要営業利益率を切拾率として採用する   である。ところがまた切拾率ほ設備の種類紅よって異ならしめるのが適当   場合も存在する。たとえばカ−ル・エル・モーア捻論文「現在価鱒法と取  

投督の決定」において切拾率は各設.鹿の種類紅対して各々1つずつある。  

まり切拾率ほ会社全体として数個ある。ある【小定の会社内においてあらゆ   種類の設備に一・樟に適月]される唯一個の切捨率は存在しない。たとえばあ   石油会社は池輸送管へ・の投資と採油設備への投資に対してほ異なる切拾率   

(24)

設備投資引算における計静利子率の再吟味   −β7−  

(り  

いると主張してい挙0このように各設備の種類毎に異なる最低の切拾   するのが適当な場合はどうするかというと,この場合は全体として   踵率つまり採用されるすべて−の投資案を合計して考えた全体としさ   知益が上述の経営資産対必要営業利益率(切拾率)よりも大紅なれほよ  

る。そうする各設備種類別の最低の切拾率の決定ほ.どうするか。それ  

・される全ての投資案の合計としての投資利益率が上述の経営資産対必要   雌率以上となるよう紅注意しなが声,各設備種類毎に過去の取替投資の  

疲断り益率,過去の拡張投資の平均的投資利益率,各事業部の過去の平   資利益率,外部の競争会社の諸資料等を勘案して適正に決定すべきであ  

えるのである。勿論経営者はと・の設備種類別の最低の切捨率よりも大な  

率を具体的な場合に当ってその適正な選好に・より採鳳することが出来る   ある。  

上を要するに色々な切拾率ほ経営者の適正な判断による政策によって採用   こ 七が出来る。しかしそれに付け加えていかなる場合においても採用され   べての投資案の全体としての投資利益率がこの企巣全体の経営資産対必要   利笹率よりも小さくならないよう注意すべきである。その意味でこの経営   対必要営業利益率は企巣全休としての最低の切捨率の一一種である。また上  

る所は新しく設備投資を行う紅あたっての切捨率について論じたのである   の反対にすでに企業内に現在存在している既存の設備に.ついてもそ・の投   u益率がこの経営資産対必要営業利益率より小さいような設備はその撤去を  

るべきである。  

4.切捨率と割引率との関係   

で虹述べた如く切捨率は投資利益率法に如、て−,また割引率は資本価値法   在価値法)において億用されるものである。従来ほ.この両者を同一・のもの   わち同一・の資本コストであると考えて,現在イ刑責故においても割引率とし  

C読1L MooIe,The PresentValueMethodandTheReplacementDecision,  

埠eAccounting Rqview,January1964,nO 1,p。98 

参照

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