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Academic year: 2021

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Instructions for use

Title A Dynamic Model of Mergers and Acquisitions : Optimal Payment Methods [an abstract of dissertation and a summary of dissertation review]

Author(s) 陳, 雯君

Citation 北海道大学. 博士(経営学) 甲第12974号

Issue Date 2018-03-22

Doc URL http://hdl.handle.net/2115/70453

Rights(URL) https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/

Type theses (doctoral - abstract and summary of review)

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File Information Wenjun̲Chen̲review.pdf (審査の要旨)

Hokkaido University Collection of Scholarly and Academic Papers : HUSCAP

(2)

様式9

学位論文審査の要旨

博士の専攻分野の名称:博士(経営学) 氏名: 陳 ブン君

審査委員

主査 教授 石井 利昌

副査 教授 辻村 元男(同志社大学)

副査 准教授 後藤 允

学位論文題名

A Dynamic Model of Mergers and Acquisitions: Optimal Payment Methods

(企業買収合併における最適支払戦略の動学モデル)

本論文は,企業の買収合併における支払戦略を,不確実性下の動的最適化問題に よって分析した研究成果である.

企業買収合併はコーポレートファイナンスにおける重要なテーマの 1 つであり,

不確実性下の動的最適化問題を扱うリアルオプションの分野においても王道とさ れ,Margrabe (1978)以降,数多の研究がなされている.企業買収合併の動学的分 析の主な目的は,買収が起こる最適なタイミングの分析である.さらにそれに付随 して,買収によるシナジー効果,負債の再構成によるデフォルトリスク,買収発表 によるアブノーマルリターンの分析などが主な興味の対象である.本論文では,こ れらの分析を包含しつつ,支払戦略の多様性という新たな視点からモデルを構築し ている点に独創性がある.

企業買収合併には複数の支払方法があり,現金,株式,現金と株式の混合支払の 3 つに大別される.複数の実証研究において指摘されているように,混合支払の件 数や全体における割合は年々増加しており,支払戦略の分析は研究対象として新し く,意義のあるものといえる.本論文では,

1. 現金支払

2. 現金と株式の混合支払 3. 現金と負債の混合支払

の 3 つの支払戦略を考え,さらに現金支払において買収と身売りを同時に考慮した 戦略,3 つの支払戦略におけるアブノーマルリターンの分析を試みている.

本論文は,以下の全 7 章で構成されている.第 1 章では,企業買収合併の歴史,

分類,動機などのまとめと研究目的が示されている.第 2 章では,Hackbirth and

Morellec (2008)に基づいて現金支払モデルについてまとめ,買手企業の期待成長

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率とリスクが高いとき買収が遅れ,シナジー効果が高いとき買収が早くなることを 示している.

第 3 章では,現金と株式の混合支払モデルを分析している.数学的には,現金支 払モデルに加えて買収後の株式比率に関する最適化が追加されており,ナッシュ交 渉解を求めている.結果として,混合支払のほうが現金支払よりもスピードが早い こと,また買手企業の期待成長率が高いとき,両企業のリスクが低いとき,両企業 の相関が低いとき,買手企業にとって混合支払のほうが現金支払よりも有利になる ことが示された.

第 4 章では,買収と身売りを同時に考慮した現金支払モデルを分析している.数 学的には,自由境界が上側と下側の両方に存在する最適停止問題を解いている.結 果として,期待成長率が高い企業ほど相手を買収しようとすること,また企業のリ スクが高いとき,買収プロセスのほうが売却プロセスよりも長くなる傾向があるこ とを示している.

第 5 章では,現金と負債の混合支払モデルを分析している.数学的には,新たに 買収後のデフォルト境界を求めている.結果として,混合支払のほうが現金支払よ りもスピードが早く,特に両企業のリスクが高いときさらに早くなること,また買 手企業の期待成長率が高いとき混合支払のスピードが早く,売手企業の期待成長率 が高いとき遅くなることを示している.

第 6 章では,シナジー効果に関する不完全情報を導入し,アブノーマルリターン を分析している.結果として,買手企業のシナジー効果が過小評価され,売手企業 のシナジー効果が過大評価されるとき,不完全情報は買収のスピードを遅らせるこ とが示された.また,買手企業のアブノーマルリターンは不完全情報の影響を受け にくいが,売手企業のアブノーマルリターンは買手企業の不完全情報に強く影響を 受けることが示された.

第 7 章では,本論文のまとめを行ない,得られた研究成果を整理している.さら に今後の課題として,仮想通貨などを含めた多様な支払方法への拡張,複数の買手 企業による買収競争の分析などが挙げられている.

以上を要するに,本論文の主たる成果は,企業の買収合併における不確実性下の 動的最適化問題について支払戦略の観点からモデルを拡張し,様々な分析結果を導 いたところにある.それぞれのモデルが一貫性をもって展開され,解析的に問題が 説かれている点も評価できる.ただし,シナジー効果に関する定式化が先行研究か ら改善されていない点や,アブノーマルリターンなどの実証分析まで踏み込めてい ない点が,今後の課題として挙げられる.しかしこれらを踏まえても,第 3 章の基 論文が学会賞を受賞している本論文の学術的価値を損なうものとまではいえない.

よって,審査員 3 名の全員一致をもって,本論文は博士(経済学)の学位論文とし

て価値のあるものと認める.

参照

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