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愛宕臨床栄養研究会(ACNC )第 62 回学術研究会

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Academic year: 2021

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愛宕臨床栄養研究会(ACNC )第 62 回学術研究会

摂食障害

日 時 :平成 20年 3月 14日 午後 6時‑7時 30分 会 場 :東京慈恵会医科大学 西新橋校 5階講堂 司 会 :松藤 千弥(東京慈恵会医科大学分子生物学講座)

演題:摂食障害の現状とそのサポート

東京慈恵会医科大学精神医学講座 中村 晃士

近年,摂食障害は頓に増え,増加の一途をたどっ ている.しかし,一口に摂食障害とは言ってもさ まざまな臨床像を含んでおり,また以前のいわゆ る拒食症からは大きく変化してきているという現 状がある.臨床栄養に関わる医療者の多くにとっ て,摂食障害の現状を知る機会は少ないものと考 えられる.本講演では,現在までの摂食障害の研 究の流れと,現時点での摂食障害患者に対するア プローチの仕方についてまとめる.

1970年代から,摂食障害の中でも神経性無食欲 症(拒食症)が注目を集めた.当時の拒食症の患 者たちは,るいそう,やせ願望,肥満恐怖,ボディ イメージの障害,過活動といった症状を持ち,基 本的にはいわゆる「いい子」,「手のかからない子」

というのが特徴であった.しかし,その後神経性 大食症(過食症)の出現により,この概念が大き く様変わりすることとなる.衝動行為,強迫行為 のひとつとされる過食症状を持つ新しいタイプの 摂食障害患者は,その人格傾向としても衝動的で,

対人関係も不安定であり,いわゆる境界性パーソ ナリティ障害の合併が多い.拒食の時期があるか と思えば,過食嘔吐に至り,また衝動行為,自殺 企図などにより周囲を巻き込むような症例が増え た.その結果,それまでの単なる治療的アプロー チでは太刀打ちできなくなり,それに代わる新し い手法が必要となってきた.前述のとおり,摂食 障害の患者自体が増加するとともに,病態も多様 化しており,その背後にある人格,機能水準に合 わせたアプローチが重要となってきているのであ る.

また,衝動行為の一部としての過食,嘔吐そし て下剤の乱用などのために,摂食障害患者の死亡 率はいまだに高く,いくつかの研究では 10% 台の 死亡率の報告がなされている.したがって,患者 の身体管理,栄養指導は必要不可欠である.とこ ろが,本疾患に特有の患者の対人関係の不安定さ から,医療を受けるという行為においても困難さ がつきまとうのである.一方,認知の歪んだ患者 にとっても客観的な立場からの栄養指導の意味は 大きい.摂食障害患者の栄養指導に関わるコメ ディカルの方たちが,患者の背景を理解しながら 援助することが極めて重要であるといえる.

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