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平 成 1 8年 度 助 成 研 究 実施 報 告 書

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Academic year: 2021

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三陸総合研究 第31

平 成 1 8年 度 助 成 研 究 実施 報 告 書

研 究 題 目 ホップ蔓葉サイレージのヒツジ‑の給与試験お よび血液酢酸代謝動態 共 同研 究 者

( 所属 ・職) 佐野 宏明 ( 岩手大学農学部 ・教授) 研 究代 表 者

連 絡 先

電話 :

0196216165 FAX:0196216165 E

メール :

sano@iwateu.ac.jp

URL:

研 究 目 的

本研究は、ホップの未利用部である草葉 を反袈家畜の飼料 に応用するために、ホ ップ蔓葉 を サイレージ調整 し、 ヒツジに給与する。その際の血液酢酸代謝動態 を明 らかにし、反袈家畜の 飼料 としての可能性 について検討することを目的 とする。

研究結果の概要

1

はじめに

ホ ップはクワ科の多年生植物であ り、我が国では東北地方 を中心 に栽培 されている。遠野市 のホ ップ収穫量 は日本一であ り、大手 ビール会社の遠野産ホ ップを使用 したビールが話題 とな り、町起 こしにも一役果た している。‑ ホップは、多量のポリフェノールを含有 してお り、 ヨー ロッパでは古 くか ら民間薬 として も用い られ、殺菌、鎮痛作用 などの効能があることが知 られ ている。最近では、ポ ップに含 まれるポリフェノールが腸管出血性大腸菌

0157

の作 り出すベロ 毒素を無害化するなどの生理機能を有することが発見 されている。 しか しなが ら、 これまでは ビールの苦味成分 となる塩花のみに注意が払われてお り、塩花以外の部分 は、一部堆肥化 して 利用 しているものの、大部分 は廃棄 されているのが現状である。そこで、ホ ップ未利用部分で あるホ ップ草葉部分 に注 目し、反袈家畜用飼料 としての可能性 を探 ることを目的 として平成

1

6

年度 には一般成分、機能性成分 を測定 した。その結果、葉部の粗 タンパ ク質含量は極めて高 いことなどを明 らかに した。平成

17

年度 には乾燥 したホ ップ草葉の噂好性 を測定するととも に、安定同位体化合物の同位元素希釈法 ( シングルインジェクシ ョン法) によりヒツジにおけ る血祭酢酸の代謝動態 を測定 した。その結果、乾草ホ ップ草葉 ヒツジにおける血渠酢酸の代謝 動態はオーチ ャー ドグラス主体飼料給与時 と差がない ものの、ホ ップ草葉 はオーチ ャー ドグラ ス主体飼料 と比較 して噂好性が著 しく劣 っていたことか ら、 この点の改善が必要であると考 え られた。そこで、平成

18

年度は、ホ ップ草葉 をサイレージ化 してヒツジに給与 し、その際の 血液酢酸代謝回転速度 を同位元素希釈法の連続注入法 を用いて測定 し、ホ ップ葉菜の反袈家畜 の飼料 としての可能性 について総合的に検討 した。

2

材料および方法

本実験で用いたホ ップ草葉 は平成

18

8

月遠野ホ ップ農業協 同組合選果場 において採取 し た。直ちにミニサイロに詰め込み、サイレージを調整 した。給与試験 にはヒツジ

6

頭 ( 平均体 重

43kg)

を用いた。対照区ではオーチャー ドグラス主体乾草およびロール乾草 ( 乾物重量比‑

75:25)

を用い、維持量 を給与 した。実験区ではロール乾草 をホ ップ草葉のサイレージに 代替 した。飼料 は

1

1

14

時に給与 し、飲水 は自由 とした。実験 は

1

21

日間のクロス オーバー法 に従 って実施 した。後半の 7日間は環境温度 を23℃に調節 した生物環境制御室の 代謝ケージで飼養 し

、5

日間にわた り窒素出納試験 を実施 した

。20

日目に第一 胃内容液 を採

‑ 58‑

(2)

取 し、直 ちに

pH

を測定 した

。 21

日目に血祭酢酸 の代謝動態 を測定す るため に、採食

1

時 間前 に頚静脈 カテーテル よ り6mg/kg

O75

の【

1

13

C1 酢酸 ナ トリウム を授与 した後0.

1mg/kgO75/min

の注 入速度で

5

時間にわた り連続走速注入 した。 この間、経時的 に他側 の頚静脈 カテーテル よ り採 血 した。遠心分離 によ り血祭 を分離 し、分析 まで

‑30

℃で冷凍保存 した。血

祭【1

13

C1 酢酸 のエ ンリッチメン トお よび揮発性脂肪酸濃度 は、スルフォサルチル酸で除 タンパ ク後、ジエチルエー テルで抽 出

、MTBSTFA

で誘導体化 し、ガス クロマ トグラフィー質量分析計 を用 いて測定 した

得 られた血

祭[1

13

C] 酢酸 のエ ンリッチメ ン トお よび注入速度 を基 に血柴酢酸代謝 回転速度 を算 出 した。得 られた結果か ら血渠酢酸 の代謝 回転速度 を算 出 した。第一 胃内揮発性脂肪酸濃度 は、

水 蒸 気 蒸 留 した後 、 ガス ク ロマ トグ ラ フ ィー を用 い て測 定 した。 統計 処 理 は

SAS

Mixed procedure

を用 いた。

3

結 果

ホ ップ草葉サ イ レージの粗 タンパ ク質 ( CP)含量 ( 1 5. 6%) は混播乾草 ( 1 0. 4%)や ロール 乾草

(8.80/.)

よ り高かった。 フリーク法 によるホ ップ蔓葉サ イ レージの評点 は

2 5

点、評価 は

「 中 」 であった。採食量 に差 は見 られなか ったが、CP消化率お よび窒素 出納 は実験 区で低 い傾 向であった。第一 胃内お よび血祭揮発性脂肪酸濃度 は実験 区が対照 区 よ りも低 い傾 向であった ( 図 1

、 2

)。同位元素希釈法実施時 における血柴

[1

1 3 C] 酢酸 のエ ンリッチ メン トは実験後半 ほぼ 一定 とな り、定常状態が得 られた ( 図

3

)。血柴酢酸 の代謝 回転速度 は実験 区で対照区 よ りもや や低い値であったが、有意差 は認め られなかった ( 図

4

)。

実験 区

1.51

0.50

い て ‑ ‑ ‑ ↓ 了

1

第一 胃内揮発性脂肪酸濃度

ルーメン内容液濃度(mmol/I)

・l3

I ‑‑

対 照 区

1.

1

25 50

一i

. + .

i

0 120 180 240 300

2

血柴揮発性脂肪酸濃度

血萎引軍発性脂肪酸濃度(mmoL/l)

t,I

r‑1

3

渠[113C

1 酢酸のエ ンリッチメン トの経時的変化

、 ヾ

実験 区 照 区

‑ 59‑

(3)

三陸総合研 究 31

実験 区 対照 区

4 血衆酢酸代謝回転速度 (mg/kgO75/mln)

4

考 察

平 成 16年度 の研 究 にお い て、 ホ ップ草葉 の粗 タ ンパ ク質 お よび租灰 分 含量 はホ ップの各 部 位 と も代 表 的 な粗 飼料 あ るい は濃厚 飼料 と同等 で あ る こ とを明 らか に した。特 に、塩花 、葉 部 にお い て は粗 タ ンパ ク質、租灰 分 と もに家畜用 飼料 よ り高 く、 ホ ップ葦葉 は反 袈家畜 の飼料 と しての可 能性 が示 唆 され た。 さ らに、平 成 17年度 の実験 で は ヒツジ を用 い、乾燥 ホ ップ蔓葉 の噂好性 は劣 る もの の、 10%程 度 の添加 で は採 食量 は低 下 しない こ とを明 らか に した。 18 年度 にはホ ップ蔓葉 をサ イ レー ジ化 し、曙好性 向上 を 目指 した。 そ の結 果、 25%程 度 の割合 であ れ ば、充分 に採 食 で きる こ とを明 らか に した。本 実験 で はホ ップ葦 葉 サ イ レー ジ を摂取 し た際 の血渠酢 酸代 謝 回転 速度 は、対 照 区 よ りも若干低 い もの の、有 意差 は認 め られ なか った。

さ らに、本 実験 で得 られ た血祭酢 酸 の代 謝 回転 速度 の値 はいず れ も従 来 の報告 と類似 した値 で あ った。 したが って、血 液酢 酸代 謝動 態 、第一 胃内お よび血渠 中 にお け る揮発 性脂 肪 酸 濃度 か ら判 断す る と、 エ ネルギ ー供 給 の面 か らみ る と、実験 区 は混播 乾 草 とロール乾 草 を給与 した対 照 区 と差 が ない こ とを示 唆 してい る。 しか しなが ら、 サ イ レー ジ化 した ホ ップ蔓葉 の評 点 は低 か ったが 、高 品質 のサ イ レー ジ を調整 す る こ とに よ り、時好性 が 向上 す る もの と考 え られ る。

本 実験 で得 られ た結 果 か ら、 ホ ップ草葉 は ヒツジの粗飼料 と して利 用 可 能 で あ り、サ イ レー ジ化 す る こ とに よ り時好性 が 向上 す る こ とも示 され た。今 後 は、 よ り高 品質 のサ イ レー ジ を作 成 す る技術 を確 立 し、実用化 に向 け さらなる検 討 が必 要 であ る と考 え られ た。

5

や ツプのサ ンプ リングに ご協 力 をい ただい た遠 野 ホ ップ農 業協 同組合 菊池 三寿 氏 に深謝 い た します。

地域 振興 への展 開

本 実験 はホ ップ未利 用 部分 を家畜用飼料 と して利 用 す る こ とを 目的 と してい る。 ホ ップ蔓葉 をサ イ レー ジ化 す る こ とに よ りヒツジの晴好性 が 向上 したが 、高 品質 のサ イ レー ジ調 整 な ど、

晴好性 向上 の工夫 を施 す こ とに よ り利 用 性 は さ らに高 まる もの と考 え られ る。 したが って、今 後 はサ イ レー ジ化 した乳酸菌 な どを利 用 して調 整 した高 品質 の ホ ップ蔓葉 サ イ レー ジの給 与試 験 を実施 す る予 定 で あ る。本 実験 を継続 的 に実施 して、未利 用 資 源 を地域循 環 型 で有効利 用 す る こ とが可 能 となる よう展 開 してい きたい。

‑ 60‑

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