秋 田大学教育文化学部教育実践研究紀要 第
24号
2002年
新名称教具養成学部 における教師教育の課題
†一教職導入ゼ ミを中心 に一
佐藤 修司 * 秋 田大学教育文化学部
本研究 で は
,2000年度 に創設 された新 しい授業科 目 「 教職導入 ゼ ミ」 につ いて,受講生 を対象 と したア ンケー ト調査結果 に基 づ いて, その内容 と結果 の検討 を行 った.
教育文 化学部 は,教員養成 を 目的 と した学校教育課程 とともに,地 域 の人 材 養 成 を 目的 と した三 つ の新課程 か ら構成 されて い る. そのため,学生 は,教職 や免許 に対 して多様 な 志 向 を持 ってお り,特 に新課程 にお いて,消極 的 な志 向が 目立 って い る.
本科 目は,講義 や グループ討議,学校訪 問 な どを組 み合 わせ ることによ り,多様 な学生 に対 して
,「 教職 の意義」 を考 え させ る点 で,一定 の効果 をあげ る ことがで きた. しか し, 学生 が所 属 す る課程 や,教職 ・免許 に対 す る志 向の相違 によって,その効果 は大 きく異 なっ て いた.
キー ワー ド :教員免許,教員 養成,教員養成学部,学校訪 問,教職 の意義
は じめ に
1997
年
7月 に出 された教育職員養成審議会 「 新 た な時代 に向 けた教 員養成 の改善方策 につ いて」第一 次答 申に基 づ き
,1998年
6月,教育職員免許法 が改 正 され た.教免法 改正 の要点 は,①教職科 目単位数 の引 き上 げ,②教 科科 目単位数 の引 き下 げ,③教職 科 目また は教科科 目か らの選択単位 の設定, にあ っ た.特 に,小学校 , 中学校段 階での教育 問題 ( 教 師 と子 ど もの双方) の多発 に対応 して,教職への適性, 教育技術, カ ウ ンセ リング能 力 な ど,実践 的,臨床 的 な力量形成 を 目指 す とともに,大学 ・学部,学生 毎 の選択 によ る多様 な力量 の形成,多様 な教 師 の養 成 によ って,学校 現場 の問題解決 に資 そ うとす る も ので あ った.
この免許法改正 に対 して は,①教職科 目の負担 が 重 くな ることで, 私立大学 の教職課程 の維持 に困難 が生 じ, 開放制 の原則 が揺 ら ぐこ と1 ) , ② 教 科 科 目
2002
年
1月
22日受 理
日 s s ue soft heTeac he rEduc at l Oni nt heNe wl yRe 一
〇r ganl Z e dTe ache rTr ai ni ngCol l e ge t l OnSe mi nar ‑
兼Shuj lSA で O,Fac ul t yofEduc at i onandHuman St udl e S,Akl t aUmVe r S l t y,Akl t a
が減 り,教科 の専 門性 が軽視 され ることで,大学 に お ける教員養成 の原則 が揺 らぐとともに,技術偏重 的傾 向が増 す こと,③教科科 目につ いて中 ・高 で教 科 内 の分野 ごとの単位数指定 が な くな った こ とや, 小学校 で も,全教科 で はな く
, 1教科 だ けで足 りる
ことにな ったため,満遍 ない, バ ラ ンスの とれた力 量形成 が難 しくな った こと, な どを主 な論点 に して 多 くの批判 が行 われた.教養審答 申や教免法改正 に お いて, これ らの批判 が指摘 す る点 に配慮 が欠 けて いた ことは明 らかだが,私立 も含 めた従来 の教員養 成 が抱 えて きた問題 に対 し,一定程度 的 を得 た指摘 を行 ってお り,大学 ・学部 や学生 によ る選択 の幅が 広 が った ことも歓迎 すべ き ことで あ ると考 え る2 ) .
本稿 は,教養審答 申や教免法改正 に対 す る批判 の
当否 を検討す る もので はな く,改正 によ って新設 さ
れ た教職 に関す る科 目の うち,教職 の意義 に関す る
科 目
(2単位) を検討 の対象 とす る. この科 目 は,
教職 の意義及 び教員 の役割,教員 の職務内容 ( 研修,
服務及 び身分保 障等 を含 む.),進路選択 に資す る各
種 の機会 の提供等, の事項 を含 む ことが求 め られて
い る.答 申 は
,「 教職 に関す る理 解 の増 進 を含 む適
切 な指導 を通 じ,教員 を志願 す る者 に 『 教 師 とは何
か,教職 とは何 か』 とい うことにつ いて深 く考察 す
るきっかけを与えることを狙 って 『 教職への志向 と 一体感 の形成 に関す る科 目』 ( 仮称
, 2単位) を新 設す る必要がある」 としている.
検討 の具体的な素材 として,教職導入ゼ ミを導入 す るために設置 された 「 教職 ガイダンス ・総合演習 検討委員会」報告
(1999年
8月
31日付) と
,2000年 度後期 の実際の授業 日程 ・内容, そ して,受講生 に 対 して行 ったア ンケー ト調査 ( 第
1回 目
10月
12日と 最終回
2月
22日に実施) の結果 を取 り上 げることと す る.
秋 田大学教育文化学部 は
,1998年
4月, 教育学部 を改組 して発足 し,従来の小学校,中学校,幼稚園, 養護学校の各教員養成課程 と情報科学課程が,学校 教育課程,地域科学課程,国際言語文化課程,人間 環境課程 に編成替えされた.改組時に, カ リキュラ ムも大幅に変更 されたわけだが,新免許法 に対応 し たカ リキュラムは
,2000年
4月入学者か ら実施 され ることにな った.上記の 「 教職 の意義に関する科 目」
は
,「 教職導入 ゼ ミ」 の名称で
, 1年次 を対象 と し て後期 に開講 された.
それ故,教育文化学部 の 「 教職導入 ゼ ミ」 の検討 にあた っては,新免許法 に対応 した科 目内容 のあ り 方だけでな く,教員養成課程が学部学生定員の
3分 の 1程度 とな った新名称学部 における新 しい教職教 育 のあ り方が同時 に問われなければな らない.そ こ で,本稿 は
,「 教職導入 ゼ ミ」 自体 の検討 に加えて, 教育文化学部全体 における教職教育 との関係を問 う
こととす る.現在,教員養成学部 ・大学をめぐって, 大 きな変動が訪れようとしているが
,98年の改組 と,
2000年 の新免許法 についての総括が この期 に十分 に 行われ るべ きであ り, その総括 に基づいて,新 たな 教員養成学部 ・大学 のあ り方が検討 されるべ きであ
ると考える.
1.
教育文化学部 における教職教育の体制
1学年 の学生定員 は,学校教育課程
100名, 地域 科学課程
65名,国際言語文化課程
65名,人間環境課 程
60名,計
290名 とな っている. 学校教育課程以外 の
3課程 はいわゆる新課程であ り,教員免許 の取得 は学生 の自由意思 に任 されている. ある意味,一つ の学部 の中に , 4つの異 なる学部が併存 している状 態であ り,学校教育課程 は, 自 らの課程の学生の教 育 にあたるとともに,新課程の学生 に対 して教職科 目を提供す る役割 を負 っている. また, 新課程 は,
自らの課程の学生 に教科科 目を提供す るとともに, 学校教育課程 の学生 にも同様 に教科科 目を提供 して いることとなる.四つの課程が相互 に協力 しなが ら 教職教育を行 っているのである.
しか し,新課程側 は本来,教員養成を目的 とす る 課程で はな く,地域貢献型 の人材養成 を主 目的 とす る以上,新課程担当教官の中で,教員養成 に対す る 意識が低下す ることは否 めない. さらに,近年の教 員採用状況の厳 しさか ら,新課程所属学生で,教員 免許を取得 しようとす る者 の割合は低 くなっている.
教職導入 ゼ ミはすべての教員免許を取 るために必修 の科 目であるが
, 1年次学生 の現員
311名
(2000年 皮)の うち,登録者 は
207人
(66.6%),単位取得者
190人
(61, 1%)であった.
2000年
10月
12日に実施 したア ンケ‑ ト調査 によって, 当 日の出席者
199名 の内訳 を見 ると,学校教育課程教科教育実践選修
62名
(66名
車93.9%),障害児教育選修
17名
(22名 中
77.3%),発達科学選修
23名
(24名中
95.8%), 地域 科学課程
37名
(68名中
54.
4%), 国際言語文化課程
25名
(67名中
37.3%),人間環境課程
35名
(64名 中
54.7%)であ った
3). 2年次 で履修 す る学生 もい る ため,率 は若干上昇す ると思われるが,新課程で は 半分程度で しかない.
さ らに
,A :教員志望ではないが,免許だけは取 っ てお こうと考えている
,B:教員志望 だが, 採用状 況等を考えて他の職種を選ぶだろう
,C:ど う して も秋 田県の教員 にな りたいと考えている ,D :他県 で もいいので,教員 にな りたいと考えて い る,E : まだ決 めていない,考えていない, について も尋ね た ところ,表 1のような結果 にな った.
教員 になろうとしている
C,Dの合計 は,学校教
育課程で も
5割弱 しかいない.教科教育実践選修で
は
5割 を若干越えるものの,障害児教育選修で は
4割,発達科学選修 にいた っては
3割で しかない.敬
員採用状況か ら断念 している
Bを加 えれば
, 8割 に
近 くな り,教科教育実践,障害児教育選修では
9割
に近 くなる.ただ し,発達科学選修で は最初か ら免
許だけでよいとしている者が
5割を越えてお り,節
課程である地域科学課程,人間環境課程以上 に,潤
極的な態度 を有 している.発達科学選修 の入学者 の
大半が心理学学習希望者であ り,教員養成課程以外
の心理学学習の場が近隣にない ことか ら,次善 の策
として発達科学選修 に入学 していることが影響 して
いると考え られる. また,学校教育課程全体 で も,
表 1 :教職 ・免許に対する意識差
A B C D E
全体
66i33.2% 46 23.1% 38 19.1% 35:17.6% 14 7.0% ∃学校教育課程計
21 20.6% iM 28.4% 26 25.5% 23】22.5% 3 2.9%教科教育実践選修
6 9.7% 19 30.6% 20 32.3% 15≡24.2% 2 3.2%障害児教育選修
3「
17.6% 6≡35.3% 423. 5%
3117. 6%
1 5.9%
発達科学選修
125「2.2% 4r17.4% 2 8.7%5
「21.7 % 0 0. 0%
新課程計
45 46.4% 17 17.5% 12 12. 4%
12 12. 4%
ll ll.3%】地域科学課程
18 48.6% 7 18.9% 6 16.2% 2 5.
4% 4 10.8%国際言語文化課程
16164.
0%3
12.0% 1
「4.0% 1 4「.
0% 4 16.0%2
割の者が教員 になるつ もりがないとしていること に留意す る必要があるだろう.
新課程 の場合,免許だけでよいとす る者が
5割 に 近 く
,B,C,Dの教員志望者 は
4割程度 にな って いる.特 に国際言語文化課程 ( 教員免許 の教科 は主 に国語,英語)では
,Aの大 きさが際立 ってお り, 逆 に,人間環境課程 ( 主 に理科,数学,技術)では,
BCDが
6割 とな っている.地域科学課程 ( 主 に家 磨,社会) は国際言語文化課程 と,人間環境課程の 中間に位置 している.新課程 における教員免許取得 希望者 の減少 と,取得希望者内での教員就職希望者 の減少 は,新課程担当教官 における教員養成担当意 識の低下,学校教育課程教官 との連携 の弱化 につな がることは,予想 に難 くない.
以上 のような教員免許取得希望者 の多様化 は,教 員養成教育の困難を もた らす. 旧教育学部時代には, 学郡全体が基本的に教員養成 を単一の目的 としてい
たため,学生の目的意識 の多様性 は意識す る必要が あまりなか った.学部 としては,単一 の目的のため にカ リキュラムを用意 し,学生指導 にあた っていれ ばよか った. それに対 し,現教育文化学部 は,最初 か ら多様 な目的意識 を持 った学生 を抱え込 む ことを 前提 としているのであるか ら,その多様性 に対応す る責任 は学部 の側 にあるとも言 える.出口において 厳 しくふ るいにかけ,免許取得者を少数 に制限 して い くことや,入 口において,受講者 を教員志望者,
B,C,Dの レベルに限定 す ること も一案 で はあ る が,現状では実現困難である. ただ,多様 な進路意 識を持 った学生が寄 り集 まることによって生 まれる 相互刺激 は貴重 な ものである. そのぶつか り合いが, 教員志望者 に も,教員非志望者 にもプラスに作用す
る可能性 は存在 している.む しろ,単一的な学生集 団を基盤 に した教員養成 よりも, より視野 の広 い多
様 な教員資格者 を生み出す ことがで きるとも考え ら れ る.その点の可能性を,次節 において,教職導入 ゼ ミの経験か ら検討す ることとす る.
その他 に,教育文化学郡が,旧教育学部時代 と違 っ て有す るよ うになった困難 と して上 げ られる点 の第 一 は,学校種,教科別の免許取得人数 のア ンバ ラン
スである.同 じア ンケー トで,取得予定免許状 と, 中高免許 について,取得予定教科を調査 したところ, 表
2,3のような結果 とな った.
学校種で は中学校,高等学校が多 くな り,教科で は数学や社会,英語 の多 さが際だっ一方,家庭や技 術が少な くな っている. 旧教育学部 においては,学 校種毎,教科毎 の学生定員が決め られ,半ば強制的 に一定数の教員免許取得者が養成 されていた.教育 文化学部では,学生の自由選択 に委ね られているた め,小学校,養護学校部分 は別 として,中学校部分 について は,すでに計画養成か ら離脱 している形 と な っているのである.
第二 は, より内面的な問題 として,教科科 目のあ り方が問題 となるところである. 旧教育学部 におい て,専門科 目は教職科 目と教科科 目によって構成 さ れていた.教育文化学部で は,学校教育課程 におい て教職科 目と,音楽 ・美術 ・体育の教科科 目が組織
表 2 :取得予定免許状
幼 小 中
高養
学校教育
i教科教育実践
3 47 58 36 2発達科学
10 17 8 1地域科学 1
25 30国際言語文化
1 20 23人間環境
27 27計 151 78 147 1191 18
85
表 3 :取 得 予 定教 科 ( 中学 校 ・高等学校 免許)
取得予 定教 科 国 数 理 礼
コ±二日美 体 秦 技 英 情 量
Eヨ 公 地
学 校教育 【
教科教育 実践 9
85 9 7 1 0 1 4 1 5 1 3 3
障害児教育 1 2 1 1 2 1 1
発達科学 1 1 4 1 1【
地 域科学 2 5 1 ≡ 1 t j 2 2
国 際言語 文化 5 】 2 2 1
人 間環 境 21 4 ち L 2
され る一方,他の教科科 目は三つの新課程 に位置づ けられた. そのため,三つの新課程の多 くの科目は, 新課程 の目的に沿 った専門科 目としての性格 と,教 員養成 を目的 とした教科科 目としての性格を二重 に 有す るようにな ったのである.両者の性格を同時に 満たす ことが求 め られるところに,教育文化学部の 難 しさが存在す る. また,各教科 の個 々の教科科 目 が教員養成を目的 とした内容 とな っているのか,各 教科 の教科科 目全体 として,体系的なカ リキュラム 編成 となっているのか, さ らに教職科 目,中で も教 科教育学関係 の科 目との関連 ・連携が十分 に取 られ ているのか, なども問われ るところである.
しか し,それぞれの科 目が有 している新課程向け の性格 と教皇養成向けの性格を全 く相反す るもの と とらえ,教員養成向けの教科科 目を, 単 に一般 的, 包括的で,融通性 のない教育内容へ と閉ざ してい く
とすれば,教員養成 は戦前的な閉鎖的性格の ものへ と回帰 してい くことにな りかねない.安易 に異 なる 目的を混在 させ ることは慎 むべ きであるが,教育内 容 について,一般性 と特殊性を兼 ね備 え, 学 問的, 科学的知見 に裏打 ちされた汎用性のあるものとして い くことが,教員養成 にとって も,新 しい人材養成 にとって も重要 にな っている
4).2.
教職導入ゼ ミの経緯 ・目的 ・内容
教職導入ゼ ミは,当初 「 教職 ガイダンス」 の名称 で開設す る予定であったが,文部省か らの指導によっ て教職導入ゼ ミの名称 とな った もので あ る5 ) . 内容 については
,「 教職 ガイダンス ・総合演習検討委員 会」 の報告 に基づいて作成 されて い る6 ) . 単 に講義 形式 のみによる授業 は
,「 教職の意義 に関す る科 目」
の趣 旨に合わない もの と考え,講義や演習,実習を 組み合わせ,学部教官ばか りでな く,附属学校教官 や,教育委員会関係者の総合的な協力の下 に実施す
ることとし た .
科 目の位置付 け, ね らいについて,検討委員会報 告 は以下 のように整理 している.
①教職を目指 し,免許取得を 目指 す にあた って, 教職や教員 その ものを トータルに考える機会を学 生 に提供す る.
②実際の学校現場を訪問 し,観察,参加すること, 子 どもたちとふれあ うことによ り,教員 としての
自らの資質,適性 を考えさせ る.
③他 の教職 に関す る科 目,教科 に関す る科 目を受 講す るにあた っての動機付 けとなる.
④学部教官,附属教官 との連携 ばか りでな く,教 育委員会 との連携 も含め,教員志望学生 の教育 に 協力 して取 り組む体制を作 る.
実際 に ,2000 年度後期 に実施 した日程表 は表 4 の ようにな っている.他 の必修科 目との重な りを防 ぐ ため,木曜 日の 4:1 0 か ら 5:40 の時間帯 に行 って いる.講師の都合や教授会 の日程 と重なるなどして, 所期の順番 と前後 しているところ もある.
グループ討議 は,発達科学選修担当教官が分担 し, おおよそ 20 人程度 の学生 グループを受 け持 った.学 生 はすべての課程の学生が混在す るよ うに振 り分 け ている.教員就職への意欲 の強い者 とそうでない者, 学校教育課程 の学生 と新課程の学生 とを混在 させ る
ことによって,多様な学生 の存在, 多様 な価値観, 教師観,学校観 の存在 に気付 くこと,教職教育への 動機付 けの強化を狙 った ものである.
内容 は担当教官 の自由に任 されているが
, 1回 目 のグループ討議では,一般的に,教員免許を取得 し よ うとした動機や, これまでの経験 に照 らした教師 像 を討議 し,発表 し合 うことが多 く行 われた.
2回 目は,学校訪問の印象,感 じ取 ったプラス面 とマイ ナス面などを討議 し,全体会での発表内容 と,発表 者 を決定 した.最終 の発表会では,各 グループ毎の 討議内容が全員 の前で発表 された.
学校訪問 は,施設設備の関係か ら,一 日当た りの
表
4:2000年度教職導入ゼミ実施 日程
①
10.12全体 :ガイダンス等 世話人担当 ( 発達科学選修)
②
10.19全体 :教師論 Ⅰ :教育的側面か ら 教育学系教官担当
③
10.26全体 :教師論
Ⅱ:心理的側面か ら 心理学系教官担当
④ l
l.2全体 :教師論
Ⅲ:教育委員会か ら 県総合教育センター所長担当
⑤
ll.9全体 :免許取得のための履修方法 世話人担当
⑥
ll.16全体 :教員の実際 Ⅰ 附属幼稚園 .小学校教官
2名担当
⑦
ll.30グループ討議 発達科学選修担当教官
10名担当
⑨
1.18全体 :附属学校訪問の事前指導 附属校園副校長 .教頭
4名担当
⑩⑪
⑫⑬
∃学校訪問 各附属校園担当
2
校園選択
1日ずつ午前中いっぱい訪問
1.22月 :中学校
1.3
0火 :小学校
23火 :養護学校
31水 :幼稚園
24水 :養護学校
2.1木 :中学校
25木 :幼稚園
2金 :幼稚園
26金 :小学校
3土 :養護学校
⑭
2.15グループ討議 発達科学選修担当教官
10名担当
上限人数 を,小学校 7 0 人, 中学校 80 人,養護学校
24人,幼稚 園
30人 と して,学生 の第一希望,第二希望 を聞 いた上 で配分 した.学 生 に対 して, 附属学 校 園 の存在 を知 らせ, で きるだ け身近な ものとす ること, 教育実習 に行 く前 の
, 1年次
,2年次 の段 階か ら学 校現場 の状況 に接 す る機会 を多 くして い くことを 目 指 した. また,多 くの学生 が養護学校 を体験 で きる
こと も目指 して い る.
学校訪 問 の際,学生 は
8:50に集合 し
,9:00開始 とな る.最初 に注意 や説 明, グループ分 けが行われ, 授業参観 や参加,子 ど もとのふれ あいな どを経験 す
るが, 内容 の詳細 は附属校 園 に任 されてい る.
12時 前 には終了 し,終了前 に,懇談,質疑 の機会 を設 け るもの と した.幼稚囲,小学校,養護学校 で は学生 が授業 に参加 した り,実 際 に子 ど もと交流 す る場 が 設 け られ たが, 中学校 の場合 は授業参観 の レベル に
とどま り, その点 で課題 を残 した.
最終 的な成績評価 は, 出席状況 と,学校訪 問 に関 す る レポー ト
(2000字以 内)等 を総合 的 に勘案 して 行 われ る. レポー トは, グループ討議担 当教官 が評 点 をっ け,世話人 に提 出す る.世話人 は, 出席状況 を加 味 して最終 的 な評点 をっ ける こととな る.基本 的 に , 3 分 の 2 以上 出席 して い ることと,学校訪 問 とそのための事前指導 を欠席 していない場 合 には単 位 を認定す る ことと した.科 目登録者 2 0 7 人 の うち, 学校訪 問 を除 いた各 回 の平均欠席者数 は
20人であ り,
出席率 は
90.3%とな る. 単 位 取 得 者 が
190人 で あ る ことか ら,単位取得者 につ いて は, ほぼ全 回出席 し て い ることとな る.
教職導入 ゼ ミの実施 にあた って は,教職導入 ゼ ミ 実施委員会 が設置 され, そ こに発達科学選修 を構成 す る
4講座 ( 教育学,教育心理学,幼児教育,教育 実践 臨床) か ら
1名ずつ,教科教育実践選修 と障害 児教育選修 か ら
1名 ずっ,地域科学課程,国際言語 文化課程,人 間環境課程 か ら
1名 ずつが参加 し,世 話人 は発達科学選修 の
4講座 が回 り持 ちす る ことと な った. この実施委員会 が教職導入 ゼ ミ実施 のため の最 も基幹 的な位 置 を 占め る ことにな る.授業実施 にあた ってのカ リキ ュラム設定 や評価ばか りでな く, 学校訪 問 の際 には,実施委員 が毎 日一人 ずつ学生 の 付 き添 いの形 で附属学校 園 を訪 問 して い る. この よ うな システムを通 じて,学校教育課程ばか りでな く, 学部全体 と して教員養成 に対 す る責任体制 を作 ろ う
と して い るので あ る.
3.
教職導入 ゼ ミへの学生 の評価
最終 日に,受講生へ のア ンケー ト調査 の形 で,以 下 の項 目につ いて,全 くそ うだ, まあまあだ, あ ま りそ うで はない, そ うで はな い, わか らないの
5段 階で受講生 に評価 して も らった ( 出席者
17
6名).
①満足 で きる内容 であ った
②意欲 的 に取 り組 めた
③教職 の意義 ・役割 が よ く理解 で きた
④教 師 にな りたい と思 うよ うにな った
⑤ 附属学校 園 の状況 がわか った
⑥子 ど もの実 際を理解 で きた
⑦教 師 の実 際を理解 で きた
⑧学生 間 の交流 で相互理解 がで きた
⑨教育実習 に も積極 的 に取 り組 みたい
⑬他 の教職 ・教科 関係科 目に も積極 的 に取 り組 み た い
① 内容へ の満足 や,②意欲 的な取 り組 み につ いて は,肯定 的評価 が
9割 を越 えてお り, おおむね好評 で あ った ことがわか る.学校教育課程 と新課程計 と を比 べ た場合,肯定 の割合 はほぼ 同 じで あ って も, 強肯定 の割合 は新課程 の方 が高 くな って いる.相対 的 にみて,新課程 の学生 に, よ り満足度 が高 か った ことがわか る. さ らに
,10月調査 にお いて免許 のみ と した者,教職 を断念 す る と した者,教職志望 の者 とを分 けて比 べ た場合,① につ いて は この順 に強肯 定 の割合 が高 くな ってい る.② で は, 断念層 が強肯
定 で最 も高 く,免許層 と
20ポイ ン トの差 を有 して い る. 断念層 は,授業 内容 に対 して相対 的 に満足度 が 最 も低 い一方 で,意欲 的 に授業 に取 り組 んだ とす る 割 合 は最 も高 くな って い る. ( 表
5, 6)③教職 へ の理解 につ いて も,肯定 的な評価 が多 く な って い る.学校教育課程 と新 課 程 とを比 べ る と, ここで も新 課程側 が強肯定 の割合で
20ポイ ン ト近 く も高 くな って い る.学校教育課程 の学生 は,授業 内 容 へ の要求度 が高 い とともに, 自 らの学習姿勢 に対 して も厳 しく見 て い ると考 え られ る.免許層, 断念 層,志望層 で は,肯定 の割 回 が この順 で低 くな って い る ことにつ いて も, 同様 の原 因 が考 え られ よ う.
( 表 7)
④教職 へ の志望度合 の高 ま りにつ いて は
,7割近 くが肯定 して い る.
10月調査 の時点 で,教職志望者 が 4 割弱,教職 断念者 を加 えて よ うや く 6 割 で あ っ た ことか ら比 べれば,教職導 入 ゼ ミを通 じて, かな りの程度,志望 が高 ま った ことにな る.学校教育課 程 と新課程 で は,肯定 の割合 は
7割程度 でかわ らな
表 5:満足できる内容
全 くそうだ まあまあ あまり 違 う わか らない 全体 8 町 4 5. 7% 8 3 4 7 . 4% 1 0 5. 7% 0 0. 0% 2 1.1%
学校教育 3 9 4 2. 4% 4 6 5 0. 0% 5 5 . 4% 0 0. 0% 2 2. 2%
他課程計 41 4 9. 4% 3 7 4 「 4. 6% 5 6. 0% 0 0. 0% 0 0 . 0%
免許のみ 2 0 3 7. 7% 31 5 8. 5
%1 1. 9% 0 0. 0% 1 1. 9%
志望断念 2 0 4 6 . 5 % 1 8 41 「 . 9% 5 l 「 l. 6% 0 「 0.
0%0 0 . 0 %
表
6:意欲的な取 り組み
全 くそうだ まあまあ あまり 違 う わからない 全体 7 7 4 3. 8% 8 8 5 0. 0% 1 0 5. 7% OE O. 0% 1 0. 6%
学校教育 3 6 3 9. 1 % 5 0 5 4. 3% 5 5. 4% 0 0. 0% 1 1 .1%
他課程計 4114 8. 8% 3 8 4 5. 2% 5 6. 0% 0 0. 0% 0 0. 0%
免許のみ 1 80 4. 0% 3 0 5 6. 6% 5 9 . 4% 0 0. 0% 0 0. 0%
志望断念 2 4 5 「 5. 8% 1 8 41. 「 9% 1
「2. 3% 0
「0. 0% o「 0. 0%
表 7:教職の理解
全 くそうだ まあまあ あまり 違 う わからない 全体 8 8:5 0. 3% 6 6【3 7. 7% 1 8 1 0. 3% 0 0. 0% 3
1.7%学校教育 3 8E41. 8% 3 8 H 1. 8% 1 2 1 3. 2% 0 0. 0% 3 3. 3%
他課程 計 5 0H 9. 5% 2 8 3 3. 3% 6 「 7. 1 % 0
「0. 0% 0 0. 0%
免許のみ 2 9 5 4. 7% 2 0 3 7. 7% 3 5. 7% 0 0. 0% 1 1. 9%
志望断
念2 4 5 7
.1%1 3 31. 「 0% 5 l l. 9% 0 0. 0% 0 0. 0%
教員志 望 31「4 4. 9% 2 8 4 「 0. 6% 8 「 l l. 6% 0 「 0. 0% 2「 2. 9%
い ものの,学校教育課程 は強肯定 の割合が新課程 を 1 0 ポイ ン ト以上上回 った.教職志望層 で は 8 割以上 で志望度合 が高 まっている. これに対 し,断念層 は
6
割強で ,20 ポイ ン ト近 く下回 って いる.免許層が 低 い ことは当然であ るが,それで も
5割 の学生 は教 職志望 に傾 いてい るよ うであ り,教職導入 ゼ ミが与 えた影響 の大 きさが見て取 れ る. もちろん,実際 に 教職 を進路 と して選択す るか どうか は,採用状況等 に左右 され るものであ って, この結果 を もって,一 挙 に教職志望者が増 え るとは考 えに くい. ( 表
8)⑤附属への理解 や,⑥子 どもの実 際 の理解,⑦教 師の実 際の理解 につ いて は, おおよそ
8割 か ら
9割 が肯定 していた. ただ し,強肯 定 の割 合 で見 れ ば, 附属 につ いての理解 は相 当 に進 んだ ものの,子 ども の実際や教師の実際 につ いて は,学校訪問が短期間 であ った こともあ り,相対 的にあま り進んでいない よ うであ る.学校教育課程 と新課程 との差 は大 きな もので はな く, はば同様 の結果 とな って い る. ( 義 9,1 0 , ll )
⑧学生間の交流 につ いて も
,7割程度 が肯定 して いるが,学校教育課程 と新課程 との間で大 きな相違 が存在す る.学校教育課程 での肯定 は 65% 程度であ るのに対 し,新課程 で は
8割 を越 えてお り ,2 0 ポイ ン ト近 い差がついている. この差 は, ほとん ど強肯 定 の割合 の差 と重 な っている. グループ討議 な どを 通 じて,新課程 の学生 は,他 の学生 との交流 か ら多 くの ものを得 た とい うことであろ う.学校教育課程 の学生 は入学時点か ら選修毎 に分 かれて まとま りが 作 られていた り,教職志望者 が多 い点 で,教職導入 ゼ ミ以外 の面 での学生間交流があ るのに対 し,新課 程 の学生 は,課程単位で しか ま とま りがな く,教職 志望 とい う共通 目的を持 った集団 に接す る機会が少 ない ことが影響 していると考 え られ る. ( 表 1 2)
⑨教育実習への積極性 の向上 は, この教職導入 ゼ ミの 目的の一つであ った.教育実習 につ いて は,従 来 よ り,教職 に就 く意欲がないに も関わ らず,単 に 免許取得 のためだけに参加す る学生が多 く,学校現 場 において 「 実習公害」 とも呼ばれ るよ うな弊害を
表 8 教職への志望
全 くそうだ まあまあ あまり 違 う わからない 全体 6 3 3 6. 0% 5 7 3 2. 6 % 3 1
1 7. 7 % ≠ 1 0 5. 7% 1 4 8. 0%
も学校教育 3 8 41 . 8% 2 6 2 8. 6% 1 7 1 8. 7 % 4 4
.4
%6 6. 6%
他課程計 2 5 2 9. 8% 31 3 6
.9%1 4 1 「 6. 7 % 6 7. 1 % 8 「 9. 5%
免許のみ 8 1 5. 1 % 1 9 3 5. 8 % 1 5 2 8. 3 % 7 1 3. 2% 4 7. 5 % 志望断念 1 5
34.9% 1 3
30.2% 71 6. 3% 1 2. 3% 7 1 6
.3% 教員志望 3 8 5 5. 1 % 2 0 2 9. 0% 6 8. 7 % 2 2. 9% 3 4. 「 3%
表
9:附属の状況の理解全 くそうだ まあまあ \ あまり 違 う わからない 全体 7 2F4 0. 9% 9 2 5 2. 3% 6 3. 4% 2
】1.1%4 2. 3%
学校教 育 ⊇ 3 8 4 1 . 3% 4 6 5 0. 0 % 4 4. 3 % ' 2r 2. 2% 2 2. 2%
表 1 0 :子どもの実際の理解
F全 くそうだ まあまあ あまり 違う わからない 全体 4 5』2 5. 6% 1 0 7 6 0. 8% 1 4:8. 0% 2
1.1%8 4. 5 % 学校教 育 2 1F2 2. 8% 5 6 6 0. 9% 8⊇8. 7% 1 1
.1%6 6. 5 %
表 1 1 :教師の実際の理解
全 くそうだ まあまあ あまり 違 う わからない 全体 3 3 1 8. 8% 1 0 6 6 0. 2% 2 9 1 6. 5 % 3
1.7%5 2. 8%
学校教育 1 6 1 7. 2
%5 3 5 7. 0% 2 0 2 1. 5% 1 1
.1%3 3. 2%
他課程計 1 7
20.5%5 3 6 3. 9 % 9 1 0
.8% 2 r 2.4 %2 2
.4%m剛馴 削馴 別柑 mM M
表
12:学生間の交流
全 くそうだ まあまあ あまり 違 う わからない 全体
41 23.3% 86 48.9% 40 22.7% 4 2.3% 5 2.8%学校教育
13 14. 1 %
46 50.0% 24 26.1% 4 4.3% 5 5. 4 %
表
13:教育実習への積極性
全 くそうだ まあまあ あまり ユ 曇つ わからない 全体
118 67.0% 47 26.7% 5 2.8% 2!1 . 1 %
4; 2.3%他課程 計
54 6「
4.3% 22「26.2% 3 3.「 6% 21 2.4% 3「
3.6%免許の み
28 52.8% 18 34.0% 3 5.7% 2 3.8% 2 3.8%志望断 念
32 74.
4%
9 20.
9% 1 2.3% 0 0.0%1 2.
3%教員志 望
54 7「8.3% 15 2
1.
7%
0 0「 .0% 0弓 0.1 0% 0 0.0%表
14.他科目への積極性全 くそうだ まあまあ あまり 違 う わからない 全体
70 39.8% 76 43.2% 15 8.5% 2十十
13≡ 7. 4%
学校教育
35 38.0% 46 50.0% 7 7.6% 0 0.0% 4 4.3%他課程計
35 41.7% 30 35.7%8 9
.5% 2 2.4% 9「10.7%免許の み
19 35.8% 24 45.3% 4 7.5%
1 1.9%
5 9. 4 % 志望断 念
18 41.9% 16 37.2% 5l
l.6%
0 0.「
0% l 4「
9.3%もた らして きた. この批判 は,主 に一般学部 ・大学 か らの実習生 に対 して行 われて きた もので あ るが, 教育文化学部 において は,実習生 の半分程度 は教員 養成課程外 の学生 とな り, 同様 の問題 が生 じる可能 性 が大 き くな ってい る.実際 に,2
000年度,教育文 化学部 の最初 の入学生が 3 年次 とな り,教育実習 に 行 ったわけだが,附属 中学校 において,学生 の実習 へ の意欲,取 り組 み方 な どの点 で い くっかの問題が 指摘 された
7)
.( 表1
3)ア ンケー ト調査で は, はば全員 が積極 的に取 り組 む意欲 を示 し,強肯定 も
7割近 くとな っている.学 校教育課程 と新課程 との差 もあま り大 き くない. し か し,志望層 や,断念層で ほぼ1
0割であるのに対 し, 免許層 で は
9割 を切 っている. 強肯 定 の割 合 で は, 志望層や断念層 と
20ポイ ン ト以上の差が開いている.
教職への志望 が高 いほど,教育実習への積極性 が増 す ことは容易 に予想 がつ くところだが,免許層 につ いて,現在 の数字で十分であ るのか, もっと高 め る 努力が必要 であ るのか,検討 が必要なところである.
⑲教育実習以外 の,他 の免許関係科 目につ いて同 様 に尋ねた ところ,肯定 の率 は教育実習 に比べ,1
0ポイ ン ト下回 り
, 8割 を越 え る程度であ った.強肯
定 の率 は
,30ポイ ン トはど下回 って
4割程度 であ っ た.学生 はまだ
1年次 であるため,免許関係科 目を 一部 しか受講 していないわ けだが,教育実習 に比べ てかな り積極性 に欠 けることは否 めない.志望層 は 肯定が 9割であるが,断念層 と免許層は8割程度 と,
10ポイ ン トの差が存在す る.教 育実 習 につ いて は, 志望層 と断念層 が比較 的接近 していたが,他科 目に つ いて は逆 の結果 とな った. ただ,強肯定 につ いて は,志望層 と断念層 は近 くな っている. ( 表1
4)自由記述 の内容 につ いて,代表的な ものを下 に掲 げることとす る.教職へ の志望 が高 ま った もの,逆 に不安 にな った ものな ど,学生 によ って反応 は様 々 であ るが, この科 目の実施 を通 C, 自 らの進路 につ いて,教職 につ いて,深 く考 え る機会 を提供で きた よ うで ある.
0
授業 を受 けて,教師 とい う職業 の様 々な知識 を学 べた. また,学校訪問 は今年 か ら始まった らしいが,
これ は大正解 だ と思 う.教師 に憧れている自分 を再
認識 で きた し,や はり教 師 はいいなあ,絶対 な りた
い, と思 うことがで きた. この気持 ちを忘れ ること
のないよ うに これか らもっとがん ば って い きた い.
( 学校教育)
○教師 とい う職業 について,多 くの先生方 か ら具体 的な話 を聞 くことがで き, そ して, 学 校訪 問 で は, は じめて 「 先生」 と呼ばれ,子 ども達 の様子,現場 の先生方 の子 ど も達への接 し方 な どを見学す ること がで き,今 まで は漠然 と していた教職 への思 いが形 にな ってい く上での きっか けとな る経験 をす ること がで きた. この授業で学んだ ことを生 か して これか らの生活 を有意義 に送 って いきたい. ( 学校教育)
○教育文化学部 とい うことで,教 師に も少 し興味が あ り,授業 を とったが, 自分 にとって プ ラスにな っ た.教師 とい って も,私 たちは生徒 の立場か らしか 教師を見 た ことがなか ったので,客観 的 に学校 を見 ることがで きて良 か った.講義 も,実際 の現役 の先 生が話 を して くれて, リアルに教 師の声が聞 けた り したので, とて もためにな った.私 はな りたい もの の中に教 師 は少 し考 えていた くらいだ った.大変 そ うだけれ ど,教師 にな りたい とい う気持 ちが倍増 し た. この授業で教師に対 しての見方がずいぶん変わっ た. ( 地域科学)
○学校訪問 につ いて,普段 の授業 をっぶ して まで附 属学校‑行 く必要が あるのか と思 って いたが,実際 に行 ってみて,私 の考 え は間違 いであ った.大学 の 講義中心 の授業 で は学べない ことを学 ん だ. 「生 き た人間 の姿」 である.附属学校 の先生 の顔 は生 き生 きとしていた し,生徒 の 目は輝 いていた. もちろん, すべての先生,生徒 に当て はまるわけで はない. た だ,私 にはほとん どの先生,生徒が今 を生 きている よ うに見 えた. ( 人間環境)
○私が考 えていたよりもず っとシビアな職業だと思 っ た反面, や は り楽 しそ うな職業 だ と思 った. 自分 の 将来 に対 し,一歩前進できる授業だと思 う.またはっ きりしていない人 に も, 自分 を見つめ直す いい場所 にな ったので はないか.今 の教 師の現状 や,現教師 の話を聞 いていると,先生 になろ うと思 っている私 も,再度 ち ゃん とで きるのだ ろ うかな ど,考 え させ られ る場面が い っぱいあ ったので良か ったなあ と思 う. ( 人間環境)
○教 師 にな りた くて この大学 に釆 ま した. しか し, この講義 を受 けてなん とな く自信がな くな って しま いま した.「 教 師」 について ど うあ るべ きか と考 え た とき
,「それが私 にで きるのだ ろ うか」 とい う思 いの方 が強 くな って しまいま した. まだ 1年次 なの で, もっと自分探 しを してい きた い と思 い ま した.
( 学校教育)
○幼稚園 の先生 になろ うと思 って入学 しま した. し か し,教職導入 ゼ ミを うけて, 自分 が本 当に幼稚園 の先生 にな りたいのか, なれ るのか, 向いているの か, とい うことを何度 も考 え させ られま した.今 は まだ, 自分が本当 にな りたいのかをはっきり言 うこ とがで きませんが,現実 を しっか り見て考 え ること ので きるいい場 を与 えて もらった と思 い ます. ( 学 校教育)
○私 は,残念 なが らこの学校訪問で先生 にな る気が 少 しな くな って しまいま した.教育 とい う立場 で人 の人生 に関わ っていける仕事 が したい. そ うい う思 いが とて も強か ったのですが,何 も教師だけで はな い.私 は, もっと広 い視野 で将来 について考 えてい きたい.教員一直線 のまま過 ごす よ りも, もっと自 分 の納得す る道 が見 え るよ うな気 が します. この授 業 はその為 のいいきっか けとな りま した.感謝 しま す. ( 学校教育)
○ この授業 で もそ うだが,他 の教職関係の授業で も, 教員 とい う職業や学校 と子 ど も達 の実態 を知 るにつ れて,教員 にはな りた くない とい う気持 ちが大 き く な った. ( 地域科学)
○ このゼ ミで,教職 を志 そ うとい う気持 ちが よ り強 くな った人 もいると思 うが,私 のよ うに免許取得 の み とい う人 には教育実習が負担 になって しまうと思 っ た.先生 になる気 もない人 が生徒 に ものを教 えて大 丈夫 なのか, また生徒 を不安 にさせて しまわないか,
と今か ら自分 自身が不安 にな って しま う.実習 自体 は学生であ る今 しかで きないだろ うか ら,責重 な こ とだけど,不安 を抱 いて望 むのは生徒 に失礼 にな っ て しま うはずだ.
3年生 にな るまで にこの不安が取 り払 え るよ うに来年 も頑張 ってい こ うと思 う. ( 人 間環境)
4.
今後 の課題
以上 の調査結果か ら, おおむね,教職導入 ゼ ミに つ いて は,学生 の満足 が得 られ,所期 の 目的 は達成 されたよ うであ る. それ故,主 な課題 は,①教職導 入 ゼ ミとそれ以外 の教職科 目や教科科 目との連携 の 問題,②教職導入 ゼ ミを含 めた教員養成関係科 目全 体 の運営 のあ り方, にあると思 われ る.
① につ いて言 えば,教職導入 ゼ ミは,他 の教職科
目,教科科 目の出発点 に位置付 く科 目で あ り,他 の
科 目に向 けての導入的な役割, ガイ ダンス的な役割
を果たす ことが求 め られている. この点で,教職導 入ゼ ミは,教育実習 との関連 は有 しつつ も, それ以 外の科 目との関連性 をまだ もってお らず, 自己完結 していることは否 めない.特 に,後期開講 の教職導 入ゼ ミ以前 に,前期 において人間形成論 Ⅰ ( 教育 の 歴史的,思想的側面)を受講 している学生が多いこ とか ら,人間形成論 Ⅰとの関連性を強めることが求 め られるところである.従来,教職科 目であれ,教 科科 目であれ,科 目名 は教免法 によって規定 されて いるものの,内容 については個々の担当教官 に委ね られ,全体的な関連性,体系性 は問われて こなか っ た. この点での改善が必要 とされ るだろう.教育実 習が多 くの学生の場合, 3 年次 に行われるわけだが, 実習 に行 くまでに獲得 してお くべ きもの,卒業 ・免 許取得 までに獲得 してお くべ きものが,単 に科 目名 の レベルではな く,実習生 としての最低限の専門性 レベル,教員候補者 としての最低限の専門性 レベル が明 らかにされた上で,科 目構成,科 目内容が考え
られなければな らない.
② について,教職導入ゼ ミは発達科学選修全教官 と,附属学校園の関連教官,教職導入ゼ ミ実施委員 会 に参加 している他選修,他課程教官 との共同によっ て運営 されている.教員養成全体 に関わ る学校教育 課程担当教官 と新課程担当教官,そ して附属学校園 教官 との連携 はまだ不十分な状態 にある.教職科 目 担当担当教官内での連携,教科科 目担当教官内での 連携 も構築 されなければな らない.
先 の在 り方懇談会では附属学校 の問題 を取 り上 げ られていたが,附属学校が実習校 として, また実験 校 としての役割を充実 させてい くことや, さらに学 生の 日常的な教育 に関わ ってい くことが求められる.
学部教官 と附属教官 との問の壁が取 り払われ,上下 関係ではない,水平的な協力関係が築かれなければ な らないのである.実習や実験 に関わる部分 は,荏 り方懇談会の指摘 にもあるよ うに,公立学校で も可 能であるし, また附属以上 に適 していることも事実 であろう. そ うであるとすれば,附属学校を,学部 学生教育の中に組 み込 む ことと,附属教官を学部 の 教育 ・研究活動 に組み込み,地域 の教育界,公立学 校 に対す る貢献 を強化 してい くことが求 め られ る.
教職導入ゼ ミにおける附属学校園への訪問が,受講 学生 に対 して大 きな影響 を与 えていることか ら考え て も,当学部にとって附属学校園は大 きな意味を持 っ ている.
注
1 ) 教員採用が厳 しくなる中で,教員免許 を取得 し ようとす る学生 にとって,免許取得 のためのハー ドルが高 くな った.介護等体験実習 も別枠で課せ られている.教科科 目は,従来,専門科 目でほと ん ど代替 されて きたため,学生 の卒業要件 にプラ スす る負担 とはな らなか ったが,教職科 目の場合 は,負担 となる場合が多 い.答 申で は
,「現状 で は運用上一般大学 ・学部 において原則 として卒業 要件 に更 に付加 されている 『教職 に関す る科 目』
の扱 いについて,大学の判断により,卒業要件 に 含 めることを可能にするように改めることとする.
」と述べ られている.
2)
それ以上 に,免許法が,国立教員養成学部 ・大 学 の人事,人員構成 に大 きな影響を与えることに 注 目 しなければな らない.①教科科 目担当教官 の 削減 により,教員養成学部 ・大学規模を縮小 して い くことや,② ある分野 に重点を置 いて,値を非 常勤 に依存す る等の ことにより,教員養成学部 ・ 大学間の差別化が可能 となることである.( 彰を進 めていけば,教科科 目担当教官 を関連す る一般学 部 に移動 し,教職科 目担当教官を教職 セ ンターに 組織す ることや,県域 を越えた統廃合 にもつなが
りかねないところである.
3)
学校教育課程以外 の
3課程 は
, 2年次進級時点 で学生 の希望 によって選修 に振 り分 け られ る.
4)
従来か ら,教員養成教育 を,大学 の学問研究 ・ 教育か ら一段下の もの とみなす意識が強 く存在 し て きた.多 くの教科科 目担当教官の出身学部 ・大 学院が一般学部 ・大学であることか ら,教育学部 を,一般学部 の下位 に位置づ ける傾向があ った こ ともしば しば指摘 されて きた点である.
例えば,地域科学課程 の自由選択科 目には教職 科 目を含めてはな らない ことにな っている.確か に,一般学部 と同様の措置が取 られているに過 ぎ ないわけだが,他の課程 の科 目が認 め られ る一方 で,教職科 目だけが認 め られないところに,教職 科 目の位置付 けの低 さが見て取 れる.
5)
当時の文部省の指導で は
,「ガイ ダ ンス」 で は 狭す ぎるとい うことであ った.文部省 の担当者の
「ガイダンス」 イメー ジは, 単 な る履修指導程度
の もののよ うであった.文部省が推奨す る科 目名
は,教師論,教職概論 などであったが,それ らの
名称 は,本来の科 目設置の趣 旨にそ ぐわないよう
に感 じられる.
6)
検討委員会には筆者が参加 し,教職導入ゼ ミの 内容構成原案の作成を行 うとともに,開始年度 に おける実施委員会の世話人をっ とめた.検討委員 会の委員 は,寺井謙次 ( 委員長), 浦野弘, 藤 田 清作,佐藤修司の4 名であった.
7)
学校教育課程の学生 は,英語 ・技術 ( 技術 につ いては実習者な し)選択者以外,すべて小学校で 実習 となっているため,附属中学校 ・公立中学校 で実習を行 うもののほとんどが新課程の学生となっ ている.
参考文献
浦野東洋一 ・羽田貴史編
(1998)変動期の教員養成同時代社
岡本洋三
(1997)開放制教員養成制度論大空社 海後宗臣編
(1971 )戦後 日本の教育改革
8教員養成
東京大学出版会
新掘通也編
(1986)教師教育の再検討2・教員養成 の再検討 教育開発研究所
TEES
研究会編
(2001
)「大学 におけ る教員養成 」 の歴史的研究 一戦後 「 教育学部」史研究 一 学文 社
日本教育学会特別課題研究委員会編
(2001 )教員養 成制度の再編 に伴 う教育学の研究基盤及び教育条 件の変動 に関する調査研究 日本教育学会 土屋基規
(1984)戦後教育 と教員養成新 日本出版
社
山田昇
(1993)戦後 日本教員養成史研究風 間書房
Summary
Thisstudyisbasedontheresultsofaquestion‑
nairesurveywiththeclassstudentsaboutanew academiccourse,TeachingProfessionIntroduction Seminar"thatwascreatedin2000.
TheFacultyofEducationandHumanStudiesIS composedofthree"new"courseswhichalmedto providetheareawithwell‑tralnedgraduates,and theschooleducationcoursewhich aimedatthe teachereducation.Becauseofthiscomplexorgani‑ zation,thestudentshavedifferentattitudestoa teachingprofessionandthecertificate,withpas‑ SlVeOrientationespeclallyconsplCuOuSinthe"new‑
added"courses.Bycombininglecturesandgroup discussions,visltStOSChool,andsoforth,this subjectservedtomakethestudentsawareofthe meanlngOftheteachingprofession".Howev
e
r,
thedegreeofthiseffectvariedgreatlylneach coursethatthestudentbelongsto,andthestu‑dents'attitudestowardteachingprofession and theteachingcertlficate.
KeyWords:TeacherLicense,TeacherEducation
,
TeacherTrainlngCollege,aVislttO School,theMeanlngOftheTeaching Profession(ReceivedJanuary22,2002)