• 検索結果がありません。

構成について

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "構成について"

Copied!
10
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

保健科教育における性教育教材の 構成について

茨城大学教育学部学校保健

内 山   源

1 はじめに

性教育に必ずしも限定されるわけではないが,教材を構成し,それを実践に移した後,研究実践報告と か論文として示されているものをみると,その多くは「基本的とされる教材・概念」が,提示した授業過 程に鉛いて示されていたり,或は「構造化したとする教材」が示されていることが殆んどであろう。

各教科教授やその他の指導に知いて「何を教えるか」は常に問題の焦点であり,その意味で基本的教材 がその選択・構成の視点なり基準なり示されているとしたら・それなりに教育的価値をもつものといえる だろう。このことは,「教材の構造化」についてもほぼ同様である。

だが,教材を例示する場合,基本的教材そのものやその種の教材の構造化を示すだけで教材の条件を満 すことになるだろうか・この疑念は,「教材の構造化」に関わることなのであるが・これまで多く例示され たものをみると「構造化」は教材自体・科学技術の成果・知識自体の構造化であることがわかる。つまり,・

教材自体のも備理で沌轍材となっ効末鰍幡なっていることである・

前者のような基本的教材が相互に関連をもたず例示されたものとか,相互の関連があってもその関連を 支える論理が明確でなく伝統的経験的なもので示されたものは,教材としての前処理の段階不備として除 6 外することにし後者の一応構造化されたものについて考えると・教材というものは「基本的な知識」とか

「教育的価値をもつ知識」がそれらの知識の内部論理にょって構造化されただけで「教材は学習者にとっ て構造化された」ということになるのであろうか,という点である。

現代の教育理論においてはこのような構造化が一般であり・その構造化された教材に対して「探究学習」

とか「発見学習」の過程がとれられている。

つまり,学習のゴールには平板な静的な構造化された教材・科学的知識があって,そこに到達するのに 種々の学習過程がとられているということになる。

だが,「発見学習」の過程といってもそこにみられる教材の配列は学習者の認知構造を変容し発達させ うるに足る「教材の配列」であろうか,というのはこれらの配列は同一教材で同一題材であり乍らも人に よってかなり異っているものが少なくないのである。

他教科のことはこれくらいにして,保健に吾ける性教育に澄いて,このことをみてみると「発見学習過 程」という概念は二三取り入れられているものの,授業の実際では何ものかも明らかではないもののよう

である。

「発見学習過程」とは別の見方をすれば「認識・学習過程」の一つのタイプということになろう。これ

は「探究過程」についても同じである。

(2)

これらはいずれも子どもが事物事象を・保健安全現象について追求する・情報収集処理する過程嘲当する)

この情報収集処理過程は学問領域・教材領域の性格に論いて異なるものであり・保健には保健の科学とそ の方法がある。つまりこのことは学問として・知識の体系として・学問のProductとして確立したも のの髄ではなく・そのP・・du・tを得るまでに到る講の方法 科学の%籔の認知擁である・

これら磯燗する科学の領域では「疫学」 Ep d・m ・ ・9 薰ロ或は簸の生態饗して・

既に確立しているものである。

たとえば,保健・疾病現象把握のために記載疫学(De8criptive epidemiology)があり,

そして,ここから,原因究明に関する「仮説」が導びかれ,次に分析疫学(Analytical epide一 mioIogy)によって・この仮説が検定されるといった認知の過程である・そして・その後に究明され

た原因とか相関・関連要因に対して対策・問題解決のための予防対策が構じられるといったすすめ方であ

る。⑩

くり返すことになるが子ども・学習者が学ぶものは平板な,そして学習者にとっては静的な当該する学 問領域の成果・知識体系の基本的概念や構造を学ぶことだけではなく・そのような学問の成果・Prodr ctに致る,学問固有の情報収集,処理の過程・探究認識の過程・科学の方法の知識をも学ぶことが必要 ではないかということである。

この認識の過程は単に一般的な情報処理過程とか「発見学習」とかいわれているような各科共通の一般 的方法のことではなく,これらを含めて,それと共に保健科固有の認知の過程を学ぶことである。しかも,

それは保健の科学・科学の方法として成立しているものであればな診さらのことであり・教育内容として 学習させることが必要と考える。

そして,これらの二側面・学問の成果・基本的概念や構造と学問探究の過程の基本的概念や構造が統合

されるとき,

ウ材ははじめて授業において動的な学習対象となる。

  このことを・学問の成果を「発見学智蹴「探究学習」によって洛徽通的なアブ チとか自然4科学・理科からの借りもの的なアプローチによって・保健の安全に関する科学の探究過程が・科学として

成立しているにも拘らず検討もしないで,恣意的に・借りもの的に「発見学習」を構成して「動的な授業」

と称してみたところで,教育実践としても研究としても貧しいのではないか。やはり固有の科学として存 在するものを保建教育の内容として検討研究してみる必要があろう。

次に上記のような観点で保健科教育に齢ける性教育教材の構成について述べてみよう。      亀

2 性教育教材構成のための基礎的考察

別に述べたよう陶「学校における性教育」の教材となると・かなり広領域に澄よびしかも他教科や教科 外活動との関連もあって,構造的・理論的で実践的な教材の構成は現在のところ・きわめて困難といわね幽 ばならない。

そのため,ここではその中の「保健科教育における性教育」に限定して教材の構成を考えるとしょう。

囎教育が「儂の科学的講の蕪麟目的齢いていることから・ここでも・その主目的は「性の 保健に関する科学的認識の発達」ということになる。

そして,ここではそのような目的を達成するために最適な教材の構成が求められるのである。

囎教育内容の選択 轍の原騰従って翻内容゜翻の翻構成がなされるわけである力玉 それ

簡単に述べると,縦軸としての現代化と横軸となる①保健の科学・性の保健安全の科学の構造に於ける

(3)

4

論理・②学習者・児童・生徒の学習主体やそれをとりまく学習の諸条件,③教育理論・価値・目的論澄よ    \ び保健教育に関する教授゜学習理論からのアプローチ・④国民大衆の性に関する保健安全問題解決への二

一ドの反映。ということになる。

そこで・これらの原理を教材選択の対象に向けるわけであるが,では,その対象とは何かということが,

先ず明らかにされねばならないだろう。

ここで・性の保健安全に関する科学・学問や知識・情報のすべてについて述べたり,その体系・構造に ついて述べるわけにはいかないが・凡そのアウトラインを示すとすれば,「性の保健安全に関する自然科 学」だけでなぐ・性に関する人間関係とか習慣,風俗・生活慣習,様式などといったものをも含めた「性 に関する人文科学や社会科学・澄よびそれらに関わる技術や問題情報をも含めて,教育内容選択の対象と なるo

先にそれらの体系・構造といったが,「性に関する科学」といっても現在のところ,名ばかりで,それ らが統一的な体系や構成領域諸科学の内部構造や相互間の関連を明確にもつわけでもないので,全体とし て「性に関する科学」固有の論理をもつものでもない。そのため,ここでは・保健の教科特性としての認 識・学習内容や過程の特徴に従って教材の論理の主部を構成することにする。

 すなわち・認識内容の領域からすれば・砂沢氏のいう「科学認識(1)社会認識と(2)自然認識」に相当する

烽フであり,鰻謙の場合はこの両者の関連轟講を目指していると考えればよい.臨この認

識内容の特性に対応した教科の轄過程については・鋼氏のいう傲材変数」による纐によ鞠保健教科は「第2の内容教科」に相当することになる。もっとも,広岡氏以前に,それほど明確な分類では

ない,明確な理論的実践的根拠をもたないものには,漠然とした「生活教科」といったものがあるが,こ こでは取り上げないことにする。

そこで・科学的認識過程・つまり情報認知,処理の過程ということになるわけだが,これをもって,保 健教育内容・教材構成のための科学の論理の主部としたい。

       〆 烽ソろん・その前に第1の選択・構成の原理である「科学の論理」とは何かについて詳述しなければな

らないが・つまり・科学知識自体の体系を構成する論理・因果性の論理とか相関関連性の論理,統計・確 率の論理・集合・構造の論理とか記号論理・形式論理などといったものとそれを認識する,情報処理する 過程の論理の側面があるが・前者にっいては,既に述べたように「性に関する科学」はきわめて未熟であ り全体的体系構造などみることもできないので・(むろん・部分的には領域科学において,たとえば,性 の保健・生理・解剖・生化学・遺伝等の自然科学についてはかなり確立したといえる学問領域があること は確かであるが)後者の情報処理過程の論理を「科学の論理」の主部として教材構成の論拠としたい。ま た・基本的概念については,前者の方から,各々の領域科学の内部構造から設定することにする。

認知過程雛襯理過程 問題鰍麗とゆ裁加・なにも新しいことでは雄九そのような齢を

形成した事実は下等な生物の刺激に対する反応から人間の心理面・身体面まで多くみられ追求さカたところであ為

すなわち・W(世界または環境)−0(有機体)一一WとかS(刺激)→R(反応)である。

波多野智これを「欄働の特質」として学習と結びつけ・「緻は学習の大切な契機だという意味で ある。むしろ学習は経験を不可欠の成立要素とし・この経験の利用いかんが・学習の効果を左右するのだ』

経験はいっぱんに・W−0→Wという形をとる。・…・・・…0はその刺激を受けて,その結果,ホ メオスタシスの欲求を壽こし,外界へむかって行動をおこす」と述べている。

これからわかるように,人間が行動の意思決定を行なうとき,それが社会や集団の場合でも個人の場合

(4)

でも,基本的にはこの方式に従っているということである。ただ「いかに意思決定するか」つまり・単純 に原始的動物的勘とか経験あるいは反射的意思決定か科学的意思決定であるかによって・その内容は規定 され複雑で高度なものにもなるのである。

だから,現代では,意思決定に関する比較的多くの科学をもつため・科学的方法による問題の処理 解 決,すなわち情報処理過程が重視されるのである。

たとえば鍵囎理面の意思決鷲は「管理サイクノレ」という名称で「計鹸施→評価」といったス eップが組まれ,そのサブシステムに「情報収集・処理」が位置づけられている。また企業・経営の方面 ではドラッカーとかアレンなどの方式があったりする。

というわけで,科学的保健認識能力の発達も当然・科学的認識過程が保健学習に必要であり・重視され ねばならないことがわかる。ただ,性に関する問題・現象は単に自然認識というわけにはいかず・複雑な 要因条件の交絡する社会現象として捉えなくてはならないところに・保健教育の中での性教育の教材にも 両者の統一が求められるのである。

先の「情報魍と教材・教育内容との関瀦ついては・さらに詳しく述べるべきであるが ここでは これ以上追求しないことにする。

3 性教育の基本的教材構造と内容

別に示し雄教鰍材轍の全体的購懸・むろんこの綱過程醐み込まれているレこれまでに

も,他の教材領域で全体的な教材構造を示した。

たとえば,1965年の「環境衛生に関する保健認識調査」に澄ける質問構成は,環境衛生領域教材構 造の設定の徹これに対応して作成されて〉蓄・飲・1967年の「安全徽交通安全に関する保 健認識調査膠も同じ視点で作成されている。

その他・安全領域の全体的教材構造を明示したものもある。㊧

ここでは,その構造と内容について述べることにする。すなわち

④ 「性現象の内容存在と所在の認知澄よび問題性の理解」である。

性に関する現象といえぱ個人主体(Host)に関するものから,主体間や主体と関わりをもっ環境

(Environment)主として文化・社会的環境に関するものが含まれる。

すなわち,(1)個人主体の性行動・生活に関する内容である。たとえば・夢精とか月経・オナニー・禁欲 その他の性的行動・遊びといったものである。

(2)は両性の性関係に関わる行動・生活である。たとえば,両性の交際,交友から恋愛,結婚,離婚など である。ここでは両性の1対1の性関係に限定されるのではなく・また・1対多の関係・一夫多妻などと いった結婚制度などに関連する生活・行動に限定するものでもない。これらを含めて・各種の両性の性的 人間関係に関するものである。たとえばスワ・ピング・乱交パーティなど。

③は単性の性関係に関するものである。ここでもその関係は1対1の場合に限定しない。多様な単性の 性関係も対象とするものである。たとえば,ホモセックス・同性愛とその関係にある集団の生活行動であ

る。

(4)は人間と動物その他の性関係であるが,これは特に・保健・安全面での問題をもつ側面以外は除外す

る。

以上の4つの側面はさらに,これらの生活・行動に必然的に附随する過程行動や結果としての行動・す

(5)

なわちペッティングとか性交・妊娠・避妊・産児制限,分娩,その他の性的接触・行動などを含むことに

なる。

次は・これらの生活・行動にみられる問題となる現象・事実とその基準についての認識である。

すなわち・「何故問題であるか・問題となるか」の基準についての理解と問題状況の認識である。

これについては・別に「問題性の観点」を述べたので,簡単にふれると①は主体(Host)の身体的疾 患に関するものである。たとえば,梅毒,淋病等の性病の状況である。さらに,これは,心理,精神的側 面についても含むことになる。つまり,性関係や性行動に関わる心理的疾患,神経症性的不能の状況等で

、   ある。つまり・この点におけるノルムからの逸脱の程度に澄いて問題の基準を求めるものである。

②は主体の身体の生理・発育・成熟等の生物学的側面に関する逸脱である。これは先の①の場合と同じ       い

ュ・主体自体のことであって・主体の行動・性に関する行動自体のことではない。たとえば,性的成熟の 加速現象・初潮や精通の早来,とか遺伝とか性器形態・機能の異常なものを含める。

③以下は・主体の性に関わる行動の異常であり,非社会的行動,反社会的行動をその内容とするもので ある。たとえば,性的非行,性的犯罪などである。

さらに④・⑤・⑥には・社会変動や組織,制度等に含まれる「社会病理」の状況を含む。たとえば,売 春・離婚,人間疎外とかマスコミに澄ける性や性の商品化といったものである。

⑦は大きく性行動を人口問題との関連で問題を捉え,さらに人口増による経済や環境汚染・破壊,戦争,

飢餓等に関わる健康,安全の問題状況を含めるものである。

これらは・さらに循還的に「戦争と性」とか「政治・経済と性」「法・制度と性」と広がるものである が・ここまでは拡大せず・むしろ・先の④,⑤・⑥で人口問題とは,別に取扱うことにする。すなわち,

それ自体の社会病理的側面である。

すなわち・性に関する生活・行動の諸現象を社会不適応(SociaI maIadjustment),社会参 加(SociaI participation)の阻害,とか社会緊張(Social tension),社会無規範

(Social auomie)・社会疎外(Social aIienation)等の理論的立場でみるものである。

さで④はこれくらいにして・次の㊥は④を外的に規定レ規定してきた「時間的,時代的縦軸の 要因・条件」としての「性に関する歴史」とこれらの横軸となる民族や国家,社会体制,地域社会に澄け る文化や科学技術文明,社会組織とか制度等である。

たとえば・科学技術文明の発展と性の問題,民族に齢ける性行動・婚姻の歴史とか国家体制に澄ける結 婚の制度・部族,地域社会の中での性に関わる文化・慣習といったものである。

これらは・性の生活・行動と歴史や文化・社会との相互関連,法則性の認識に必要であり,また,現代 における性問題の基準を考察する場合にも歴史的観点でのノルムや文化規範としての理想基準・ノルムを 理解する面でも重要をある。

つまり・統計的平均・基準の他にも,これらの関連を理解することによって,問題基準の必要なことを 認識するのである。

以上が,「性に関する現象と問題の認知」である。むろん,性に関する現象とはいってもこれを認知す るからには,現象や問題認知のための一般的で基本的な相互関連性・法則性・科学,たとえば,リーペル の法則の適用などを学ぶことになる。

@は,これらの問題現象が認知されると,次の段階での性現象の生起を支配する要因・条件・原因の分

析的追求による要因の認知と要因相互間の関連の認識である。

(6)

ここでいう「関連性」は,先に述べた性の生活・行動と社会・文化等との「相互関連」つまり・科学技 術,文明,文化や社会のシステムが,性の生活・行動とか問題現象に影響したり・原因となったり・する だけでな1く,そのような性の事実が逆に人間の生活や行動を変え,社会や文化を変動させ・変革・創造し たきたことまでを含むのではなくて,問題現象の本質を生起要因として捉えるための関連性 法則性であ

る。

つまり,問題となる性の生活・行動を規定する本質的主要因についての理解認識である。

では,どのような一般的要因があるだろうか。先ず主体(Host)の側の基底的要因として・①性に関

する両性の身体の構造と機能・性的成熟・第二次性徴・性交・受精など・②として・心理的成長 性的欲    ・ 求,性差,精神的発達の特徴,思春期を中心において整理する。③は①と②の関係とアンバランスによる

異常性行動。むろん,これらの要因内容を理解するための一般的な生理・解剖・心理学上の生殖の生理 心理や遺伝,優生,・ホルモンの生理,大脳の生理等に関する基礎的認識が必要であることはいうまでもな い。だが,これらは,他の保健教材領域・人体の構造と機能の領域を訟さえられるべきものとしたい。

④以下は主体相互間の性的関係においてみられるところの不適合・不調和・性的非行・性的犯罪の対象要 因となる問題環境・主として社会的環境や文化要因等である。基本的な単位は主体相互間であるが・主体

と地域社会ぐるみ,家族ぐるみ・社会集団等との相互関係に齢ける不適合や不順応なども含まれる。

すなわち,先述のと澄り性的問題現象の中には単に主体の身体的レベル・病理的側面とか生理発育的側 面ではない,主体と客体との相互関係に澄いて生ずるところの性的現象や問題行動があるということであ

るo

・    そして,これに対しては,どのような社会的,心理的,生理的メカニズムがあるかを認識することが必 要となるのである。

     、

蜻フの性的欲求の葛藤から,性的人間関係における性的欲求の充足や不満の状態・状況に対して・性に 関する法律や道徳とか文化における慣習風俗としての掟・義理・タブーなどが介在的調整・規制腰因とし て存在していること。

さらに,これらの状況の中で主体の心理的適応の機制として合理的機制・代償機制゜昇華・抑圧機制・

攻撃機制などがあること,これは②の性的欲求と関連づけて学ぶことが必要である。

さらに,性的現象と自然科学・技術・機械的文明との関連である。たとえば・避妊技術の開発とか・ピ ル・避妊薬剤の大量の生産とか普及が受胎調節を比較的容易にし・これまでの・性的交渉による妊娠への 不安や恐怖を殆んど除去したことが,性行動ことに女性の性行動を変え,現代的性現象をつくりだしてい

ること,この他,抗性物質の開発,車社会の中でのセックス,住宅事情・モーテルなどや食生活 栄養の 水準,過剰な性的情報などである。

@はこれくらいにして,次の⑪に入るが・ここでは・ある性現象や問題現象の内容について科学的認 識の方法・科学の方法である「分析」と「総合」を通して法則性を学ぶことが主眼とされる・

⑪は個人診よび社会に診ける次問題の予防や解決,さらに健全な性関係の育成のための対策と方法につ いての認識である。

これらは,先述の性現象問題の視点基準にそれぞれ対応するものであり・それらの主なものを簡単に述 べると,次のようになる。すなわち,問題を疾病などに関わるマイナス面をもつものとくネガティブ)・

そのような身体疾患や犯罪,非行などのマイナス面はもたないが,生活や行動に齢いてなんらかの抵抗゜

障害となっているものの(ポジティブ)2つに大別し,それらが先の視点基準に対応することになる。た

(7)

とえぱ・第1の主体の身体的・心理・精神的側面における疾患の予防と治療の視点では,先ず,性病の予 防の方法と対策がa)個人とb)環境・社会のレベルで考察され,次に性病に罹患した後の事後対策処置

としての方法と対策がa)個人とb)社会のレベルで考えられることになる。

第4の性的人間関係における病理・行動の異常,人間疎外などの視点では,ネガティブなものとして,

売春・売春婦転落の予防とか転落からの更生などの保健的側面,性非行,性犯罪・強姦・性のいたずら・

幼児姦・ピーピングトム,その他,性的異常行動など,むろん,性的異常行動のサディズムとかマゾヒズ ム・近親相姦などの心理的側面には上述の第1の視点基準にも入るわけである。これと同じように第1の b)の壌境・社会レベルでの考察は,当然,逆に第4の視点基準の方でも考察されることになる。

このようにして・各視点基準に対応させて方法・対策が考察されることになるが,特にポジティブな側 面として,「男女の友晴,交際の科学」「恋愛・求愛の科学と方法」「愛情・結婚の科学と方法・配偶者選定の 科学とか適齢期の科学など」「性欲の科学・性欲の合理的処理・代償,欲求不満など」そして「基本的人 権としての性の権利,性の権利意識の科学」などが強調されねばならない。

⑫の方法と対策の認識と考察の項では,あくまでも科学的認識を主目的とするため,「初潮の手当・技 術」とか「性交の技法」などは,前者については教科教育の外の教育活動で行われるものとして,後者に 関するものとしては,「教育内容選択構成原理基準」において時代,社会文化的状況の中で選択されるべ きものと考える。

この他,商品化された性,利潤の手段や武器となっている性やそれを許容する社会・社会体制,既成の 性道徳・男と女の性道徳における二重性,機械文明の中での・戦争・公害等の危機意識と性現象,国家権

力による私事的性の拘束や統制,抑圧,文学・芸術への管理,干渉などの問題もその対象となる。

以上で保健教科教育に診ける性教育の全体的教材の構造と内容の概略について述べたことになるが,こ こで留意すべき点は,この縦の構造なり系統は1段階ごとに区切って順次に教授=学習されるものではな いということ,つまり,第1の性現象の存在と所在の認知の内容を必ずしも全部学習してから次の段階へ 進むのではなく・1こま1こまの授業に輸いて縦の系統・認識の過程が必要であるということである。も

ちうん場合によっては,中間の段階を略すこともあるわけである。

次に・この教材の教授=学習に当たってはa)疫学の原理・関係の論理と因果性の論理およびb)身体の構 造と機能および心・精神の機能に関する理解認識が既習事項となってベースになっていることを最低の条 件としていることである。

第3番目は,この教材の縦の系統と常に並行して,性に関する,殊に性の生理,心理に関する科学の基 本的概念や法則が教材として構成されねばならないことである。つまり,性の現象の中の問題を観察ゼ分 析し,評価するためのノルムについての学習である。

4 性教育内容・教材と学年段階配当

前項では性教育の内容として・単に性教育に関する基本的概念とか知識教材だけでなく,学習内容とし て重要な学習内容の認識の構造について主として述べたのであるが,つまり,基本的概念が教育内容とし て相互に無関連的独立的にあるのではなくて,構造的に存在し,それを認識・学習の対象におかなくては ならないということであるが,ここでは,学年段階における性教育内容の配当構成を主として取りあげる

ことにする。

「どのような」教育内容を「どのように」選択・構成し配当するかは,先述の保健教育内容の選択構成

(8)

の原理の第1の基準尺度に,主として対応させることになるが,それを「どの学年・年齢段階」にという ことになると,つまり「この学年段階」には「どのような内容」が教育内容として適切であるかをきめる には学習における最近授領域としての教育内容を第2の基準尺度である学習者の条件に・主として対応さ せることが必要となる。

すなわち,学習者に性に関する保健認識の内容や能力の発達段階とかニード・興味関心・態度といった 問題であるQ

むろん,教授・実践的な教育・発達の可能性といった側面で・もっと力動的な第3の基準尺度や価値的 側面に結びつく第4の基準尺度も求められるが・静的な試案的な作業としては第2の基準がもっともその 拠り所となっている。

というわけで,「性に関する児童生徒の保健認識」の研究成果から基本的な教育内容と学年・学校段階 の配当を次に示してみよう。

性に関する繍畿研究では沽いものとして槍沖 I授業研究があり噺しいものでは東北大医

蜩蝸厓f総薇難』;;瓢質欝鯉奪駕難黎鍮禦髪憂

てみることにする。

匡小学校高学年段階の内容〕

基本的な教育内容・認識の構造としては,④から◎へ,◎から⑨の過程を踏むこと。小学校段階で は⑧は保健認識の発達段階から・また・現在の教育状況・条件を勘案してはぶくことにする。

④の内容としては(1)の主体の性行動・生活に関する問題と(2)の両性の性関係に関わる行動゜生活の問 題を内容としたい。

すなわち,11)としては初潮・月経,身体の成熟と性差(構造と機能)・問題性の観点としては,②の

「主体の身体の生理・発育・成熟等の生物学的側面に関する正常からの逸脱」を正常と逸脱の両者の関連 に澄いて学ぱせる。(2)の方では男女の役割と協力,人権尊重,問題性の観点としては③以下の「主体の性 に関する行動の異常」で理解させる。たとえば・わいせつな言動・らく書き・スカートめくり・パンツ脱 がし,ヌード写真の所持,性器の大小比べなどである。

⑥の内容としては身体の正常な発育発達とその異常を取りあげ性的成熟に結びつけて・正常な成熟や異 常な発育に関わる要因について,主体(Host),環境(Environment)・動因(Agent)など について相互関連的に理解させたい。

⑪の性問題の予防や対処・解決の対策・方法としては・生活技術的問題としての初潮手当といったもの は別のところで行ない・⑨と関連させながら性の成熟に関する問題を考察することにしたい。

匡中学校段階の内容〕      臨 認識の構造としては④=⑬の一部司◎→⑪を基本的内容としたい。これに対する各々の内容は次の ようになる。

④の内容としては(1)と②を主部とし③は特別に必要な場合を除いて・考慮しない。問題性の観点として は①②③を主とし,高学年では④以下を入れ・⑦の観点なども他領域との関連でとりあげたい。

すなわち,発育発達の一領域として思春期における心身の変化・成熟の特潮,第2次性徴・月経の生理,

精通現象,オナニー,人体の生殖器官系の構造と機能,異性への関心,性欲・男女の役割と協力・人権の

尊重,男女交際のルール,友情と恋愛,性的犯罪,性非行・性被害・性病とその予防・結婚と離婚など。

(9)

⑬では婚姻の歴史とか女性解放の歴史など,⑥では性病の予防や纈昏の科学などを基本的教材として取 り上げたい。⑪は◎との関連でつくればよい。

〔高等学校段階の内容〕

認識の構造としては④=㊥一⑥→⑪を基本的内容としたい。

④の内容としては①,②,③を主部とし(4)は特別に必要な場合以外は考慮しない。問題性の観点として は①から⑦のすべてを入れたい。

すなわち,社会・生活における性病の実態,若:者の性病,未婚の母ヂ十代の母,人工中絶,性的ノイロ 一ゼ,オナニー,性的異常行動,性的犯罪,性非行,売春,性道徳とその二重性,友情と恋愛,結婚と離 婚,男女交際,人権の尊重,性的権利とその抑圧,受精,妊娠,分娩,避妊,優生,遺伝,性欲,人口問 題,性のマスコミなど。

⑬では婚姻の歴史・家父長制・経済的側面,宗教的側面,法律,制度・性病の歴史などを民族,文化,

社会階層面からも理解する。

@では結婚の科学姓病予防を基本教材として学ぶ。      馬

⑫は@に対応する形で考察する。

参考引用文献

①広岡亮蔵:授業改造,P43〜 明治図書,1964

②武谷 三男:自然科学概論,P174 頸草書房,1964

③毛沢  東:実践論選集Vol 1,P402

④沢田 允茂:現代における哲学と論理,P8,岩波,1971

⑤ Leave11&clark:Preventive medicine for the dsctor in his comlhunity, McGraw且ilL1958

⑥ Rogers:且uman Ecology and Health,MacMillan Co 1960

⑦MacMahon&Pugh:E

⑧ Sartwe11:Preventive medicine and Public Health, ApPleton・

1963

⑨Kilbourne&Smillie:且uman Ecology and PublicHealth.

MacMillan Co, 1969

⑩ 土屋健三郎:疫学入門・P60〜,医学書院,1968

⑪広岡 亮蔵:授業改造,P60,61 明治図書,1964

⑫広岡 亮蔵:学習論,認知の形成,P95〜124,明治図書,1973

⑬ プルーナー:教育の過程,P70〜86,岩波書店,1963

⑭小倉学編:保健科教育方法,大修館,1974

⑮ 小倉  学:身体と教育,14,P257,現代教育学,岩波書店,1962

⑯内山  源:保健授業の問題点,P63, Vo 115,No 7,体育科教育,1967

⑰内山  源:保健教育の現代化の視点,P21,Vo120,No 8,体育科教育・1972

⑱内山  源:保健教育内容の現代化,P115〜,シンポジウム,日本学校保健学会講演集,1972

⑲砂沢喜代次:授業組織化の基礎理論,P49〜,明治図書,1966

(10)

⑳広岡亮蔵:学習過程の最適化,P109〜,明治図書,1972

⑳・波多野完治他:現代教育学皿,P10・岩波書店・1960

⑳ ジョン・デューク 植田訳:思考の方法,反省的思考,春秋社,1955

㊧ 水野哲夫:臨床公衆衛生のための意思決定・P13・南江堂・1968

⑳ 内山  源:身体の心の健康,P74,Vol 25,No 5,学校体育,1972

㊧1広岡 亮蔵:学習過程の最適化,P112〜117,明治図書,1972

㊧ 内山  源:環境衛生に関する保健認識の発達,P35,VoI 7,No 9,学校保健研究 1965

⑳ 内山  源:安全領域・交通安全に関する保健認識の発達について・P122・Vo 19・No 3・

1967

⑱ 内山  源:保健教育内容の構造化に関する授業研究・P352・Vo19,No a学校保健研究・1967

⑳ 小倉・中村:中学校女子の性教育内容に関する授業研究,P100・養護教諭の職務研究・東山書房・

1966

⑳守山・鈴木:思春期の成長と性の認識の形成,P13〜,Vo 139,No 1.2,民族衛生,1973      0

⑳ 内山・松塚:中学・高校生の必要とする性教育内容・未発表論文・1973

@    、

       」

@      ●

参照

関連したドキュメント

「分離の壁」論と呼ばれる理解と,関連する判 例における具体的な事案の判断について分析す る。次に, Everson 判決から Lemon

の中に潜む脆弱性 ︵ Vulnerability ︶の解明に向けられているのであ る ︒また ︑脆弱性 ︵ Vulnerability ︶について ︑体系的に整理したワ.

の良心はこの﹁人間の理性﹂から生まれるといえる︒人がこの理性に基づ

1、研究の目的 本研究の目的は、開発教育の主体形成の理論的構造を明らかにし、今日の日本における

C−1)以上,文法では文・句・語の形態(形  態論)構成要素とその配列並びに相互関係

「原因論」にはプロクロスのような綴密で洗練きれた哲学的理論とは程遠い点も確かに

方法 理論的妥当性および先行研究の結果に基づいて,日常生活動作を構成する7動作領域より

 この論文の構成は次のようになっている。第2章では銅酸化物超伝導体に対する今までの研