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「目標自己資本比率の決定方法」
斎 藤 進
値的・精神的態度に関るものであるが,白書の要 はじめに 請には事実的なものも含まれているのである。
本年の「経済白書」によれば,個別企業は低成 企業収益は通常不確実性に関り,低成長下では 長下(これから以降予測される経済成長)におい 収益は低い水準になると考えられる。ところで,
て企業体質の改善が必要とされると述べられてい 企業は,投資収益からその投資に必要な資金のう る。 ち負債で調達した資金に対する支払利息を控除し
ところで,企業は種々の固定的な資本を投下・ た利益が正でなければ,その組織を維持すること 運用することにより,収益を稼得する経済的単位 ができない。収益に関る不確実性と低収益が,か である。か〜る収益は,固定資本の投下,運用の 〜る利益を負に陥いらせる危険性を増大させる。
具体的結果であるから,それは固定資本の投下, この危険性を回避するためには,投資収益を増大 運用型態に依存することになる。従って, 「企業 させるか投資資金の調達に際し支払利息を低量に 体質の改善」の意味の一部として,企業収益の安 すべくその負債依存性を低下させなければならな 定化とそれの増大が含まれるとすれば,体質改善 い。前者は上記の要請に関ることは明白でであろ はどのような固定資本を購入し,それをいかに運 う。一方,後者は通常いわれる自己資本比率の改 用するかの問題となる。すなわち,企業は,企業 善である。それ故,「企業体質の改善」は,投資 収益の安定化や増大を結果する固定資本を選択す 収益の増大・安定化と自己資本比率の改善を意味
ることにより,それ自身の体質を改善することが することになる。
できるのである。だとすれば,どのような将来収 ところで,投資の決定(これは投資から結果す 益を稼得する固定資産を購入するかは投資の問題 る収益の質も決定する)は,同時にその投資の資 そのものであるから,「企業体質の改善」は投資 金調達の方法を決定することになるのであろう 行動(新規投資だけでなく既存投資も含めて)に対 か。もしこれが事実だとすれば,企業「体質の改
して一定の要請を課したものであることになる。 善」は投資決定だけを問題とすればよく,逆にそ か〜る要請は投資機会が多数存在する高成長の れが事実でないとすれば,投資決定とは別個に資 時代にはほとんど意味を持たないのであるが,収 金調達の問題を解かねばならない。これまで,か 益の急激な量的拡大が期待しえなく,投資機会も ㌧る命題が成立するか否か多様な議論が行われて 縮少する低成長経済下ではそれなりの意義を持ち きた。そこでの結論は,後者の見解,即ち否定的 うる。つまり,投資に際して,企業はこれまで以 な見解が理論的にも実証的にもかなりの妥当性を
注1)
上に慎重な態度で収益の予測をすべきであり,か 持つものであるとのことであった。そこで,われ っ企業独自の努力により安定的収益や収益増大を われもこの見解に依拠しながら,資金調達の問題
もたらす投資機会を開発すべきなのである。か〜 を考えようとするのが本論文の目的である。
る諸点は,投資行動における事実的と言うより価 われわれは,本論文の第1章で資本構成に対す
る経営者志向的なapproachの必要性を述べその ることにより,資金を調達している。そのさい,
approachを具体化するため杉原方式を第2章で 社債等の借入資金に対するコストは,その債務に 概観する。さらに第3章では,最適な資本構成の 対して支払われる利子率であり,株式等の自己資 問題を論じ,その結果を用い比較静学的性格を明 本に対するコストは,当該企業の株式に対して,
らかにする。最後に株価についても若干ふれるこ 投資家が要求する利回であるとする。平均資本コ とにする。 ストは,この借入金コストと自己資本コストの加
注1「経済白書」はこの様な認識がない。 重平均として与えられ,加重平均するさい用いら れる重みは,総資本に占める借入金・自己己資本 1資本構成に関する一つの接近方法 のそれぞれの比率である。したがって,借入金が われわれは,企業の資本構成の問題を分析しよ 少ないうちは,平均資本コストは,自己資本のコ うとするのであるが,このような問題は,資本コ ストに近い値となり,それが過度になると,借入 ストの議論を通じて,これまでに,数多く論じられ 金のコストに近い値となる。借入金のコストは,
てきているので,まず,これらの議論を概観する。 借入金がある範囲内にあるときには,一定であり 驪ニ目的を株価極大化であると想定鋼ま1)企 それ描えると上昇し始めると仮定すると,平均 業はその株価を極大化すべく・日々の営業活動を 賃木コストは・最小となる点薙套在し・企業の資 計画・統制してゆくことになる。ところで,日常 本構成はこの点で定まるとする・以上が,伝統的 の営業活動を規定する要因として投資が存在す 見解の主張するところである。
る。すなわち,設備投資等の巨額な資金を必要と 一方,完全市場と,投資家が個人的な借入を行 する投資は,その回収が長期に渡るので,企業活 うことを前提とすれば,平均資本コストは,資金 動の長期的性格を規定し,ひいては,日常の営業 調達の諸方策に依存しないと主張するのが・M一 活動をも拘束することになる。したがって,資金 Mの理論である・したがって,M−Mの命題に従 投下にあたって,企業は投資の企業目標に対する がうならば・資金調達の相違は・株主に対して無 効果を充分に考慮しなければならない。ここで, 差別であるから,問題は資金運用の側面のみに集 投資効果とは,その投資を実行することにより, 約される・ゆえに,株主の利益とりわけ当該企業 株価を高めるか否かである。企業が株価を最大に の株価に影響をもつのは,投資政策であると言う することを目的とするならば,当該企業に与えら ことになる。このような,M−Mの主張が,資金 れた投資案の集合は,この目的に従がい分類され 運用は資金調達のいかんに依拠するとの伝統的見
る必要がある。この分類規準が資本コストと呼ば 解に対して与えた影響がいかに大きかったかは,
れるものであり,言うならば,投資予想収益率が 一連のM−Mと伝統理論との論争を見れば明ら 分類規準たる資本コストを上回るならば,投資案 かであろう。特に,伝統理論が資金調達の最適化 は受容され,逆に,下回るならば,それは棄却さ をその理論的中核として発展してきている点を認 れる。したがって,投資案の採否を決定する決定 識するならば,いわば伝統理論の存亡をかけた論
注2)
規準が資本コストである。 争であった。
ところで,資本コストに関して,相い対立する どちらの見解が正しいのであろうか。もし,伝 注3)
二つの見解が存在する・一つは・伝纐勺見鮒呼 統的理論が妥当だとす繊われわれは・あえて ホれるものであり,他の一つは,M−M理論と呼 資本構成の問題を論ずる必要はない。一方, M一 ばれるものである。 M理論が妥当だとすれば・資本構成の問題を論ず
伝統的見解を要約的に述べれば,資本コストが るそれなりの根拠をもちうる。そこで,どちらの 資金調達の諸方策により影響されるとするもので 見解が正しいか,若干,考えてみることにする。
ある。すなわち,企業は,社債・株式等を発行す ところで,少なくとも理論と呼ばれる以上,そ
斎 藤: 「目標自己資本比率の決定方法」 31
れは出発点たる諸前提と,その前提からの演繹体 の問題を解明せんとする多数の研究がなされてい 系その結果としての結論等の一連の論理体系を具 る。これらの研究の主要な接近方法は,M−M理 有しなければならない。このような論理体系の客 論を不完全市場にも適用しうるように拡張するこ 観性は,演繹過程の産物である結論を実証的に検 とにより,資本構成の問題を明らかにしようとす
注9)
証することにより判断される。それ故,理論は二 るものである。だが,これらの接近がかならずし つの側面,すなわち,一つは論理体系の完全性, も成功しているとは思われない。この点に関する 他の一つは結論の現実への妥当性により,理論が 詳細な議論は他稿にゆずる。このような接近を市 理論たりうるか否かが判断される。しかし,ここ 場志向的approachと呼ぶとすれば,われわれは,
で注意すべくは,これらの二つの側面は,それそ ここでは,経営志向的approachと呼びうる接近 れ独立に考えうるものではなく,後者は前者が成 方法をとる。すなわち,資本構成が市場要因によ
注6)
り立つもとで,はじめて意味をもつのである。ゆ り規定されるのではなく,企業内部の諸要因によ えに,われわれが,先の資本コストに関する二つ り決定されるとする接近方法である。そのさい,
の議論に対して,どちらが妥当なものであるかを 企業内的要因とはどのようなものかを知るため 考える場合にも,まず,結論の実証的妥当性を考 に,実務家かどのような方法で資本構成を決定し えるのではなく,その結論が導き出される論理体 ているかを見るのは有益であろう。そこで,われ
注10)
系の完全性を考察の対象としなければならない。 われは,以下で,実務家である杉原の方式を,若 論理体系の完全性が保障された後に,実証的妥当 干,詳細に論ずることにする。注11)
性を問うと言った手続に従がわねばならない。こ 注1このような仮定に対して様々な反論がなされよ こでは,第一の論理的体系の完全性について考え うが,株価極大化を仮定することにより,「…論
る。 理的整合性を保ちつつ,経済現象の構造を明確な この点に関して,ここで詳細に検討する必要は 形で浮き彫りにする_」ことが可能であろうとす ない。なぜなら・M−Mと伝統理論との長い論争 るのである。館,浜田「金融」石波出版
によっても,その後の資本市場での投資家行動に 注2資本コストをより,明確に定義すれば,既存の 関する分析,とりわけ,MarkovitzやTobin等に 株主にとって有利な新規投資の収益率の最低の限
よるポートフォーリオ分析によっても,M−M理 界(cut℃ff point)を「資本コスト」と呼ぶ。
注7)
論の論理的完全性が証明されている。したがって 注3ここで,伝統理論とは・「モジリアー二・ミラ M−Mと伝統的理論の論争が,粗利益説と純利益 一の理論」が出現する以前の,企業金融に対する 法との対立と言った形をとったが,この点に関し 標準的な理論のことである・
て日本で最初に分析・紹介した諸井の見解を引用 注4モジリアー二・ミラーの理論のこと・
すれば十分のように思われる。すなわち,「それ 注5この資本構成を最適資本構成と呼ぶ・
注6理論は,因果関係を説明するものであり,単な(粗利益説)がモジリアー二・ミラーの画期的研
まったく欠けている」 (傍点筆者) QIE,79(Nov.1965)PP 509−36.正lirshleifer,
以上のことで,M−Mの主張が,論理的完全性 J., Investment Decis量on under Uncertainty:
と言った点で,妥当なものであることが明らかと Application。f the State preference Approach。,
なった・したがって,現実的状況を説明するさい (㌶瓦80(May,1966), PP 252−7名Hamada,
依拠すべきはM−M理論であることになるのだ Roberts.,・Portfolio Analysis, Market Equiliテ が,M−M理論では,企業の資本構成がいかに決 brium and C・rporation Finance ,1F,24(Mar・
定されるかは,解明しえない。そこで,資本構成 1969),PP 13−31 Mossin・J・・ Security Pricing
and Investment Criteria in Competitive Ma一 意思決定の具体的内容はどのようなものである
「kets 五E瓦59(5)(Dec°1969) PP 749−56 か。杉原によれば,企業経営にさいして,経営者
F恥繍識識壇誹581蓋が行わなければならない意思齪1よ,大別して三
1969),PP 784−93 種に分類されているようである。すなわち,(i)
注8諸井勝之助「企業評価における粗利益法」r経 企業とその製品市場に関する意思決定,(ii)企業 済学論集』Vo131・196εPP 9 20・ の内部効率に関する意思決定,(iii)資金調達に関
寛庶ッ盈:膿詫毅,無蜜ξ謬 する意思決定の三者である馳ころでこれら三
sted Exposition ,ノE 23(Sept,1968), PP 639一 種の意思決定は,相互に,独立に,自己資本比率
54Boxte「・NU Leve「age Risk of Ruin and に影響を与えるものではなく,複雑に関係して自 the Cost of Capita1 11λ22(Sept.1967), PP@ 己資本比率に影響をもたらす。例えば,(i)に関
395−03.
注10杉原周一r不況に打勝つ成長経営』毎日新聞社 する決定で 「企業を成長させ売上高の増大をは 1971 かれば」, 「設備投資が急増し借入金が増加」す 注11M−Mは,資本構成に関し,目標負債比率なる る。したがって,(i)に関する意思決定と(iii)の
概念を提示しているがこの比率をどのように決定 それが,同時に,自己資本比率に影響を与える。
するか明らかにしていない・ ここにお㌔・て,経営者にとって必要とされる事 は,これら三種の意思決定を,自己資本比率を高 豆 杉原方式について めるために,いかにbalanceのとれた形で組み合 杉原は,科学的経営の本質を,現在行なをうと せるかと言う事になる・
する諸政策の予測にあるとする。つまり・ニュー 意思決定は多様な側面で把握することができる トン力学において,数時点先の物体の位置と動き が,上記,三種の意思決定は,どのような側面か 注4)
ヘ,「万有引力の法則」によって確実に予測され らとらえられているか。杉原においては,決定の うるが,企業経営においては,諸政策が将来にお 結果として,それはとらえられ,これらの結果の よぼす結果を予測しえない.この予測の不可能性 一つの具体的かつ,重要な表われは,貸借対照表 は, 「万有引力の法則」に相当する「経営基本法 損益計算書上の数値であると考えられている・し 則」ないし,それを定式化した「経営基本方程式」 たがって・意思決定とは,B/S, P/L,の数値も が存在しないからだと,杉原は主張する。そこで しくは比率を決定することになる。
杉原は,諸政策の結果を予測する「経営基基本方 そこで・三種の意思決定に対応するB/S,P/L 程式」を構築する必要があるとする。 上の数値として,杉原は,総資本回軽率゜売上高 経営の基本とは何か。杉原によれば,それは健 留保利益率・売上高成長率・株式資本比率・自己 全性であるとし,健全性は自己資本比率で表わさ 資本比率等をとるのである。これらの比率を,自 れる。自己資本比率の向上は「……企業の利子負 己資本比率を高めるべくbalanceのとれた形で決 担が軽いから利益が多くなり,日常の経営が楽に 定するのであるが,その際,これらの比率と自己 なるだけでなく,不景気がきても企業を安泰に維 資本比率との関係が明確に規定されている必要が
注1)
揩キることができる。」したがって,「企業経営 ある。それゆえ・これらの比率が自己資本比率と 者は,自己資本比率を企業体質の良否のバロメー どのように関連しているのか。杉原は・自己資本
タ_と考謝)ることができるとする。 比率と他の比率との関係式を・経営基本法則を具 それでは,健全性の指標である自己資本比率に 体化した「経営基本方程式」と呼んでいる。以下 影響を与えるのは・どのような要因であろうか・ この基本方程式の導欝,杉原とは若干ことなる
さらに,これらの要因は,経営者の企業運営に関 方式で示すことにする。
する意思決定にか㌧わると考えられるので,その 第1表はτ(τ≧0)期首のB/Sを示している。
斎 藤: 「目標自己資本比率の決定方法」 33
τ期首のB/S 島をτ期首の 定であるから,Zの定義式の両辺に瓦一・を乗ずる
Q。=ゲ期の負債
売上高とする。 ことにより,君一瓦一・=協一・をうる。さらに,さらに自己資本 これを整理して, 期首における,利益留保総額
C。=7期の
克綜Y
D。=τ期 の
ゥ己資本
比率を陥,総資 君は,瓦=協一1+F,1となる。∫−1期首の利益E.=7期 の 本回転率を編 留保総額瓦一1についても,瓦一1=1瓦一2十瓦一2が株式資本 売上高留保利益 成立し,これらの関係は −a卜4,……,τ+L
幣期率を砺売上高 ・について誠立する・醐の利益留保繍は瓦
留保利益成長率をπ。,株 であったから,従ってFεは
第1表 式資本比率をク。 瓦=F。+♂B。+醗丁+1・…・・+1ムー1
とすると, ・=瓦十1(B7十……十Bt..1) [2−4_aコ
…号,傷一翫一弩』炉芸 毒舗∫2−4司式に[凋式を代入し 整
となる。ここで,杉原に従い,島,1。,π.,ρ。はそ ε_、
れぞ塒間に関して独立でかつ一定であるとす 瓦略+Z義β(1+・)τ
獄簾1讐ら誘擬麗桑緯 一瓦蝋囲許一 〕圖
保つことは,企業の内的・外的環境に対する未知 となる・[2−1]・[2−2],[2−3],[2−4]は全て の要素から生ずる不確定1生により不可能である。 ∫期の期首の在り高で示されているから・これら
● ● ● ● ● ●
Nし饗謝欝墨轄勺彦潔を手がかりとし一求める一釦
[2−1],[2−2]を代入して整理し,値を各期の近似的水準として計画を立案する。
このとき,砲≧の
期の期首の自己資本比軌 炉占号 [2−6]
は,ん,1,π, ヵによりいかに表わされるか。ん=・
@ さらに[2−6]式に[2−3],[2−4コを代入して 一定の仮定より,τ
より, 期首の総資産qは, 一皇ρ・÷+論)r語誰[2−7]
q−一勢 [2−1] [2−7]式の右辺で示されるのが箱である。
となる・ρに関する同様の仮定より・P一薔・蓋犠薦灘蹴霧備農監
D =易+呂より, 数であり0に収束する。それ故,翅、は時間の減 1一ρ=
Dチr傷 少函数であり・そ繊[2−7拭の右辺第頑
したがって,
期首の自己資本総額、0、は, 蜜堅束する・丑,丑が所与とすれば その減少F6Dゴ=
@ 1一ρ
率と収束値は,乃,1,η,ρの値に依存する。逆に m2−2] 言えば,瓦,瓦が所与とすれば,ん,4π,ρの
となる。 分子の留保額は,毎期の売上高の1倍で 値を定めると,範のtime pathが決定される。
蓄積されるので売上高を見る。売上高は一定比率 (図1参照)
πで成長するから, 期首の売上高βは, ん,1,π,ρは長期的な水準として決定される。
易=且(1十n)ト・ [2−3] したがって,職は,長期的,ん,1,π,ρの水準 となる。売上高留保利益率Zに関しても,1=一 で近似された 期の計画的自己資本比率である。
格を知るために,自己資本比率のそれを概観し,
しかる後計画自己資本比率と通常の自己資本比率
7η雄 . との相違点を述べ,あわせて,杉原の言う健全性
ゐ」
すことができる。通常,(1一自己資本比率)は総
η(1−P) 資産に対する総負債の比率となるが,この比率は
財務的1everageと呼ばれている。したがって財
● ● ● ●
ア的1everageが当該企業の利益,および支配にい
● ● 9 ● ● ●
ゥなる影響をもつかを知りえれば,それらの逆が 自己資本率を変化させることによりもたらされる ¢
ム τ+1 τ+2 τ+3 効果となる。
債権者の供給した資金額との比較において,所有 杉原は,[2−7コ式の時間を無限大にしたときの 者の出資の度合を測定するもの・・.,肝)とされ,二 収束値をもって・「経営基本方程式」と呼ぶ・し 種類の指標で測定される。一つは上で示した総資 たがって,槻=η。。とすれば 産・負債比率であり,他は自己資本負債比率であ
駕。。==1肋_俵1竺ρ)+妖1竺ρ)〔nE。−IB.B。(1+n)t}・〕}ヱ顯鑑黎去量蘭黙鵬L撒
一為 [2−8]離££:雛病灘灘懇
を得る。[2−8コ式が,ん,1,π,ρを一定とした になる。(i)財務的1everageの増大は,純利益が とき・限りなく接近することのできる計画自己資 負になる可能性を増大させることにより,「企業 本比率を示しており,言うなれば,[2−8コ式は 経営の安全性」をそこなう。(ii)財務的1everage
自己資本比率の潜在的可能水準であることは明ら の増大は,企業経営に対する貸し手の発言権を増 かである。以降,われわれは,このηを計画自己 大し,経営者の行動を制約する可能性を高める。
資本比率とよび,通常の実績をもとにして算定さ したがって,自己資本比率を高めることにより,
れる比率を,単に自己資本比率と呼び,区別す 経営者は純利益が負となる可能性を減ずることが る。 できるし,その結果,「企業経営の安全性」を高 杉原は,この経営基本方程式で示された㎜を めることができ,さらに,企業経営に対して自ず 高くすることにより経営全体の健全性が高まるの からの能力を最大限発揮することができる。故 で・加を高めるようにん・1・η・ρの値をbalance に,自己資本比率は,純利益に対するriskの程 をとり決定せよと言う・そこでηの決定方法を論 度を示すとともに企業経営に対する経営者の発言 ずる前に一般に解はどのような性質をもったもの 力の程度を示すと言った意味で,それは,企業経 であるか,さらに杉原の言う健全性とはどのよう 営の安全性の尺度である。
な意味をもつのかを明らかにしておく。 したがって,自己資本比率は二重の意味の企業
〔計画自己資本比率〕計画自己資本比率と言えど 経営の安全性を示す指標であることが明らかとな も,性格的には,自己資本比率と同様なものであ った。計画自己資本比率もこのような性格をもっ ろうから,我々は・まず,計画自己資本比率の性 た指標と考えられる。ところで,両比率の相違点
斎 藤: 「目標自己資本比率の決定方法」 35
は以下のようである。通常の自己資本比率は実績 て,資本コストと言った概念は述べる必要がない に基ずいて算定されるので過去の意思決定を反映 であろうとするものである。杉原がいずれの見解 した数値であると考えられる。それに対して,計 に立つか明白ではないが,いずれの見解に立つと 画自己資本比率は,現在下だそうとしている意思 しても,配の決定が,ひいては,「企業経営の安 決定に基ずいて算定されるから,現在の意思決定 全性」への選好が,株主の利益極大化からもたら が将来に及ぼす結果の一般的傾向を示している。 されるものではないことは明らかである。結局・
杉原の言う「健全性」は,先の杉原の引用から それは株主の利益とは独立の経営者個有のもしく も明らかなように,上述の「企業経営の安全1生」 は,経営者により代表される従業員の選好により であることは多言を要さない。杉原はこの「健i全 決定されると考えられる。
性」を経営基本方程式から導出されたη2で測定す 注1杉原周一『不況に打勝つ成長経営』・毎日新聞 るのであるが,そこでの配はん,1,π,ρを一定と 社,1971P.21
したとき・時間の経過とともに限りなく接近しう 注2同上書P23.
る自己資本比率の潜在的可能陸を示していると言 注3同上書P13−15.
える。従って,加を指標とする「健全性」は企業 注4たとえば,経営組織論において,意思決定は価 経営の安全性の潜在力を示している。 値前提と事前前提をもとにして代替案を選択する
ここで,注意すべきは,「企業経営の安全性」 までの一連のプロセスと考えられている。
を高めたいとする,経営者の誘因が,株主の利益 注5杉原の「経営基本方程式」導出は期末の計算で 極大化の観点からもたらされるのではないという 行われている。ibid R 52−77
点である。伝統的財務理論においては,企業経営 注6減少率を△物で示せば,
t驚霧瓢銀白1藩鰍嚇£享 △_」罪弊)}.遠
る点で決定されるとしている・だとするならば・ となる。
「企業経営の安全性」に対する選好は,平均資本 注7West。n. J. Fred and Engene F. Bregham,
コストの関係で一義的に決定されることになる。 Mσ紹gθ7∫σ」.F∫紹〃 8,2nd, ed Holt.1g66.
したがって,平均資本コストと「企業経営の安全 〔諸井勝之助訳『経営財務』東大出版会1968.
性」に対する議論が,杉原の議論の中核になると R83〕
考えられる。ところが,「経営基本方程式」の議 注8経営組織論では従業員に誘因を提供しなければ 論においては,資本コストと言った概念は一さい 組織は存続しないとされる。だとすれば・従業員 見い出すことができないし,さらに,mはん,1, の労働目的を企業目標にとりくむことは・誘因を
π,ρを適当に選択することにより経営者が自由 従業員に与える。 注8)
に決定しうるとするのである。
このような杉原の見解はどのように解釈すべき 皿 最適資本構成であろうか。考えられる解釈は二つあるように思
われる。i)企業経営の目的が株主の利益極大化 本章では,企業の最適資本構成がいかに決定さ であっても,平均資本コストと鎚とは独立であ れるかを論ずる。われわれは・この最適資本構成
る。したがって,初を決定するのは経営者の「企 の問題を次のごとくあつかう・通常・企業の資本 業経営の安全閏に対する選好により決定される 構成を示す指標として,財務的レバレジが用いら
とする解釈がその1つである。他の1つは,ii) れるが,先に述べたごとく・自己資本比率で資本 企業経営の目的そのものが株主の利益の極大化で 構成を表わしても問題はないので,資本構成を自 はなく他の目的にそって営まれている。したがっ 己資本比率で示す。さらに,ここでは,将来の資
本構成を時前に決定すると言った計画の側面から る。その前に,われわれのモデルが依拠する諸仮 考える。ところで,∬章の[2−7]式で示したこ 定を書しておく。
とく・島乙μ祝を定める事により配を決定する 〔a.諸仮定〕1.当該企業が,社債,株式等で資金 ことは・各期の砺の水準を定めることになる故, 調達する場合,発行費用は存在しないか,存在し われわれは,祝の決定問題として各期の資本構成 たとしても,極めて小さな値のため無視しうると の決定問題を考えることができる。 する。さらに,社債の利子率は一定であるとす
前章によれば,企業の資本構成が株価極大化か る。利子率をゴで示す。
ら決定されるのではなく,経営者が企業経営に対 2。配当率は,当該企業にとって,与えられており していだく安全性により決定されることになる。 配当政策として安定配当を心がけているので,配 その場合,資本構成を示す彫は,どのように決定 当率は変化しない。配当率を4で表わす。
されるであろうか。それは,杉原の言う「経営基 3.税金は無視する。注2)
本方程式」から決定されうるのか。しかし,「経 これらの仮定は,全て,単純化のためにとられ 営基本方程式」より,〃2を決定することはできな たものである。2.にっいて,若干,説明を加えて い。鋭を規定する式は・売上高の成長率と内部留 おく。当該企業の配当率は,その属する産業で一・
保の成長率を等しくする均衡条件式であってこの 般に行われている配当率に従がうか,参照企業の ことは以下のごとく証明される。まず,[2−8]式 配当率と同一にすると言った決定ルールで,定め を変形して られる。そのさい,当該企業が依拠すべき配当率
一( kl
P−P)祝 [3−1コ 莞繕隷董1 蕪定発野轟
[3剛1]式をうるが,[3−1コ式にん,1,ρ,加の 者は企業経営の「安全性」に対して選好をもつと 定義式を代入すれば, 仮定する。「安全性」は配で表わされるから,配
B C △F 1) △F が高い水準であるほど,経営者はより選好するとπ=δ゜万゜』万 ア=ア [3−1一αコ 仮定する。
(ただし,△Fは留保額の増分)となり,「経営 一方,加が高い水準であり,かつ,自己資本の 基本方程式」は・売上高の成長率(n)と内部留保 うちで,株式資本の占る割合が大きな場合,配当 の成長率(△F⑳と注聲しくする聴条件式で 率が一定であるから酒己当支払額は大きな値とな あることが証明される・だが,均衡水準がどこに る。その結果,経営者は,突発的な多額の資金需 定まるかは均衡条件式に含まれる5つの変数のう 要に対して,借入金の新規導入なくしては,その ち4つが決定されたとき確定する。4つの変数が 資金需要を充足することができなくなり,したが いかに決定されるかは,均衡条件式からは導出さ って,祝は悪化する。このことは,企業が用いて れないから,したがって,「経営基本方程式」か いるフィナンシング・ミックスに個有のcash out
らは・ηを決定することができない。 flowが増大すると,祝が悪化する危険が増大す このような規決定の不可能性は,4つの変数を ることを意味する。経営者は,短期的・突発的な 決定するのに,変数間の関係を特定化した方程式 資金需要に対しても,比較的・安定的な椛を選好 が1本しかないと言うことによる。そこでわれわ するであろうから,われわれは,経営者はフィナ れは・初を決定するには,均衡条件式とは別個に ンシング・ミックス個有のcash out flowに対し 注3)
マ数間の関係式を新らたに特定化しなければなら て選好を持っていると仮定する。cash out flOW ない。以下では・まず,経営者の選好体系を特定 がある資金源泉は,借入資金と株式資金であり,
化し,次に,変数間の関係式を明らかにする。 前者は利子支払,後者は配当支払と言ったcash しかる後に・祝がどのように決定されるかを述べ out flowがある。ここでは,便義的に,フィナ
斎 藤: 「目標自己資本比率の決定方法」 37
ンシング・ミックス個有のcash out flowを調達 θ 資金1単位(ただし,cash out flowのある資金 のみ)あたりのcash out flowの額で表わし・そ
れをθで示す。経営者のθに対する選好を,cash d 噂甲 祠●一 一一6−一 ■■ の 引9 ●騨 一 鼻 一 一 ¶■ 一 ●騨一 ■■ ●9−
@ 1 positionの選好とよび,θが低いほど,経営者は P ° 1
より選好すると仮定する。さらに,所与の翅に対
…
して,経営者は,より低いθを選好し,所与のθ 旨
に対して経営者は,より高い舵を選好すると仮定 f 3
する。
ニ
雷
糀
セ一1
図3ひ1 θと解の関係を図に示すと,図3のごとくな
伍 る。6と4は,仮定により所与の値とされるから・
ひ、 [3−4コ式の形態はρの値に依存する。[3−4コ式 で鋭は,ゼロから1までの値をとるので,θの値 域はε≦θ≦4となる。祝=0のとき,ρの値にか
、わらず,θはθ=ゴとなり,配=1のとき,ρと
㎜ は独立に,θはθ=4となる。したがって,[3−4]
図2 式は,(αの,と(1,のを常に通ることになる。
そこで,経営者の選好関数σを[3−2コ式で ρが増加すると,曲線の傾きは,(4一のに接近 定義し,それは上記の仮定より,図2のような性 する。
質を持つと考えられる。ただし,仏よりもαが 次に,」と他の変数との関係を特定化する・Zは 防よりも砿が選好される。 定義により,売上高に対する留保の増加分であっ
たから,留保の増加分をまず特定化する。総費用こ1=σ(θ,m) [3−2] をHで表わすとし,さらに,総資産1単位あた
[c.変数間の関係式コまず,θと他の変数との関 りの総費用,すなわち,平均費用は一定とする・
係を明らかにする。θは・前節の定義により,調 平均費用をφで表わす。このとき,留保の増加 達資金1単位(ただし,cash out flowのある資 分は△F=.B−H−6Q一ゴEとなるから・Zは
書ρみ)あたりの蜘伽噸であつたか 1一響一1争呈一場[3−5コ
θ瞬Q(dE+iQ) [3−3コ となる・離φ弓および蜘の臓
となる。[3−3コ式の右辺の第一項(=4E)は配 式を〔3−5]式に代入することにより,[3−6]
当額を,第二項(..iQ)は利子支払額を示してい 式をうる。
1:邑三㌶搬曜代入することによ Z−÷{ん+伽(1剛[3−6コ
θ一 T講霧 [3−4] 一÷{戸一dPm−i(1−m)} [3−7コ
徽晶霜繕騰聯壕ご4剛伽)+λ{θ一・一(諸詔㌻暑詞
いることは明らかであろう。ここで,当該企業は
E3−9]
目標営業利益率を設定しており,それを達成すべ をθ・鵬λ(=ラグランジュ乗数)について偏微 く行動していると仮定して,ρは与えられたもの 分することにより求められる。従って・注験『10コ とする。なを目標利益率をいかに設定すべきかは 式,[3−11コ式・さらに[3−12コ式をうる・
後で,若干論ずる。 Zゐ=砺+λ=0 ε3−10]
最後に,・につい礁・は短期白勺には蝶努 砺+わ{ (i−d)(戸一η)(d−n)(i−d)m十(P−i)十(d−n)ドカにより高められるが,長期的には国民経済の成 :=0 [3−11]長率と等しいと考えられる。すなわち,企業は,
広告・宣伝・新製品開発・多様化等の政策を用い
(ρ一n)(4一η)θ一η一
@ σ一の配+(戸一i)十(d−n)
ることにより,売上高の成長率を高めることがで
自0 [3−12コ きよう。しかし,これらの政策の売上高に対する
@ [3−10コ式と式(3−11)より,効果は,時間の経過とともに減少し,長期的に考 仏 θ乙
えれば,一国の国民経済の成長率と同じになると vわれる。そこで,われわれは,πは外生的に与
:== _
ii−d)1留睾畏4−。)醒一1+号≡差
注5)
えられた国民経済の成長率に等しいと考えて経営 [3−13コ 者は行動すると仮定する。 をうる。[3−12コ式を用いて,さらに,[3−13〕式
[d.最適資本構成コ以上の事により,初の決定に を変形することにより[3−14]式をうる。
関する問題は,つぎのごとく定式化される。
@目的関数:〃34κひ=こ1(θ,m) [3−2コ
乙砿 α =:: _θ一〃耐+暢
[3−14]
制約条件・θ一芒綜[鋪
[3−14]式の意味を明らかにする.上記式の左 モの分母は〔3−8]式における θの下界を示して ん侮戸』ψ解一 1一吻[3−7コ レ、る。即ちηはθが無限に接近しうる下界である一講)[2−8〕 藁皇卿轟器奮華蕪鋸節
[3−4〕式に(3−7)式と(2−8)式を代入する θ ことによって,制約条件は(3−8)式となる。
煤{( (P−n)(d−一』n)i−・d)m十(戸一の十(d−n)[3−8コ d
噂劇騨●r−一輔娼bd■一一一■一一一一
1 1 8
I I
@ o11
通常,4>π,4> かつ戸〉ηであると考えられる ゥら,(3−8)式の右辺第二項の分子は正となる
艪ヲ,θは初の増加関数であり,θ=ηと 1
砺;
ァ1
@; 9
炉(4一」響『の>1 ・
漸近線とする双曲線となる。祝=0のとさ,
1
閨@ 一 一 一 一 〇 鱒 鞘 一 一 働
@ … 2
,Q一___↓_._
@ 3
@ …
θ一
i 戸4一π
o−−i)+(d−n)・祠のとき,θ一4となる・
II
鋭 サこで,[3−8コ式の形状は図4のごとくなる。σ が 伽冒1
を最大にする必要条件は 図4
斎 藤: 「目標自己資本比率の決定方法」 39
θは小さい値ほど選好されるので)。一方,分子 る。逆に, が減少すると,曲線詔は」 ・Bへ は祝を一単位増加した場合の効用の増加分であ と変化する。したがって,借入による資金調達を
る。従って,左辺はθの犠牲度1単位あたりの㎜ 魅力的にするので,罐は,づが減少する以前より の変化にする効用の増加分を示している。[3−14コ 低い水準となろう。(図5参照)
式の右辺の分母における(1+一費)は,紛上(ii)dが増加すると,直線鋤貿矧へと変 化する。その結果,資本調達を株式資本で行うこ
界であるから・分母は特定の祝を選択すること とは,θに対して悪い影響を与える。したがって により生ずる醒の犠牲の程度を示している(なぜ 資金調達にあたっては,借入資本に依存すること ならの大きな値がより選好されるので)。分子は
θを一単位増加させたときの効用の変化分を示し θ
トいる。従って,[3−14]式の右辺は,特定の彿 B
を選択することによるηの犠牲度1単位あたり B
のθの変化による効用の変化分を示している。そ
れ故,[3−14コ式は特定な@,のを選好する際 d大 B θ,配の犠牲度一単位あたりのθ,解の変化対す
骭 用の変化分が均等するように(θ,切を選択 ゑ・
@ A
I l 81 1 1 1
する事を示している。 A〃 I lI I 最後に,ゼ,4,ρ,およびηの変化に対して,加 注6)
ェどのように変化するかを記す。
1 璽 l 戟@ I l
戟@ l lI l ll I 馨I l ・ 糀
θ 魏2 π口 η33
図 6
a になり,配は4を増加させる以前に比ぺて,低い
水準となる。逆に,4を引き下げると,曲線」B
A
は』 」B へと変化し,株式資本による資金調達はl I θに対するメリットを増大する。その結果,資金
オ
.4 1日 することによいは,ゴを引き下げる以前にく
tl 鵬高㌔聯となる.(図6参照)婁 Il (iii)ρを引き上げたとき,曲線オBは下向に移Ul 動し遡となる.砂増加は内部留保を増加さ
1 留η
伽2 物1魏3 せることになるから,魏は,戸を引き上げる以前
図5 に比して,高い水準となる・ρを引き下げたとき 曲線且βは上向に移動し」 Bとなる。ρの引き
(i)ゴが増加すると図1より明らかなように,曲 下げは,内部留保を減少させ,結局,翅を低い水 線」Bは曲線溜Bへと変化する。その結果,借 準にしてしまう。(図7参照)
入資本で資金調達するメリット(θに対する)は (iv)πが大したとき,直線オBはオ Bへと移 薄れ,自己資本で資金調達する度合が高くなるこ 動する。ηが増大することは資金需要が増大する とにより,解は,ゴが増加する以前に比べ上昇す ことを意味し,θの観点から,資金調達は,株式
θ ]V 目標利益率と株価
B この章では,株価と戸との関係を明らかにす る。そのさい企業は,売上の成長率,資産の成長 一ρ大 率,株式資本の成長率を,全て,等しくするよう
∠4 1 な政策を行なっており,したがって,杉原の「経 ll 営基本方程式」が成立つ状態にあるとする。株式 4 ,11 発行はすべて額面発行されており,将来において
ll l
ご4 由 もこの調達方法がとら払時価発行1まなされなIlI いとする。さらに,当該企業は,あるリスク・ク
ii/ 論賑繍郵::禦蛮潮続
鋭1 7π2
にもとずいて,株価がどのような水準になるかを 図7 分析する。
資本によるものよりも,借入資本が選好される。 市場における,当該企業の均衡株価は,投資家 したがって,解はηが増大する以前に比べ,低 への将来の配当額の流れの現在価値合計である。
い水準となる。逆に,πが低下したとき,上述の そこで,前章の[3−7]式により,配当額は
逆があてはまり,ηは高い値となる。 ψ辮q={ρ一ゴ(1−m)一ん♂}q [4司]
θ となる。企業が均衡成長の状態にあり,額面発行
で株式が発行されているので,株式数の成長率もB qの成長率に等しくなる。したがって,初期株
式発行数を」Voとすれば, 期の株式数は」V = 万。6伽となるゆえ, 期の一株あたりの配当額は,
躍 4
il 鱒+κ1一鋭)一ん1}雛;1
A
IIl
奄奄堰@ 一側一)一〃嶋[4−2コ
1㍑ となる。[4−2コ式の右辺はまったく時間により
i ll
111 変化しない常数であるから,均衡成長のもとでは
鎚21 11
徊鎚3 彿 1株あたりの配当額は毎期一定となる。そこで,
割引率ωはであったから,株価0は注1 同時に・総資産の成長率・自己資本の成長率・
撃歪欝率もを等い㌔なぜな噺 一∫塁ρ一δ(1一圃舞咄
注2 ニ難犠饗犠雛鐸与える・ 「転・似1−)噸÷[4−3]
注3杉原もこのようなことを指摘しているibid P24. となる、以降,われわれは,株式価格は総額7 注4十分条件は満されているとする・ (=価格×発行数)で表わすことにし,ρ=魂一φ
注5∂yγ∂θ=σθ,∂y/砺=ひmを示している。 麗
注6正確には[3_・・]式,[3_11]式を鋤分し 鵬。(1一ρ)さらに[3開7拭を代入することに なければならない。 より[4−4]式をうる。
斎 藤: 「目標自己資本比率の決定方法」 41
㌦1一轟一ゴ(ρ一のα 離藁竃讐欝讐灘卸認纏
義窩ρを一定としたもとで,7とρとの関係を により,鋭も高い水準となり企業経営者の安全性 知るために・7を戸で微分してみると, は向上することになる。
%一吉・㍍( dpc。1−P)+dP−i}〉・ 注1ここでの結論は収灘を鳳ていないと}二 となる。それ故,ρを高く設定し,その目標を達 依存している。
、