感染症合併糖尿病患者の臨床的検討
―当科入院加療を要した 症例について―
1)
青森県立中央病院内分泌内科,
2)平井内科医院,
3)弘前大学大学院医学研究科内分泌代謝内科学講座
池島 進
1)平井 裕一
2)玉澤 直樹
3)須田 俊宏
3)(平成 19 年 6 月 4 日受付)
(平成 19 年 9 月 10 日受理)
Key words : diabetes mellitus, compromised host
要 旨
生活習慣の欧米化と高齢化社会の到来により,近年糖尿病患者が急増している.特に,様々な合併症を持っ た高齢者糖尿病では感染症を併発する機会が多く,それに対する適切な処置が,患者の QOL 向上,医療費 削減にとって重要な課題と考えられる.
2002 年〜2005 年の間,当科に入院し,抗菌薬の経静脈投与を行った比較的重症と考えられる感染症合併 糖尿病者 98 例(男性 60 名,女性 38 名)について,血糖コントロール状態,糖尿病性腎症の程度と炎症反 応,治療への反応を比較検討した.
入院時 HbA1c を,良(6.5% 未満)可,(6.5〜8.0% 未満)不可,(8.0% 以上),悪(10% 以上)で分け,
白血球数,CRP,抗菌薬投与期間を検討したところ,コントロール不良群で,より抗菌薬の投与期間が長かっ た.また,治療中断または未治療群や,低アルブミン血症を認める群では,より長期の抗菌薬の投与が必要 であった.
入院中のインスリン投与量を検討したところ,感染症の合併に伴って,インスリン需要量は増加し,感染 症の改善と共に,減少することが示された.
糖尿病の早期介入,加療継続,糖尿病の厳格な血糖コントロールと良好な栄養状態の保持,病態に合わせ た適切な抗菌薬の投与が,糖尿病患者に合併した感染症の治癒,QOL の向上,抗菌薬投与期間の短縮,各 種耐性菌感染症への防止,ひいては医療費削減へつながると思われた.
〔感染症誌 81:720〜725,2007〕
序 文
生活習慣の欧米化と高齢化社会の到来により,近年 糖尿病患者が急増している.特に,高齢の糖尿病患者 では様々な合併症を持っている場合が多く,感染症に 罹患した場合それに適切に対処することが患者の QOL 向上,また医療費抑制にとって重要な課題と考 えられる.そこで,著者らは入院を要し抗菌薬の経静 脈投与を行った比較的重症と考えられる感染症合併糖 尿病者について,血糖コントロール状態,腎機能およ び血清アルブミン値と炎症反応の強度および治療期間 の差異を比較検討した.
対象と方法
対象は 2001 年 3 月から 2005 年 3 月の 4 年間に青森 県立中病院内分泌内科(以下「当科」)へ入院し,抗 菌薬の静注療法を必要とした感染症合併糖尿病患者 98 例(男性 60 名,女性 38 名)である.これらの症 例の背景因子(年齢,性別,HbA1c 値,糖尿病性腎 症,血清アルブミン値),感染部位と感染症名,炎症 反応(白血球数,CRP 値),抗菌薬投与期間,インス リン投与量(総単位! 日)についてインフォームド・
コンセントを施行後,retrospective に検討した.
糖尿病のコントロール状態が感染症に及ぼす影響の 検討には HbA1c を血糖コントロールの指標として用 いた.日本糖尿病学会の基準に従って入院時の HbA1c
原 著別刷請求先:(〒017―8550)大館市豊町 3―1
大館市立総合病院 池島 進
Table 1 Patientprofiles 69.5±12.7 Age (years)
9.0±3.0 HbA1c(%)
13.6±6.1 WBC (×103/μL)
16.1±9.5 CRP (mg/dL)
2.8±0.7 Alb (g/dL)
1.9±2.3 S Cr(mg/dL)
9.1±4.7 Antimicrobialtreatment(day)
を良(6.5% 未満),可(6.5 以上 8.0% 未満),不可(8.0%
以上)に分け,更に 8.0% 以上の中でも特にコントロー ル不良な群を悪(10% 以上)群とし炎症反応,抗菌 薬投与期間について比較した.
治療コンプライアンスの良否の影響を検討するた め,継続して治療を受けていた群(n=72)と糖尿病 の未治療群(n=12)及び治療中断群(n=14),その 中で未治療群を除いた治療中断群(n=14)で炎症反 応,抗菌薬投与期間について比較した.
糖尿病性腎症を厚生省研究班の病期分類を用い分類 し検討した.更に,尿蛋白漏出に伴う低アルブミン血 症が感染症へ与える影響を検討する為,血清アルブミ ン値(g! dL)を 3.0 以上群と 2.9 以下群とに分け同様 に比較検討した.
感染症が糖尿病コントロールに対して影響を及ぼす かを検討するため,入院中のインスリン需要量の変化 を検討した.入院時投与量,最高投与量,退院時投与 量の三点を比較した.
数値は平均±標準偏差で表した.統計処理は,Stat- Mat III を用いた.インスリン需要量の変化に Paired t 検定を,その他は Tukey-Kramer 法で多重比較検定 を行った.
成 績
1.患者背景,感染症検査所見,抗菌薬投与期間 対象の 98 例中男性が 60 名,女性 38 名と男性が多 かった.平均年齢は 69.5 12.7 歳と高齢者が多かった.
入院時の HbA1c は,9.0 3.0% と血糖コントロール 不良例が多く,血清 Alb(g! dL)は 2.8 0.7 と低下し ていた者が多かった.血清クレアチニン(Cr,mg ! dL)
は 1.9 2.3 と上昇していたものが多かった.炎症反応 は白血球数(×10
3! µL)13.6 6.1,CRP(mg! dL)16.1 9.5 であった.抗菌薬投与期間(日)は 9.1 4.7 であっ た(Table 1).
2.感染部位,感染症名,抗菌薬投与期間
感染部位(重複感染を含む)は,呼吸器が最も多く 49% で,肺炎が大多数を占めた.なお,今回の肺炎 は全例市中肺炎であった.次に尿路感染症が 22% で あった.最後に皮膚軟部感染症が 15% で蜂窩織炎,潰 瘍・皮下膿瘍・壊疽の順であった.抗菌薬投与期間は,
皮膚軟部感染症が平均 12.1 6.1 日で,尿路感染症(7.3 3.5 日),その他(5.9 3.3 日)に比較して有意に長かっ た(p<0.05,p<0.01)(Table 2).
3.起因菌
いずれの感染部位でも半数前後が起因菌不明であっ た.判明した中では,呼吸器感染症で Klebsiella pneumo- niae(10%),Staphylococcus aureus(MSSA)(4%),
MRSA(4%),尿路感染症で Escherichia coli(22%),
Klebsiella pneumoniae(9%),皮 膚 軟 部 感 染 症 で は
Staphylococcus aureus(MSSA)(20%),嫌 気 性 菌
(20%)が多かった.
4.入院時糖尿病コントロール状態の感染症への影 響
入院時 HbA1c の値により分けた糖尿病のコント ロール各群で,年齢に有意差はなく,感染症部位,感 染症名,起因菌に明らかな偏りは認めなった.白球数
(×10
3! µ L)は,良 群 11.5 3.6,可 群 13.8 6.3,不 可 群 14.2 7.3,悪 群 14.1 8.0,CRP(mg! dL)は,良 群 14.5 6.8,可群 15.9 7.5,不可群 16.7 10.7,悪群 18.3 11.2 と,いずれも有意差は認めなかったが,血糖コン トロール不良例でより高値傾向を示し,感染症の重症 化傾向が示唆された.
抗菌薬投与期間(日)は,良群 9.4 4.1,可群 8.1 4.2,
不可 9.7 4.8,悪群 11.2 4.3 と,悪群では可群より長 期に渡った(p<0.05)(Fig. 1).
5.糖尿病治療コンプライアンスが感染症に及ぼす 影響
これまで糖尿病を指摘されていなかったか,あるい は放置されていて今回の感染症治療を機に糖尿病の治 療を開始したものを糖尿病未治療群(n=12)とした.
また,以前糖尿病の治療を受けていたが中断し,今回 の感染症治療を機に糖尿病の治療を再開したものを治 療中断群(n=14)とした.各群の年齢に有意差はな く,感染症部位,感染症名,起因菌に明らかな偏りは 認めなった.糖尿病未治療群及び治療中断群の HbA1c は 11.3 2.2% と高値で,治療継続群の 8.1 2.8% に 比べ血糖コントロールは有意差をもって不良であった
(p<0.005).また,特に治療中断群では HbA1c 12.4 1.9% と よ り コ ン ト ロ ー ル が 不 良 で あ っ た(Fig. 2
(a)).
各群間における白血球数,CRP の値に有意差は認 めなかった.しかし,抗菌薬投与期間(日)は治療継 続群 8.0 4.2 に対し未治療及び治療中断群,治療中断 群で 11.2 4.4,10.6 3.6,と未治療及び治療中断群,治 療中断群で有意に抗菌薬投与期間が長かった(p<
0.05)(Fig. 2(b)).
6.糖尿病性腎症病期分類,低アルブミン血症の感 染症への影響
糖尿病腎症の病期分類では,1 期 10.0%,2 期 21.0%,
Table 2 Clinicaldiagnosisand frequency ofinfectiousdisease antimicrobial treatment(day) ratio (%)
detail Numberof
samples Clinicaldiagnosis
8.9±4.9 49
49 Respiratory tractinfection
43 43
pneumonia
5 5
bronchitis
1 1
pleuritis
7.3±3.5 22
22 Urinary tractinfections
20 20
pyelonephritis
2 2
emphysematousnephritis
12.1±6.0 § § § 15
15 Skin and softtissue infections
7 7
cellulitis
7 7
ulcergangrene
1 1
iliopsoasabscess
5.9±3.3 14
14 14
Others
9.1±4.7 100
100 Total
§p< 0.05 versusurinary tractinfections§ §p< 0.01 versusothers
Fig. 1 Antibacterialmedication wasstudied among pa tientsgrouped by HbAlclevel.Those with poorcontrol required significantly longerantibacterialtreatment.(p
< 0.05)
3 期 38.0%,4 期 19.0%,5 期 9.0%,不 明 3.0% と 半 数以上が顕性腎症合併例であった.
血清アルブミン(g! dL)を 2.9 以下群と 3.0 以上群 に分けて検討した.両群間の年齢に有意差はなく,感 染症部位,感染症名,起因菌に明らかな偏りは認めな かった.白血球数,CRP 値に有意差は認めなかった.
しかし,抗菌薬投与期間(日)で,2.9 以下群 10.9 6.8 と,3.0 以上群 7.4 4.0 に対し有意に長かった(p<0.05)
(Fig. 3).
7.感染症がインスリン需要量に及ぼす影響
インスリン投与量(単位! 日)は,入院時 10.5 12.9,
最高量使用時 26.1 13.4 と感染症の罹患・悪化に伴い 有意に増加した(<0.005)(Fig. 4).また,感染症の 改善とともにインスリン投与量(単位! 日)は減少し,
退院時は 7.7 13.2 と,最高量使用時より有意に低下 した(p<0.005)(Fig. 4).
考 察
糖尿病患者は一般的に感染症に罹患しやすく,重症 化しやすいといわれている
1)2).一般的には多核白血球,
マクロファージの機能障害,神経・血管障害,脱水,
栄養障害,ケトアシドーシスなど種々の機序を介して 感染防御能低下をもたらすと考えられている
3).我々 は,2 型糖尿病モデルマウスである db! db マウスで,
リステリア感染において肝臓での MCP-1,KC の発現 が低下しており,感染防御能の低下の要因の一つとし て報告した
4).
糖尿病の死因に関する委員会報告によると,1991 年〜2000 年の 10 年間のアンケートによる日本人糖尿 病の死因では感染症が第 3 位で約 14.3% となってお り,この値は過去の統計に比べ若干増加傾向であると 報告している
5).最近の報告では,非糖尿病患者を 1 とした時に糖尿病患者の感染症に罹患するリスク比は 1.21(99%CI 1.20-1.22)であり,感染症による入院の リスク比は糖尿病患者で 2.17(99%CI2.10-2.23),ま た感染症による死亡のリスク比は糖尿病で 1.92(99%
CI1.79-2.05)と,糖尿病患者は正常者と比較して感染 症の頻度が高く,重症化しやすいと報告されている
6).
近年,高齢者における糖尿病患者の割合は年々増加 している.高齢糖尿病患者では脳卒中後遺症による嚥 下障害や慢性閉塞性肺疾患,癌,脱水,腎機能障害等 の種々の基礎疾患併発することが多く,感染抵抗力は より低下していることと思われる.このため,感染症 罹患は高齢糖尿病患者の直接死因となるのみならず,
quality of life(QOL)に重大な影響を与え,また医
療費の増加にもつながる事になる.従って,高齢糖尿
病患者の感染症対策は今後重要性を増すと思われる.
Fig. 2 (a)HbA1clevelsand diabetictreatment.HbA1cwashigherin untreated ortreatment-interrupted subjectsthan in those continuousby treated.(p< 0.005).(b)Antibacterialmedication and diabetictreatment.Untreated and treatment-inter- rupted subjectsrequired significantly longer-term antibacterialmedication than subjectscontinuoustreaed.(p< 0.05)
Fig. 3 Antibacterial medication period and serum albumin.Antibacterialmedication lasted longerin the group with hypoalubminemia (<2.9g/dL).(p< 0.01)
Fig. 4 Insulin during infection treatmentin the hospital. Insulin wasincreased caused by the complicationsofin fection, and decreased as infection ameliorated. (p<
0.005)
そこで,患者 QOL のみならず医療経済の観点からも 重要と思われる重症例として,入院加療を要し抗菌薬 点滴静注を行った症例を対象とした.
患者背景は,明らかにに高齢者,特に男性に多い傾 向で,高齢の男性患者が感染症のハイリスクグループ である事が示唆された.
感染症発症部位は,呼吸器感染症が最も多かった.
糖尿病患者特有の肺炎が存在するわけでなく,全身お よび肺局所において感染防御が低下し,呼吸器感染症 の合併を高頻度に認める
7).また,市中肺炎患者では 入院時の高血糖が独立した予後不良因子となると報告 されている
8).呼吸器感染症についで多かったのが尿 路感染症であった.一般的に糖尿病患者では,神経障 害による神経因性膀胱の合併により尿路感染症を併発 する事が多いと言われている
9).外来での加療症例を
加えれば尿路感染症の頻度は呼吸器感染症より多いこ とも推測される.皮膚軟部感染症は約 15% と比較的 少なかったが,皮膚科や整形外科の入院症例は含めれ ば,実際の頻度はもっと多い事が推測される.また,
皮膚軟部感染症の抗菌薬投与期間は最も長く,抗菌薬 長期投与による副作用や耐性菌の出現とその院内接触 感染には十分注意する必要がある.
起因菌は多くが不明であった.これは,三次救急施 設である当院の特質上,前医で抗菌薬が投与された後 に転医した患者が多い事が要因として考えられるが,
今後検体の適切な提出等による起因菌の同定の努力が 必要と思われた.
HbA1c を指標とした糖尿病コントロールと白血球,
CRP を指標とした感染症重症度との間には,糖尿病
コントロール不良群でより白血球 CRP が高値を示す
傾向であったが,有意差は認めなかった.しかし,抗 菌薬投与期間が悪群で可群より有意に長かったことよ り,糖尿病コントロール不良群ではより感染症が重症 化・難治化しやすいことを反映した結果と思われた.
今回,コントロール状態を日本糖尿病学会の血糖コ ントロール指標と評価に従って各群へ振り分けたが,
この指標はあくまでも糖尿病 3 大合併症(糖尿病網膜 症糖尿病腎症糖尿病神経障害)との関連データを中心 に策定されたものである.従って易感染性を来たす閾 値としての HbA1c 値については今後更なる検討が必 要かと思われた.
糖尿病治療のコンプライアンスの良否は血糖コント ロールの大きな要因である.平成 14 年 11 月に実施さ れた厚生省の糖尿病実態調査では,糖尿病が強く疑わ れる人は約 740 万人に達すると発表された.また,そ の多く 50% 近くが未治療(41.9%),または治療中断
(7.5%)患者であるとされた.そこで,糖尿病治療へ のコンプライアンスの良否が感染症に与える影響につ いて検討した.糖尿病未治療または治療中断で感染症 を合併して入院した患者では,HbA1c が非常に高値 で,血糖コントロールはきわめて不良の状態であった.
特に治療中断群で不良であった.また,糖尿病未治療 または治療中断群で HbA1c の上昇すなわち血糖コン トロールの悪化に伴い,抗菌薬投与期間が約 2-3 日延 長しており,感染症の重症化が示唆された.
糖尿病未治療や治療中断例が,進行した合併症によ る症状,すなわち増殖網膜症による視力低下や末期腎 不全による溢水症状を呈してようやく受診する事にし ばしば遭遇する.これは感染症においても同様で,重 症の肺炎や下肢壊疽のためようやく,あるいは久々に 医療機関を受診する例はまれでない.今回の結果から 他の糖尿病合併症同様,感染症の予防,悪化防止にお いても糖尿病の早期介入,加療継続の重要性が示唆さ れた.
近年,糖尿病腎症を含む慢性腎臓病(chronic kidney disease : CKD)は,心血管病などの大血管障害の危 険因子として注目されている
10).そこで,糖尿病生命 予後にとって,心血管病についで重要である感染症と,
糖尿病性腎症との関連について検討した.
その結果,今回の症例は約 7 割の患者が 3 期以上,
つまり顕性尿蛋白以上の腎症を有していており,顕性 尿蛋白以上の腎症は感染症に罹患しやすいことが推定 された.更に,糖尿病性腎症による蛋白漏出は低アル ブミン血症を引き起こす.アルブミンが低下すると,
末梢血リンパ球サブセットで,T(c)細胞(細胞障 害性 T 細胞)比率の低下がみられ感染防御能の低下 を助長すると報告されている
11).今回,アルブミン値 を,3.0g! dL 以上群と 2.9g! dL 以下群とに分けて検討
したところ,2.9g! dL 以下群で抗菌薬の投与期間の長 期化を認め,低アルブミン血症は感染症の重症化に繋 がる事が示唆された.今後,3 期以上の腎症例,特に 低アルブミン血症を有する症例は,感染症のハイリス クとして診療に当たる必要が示唆された.
感染症罹患はそれ自体が耐糖能悪化要因である.今 回の検討においても,入院時インスリン投与量よりも 治療中のインスリン最高投与量は有意に増大してい た.また,感染症の改善にともなってインスリン投与 量は低下しており,病期に応じたインスリン減量が必 要であると思われた.
抗菌薬投与期間の長期化は,腎機能はじめ宿主への 悪影響を及ぼす可能性がある.また菌交代現象による 日和見感染,耐性菌誘導の危険も増す可能性がある.
患者 QOL 上も医療経済上も,抗菌薬投与期間は短い に越した事はない.
今回の結果から,糖尿病の早期介入,治療継続によ る良好な血糖コントロールを保つことが感染症罹患時 の重症化を避け,早期治癒につながることが示唆され た.また蛋白尿,低アルブミン血症を有する腎症合併 例には感染症ハイリスク例としての配慮が必要と思わ れた.起炎菌検出の努力を怠らず,適切なスペクトラ ムの抗菌薬の適切な期間の使用を心がけ,さらに感染 症の病期,病態に応じたインスリンの必要十分な量,
回数の投与が患者 QOL の向上,各種耐性菌感染症の 防止,ひいては医療費抑制へつながるものと思われた.
文 献
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Clinical Analysis of Diabetes Mellitus with Infectious Diseases Shin IKEJIMA
1), Yuichi HIRAI
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3)& Toshihiro SUDA
3)1)