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共生基盤学専攻 生物共生科学講座 植物栄養学 伊東 和輝

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,2020年210

養分欠乏ストレスがシソ、エゴマのミネラルおよび機能性成分に与える影響

共生基盤学専攻 生物共生科学講座 植物栄養学 伊東 和輝

1. 背景および目的

人々の健康意識の向上を背景に機能性成分を豊富に含む食品への関心が高まっている。ハーブ は園芸作物として親しまれており,機能性成分を豊富に含むことから,研究が広く行われている。

一方,養分欠乏ストレスは植物のミネラルの動態を変化させると同時に機能性成分の生合成に影 響を与えることが知られている。しかし,養分欠乏によるミネラル動態と機能性成分の変化を包 括的に調査した報告はない。本研究では日本で栽培されているハーブのチリメンアオシソ,チリ メンアカシソ,エゴマを研究対象とし,養分欠乏ストレス条件下でこれらを栽培し,含まれる機 能性成分およびミネラルの変化を調べた。

2. 方法

チリメンアオシソ,チリメンアカシソ,エゴマを供試作物とし,

1L

のプラスチックポットで土 耕栽培した。無肥料土

1kg

に対し三要素として

0.68 g

の硫安を,

0.82 g

の過リン酸石灰を,

0.29 g

の硫酸加里を加えたものをコントロール(+NPK)区とし,三要素欠乏(-NPK)区,窒素欠乏(-

N)区,リン欠乏(-P)区,カリウム欠乏(-K)区を養分欠乏処理区としてそれぞれ設定し,6

間温室で栽培した。栽培後,採取した植物体を凍結乾燥し,乾物重を測定した後,ケルダール法

および

ICP-MS

によりミネラル分析を,

DPPH

法により抗酸化活性分析を行った。機能性成分とし

て総ポリフェノール,総アントシアニン,ロズマリン酸の定量分析を行った。

3. 結果と考察

栽培試験の結果,3 品種全てにおいて-NPK 区,-N 区,-P 区において新鮮重および乾物重の有 意な減少が見られ,特に-NPK 区と-P 区で著しかった。ミネラル組成は養分欠乏ストレスによっ て変動したが,特に-P 区で顕著に変動した。また,エゴマにおいて抗酸化活性,総ポリフェノー ル量およびロズマリン酸含有率が-N 区で+NPK 区と比較して有意に上昇し,チリメンアオシソで も同様の傾向がみられたことから,窒素欠乏ストレスが機能性成分の生合成を促進する可能性が ある。養分欠乏ストレスによるミネラルや機能性成分動態の変化に関して主成分分析と相関分析 を行った結果,ミネラル組成とロズマリン酸含有率の変動の間に関連性があることが示唆された。

4. まとめ

本研究によりシソおよびエゴマにおいて養分欠乏ストレスがミネラルと機能性成分の動態に

影響を与えることが示された。このことより,栽培時の施肥管理により高品質なシソ,エゴマの

栽培手法の確立に貢献する可能性が示された。

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