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(1)

長崎大学工学部研究報告第14号 昭 和 田 年1 17 

二相密閉形熱サイホン内の伝熱と限界熱流束について

茂 地 徹*¥ 9 近 藤 博 美 不

Heat Transfer and Critical  Heat Flux in  Two Phase Clo:.>cd  Thermosyphons 

by 

Toru SHIGECHI and Hiromi KONDO  (Department of  Mechanical Engineering) 

The purpose  of  this  paper is  to  present  a review  of  receηt  fundamental  research associated with boi1ing and condensation in  Two Phase Closed  Ther‑

mosyphons operated ill  a gra vity  field.  Also, dimensionless  correlations  of  boi1ing heat transfer  G:lld  critical  heat f1ux which have been  suggested in  a  few investigations are discussed. 

Finally, References  on  Two Phase  Closed  Thermosyphons  are 1isted  in  Appendix. 

1.  まえがき

二相密閉形熱サイホンは,真空にした密閉容器に液 体を適量封入し,容器下端において蒸発または沸騰に よって発生した蒸気を上端において凝縮させ,凝縮し た液体を重力または遠心力で下端に還流させる伝熱素 子であり,多くの熱を低温度差で輸送することができ る。伝熱素子内部の物理現象を表現したのが二相密閉 形熱サイホンという用語であると考えれば,一方伝熱 素子を構造的,応用的な観点からみればウィックレス ヒートノfイプあるいはノンキャピラリーヒートノfイプ などと呼ばれヒートパイフの一種であるとみることが できる。

二相密閉形熱サイホンの概念は古くから知られてい たが,熱サイホン内の流動と伝熱を始めて解析したの CohenBayley1)1955年にガスタービン翼の 冷却を目的とした研究を行なった。その後, 1965年に

Davies2)が熱サイホンを分類し,二相密閉形熱サイ ホンを熱サイホンの中に位置づけし,その応用につい

昭和549月26日受理

*機械工学科

て多くの例を挙げ研究の必要性を説いているにもかか わらず,ソ連における空気予熱器3)な ど に 関 連 し た 若干の研究を除けば, 1970年に至るまで基礎的な研究 にはほとんど手がつけられていない。二相密閉形熱サ イホンが10数年間注目されなかった理由は, ヒートパ イプの応用分野の変遷を考えることによって了解され よう。ヒートパイプに関しては1965年にCotter4) 理論を確立して以来,現在に至るまで活発な研究が行 なわれている。 5)1960年代においては人工衛星への 応用を目的とし,液体の還流の駆動力として毛細管力 を利用した無重力状態でも動作可能なヒートパイプの 研究が主流を占めていた。しかし, 1970年代に入って 陸上の産業機器に応用されるようになるとウィックレ スヒートパイプと呼ばれる毛細管力の代りに重力や遠 心力を利用したヒートパイプが注目され始めるのであ る。ヒートパイプのような伝熱素子の研究は応用分野 によってその内容や方向が左右されやすい性格を有し ており,二相密閉形熱サイホンも乙のような研究経過

(2)

18 二相密閉形熱サイホン内の伝熱と限界熱磁束について をたどってきたといえよう。

 さて,1970年代に入り,航行用ブイの凍結防止,永 久凍土の融解防止などへの応用を目的とした研究を Larkin 6)及びLee&Mita17)が手がけた。1972 年のLee&Mitalまでの研究および液体金属や熱 サイホンの応用に関してはJapikse 8)が熱サイホン の展望記事の中で詳細に解説しているのでここでは省 略する。

 最近,排ガス回収用ガスーガス式熱交換器への応用 などに関連して研究が活発になってきた。その中で系 統的な研究として,二相密閉形熱サイホンを模擬し た二重管環状流路での観察を中心としたAndros

&Florschuetz g),熱伝達の整理を行なってい るSavchenkovら10)および井村ら11)その他があ る。12)また,限界熱流束に関してもSakhuja 13),

井村と楠田14),Tien&Chung 15), Nejat16),

井村17)およびBezrodnyy 18)によって研究が行 なわれている。

 本報告は,二相密閉二二サイホン内部の流動と唐門 に関する研究の現状を把握し,今後の研究の一助とす るため主としてJapikseの展望記事以後に発表され た文献を調査し,熱伝達および限界半弓束に関するこ れまでの知見を総合,整理し,提案された整理式の有 効性について検討した結果を報告するものである。な お,本報では重力場のみを対象にし,液体金属を使用 する場合,姿勢の影響および不凝縮ガスが存在する場 合については省略した。

<主要記号>

Cp1:液体の定圧比熱 」/kgK

d:熱サイホン内径m

9 :重力の加速度 m/S2 1・:熱サイホンの加熱部長さ m P.:大気圧 bar

P。:臨界圧力 bar

P、:作動圧力(飽和圧力)bar q。,1。:限界熱流束 W/m2 恥:加熱部の門流束 W/m2

r :蒸発潜熱 J/kg T。:臨界温度 K

V+:管内部容積で無次元化された封入液体の量 Vh+:加熱部容積で無次元化された封入液体の:量 砿:加熱部の平均熱伝達係数 W/m2K          ユδ≡{σ/9(ρ1一ρ。)}至 m

λ1:液体の熱伝導率 W/mK μ1:液体の粘性係数 kg/ms μ・:蒸気の粘性係数 kg/ms

〃1二液体の動粘性係数 m2/s ρ1:液体の密度 kg/m3 ρ。:蒸気の密度 kg/m3 σ :表面張力 N/m2

2.二相密閉昏絶サイホン内の朗吟

 実際に二相密閉形熱サイホンを産業機器の伝写素子 へ応用する場合,熱サイホン外部での熱伝達も考慮す る必要があるが,熱サイホン内部の熱伝達および限界 熱流束に関して十分な正確さで予測することも重要で

ある。

 これまでの研究によれば熱サイホン内の熱伝達は主 として(1)作動液体の種類②作動液体の封入量,(3)町 鳶束,{4)熱サイホン内の作動圧力(または作動温度),

(5)加熱部長さ,インアクティブ部(加熱も冷却もしな い部分)長さと冷却部長さの比,(6)管内径,(7)管の長 さなどの多くの因子によって影響を受けることが知ら れている。しかしながら,これらの影響因子すべてに わたって幅広く系統的に調査した研究はまだ行なわれ ていない。

 さて,これまでの研究について各因子別に整理を行 なってみる。作動液体の種類に関しては水およびエタ ノール,フレオンなどの有機液体を使用した研究がほ とんどであり,その中で水は作動温度範囲が広く,物 性値がよく知られており,純度の高いものが入手し易 いため研究が盛んである。しかし,作動液体の物性値 によって熱伝達がどのような変化を受けるのかについ ては不明な点が多い。すなわち,熱伝達に影響する物 性値としてどれを採用するか,それがどのように影響 するかについては研究者の間で大いに異なっている。

これは,これまでの研究が現象を適確に観察して,そ の結果に基づく熱伝達のメカニズムからデータの整理 を行なうという方法ではなく,個々の研究がパラメ ータのみを変化させた無次元整理によるためであろ

う。

 封入量は,熱サイホン内の流動を支配する重要な因 子の一つである。安定かつ安全な高い熱伝達が行なわ れる最適な封入量は他の影響因子によって大きく変化 すると思われるが,原田ら12)および井村と楠田ら14)

は最適な封入:量として大体V+=0.10〜0.20として いる。Larkin 6)は凝縮部の熱伝達が最大になる封 入量を最適封入量としている。二相密閉形熱サイホン の封入量として加熱部および冷却部において,安定し た蒸発あるいは沸騰,凝縮および液体の循環が維持さ れ高い管熱伝達係数(熱通過係数)を与えるものが最 適であると考えられる。なお,これまでの研究では熱 伝達に対する封入:量のパラメータは主として全容積に

(3)

忌地徹・近藤博美 19 対する封入量の割合V+を用いてきたが,V+で熱伝

達を整理する根拠は明白でない。さい近では加熱部に おいて液体が占有する体積の割合Vh+(加熱しない 場合)を用いているようである。加熱部を越えて液体 を封入すると冷却部は確実に二相混合物でみたされ蒸 気空間での凝縮による大きい熱伝達係数という利点が なくなるため,Vh+>1はあまり採用されないよう

である。

 熱千束に関しては限界熱警束を越えない範囲におい て封入量が大きい場合,井村ら11)はαh。・qhO.4,他 の研究者10)20)は大体五ぬ㏄q・%と報告している。

(ただしSavchenkov lo)によれば二相混合モード でも条件によってはα・。・qhO●08となっている。)

 作動温度は,二相密閉形熱サイホンの外部の条件に 対して熱力学的に定まる内部の温度(飽和温度)であ る。Lee&Mita17)は作動温度による量大熱輸送 量の変化を図示しているが,この最大熱輸送量の定義 自体が明確ではない。作動温度は物性値に強く影響す るので整理式をみてもわかるとおり重要な因子であ る。井村ら11)の整理式は大気圧における開放形の 整理式を基礎にしているため圧力の補正項をつけてお り広い圧力範囲には適用しにくいと思われる。二相密 閉形熱サイホンの熱輸送能力は作動温度レベルによっ てことなり,特に加熱部壁面温度と冷却部壁面温度レ ベルは作動温度と密接に関係している。Larkin 6)

は加熱部の熱伝達において封入量をパラメータにと って作動温度の影響を考察している。これによると Larkinの実験範囲(120℃程度まで)では封入量に かかわらず熱伝達は改善されている。

 加熱部長さ,インアクティブ部長さおよび冷却部長 さの管長に対する割合,管内径,管の長さは熱伝達と 密接な関係があると考えられるが,これまでの研究で はこれらについて詳細な検討がなされていない。管径 については井村らは熱伝達にほとんど影響がないとし ている。またSavchenkov lo)は管の内径がある程 度小さくなると熱伝達が改善されることを報告してい る。しかし西川ら19)の圧力を変えた沸騰の実験にも 見られるように離脱気泡径が作動温度によってことな り,特に大気圧以下の低圧では非常に大きくなる。

この圧力領域の熱伝達に関する情報はまだ少ないので これからの問題であると思われる。

 2.1 熱サイホン内の流動

 Cohen&Bayley 1),Larkin 6)および井村ら11),

は熱サイホン内部で同時に生じていると推測される蒸 発,沸騰および凝縮がどのような気液二相状態を呈し ているかを確認するために,金属管の代わりにガラス

管を用いて加熱,冷却を透明な液体によって行ない,

内部の流動状態を観察した。このような可視化装置を 使用しているので壁面温度などの熱伝達に関係する量 は測定されておらず,現象と熱伝達の関連は不明であ る。彼らは観察の結果前述の因子の任意の組み合わ せの下で液膜が筋流(rivロlet)になること,気ほう によって液体が持ち上がり加熱部および冷却部の表面 のぬれの状態が変化すること,冷却部は膜状凝縮にな っていることおよびドライアウト時の現象などを報告 している。

 これに対して,最近Andros&Florshuetz 9)は 熱サイホンを模擬した内管加熱,外管がガラス管の両 端が閉じたこ二重管環状流路で加熱部が3〜30%液体で おおわれている場合(Vh+=3〜30%),熱流束のみ を変化させて熱伝達の測定と観察を同時に行なってい る。熱流束が増加するにつれて加熱部の液膜部分が

(1}連続した液膜(2)安定した筋流(3)不安定な筋流(4>筋肝 内での発泡,のように変化してゆくことを熱伝達係数 と関連づけて報告している。

 これまでに確認された流動状態は概念的に図1の

(a),㈲,(c},(d>のように加熱部に対して大きく四つに 分類することができる。(a}は封入量が非常に小さい 場合に見られ,加熱部および冷却部の熱伝達は液膜 の蒸発および凝縮で行なわれる。これは液膜モード

(1iquid fi11n mode)と呼ばれている。封入量が少 し多くなると㈲のように加熱部では液体のプールの 中の核沸騰と液膜蒸発が共存するようになる。この場 合,二相混合物はまだ加熱部の上端まで持ち上がって

・li

葛£50りΦ 一   「 f

り匹

.一

刀舞∋,而①c』=Φ

x

・liquid film

(a)

19 1

1         一

  加b以e−

P

(b) (c)

ず1㎎

(d)

Fig.1 Phenornena Occurring in the    Heated section

(a}Liquid Film Mode

(b)Combined Uquld FUm and Two Phase   Mixture Mode

(c)Two Phase Mixtllre Mode

(d)Slug Boiling Mode     ,

(4)

20 二相密閉形熱サイホン内の伝熱と限界熱流束について いない。さらに封入量を増すと〔c)のように二相混合物

が加熱部の上端まで達するようになり,加熱部の熱 伝達は核沸騰に支配される。これは二相混合モード

(two phase mixture mode)と呼ばれている。さ らに封入量が増すと,二相混合物は加熱部を越えて冷 却部まで達するようになり蒸気空間内での凝縮に伴う 高い熱伝達という長所が冷却部で失われ,このような 非常に大きい封入量で二相密閉過熱サイホンを作動さ せる利点はあまりないと考えられる。(d)に示したの は,スラグモード(slug boiling mode)と呼ばれ,

Larkin 6)が水の場合に低圧(作動温度50℃以下)

で観察している。低圧になる程大きい気ほうが間欠的 に離脱する現象はプール沸騰においてよく知られてい ることであり19),管径が離脱気ほう径に匹敵する二 相密閉形熱サイホンを使用する場合には,このような スラグモードが現われると考えられる。またこのモー ドは井村ら11)が観察しているように気ほうが合体し ても生じる可能性がある。

 以上の分類は定性的,現象的なものであり,これら のモードがどのような条件下で出現するのかについて は現段階では予測困難である。

 なお,液体中の気ほうの上昇速度,気ほうによる液 体の持ち上がりなどに関して若干の測定があるが,系 統的な研究はなされていない。これらの量に関しても 今後の詳細な研究が望まれる。

{a}Andreevの式

  Andeevの二相密閉形熱サイホンは長さ1〃3,

  ユ00×80㎜である。

二一75・ 嚼D躰%×

      ×(P、/P。)0・023(P・/瓦)一〇 25

ここでMは作動液体の分子量である。

{b)Savchenkovらの式

R6δ≦;Rθδ,oの場合

(1)

N。、一〇.25×、0一・・R、δ%・P一・…(。。/ρ1)・21×

 ×9網0・24・(♂/δ)1・2

Rgδ≧R6δ,oの場合

 Nuδ=3.430R6δo・03。(ρv/ρ1)つ・2!。(4/δ)o・81

ここで

R・δ一 ?E,瓦・一撫一・・P−p錨、δ

ω一 ウi告・卿+×1・・%・R・δ・・一

 =0.8752⊃・64 >〈 (4/δ)2 1

ただし適用範囲は次に示すとおりである。

 50≦;R2δ≦;5glO4, 10−7≦;P,≦;〇一6,

 6≦ゴ/δ。三60,3≦9≦;60

(C)井村と楠田らの式

(2)

(3)

2.2 熱サイホン内の熱伝達

 冷却部においては,層二相混合物が冷却部をぬらさな い限り,熱伝達はヌッセルトの層流膜状凝縮理論で予 測しても大きな差違は生じないが,二相混合物が冷却 部まで持ち上がってくるような場合には,ヌッセルト 理論は適用できず,現在のところSavchenkov lo)

の研究がある程度で,まだ未知の点が多い。

 加熱部においては封入量が非常に小さい場合には液 膜の蒸発を考えれば大体予測できるが,さらに封入量 が多くなってくると2.1で述べたように複雑な流動 状態となるため,流動状態の観察に基づいた整理式は

まだ提案されていない。

 封入量の大きい場合には,Andreev 20)が水とエ タノールとメタノールの三種類の液体について別個に 整理して個々の整理式から分子量と熱力学的な臨界定 数を用いた熱伝達の一般整理式を,井村と楠田らi4)

は開放形熱サイホンの整理式に基づいて密閉形の整理 式を提案している。またSavchenkovら10)は封 入量をパラメータに含んでいる整理式を提案してい

る。

 これらの諸式を次に列挙する。

菱・一・・32ρ106 .D型}1辮1.q謝×

×(PsPσ)o 3 (4>

 上記のAndreev, Savchenkov,井村と楠田らの 式およびプール沸騰の整理式としてRohsenow 21),

Kutateladze 21)および圧力の影響を考慮した西川 ら19)の式について水とエタノールの場合に比較した 結果を図2(a},(b}に示す。横軸には換算圧力をとって

いる。熱サイホンの寸法は管径d=20㎜,加熱部長さ 1h−O.5窺である。なお馬流束は2.3節に示してい る限界熱流束を越えないようにした。水の場合には qh=1ぴW/m2,エタノールの場合にはqh=O.75×IO4 W/rn2とした。物性値の代表温度は作動温度をとっ

た。

 図2(a〕においてこの圧力範囲では井村らの値がAn−

dreevおよびSavchenkovの値より大きい。 P・/P。

が10−2(約2.2bar)においてAndreevと井村らの 式は同程度の値を与える。Savchenkovの値は一般 に低い値をとっている。ただしSavchenkovの計 算例はR。δ≧R。δ,。である。フ.一ル沸騰に関する Rohsenow, K:utateladzeおよび西川らの式は一般

(5)

茂地回・近藤博美 21

1惹1♂

8

δ

0』bar       燈 1bar

①Andreev ④Kuセaセeladz e

Z瀦即応?瓢翫       l  l l

♂864203

1 ノ  ,

1L,璽・

,,一一一一

      , 

@   , 

@ 一C       一 

@   一  一 黶@ 一  一

 1

   ,

@,

  , 

C 

1σ4 2   4 681σ3 qeduced Pressure

       1(鐸 o亀/R: 吐

.,1{・

羅2

壽羽♂

垂l

14

(a)water,qh=104(W/m2)

      ジ

    α1bar 岬    。  pφ 1 bar ・

状態および姿勢などの影響によるものかを区別しにく い。今後表面状態および姿勢などの影響を考慮し,流 動状態と関連づけて研究する必要がある。

 この節で引用したプール沸騰の式を列挙しておく。

 (d)kutateユadzeの式

壽点,翫)一7。・×1・一・一×

×〔祭のゾ9(ρ1≒.)〕㏄×

  roρv●の

×〔  Ps×IO5]・9(ρ1一ρv)〕 0.7

(5)

 ここで,α1は温度伝導率m2/s, P,1はプラント ル数である。

 (e)Rohsenowの式

①Andreev     b 60。1。)

躍闘錨(3%)8繍蟹

       et. aし 1 b

3a

「7璽一一 

;ンノ

、1

、、、

    ,    , ll

,♂P

!!一一 1

6カ1・4T3σ彦

一一b・f〔。警㌃1×

       108 2  4 5810?

     Reduced Pressure F卵G

   (b)ethano/,qh=0.75×IO4(W/m2)

Fig.2 H:eat Transfer Coefflclents

 (d=20mm,11、=0。5m)Andreev[20], Im1ユra  et. al.[]一1], Savchenkov et. al.[10],

 Kutateladzeこ21],Rohsenow[21コ,

 Nishikawa et. al.[19〕

に二相密計土熱サイホンの整理式より小さい熱伝達を 与えている。

 図2(b>においてSavchenkovの式は封入量をパ ラメータとして含んでいるためPs/P。が1r2程度の ところで分離している。この図においても(a)図同様熱 サイホンの整理式の値が従来のプール沸騰の整理式よ

り一般に大きいことがわかる。水とエタノールでは熱 伝達係数にそれ程差は見られない。

 沸騰系の実験では,伝熱面表面条件が熱伝達に重大 な影響を与えるが,限定された空間での沸騰である二 相密閉形熱サイホンの熱伝達は計算した圧力範囲にお いて従来のプール沸騰の式より幾分大きい値を示して いる。これが二相密閉形熱サイホン内の沸騰とプール 沸騰においてメカニズムの差があるのか,前述の表面

×1/9(  σρ1一ρ。)〕o 33P一、s

(6)

 ここで,JT∫耐一qh/:鳳,銅一水の場合と考えC、f

=0013,s=1.0としている。

 (f}西川らの式

       ヨ       

三一C・(P31)o)。〔・+4(葺)〕伽%

 ここで水の場合はC=2.2,エタノールはC=1.7 とし,αhK6αZルがバC,9hKoα♂/解%である。

 2.3熱サイホンの限界熱流東

 二相密閉戦闘サイホンの三熱限界は限界熱流束によ って規定される。限界熱流束の起因と考えられるドラ イアウトが加熱部のどの位置でどのような伝熱機構で 発生し,前述の影響因子(液体の種類,封入量,作動 圧力および形状など)によって定量的にどのような変 化を示すのかについては,データが不足しており現状 では正確な予測は困難である。しかし,その中で封入 量に関しては,他の因子に比較して研究が進んでお り,観察を行なっている二,三の研究を整理すると次 のようになる。 (以下,封入量Vb+は加熱をしない 場合に加熱部が液体でおおわれている割合を示す。)

 (1)封入量が非常に小さい場合(Vh+≦3%)

  二相密閉形熱サイボンを模擬した密閉二重管環状  流路(内界加熱,難平ガラス管)におけるAndros  &Florschuetz g)の観察によれば,ドライア  ウトは装置の底で生じており,これはCohen&

 Bayley 1)が封入量が小さい場合に考えたメカニ  ズムで説明できる。Cohen&Bayleyは液膜の蒸  発,凝縮にヌッセルト理論を適用して限界熱流束を

(6)

22 二相密閉感熱サイホン内の伝熱と限界熱流束について 計算し実測値と比較している。図3(a}に示されるよ

うに定性的には一致しているが定量的には実測値の 方が0.4倍小さくなっている。これは液膜が途中で

N(

σ

H

Φ

Ho

・r→

・H

u

_ノ∠  ノ

Xノ 疇,

@,

C

2 510 8 6 4 2 8

,も

f

エげ

_,

@,

堰C

      2   4  6 810

       ・十   E▽a}菊rat・r C・verαユ▽h(そ)

{a)Cohen&Bayley[1]

(water, d=19.1:mm,ユ窩0.15m)

      Predicted value.(Nusselt       theory)

國__圏__,_  Observed value

峯1げA

毛1・3

σ

δ

 210

10

Freon 113 △ Ethano監  o

1

愈/△/

プLL

メ/8

0   4   8  12  16 Evap。鳳t。r C。wed V言(嚇

 (d)Andros&Florschuetz[9]

Fig.3 Critica1耳eat Flux v.s. F童11ihg     Quantity

破断したためであろうと考えている。

② 封入量が小さいか又は中程度の場合(5≦Vh+

  ≦15%)

  フレオンー113とエタノールに対してAndros&

Florschuetz 9)は限界門流束近くではすでに外流 内で沸騰が始まっており,ドライアウトは最初液体 のプールのすぐ上で発生し,その後,加熱面の中心 まで上昇して行くことを観察している。この封入量 範囲では限界熱導束は封入量と共に増加する傾向に あるが,その勾配は図3(b)に示すように封入量が非 常に小さい①の場合に比較して小さくなっている。

 またCohen&Bayleyもこの範囲では図3{a}

のように封入量が多くなると実測値がヌッセルト 理論より下方へずれることを報告している。なお  Andros&Floschuetzはエタノールの場合には,

封入量,形状,冷却の,ある条件の下では,州流が 途中で破壊して生じた液滴が活性な発泡点に接触し て加熱面から消滅しドライアウトが生じることがあ  ると述べ,これをpremature dry−outと名づ  けている。

(3)封入量がかなり大きい場合

  この領域は加熱部がほとんど二相混合物でみたさ れている場合である。Larkin 6)はドライアウトが 加熱部の上端で発生することを観察し,その原因と  して次の二つをあげている。

  (i)二相混合物が加熱部上端まで達しないため   (ii)加熱部上端において二相混合物が高い蒸気      速度と高いクオリティを有するため   後者は気早二相流におけるクラッディングに近い   現象が加熱部の上端で発生する可能性を示してい   る。

 以上の整理,分類は封入量のみに着目して行なった ものであって,液体の種類,圧力および形状に関して は研究者の間で一致しておらず,本報告の整理は現象 の一側面をとらえているにすぎない。今後,さらに系 統的かつ詳細に研究する必要があると思われる。

 次にこれまでに提案されている限界熱流束の整理式 について検討してみよう。封入量が非常に小さい場合 に関しては,すでに井村がヌッセルト理論を適用した Cohen&Bayley 1)を始めとして他の研究をとりま とめて調査しているのでここでは省略するが,前述し たように実測値は液膜の破断のたあ理論値より低くな る傾向がある。封入量が小〜中程度においては筆者ら が調査した範囲では整理式と思われるものが提案され ていないので,ここでは封入量がなり大きい場合に ついてのみ考察することにする。この場合には{3)の

(ii)の理由からクラッディングによって整理できる

(7)

茂地回・近藤博美 23 と推測される。Sakhuja 13), Tien&Chung 15),

および:Nejat 16)はクラッディングの整理式として WaUisの式および修正式をもとにしてデータを整理 している。(以下に示す限界熱斜生の式は形式を揃え るため原論文の式を円管に適用して若干の変形をした

ものである。)SakhujaおよびTien&Chungの 式はNejatと同性格のものでありほぼ同じ値を与え

るので,ここではNejatの式のみを示す。

 (a}Nejatの式

日。 ・.8(     一%1−1.5βo)・(÷ジ支

      ×〔9。(ρ1一,。),。・〕瓢 (8)

 ここでB。≡4(9(ρ1一ρ。)/σ)1/2である。

 井村と楠田14)は彼ら自身のフ.ラッディングの整理 式から限界熱流束の整理式を導き,開放形熱サイホン のデータおよびCohen&Bayleブ1), Lee&Mita1 7)のデータを整理して,封入量がかなり大きい場合 には二相密閉形熱サイホンにも適用可能な式を提案し ている。

 (b}井村の血

煙一・.・298・(4%♂h)(ρ13読1弩雑器.野(9)

 また,Bezrodnyy 18)はクラッディング現象を考 慮した無次元整理より次式を提案している。

 (c}Bezrodnyyの式

α1bar 1bar 10bar

乳・1・一 ヒ(÷)〔即(ρ一恥)禽・〕%×

       σ      π         ×〔・…P・g(ρ1一・・)〕征①       σ

・齢ゾ9(。≒)

 一     一}一≦4×104:C=10.2,π=一〇.17        σ

・び嘘(,≒)

       ≧4×104:C==1.7, π==0        σ

 以上の整理式について,横軸に換算圧力をとって水 とエタノールに対し比較したのが図4〔a),㈲である。

管径はd=20㎜,加熱部長さはlh=0.5解とし,

物性値は作動圧力に相当する飽和温度でとっている。

換算圧力の値は応用を考えて大気圧を中心にとった。

なお,同図にはプール沸騰のバーンアウトに対する流 体力学的野安定性理論から導かれたZuber21)の式,

 (d)Zuberの式(係数を修正)

  9。,、、一〇.16・。〔9・(ρ1一,。),。・)砥  α1)

と最近,甲藤22)「が制限流路内の自然流動沸騰の限界 熱流束に対して,方向性次元解析を適用して導いた二

雲1♂

葱1曽 工 6 蓉・4

0 2

_LLl

      I

@ N・iat ④Katt。

カ  璽mura ⑤Zuber  Bezr。dnyy

3

1(「 2 4681σ      1σ2     Reduced  Pressure  Ps/Fヒ        (a}water

』≦

31噌

差1

茎・

通1♂

ii…

  1σ4u

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o.1bar        l bar

5

1      4目

    3

P≠十』唱_

i

Fig.4

2 4681σ3    Reduced     (b)ethanol

Crtlcal H:eat Fltlx 1σ2

Pressure  Ps/Pc

(d−20mm.1・一〇.5m)Nejat[16],

Imura[U], Bezrodnyy et.a1.[18],

Katto[22],Zuber[21]

相開放形熱サイホンに対する式

(e>甲藤の式

9eriも=0.10 1 ×

・,+・・49(Zh4)〔、(ρ1≒)4・〕o.玉5

    ×。〔9。(ρ一。。),。・〕%

を参考のために示している。図4(a》,(b}をみるとフラ ッディングに基づくNejat,井村の式は式のうえで は物性の影響がことなっているにもかかわらず定性的 および定量的にも大体良く一致しているζとがわか る。(特に井村の式では粘性の効果を含んでいる。)

Bezrodnyyの式は低圧においてNejatおよび井村 の式と傾向を異にし,彼らよりかなり高い値を与え る。プール沸騰のZuberの式はNejatおよび井村

(8)

24 二相密閉形熱サイホン内の三熱と限界熱流出について の式と同傾向を有するが,.限界熱流束の値は約1桁程

高い。これはZuberの式と他のクラッディングの式 を比較してみることによって理解される。すなわち Zuberの式には形状の影響(d/】・)が含まれていな いために高い限界熱流町の値を与えると思われる。甲 藤の式はNejatと井村の式の中問に位置している。

水とエタノールでは水のほうが限界熱流束が高い。以 上のことから,二相密閉形熱サイホンの限界三流束は 封入量がかなり大きい場合には,開放形の場合と同 様,クラッディングに起因して加熱部の上端に生じ,

形状すなわち管径と加熱部長さの影響を強く受けると 考えることができよう。

 3.む す び

 二相密閉二丁サイホンに関して主として最近発表さ れた文献を調査し,熱サイホン内の流動,伝熱および 限界熱流山についてこれまでに得られた知見を整理 し,今後の研究の問題点を明らかにした。本報では熱 サイホン内部の現象に限定して報告したが,実際に産 業機器に応用する場合の設計法などに関しては,今 後,機会があれば述べたい。

 なお,.熊本大学井村英昭助教授から文献および情報 を提供していただいた。ここに記して謝意を表しま

す。

 最:後に,本報で触れなかった研究および応用,液体 金属姿勢の影響および不凝縮ガスがある場合などに 関する文献を参考のため付録に挙げておく。

 参考 文献

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参照

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③ドライウェル圧力 原子炉圧力容器内あるいは原子炉格 納容器内にある熱源の冷却が不足し

A.原子炉圧力容器底 部温度又は格納容器内 温度が運転上の制限を 満足していないと判断 した場合.

RPV 代替温度計は N-10 ノズル内、 RPV 外側壁面より 5cm 程度内 側に設置→既設 RPV 底部温度計と同様に、 RPV

原⼦炉圧⼒容器底部温度 毎時 毎時 温度上昇が15℃未満 ※1 原⼦炉格納容器内温度 毎時 6時間 温度上昇が15℃未満 ※1.

原⼦炉圧⼒容器底部温度 毎時 毎時 温度上昇が15℃未満 ※1 原⼦炉格納容器内温度 毎時 6時間 温度上昇が15℃未満

格納容器内温度 毎時 6時間 65℃以下. 原⼦炉への注⽔量 毎時

原⼦炉圧⼒容器底部温度 毎時 毎時 温度上昇が15℃未満 ※1 原⼦炉格納容器内温度 毎時 6時間 温度上昇が15℃未満 ※1.