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酸化的炭化による高水分家畜排せつ物由来のバイオ炭生成 -

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Academic year: 2021

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北海道大学 大学院農学院 修士論文発表会,201927

酸化的炭化による高水分家畜排せつ物由来のバイオ炭生成

-数理モデルを用いた適切な加熱時間の設定-

環境資源学専攻 生物生産工学講座 循環農業システム工学 伊藤 清音

1.はじめに

家畜排せつ物から再生可能エネルギーを生産すべく,固形燃料としてバイオ炭に加工す る方式を検討した。バイオ炭の生産のためには,乾燥と炭化の2つの段階を経ることが一 般的である。しかし家畜排せつ物は高水分なので,乾燥に多くのエネルギーを消費する必 要がある。そこで高水分の状態から 250-350°C で加熱し乾燥と炭化を同一工程で行うこと が望ましい。さらに低コスト化も視野に入れてこの工程を空気雰囲気下で行うことを目指 した。この方式では,プロセスの運転条件を適切に決定することが重要となる。例えば,

プロセス時間が不十分だと生成物に水分が多く残存し,長すぎるとバイオ炭が燃え尽きて しまい,回収困難となる。そこで本研究では上述のプロセスの運転条件決定に資すること を目的とし,プロセス中の試料の乾燥と炭化を予測する数理モデルの作成を進めた。

2.方法

含水率80 %w.b.以上の乳牛ふんを,空気雰囲気のもと試料が完全に燃焼しきるまで加熱

を続けた。加熱温度は 250-350°Cの範囲で設定し,加熱中の質量変化および温度変化を計 測した。また試料の理化学性の変化を調べるため,同様の条件で試料を加熱し,炭化の開 始が推定される時間から完全に燃焼するまでに適宜,加熱を中断して試料を回収した。回 収した固形物(以下,炭化物)の含水率,灰分率,乾物の元素比率(CHNO)を測定した。

加熱実験で得た連続的な質量変化のデータをもとに数理モデルを作成した。数理モデル には水分を対象としたもの,乾物を対象としたものの2つを用意し,いずれも加熱温度と 加熱時間の関数とした。最後に作成したモデルを検証するために,モデルの予測値と実測 値についても比較した。比較に用いた実測値は,質量の経時データと炭化物の水分質量お よび乾物質量とした。

3.結果と考察

質量の経時曲線,および炭化物中の水分と乾物の質量に関して,モデルによる予測値と 実測値はおおむね一致した。炭化開始に起因する質量経時曲線の変曲点,および炭化物の 水分と乾物の質量についても良好に再現したため,モデルは実用可能と考えられる。

炭化物の元素比率C,H,Oについては,加熱温度の高低には影響されなかったが,Ash

free solidの分解量には影響された。すなわち乾物質量から間接的に燃料として利用可能な

C元素比率を推定可能と考えられる。よって乾物とC元素比率の関連性を数式化すること で,乾物を予測するモデルから適切な加熱時間の推測が可能といえる。

4.まとめ

高水分の乳牛ふん加熱実験で得た質量経時曲線の特徴,および炭化物の水分と乾物の質 量に対して,作成した数理モデルは概ね一致した。したがって高水分の乳牛ふんに対する 酸化的半炭化を数理的に予測記述が可能と考えられる。またCの元素比率と Ash free solid の分解量にも関係性が確認できたため,これらを応用して目的となる方式を実現させるた めの適切なプロセス運転条件の推定が可能と考えられる。

参照

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