中国 の西部 大開 発戦略 の構 想 とそ の始動(武)63
中 国 の西 部 大 開 発 戦 略 の=構想 とそ の始 動
武 膨 東
1は じめ に
II西 部 大 開発戦 略 の提起 III西 部 大 開発戦 略 の構想 IV西 部 大 開発戦 略 の始動 Vお わ りに
1は じめ に
江 沢 民 総 書 記 は 、1999年6月9日 の 「中 央 扶 貧 開 発 工 作 会 議 」 で 、 中 西 部 地 域 の 発 展 を 速 め る条 件 が す で に備 わ っ て お り、 チ ャ ンス も熟 して い る と 述 べ 、 西 部 開 発 チ ャ ンス 論 を 提 起 した 。 しか し国 内 外 に正 式 に発 表 され た の は 、6月17日 に西 安 で 開 か れ た 「西 北5省 区 国 有 企 業 改 革 及 び 発 展 座 談 会 」 の 席 上 の 談 話 で あ る。 こ の 談 話 は 西 部 大 開 発 戦 略 を実 施 す る原 点 と な っ て い
る。
そ の 後 、2000年 の 経 済 運 営 を 決 定 す る11月 の 「中 央 経 済 工 作 会 議 」 は 、
「西 部 大 開 発 戦 略 の 実 施 に着 手 す る こ と」 を8っ の重 要 項 目の 一 つ に定 め 、 2000年1月 の 「西 部 地 域 開 発 会 議 」 は 、 西 部 地 域 の 発 展 を 速 め る 基 本 的 な 考 え 方 と戦 略 な らび に5つ の 重 点 項 目を は じめ て 正 式 に打 ち 出 した 。 そ れ か ら1年 を 経 た2001年1月 現 在 、 イ ン フ ラ建 設 や 生 態 環 境 の 保 護 ・建 設 の 位 置 付 け こそ 変 わ って い な い が 、 そ の 他 の重 点 項 目に は入 れ 替 わ りが み られ る 。
党 と政 府 は 、 一 連 の 政 策 を 打 ち 出 しな が ら多 くの シ ン ク タ ン クや 各 民 主 党 派 の 意 見 を収 集 して き た 。 しか し西 部 大 開 発 戦 略 を 提 起 した 段 階 に お い て 開 発 範 囲 で さ え 明確 に規 定 して こ なか った た め 、 多 くの論 議 を 引 起 した 。2000 年12月28日 に報 道 され た 国 務 院 通 達 の なか で 明 記 され た 開 発 範 囲 は 、 お そ
ら く 「経 済 特 区 プ ラ ス2(浦 東 新 区 と蘇 州 工 業 園 区)」 と い う改 革 開 放 モ デ ル の 援 用 で 、 「第7次5ヵ 年 計 画(1986‑1990年)の 西 部 地 帯 プ ラ ス2」
と な り、 中 部 地 帯 の 内 蒙 古 と沿 海 地 帯 の広 西 が 加 え られ た もの と思 わ れ る。
WTOへ の加 盟 も ほ ぼ 確 実 に な って き た 現 段 階 で は 、 西 部 開 発 戦 略 の 必 要 性 や 緊 急 性 に対 す る意 識 が 高 ま っ て お り、重 慶 の 「中 国 西 部 開 発 国 際 シ ンポ ジ ウ ム 」、 北 京 の 「西部 大 開 発 サ ミ ッ ト」 の 開催 は そ の 現 れ の一 っ で あ ろ う。
と くに10月 に 成 都 で 開 か れ た 「中 国 西 部 フ ォー ラ ム 」 は 前 年 上 海 で 開 か れ た 「フ ォー チ ュ ン」 フ ォー ラ ム の規 模 を上 回 った 。
しか し西部 地 域 を い か に して 開 発 す るか につ い て は な お 異 な る観 点 が 多 く 存 在 して い る。 な か に は た とえ ば 「新 思 考 」 の必 要 性 を認 識 しなが ら も 、全
国 党 校 の 「東 西 部 地 域 の連 動 発 展 」、 高 尚 全 の 「民営 経 済 発 展 の促 進 」、 謝 進
くの
城 の 「政 府 主導 の市場 化投 融 資」等 の ように相 異す る主張 が存 在 してい る。
また 西部 開 発 に対 す る 「冷 思 考」 討論会 も新 華社 『半 月 談』、社会 科 学 院 の
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『要 報』 と 『経済 管理 』誌 の共 催 で開か れ た。
政 府 も政 策措 置 の 内部細 則 まで まだ制 定 してお らず 、具 体 的 な戦 略構 想 の 公布 も今 後 に委 ね て いる。 報道 され た党 中央 ・国務 院 の会議 や 指導 者 の言動
をみ て も政府 の西部 開発 の重点 項 目が しば しば微調 整 され て い る。
そ こで本稿 で は まず 西部 大 開発戦略 の提 起 とそ の根拠 にっ いて概観 す る。
次 に指導 者 の 言動 や政府 の動 き とそ の主 な内容 を簡 潔 に整理 し、開発 戦略 構 想 の軌跡 を明 らか にす る。 最後 に実施 に移 され た主 な プ ロジ ェク トや政 策措 置等 を取 り上 げて その始動 の状 況 を探 ってみ た い と思 う。
中 国の西部 大開 発戦略 の構想 とそ の始 動(武)65
II西 部大 開発戦 略 の提起
阿片戦 争以来 、西部 開発戦 略 は聾 自珍 、林則 徐 をは じめ、梁啓 超 、孫文 に 至 るまでほ とん どが 国防 の観 点 か ら取 り上 げ られ てきた。 と くに孫 文 は 『建 国方 略』 の なか で 、西北地 域 の羊 毛工業 、 西北地域 の採 掘業 、西北地 域 の交 通運 輸業 、 西南地 域 の鉄 道建設 を大 い に発展 させ 、人 口の多 い沿海地 域 か ら 蒙 古、新 彊 、青海 、チベ ッ トへ の移 民 を はか り、開拓 させ るべ きだ と主張 し
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て い た 。
1.第1次5力 年 計 画 と 「3線 建 設 」
新 中 国建 国後 、 西 北 お よ び 西 南 の 地 域 を中 心 とす る西部 建 設 が2回 にわ た っ て 行 な わ れ た 。 第1次5ヵ 年 計 画(1953‑1957年)期 間 に 、 旧 ソ 連 の 援 助 を 受 け た156件 の 重 点 プ ロ ジ ェ ク トの う ち 、150件 が 実 行 され て そ の 約8割 は 内地 に配 置 さ れ た 。 陳 西 省 だ け で も24件 の プ ロ ジ ェ ク トが 施 工 さ れ た 。 ま た1000万 元 規 模 以 上 の694件 の 工 業 プ ロ ジ ェ ク トの な か で 、 内 地 に配 置 さ れ た の は 全 体 の68%を 占 め 、 そ の 件 数 は472に 達 した 。 基 本 建 設 投 資 総
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額 の 中 で 、 沿 海 と 内 地 は そ れ ぞ れ36.9%と46.8%を 占め て い た 。
1956年 に 発 表 さ れ た 毛 澤 東 の 『十 大 関 係 論 』 は 、 地 域 経 済 発 展 を 沿 海 と 内 地 と い う2大 地 帯 に 分 け た が 、1964年 か ら米 ソ と の 戦 争 に 備 え る た め 西 南 地 域 を 中 心 とす る 「3線 建 設 」 が 実 施 さ れ た 。1971年 の 統 計 に よれ ば380 件 の プ ロ ジ ェ ク ト、14.5万 の 職 員 ・労 働 者 と3.8万 台 の 設 備 が 内 地 へ 移 転
した 。 政 府 は 、約15年 間 に及 ぶ 「3線 建 設 」 に2050億 元 を 投 入 し、 後 の 工 業 発 展 に大 き な影 響 を 与 え た 。 三 大 地 域 別 の 各5ヵ 年 経 済 計 画 期 間 に お け る 基 本 建 設 投 資 の 比 重 の 推 移 は 図1の 通 りで あ る。
(UハUOUFD 0000400991 0
%
図1三 大地域 にお ける基本建設投資の比重の推移一 一
一
一一
メ避〆 メメメメメメ 〆♂ヂ
1+西 部地域 一D中 部 地域 一+東 部地域 →← 地域を分けないi
出所:陳 耀 『西 部 開発 大 戦 略与 新 思 路』P.10.高振 剛等 『西 部 大 開 発 之 路 』p.61.より作成
図1に よ れ ば 、 、基 本 建 設 投 資 の 比 重 は 、 西 部 地 域 が 第3次5ヵ 年 計 画 期 に 他 地 域 を 上 回 り、 そ れ 以 降 下 が って お り、1997年 か ら僅 か に 上 昇 して い る。
中 部 地 域 は 第2次5ヵ 年 計 画 期(1958‑1962年)以 来 下 降 して き た 。 と く に 第7次5,ヵ 年 計 画 期(1986‑1990年)か ら、 政 府 の 傾 斜 発 展 戦 略 に よ り 東 部 地 域 へ の 基 本 建 設 投 資 の 比 重 が 、 初 め て 中 西 部 の合 計 を 上 回 った 。 第8 次5ヵ 年 計 画(1991‑1995年)期 間 、東 部 地 域 は 中 西 部 の38.2%を か な り 上 回 り史 上 最 高 の54.2%に 達 した 。
2.江 沢 民 の 西 部 開 発 チ ャン ス 論
江 沢 民 総 書 記 は 、1999年6月9日 の 「中 央 扶 貧 開 発 工 作 会 議 」 で 西 部 開 発 チ ャ ンス 論 を 打 ち 出 し、 共 産 党 と政 府 は この こ と を重 大 な戦 略 任 務 と して 重 視 しな け れ ば な ら な い と 呼 び か け て い る。6月17日 に 西 安 で 開 か れ た
中国 の西部大 開 発戦略 の構想 とそ の始 動(武)67
「西 北 部5省 ・自治 区 の 国有 企 業 改 革 ・発 展 座 談 会 」 に お い て も、 機 を逃 さ ず 中 西 部 地 区 の 発 展 を ス ピー ドア ップ し、 特 に西 部 地 区 の大 開 発 促 進 を急 い で 検 討 しな け れ ば な らな い と の 談 話 を発 表 した 。 こ の6.17談 話 は 現 在 の 西 部 開 発 戦 略 実 施 の 原 点 と な って い る 。 江 沢 民 総 書 記 は 、6.17談 話 で 主 と し
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て次 の よ うに指 摘 して いる。
① 西部 開発 は全 国の 改 革 と建 設 の推 進 、党 と国家 の長 期 的安 定 の維 持 に と って、一つ の全 局 的発 展戦 略 で あ り、重 大 な経 済 的意義 ば か りで な く、重 大 な政 治的 、社 会 的意 義 を兼 ね備 え てい る。 したが って今 よ りこれ を党 と国 の一 つ の重大 な戦 略 的任 務 と して、 よ り高 い位 置 に置か なけれ ば な らない。
② 各 地域 間 の格 差 を逐 次縮 小 させ 、全 国 の経 済社 会 の協 調 的 な発展 を実 現 し、最終的 にす べ ての 国民の共 同富裕 を実 現す る。郵小平 の 「二つ の大局」
は正 確 な戦略構 想 で あ る。
③ 西 部地 域 は広 大 で 天然 資 源 に恵 まれ 、 巨大 な発 展 の潜 在 力 を有 し、 巨 大 な潜在 的市 場 で もあ る。西部 地 区発展 のス ピー ドア ップは、各種 資源 の合 理 的配 置 と流動 を促 し、国民経 済発 展 のた め の広 い空 間 と巨大 な推 進 力 を提 供す る。
④ 西 部 地域 の 開発 を速 め るた め に新 しい思考 を持 た なけ れ ば な らな い。
次 の5ヵ 年 計画 を制 定す る時 に西部 地 域 の開発 を加 速化 す るこ とを一 つ の重 要 方針 に しなけれ ば な らない。
また 、西部 開発戦 略 の全般 的 な原則 にっ いて次 の よ うに述 べ て い る。
第1に 、西部 の経 済社会発展 を政 治社会 安定 と民族 団結 の強化 に結合 させ 、 西部 発展 を全 国の第3段 階発展 戦 略 の 目標 に結 合 させ る。 国家財 力 が安定 し
て増 加す る前提 の下 で 、政府 は財 政交 付 を通 じて西部地 域 を支持 す る度合 い を逐 次増 大す る。
第2に 、西部地 域 の積極 性 を十 分 に促 す 前提 の下 で 、政策 を通 じて 国内外 の資金 、技 術 、人材 な どを誘 致 し、段 階 的 に西部地 域 の人 口、 資源 、環境 と
経 済社 会 の協調 的 な発展 を推進 す る。
第3に 、西部 地域 の 開発 を速 め る ことは全面 的で なけれ ば な らない。 と く に水 資源 の開発 と有 効 な利 用 を重視 しなけれ ぼ な らない。 生態 環境 の建 設 、 科学 教 育 の普及 、実用 技術 の推 進 、特 色 のあ る観 光 の発展 、交 通通 信施 設 の 建設 等 はす べ て統 一 的 に計画 し考慮 しなけれ ば な らない。
談話 公表 後 、政 府 の各部 門 を は じめ 、全 国各地 で 企業 、軍 隊、学 校 まで 西 部大 開発 戦略 の検 討 や支持 が相 次 いで表 明され た。実施 す る根 拠 であ る郵 小 平 の中 国経 済 発展段 階論 と江沢 民 の談話 内容 に関す る学 習 もみ られ た。
3.西 部 開 発 戦 略 を 実 施 す る根 拠
江 沢 民 の 西 部 開発 チ ャ ンス 論 の 根 拠 は 、 郵 小 平 の 「二 つ の 大 局 」 と 「3歩 走 」 戦 略 で あ る 。 「二 つ の 大 局 」 は 、 改 革 ・開 放 政 策 が 本 格 的 に展 開 され た 80年 代 に郵 小 平 に よ って 打 ち 出 され た 経 済 発 展 戦 略 で あ る。
「二 つ の 大 局 」 とは 、 限 られ て い る物 的 と 人 的 な 資 源 の下 で 、 まず 東 部 沿 海 地 域 を 発 展 さ せ 、 中 西 部 地 域 は こ の 「一 っ の 大 局 」 に 配 慮 す る 。20世 紀 末 、 全 国が 「小 康 」 状 態 に 到 達 した ら中 西 部 地 域 の発 展 に力 を入 れ 、東 部 沿 海 地 域 は 、 こ の も う 「一 つ の大 局 」 に配 慮 しな け れ ば な らな い の で あ る。
「二 つ の大 局 」 発 展 戦 略 は 、80年 代 以 来 、 政 府 の 沿 海 地 域 へ の 傾 斜 政 策 の 中心 思 想 で あ り、 「3歩 走 」 戦 略 と と も に 中 国 の 経 済 発 展 戦 略 の、基 本 理 念 と な って い る。 「二 つ の 大 局 」 に っ い て の 郵 小 平 の集 中 的 に論 述 は 、1988年9 月12日 の 価 格 と賃 金 改 革 方 案 を 聴 取 した 時 の 談 話 と1992年 初 の 南 方 談 話 の な か にみ られ る。
「3歩 走 」 戦 略 は 、80年 代 初 期 、 郡 小 平 に よ っ て提 起 され た 。 「3歩 走 」 戦 略 と は 中 国 の 経 済 発 展 を3段 階 に 分 け て 推 進 す る発 展 段 階 論 で あ る。
「3歩 走 」 戦 略 の 第1段 階 は 、1990年 の 国 民 総 生 産 が1980年 よ り倍 増 し、
国 民 生 活 が 「温 飽 」 状 態 に達 した 状 態 を 指 す 。 第2段 階 は20世 紀 末 の 国 民
中国 の西部大 開発 戦略 の構想 とその始 動(武)69
総 生 産 が1980年 の2倍 増 と な り 、 国 民 生 活 が 「小 康 」 水 準 に 達 す る こ と を い う 。 す なわ ち一 人 当 た りのGNPが800米 ドル に到 達 す る こ とで あ る。 第
3段 階 の 目標 は21世 紀 初 期 か ら中 期 に か け て 国 民 生 活 と一 人 当 た りGNP
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が 先 進 国 の 中 等 レベ ル に達 す る こ と で あ る。
こ の3段 階 戦 略 に した が え ば 、2001年 か ら中 国 は 「3歩 走 」 戦 略 の 第3 段 階 に 入 り、 沿 海 地 域 は 「二 つ の 大 局 」 の 「も う一 つ の大 局 」 に配 慮 しなけ れ ば な ら な い年 に な る。
III西 部 大 開発 戦 略 の構想
1.「 西 部 大 開 発 」 の 範 囲
1986年3月 に 第6期 全 人 代 第4回 会 議 に よ って 採 択 され た 第7次5ヵ 年 計 画(1986‑1990年)の な か で 、 初 め て 中 国 を 図2の よ う に 東 部 、 中 部 と 西部 の 三 大 地 帯 に 区 分 した 。 区 分 基 準 は地 理 上 の 諸 条 件 と経 済 発 展 レベ ル で あ った 。
しか し第8次5ヶ 年 計 画(1991‑1995年)で は 、 沿 海 地 域 、 内陸 地 域 、 辺 境 小 数 民 族 地 域 、 貧 困地 域 に 分 け られ た 。 そ の 後 の 第9次5ヵ 年 計 画 は 東 部 、 中部 と西 部 の 概 念 を援 用 しっ っ 東 部 と中 西 部 に 分 け 、 西部 地 域 の範 囲 に っ い て と くに 明 確 に 示 され なか った 。
第7次5ヵ 年 計 画 に よ る と 、 西 部 地 域 は 、9っ の 省 、 自治 区 か ら構 成 され て い る が 、1997年 に重 慶 市 が 直 轄 市 に 昇 格 した た め 、 現 在 、10の 省 、 自治 区 、 直 轄 市 に な って い る。 しか し経 済 発 展 レベ ル と地 理 条 件 と い う基 準 か ら み れ ば 、 内蒙 古 、 広 西 、湖 南 、 湖 北 、 山 西 の 全 部 ま た は 一 部 も西 部 地 域 に含
まれ る と も考 え られ る。
西 部 大 開 発 の 範 囲 の 曖 昧 さ は 多 くの 議 論 を 引 起 した が 、2000年 現 在 、 経 済 特 区 問 題 を処 理 した 際 に 、 採 用 した 「5プ ラ ス2」(五 つ の 経 済 特 区 プ ラ
中国の三大経済地域
酋部地域
四 川
中部地域
河南 湖北
画
●東 部 経 済 地 域
●中部 経 済 地 域
●西部 経 済 地 域
遼 寧,河 北,北 京,天 津,山 東,江 蘇,上 海,漸 江,福 建,広 東,海 南,広 西 の 十 二 省 ・市 ・自 治 区
黒 龍 江,吉 林,山 西,安 徽,江 西,河 南,湖 北,湖 南,内 蒙 古 の 九 省 ・自 治 区 。 新 彊,チ ベ ッ ト,四 川,甘 粛,雲 南,青 海,寧 夏,陳 西,貴 州 の 九 省 ・自 治 区 。
ス 浦 東 新 区 と蘇i州工 業 園 区)モ デ ル が 参 考 に さ れ 、 西 部 の10省 、 自治 区 、
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直 轄 市 プ ラ ス 内 蒙 古 、 広 西 と い う 主 張 が 採 用 さ れ た 。
2000年1月 現 在 、 政 府 が 構 想 す る 「西 部 大 開 発 」 の範 囲 は 、 図2で 示 さ れ て い る よ う に 第7次5ヵ 年 計 画 の 西 部 地 帯 、 す な わ ち 陳 西 、 雲 南 、貴 州 、 四川 、 重 慶 、 チ ベ ッ ト、青 海 、 甘 粛 、 寧 夏 、 新 彊 の 省 、市 、 自治 区 と中 部 地 帯 の 内蒙 古 、 沿 海 地 帯 の広 西 に 及 ん で い る 。
しか し、 「中 西 部 地 域 の 発 展 を 速 め るた め の 西 部 大 開 発 戦 略 」 の実 施 に は 、 内蒙 古 、 広 西 と ほ ぼ 同様 な経 済 レベ ル の そ の 他 の 中 部 地 域 は 含 まれ て い な い。
そ の た め 地 域 に また が る プ ロ ジ ェ ク トの ほ か 、 中 部 地 域 に は 別 な傾 斜 政 策 を
中 国の西 部大 開発戦 略 の構想 とそ の始 動(武)71
講 じる必 要 が あ る と 思 わ れ る。
「西 部 大 開 発 」 の 土 地 面 積 は 全 国 の56%、 人 ロ は 全 国 の23%を 占 め て お り、 この なか で は 、 四 川 、重 慶 、R西 は経 済 が 相 対 的 に発 達 してお り、チ ベ ッ
ト、寧 夏 、 新 彊 、 内蒙 古 、 広 西 は 少 数 民 族 自治 区 と な って お り、雲 南 、貴 州 、 青 海 、 甘 粛 は 鉱 物 資 源 が 比 較 的 に 豊 富 で あ る。
2.西 部 大開 発戦 略 の構 想
2001年1月 現 在 、政 府 の 西部 大 開 発 戦 略 の原 則 や 政 策措 置等 が 報 道 され た が、戦 略構 想 の全 容 は まだ あ き らか にな ってい ない。 こ こで党 中央 ・国務 院 の重要 会議 や指 導者 達 の言動 を取 り上げ 、そ の 内容 を簡 潔 に整理 しなが ら 戦略 構想 の軌 跡 を ま とめ 、構想 内容 を探 ってみ た い。
① 朱鋳 基総 理 の生態 重視 論
江沢 民 の西部 開発 チ ャンス 論 の発 表 後 、朱鋸 基 総 理 は、1999年8月5日 か ら9日 まで陳 西省 に赴 き、生 態環 境 の改善 や黄 河 の雨季 洪水 の再発 防止 に っ い て指摘 し、12日 か ら16日 まで雲 南省 を視 察 し、天然 林保 護 プ ロ ジ ェク トの実 施 を強調 した 。9月6日 か ら12日 まで の四 川省 で の視 察 も、天 然 林 保 護 プロジ ェク トの実施 と生態 環境 建 設 の強化 を強 調 した。
この段 階 で は江沢 民総 書記 の西 部開 発 チ ャンス論 と朱鋸 基 総理 の生 態環 境 重 視 論 が 中心 と な ってお り、 よ り具 体 的 な構 想 は報 道 され て い な い。9月 22日 に党 の第15期4中 総 会 に よ って採 択 され た 「国有企 業 改革 と発展 に関 す る若 干 の重大 問題 の決 定」 で も政府 が西 部大 開発 戦略 を実 施す るとい う こ
とに止 ま って い る。
しか し1999年10月3日 に 「中央 民族 工作 会議」 の閉幕式 で朱鋸 基総理 は、
① 民族 地域 の基 礎施 設 の建 設 、② 特 色 のあ る民族 地域 経 済 を発展 させ る 、
③ 天 然 林保 護 プ ロ ジ ェク トと生 態 環 境建 設 を重 視す る、④ 貧 困者 の扶 助 を さ らに推進 す る、⑤ 「科学 ・教 育 によ って 国を興 す」戦略 を着 実 に実 施す る、
と よ り具 体 的 に指 摘 した 。 そ して10月21日 か ら30日 ま で 甘 粛 、 青 海 、 寧 夏 を 視 察 した 際 に 、 当 面 と今 後 の 一 定 期 間 に お い て ① イ ン フ ラ建 設 を さ ら に速 め る 、 ② 生 態 環 境 保 護 と 建 設 を 着 実 に 強 化 す る 、 ③ 産 業 構 造 を 積 極 的
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に調 整 す る 、 ④ 科 学 技 術 と教 育 を大 い に 発 展 させ る 、 と強 調 した 。2000年 の 経 済 運 営 を決 定 す る 「中央 経 済 工 作 会 議 」 も この4項 目を 取 り入 れ た 。 こ の 段 階 で は 、 西 部 大 開 発 戦 略 の 主 な 重 点 は 、 交 通 を 中心 とす る イ ン フ ラ建 設 を 速 め 、 生 態 環 境 建 設 を 強 化 す る こ と と な った 。
(2)政 府 の5項 目重 視 論
政 府 は 、 西 部 開 発 戦 略 を遂 行 す るた め に 、2000年1月19日 か ら22日 まで 、
「国務 院 西 部 地 域 開 発 指 導 グル ー プ」 会 議 を 開 き 、 西 部 地 域 の発 展 を 加 速 さ せ る た め の 基 本 的 な考 え 方 と戦 略 的 な任 務 にっ い て 研 究 を行 った 。 会 議 で は
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次 の よ うな こ とが確 認 され た。
① 中西 部地 域 の発 展 を加 速 させ る条 件 は整 って お り、 チ ャ ンスが 到来 し た 。
② 政府 は、 中 西部 地 域 を さ らに支 援 す る能 力 を持 ってお り、 と くに内需 拡大 のため の財政 政 策が 実行 され てい る現 在 にお い て、西部 開発 を直接 に支 援 す る ことがで きる。
③ 中 国のWTO加 盟 とい う側 面 か ら考 えて も、対外 開放 は新 た な段階 へ移 行 し、 中西部 地域 は、沿海 地域 と同様 に今後 は さ らに開放 され るであ ろ う。
会 議 で は、 当面 と今後 の一定期 間 内にお いて、次 の よう な重 点活動 を実 行す る必要 があ ると決 定 した 。
① イ ンフ ラ建 設 を速 め る。
② 生態 環境 の保 護 と建 設 を着実 に強 化す る。
③ 産業 構 造 を積 極 的 に調整 す る。 と くに 、特 色 の あ る経 済 と優 勢 に立 っ 産 業 を発展 させ 、農業基 盤 の強化 、工 業 の再編 ・改造 の加速 、 な らび に観 光 の よ うな第三 次産 業 の大 い な る発展 を促 す。
中 国の西部 大 開発戦略 の構想 とその始 動(武)73
④ 科学 技術 と教 育 を重視 し、人材 養成 を速 め る。
⑤ 改 革 開放 の度 合 いを増 大 させ る。 と くに新 しい情勢 に適応 す る新 思考 、 新方 法 、新 しい メ カニズ ムを研究 す る。
この会 議 によ って朱鋸基 総理 の 四つ の重 点項 目に新 た に 「改革 開放 の度合 い を増 大 させ る」 とい う項 目が加 え られ た ことに なる。 この五 つ の重点 項 目 は 、2000年3月5日 の第9期 全 人代 第3回 総 会 の朱 鎗 基Z理 「政 府 工 作 報
(1Q)
告 」 な か に も取 り入 れ られ た 。 「国 務 院 西 部 地 域 開 発 指 導 グル ー プ」 会 議 と
「政 府 工 作 報 告 」 に よ る と 、政 府 は 、 こ の五 つ の側 面 か ら西 部 大 開 発 を 実 施 し、 と くに ① イ ン フ ラ建 設 を 速 め る こ と 、 ② 生 態 環 境 の 保 護 と建 設 を着 実 に 強 化 す る こ と を 当面 の重 点 項 目と して取 り組 ん で い る。
政 府 は 、 さ ら に2000年3月21日 に 、 国 発[2000]3号 文 書 を 公 布 し、
「国務 院 西 部 地 域 開 発 指 導 グル ー プ」 を 正 式 に設 立 した 。3号 文 書 に よれ ば 、 朱 鎗 基 総 理 は グ ル ー プ長 、 温 家 宝 副 総 理 は 副 グル ー プ長 と な り、 弁 公 室 は 国 家 発 展 計 画委 員 会 の なか に設 け られ 、 曾 培 炎 国 家 発 展 計 画 委 員 会 主 任 が 弁 公 室 主 任 を兼 任 して い る。
ロめ
3号 文 書 に よれ ば 、 弁 公 室 の2000年 の 主 な仕 事 は 次 の 通 りで あ る。
① 年 末 まで に 西 部 開 発 の 全 体 計 画 を 基 本 的 に完 成 す る。
② 西 部 開 発 を 促 す た め の 政 策 を 制 定 す る。 と くに 科 学 技 術 ・教 育 と 人 材 誘 致 の た め の 政 策 を重 点 的 に研 究 す る。
③ イ ンフ ラ建 設 を速 め 、 西 部 地 域 の10大 プ ロ ジ ェ ク トの 建 設 を 開 始 す る 。 基 礎 条 件 の 良好 な5つ の プ ロ ジ ェ ク トを速 め 、 牽 引 す る役 割 を持 っ78の 大
中 型 プ ロ ジ ェ ク トの 建 設 に310億 元 を投 入 す る。
④ ひ き っ づ き 天 然 林 を 保 護 す る プ ロ ジ ェ ク トを 実 施 し、 耕 地 を 森 林 、 草 地 に戻 す 実 験 テ ス ト(試 点)に 取 り組 む 。
この 時 点 で は 最 大 の 目標 は 年 末 まで に 西 部 開 発 の全 体 計 画 を 基 本 的 に完 成 す る こ と と な った 。
(3)江 沢 民 の 蘭 州 談 話
2000年6月20日 に 江 沢 民 総 書 記 は 、 蘭 州 で 西 部 大 開 発 戦 略 に っ い て 次 の
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よ う な 談 話 を 発 表 した 。
まず 第1に 、 社 会 主 義 現 代 化 の戦 略 目標 の 実 現 、 国 家 統 一 と安 定 の 維 持 、 社 会 主 義 の 共 同 発 展 、 民 族 の偉 大 な復 興 な どの 見 地 か ら、 百 年 の 大 計 で あ る 西 部 大 開 発 を 認 識 し、機 会 を逃 さず に世 紀 の 大 プ ロジ ェ ク トを 着 実 に実 施 し
て い か な くて は な らな い 、 とふ た た び 西 部 大 開 発 戦 略 の 意 義 を 強 調 した 。 第2に 、 事 実 か ら出 発 し、 思 想 を 解 放 して事 実 に基 づ い て真 理 を 探 求 し、
時 代 の 潮 流 に 合 わ せ て 絶 え ず 新 た な 状 況 を 研 究 し、 新 た な問 題 を解 決 し、 新 た な認 識 を 形 成 して 、新 境 地 を切 り開 い て い か な くて は な らな い 、 と再 確 認
した 。
第3に 、 政 府 に対 して 、 財 政 、金 融 、 外 資 、 貿 易 、 人 材 誘 致 、 科 学 教 育 な ど の方 面 で 政 策 を 策 定 しな け れ ば な らな い 、 と求 め て い る。 と くに 西 部 大 開 発 の カ ギ は 人 材 に あ る と指 摘 し、 西 部 地 区 が 発 展 構 想 を 考 え 、 発 展 計 画 を 策 定 す る に は 、 人 材 計 画 と人 材 政 策 の制 定 が 必 要 だ と強 調 した 。
第4に 、 西 部 地 区 の様 相 を根 本 的 変 え る に は 多 くの 人 々 に よ る努 力 が 欠 か せ な い 。 我 々 は 長 い 苦 労 に耐 え る心 構 え で 、 同 時 に早 期 に実 現 す る っ も りで 西 部 大 開 発 を 行 って い か な くて は な らな い 。 東 部 、 中 部 、 西 部 の相 互 支 持 、 相 互 促 進 、共 同発 展 の 良好 な形 勢 を形 成 して い か な くて は な らな い 、 と呼 び か け て い る 。
こ の談 話 で は 、 と くに 西 部 大 開発 の カ ギ は 人 材 に あ る と い う 見解 を よ り明 確 に した 。
(4)第10次5力 年 計 画 に 関 す る 提 案
2000年10月11日 に 、 中 国 共 産 党 第15期 中 央 委 員 会 第5回 会 議 が 採 択 し た 「第10次 国 民 経 済 ・社 会 発 展5ヵ 年 計 画 に 関 す る党 中 央 の 提 案 」 で は 、 西 部 大 開 発 戦 略 の 実 施 は 、経 済 の発 展 、 民 族 の 団 結 、 社 会 の発 展 、地 域 の協
中国の 西部大 開発戦 略 の構想 とその始 動(武)75
調 的 な発展 、共 同 富裕 を実現 す る ことにか かわ る、第3段 階戦 略 の 目標 を達 成す るた めの 、重要 な政 策で あ る、 と規 定 した 。会議 で は西部 大 開発 につ い
(13)
て次 の よ うに提 案 してい る。
① 現 実 か ら出発す る こと、 実 力相 応 の こ とをや る こと、統 一 的 に計 画す る こと、科 学 的 に論 証す る こと、重点 を強 調す る こと、段 階 的 に実施す るこ とを堅 持 しなけれ ば な らない。
② よ いス ター トを切 るため に5‑10年 をめ どに イ ンフ ラ建 設 と生態 環 境 の整備 で飛 躍 的 な進 展 を収 め るよう にす る。
③ 交 通 、通信 、電 力網 、都 市 イ ンフ ラ等 の重 点 プ ロジ ェク トに 力を入れ 、
「西気 東輸 」(西 部 の天然 ガス を東部 に輸 送す る事 業)と 「西 電東送 」(西 部 の電 力 を東 部 に送 る事業)を 進 め る。
④ 生態 系 整 備 と環境 保 護 を強 化 し、「退 耕還 林 、草 」(耕 地 を森 林 、草 地 に戻す 事業)等 の生態系 整備 事業 を段 階 的 に進 め 、生態 環境 を改 善す る。
⑤ 産業 構 造 を調 整 し、農 業 を強 化 し、特 色 産業 を発 展 させ 、優 位 性 を備 えた 資源 の合理 的 な開発 と高度加 工 を進 め、観 光業 の育 成 を速 め、経 済 の優 位 性 を構築 す るよ うにす る。
⑥ 科 学 技 術 教 育 を発展 させ 、人材 の養 成 、起 用 、誘 致 に力 を入 れ 、ハ イ テ クと先 進 的 な実 用技術 を普及 させ る。
⑦ ユ ー ラ シア ・ラ ン ドブ リ ッジ、長 江 水 路 、西 南部 の海 に 出 るル ー トな どの幹線 交通 に依 拠 し、 中心都 市 の役割 を生 か し、線 で点 を結 び 、点で面 を 引張 り、重点 を決 め て開発す る。
⑧ 中央 政 府 は建 設 資金 の投 入 を増 やす 。 と くに少数 民族 地域 へ の財 政 交 付 を強 め る。
⑨ 改 革 を速 め 、対 内 ・対外 開放 を速 め 、複 数所 有制 の経済 の活 力 を生 かす 。 また中部地 域 は西部 を開発す る役 割 を果 た し、南北 を縦 断す る地理 的 な強 み と資源 の総合 的 な強み を生 か して発展 を加 速す る。 東部 沿海 地域 は全 国の
経 済発展 を促 す役 割 をひ きっ づ き果 たす 、 こ とも強 調 された 。
公表 され た 「提案」 の なかで は西部開発 に関す る記載 は多 い といえ ないが 、 2000年3月 の 「政 府 工 作 報告 」 よ りや や 明確 に な って い る。 今 後 、政 府 は 実 力相 応 の ことを行 ない 、5‑10年 を め どにイ ンフ ラ建設 と生態 環 境 の整 備 に力 を入れ 、 と くに 「西気東 輸」 や 「西 電東送 」 を進 め 、「退 耕還 林 、草」
等 の生態 系整 備事業 を段階 的 に推進 す る ことに な る。
また都 市化建 設 戦略 と連 動 し、交 通幹 線 に あ る中心 都市 を整 備 しなが ら、
線 で点 を結 び、点 で面 を引張 るた め に、中小 都市 の建 設 にも力 を入 れ る こと に なる。
(5)8つ の側 面 か ら推 進 す る構 想
曽培 炎主 任 は 、国務 院 の要請 を受 け、2000年10月28日 に開 かれ た第9期 全 国人 民代 表 大 会 常務 委 員 会第18回 会議 の聴 聞会 で報 告 を行 った。 報 告 で は西部 大 開発戦 略 の 当面 の方針 にっ いて、次 の よ うに8つ の側面 か ら計 画的 かっ重 点 的 に開発 を進 め ること を明 らか に した。(14)
① 開 発 の奮 闘 目標 を明確 にす る。5〜10年 をか け て、 西部 地 区 の イ ンフ ラ整 備 や生 態系 環境 の保 護 と建 設 を大 き く進展 させ 、資源 的優勢 か ら経 済 的 優 勢 へ の転 化 を急 ぎ、特 色 の あ る地 域 経 済 を初 歩 的 に形 成 し、西部地 区 と東 部 ・中部 地 区 の格 差 が拡 大す る傾 向 を食 い止 め 、西部地 区 の開発促 進 に良好
な局面 を開 く。
② 開発 の重 点 を 際立 たせ る。 イ ンフ ラ ・生態 系 環 境 ・特 色 の あ る経 済 ・ 科学技術 ・教 育 な どの主要 分野 を西部開発 の重点 と し、西部開発 の全局 に と っ て重 要 な働 きを持 っ 代表 的 なプ ロジ ェク トを実 施す る。
③ イ ンフ ラ整 備 を ひ きっ づ き速 め る。 水利 ・交 通 ・エ ネ ル ギ ー ・通 信 お よび都市 イ ンフ ラ整 備 を重 点 的 に進 め る。
④ 生態 系環境 の保護 と建 設 を さ らに強化 す る。 自然 林資 源 の保 護 プ ロジ ェ ク トや耕 地 を森 林 ・草地 に戻す プ ロジ ェク ト、そ の他 各種 効果 的 な生態 系 プ
中国 の西部大 開発 戦略 の構 想 とそ の始動(武)77
ロ ジ ェ ク トの建 設 に 重 点 を 置 く。
⑤ 産 業 構 造 を積 極 的 に 調 整 す る。
⑥ 科 学 技 術 と教 育 を 発 展 させ 、 人 材 の養 成 ・発 掘 に 力 を 入 れ る。
⑦ 改 革 開 放 を拡 大 す る 。 国 有 企 業 の 改 革 を 深 化 し、 非 公 有 経 済 を 中 心 と す る 非 国 有 経 済 を 自由 に 発 展 させ 、 企 業 を 西 部 開 発 の 主 体 に成 長 さ せ る。
⑧ 人 民 の生 活 レベ ル の 向 上 に努 め る。
報 道 さ れ た 曽培 炎 主 任 の報 告 は これ ま で 検 討 して き た 指 導 者 談 話 や 会 議 等 の 内 容 とほ ぼ 一 致 して い る。 そ して 「人 民 の 生 活 レベ ル の 向上 に努 め る」 こ
と も 明確 に規 定 して い る。2000年 末 発 表 す る予 定 の 政 策 措 置(20項 目)も こ の 八 つ の 側 面 か ら検 討 され て い る こ とが 明 らか に な った 。
2000年 末 、 西 部 開 発 戦 略 の 構i想は 、 研 究 調 査 や 意 見 収 集 の 段 階 か ら、 す で に全 体 構 想 の 策 定 段 階 へ 移 行 して い る と見 て よ い で あ ろ う。 今 後 、 省 、 市 、
自治 区 別 の 計 画 策 定 や そ の調 整 作 業 に移 り、 試 行 錯 誤 を繰 り返 しなが ら決 定 した 重 点 項 目を 実 施 して 行 く こ と に な る。 政 府 は 当面 、 「西 気 東 輸 」 や 「西 電 東 送 」 を 中心 とす る イ ン フ ラ建 設 を 進 め 、 「退 耕 還 林 、 草 」 等 の 生 態 系 整 備 事 業 を行 な う こ と に 力 を入 れ る こ と に な る。
政 府 は 、 西部 開 発 が 市 場 メ カニ ズ ム の下 で 、 全 体 的 な計 画 や 科 学 的 な論 証 を前 提 と して進 め られ 、 何 代 に もわ た って 努 力 す る こ と に よ っ て は じめ て達 成 で き る も の 、 と認 識 して い る。 しか し現 段 階 で は 主 と して政 府 主 導 の プ ロ ジ ェク トが 進 め られ て い るた め 、 従 来 の計 画 経 済 的 な色 彩 が 強 くみ られ る。
した が って 今 後 、 先 行 して い る行 政 指 導 が 、 市 場 メ カ ニ ズ ム を 妨 げ な い よ う に 、 権 限 を持 っ 監 視 ・監 督 委 員 会 の 設 立 も必 要 に な っ て くる で あ ろ う。 そ の た め 立 法 も 同 時 進 行 しな けれ ば な ら な い。
(6)西 部 大 開 発 の 実 施 に関 す る 政 策 措 置 の 内 容
2000年12月28日 に 国務 院 の 「西 部 大 開 発 の 実 施 に 関 す る若 干 の 政 策 措 置 の 通 知 」 が 報 道 され た 。 政 策 措 置 は2001年1月1日 か ら実 施 し始 め 、 適 用
期 間 は 当面 と今 後 の10年(2001‑‑2010年)で あ る 。 「通 知 」 は5っ の 柱 か ら構 成 され 、 そ の なか の4っ は政 策 措 置 で あ り、 計16項 目が含 まれ て い る。
そ の 主 な 内 容 は表1の 通 りで あ る。
表1国 務 院 が通達 した 「西 部大 開発 の実施 に関す る若干 の政策 措 置」 の 内容
① 政策制定の原則
1.政 策制定 の原則 と支 持 の重 点
② 重点任務 と戦略 目標③ 重点地域
① 建設資金を投入す る度合いを増大す る
2.資 金 の投 入 を増 やす政 策 ② 建 設 プロジ ェク トを優 先 的 に配 置す る
③ 財 政 資金 を交付す る度 合 いを増大 す る
④ 金融貸付の支持を増大す る
① 投 資 の ソフ ト環 境 を大 いに改善す る 3。 投資環 境 を改善す る政 策
② 税収優遇政策を実行す る③ 土地、鉱産資源の優遇政策を実行す る
④ 価 格 、費用 徴収 メ カニ ズム を運 営 ・調節す る
① 外商投資領域をさらに拡大す る
4.国 内外 に対す る開放 を拡大す る ② 外 資利 用 ルー トを さ らに拓 く
政策 ③ 対外経済貿易を大いに発展 させ る
④ 地 域 の協 力、双 方支援 を推 進す る
① 人材の誘致 と適切な起用
5.人 材 誘致 、科学 技術教 育 を発展
② 科学技術の主導作用を発揮 させ るさせ る政 策
③ 教育へ の投入を増加す る④ 文化 、衛生 建設 を強化 す る
出所=r人 民 日報 』2000年12月28日 よ り
「通 知 」 の 内 容 は 、 本 稿 で 検 討 して き た 江 沢 民 総 書 記 と朱 鋸 、基総理 の 談 話 を 中 心 とす る これ ま で の 党 中 央 ・国 務 院 の 正 式 な発 表 と ほ ぼ 一 致 して い る。
「通 知 」 に よれ ば 政 策 制 定 の原 則 と戦 略 目標 は 次 の通 りで あ る。
政 策 制 定 の 原 則 は 「第10次5ヵ 年 計 画 へ の 提 案 」 の 「現 実 か ら出発 す る こ と 、 実 力 相 応 の こ と を や る こ と 、 統 一 的 に 計 画 す る こ と、 科 学 的 に論 証 す る こ と、 重 点 を 強 調 す る こ と 、 段 階 的 に実 施 す る こ と 、 を 堅 持 しな け れ ば な
らな い 」 と一 致 して い る 。
中 国 の西部 大開発 戦略 の構想 とその始 動(武)79
戦 略 目標 は 、 江 沢 民 総 書 記 の 「東 北3省 党 の 建 設 と"10‑5"期 間 経 済 社 会 発 展 座 談 会 」 の 席 上 で 強 調 した 「5‑‑10年 を め どに イ ンフ ラ建 設 と 生
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態 環 境 の整 備 で 飛 躍 的 な進 展 を収 め る よ う にす る」 と 同 様 で あ る。
重 点 地 域 も 、 「西 部 地 域 プ ラ ス2」 を 明 確 に規 定 し、 内 蒙 古 と広 西 が 含 ま れ た 。 また 「ユ ー ラ シア ・ラ ン ドブ リ ッジ、長 江水 路 、 西 南 部 の海 に 出 るル ー トな どの幹 線 交 通 に依 拠 し、 中心 都 市 の役 割 を 生 か し、 線 で 点 を 結 び 、 点 で 面 を 引 張 り、 重 点 を 決 め て 開 発 す る」 も 「第10次5ヵ 年 計 画 へ の提 案 」 の 通 りで あ る 。
しか し重 点 任 務 は 、 ① イ ン フ ラ建 設 を 速 め る。 ② 生 態 環 境 の 保 護 と建 設 を 強 化 す る。 ③ 農 業 の 基 礎 的 地 位 を 固 め 強 め る 。 ④ 工 業 構 造 を 調 整 す る 。
⑤ 特 色 の あ る観 光 業 を 発 展 させ る 。 ⑥ 科 学 技 術 と 文 化 衛 生 事 業 を 発 展 させ る 、 と な っ て い る。 した が っ て 「第10次5ヵ 年 計 画 へ の 提 案 」 の 「1.農 業 の 基 礎 的地 位 を 固 め 強 め る 」 こ と が 西 部 大 開 発 の重 点 任 務 の3番 目に な っ
て お り、 「産 業 構 造 の調 整 」 は 「工 業 構 造 の 調 整 」 に変 わ り、 「特 色 の あ る 産 業 」 も 「特 色 の あ る観 光 業 」 に微 調 整 され た 。
「通 知 」 の 四 大 政 策 と そ の16の 項 目は 、 い ま ま で の 公 式 発 表 を ま とめ た も の で あ り、 新 た な 内 容 は と くに な か った 。 こ の 通 知 に よ って 当 面 と今 後10 年 間 にお け る 西 部 大 開 発 戦 略 の構 想 が よ り明確 に な り、 西 部 開 発 弁 公 室 が 関
係 部 門 と と も に これ らの 政 策 措 置 の細 則 や 実 施 方 法 ・意 見 を 検 討 し、 国務 院 の承 認 を得 た 上 で 実 施 に 移 す こ と に な った 。
IV西 部 大 開 発 の 始 動
政 府 は西部 大開 発戦略 の構 想 を検 討 しなが ら一 連 の政策 も同時 に公表 して い る。 と くに10大 プ ロジ ェク トの始動 、「星 火西進 」計 画 の実 施 と0連 の優 遇 政策 の公布 が 良い ス ター トを得 られ るた め の措 置 と して注 目され て い る。
1.10大 プ ロジ ェ ク トの 始 動
政 府 は 、 今 年 、 ① 国 債 発 行 で 得 た 資 金 と財 政 割 当 金 の う ち 、 約7割 を 西 部 地 域 に投 入 す る、 ② 優 遇 的 な政 府 借 款 と 国 際 金 融 機 関 の ロ ー ン の う ち 、 約7割 を 中 西 部 地 域 の 建 設 に 投 資 す る 、 と表 明 して い る。10大 プ ロ ジ ェ ク
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トの 主 な 内 容 は 次 の通 りで あ る。
① 西 安 一 南 京 鉄 道 の 西 安 一 合 肥 の 間 。 全 長955キ ロ メ ー トル。 投 資 総 額 232億3000万 元 。
② 重 慶 一 懐 化 鉄 道 。 全 長 約640キ ロ メ ー トル 。 投 資 総 額182億3000万 元 。
③ 国 道 主 幹 線 お よ び 国 家 レベ ル 貧 困 県 の道 路 を含 む 西 部 自動 車 道 路 の建 設 。 全 長3万5000キ ロ メ ー トル の 国 道 主 幹 線 の う ち 、1万7000キ ロ メ ー ト ル は 西 部 地 域 に位 置 す る。
④ 西 部 地 域 の 空 港 の 建 設 。 今 年 、 西 部 威 陽 国 際 空 港 の 建 設 を 始 め る と 同 時 に成 都 双 流 空 港 、 昆 明 巫 家 煽 空 港 、 西 安 威 陽 空 港 、 蘭 州 中川 空 港 、 ウ ル ム
チ 空 港 を 中 心 とす る航 空 ネ ッ トワ ー ク を建 設 す る。
⑤ 重 慶 市 高 架 鉄 道 の 建 設(較 場 ロ ー 新 山村 線 の 第. 工 事)。 第 一 期 工 事 の 全 長 は13.5キ ロ メ ー トル 。 投 資 総 額32億5800万 元 。
⑥ 柴 達 木 盆 地 渋 北 一 西 寧 一 蘭 州 を 結 ぶ 天 然 ガ ス ・パ イ プ ラ イ ン。 全 長 953キ ロ メ ー トル 。 パ イ プ ラ イ ン輸 送 能 力 は年 間20億 立 方 メ ー トル 。
⑦ 四 川 紫 坪 鋪 と寧 夏 黄 河 沙 披 頭 の 水 利 ター ミナ ル の 建 設 。 四 川 紫 坪 鋪 水 利 タ ー ミナ ル ・プ ロ ジ ェ ク トの投 資 総 額 は約62億 元 、 ダ ム の 貯 水 能 力 は11 億 立 方 メ ー トル 、 発 電 所 の 発 電 能 力 は76万 キ ロ ワ ッ ト。 寧 夏 黄 河 沙 披 頭 水 利 タ ー ミナ ル ・プ ロ ジ ェ ク トの 投 資 総 額 は 約13億 元 、 ダ ム の 貯 水 能 力 は 2600万 立 方 メ ー トル 。 プ ロ ジ ェ ク ト完 成 後 、 新 た に 増 加 さ れ 、 改 善 さ れ る 潅 概 面 積 は 約8万 ヘ ク ター ル 、 年 間 の 発 電 力 が7億KWhに 達 す る。
⑧ 中 西 部 の 休 耕 造 林(草)、 生 態 建 設 と育 種 プ ロ ジ ェ ク ト。 今 年 か ら長 江 上 流 の 雲 南 、 四 川 、 黄 河 中 流 ・上 流 地 区 の 陳 西 、 甘 粛 な ど13の 省 ・自治 区
中 国の 西部 大 開発 戦略 の構 想 とそ の始動(武)81
で 、 休 耕 造 林(草)の 実 験 テ ス ト(試 点)プ ロ ジ ェ ク トを 実 行 す る。 休 耕 面 積 は 約34万 ヘ ク タ ー ル 。 同 時 に 荒 れ た 山 や 土 地 で 、 約43万 ヘ ク ター ル の 人 工 造 林 を 行 う。 水 土 流 失 の 深 刻 な地 域 お よ び 生 態 環 境 破 壊 が 進 ん だ 地 域 で 、 生 態 総 合 管 理 プ ロ ジ ェ ク ト関 連 投 資 を 実 行 す る。
⑨ 青 海 カ リ肥 料 プ ロ ジ ェク ト。 塩 湖 の 資 源 の 総 合 利 用 に っ なが り、 青 海 地 域 の経 済 発 展 を促 進 す る。
⑩ 西 部 地 域 の 大 学 イ ン フ ラ 施 設 の 建 設 。 政 府 は 、 今 年 、 国 債 発 行 に よ っ て得 た 資 金 を 西 部 地 域 の 大 学 教 育 、 実 験 用 イ ン フ ラ施 設 の 建 設 、 大 学 サ ー ビ ス の 社 会 化 改 革 プ ロ ジ ェ ク トに重 点 的 に投 入 す る。
この10大 プ ロ ジ ェ ク トの う ち 、6項 目は 交 通 運 輸 プ ロ ジ ェ ク ト、 そ の 他 は 水 利 中 枢 プ ロ ジ ェク ト、生 態 建 設 プ ロ ジ ェ ク ト、 青 海 カ リ肥 料 プ ロ ジ ェク
ト、 大 学 イ ン フ ラ施 設 建 設 プ ロ ジ ェク トで あ る。
と くに 自動 車 道 路 の建 設 と財 政 交 付 に っ い て胡 希 捷 ・交 通 部 副 部 長 と金 立 群 ・財 政 部 副 部 長 は 次 の よ う に 述 べ て い る。
胡 希 捷 ・交 通 部 副 部 長 は 、 西 部 地 域 に は 現 在 、 国 道 の 主 幹 線 が 約4600キ ロ メ ー トル あ り、 西 部 地 域 の 自動 車 道 路 の密 度 は 、 東 部 地 域 の5分 の1ほ ど で あ る 。2000年 現 在 、 約4000キ ロ メ ー トル が 建 設 され て い る。 また 政 府 は 今 後10年 間 か け て15万 キ ロ メー トル に及 ぶ 自動 車 道 路 の 建 設 を 計 画 して お り、 条 件 を備 え た 西 部 地 域 の 郷 ・村 で 道 路 を 開 通 す る よ う に努 力 す る 、 と指 摘 した ◎
金 立 群 ・財 政 部 副 部 長 は 、2000年4月11日 嚇に 財 政 政 策 と地 域 開 発 国 際 シ ンポ ジ ウ ム の 席 上 で 、 中 国 は現 在 積 極 的 な財 政 政 策 を 実 施 して お り、 国債 発 行 に よ っ て 西 部 地 域 へ の投 資 を 強 め て い る と述 べ た 。 また 財 政 移 転 支 払 を効 果 的 に行 う た め 、 中央 政 府 は今 後 財 政 収 入 のGDPに 占め る割 合 を 徐 々 に増 や し、 さ ら に強 力 な財 力 を 集 中 して西 部 大 開 発 戦 略 を 実 施 して い くと強 調 し た 。
財 政 の交 付 は、中央政府 が収入 と分配 の関係 を調整す る重 要 な措置 で あ り、
中 国で は1995年 か ら移 転支 払制 度 を実施 して きた。 財政 部 関係 者 に よれ ば 、 現在 「一般 移転 支払 」 と 「専用 移 転支 払」 の二 つ の方式 を通 じて西部 地域 に
く
財 政 交 付 を 行 って い る。
2.「 星 火西進 」計 画 の実施
中国 の第10次 五 ヵ年 計画 期 間(2001‑2005年)に 「星 火西 進」 計画 の実 施 がす で に予定 され てい る。
「星火 西進 」 とは 、18年 間 にわ た って実 施 され て きた 大量 の実 用技 術 を農 村 に普 及 させ る科 学 技術 の普及 計 画 であ る 「星 火計 画」 が 、新彊 、寧 夏 、青 海 、陳 西等 の西 部省 区 に 「西進 」 す る ことで あ る。
この計 画 の趣 旨は 、① 中 国 西部 の 生態 環 境 の改善 と回復 を促 す 。② 西部 産 業構 造 の調 整 を推進 し、 特 色の あ る産 業 に重 点的 に支援 す る。 ③ 良好 な 発展 環 境 をっ くり、 持続 可能 な発展 をはか る、 と ころにあ る。
「星 火 西進」 の主 な項 目は、支援 、開発 、 普及 、改善 に及 ん で い る。
① 支 援 項 目。 西部 地 域 の農 業 産 業 化 の推 進 、優 れ た農 業 特 産 物 と特 色 あ る養殖業 の発展 、特 色 あ る手工 業 の発展 に対 して支援 す る。
② 開 発 項 目。 生 態 環 境 の保 護 と貧 困 か らの脱 出 に役 立 っ森 林 ・草 の総 合 利用 技術 な らびにそ の産業 化 に対 して開発す る。
③ 普 及 項 目。 省 エネ ル ギ ー で あ り、 環境 汚 染 、土 質悪 化 を防 止 す る実 用 新技 術 の普及 。
④ 現 状 改善 項 目。 西 部地 域 の優 位性 を十 分 に生 か し、短 期 間 の う ちに工 業 、農業 と農 村経 済 の現状 を改善す る。
2000年 現在 、 中 国の 国家 科学 技 術 部 は、20か ら30の 県 を選 び、「星火 西
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進 」 の モ デ ル とす る 計 画 を検 討 して い る。
中 国の西部 大 開発戦略 の構想 とそ の始動(武)83
3.一 連 の優遇 政策 の公 布
2000年 に入 ってか ら、 国務 院 の各 関連 部 門 で あ る国 家税 務 局 、 国家 経 済 貿易 委員 会 、対外 貿易経 済協 力部 、 国家 発展 計画 委員 会 と新 た に設 立 され た 西部 開発 弁公 室 は、 西部 開発 の促 進 に役 立っ 優遇 政 策や措 置 を相 次 ぎ検 討 ・ 制定 して い る。
① 外 国投 資企業 の 所得税 の軽 減
中 国 の 国家 税 務 局 は、「中西部 地 域 外 国投 資 企業 に対す る企 業所 得 税 の 三 年 間軽 減15%の 徴 収 実施 に関 す る優 遇 通知 」 を公布 した 。通 知 の主 な内 容 に よる と、 中西部 地域 に設 置 され た 国家 奨励 種 目以外 の外 国企 業 に対 し、 現 行 の税 金 徴 収優 遇 制 度満 期 後 の三年 間、 企業 所 得 税徴 収 分 を15%ま で軽 減 させ る。
この優 遇政 策 の執行 され る地 域 は、 山西 、 内蒙古 、吉 林、 黒龍 江、安 徽 、 江西 、河南 、湖北 、湖 南 、重 慶 、四川 、貴 州 、雲 南、 チベ ッ ト、陳西 、甘 粛 、
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青 海 、 寧 夏 お よ び 新 彊 の19省 、 市 、 自治 区 に及 ん で い る。
(2)西 部 開発 を促 進 す る ため の 措 置
李 榮 融 ・国家 経 済 貿 易 委 員 会 主 任 に よ る と 、 国家 経 済 貿 易 委 員 会 は 、 次 の
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よう な政策 を講 じてい る。
① 政 策 を通 じて、西 部 地 域 の 不合 理 な企業 構 造 を調 整 し、 西部 地 域 の 生 産能 力の弱 い企業 をで き るだ け早 く市場 か ら退 出させ ると同時 に 、優 良企 業 を育成 ・維 持 し、大 型化 に努 め る。
② 今年 の構 造 調 整 の措 置 で は 、西 部 地 域 に重 点 を 置 く。 全 国で600社 以 上 の企業 で の 「債 務 の株 式へ の転 換」 実施 の うち、西部地 域 の企 業 の割合 を 62%と す る。
③ 技 術 革 新 の政 策で は、 技 術 革新 の投 入 に よ り、西 部地 域 の優 良企 業 の 発 展 を助 け る。
④ 人材 育 成 政 策 で は 、企 業 経 営者 の育 成 を重 点 的 に支i援し、東 部 地 域 の
レベ ル に まで 高め る。
(3)外 資系企業 の西 部投 資 に関 す る優遇 措 置。
石広 生 ・対 外 貿易 経 済協 力部 部 長 は、2000年3月13日 に第9期 全 国人 民 代 表大 会第3回 会 議 の記者 会 見 の席 上で 、政府 は 、外 資系 企業 の中西部 地 区 へ の投 資 を推 奨す るた めに、一 連 の優遇 政策 を採 る ことを検 討 して い る、 と
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述 べた。 検討 され た措 置 は以下 の通 りで あ る。
① 西部 地域 の優 良 な産業 や プ ロジ ェク トを選 び、外 資系 企 業 投 資産 業 指 導 目録 を制定 す る。 この 目録 に選 ばれた プ ロジ ェク トは 、優遇 政策 を受 け る
ことが で き る。
② 政 府 の推 奨 す る外 資系 投 資 企業 につ い て 、現行 の徴 税 優 遇政 策 の適 用 期 間終了後 の3年 間、 さ らに15%へ の減税 が行 なわ れ る。
③ 外 資 系投 資 企業 の 西部 地 域 にお け る再投 資 プ ロジ ェク トにっ い て 、外 資 比率 が25%を 超 え る場合 、外 資 系投 資 企業 に相 当す る優 遇 待 遇 を受 け る
こ とがで き る。
④ 西部 地域 も、東 部地 域 と同様 に開 放 分野 にお け る実験 テス ト(試 点)プ ロジ ェク トを許 可す る。
⑤ 東 部 地 域 の外 資系 投 資 企業 が 、西 部地 区 にお い て も、外 資系 投 資 企 業 や 国内資本 企業 に対す る請 負 、経営 、管 理 を行 な うこ とを許 可す る。
⑥ 西部 の各省 、市 、 自治 区 の省 都 にお け る経 済 技 術 開発 区 は 、許 可 を経 て 国家 レベル の経 済技 術 開発 区へ昇 格す ることがで き る。
政府 は 、今後 もひ きっ づ き実 状 に,基づ いて、外 資 系企業 の西部 投 資を奨 励 す る政 策措 置 を制 定す ると表 明 して い る。
(4)外 資系 企業 の西部 投 資推 奨政策 。
鄭 新 立 ・国家発 展 計 画委 員会 報 道 官 は、2000年3月18日 に行 なわ れ た報 道発 表会 の席 上 で、新 た に設立 され た 西部 開発弁 公室 の今 年 の業務 にっ いて 以下 のよ うに述 べた。
中 国の西部 大開 発戦略 の構想 とそ の始 動(武)85
① 西部 開発 の全 体 計画 を着実 に真剣 に実行す る。
② 西部 開発 を促 進す るため の政策 ・措 置 を早 急 に制 定す る。
③ 西部 地域 の イ ンフラ建 設 を速 め る。
④ 西部 地域 の生 態環 境 の保 護お よび建 設 を強化す る。
報 道 に よれ ば 、2000年 現 在 、西部 開発 弁 公 室 、 国家 発 展 計 画委 員 会 は 、
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西部地 域 の 中 ・長期 的 開発計 画 を積極 的 に制 定 して い る。
今後 、外 資系 企業 を誘 致す るた め、政府 は さ らに奨励 政策 を打 ち 出 してい る。 と くに ① 多 くの投 資分 野 を さ らに開放 し、 中西 部 の あ らゆ る省 、市 、 区政府 所 在都 市 で外 資 企業 が 小売 業種 に参 入 で き る。② 中 西部地 域 の電信 、 保 険市 場 を徐 々 に外 資 系 企業 に開放 す る予定 で あ る。③ 外 国企業 に対 す る 株 券割 当額 の制 限が さ らに緩 和 され る。④ 外資 系企業 との合 資、協 力 とい っ た伝 統 的 な外 資利 用 方 法 以 外 に も、BOT、 プ ロ ジ ェク ト融 資 、 プ ロ ジ ェ ク ト経営 権 の譲渡 や 証券融 資 な ど、新 た な外 資利 用 方法 も取 り入れ られ る予定 で あ る。 ⑤ 政 府 が 推奨 す る外 資 系 企業 投 資 産 業 の製 品 の輸 出 に対 す る制 限
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が 更 に緩 和 さ れ る。
4.海 外 か ら の 支 持 表 明
(1)日 本 国 際 貿 易 促 進 会 の 西 部 開 発 へ の 投 資促 進
2000年3月17日 の 『人 民 日報 』 海 外 版 は 、 日本 国 際 貿 易 促 進 会 が 、3月 16日 に 第47回 定 例 会 議 を 開 き 、 日中 経 済 協 力 分 野 に つ い て 、 次 の よ う な年
く
度 活動 の重 点項 目を決定 した 、 と報道 した。
①2000年 の貿易 額 の 目標 を700億 ドル と 目指 し、 日中両 国の 貿易 を積 極 的 に促 す。
② 対 中投 資 の なか で、 と くに中 国の 西部 開発へ の投 資 を促 進 す る。
③ 中 国の 国有 企業 改 革 に協 力 し、技術 と人材 の交 流 をさ らに推進す る。
④ 様 々 なサ ー ビスお よび情 報 を積 極 的 に提 供 し、 中 国各 地 との交 流 や 協
力 を 強 化 す る。
⑤ 中 国 の対 日投 資 、 観 光 、 そ の 他 の 交 流 活 動 を 促 進 す る。
報 道 を 見 る限 り、 具 体 的 な 内 容 に は と くに詳 し く触 れ て い な い 。 日本 国 際 貿 易 促 進 会 の動 き は 、 今 後 、 注 目され る で あ ろ う。
(2)世 界 銀 行 の 積 極 的 な 開 発 支 持
新 任 したKassum世 界 銀 行 東 ア ジ ア ・太 平 洋 地 区 副 局 長 は 、2000年3月 17日 に 北 京 で 世 界 銀 行 が 、 今 後3年 間 、 中 国 西 部 地 域 の イ ン フ ラ建 設 や 治 水 工 事 等 の プ ロ ジ ェ ク トに 少 な くと も10億 米 ドル の 借 款 を 提 供 す る と発 表
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した。
また世 界銀行 が 中 国政 府 の西部 大 開発戦 略 を積極 的 に支持 し、今後 数年 に わ た って戦略 研 究 や 資金 面 にお い て支援 す る と表 明 した。 と くに ① 西 部 の 交通 イ ンフ ラの整 備 、② 西部 開発 が もた らす 環 境 汚染 の減 少 、③ 投 資 コス トの削減 と品質 の保 証措 置等 を含 む 西部 開発研 究 の戦略 問題 につ いて積極 的 に協 力す る ことを希 望す る、 と述 べ た。
2000年 現在 、 中 国が 世 界 銀行 の最 大 借 款 国 と な ってい る。 中 国 の220以 上 の プ ロジ ェク トがす で に世 界銀行 に支持 され てお り、借 款総 額 は300億 米
ドル以上 に達 して い る。
この ほか韓 国 も中 国の西部 大 開発戦 略 に強 い関心 を寄 せ てお り、中 国の新 聞紙 に も しば しば報 道 され て い る。
Vお わ りに
中 国 政 府 は 、 い ま まで 西 部 の優 勢 は 資 源 で あ る と強 調 して き た 。 と くに第 9次5ヵ 年 計 画 の なか で 、 エ ネ ル ギ ー や 原 材 料 な どの 「ボ トル ネ ック産 業 」 を 発 展 させ るた め に 、 西 部 の エ ネ ル ギ ー や 鉱 業 の発 展 を 速 め る と定 め た 。
しか し1998年 か ら国 内 市 場 の 需 給 状 況 が 一 変 し、 従 来 の 供 給 不 足 か ら供