中南米域内
FTAの進展と
企業の活用状況
2014年11月17日
日本貿易振興機構(ジェトロ)
海外調査部国際経済研究課・中南米課
水野 亮
本資料で提供している情報は、ご利用される方のご判断・責任においてご使用ください。ジェトロでは、できるだけ正
確な情報の提供を心がけておりますが、万一、本資料で提供した内容に関連して、ご利用される方が不利益等を被る自
体が生じたとしても、ジェトロは一切の責任を負いかねますので、ご了承ください。
2014 JETRO 禁無断転載
(注)各国データ欄の左が世界における順位、右が2013年名目GDP〈10億ドル〉
〔資料〕IMF、世界銀行資料から作成
太平洋同盟
(
The Pacific Alliance)
南米南部共同市場
(
Mercosul)
1-1 中南米は自由貿易主義と保護主義の二分化
7
2,246.0
ブラジル
47
227.2
ベネズエラ
21
610.3
アルゼンチン
・域内FTAのみならず、対外共
通関税設定する関税同盟
・近年は景気後退を背景に主
要国の保護主義的な措置の導
入目立つ
・自由貿易主義国の集まり
・経済規模は下回るも、メルコ
スールより貿易額は
6割増し
・コロンビアやペルーをはじめ、
経済は比較的好調
15
1,260.9
メキシコ
31
378.4
コロンビア
51
202.4
ペルー
38
277.0
チリ
アンデス山脈
状況
相手国
発効、締結、交 渉開始年月 状況相手国
発効、締結、交 渉開始年月 状況相手国
発効、締結、交 渉開始年月 状況相手国
発効、締結、交 渉開始年月 北米自由貿易協定(NAFTA:米国、カ ナダ) 1994年1月 アンデス共同体(ペルー、エクアドル、ボリビ ア)。ベネズエラは06年に脱退。(部分的 特恵協定) 1969年5月 アンデス共同体(コロンビア、エクアドル、ボリビ ア)。ベネズエラは06年に脱退。(部分的 特恵協定) 1969年5月 南米南部共同市場(メルコスール:アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ) 1996年10月 G3(コロンビア)。ベネズエラは06年11月に 脱退 1995年1月 南米南部共同市場(メルコスール:アルゼン チン、ウルグアイ、パラグアイ)(部分的特恵 協定) 2005年4月 南米南部共同市場(メルコスール:アルゼン チン、ウルグアイ、パラグアイ) 2005年4月 コロンビア 2009年3月 中米諸国(グアテマラ、エルサルバドル、ホン ジュラス、ニカラグア、コスタリカ) 12年~13年 G3(メキシコ)。ベネズエラは06年11月に脱退1995年1月 チリ 2009年3月 メキシコ 1999年8月 ボリビア 1995年1月 中米諸国(エルサルバドル、グアテマラ、ホン ジュラス) 09年~10年 米国 2009年2月 ペルー 2009年3月 チリ 1999年8月 チリ 2009年5月 メキシコ 2012年2月 パナマ 2008年3月 ウルグアイ 2001年3月 米国 2012年5月 パナマ 2012年5月 エクアドル 2010年1月 ペルー 2012年2月 カナダ 2011年8月 コスタリカ 2013年6月 中米諸国(コスタリカ、ニカラグア、グアテマラ、 エルサルバドル、ホンジュラス) 02年~10年 日本 2005年4月 EFTA(スイス、リヒテンシュタイン) 2011年7月 カナダ 2009年8月 米国 2004年1月 EU(EU加盟27ヵ国) 2000年10月 EU(EU加盟27ヵ国) 2013年8月 日本 2012年3月 カナダ 1997年7月 欧州自由貿易連合(EFTA:スイス、リヒテ ンシュタイン、ノルウェイ、アイスランド) 2001年7月 パナマ 2013年9月 韓国 2011年8月 トルコ 2011年3月 イスラエル 2001年7月 コスタリカ 2014年7月 中国 2010年3月 日本 2007年9月 交渉 環太平洋パートナーシップ加盟交渉 (TPP:日本、米国、シンガポール、チリ、ペ ルー、豪州、NZ、ブルネイ、マレーシア、ベト ナム、カナダ) 2012年6月 韓国 2013年2月 シンガポール 2009年8月 韓国 2004年4月 EFTA(ノルウェー、アイスランド) 2009年6月 タイ 2011年12月 中国 2006年10月 イスラエル 2013年9月 EFTA(スイス、リヒテンシュタイン、ノルウェイ) 2011年 豪州 2009年3月 日本 2012年12月 EU(EU加盟27ヵ国) 2013年3月 マレーシア 2012年4月 トルコ 2011年5月 グアテマラ 2011年11月 ベトナム 2014年1月 EFTA(アイスランド) 2010年6月 TPP(P4:NZ、シンガポール、ブルネイ)現 在、日本、米国、シンガポール、豪州、 NZ、ブルネイ、マレーシア、ベトナム、メキシコ、 カナダとTPPを交渉中。 2005年11月 交渉 TPP(日本、米国、シンガポール、チリ、豪 州、NZ、ブルネイ、マレーシア、ベトナム、カナ ダ) 2012年6月 EFTA(スイス、リヒテンシュタイン、ノルウェイ、アイスランド)2004年12月 EU(EU加盟27ヵ国) 2005年3月 香港 2012年9月 タイ 2013年10月 交渉 インドネシア 2014年5月 締結 締結 発効メキシコ
コロンビア
ペルー
チリ
発効 発効 発効 交渉 締結 〔資料〕ジェトロ資料、OAS SICE資料、その他報道等から作成2-1 太平洋同盟:アジアとも積極的にFTA締結
加盟国候補オブザーバー:
・コスタリカ(加盟申請受理)
・パナマ(メキシコとのFTA必要)
オブザーバー(
30ヵ国)
日本、中国、韓国、台湾、シンガポール、豪州、ニュージーランド、インド、米国、
カナダ、グアテマラ、ウルグアイ、エクアドル、エルサルバドル、ホンジュラス、パラグアイ、
ドミニカ共和国、スペイン、フランス、ポルトガル、トルコ、イタリア、英国、スイス、ドイ
ツ、オランタ、モロッコ、フィンランド、ベルギー、イスラエル
メキシコ、コロンビア、ペルー、チリの主要貿易協定交渉・締結・発効状況(
14年11月現在)
2014 JETRO 禁無断転載
ペルー
2-2 太平洋同盟:日系企業は積極的にFTAを利用
コロンビア
47.4
80.0
80.0
66.7
62.9
71.7
50.0
5.3
0.0
0.0
0.0
12.9
6.7
0.0
47.4
20.0
20.0
33.3
24.3
21.7
50.0
0%
20%
40%
60%
80%
100%
日本(19)
メルコスール(10)
NAFTA(35)
チリ(3)
日本(70)
NAFTA(60)
メルコスール(2)
輸出
輸入
利用している
利用検討中
利用していない(予定なし)
(%)
〔資料〕ジェトロ第14回中南米日系進出企業の経営実態調査から作成
メキシコ
チリ
100.0
72.7
0.0
0.0
83.3
100.0
66.7
0.0
9.1
100.0
0.0
0.0
0.0
0.0
0.0
18.2
0.0
100.0
16.7
0.0
33.3
0%
20%
40%
60%
80%
100%
メルコスール(2)
アンデス共同体(11)
チリ(1)
メキシコ(1)
メルコスール(6)
チリ(1)
メキシコ(6)
輸出
輸入
利用している
利用検討中
利用していない(予定なし)
(%)
〔資料〕ジェトロ第14回中南米日系進出企業の経営実態調査から作成
0.0
40.0
100.0
50.0
50.0
50.0
100.0
50.0
66.7
100.0
100.0
100.0
100.0
0%
20%
40%
60%
80%
100%
中国(1)
日本(5)
米国(1)
メルコスール(2)
アンデス共同体(2)
チリ(2)
中国(3)
日本(8)
米国(3)
メルコスール(2)
アンデス共同体(2)
チリ(1)
メキシコ(4)
輸出
輸入
利用している
利用検討中
利用していない(予定なし)
(%)〔資料〕ジェトロ第14回中南米日系進出企業の経営実態調査から作成
メキシコ、コロンビア、ペルー、チリの日系企業による
FTA利用状況(( )内は輸出入企業数)
50.0
25.0
37.5
20.0
33.3
33.3
100.0
100.0
72.7
77.8
100.0
75.0
0.0
25.0
6.3
20.0
33.3
0.0
0.0
0.0
0.0
11.1
0.0
0.0
50.0
50.0
56.3
60.0
33.3
66.7
0.0
0.0
27.3
11.1
0.0
25.0
0%
20%
40%
60%
80%
100%
韓国(2)
中国(4)
日本(16)
米国(5)
メルコスール(3)
アンデス共同体(3)
メキシコ(1)
中国(6)
日本(22)
米国(9)
メルコスール(4)
メキシコ(4)
輸出 輸入利用している
利用検討中
利用していない(予定なし)
(%)〔資料〕ジェトロ第14回中南米日系進出企業の経営実態調査から作成
2014 JETRO 禁無断転載
4,158 1,741 5,609
23,308
47,554
88,839
132,949
108,394
326,883
603,532
607,519
677,504
100,000
200,000
300,000
400,000
500,000
600,000
700,000
800,000
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
(千ドル)
〔資料〕グローバル・トレード・アトラスよりジェトロ作成。
一般 05年 06年 07年 08年 09年 10年 11年
乗用車
35
30
25
20
15
10
5
0
〔資料〕G3自動車協定文から作成。
メキシコ・コロンビアFTAにおけるコロンビア側乗用車関税撤廃スケジュール
コロンビアの対メキシコ貿易額推移
コロンビアの対メキシコ乗用車輸入額推移
メキシコ・コロンビア
FTA(1995年1月発効)
(%)
2-3 太平洋同盟:コロンビアの対メキシコ輸入増加
571 520 728
1,548
2,132
2,9433,032
2,501
3,762
5,6335,593
4,735
352
406
635
675 744 764
1,072
619 795 825
877 912
219 114 93
873
1,388
2,1791,9611,882
2,966
4,8084,716
3,824
0
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
輸入
輸出
収支
(億ドル)〔資料〕グローバル・トレード・アトラスよりジェトロ作成。
2014 JETRO 禁無断転載
5.メキシコが180日ビザ免除、ペルーが商用ビザ免除、第三国向け太平
洋同盟ビザの検討も
メキシコ
コロンビア
チリ
ペルー
メキシコ
コロンビア
チリ
ペルー
2.累積原産地規則の導入 - 二国間FTA(線)から地域FTA(面)へ
1.全品目の92%の関税を即時撤廃、残りの8%の関税を段階的に撤廃
・4ヵ国がそれぞれ二国間でFTAを締結
・関税免除のための原産地規則はそれぞれ異なる
・製造の付加価値は累積されず、「線」のFTA
・共通・累積原産地規則を導入、例えばヂリやペルー
から製造に必要な原材料をメキシコへ輸入して製造、
コロンビアが最終製品を免税で輸入が可能に!
4.各種サービスや政府調達の自由化・共通ルールを導入
3.税関の電子窓口システムの相互連結導入や協力で貿易を円滑に
2-4 太平洋同盟:目玉は既存FTAの更なる自由化
太平洋同盟概要
2014 JETRO 禁無断転載
シンガポール
豪州
ブルネイ
マレーシア
ベトナム
NZ
日本
TPP概要
・アジア太平洋沿岸の12ヵ国が参加(日本は
13年7月から参加)
・合計GDP(13年、名目、IMF)27.8兆ドルで
世界全体の
37.5%、人口8億人で世界の
11.4%占める
・14年内の交渉妥結目標
太平洋同盟
メキシコ
チリ
コロンビア
も参加に関心
ペルー
米国
カナダ
2-5 環太平洋経済連携協定(TPP)でさらにアジアへ
TPP交渉国(14年11月現在)
2014 JETRO 禁無断転載
・関税同盟。太平洋同盟に比べ、メルコスールの域内輸入依存度は圧倒
的に高い
・ブラジル・アルゼンチン間の貿易摩擦絶えず
・域外との交渉にはメルコスールとして参加するため、加盟国間の利害調
整困難
ベネズエラのメルコスール加盟には域外交渉の観点からも悲
観的な見方が少なくない
3-1 メルコスール:EUを目標とする関税同盟
南米南部共同市場(メルコスール)概要
関税同盟発足年
1995年1月1日
加盟国
ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ、ベネズエラ
準加盟国
ボリビア、チリ、コロンビア、エクアドル、ペルー
内容
・域内関税の原則撤廃:95年1月より域内関税は原則として撤廃。自動車・同部品、砂糖を除き域内関税は原
則ゼロ、また各国毎に保護品目が認められている
・対外共通関税:95年1月より全品目の約85%にあたる品目(約9,000品目)につき対外共通関税(0~25%)を
適用。ただし例外品目(基礎品目100品目+資本財、情報通信関連品目〈例:ブラジルの自動車・同部品、砂
糖、繊維等〉)が認められている。12年6月29日の共同市場理事会(CMC)にて例外品目における基礎品目の
上限を200品目とする旨合意、ブラジルやアルゼンチンは適用
・原産地証明:メルコスール原産とみなされるための現地調達率は原則60%以上
・紛争処理手続き:04年1月に発効した「オリーボス議定書」により、同年8月に常設仲裁裁判所を設置
域外との関係
・キューバ、メキシコと経済補完協定(ACE)締結
・南部アフリカ関税同盟(SACU)(04年)、インド(05年)と特恵関税協定締結
・イスラエル(07年)、エジプト(10年)、パレスチナ(11年)とFTA締結
・EUとFTA交渉中
・韓国とFTAに関する共同研究終了
・ASEAN、カナダ、欧州自由貿易連合(EFTA)などと通商対話進める
〔出典〕日本外務省資料などから作成
2014 JETRO 禁無断転載
3-2 メルコスール:メキシコ自動車輸入への不満高まる
670 796
1,036 1,159
1,519 1,439 1,337
932 1,219
918
871 935
158 238
714 739
1,111
1,337
1,595
1,164
1,849
2,533
2,252 2,163
512
558
321
420
408
103
259
231
630
1,616
1,381 1,228
(2,000)
(1,500)
(1,000)
(500)
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
輸出額
輸入額
収支
〔資料〕Global Trade Atlasからジェトロ作成
(百万ドル)
2,342
2,741
3,948 4,064
4,440 4,260 4,281
2,676 3,715
3,960
4,003 4,230
580
533 704
844
1,310
1,979
3,125 2,783
3,858
5,130
6,075 5,795
1,762
2,208
3,244 3,220 3,130
2,281 1,156
108
143
1,170
2,072
1,564
(3,000)
(2,000)
(1,000)
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
6,000
7,000
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
輸出額
輸入額
収支
〔資料〕Global Trade Atlasからジェトロ作成
(百万ドル)
1,986
1,575
1,324
843
1,356
1,271
1,179
1,092
479
742
1,294
1,195
1,579
2,485
2,583
1,942
1,507
832
30
351
223
1,214
1,404
851
(2,000)
(1,500)
(1,000)
(500)
500
1,000
1,500
2,000
2,500
3,000
06
07
08
09
10
11
12
13
輸出額
輸入額
貿易収支
〔資料〕Global Trade Atlasからジェトロ作成
(百万ドル)
627
582
589
307
438
297
184
310
232
266
527
397
811
1,102
972
951
395
316
61
89
373
805
788
641
(1,000)
(500)
500
1,000
1,500
06
07
08
09
10
11
12
13
輸出額
輸入額
貿易収支
〔資料〕Global Grade Atlasからジェトロ作成
(百万ドル)
ブラジルの対メキシコ貿易額推移
アルゼンチンの対メキシコ貿易額推移
ブラジルの対メキシコ自動車・自動車部品貿易額推移 アルゼンチンの対メキシコ自動車・自動車部品貿易額推移
国
規制
概要
アルゼンチン
非自動輸入ライセンス規制 08年に金属製品輸入に対して規制開始、10年12月には自動車を対象品目に加え、輸入実績の8割までしか発給を認めないとする新たな規制を11年1月より開始。11年2月には179 品目を対象に追加することを決定、対象品目は約600 品目に。アルゼンチン
輸出入均衡命令 法的根拠はないが、国内商業庁は自動車や製薬業界の各企業に輸出入額をバランスさせるよう行政指導していると言われている。ブラジル
対輸入車非自動輸入ライセンス規制 急増する自動車輸入のモニタリングを目的として11年3月に導入。アルゼンチン産自動車の輸入が滞る事態が発生した。ブラジル
対輸入車工業製品税(IPI)引き上げ 11年9月、輸入部品の比率が65%に達する乗用車に対して12年12月までの時限措置としてIPI税率を30ポイント引き上げる旨発表。IPI引き上げにより中韓車輸入に影響が出ている模様。アルゼンチン
輸入宣誓供述書の提出義務 12年1月、輸入企業に対して公共歳入連邦管理庁(AFIP)のウェブサイトに掲載される宣誓供述書の書式に必要なデータを入力、貿易庁など関連機関による輸入許可を得る 義務を課した。同月には国内商業庁がAFIPとは別の輸入注文フォームを提出するよう企業に求めた。また、2月にAFIPは海外のサービス企業から国内でサービスを受ける場 合、または国内のサービス企業が海外にサービスを提供する場合も事前に宣誓供述書による申告を必要とした。さらには、国家医薬品・食品・医療技術監督庁(ANMAT)や 農畜食料衛生品質管理センターなども同様の措置を開始すると発表した。12年3月現在、輸入申告の3件に1件は不許可になっていると報じられており、混乱している模様。アルゼンチン
自動車・二輪車の内国税改正 内国税対象の自動車について、これまでの価格21万2,500ペソ以上を15万ペソ以上に引き下げる措置を12年1月に施行、税率はディーゼル車が12.5%、ガソリン車が10%。また、二輪車やボートなども同様に課税対象最低額を2万5,000ペソから2万2,000ペソに引き下げ、税率は10%で据え置いた。ブラジル
メキシコとの自動車協定改訂 ブラジル・メキシコ間自動車協定により無税の完成車の輸出台数に上限枠を設定することを12年3月15日に決定。12年3月19日~13年3月18日は14億5,000万ドル、2年目は 15億6,000万ドル、3年目は16億4,000万ドルと次第に引き上げ。現地調達比率もこれまでの30%から13年3月19日までに35%(ブラジル→メキシコ現地調達規則で67%に相 当)、16年3月19日までに40%(同77%に相当)に引き上げ。ブラジル
自動車政策(Inovar-Auto)施行 11年9月に30%ポイント引き上げたIPIについて、ブラジル国内または南米南部共同市場(メルコスール)域内で製造された部品、原材料、製造にかかわる機器の調達額に応じて、減額措置(IPIの税クレジット)を与える法律を13年から開始。また、科学技術分野での研究開発投資を行った企業には、さらに2ポイントの減額措置を与える。ブラジル
自動車部品強制認証 12年6月から油圧ブレーキオイル、フロントガラスなど一部自動車部品に対して実施、国家度量衡・規格・工業品質院(INMETRO)の認証を受けなければ販売禁止となる。認証取得には生産者または輸入者の納税番号(CNPJ)が必要なため、現地法人がない場合は現地に法的代理人を設定する必要あり。ブラジル
ブラジル拡大計画 経済成長のための政策の第2弾を12年4月に発表。政府調達での国内製品優遇策など保護主義的な措置を含む。13年以降のIPI改訂も発表、現行では域内調達率計算に含むことができる人件費や広告費を排除し、域内調達率に応じて最大30ポイントの範囲内で減免の幅が決まることになる。ブラジル
州間の商品流通サービス税(ICMS)統一 上院議会で承認、13年1月から施行予定。現行12%の税率を4%に統一して引き下げることで、これまで低く抑えることで輸入業者に恩典を与えてきた州に影響を与える。アルゼンチン
メキシコとの自動車協定改訂 ブラジル・アルゼンチン間自動車協定により無税の完成車の輸出台数に上限枠を設定することを12年12月に決定。12年12月18日~13年12月17日は5億7,500万ドル、2年目は6億2,500万ドル、3年目(3ヵ月間)は1億8,7500万ドルまでとする。上限を超える輸出には35%。アルゼンチン
100品目の関税引き上げ パソコン、携帯電話端末、玩具、家具、履物類の部分品、飼料用種子、飼料などにかかる関税を13年1月に引き上げ。 〔資料〕経済産業省不公正貿易報告書、USTR資料、ジェトロ通商弘報、ジェトロ・サンパウロ事務所資料などから作成ブラジル、アルゼンチンにおける保護主義的貿易措置
3-3 メルコスール:保護主義的措置乱発!
2014 JETRO 禁無断転載
輸入許可の
条件
産業
事例
自動車 ・産業省は自動車メーカーあるいはその輸入業者に対して製品の輸入の条件として同額の輸出を一年以内に開始するよう指示 ・GM、ポルシェ、奇瑞汽車、メルセデス、プジョー・シトロエン、アルファロメオ、現代、キア、フィアット、ルノー、三菱自動車、ボルボ、BMW、フォードなど多くのメーカーと輸出計画に関して合意 ・BMWにワインおよびコメの輸出を命じ、同社が拒否している間は輸入許可を出さず ・ポルシェのアルゼンチン輸入業者、プレンタノーデンワーゲンはポルシェ輸入の変わりにワインを輸出 ・輸入許可のために各社は自動車とは無関係の製品の輸出に合意:BMWは自動車部品に加えて皮シート、精米、ポルシェはワインおよびオリーブオイル、現代はバイオディーゼル、ピーナツ、ワイン、大豆粉、キアは自動車部品、白物 家電、ナイロン、ポリプロピレン トラック 二輪 ・スカニア(スウェーデン)、マック・トラックス(米)テルモダインビア(アルゼンチン、米マックの取り扱い業者)、ルノー・トラックスなどに輸出を求め、スカニアとの間で輸出を45億米ドルまで増やすことに合意 ・ハーレー・ダビッドソンの輸入業者フアン・ガッバに米国向けワイン輸出を求める。カワサキ、モンディアル(イタリア)、スズキ、モトメル(アルゼンチン)、サネージャ(アルゼンチン)とも類似した内容の合意 ・ジョルジ産業大臣は二輪車の国内市場における国産のシェアが70%を超えたと2012年9月に発表 農業機械 ・農業機械メーカーに対しては基本的には国内からの原料・部品調達への切り替えを要求しているが、ジョルジ産業大臣は、クラース(独)に対しては同社が国内への投資計画を提出するまでは同額の部品やその他の製品の輸出を命じた 書籍 出版物 ・税関にて100万冊にのぼる輸入書籍・雑誌を止め、ジョルジ産業大臣はアルゼンチン出版協会との間で2012年末までにアルゼンチン書籍・雑誌の輸出とバランスを図る旨2011年10月に合意、輸出が難しい企業には一定額の資本拠 出を求めた ・同月にアルゼンチン書籍協会との間でも同じ内容で合意 オーディオ ビジュアル ・2011年12月にフェルナンデス大統領が「映画やテレビで表現される、我々のアイデンティティー、文化、知識を輸出することは重要」と述べ、フィルム業者へ輸出を指示した タイヤ ・ピレリ(イタリア)が輸入の条件として蜂蜜の輸出するとフェルナンデス大統領が2012年に発表・ミシェランとも類似した内容で合意 農産品 ・モレノ前商業庁長官がバイオ化学メーカーのモンサント(米)に対してとうもろこしの輸出を2012年中頃に指示、モンサントによると、米国の旱魃により前年比で50%増にのぼる穀物を同国に輸出していたが、それでも輸出は足りないと 評価された模様 ・モレノ前商業庁長官は、2011年から2012年にかけて多くの農業化学や肥料メーカーに輸出の指示を出していたと報道されている 白物家電 ・フェルナンデス大統領とジョルジ産業大臣がエレクトロラックス(スウェーデン)との間で、同社が輸出入をバランスさせる旨合意したと2011年8月に報じられた 電子製品 ・サムソンが国内生産で必要とするコンポネントの輸入のために、鉱物資源や輸出向け自社製品の製造を計画していると2012年2月に報道 ・モトローラが自社製品を輸出していたアルゼンチン国内にあるソフトウェアセンターを閉鎖、代わりに新たに別の場所で製造を開始すると発表 ・電子メーカーのニューサン(アルゼンチン)が電子機器部品の輸入のために6つの魚加工会社と魚の輸出に関する合意に達した ・電動工具メーカーのブラック・アンド・デッカー(米)も政府より輸出計画を提出するよう命じられた 衣服 ・エルメネジルド・ゼニア(イタリア)が輸出計画を政府に提出の上、アルゼンチンの羊毛メーカーとスイスやイタリアへの輸出に関して合意、政府より輸入許可を取得したと2012年に発表、スイスやイタリアへ羊毛の輸出に関して合意した と発表 ・ナイキやアディダスが輸出許可の代わりに家具を中南米諸国向けに輸出しているとの報道あり その他 ・センスコッド(チリ)は取引のある業者が輸出しているアルゼンチン製品を「センスコッド」ブランドとしてペルー、ブラジル、チリなどに輸出することで政府の要求をクリアしている ・玩具メーカーのマテル(米)は、アルゼンチン地場企業との間でコロンビアへ玩具を輸出するアレンジを行ったと報じられた ・2011年4月、モレノ前商業庁長官とジョルジ産業大臣は医薬業界に対して多国籍企業の研究所の国内設置、並びに輸出の拡大、輸入の制限、投資、利益の再投資などを通じて原料の輸入と医薬品の輸出のバランスをとるよう指示 〔資料〕WTO資料、アルゼンチン政府プレスリリース、各種報道などから作成 輸入と同等の 輸出3-4 メルコスール:全輸入者に対して輸入制限強化
アルゼンチンにおける輸入許可条件の実例一覧
日本、米国、
EU、メキシコはアルゼンチンの輸入規制措置につ
いて
WTOパネルへ提訴。14年8月にアルゼンチンの敗訴決定、
アルゼンチンは
9月に上訴
2014 JETRO 禁無断転載
3-5 メルコスール:域内輸出でFTA利用
14.3
23.5
21.1
28.6
22.2
51.8
12.5
0.0
0.0
45.8
0.0
41.4
0.0
5.9
5.3
0.0
5.6
10.7
12.5
0.0
0.0
12.5
0.0
6.9
85.7
70.6
73.7
71.4
72.2
37.5
75.0
100.0
100.0
41.7
100.0
51.7
0%
20%
40%
60%
80%
100%
インド(7)
ペルー(17)
チリ(19)
メキシコ(14)
アンデス共同体(18)
メルコスール(56)
インド(8)
ペルー(5)
チリ(7)
メキシコ(24)
アンデス共同体(5)
メルコスール(29)
輸出
輸入
利用している
利用検討中
利用していない(予定なし)
(%)
〔資料〕ジェトロ第14回中南米日系進出企業の経営実態調査から作成
0.0
33.3
50.0
0.0
75.0
50.0
0.0
60.0
0.0
92.3
0.0
0.0
0.0
0.0
8.3
0.0
0.0
20.0
0.0
0.0
100.0
66.7
50.0
100.0
16.7
50.0
100.0
20.0
100.0
7.7
0%
20%
40%
60%
80%
100%
ペルー(2)
チリ(3)
メキシコ(2)
アンデス共同体(1)
メルコスール(12)
ペルー(2)
チリ(1)
メキシコ(5)
アンデス共同体(1)
メルコスール(13)
輸出
輸入
利用している
利用検討中
利用していない(予定なし)
(%)
〔資料〕ジェトロ第14回中南米日系進出企業の経営実態調査から作成
ブラジル
アルゼンチン
ブラジルとアルゼンチンの日系企業による
FTA利用状況
2014 JETRO 禁無断転載
105
91
139 141 186
463 649 577
1,040
1,361 1,298 1,591
623 753
955
1,379
1,836
2,350 2,328 2,147 2,370
2,740 2,851 2,590
518
662
817
1,238
1,650 1,887 1,679 1,570
1,329 1,380 1,553
1,000
(3,000)
(2,000)
(1,000)
1,000
2,000
3,000
4,000
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
輸出
輸入
収支
〔資料〕Global Trade Atlasからジェトロ作成 (百万ドル)
05年2月の発効と同時に関税撤廃
11年8月より1年間はMFNで関税撤廃
メルコスール・コロンビア経済補完協定(
ACE59、02年2月発効)
740
82
639
3,757
5,515
6,481 6,940
5,489
14,657
19,304
14,094
10,013
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
〔資料〕Global Trade Atlasからジェトロ作成 (千ドル) 13 204 252 317 410 19 36 47 50 570 699 73 133 99 130 301 288 433 920 1,043 1,509 1,872 2,396 1,734 191 233 281 363 520 626 788 944 1,379 1,571 2,108 1,301 (2,500) (2,000) (1,500) (1,000) (500) 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 輸出額 輸入額 収支
〔資料〕Global Trade Atlasからジェトロ作成 (百万ドル)
コロンビアの対ブラジル・フロントエンド型ショ
ベルローダーの輸入額推移
コロンビアの対ブラジル貿易額推移
コロンビアの対アルゼンチン貿易額推移
3-6 メルコスール:太平洋同盟との協定の効果も
2014 JETRO 禁無断転載
7,839
8,106
9,434
12,450
18,289
28,979
53,719
46,106
85,647
89,617
53,120
45,096
4,661 7,357 8,664
12,816
16,937
21,116
21,798
26,068
45,508
57,509
63,191
49,407
10,000
20,000
30,000
40,000
50,000
60,000
70,000
80,000
90,000
100,000
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
ブラジル輸入
コロンビア輸入
〔資料〕Global Trade Atlasからジェトロ作成 (千ドル)
749 1,600
1,959
1,067 663
1,888
14,943
11,240
5,525
14,895
21,134
7,712
5,000
10,000
15,000
20,000
25,000
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
〔資料〕Global Trade Atlasからジェトロ作成 (千ドル)
08年は50%の削減率、09年から削減
開始、
13年は2位の輸入先
04年から削減開始、08年までに撤廃、
13年は最大輸入先
05年2月の発効と同時に関税撤廃
(
MFNでは現在15%)
大型タイヤはブラジル
→コロンビア、小型タ
イヤはコロンビア
→ブラジルの傾向
9,759 4,468 5,579 5,339 5,688 9,977
59,569
109,296
220,746
235,974
232,823
249,853
50,000
100,000
150,000
200,000
250,000
300,000
02
03
04
05
06
07
08
09
10
11
12
13
〔資料〕Global Trade Atlasからジェトロ作成 (千ドル)