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オカヤドカリ類を中心としたコースタル・エコシステムに関する研究: University of the Ryukyus Repository

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Academic year: 2021

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Title

オカヤドカリ類を中心としたコースタル・エコシステム

に関する研究

Author(s)

仲座, 栄三; 津嘉山, 正光; 牧野, 敏明; 小島, 健太郎; 川満,

康智

Citation

琉球大学工学部紀要(58): 41-45

Issue Date

1999-09

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12000/15808

Rights

(2)

琉球大学工学部紀要第58号,1999年 41

オカヤドカリ類を中心としたコースタルエコシステムに関する研究

仲座栄三*・津嘉山正光**・牧野敏明***・小島健太郎****・川満康智*****

Eco-BarriersandtheSurvivalofLandHermitCrab

EizoNAKAZA,SeikoTSUKAYAMA,ToshiakiMAKINO,KentaroKOJnVIA

andYasutomoKAWAMrTSU ABSTRACr LandHenmtCrabsqHC)usuanyUveamongvegetationonlandadjacenttocoasts、Atspawmngtimetheymake theirwaytotheseawheretheyrcleasetheirspawn、Duetoevcrincreasingconstructionofartificialbarriersbetweenland andsea,LHCsandotherspeciesthatshaIetheirecosystemalBfacingasurvivalcrisis・ Okinawa,thelocationofthisresearch,issituatedinsouthemJapan・Developingcountrieswhosenatural coasUinesculTenUysupporttheLHCwillfacethesameprobleminthefUtureasOkinawadoesnowd Firstly,thisresearchexploIedtheeffectsoftheconstructionofartificiaIbarriersontheecosystemoftheLHC, viafieldsurvey・Andthen,toestimatetheabiUtyoftheLHCtoclimbarlificialbamers,quantitatively,experimentsonthe pullingandhaulingfblceofLHCwerecarriedout. KeywmdsLandHermitCrab,Eco-System,Pullingandhaulingfbme,Okinawalslands 1.はじめに 産業革命後ますます深刻化する地球環境下におい て、国連「環境と開発」会議(1992年)は、「持続 可能な開発」を基本理念とし、人類が地球上で生存 しつづけるための行動を起こすことを宣言してい る。また、日本政府も、「環境基本法」を制定する と共に、「アジェンダ21/日本政府」を策定してい る。土木学会でも、「持続可能な開発」を実現する ため「アジェンダ21/土木学会」を策定し、早急に

取り組むべき課題を具体的に示している[1]。

今、「人類と生物の共存を可能にする新しい土木 工学の展開」が求められている。本研究では、こう した待ったなしの要請に応えるべく、海岸域を対象 としたエコシステムについて、陸ヤドカリを中心に 研究するものである。 陸ヤドカリは、沖縄地方では方言で「アーマン」 あるいは「アマン」などと呼ばれ、国の天然記念物 に指定されるまでは、熱帯魚の釣りの餌や子供の浜 での遊びの対象として親しまれてきた。陸ヤドカリ は普通日常生活を陸側で行い、幼生の放出を海水中 で行うため、陸域と海域とが断絶されると生存不可 能となる。 沖縄地方では、道路整備に伴い海岸域がすべて人 工の護岸等で囲まれる勢いにあり、今や陸ヤドカリ など海岸域に生息する小生物が危機的な状況にある ことが容易に推測される。本研究は、海岸域のエコ システムに関する研究の一環として行われた。陸ヤ ドカリに関する生態及び人工構造物との関わり等を 現地観測及び室内実験を通して明らかにする。 2.現地調査概要 2-1.オカヤドカリとは? オカヤドカリの外形を写真-1に示す。オカヤドカリ 類は現在確認されている種が6種類あり、東アフリカ 沿岸からインド、マレーシアを経て先島・沖縄諸 島、小笠原諸島に至る海岸域で広く分布している [2ルオカヤドカリはその生活圏からオカヤドカリ類 に分類されており、ヤドカリ科と区別されている。 通常は海岸近くの陸域にある茂みの中で生活してい 写真-1陸ヤドカリ *工博・工学部環境建設工学科助教授 **工博・工学部環境建設工学科教授 ***工修・理工学研究科博士後期課程 ****沖縄県*****海岸環境研究所

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仲座・津嘉山・牧野・小島・川満:オカヤドカリ類を中心としたコースタル・エコシステムに関する研究 42

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(a)全景 写真-2沖縄民踊タンチャメー るが、5月から10月ごろまで、海岸に降り幼生を放出 する。幼生は2~4週間の海中浮遊生活後、宿貝を取 り、成長に伴い打線近くから内陸へと生活を変化さ せる。成長すると大きなものでは、約10cm、体重 509にも達する。現在国の天然記念物に指定されてい る。 2-2.オカヤドカリ類の調査が早急に必要とされる理 由 オカヤドカリの幼生放出期は、沖縄の春先(うり ずん)から秋までつづく、この期間に自然の海岸で は、何万何百万を越えるオカヤドカリが幼生を絶え 間なく放出する。この期間、海岸の水際はピンク色 の幼生の色で染まる。また、そのことを知って、汀 線付近には無数の稚魚が海面を埋め尽くすほど集ま る。それを村の老若男女は腰まで水につかりすくい あった。これが、若い男女にとって公認された見合 いの場所でもあった。この様は、沖縄地方で民謡や 民踊に数多く詠われており、特にタンチヤメー(写 真-2)は有名である。南西諸島の海岸では、オカヤ ドカリを中心とした壮大なエコシステムが作り上げ られていたはずである。 オカヤドカリに関する研究は、沖縄教育委員会が 実施した調査結果[2]に系統だった整理が行われてい る。この調査は、仲宗根が中心となり纏め上げたも ので、生態学的な研究を始めとして、人工構造物と オカヤドカリとの関わりや、オカヤドカリと人間と の関わりまでも議論されており、その内容は多岐に わたる。 仲宗根らの調査結果には、人工構造物の建設がオ カヤドカリの生態系に重大な影響を及ぼしているこ とが示されているものの、その定量的な評価は十分 と言い難い。また、オカヤドカリに優しい構造物の (b)人工護岸海岸 ご巫尽状 符in形 江魂士(の {斎T》■(L戸許岸

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(d)自然海岸 写真3現地観測場所 開発に関しては研究が遅れている。 高潮や波浪などに対する沿岸域の防災という観点 から、何らかの形で護岸構造物の建設が必要とされ る場合は多い。また、生活道路の建設に伴い護岸構

(4)

琉球大学工学部紀要第58号,1999年 43 造物が建設されると共に、海と陸とが遮断されるこ とを余儀なくされる場合もある。オカヤドカリの生 存のためには、陸と海とが連続していることが必要 であり、こうした人工構造物の建設は、オカヤドカ リを中心としたエコシステムを崩壊させている危険 性が十分に考えられる。このことから、実態調査と 合わせて、オカヤドカリに優しい構造物の開発と人 工護岸などエコバリヤーとなるような既存の構造物 に対する対策が必要であろう。 2-3.現地観測位置概要 オカヤドカリは生活の大半を陸域ですごし、幼生 の放出を海で行うため、その生存のためには、陸域 と海とが自然な形で連続している必要がある。この ことから、海岸域の埋め立ては勿論のこと、人工護 岸の建設や人工ピーチの建設がオカヤドカリなど沿 岸の小動物に対するエコシステムヘ致命的な影響を 及ぼしている可能性がある。本研究では、こうした 人工構造物がオカヤドカリに及ぼす影響を明らかに するため、自然海岸におけるオカヤドカリと、人工 護岸で陸域と海とが隔てられた海岸においてヤドカ リの生息状況調査を行った。写真-3(a)~(d)に現地調 査位置を示す。図-1に、護岸付近の標準断面図を示 す。対象とした海岸は、写真-3(a)に示すゾーン1が人 工構造物の存在する海岸であり(以下、人工護岸海 岸と呼ぶ)、ゾーン2が自然の海岸となっている(以 下、自然海岸と呼ぶ)。ゾーン1とゾーン2との間に は自然の岩石が海側に張り出し両海岸を分断する形 となっている。ゾーン1では、写真-3(bXc)で見られ るように、護岸前面にある僅かな茂みがヤドカリの 住処となっている。 0.4m

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図-1海岸の標準的な断面の形状(ゾーン1)

CmNCCNCm『つつ[ついC (圏)繍竺厚 3.観測結果 図-2に、1998年7月と8月に行った観測で得られた宿 貝の大きさと発見固体数の関係を示す。○印は護 44.5 0.511.522.533.5 宿貝の直径(c、) 図-2個体数と宿貝の直径の関係 0 岸海岸の砂浜上での結果を、●印は自然海岸砂浜 上での結果を示す。目視による調査であるため、 宿貝が小さいものについては発見率が若干低下し ているものと考えられる。両海岸での発見数の分 布には大きな違いが見られる。自然海岸では、人 工護岸海岸に比べて発見固体数が圧倒的に多い。 また、自然海岸では宿貝の径が2.5cmよりも大きく なるにつれて固体数が減少しているのに対し、人 工護岸海岸では約1.0cmから緩やかに減少してい る。自然海岸で宿貝の径が2~2.5cmにピークが見 られるが、これは観測期間がヤドカリの産卵期で あり、生殖活動が盛んな時期のヤドカリが陸から

海岸に大挙して降りて来たためと考えられる。

図-3(a)および(b)に、宿貝の径が1cm以上のヤド

カリに対し、体の大きさに対する宿貝の大きさ (適合度)の割合を示す。図中の極大から極小ま CひCmCト◎わ。、◎マCmっぺ。【① (凶)熱演軍 宿貝の径(c、) (a)自然海岸 つ武 ■極大 図大 口適 ロ小 国極小 C閂 (凶)蕪転璽 ● QUU2L~ロlヱノリノロリローこ'J、yo四一rvl'U塗ノ足” ̄つ哩旦'」. ̄ 《f》 での区分は、ヤドカ'〕が宿貝の中に退避したと き、宿貝にぴったりに収まったとき「適」とし、 0,bト0.。、● ̄C刊、寺  ̄ ̄ ̄--CUeUSUeOm 宿貝の径(c、) (b)護岸海岸 図-3宿貝の適合状況 。、m oon ト.卸 CoN m.劇 -SOC、<『● ● ●● ■-- ̄ 、 -百ヨー戸=百一一G8(、U、SICⅦCUSlmCO《、0m -●-自然海岸 (計1657匹) -。-護岸海岸 (計378匹) ■ '●

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仲座・津嘉山・牧野・小島・川満:オカヤドカリ類を中心としたコースタル・エコシステムに関する研究 44 ヤドカリの一部が完全に宿貝からはみ出したときを 「極小」として定義した。自然海岸の場合、殆どの サイズのヤドカリに対して50%以上が「適」となっ ている。しかし、人工護岸海岸においては、全般的 に適合度の割合は悪く、体の割には大きな宿貝に 宿っている。また、自然海岸においても、宿貝の径 が1.9cm以上で宿貝の適合度が悪くなり、さらに大き くなると殆どのヤドカリが宿貝から体の殆どがはみ 出した状態となっている。 以上のことから、「自然海岸ではヤドカリの生存 数が高く宿貝が不足状態であり、人工護岸海岸では ある程度成長したヤドカリの生存が悪いため、本来 それらが適合するはずの宿貝がありあまっている状 態となっている」というようなヤドカリの宿事情が 垣間見れる。 図-4に、1998年9月24日から25日にかけて行われた 24時間観測の結果を示す。この観測では、餌の入っ たトラップを仕掛け、それを2時間ごとに回収し、そ の中の固体数を調べた。この場合、目視による調査 とは異なり、サイズに関わらず全てのヤドカリが同 じ条件で調査されることになる。図中には、宿貝の 径が1.0cm以上の固体数の時間変化を示している。自 然海岸の場合、満潮の時間と一致する午後21時頃に 固体数が急激に増え、その後徐々に減少するが再度 朝方の8時頃に増えている。一方、人工護岸海岸の場 合、固体数はトラップを仕掛けた直後に多く、続い て満潮時に増えている。また、朝方の8時にも多く なっている。いずれの海岸でも満潮時に固体数が多 くなっており、幼生の放出活動が夜間の満潮時に行 われることを強く示唆している。また、午前8時頃の 増加は餌探しのための活動によるものと考えられ る。人工護岸海岸でトラップ直後に固体数が多いの は、人工護岸海岸におけるヤドカリの隠れ家が護岸 近くの僅かな茂みで行われており、ヤドカリと餌と の距離が短いことから、餌の匂いに直ちに感応した ものと判断される。 図-2に示す自然海岸で採取されたオカヤドカリは、 約10分間に幅約10,幅で捕らえたものである。この値 から、例えば、夜間の間の約12時間で、海岸幅100m にわたって出現するヤドカリの数を推定すると、1万 2千匹を越えることになる。これが、約6ケ月にも亘 り続くとなると、自然海岸には想像を絶する数のヤ ドカリが生息していることになる。逆に、人工的に このヤドカリの生態系が崩壊されたとするとそれを 中心とするエコシステム崩壊の影響は計り知れない ものとなることが容易に想像される。はじめに述べ たように、沖縄本島を始めとして、南西諸島の海岸 域は道路に囲まれる勢いにある。その規模は、地球 規模での生態系に何らかの影響を及ぼすに十分では なかろうか? 4.護岸材質の違いによるヤドカリの足の把捉力につ いて 津波や高潮などに対する防災対策として何らかの 護岸構造物が必要とされると C① ころは多い。上述のように、 海と陸とを生活圏としている 陸ヤドカリにとって護岸構造 物の建設は致命的となる場合 もある。ここでは、陸ヤドカ リなど海岸小動物に優しい護 岸材質を見出すための緒とし て、ヤドカリが水平床を歩く 際の足の把捉力を調べる。 海岸小動物に優しい護岸 (エココースト〉を建設する に当たっては、生物と護岸と の相性を調べる必要がある。 ヤドカリの把捉力は、ヤドカ リの足が物を掴む際の脚力と 爪と構造物との摩擦力との合 つトつい○m (且)類竺阜 C『○ 17:3019:30213023:30 ~19:30~21:30~2330~1:30 1:30330 ~3:30~530 時間 自然海岸 5308:3011:3014:30 ~8:30~11:30~1430~17:30 (a) ■3.0cm以上 回2.5~2.9cm □2.0~2.4cm ■1.5~19cm 国1.0~1.4cm

R(皀軋終璽

ロ2.5~2.9cm □2.0~2.4cm ■1.5~19cm 国1.0~1.4cm 錫 〃  ̄ 173019:3021:3023:30】:303:305:308:3011:3014:30 ~19:30~21:30~23:30~1:30~3:30~5:30~8:30~11:30~14:30~1730 時間 (b)人工護岸海岸 図-4採取個体数の時刻変化 壷 。-●dbf、 ~,-,-4強 い ̄ごq6.-1ヶ 'q・ハー>寸 営】#純l畠 一一一14.⑪L 自薙 -F志1$⑪ -,~ppi9t> ■■■■■

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■3.0cm以上 回2.5~2.9cm 図2.0~2.4cm ■15~1.9cm

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琉球大学工学部紀要第58号,1999年 45 力として現れる。すなわち把捉力は、ヤドカリが護 岸などの人工構造物を容易に昇降することが可能か どうかの判断基準や、護岸材質の選定及び新たな材 質の開発などに対する重要なファクターの一つとし て考えられる。 把捉力の定量的な評価法として実験では、普通コ ンクリート、ポーラスコンクリー ト、自然石材からなる水平板に、宿 】mWHnp 図-5実験装圏概要 貝に張力計を取り付けたヤドカリを 歩かせ、牽引力を計ることで護岸材 質の違いによる把捉力(ヤドカリの 足の引っ掛かり具合や摩擦力の総計 となる牽引力)を求めた。実験装置 を図-5に示す。 図-6に、把捉力とヤドカリの宿貝 も含めた重量との関係を示す。図中 の直線は、実験値から求めた近似直 線である。把捉力は、ヤドカリの重 量が増すにつれて単調に大きくなる 傾向を示している。材質の違いで は、普通コンクリートの場合が最刎、 なっている。ポーラスコンクリートの に無数の窪みと突起があり、ヤドカリ 引っかかるようになっているため、最 力が発揮されている。しかしながら、 らかな表面を有する自然石の場合でも ×石灰岩 。ポーラス ●普通 一一一一一石灰岩 一一一一ポーラス ーーー----普通

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l0C ヤドカリの全体重(9) 寺 ~ ・ CO ~ さな把捉力と 場合は、表面 の足が自然に も大きな把捉 見た目には滑 ポーラスコン

3旨

◎函○℃ 枳繋黒 C寸○ベ。 )12345678910 クリートの場合と同程度の把捉力がみとめられ、こ れは護岸材質として自然石を用いることの優位性を 示すものである。 ヤドカリの全体重(9) 図-6把捉力とヤドカリの体重の関係 の開発を始め、崩壊したエコシステムの再生法の検 討を行う予定である。 本研究の現地調査には、琉球大学環境建設工学科 水工学研究室の学生の協力を得た。ここに記し、感 謝の意を表します。 5.おわりに 本研究では、海と陸とを共に活動圏とする陸ヤド カリ(国指定天然記念物)を中心に、海岸域でのエ コシステムの検討を行った。研究成果からは、産卵 期における陸ヤドカリの海岸での生息状況が明らか になると共に、人工構造物である護岸の設置が及ぼ す影響を検討した。その結果、陸ヤドカリの生息に とって海~砂浜~陸・植生帯からなるエコシステム が必要であり、普通コンクリートからなる人工護岸 の建設がそのシステムを崩壊させる危険を示すこと ができたと考える。さらに、陸ヤドカリの把捉力に 対する力学的な実験から、護岸材料として天然石の 有用`性を定量的に示すことができた。今後は、ヤド カリの住宅難(適当な宿貝確保の困難さ)の解消法 [参考文献】 [1]土木学会(1994):地球共生時代の土木、土木学会誌別冊 増刊、VOL79-5,pp、128. [2]三宅貞祥(1982):原色日本大型甲殻類図鑑(1)、保育杜 [3】沖縄県教育委員会(1987):あまん、沖縄県天然記念物 調査シリーズ第2,集、pp254. 叉

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