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九州大学大学院人間環境学府

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

被相談者の発問及び相談者の問題に対する親和性が 相談者の体験に及ぼす影響

山村, 鈴奈

九州大学大学院人間環境学府

金子, 有美

九州大学大学院人間環境学府

白濱, あかね

九州大学大学院人間環境学府

五位塚, 和也 他

https://doi.org/10.15017/1911213

出版情報:九州大学総合臨床心理研究. 8, pp.49-60, 2017-03-15. 九州大学大学院人間環境学府附属総 合臨床心理センター

バージョン:

権利関係:

(2)

Bulletin of Center for Clinical Psychology and Human Developent,Kyushu University  Vol.  8, Jj.49‑60. 

被相談者の発問及び相談者の問題に対する親和性が 相談者の体験に及ぼす影響

山 村 鈴 奈 九 丹 、 ; 大 学 大 学 院 人 間 環 境 学 府 / 金 子 有 美 九 州 大 学 大 学 院 人 間 環 境 学 府

白 漬 あ か ね 九 ナM大学大学院人間環境学府/五位塚和協九州大学大学罷入額環竣学務経費院

古賀

聡九州大学大学院人間環境学婿続究箆

要約

本研究は友人への桔談場面において,被相談者からの発関の違いと,相談者の問題への毅和牲が,相談者 に及ぼす相談棒j験を検討することを目的とした。その際,被相談者からの発開として,問題の状況や原因を 問題の京圏に焦点イじする発問である と,問轄における或功体験を探し,解決まで

るf解決講築型発問jの2つを設定した。

感情,開題への認知,

として,問題への義和性が高い場合は,問題解決型発需によっ 象に対して肯定的な影響があった。また,問題への親和殺が罷い場合には,

問題への認知,相手への印象に対して肯定的な影響があった。本研究の意義として,日章生活において友人 から 踏みを相談されたときに,相談者の問題に対する親和性によって発問を変える必要があるという知見を 持たと考えられる。

キーワード: 問題解決,

と目的

な心の問題を抱え 不登校や不本意 な休学,退学をする大学生が増えていることが指 擁されている(文部省高等教育持,

2 0 0 0 )

0 しか しながら,芥

1 1 1

.児玉(

2 0 0 9

)誌,協みを抱える 大学生は多いものの専門家に心理的援助を求めな い大学生が多いと

関して辻,

どの身近な人物へ1

水野{お

0 4

)の研究から

いる。また,

よりも家族や友人な ことが木村・

されている。

中で大学生は多くの龍者と関わるが,

その中でも大学生の友人関孫に関する研究は重視 されている。例えば丸山・今JII

( 2 0 0 1

)は,友人 などへの髄みの自己開示が,相手の受容,共行動,

物質的なサポートをもたらすことによって,スト レ ス を 抵 滅 す る こ と を 示 し て い る む ま た 播 問

( 2 0 0 7

)は友人への自己関宗と友人のサポートが ながることを明ちかにしている。こ

のことから友人間での援助が,ストレス

の感情に影響を与え,協みの深刻イヒを防ぐことに ると考えられる。

友人への相談には多くの目的が考えられるが,

その目的の

l

っとして問題の解決があるく高議,

2 0 1 3 )  

0 問題を解決に導くアブローチとして代表

2

つあるが,

l

つは相談者の問題 の本質や康問に碁づいた解決の百標を設定する 問題解決アプ口…ヂ(廷epworth,Rooney 

Larsen, 

2 0 0 2

)である。 と 知の問題に集点を当てることで,そこに金まれる

感情や

i

書緒の問題,

うと定義している。

このことから,問題解決アブ口…チは,問題の原 因に焦点を当てることによって,問題について漆 くとらえ寵すことができると考えられる。もう

1

つのアプ口…チとして,相談者が自分臨身の力量 や成功体験をもとにして自分の解決法を作る解決

(3)

50 

九州大学総合臨床心理研究 8 2016

構築アプローチ(de Shazer. 1986)が挙げられる。

市川ら(2004)は,解決焦点化アプローチは,「す でにある解決」に焦点を当てて,解決を引き出し ながら,その人の自信,努力する力,乗り越えて いく意欲,困難に耐えていく気力など,明るい人 生の展望や希望を持てるようにしていく方法であ ると述べている。このことから,問題にとらわれ ることなく,解決方法を見つけることを助けると 考えられる。以上よか発問の違いによって,相 談者の体験や効果も異なるものになると考えられ る。よって本研究では「問題の状況や原因を聞い,

問題の原因に焦点化する発問」を「問題解決型発 問」,「問題における成功体験を探し,解決までの 過程に焦点化する発問」を「解決構築型発問」と 定義する。

また相談において,相談者の問題に対する意識 性や切迫感が,問題への認知に影響していると推 察される。例えば永井(2010)は,個人の問題の 深刻さや症状によって その個人が抱える援助 ニーズは異なると指摘している。このことから問 題に対する親和性も相談者の相談体験に影響を及 ぼすと考えられる。

さらに,被相談者から異なる発聞をされたこと に対して,相談者がどのような相談体験をするか を検討することも重要であると考えるO 福島・土 田・森・松本・鈴木(2007)は,研修の中で模擬 カウンセリングを行い クライエント体験を自分 の問題への積極的態度,カウンセラーへの信頼感 に分類した。また先ほども述べたが,福岡(2007) の論のように,相談体験が相談者の感情に影響を 与える可能性も示唆されている。このことから,

本研究では相談者の相談体験色相談者の感情,

問題への認知,被相談者への印象の三つの観点か ら検討していきたいと考える。

以上より本研究では,架空の相談場面を作成し

「問題解決型発問」と「解決構築型発問」という 被相談者の発問の違いや,相談者の問題に対する 親和性によって,相談者の体験,すなわち相談者

の感情,問題への認知,被相談者への印象に及ぼ す影響を検討することを目的とする。

Il.方法 1. 対象者

大学や専門学校に在籍する240名に調査を行い,

回答に不備のあった21名を分析から除外し, 219 名を分析対象者とした。内訳はA大学の教育学 部2名,法学部40名,経済学部2名,文学部

2

名,

B

専門学校生106名

C

専門学校生60名であった。

2 .

調査手続き

2013年12月の中旬に実施した。一人の対象者に つき配布した質問紙は問題解決型発聞が記載され た質問紙か,解決構築型発聞が記載された質問紙 のどちらか一種類であった。各学校の講義後に講 師または調査者が調査を行い 調査協力者に研究 の目的と回答の中断は自由であることを説明し データの使用について了承を得た。最終的に,問 題解決型発問の質問紙を105部,解決構築型発問 の質問紙を

1 1 4

部回収した。

3 .

質問紙の構成

)相談場面 「明日友人グループと旅行に行くこ とになったが,その中に苦手な人物が一人いて,

その人と明日どのように関わればいいか悩んでい る。」という趣旨の架空の相談場面を4コマ漫画 形式で設定した。主人公が友人のAに悩みを相 談するというストーリーで,対象者には主人公が 対象者自身であることを教示した。相談場面での Aの発問に対する応答について,空白の吹き出し に自由記述で回答を求めた(Figurel。)

質問紙は2種類あり,一方は,被相談者が「ど ういう時に苦手だと思うの?」など問題解決型発 問を行う架空の相談場面が提示された質問紙で あった。他方は,被相談者が「あまり気にせずに 話せた時とかない?」など解決構築型発問を行う 架空の相談場面が提示された質問紙であった

(Tablel。)

2

)問題に対する親和性 質問紙上に設定された

(4)

4

)際題への認知尺度悩みを相談したことによ る対象者の問題への認知の在り方を灘定するため,

猿告に作成した18項目に5件法で問答を求めた0

5)被相談者への印象尺震櫨みを相談したこと によって対象者が持った設相談者への印象を溺定

るため,カウンセラーの印象尺度

2 0 0 1

)を参考に作成した

1 2

環日に

5

件法で自答を 求めた。

51 

被棺談者の発関及び相談者の問題に対する親和性が相談者のf本験に及;ます影響 山村・金子・自譲・五f立塚・古賀

移§f馨とお。

どういう時巴苦手躍と 恕ろぬ?

E

結果

1.問題への認知尺度の因子分析

問題への諒知に関する18項目について因子分析 を行ったむ題予の抽出には最尤法を用いた合理子 数は罵手

f i

1

以上の悲単を設け,プロマックス聞 を行った。因子負荷量が4.0未溝を示した, も しくは複数の因子に3.50以上の負荷量を示した3 項自を削除して再震分析にかけた結果, 3因子が 抽出された。盟子分析結果をTableZに示すc

1

因子は架空の相談場面を体験したことによち,

対象者が悩みの解決に対して希望を持ったことを 震間紙iこおける復想的相談場面の例

して,対象者の問題への親和性を測定す

f

あなたはこの問題についてどの程度身 近に感じますか

J

という開いじ5件法で回答を求 Figure 1 

るた

めた。

3)感惜体験尺度協みを相談したことによる対 象者の感情捧験を測定するため,気分調査票(坂

・諸井・熊野・嫡

r I・  J l l

原・出本・野村・末松,

1 9 9 4

)吾参考に作成した

1 6

項吾に

5

吐 占 −

−6M u 6 5 4 4  

℃北札凶Fhdp

v p n v rυFhv

土 ハ

υ幽 っ

ω d r D 1 4 4

AH

VG

D PnMDOMD9143

問題への認知尺度についてお鶴子分析結果

Fl 

.72 

5 .54 

Table 2 

l因子:解決への希望( a  解決策を見つけた 解 決iニ対するやる会えがおた 10  絡みが解決するような登記がした

気持ちが明るくなった 14  問委譲告を終決した後のこと

鐙擦が時専務になった 15  言者向きに取り組もうと思った

自分が気づいていない問題に気づいた 92) 

.62 

.52 

07  .74 

02 

.07 約をすべきか分からなくなった

12  .09  .63  .42 

.04  F2 

F3 

(5)

52 

九州大学総合臨床心理研究第8 2016

Tabl 3 感情体験尺度についての因子分析結果

l因 子 疲 労 (82)  Fl  F2  F3  共 通 性 13  ぐったりした気分だ .77  .02  .01  57 14  むなしいと感じた .77  .03 .02 .54  疲れを感じた .66  .03  .04 .39  つらい気持ちになった 66 10  .07  .50  沈んだ気持ちになった .61  .03  .01 .35  2因 子 安 堵 (=. 85)  Fl  F2  F3  共 通 性

12  気持ちが軽くなった 10  .83  .10  .62  16  ほっとした 04 .79  12  .68  穏やかな気持ちになった .03 .74  .01 .55  頭の中がすっきりした .01 .70  .04  .50  3因 子 動 揺 ( a=. 67)  Fl  F2  F3  共 通 性

焦ってしまった .03  .03  .73  .35  緊張した .06 .08  .58  19  15  戸惑いを感じた .21  .14 .55  .37 

因子間相関 Fl  .13 .62 

F2  18 

F3 

示す因子と解釈された。そこで,この因子を「解 決への希望」因子(α=

. 9 2

)と命名した。第

2

因 子は架空の相談場面を体験したことで,対象者が 自分自身の悩みについて振り返り,改めて問題に ついて考えたことを示す因子と解釈された。そこ で,この因子を「問題に対する内省」因子(α=

.72)と命名した。第 3因子は架空の相談場面を 体験したことで,対象者が悩みを解決できそうに ないと感じたことを示す因子と解釈された。そこ で,この因子を「解決に対する困難感」因子(α

=  . 6 3

)と命名した。

2.感情体験尺度の因子分析

感情体験に関する

1 6

項目について因子分析を 行った。因子の抽出には最尤法を用いた。因子数 は固有値

1

以上の基準を設け,プロマックス回転 を行った。因子負荷量が

4 . 0

未満を示した, もし くは複数の因子に3.50以上の負荷量を示した 4項 目を削除して再度分析にかけた結果, 3因子が抽 出された。因子分析結果をTable

3

に示す。第

l

因子は相談場面を体験したことによって生じる疲 労感を表す因子と解釈された。そこで,この因子 を「疲労」因子(α=.82)と命名した。第 2因子 は相談場面を体験したことによって生じる安心感 を表す因子と解釈された。そこで,この因子を「安 堵」因子(α=.85)と命名した。第 3因子は相談 場面を体験したことによって生じる焦燥感や困惑

Table 4 相談相手への印象尺度についての因子分析結果

1因 子 ・ 共 感 的 態 度 比 = .90)  Fl  F2  共 通 性 私の話の内容を理解しようとしてくれる .90  .10  .72 

私と一緒になって考えようとしてくれる .79  .01 .62  私を人として認め,尊重してくれる .74  .04 .51  私の感情を理解しようとしてくれる .72  18  72 私の役に立とうとしてくれる .72  16  .69  第 2因 子 自 然 な 態 度 ( 日 = .87)  Fl  F2  共 通 性

10  わざとらしさがない .12  1.08  .99  12  自然な .27  .62  .67 

因子問中日関 Fl  .64  F2 

を表す因子と解釈された。そこで,この因子を「動 揺」因子(α=.75)と命名した。

3 .

被相談者への印象尺度の因子分析

被相談者への印象に関する

1 2

項目について因子 分析を行った。因子の抽出には最尤法を用いた。

因子数は固有値

l

以上の基準を設け,プロマック ス回転を行った。因子負荷量が

4 . 0

未満を示した,

もしくは複数の因子に3.50以上の負荷量を示した 5項目を削除して再度分析にかけた結果, 2因子 が抽出された。因子分析結果をTable4に示す。

l

因子は被相談者に尊重,共感されていると対 象者が感じたことを示す因子と解釈された。そこ で,この因子を「共感的態度」因子( α=

. 9 0

)と 命名した。第

2

因子は被相談者が自然な態度で相 談に乗ってくれたと対象者が感じたことを示す因 子と解釈された。そこで この因子を「自然な態 度」因子(α=

. 8 7

)と命名した。

4 .

発問の違いと問題に対する親和性における問 題への認知尺度得点、

発問の違いと問題に対する親和性が相談者の問 題への認知にどのように関わるかを検討した。問 題に対する親和性については,有効回答者の親和 性の項目の得点のうち上位30%を問題との距離が 近い親和性高群とし有効回答者のうち下位30%

を問題との距離が遠い親和性低群とした。発問と 問題に対する親和性を要因として,相談者の問題 への認知に関して,各因子において2要因の分散 分析を行った。分散分析結果をTable5に示す。

分散分析の結果,「解決への希望」因子 (Fc1.112) 

7.27, p < .01)と「問題に対する内省」因子 (Fc1.11si 

(6)

53 

被相談者の発関及び指謀者の問題に対する親和性カ支持援者の体験に及ぼす影響 山村・金子・出演・五位壕・古賀

発問の遣いと問題への親和性条件による各尺度得点、の平規儀と標準穣差および分散分析結果(問題への翠知)

問題解決型発閥 解決構築雪量発問 分散分析

高群 高群 低群 発話条件 緩和i生条件

2.7 2.34 2.42  2.82 

r a

るle5 

因子 交互作用

解決への希望 10 .03  7.27 ••

12.60" 

1.89  .25 

問題に対する内省

解決に対する盟難感

疲労

安堵

動揺

**: P .01 

*:p<05, 

十:p<.10

・骨・問題解決

型発隠

欄・ー解決構築 きさ発照 3.0 

2.5 

解決構築型発問が問題解決型発問よりも

く(F<w5) 

=  4 . 9 7 ,  

p

. 0 5

),親和性高群に おいては問題解決型発問が解決構築嬰発関よりも た(Fc1.115) 

=  7 . 7 3 ,  

< . 0 1

。) また,親和性の単純主効果検定の結果,問題解決 裂発聞においては親和性高群が親和性低群よりも 有意に得点が高かった(Fo.115) 

=  1 1 . 2 0 ,  

p < 

. 0 1

。)

グラフをFigure3 

5 .

発問の違いと問題に対する親和牲における感 構体験尺度得点

次に発問の違いと問題に対する親和性が相談 どのように関わるかを験討した。発問 る親和性を要躍として,相談者の感 情体験に関して各忠子において2要因の分散分析 を行った。分散分析結果をTable6に示すむ分散 分析の結果,「安堵

J

因子においてのみ,

=  1 2 . 6 0 ,  

β1

)において,

対する窺和裂の交正作用が有意であっ

まず,「解決への希望

J

国子について,発問の 単純主効果検定の結果,親和性器群において,解

よりも p < 

. 0 5

)。しかし

は見られなかっ また,毅和性の単純主効果検定の結果,問題解決 型発関においては,親和性高群が親和性低群より

も有意に得点が高い領向が見ちれ(Fc1.n2l 

=  3 . 8 5 ,  

p < .10),解決構築型発問においては親和性器群

が親和性高群よ与も宥意に得点が高い餓向が晃ら れた(F2) 立

3 . 4 2

p< .10)。グラブを

と問題に

の 2 

f

問題に対する内省

J

由子について,

の単純主効果検定の結果,義組性器群においては

4.0 

3.5

(J)  2.0

f

*fg群:解決>低群:問題,*再認群:問題>高群:解決,料問懇:務総>問題−低群

Figure 3 発問と問題への親和性別の爵翠に対する内省因子

(7)

2016  8巻 九州大学総合臨喪心理研究

54 

各尺震得点の平掲憶と標準偏差および分散合経結果{椙談相手の印象)

問題解決議発問 解決構築灘発問 分散分析

高群 低春季 高群 低 群 発籍条件 親和性条件

3.67  3.20  3.17  3.39  .18  .19  .19  .15  3.52  3.12  20 3.32 

Table 7 

交瓦作用 3.74

.50  .80 

共語義的懇度

自然な態度

il・岬問題解決 裂発問

.. 一解決構築 型発問

ム 守

4.0 

3.5

3.0 :;y: 

2.5 2.0 

*: pくむ5, 十・p<.10

惹ト輔義語慾議準決 4. 0 

3.  5  3. 0 

安堵の平均値

高君草 紙若草

÷高群:問題>潟議事:解決,+問題:高群>問題:低群

発問と問題への緯和性別の共感的態護鶴子

十・ぃ附解決構築 型発問

高群

象言言選挙:滞緩二>去懇意平:解決,十低群・解決>係者手:問綴,*鈴懸:高群>問題:低群

発関と問題への親和性別の安堵扇子

2. 5 

2. 0 

と問題に対する親和性の交互作用

あった(Fcu川 口7.45,p 

.01)。発問の単純主効 果検定の結果,親和性誌群において

発関が問題解決型発問よちも (F cuis> 

3.49, p < .05。)

は問題解決裂発問が解決構築型発問よ与も有意に られた(Fc1.11sl 

4.55, p 

.10)。また親和性の単純主効果検定の結果,

においては親和性高群が親和性低群よ りも省意に得点が高かった(Fc1.11sl = 3.29, p

.05)。しかし解決構築型発問における高群と低 群の関に宥窓会産は見られなかった。グラブを

‑0・珊務題解 決型発 岡.園田発事主提携 築型発

平行

Figure 5 

4.0  3.5 j 3.0 (1)  )J2.5 

2.

Figure 4 

泌総 低群

*高群:問題>高護学:解決,効率決:低群>解決:高群

発問と問題への親和性裂の自然fJ:態度因子

解決型発問が解決構築型発問よちも

高い傾向が見られた(Fc1.11sl 3.69,p < .10)。また,

親和性の単純主効果検定の結果 問題解決型発需 においては親和性高群が親和性低群よりも得点が 宥意に高い慣向が見られた (Fc1.11s) 

.10)。グラフをFigure5に示す。 次に

因子において発問の違いと問題の親和性の 交互作患が有意で、あった (FcuisJ 

4.76, p 

.05) 

発問の単純主効果検定の結果,

ては問題解決裂発関が解決講築型発問よりも有意 た(Fo.usJ 

5.44, p 

.05)。ま 親和性の単純主効果検定の結果,解決帯築型発 問 に お い て は 親 和 性 低 群 が 親 和 性 高 群 よ り も

に得点が高い額向が見られた(Fc1.11sJ 3.29, p.10)。グラフをFigure6に示す。

Figure 6 

3.28, p < 

It, 

Figure 4 

6 .

発問の違いと問題に対する親和性における被 相談者への印象尺度得点

と問題に対する親和註が被相談者へ どのように関わるかを検討した。発問の と問題の親和性を嬰困として,被相談者への 印象に関して各詔子において2要因の分散分析を 行った。分散分析の結果をTable7に示す。分散 分析の結果,「共感的議震j昌子において発問の 違いと問題に対する親和性の交互作用に有意な傾 向が見ちれた(Fc1.nsl 

3.7 4, p < .1併合発問の単 純主効果検定の結果

(8)

山村・金子・出翼・五f立塚・古賀 被棺談者の発爵友び棒読者の問題に対する親和牲が相談者の葬験に及ぼす影響 55 

w .

考察

1. 発問及び問題に対する義和性と問題への認知 関する考察

発問及び問題に対する親和性と問題への認知の 関捺に合いて,問題に対する親和性が高い入は,

をされることで解決への希望を見 いだすのに対し問題に対する親和設が抵い入は,

解決構築型発問をされることで解決への希望を見 いだすことが明らかになった。

親和性の違いについて見てみると,親和性が器

いことが示されている。これは親和性が{まい場合 法,開題の例外や目標など問題に産窟しない発問 をされることによって 問題を寵視することなく 解決策を講じることができ 問題を解決できたと 感じやすかったかちではないかと考えられるc こ れは市JIIらな∞引の論とも一致する。

親和設が高い場合解決への希望の感じやすさに 関しては有意傾向のみが示されたG このことから,

親和性が高い場合に

i

え臨身の内面にある悩みに よって解決の方法を患い 諮むため,既にある の中から解決の方法を考える方が比較的解決への 希望を感じやすかった可能性が推察される。また 発需の違いについて見てみると,

においては,親和性が高い方が有意に解決への希 を感じやすいことが不されたむこれは親和性が

問題の康国や開題が起こっ

く,解決の糸口を たからではないかと推測されるむ 次 に 問 題 に 対 す る

をされることで自 内省するの に対し,問題に対する親和性が偉い入は,解決構 築型発問をされることで需題を内省することが明

らかになっ

これ辻解決構築型発問 して,

と関 と距離を取っ

に開題について考えることができた からではないかと考える。これは,現在や過去の 援にある解決について尋ねられるとき,今までク ライエントの意識の瞬に追いやられていた出来事 が意味をもったものとして浮上し,問題に満ちた とは異なった新たな物語が構築されるという

(2006)の論からも推察される。

性が高い場合に問題解決型発関の得点が有意に いのは,販困や感情を問う

況や感情を整理しやすく,

によって自分の状 を内省しやすく なったからではごといかと患われる。これは坂野

( 1 9 9 5

)の論からも考えられる。また,発問の違 いについて克てみると 問題解決型発問において 親和性が高い方が有意に問題を撮り返ゥたと じることが示された。このことから,親和性が

とによって,被験者が自分自身の問題を して, 自

ら詳細に問題を譲ち返った可能性が示唆される。

2 .

発陪及が問題

i

こ対する親和性と感情体験尺度 に寵する

問題に対する親和性と感

i

育との関採について,

開題に対する親和性が高い入辻,

る をされることで ることが嬰らかになっ

について見でみると,親和性が低 い場合では解決構築型発関の得点が有意に高いこ とが示されている。これほ義和投カ吋

f t

い場合,対 象者にとっては解決構築型発問の方が解決策をイ

メージがしやすく と推察されるむ

に対し

じられたのではないか 親和性が高い場合比

ことから,問題についての認知や惑稽を整理する ような問親分析型発問をされることで,自らの内 面を聞いてもらったという安堵の感情を得られた 可能性が為ると考えられる。これは友人のサポー トが感需改警につながるという福岡位007)の論 とも一致するs次に発問の違いについて見てみる

(9)

56  九州大学総合臨床心理研究第8 2016

と,問題解決型発問では,親和性が高い場合に有 意に安堵を感じやすいことが示された。これは親 和性が高い方が,問題解決型発問のような感情に 焦点化した質問に対して答えやすく,感情を表出 したことで安堵を感じたからではないかと推測さ れる。一方で,解決構築型発問では親和性の違い による有意差は出てこなかった。これは,親和性 高群においては, 目標やこれからの行動について 考えていても,その方法で果たしてうまくいくの だろうかという不安が強く また親和性低群にお いても,問題と自分との関連が薄いため,解決す るための方法や目標を見つけることが難しいため,

安堵を感じにくかったのではないかと推察される。

3 .

発問及び問題に対する親和性と被相談者への 印象尺度に関する考察

発問や問題に対する親和性と被相談者への印象 に関して,問題に対する親和性が高い人は問題解 決型発問によって相手が共感的であると思うのに 対し,問題に対する親和性が低い人は解決構築型 発問によって相手が共感的であると思うことが明

らかになった。

被相談者への印象尺度の第二因子が, 2項目で 構成されていることについて少し考察しておきた い。本研究では,質問紙による応答では悩みを聞 いてもらっていると感じにくいという研究の限界 があることを踏まえた上で 第二因子の α係 数 が.80以上であることや,プロマックス回転のため,

因子負荷量が

1 . 0

を超えても問題が無いこと,先 行研究を踏まえた上で 第二因子の2項目だけが 他の項目と明らかに異質であることなどから,第 二因子を独立させて扱うこととした。また2因子 構造による二要因分散分析を行った結果,親和性 高群で有意差が出ていることから,安定した結果 が得られていると考えられる。

親和性の違いについて見てみると,親和性が高 いと,問題解決型発問の得点が有意に高いことが 示されている。これは 問題への意識や自身の感 情なども尋ねられる問題解決型発問によって,自

分の問題に対する感情に被相談者が共感してくれ たと感じやすかった可能性があると推察される。

次に,発問の違いについて見てみると,問題解決 型発問では親和性が高い方が被相談者が共感し てくれたと感じる傾向があることが分かつた。こ れは,問題解決型発問には自分の感情や状況など,

相談者を苦しめている問題の原因についての質問 があるため,親和性が高い場合には相談者が自分 の感情を理解しようとしてくれていると感じたか らではないかと思われる。一方で親和性が低い場 合,自分の問題の実感がないため,ただ自分の中 の要因について問い詰められているように感じた 可能性がある。また 解決構築型発問では親和性 高群と親和性低群の得点の聞に有意な差はなかっ た。これは,解決構築型発問では相談者の感情に 焦点をあてた質問をしないため,ネ皮相談者が相談 者の気持ちに共感してくれていると感じにくかっ たからであると推測される。

次に,発問や問題に対する親和性と被相談者へ の印象に関して,問題に対する親和性が高い人ほ ど,問題解決型発問をされることで相手が自然な 態度で話を聞いてくれると感じるのに対し,問題 に対する親和性が低い人は解決構築型発問をされ ることで,相手が自然な態度をとっていると感じ る{頃向があることが明らかになった。

親和性の違いについて見てみると,親和性が高 い場合,問題の要因や状況について相談したいと 考えている可能性が高いと考えられる。そのため,

問題や状況に焦点化した問題解決型発問のような 質問態度に対して,より自然さを感じたと推察さ れる。次に発問の違いについて見てみると,解決 構築型発問では問題への親和性が高い場合,被相 談者の態度を不自然だと感じる傾向があった。こ のことから親和性が高い場合は,相談では原因を 聞かれる方が自然だと考えていると推察されるた め,解決構築型発問をされたことで不自然さを感

じた可能性が示唆された。

(10)

山村・金子・自譲・五位塚・古賀 被相談者の発需友(J拐談者の間関に対する親和 設が語誤審の体験iこ友iます影響

57 

V

事まとめと課題

誌上より,本研究の結果を総合すると,

の問題への親和性が高い場合は問題状況や問題と なる認知や状況を尋ねる発問によって,

相手への印象に対して肯定的な影響 があることが示された。また 相談者の需題への 親和性が恐い場合は,問題の部外や解決までの過 程に焦点化する発問によって 関麓への認知や感 相手への印象に対して肯定的な影響があるこ とが示されたむそのため 本研究においては らの発問が勢果的かというよりも,

よって発問を使い分ける必要があると ちれた。これらのことから,友人との相談場 菌において,友人が悩みに対しての距離を取るこ とが難しい場合には問題解決裂発問を,比較的距 離が取れている場合は解決構築型発問をすること が望ましいのではないかと推察されるs

しかしながら,本研究の方法では,

る親和性が低い場合,相手への印象に かった。このことから紙諸に袈想相談場面

し問答してもらう形式で;え相手の印象をイメ ジすることが難しかったと

象者がより捧験を感 などの実験法ぷよる調査も

詣 辞

られる。今後は対 口ールプレイ ると患われる。

本稿を執筆するにあたち,費関紙に協力してく

文献 芥

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くお礼申し上げま

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59

The influence of the type of questions asked by the adviser and the seriousness of the problem on the experiences of person seeking counsel

Suzuna YAMAMURA, Yumi KANEKO, Akane SHIRAHAMA Graduate School of Human-Environment Studies, Kyushu University

Kazuya GOITSUKA, Satoshi KOGA

Faculty of Human-Environment Studies, Kyushu University

The purpose of the current research was to consider the influence of the type of questions asked by an adviser, and the seriousness of the problem, on experiences of person who seeking advice through talking to a friend. This study examined two types of questions, namely problem solving and solution building questions. A total of 219 students in a university and two professional schools completed a questionnaire. The results of a two-factors analysis of variance found that, problem-solving questions have an effect on students with problems that are more serious, However, solution-building questions had an effect on students with problem that are less serious. The results suggest that, when conducting informal counseling with friends, the type of questions asked should vary depending on the seriousness of the problem. This study will be useful in enhancing friendships in universities.

Keywords: counselling, problem solving, solution building

参照

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