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NTMobile における SIP 通信の実現手法

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Academic year: 2021

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(1)

NTMobile

における

SIP

通信の実現手法

080430109 吉岡 正裕

渡邊研究室

1. はじめに

いつでもどこからでもネットワークにアクセスすること ができるユビキタスネットワークの需要が広まっている.

しかし,マルチメディア通信で近年頻繁に使用されるSIP

Session Initiation Protocol)は,IPペイロード部分にIP アドレスが記載されているアプリケーションであるため,通 信経路上にNATが(Network Address Translation)のよ うなアドレス変換装置があると利用できない.

 我々は,あらゆるネットワーク環境での接続を可能とす NTMobileNetwork Traversal with Mobility[1]を提 案している.本稿ではNTMobileにアドレス変換型リレー サーバRSTRelay Server Transparent)を導入すること により,NATを経由するネットワークにおいてSIPを利用 できる手法を提案する.

2. NTMobile

NTMobileでは,NTMobileの機能を持つNTM端末,

NTM端末に動作指示を行うDCDirection Coordinator 必要に応じてパケットを中継するRSRelay Server)があ る.DCDynamic DNSの機能を含み,グローバルネット ワーク上に設置されている.NATやルータは,NTMobile に関わる昨日を一切持つ必要がない.NTMobileは,各端末 に対して仮想IPアドレスを割り当て,実際の通信を実IP アドレスによるUDPトンネルで実現する.

NTM端末は立ち上げ時,DCに対して登録処理を行う.

この時,NTM端末にはDCから重複しない仮想IPアド レスが割り当てられる.NTM端末のアプリケーションは 仮想IPアドレスのみを意識する.名前解決をトリガーとし て,NTM端末はDCの指示に従ってUDPトンネルを構築 し,実IPアドレスによる経路を構築する.この方法により,

NTM端末間の通信経路上にNATが存在しても確実に通信 経路を確立できる.

3. 提案方式

提案方式のシーケンスを図1に示す.MNNTM端末 でプライベート空間に,GNは一般端末でグローバル空間に 存在するものとする.

3. 1 起動時の経路確立

MNは起動時にDCMNに対して自身の実IPアドレスを 登録する.この時,DCMNに対して仮想IPアドレスと共 RSTの実アドレスのうちの1つを通知する.MNはこれ を受けてRSTとの間に常時トンネルを構築する.そこで,

DCMNに指示要求を行い,DCMNの指示に従ってRSTとの 間にトンネルを構築する.このトンネルは以後も確率したま まとしておく.ここで,RSTとはアドレス変換を行わない タイプのRSである.RSTは複数の実IPアドレスを所持

GN SIPMN

200 OK

ACK RTP

INVITE INVITE

200 OK

ACK SIPGN

INVITE

200 OK

ACK DNS Name Resolution (SIPMN

DNSMN

INVITE

200 OK

ACK

RTP

MN NAT

RST Registration Request

DCMN

Tunnel Request Direction Response

Relay Direction

Route Direction

Tunnel Response Registration Response

Direction Request

SIP

1: 提案方式のシーケンス

しており,そのうち1つをNTM端末の仮想アドレスとし て割り当てる.

これにより,一般端末はMNをあたかもグローバル上に 存在するSIP端末として認識することができる.

3. 2 SIP通信の実現

SIPサーバSIPMNSIPGNには必要な情報がすでに登 録してあるものとする.今回はMNからGNに対して通信 を開始した場合である.

DNSクエリにてSIPサーバの名前解決を終了した後,

MNは構築してあったトンネルを通してSIPメッセージの やり取りを開始する.MNRST間はトンネル通信とな るが,RSTGN間は通常のSIP通信と全く同様となる.

GNから見ると,RSTの位置にMNが存在しているかのよ うにみえる.

ここで,SIP通信の最後のメッセージACKが終了し,

RTPReal-time Transport Protocol)によるエンドエン ド通信に切り替わる時,MNGN宛てのルーティングテー ブルが生成されていないため,パケットがRSTに届かない という問題が発生する.この課題を解決するためにGN てのパケットをRSTに転送するという設定を加えた.

以上の処理により,通信経路上にNATが介在してもRST を用いることによってSIP通信が可能となる.

4. むすび

NTMobileにおけるSIP通信を実現した場合について検 討を行った.今後は,実装と動作検証を行う.

参考文献

[1] 鈴木秀和,他:NTMobileにおける相互接続の確立手法 と実装,DICOMO論文集,pp. 1339-1348 (2011).

(2)

名城大学 理工学部 情報工学科

渡邊研究室

080430109 吉岡正裕

(3)

研究背景

• IPv4 のアドレス枯渇

 インターネットの発展に伴い, IPv4 グローバル IP アドレスが不 足している

 組織や家庭のネットワークはプライベートアドレスが一般的

 NAT を介した通信が必須

• SIP の普及

 IP 電話のダイヤルとして使用されている

 今後重要なプロトコルとして注目されている

 NAT を通過することができない

2 NTMobile

を用いた

SIP

通信の実現手法

NAT

Network Address Transration

*:本稿ではNAPTまたはIPマスカレードを含めてNATと呼ぶ

SIP が NAT を通過できると有用である

(4)

SIP について

• SIP ( Session Initiation Protocol )とは

通信の開始,通信の切断を行うために利用するプロトコルで,

主に IP 電話やマルチメディア会議などに利用されている

SIP対応パソコン SIPの手順でセッションを確立

SIP対応電話機

IP網

(インターネット)

IP電話など通信開始

(5)

SIP 基本シーケンス

• SIP メッセージにおいて,メディアセッションで使用するポート 番号を交換する

NTMobile

を用いた

SIP

通信の実現手法

4

UA:User Agent

RTP:Real-time Transport Protocol リアルタイム・データ転送プロトコル

UA1 SIP Server A SIP Server B UA2

URI:URI1 IP:G1 URI:URI2 IP:G2

dst:G2:d2

dst:G1:s2

INVITE:URI2,G1:s1 INVITE:URI2,G1:s1 INVITE:URI2,G1:s1 200 OK:G2:d2 200 OK:G2:d2

200 OK:G2:d2

ACK ACK ACK

RTP

RTP

(6)

SIP が NAT 通らない理由

• NAT 越え問題

NAT 外部から内側に向けて通信を開始できない

→ 通常の NTMobile の動作で解決可能

• メッセージ内に IP アドレス・ポート番号が含まれている

NAT を通過した際, IP ヘッダ部分と IP ペイロード部分のそれぞれに 記載されている IP アドレスに不整合が生じる

→NTMobile においても工夫を要する

(7)

NTMobile* について

• NTMobile(Network Traversal with Mobility) とは

 端末を一意に識別する仮想アドレスを用いて,全てのパ ケットを実 IP アドレスでカプセル化して通信を行うことによ り,実 IP アドレスの変化を隠蔽することができる

→NAT に改造を加えずに実現が可能

6 NTMobile

を用いた

SIP

通信の実現手法

*:鈴木秀和,他 :NTMobileにおける相互接続性の確立手法と実装 DICOMO2011 論文集,pp.1339-1348,2011

NAT 越えと移動透過性を同時に実現することができる

(8)

NTMobile の概要図

DC

RS

NTM Node

NTM Node

RS

NTM Node NAT Router NAT Router

Wi-Fi

General Server

DC:Direction Coordinator RS:Relay Server

仮想 IP アドレスの配布,経路指示を行う

異なる NAT 配下間や一般端末 との通信時にパケットの中継

を行う

(9)

NTMobile における SIP 通信の課題

• 通常の NTMobile で使用される RS の特徴

 受信したパケットのカプセル化・デカプセル化を行う

 送信元アドレスを RS のアドレスに変換する

→IP ヘッダ部分と IP ペイロード部分のそれぞれに記載されている IP アドレスの相違の問題を解決できない

NTMobile

を用いた

SIP

通信の実現手法

8

アドレス変換を行わない RS の導入

(10)

アドレス無変換型リレーサーバ RST

• RST ( Relay Server Transparent Type )

 アドレス変換を行わない RS であり,受信したパケットをカプセル 化・デカプセル化をのみを行う

 RST は複数の実 IP アドレスを保持しており, NTM 端末に割り当て る。

→NTM端末は仮想 IP アドレスとして RST から割り当てられた IP アドレス

を使用する

(11)

アドレス無変換型リレーサーバ RST

• NTM 端末はあらかじめ RST とトンネルを構築しておく

• 一般端末は通信相手をグローバル空間にいると認識する

NTMobile

を用いた

SIP

通信の実現手法

10

RIP:実IPアドレス VIP:仮想IPアドレス

MN NAT RST GN

NTMobile

RIP

NAT

RIP

RST

RIP

RST

RIP

GN

RIP

MN

RIP

RST

RIP

RST

RIP

CN

RIP

RST

RIP

GN

NATによるアドレス変換 RSTによるカプセル化・デカプセル化処理

UDPトンネル

RIP:RIPMN

VIP:RIPRST RIP:RIPGN

外側IPヘッダ 元IPヘッダ RIP:RIPRST

(12)

提案方式 1/3 :環境

• NTMobile 対応端末: MN

• 使用する SIP サーバ SIP MN と SIP GN はそれぞれの端末情報 をすでに登録してあるものとする

• NAT 配下にある MN からグローバル空間の一般端末 GN に向 けて通信を開始する

• SIP 通信開始前に, MN は RST とトンネルを構築する

MN NAT RST DNS

MN

SIP

MN

SIP

GN

GN

NTMobile

DC

MN

(13)

提案方式 2/3 :事前準備

• MN は通信開始前に RST との間に UDP トンネルを構築する

12 NTMobile

を用いた

SIP

通信の実現手法

経路指示要求

トンネル構築 経路指示

MN NAT DC

MN

RST

NTMobile

UDP Tunnel Direction Request

Relay Direction Direction Response Route Direction

Tunnel Request

Tunnel Response

(14)

提案方式 3/3 : SIP メッセージ処理

• 構築した UDP トンネルを用いて SIP メッセージのやり取りを行う

• GN は通信相手をグローバル空間の端末と認識する

MN NAT GN

SIPMN

RST SIPGN

DNS Name Resolution (SIPMN

DNSMN

INVITE

200 OK

ACK

RTP NTMobile

INVITE INVITE INVITE

200 OK 200 OK 200 OK

ACK ACK ACK

(15)

むすび

• NTMobile においてアドレス無変換型リレーサーバ RST を用い ることにより, SIP の NAT 越え通信の検討を行った

• 今後は,実装と評価を行っていく

14 NTMobile

を用いた

SIP

通信の実現手法

参照

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