厚生労働科学研究補助金 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業
(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業)
分担研究報告書
蚊媒介性ウイルスの鑑別検査法の開発
全 lineage をカバーするウエストナイルウイルス遺伝子検出法の開発
所 属 国立感染症研究所ウイルス第一部 研究分担者 田島茂
A.研究目的
ウエストナイルウイルス感染症(ウエストナイル熱・
ウエストナイル脳炎)は北米,ヨーロッパ,北・中央ア フリカ,インドなどで患者が発生している蚊媒介性ウ イルス感染症である.米国では 1999 年にウイルスが 侵入後何度かの大流行が発生し,15 年以上経った 2015 年でも 1000 人を超える患者が発生している.ヒト のウエストナイルウイルス感染症に対するワクチンや 薬剤はない.幸い日本国内への侵入は確認されてい ないが,諸要因により侵入した場合に備え,万全の検 査体制を整えておく必要がある.ウエストナイルウイ ルスには lineage が 6 種類(L1a, L1b, L1c/5, L2, L3, L4)
存在する.北米で蔓延しているのは L1a である.これ までヒトへの病原性が比較的強いものは 2 種類(L1a, L1c/5)に限られると考えられてきた.しかし近年,L2 でも重篤な中枢神経症状を引き起こす株が同定され,
さらに L1c/5 の分離株が以前よりも強毒性を示すと の報告がなされている.一方 L3 と L4 はヒトからは同 定されていないが,今後どのように変異するかわから ない.このような状況から,ウエストナイルウイルスの 侵入に備え,すべての lineage に対応できるようにしな ければならない.そこで本年度は,まずは現在我々 が使用している,L1a 用に設計されたウエストナイル ウイルスゲノム検出系(リアルタイム RT-PCR)が他の
lineage に対応可能かを調べた.また,比較的最近報 告されたウエストナイルウイルスゲノム検出系がどの 程度広範の lineage に対応できるか検証した.さらに 全 lineage をカバーできる新たなリアルタイム RT-PCR 系の開発を試みた.
B. 研究方法
RT-PCR によるウエストナイルウイルスゲノム検出 のための鋳型には,NY99 株(L1a),Egy101 株(L1a),
g2266 株(L1c/5),FCG 株(L2)を使用した.これらをア フリカミドリザル由来株化腎細胞 Vero 細胞に感染さ せたのち,培養上清から RNA を精製し使用した.
新規 TaqMan プライマー・プローブセットの特異性お よび感度を調べるために,ウイルスゲノムの NS2A 領 域(500 ヌクレオチド)の DNA を受託合成し,それを鋳 型に mMESSAGE mMACHINE kit (Ambion)を使用して in vitro で RNA を合成した.合成 RNA は精製後 260nm での吸光度より濃度を算出し,希釈し使用した.
本研究で使用したプライマー・プローブは表 1 に示 す . リ ア ル タ イ ム RT-PCR 反 応 は , RNA-direct Realyime PCR Master Mix (Toyobo)を使用して行った.
ゲノムの増幅・検出・解析は StepOnePlus (Thermo)を 使用した.また,SYBR Green I で検出する場合は,反 応キットとして SuperScript III Platinum SYBR Green 研究要旨
ウエストナイルウイルス感染症は北米を中心として患者が発生している蚊媒介性ウイルス感染症である.ウエスト ナイルウイルスの日本への侵入はまだ確認されていないが,諸要因による侵入・拡大に備え万全な検査体制を整 備しておく必要がある.ウエストナイルウイルスは 6 種類の lineage に分類されるが,現在我々がウイルス同定に使 用している検出系やその他国外の研究機関から発表された検出系が全てのウエストナイルウイルスに対応できて いるかは不明である.そこで本研究では,これら我々が有する現行,および最近発表された方法(TaqMan qRT-PCR 法)が全lineage に対応可能かを調べた.さらに新たな TaqMan qRT-PCR セットを開発し,その特異性およ び検出感度について考察した.その結果1)本研究により,現行のウエストナイルウイルス用プライマー・プローブ セットでは,lineage によっては検出不能であることが明らかとなった.2)最近報告されたウエストナイルウイルスゲ ノム検出法(TaqMan 法)の有用性について検討したが,現行セットと同様検出不能な lineage があることがわかった.
3)すべての lineage に対応可能な新規 TaqMan プライマー・プローブセットを開発した.本セットはすべての lineage のゲノムを高い感度で検出することができた.
One-Step qRT-PCR kit (Thermo)を使用し,増幅・検 出・解析は LightCycler 2.0 (Roche)を使用した.
C. 研究結果
1)現行のウエストナイルウイルスゲノム検出用プラ イマー・プローブセットの評価:4 種類のウエストナイ ルウイルス株ゲノム RNA を使用して現行の 3 セット
(5NCR,Env, 3NCR)ですべての株の検出が可能か調 べた(図 1).すべてのセットで L1a 株ゲノムを検出で きた.しかしいずれのセットでも L1c/5 株ゲノムを検出 できなかった.L2 株については,5NCR でのみ検出で きたが感度は非常に低かった.上記のセットの他に,
日本脳炎ウイルスゲノム検出用のプライマー・プロー ブセット(NS5)を使用したところ,4 種類のウエストナ イルウイルスすべてのゲノムを検出できた(図 2).
2)ウエストナイルウイルスゲノム検出法の評価:
2013 年に発表された 2 論文(J. Virol. Methods 189:
321-327, J. Virol. Methods 193: 554-557)に示されて いるプライマー・プローブセット(WN-LCV, NS2A)を使 用し,4 種類のウエストナイル株のゲノム検出を試み た(図 3,4).L1a 株の検出感度は WN-LCV が優って いたが,L2 株については NS2A の方が高感度であっ た.しかし共に L1c/5 株を検出できなかった.
3)新規ウエストナイルウイルスゲノム検出用プライ マー・プローブセットの開発:全ての lineage のゲノムを 増幅可能なプライマー・プローブセットを設計した.塩 基配列を比較したところ,非構造蛋白質 NS2A 領域が lineage 間で相同性が高かったため,この領域を選択 した.前述の 4 種類のウエストナイルウイルスゲノム を用い,様々なプライマーを試み,最終的に1セット
(3538p-3490r)に絞り込んだ(表 2,図 5).この新規 のセットは,すでに発表されている NS2A セットと標的 部位が近接しているが,新規セットは L1c/5 株の増幅 も可能であった.わずかに日本脳炎ウイルスゲノムに も反応した.次に,全ての lineage から 1 株選択し,
各々の NS2A 領域の合成 RNA を作製した.それらを 鋳型に使用し,新規セットの検出能を調べた(図 6).
高コピー数で鋳型に用いた場合,全ての lineage の RNA を検出することができた.しかしわずかながら日 本脳炎ウイルスと Usutu ウイルスにも反応した.一方 NS2A セットは L1a, L1b 以外の lineage に対しては反 応性が非常に低く,L1c/5 と L4 の RNA を検出するこ とが出来なかった.各合成 RNA を階段希釈し,検出 感度を調べた(図 7).全ての lineage において,少なく とも 5 コピー/反応までは検出できることが確認された.
日本脳炎ウイルスと Usutu ウイルスについてはそれ ぞれ 5x105コピー/反応,5x104コピー/反応以下では 検出されないことが確認された(表 3).新規セットと合 成 RNA を使用して検量線を作成して,3 種類のウエス
トナイルウイルス株コピー数を算出した(図 8).
D. 考察
本研究において我々はウエストナイルウイルスの 全 lineage のゲノムを網羅的に検出可能な TaqMan プ ライマー・プローブセットの開発を試みた.その前に現 行およびすでに公表されている検出系が全 lineage に 対応できるのかをか調べた.すると,ほとんどがアメリ カ大陸で流行している L1a やそれに近縁の L1b には 反応するものの,他の lineage には反応しないか,反 応しても非常に感度が悪いことが明らかとなった.し かし,L1a 以外の株によるウエストナイル感染症の流 行がヨーロッパやインドで起こっていることから,これ らの lineage への対応も疎かにすることはできない.
今回我々が開発したセットは,これまでのものと比べ 高感度かつ広範のウイルスに対応できることが示さ れ,非常に有用であると考える.ただ一つの欠点は,
上記の優れた点があるがゆえに,ウエストナイルウイ ルスに近縁なウイルスも時に増幅してしまう点である.
しかし,検出感度の差異は 104-105もあり,注意すれ ばあまり問題にならないと思われる.今後この新規セ ットか国内で広く用いられることを期待する.
現在はトガウイルス科アルファウイルス属のベネズ エラ馬脳炎ウイルス,東部馬脳炎ウイルス,西部馬 脳炎ウイルスに変え,これらのウイルスゲノムの検出 系について解析を進めている.
E. 結論
1)本研究により,現行のウエストナイルウイルス用 プライマー・プローブセットでは,lineage によっては検 出不能であることが明らかとなった.2)最近報告され たウエストナイルウイルスゲノム検出法(TaqMan 法) の有用性について検討したが,現行セットと同様検出 不能な lineage があることがわかった.3)すべての lineage に対応可能な新規 TaqMan プライマー・プロー ブセットを開発した.本セットはすべての lineage のゲ ノムを高い感度で検出することができた.
F. 研究発表 1.論文発表
なし.
2.学会発表 なし.
G.知的財産権の出願・登録状況 1.特許取得
なし.
2. 実用新案登録 なし.
3.その他 なし
表 1. 本研究で使用したプライマー・プローブセット
Primer Sequence Probe
WN5 NCR-f CAGGAGGGCCCGGYAARA WNV5 NCR-p:
FAM-CCGGGCTGTCAATATGCTAAAACGCG-TAM WN5 NCR-r ATCAAGGACAAYMCGCGG RA
WNENV-f TCAGCGATCTCTCCAAAG
WNENV-p: FAM-TGCCCGACC ATGGGAGAAGCT-TAMRA WNENV-r GGGTCAGCACGTTTGTCATTG
WN3 NC-f CAGACCACGCTACGGCG
WN3 NC-p:
FAM-TCTGCGGAGAGTGCAGTCTGCGAT-TAMRA WN3 NC-r CTAGGGCCGCGTGGG
*WN-LCV-F1 GTGATCCATGTAAGCCCTCAGAA S1: FAM-AGGACC CCACATGTT-MGB S2: VIC-AGGACCC
CACGTGCT-MGB
*WN-LCV-R1 GTCTGACATTGGGCTTTGAAGTTA
**NS2A-F CCTTTTCAGYTGGGCCTTCTG WNVpNS2A-3612:
FAM-AGCCAAGATCA GCATGCCAGC-TAMRA
**NS2A-3R CAGTGTAVGTVATRCCCCCAA
WNVcommon.3451f GGH TGT TGG TAT GGH ATG GA WNVcom 3538p:
FAM-ATGATTGAYCCTTTTCAGYTGGGCCTTCTG -TAMRA
WNVcommon.3590r TC CTG GGT GGC CAA GAA CAC
表 2. 新規 TaqMan プライマー・プローブの検討(ct 値)
Strain pNS2A-3612
3538p
3491r 3490r 3493r 3496r
NY99 (L1a) 21.2 16.9 14.8 16.5 17.1 Egy101 (L1a) 23.9 21.0 19.2 20.7 21.2 g2266 (L1c/5) ND 25.5 23.7 24.6 25.6
FCG (L2) 25.9 21.1 19.9 23.6 17.8
JEV Mie/41 (GI) ND 31.7 ND 34.7 26.8 JEV JaTAn1/90 (GIII) ND 30.0 ND 32.9 25.0
JEV Muar (GV) ND ND 35.1 33.8 24.6
表 3. 3538p
Strain
NY99 (1a) Kunjin (1b) India (1c/5) Italy2011 (2) Rabensburg (3) LEIV (4) Usutu V.
JEV
図 1. 既存のプライマー・プローブセットを用いたウエストナイルウイルスゲノムの増幅 3538p-3490r セットの検出感度の検討結果(
5 x 10
Rabensburg (3)
既存のプライマー・プローブセットを用いたウエストナイルウイルスゲノムの増幅 セットの検出感度の検討結果(
5 x 107* 5 x 10
16.6 19.7 17.6 18.1 13.0 16.6 14.2 17.9 12.9 16.1 15.9 19.1 35.5 37.4 36.5 39.2
既存のプライマー・プローブセットを用いたウエストナイルウイルスゲノムの増幅 セットの検出感度の検討結果(ct
5 x 106 5 x 10
19.7 23.4 18.1 21.6 16.6 20.1 17.9 21.0 16.1 19.3 19.1 22.5 37.4 39.2 39.2 ND
既存のプライマー・プローブセットを用いたウエストナイルウイルスゲノムの増幅 ct 値)
5 x 105 5 x 10
23.4 26.9 21.6 25.1 20.1 23.1 21.0 24.5 19.3 21.5 22.5 26.0 39.2 ND ND ND
既存のプライマー・プローブセットを用いたウエストナイルウイルスゲノムの増幅 5 x 104 5 x 10
26.9 30.3 25.1 28.3 23.1 27.0 24.5 28.5 21.5 26.5 26.0 29.3 ND ND ND ND
既存のプライマー・プローブセットを用いたウエストナイルウイルスゲノムの増幅 5 x 103 5 x 102
33.6 31.6 30.5 31.7 29.3 32.6 ND ND
既存のプライマー・プローブセットを用いたウエストナイルウイルスゲノムの増幅
5 x 101
37.9 34.7 34.0 34.7 33.6 35.5 NT NT
5 x 100
39.0 38.7 36.0 36.6 34.8 38.8 NT NT
図 2. JEV 検出用プライマー・プローブセットを用いたウエストナイルウイルスゲノムの増幅
図 3. 最近発表されたウエストナイルウイルス検出用プライマー・プローブセットの検討
検出用プライマー・プローブセットを用いたウエストナイルウイルスゲノムの増幅
最近発表されたウエストナイルウイルス検出用プライマー・プローブセットの検討 検出用プライマー・プローブセットを用いたウエストナイルウイルスゲノムの増幅
最近発表されたウエストナイルウイルス検出用プライマー・プローブセットの検討 検出用プライマー・プローブセットを用いたウエストナイルウイルスゲノムの増幅
最近発表されたウエストナイルウイルス検出用プライマー・プローブセットの検討 検出用プライマー・プローブセットを用いたウエストナイルウイルスゲノムの増幅
最近発表されたウエストナイルウイルス検出用プライマー・プローブセットの検討 検出用プライマー・プローブセットを用いたウエストナイルウイルスゲノムの増幅
最近発表されたウエストナイルウイルス検出用プライマー・プローブセットの検討 検出用プライマー・プローブセットを用いたウエストナイルウイルスゲノムの増幅
最近発表されたウエストナイルウイルス検出用プライマー・プローブセットの検討(1)
検出用プライマー・プローブセットを用いたウエストナイルウイルスゲノムの増幅
図 4. 最近発表されたウエストナイルウイルス検出用プライマー・プローブセットの検討
図 5. 新規ウエストナイルウイルスゲノム検出用プライマー・プローブセットの検討
図 6. 合成ウイルス
最近発表されたウエストナイルウイルス検出用プライマー・プローブセットの検討
新規ウエストナイルウイルスゲノム検出用プライマー・プローブセットの検討
合成ウイルス RNA
最近発表されたウエストナイルウイルス検出用プライマー・プローブセットの検討
新規ウエストナイルウイルスゲノム検出用プライマー・プローブセットの検討
RNA を用いたプライマー・プローブセット間の増幅性能の比較 最近発表されたウエストナイルウイルス検出用プライマー・プローブセットの検討
新規ウエストナイルウイルスゲノム検出用プライマー・プローブセットの検討
を用いたプライマー・プローブセット間の増幅性能の比較 最近発表されたウエストナイルウイルス検出用プライマー・プローブセットの検討
新規ウエストナイルウイルスゲノム検出用プライマー・プローブセットの検討
を用いたプライマー・プローブセット間の増幅性能の比較 最近発表されたウエストナイルウイルス検出用プライマー・プローブセットの検討
新規ウエストナイルウイルスゲノム検出用プライマー・プローブセットの検討
を用いたプライマー・プローブセット間の増幅性能の比較 最近発表されたウエストナイルウイルス検出用プライマー・プローブセットの検討(2)
新規ウエストナイルウイルスゲノム検出用プライマー・プローブセットの検討
を用いたプライマー・プローブセット間の増幅性能の比較
図 7. 合成ウイルス
図 8. 新規プライマー・プローブセットを用いたウエストナイルウイルス培養上清サンプル中のゲノムコピー数の算出
合成ウイルス RNA
新規プライマー・プローブセットを用いたウエストナイルウイルス培養上清サンプル中のゲノムコピー数の算出
RNA を用いた新規プライマー・プローブセットの検出感度試験
新規プライマー・プローブセットを用いたウエストナイルウイルス培養上清サンプル中のゲノムコピー数の算出
を用いた新規プライマー・プローブセットの検出感度試験
新規プライマー・プローブセットを用いたウエストナイルウイルス培養上清サンプル中のゲノムコピー数の算出 を用いた新規プライマー・プローブセットの検出感度試験
新規プライマー・プローブセットを用いたウエストナイルウイルス培養上清サンプル中のゲノムコピー数の算出 を用いた新規プライマー・プローブセットの検出感度試験
新規プライマー・プローブセットを用いたウエストナイルウイルス培養上清サンプル中のゲノムコピー数の算出
を用いた新規プライマー・プローブセットの検出感度試験
新規プライマー・プローブセットを用いたウエストナイルウイルス培養上清サンプル中のゲノムコピー数の算出 新規プライマー・プローブセットを用いたウエストナイルウイルス培養上清サンプル中のゲノムコピー数の算出 新規プライマー・プローブセットを用いたウエストナイルウイルス培養上清サンプル中のゲノムコピー数の算出 新規プライマー・プローブセットを用いたウエストナイルウイルス培養上清サンプル中のゲノムコピー数の算出
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分担研究報告書
ウイルス性出血熱の検査法に関する研究
所 属 国立感染症研究所ウイルス第一部 研究分担者 下島 昌幸
A. 研究目的
エボラ出血熱(近年ではエボラ熱ともいう)はフィロ ウイルス科エボラウイルス属に分類されるエボラウイ ルスによる急性感染症で,感染した人はインフルエン ザ様症状を示したのちショック等を示し死亡する.エ ボラウイルスには Zaire ebolavirus, Sudan ebolavirus, Bundibuigyo ebolavirus, Tai Forest ebolavirus の 4 つ の病原性があるウイルス種と,人に病原性がない Reston ebolavirus が存在する.自然宿主はコウモリ が有力視され,コウモリと,あるいは感染した他の動 物(人も含む)との接触により人は感染すると考えら れる.感染は血液や体液などウイルスを多量に含ん だものとの直接の接触により感染は成立し,空気感 染は起こらないとされる.Zaire ebolavirus による致死 率は特に高く,感染者の 90%が死亡することもある.
中和抗体や小分子化合物などウイルスの増殖を抑 制する抗ウイルス薬の開発や,組換えワクチンの開 発が取り組まれているが,未だ承認された治療薬・予 防法はない.患者の発生地域によっては医療や経済 の破綻,社会のパニックも生じうる.これらのことから エボラウイルスがバイオテロに利用される可能性は 高いと言える.
国立感染症研究所ウイルス第一部では,エボラウ イルスを含め出血熱ウイルスの実験室診断法を整備 している(病原体検出マニュアル).この診断法は5つ の全てのエボラウイルス種を検出するのみでなく,同 じフィロウイルス科に属し高い致死率を持つマールブ ルグ病を引き起こす Marburg virus も検出可能である.
国内のエボラ出血熱疑いの発生時にはこの診断法 が用いられている.
2013 年の末より西アフリカのギニアで始まったエボ ラ出血熱は隣国のリベリアやシエラレオネにも広まっ た.このエボラ出血熱は Zaire ebolavirus によるもので あるが,ゲノム情報を見る限り病原体検出マニュアル で遺伝子検出の標的としている部位にこれまでにな い変異を持つことが判明し,病原体検出マニュアルで は検出できないことが懸念された.
西アフリカで流行した Zaire ebolavirus Makona 株も 含めた様々なエボラウイルス種のサンプルを用い,
病原体マニュアルに記載の診断法でいずれのエボラ ウイルスも検出できるか検討した.
B. 研究方法
エボラウイルスの診断は病原体検出マニュアルに 記載された conventional RT-PCR (nested), real time RT-PCR, 抗 原 検 出 ELISA に よ り 行 な っ た . Conventional RT-PCR (nested)で予想されるサイズの 遺伝子が増幅された場合には塩基配列の決定も行 なった.
サ ン プ ル は 世 界 健 康 安 全 保 障 イ ニ シ ア テ ィ ブ
(GHSI)内の世界健康安全保障グループラボラトリー ネ ッ ト ワ ー ク ( GHSAG-LN ) よ り 得 ら れ た Ebola Proficiency Panel-II を用いた.これは Robert Koch Institute が Bernard Nocht Institute, Philipps University とともに作製したもので,陰性のものも含む 11のサンプル(不活化済み)よりなるパネルである.
【倫理面への配慮】
該当なし.
研究要旨
エボラ出血熱は急性熱性の感染症で,致死率は 90%に達する.承認された治療法や予防法は無く,原因ウイルス であるエボラウイルスがバイオテロに利用される可能性は高い.国立感染症研究所ウイルス第一部では,エボラウ イルスの診断法を整備しており,エボラ出血熱疑い事例発生時に備えている.一方,近年はエボラ出血熱の発生事 例が相次ぎ,2013 年末に始まった大規模流行は Zaire 型ではあるもののこれまでにない変異を持つエボラウイルス によるものであった.本研究では,準備しているエボラウイルスの検出方法で最近のエボラウイルスも検出するか 試し,バイオテロ発生時に対応可能か検討した.
C. 研究結果(図1)
サンプルより RNA を抽出し行なった conventional RT-PCR (nested) で は , 1 1 の サ ン プ ル の う ち No.1-No.10 が陽性であった.塩基配列を決定したとこ ろ,No.1 は 1976 年の初のエボラ出血熱の流行時に 分離された Mayinga 株であった.No. 3-No.6, No.9 は 2003 年にガボンで流行した株であった.No.2, No.7, No.8 は西アフリカで流行した Makona 株であった.
No.10 は Marburg marburgvirus の Marburg virus であ った.
Real time RT-PCR では,No. 2, No.3, No.6, No.7, No.8 がそれぞれ 10 の 3.9, 4.6, 4, 4.3, 4.7 乗コピー/ml であった.他のサンプルは陰性であった.
抗原検出 ELISA では No.3, No.6, No.7, No.8 がそ れぞれ 80, 10, 10, 80 の力価を示した.
No.11 の サ ン プ ル は conventional RT-PCR (nested), real time RT-PCR, 抗原検出 ELISA のいず れの方法でも陰性であった.
D. 考察
Ebola Proficiency Panel-II は 複 数 の Zaire ebolavirus の株(西アフリカの Makona 株を含む)と Marburg marburgvirus,1 つの陰性サンプルよりなって いた.5つのサンプルは real time RT-PCR でウイルス ゲノムコピー数を決定でき,そのうち高い値を示した4 サンプルは抗原も検出された.
結果が正しいかは現在提供元に確認中であるが,
少なくとも現行の病原体検出マニュアルが最新の Makona 株 も 検 出 で き る こ と が 判 明 し た . ま た conventional RT-PCR (nested), real time RT-PCR, 抗原検出 ELISA の3つの診断法では感度はこの順に 優れ,コピー数と抗原量は相関しリーズナブルな結果 が得られることが判明した.
E. 結論
現行のマニュアルが知られているすべてのエボラウ イルスを検出可能であることが確認でき,バイオテロ 発生時に対応可能であると考えられた.
F. 研究発表 1.論文発表 該当なし.
2.学会発表 該当なし.
G. 知的財産権の出願・登録状況 1.特許取得
該当なし.
2. 実用新案登録 該当なし.
3.その他 該当なし.
図 1.Proficiency panel – II for Ebola virus PCR diagnostics Sample
No
Results of Ebola virus PCR
diagnostics
Copy numbers (Log10 copies/ml)
Comments Sequence Ag-ELISA
1 EBOV Conv. PCR NP(+) Mayinga
2 EBOV 3.9 Conv. PCR FiloA/B (+), NP(+), Real-time PCR (+)
GIN/2014/M akona-C15
3 EBOV 4.6 Conv. PCR FiloA/B (+), NP(+), Real-time
PCR (+)
Gabon 2003 80 4 EBOV Conv. PCR NP(+) Gabon 2003 5 EBOV Conv. PCR FiloA/B (+) Gabon 2003 6 EBOV 4 Conv. PCR FiloA/B (+), NP(+), Real-time
PCR (+)
Gabon 2003 10 7 EBOV 4.3 Conv. PCR FiloA/B (+), NP(+), Real-time
PCR (+)
GIN/2014/M akona-C15
10 8 EBOV 4.7 Conv. PCR FiloA/B (+), NP(+), Real-time
PCR (+)
GIN/2014/M akona-C15
80 9 EBOV Conv. PCR FiloA/B (+) Gabon 2003 10 EBOV Conv. PCR FiloA/B (+) MARV Lake
Victoria
11 Negative
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(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業)
分担研究報告書
弱毒痘そうワクチン LC16m8 株をポックスウイルス暴露後に接種した場合の 発症・重症化阻止効果について,エクトロメリアウイルスを用いたマウスモデルによる検討
所 属 国立感染症研究所ウイルス第一部 研究分担者 吉河 智城
A. 研究目的
天然痘の撲滅が 1980 年に宣言されてから 40 年近く が経過した.だが,天然痘ウイルスのバイオテロへの 利用が危惧されており,その脅威が無くなったわけで はない.我が国においても 40 歳未満の殆どが未種痘 で有効な免疫を保持していない.そこで,万が一天然 痘ウイルスに暴露された場合に暴露後に痘瘡ワクチ ンを接種することで発症,重症化を阻止できないかが 検討されてきた.無論,天然痘ウイルスは研究に使 用できない.そこで既報の研究の多くはその代替とな るエクトロメリアウイルス(ECTV)を用いたマウスモデ ルにて行われている.ECTV は天然痘ウイルス,ワク シニアウイルス(VACV)と同じオルソポックスウイルス に属し,血清学的にも交差性がある.既に VACV Lister 株及び Modified Vaccinia Ankara (MVA)株を用 いた場合,ECTV 暴露後 3 日目の投与であっても重症 化を阻止できることが報告されている (J Infect Dis.
2009 Jan 1;199(1):39-48.).そこで本研究では,弱毒 化細胞培養痘そうワクチン株である LC16m8 の暴露 後ワクチンとしての効果を検討する.
B. 研究方法
まず,ECTV を用いたマウスモデルを確立した.
ECTV は Hampstead 株を用いて i.n.経路における
C57BL/6 マウスでの LD50 を決定した.
次に 4LD50 相当の ECTV を i.n.経路で感染させた 前後に VACV LC16m8,またはその親株である Lister 株を i.m.経路で 107PFU 接種し,その発症・重症化阻 止の効果を検討した.
【倫理面への配慮】
本研究にて行われた動物実験は国立感染症研究 所動物実験委員会の審議を受け適切であると承認さ れている.
C. 研究結果
1. C57BL/6 マウスにおける ECTV Hampstead 株を i.n.
で接種した際の LD50 の決定
1 群 5 匹のマウスに 104から 101PFU/20ul の Hampstead 株を i.n.で接種し,観察,体重測定を行 った.その生存曲線を図 1 に示す.この結果を元 に プ ロ ピ ッ ト 法 に よ り 計 算 し た 結 果 , LD50 は 1200PFU であった.以降 ECTV の攻撃実験には 4LD50相当,4800PFU の Hamstead 株を用いた.
2. ECTV 暴露後に LC16m8 株を接種した場合の発 症・重症化阻止効果の検討
1 群 5 匹のマウスに 4LD50 の ECTV で攻撃を行 った.その後 0, 1, 2, 3 日後に 107PFU/100ul の LC16m8 株を i.m.で接種し,観察,体重測定を行っ 研究要旨
天然痘ウイルスは撲滅されたものの,バイオテロへの利用が懸念されている.天然痘には痘そうワクチンが有効 であり,我が国では万が一の為に保管されている一方,未接種者の割合は 40 代以下の人口のほぼ 100%に達す る.諸外国においても状況は似ている.故に天然痘ウイルス暴露された場合,事後に痘瘡ワクチンを接種すること で発症,重症化を阻止できないかが検討されてきた.本研究では国産の弱毒痘そうワクチン株である LC16m8 を用 いて暴露後重症化阻止が可能か検討を行う.まず,天然痘ウイルスの代わりに同じオルソポックスウイルスに属す るエクトロメリアウイルス(ECTV)を用いたマウスモデル系を確立した.次に ECTV でマウスを攻撃する前後 3 日の 間に LC16m8 株,またはその親株の Lister 株を接種して効果を検討した.その結果,ECTV 暴露 3 日前に Lister 株 を投与した群でのみ発症・重症化阻止効果は確認できた.一方,ECTV 暴露後の LC16m8,Lister 株の投与による効 果は確認されなかった.これは既報の研究結果と一致していないため,今後はより詳細な検討を行う予定である.
た.図 2,
LC16m8 群である
有意な発症や重症化の阻止効果は確認できなか った.
3. ECTV 暴露前後に
症・重症化阻止効果の検討 実験 1
から,今度は既報である 行った.1
撃 を 行 っ た 107PFU/100ul 体重測定を行った その結果を示す 接種した群は となく全頭生存した り ECTV
れの群においても対照群である
みを行った群と比較して有意な発症や重症化の阻 止効果は確認できなかった
D. 考察 本研究では
合の発症・重症化阻止を検討したものの 果を確認することはできなかった
と結果が異なる る実験条件の違いを図 条件は近似している Lister,本研究では た.従って少なくとも
の部分で結果が一致しないとすれば
表 1. 既報の研究と本研究の実験条件の違い
,図 3 にスケジュール及びその結果を示す LC16m8 を接種した,
群である ECTV の攻撃のみを行った群と比較して 有意な発症や重症化の阻止効果は確認できなか
暴露前後に Lister 症・重症化阻止効果の検討
1 で期待する効果が確認できなかったこと 今度は既報である
1 群 5 匹のマウスに 撃 を 行 っ た . そ の 前 後
PFU/100ul の Lister 体重測定を行った.図 その結果を示す.ECTV 接種した群は ECTV となく全頭生存した.
ECTV 攻撃後に Lister れの群においても対照群である
みを行った群と比較して有意な発症や重症化の阻 止効果は確認できなかった
本研究では,ECTV 暴露後に
合の発症・重症化阻止を検討したものの 果を確認することはできなかった
と結果が異なる.そこで,
る実験条件の違いを図 条件は近似している.
本研究では LC16m8 従って少なくとも Lister
の部分で結果が一致しないとすれば
既報の研究と本研究の実験条件の違い にスケジュール及びその結果を示す
,いずれの群においても対照 の攻撃のみを行った群と比較して 有意な発症や重症化の阻止効果は確認できなか Lister 株を接種した場合の発 症・重症化阻止効果の検討
で期待する効果が確認できなかったこと 今度は既報である Lister 株を用いた実験を
匹のマウスに 4LD50 そ の 前 後 -3, 0,
Lister 株を i.m
図 4,図 5 にスケジュール及び ECTV 攻撃 3 日前に
ECTV 感染に伴う臨床症状を示すこ
.一方で,それ以外の群 Lister 株を接種した場合 れの群においても対照群である
みを行った群と比較して有意な発症や重症化の阻 止効果は確認できなかった.
暴露後に VACV 合の発症・重症化阻止を検討したものの
果を確認することはできなかった.これは既報の研究
,既報の研究と本研究におけ る実験条件の違いを図 6 に示す.殆どの部分で実験
.VACV は既報では LC16m8 と Lister
Lister 株は共に使用しており の部分で結果が一致しないとすれば
既報の研究と本研究の実験条件の違い にスケジュール及びその結果を示す
いずれの群においても対照 の攻撃のみを行った群と比較して 有意な発症や重症化の阻止効果は確認できなか 株を接種した場合の発 で期待する効果が確認できなかったこと 株を用いた実験を 4LD50 の ECTV
1, 2, 3 日 後 に i.m.で接種し,観察 にスケジュール及び
日前に Lister 感染に伴う臨床症状を示すこ
それ以外の群,
株を接種した場合,
れの群においても対照群である ECTV の攻撃の みを行った群と比較して有意な発症や重症化の阻
VACV を接種した場 合の発症・重症化阻止を検討したものの,有意な効 これは既報の研究 既報の研究と本研究におけ 殆どの部分で実験 は既報では MVA Lister の 2 株を使用し 株は共に使用しており の部分で結果が一致しないとすれば,最大の違いは
既報の研究と本研究の実験条件の違い にスケジュール及びその結果を示す.
いずれの群においても対照 の攻撃のみを行った群と比較して 有意な発症や重症化の阻止効果は確認できなか 株を接種した場合の発 で期待する効果が確認できなかったこと 株を用いた実験を ECTV で攻 日 後 に 観察,
にスケジュール及び Lister 株を 感染に伴う臨床症状を示すこ
,つま
,いず の攻撃の みを行った群と比較して有意な発症や重症化の阻
を接種した場 有意な効 これは既報の研究 既報の研究と本研究におけ 殆どの部分で実験 MVA と 株を使用し 株は共に使用しており,こ 最大の違いは
使用した
の赤字強調部分)
ることが知られており る
LD50 ることから こで
株を用いて既報の実験条件を近似した状況で再度実 験を行い
それを足がかりに の有無を含めて
E.
ポッ
症・重症化阻止効果を検討するため イルスを用いたマウスモデル系を確立した 系を用いて検討した結果
ス暴露後に
効果は確認できなかった 一致していないため ある
F.
1.論文発表 2.学会発表 G.
使用した ECTV の赤字強調部分)
ることが知られており る Moscow 株ではなく LD50 はそれぞれ
ることから,病原性にも差があることが示唆される こで,我々は Moscow
株を用いて既報の実験条件を近似した状況で再度実 験を行い,その再現性を検討する予定である
それを足がかりに の有無を含めて
結論
ポックスウイルス暴露後に
症・重症化阻止効果を検討するため イルスを用いたマウスモデル系を確立した 系を用いて検討した結果
ス暴露後に VACV 効果は確認できなかった 一致していないため ある.
研究発表 1.論文発表
なし 2.学会発表
なし
知的財産権の出願・登録状況 なし
ECTV の株が異なることだと考えられる(図 の赤字強調部分).ECTV にはいくつかの株が存在す ることが知られており,本研究では既報で使用してい
株ではなく Hampstead はそれぞれ 80PFU,1200PFU
病原性にも差があることが示唆される Moscow 株を入手した
株を用いて既報の実験条件を近似した状況で再度実 その再現性を検討する予定である それを足がかりに ECTV 暴露後の
の有無を含めて,より詳細に検討を行う予定である
クスウイルス暴露後に
症・重症化阻止効果を検討するため イルスを用いたマウスモデル系を確立した
系を用いて検討した結果,現時点ではポックスウイル VACV 接種した場合の発症・重症化阻止 効果は確認できなかった.これは既報の研究結果と 一致していないため,今後より詳細な検討が必要で
知的財産権の出願・登録状況
の株が異なることだと考えられる(図 にはいくつかの株が存在す 本研究では既報で使用してい Hampstead 株を用いている
1200PFU と 10
病原性にも差があることが示唆される 株を入手した.今後は
株を用いて既報の実験条件を近似した状況で再度実 その再現性を検討する予定である
暴露後の VACV
より詳細に検討を行う予定である
クスウイルス暴露後に VACV 接種した場合の発 症・重症化阻止効果を検討するため,エクトロメリアウ イルスを用いたマウスモデル系を確立した
現時点ではポックスウイル 接種した場合の発症・重症化阻止 これは既報の研究結果と 今後より詳細な検討が必要で
知的財産権の出願・登録状況
の株が異なることだと考えられる(図 にはいくつかの株が存在す 本研究では既報で使用してい 株を用いている
10 倍以上異な 病原性にも差があることが示唆される.そ 今後は Moscow 株を用いて既報の実験条件を近似した状況で再度実 その再現性を検討する予定である.また
VACV 接種の効果 より詳細に検討を行う予定である.
接種した場合の発 エクトロメリアウ イルスを用いたマウスモデル系を確立した.確立した
現時点ではポックスウイル 接種した場合の発症・重症化阻止 これは既報の研究結果と 今後より詳細な検討が必要で の株が異なることだと考えられる(図 6
にはいくつかの株が存在す 本研究では既報で使用してい 株を用いている.
倍以上異な そ Moscow 株を用いて既報の実験条件を近似した状況で再度実 また,
接種の効果
.
接種した場合の発 エクトロメリアウ 確立した 現時点ではポックスウイル 接種した場合の発症・重症化阻止 これは既報の研究結果と
図 1. ECTV
図 2. EVTV
図 3. EVTV 0 0 20 40 60 80 100
Percent survival
0 0 20 40 60 80 100
Percent survival
ECTV Hampstead
2. EVTV 暴露後に LC16m8
3. EVTV 暴露後に LC16m8 1 2 3 4 5 6
Days post infection
0 1 2 3 4
Hampstead 株を i.n.で接種された
LC16m8 株を接種した場合の発症阻止効果の検討
LC16m8 株を接種した場合の発症阻止効果の検討結果 6 7 8 9 1011
Days post infection
4 5 6 7 8
で接種された C57BL/6
株を接種した場合の発症阻止効果の検討
株を接種した場合の発症阻止効果の検討結果 11121314151617
Days post infection
8 9 10 11 12 ECTV only m8 0dpi m8 1dpi m8 2dpi m8 3dpi
C57BL/6 マウスの生存曲線
株を接種した場合の発症阻止効果の検討
株を接種した場合の発症阻止効果の検討結果 171819
12 13 14 15 ECTV only m8 0dpi m8 1dpi m8 2dpi m8 3dpi
マウスの生存曲線
株を接種した場合の発症阻止効果の検討
株を接種した場合の発症阻止効果の検討結果 1x10^4 PFU 1x10^3 PFU 1x10^2 PFU 1x10^1 PFU
マウスの生存曲線
株を接種した場合の発症阻止効果の検討結果 1x10^4 PFU 1x10^3 PFU 1x10^2 PFU 1x10^1 PFU
図 4. EVTV
図 5. EVTV
0 20 40 60 80 100
P e rc e n t s u rv iv a l
EVTV 暴露後に Lister
EVTV 暴露後に Lister
0 1 2 0
20 40 60 80 100
Lister 株を接種した場合の発症阻止効果の検討
Lister 株を接種した場合の発症阻止効果の検討結果
3 4 5
を接種した場合の発症阻止効果の検討
株を接種した場合の発症阻止効果の検討結果
6 7 8
を接種した場合の発症阻止効果の検討
株を接種した場合の発症阻止効果の検討結果
9 10 11
ECTV only m8 0dpi m8 1dpi m8 2dpi m8 3dpi
を接種した場合の発症阻止効果の検討
株を接種した場合の発症阻止効果の検討結果
12 13 14 15 ECTV only m8 0dpi m8 1dpi m8 2dpi m8 3dpi
株を接種した場合の発症阻止効果の検討結果
15 ECTV only
厚生労働科学研究費補助金 新興インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業
(新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業)
分担研究報告書
細胞培養弱毒生痘そうワクチンの特性解析(遺伝子機能解析),品質試験法に関する研究
所属 国立感染症研究所獣医科学部
研究分担者 森川茂
研究協力者
朴ウンシル,宇田晶彦(国立感染症研究所獣医科学 部)
吉河智城,西條政幸(同ウイルス第一部)
倉根一郎(同所長)
横手公幸,金原知美,丸野真一,新村靖彦(化血研)
A.研究目的
細胞培養痘そうワクチンの製造株であるワクシニア ウイルス LC16m8 株は,Lister 株から低温馴化により LC16 株,LC16mO 株を経由して樹立された株である.
サルを用いて行われた神経病原性試験により非常に 神経毒性が低いことがわかっている.また,1970年 代には10万人の子供に接種され,その際に重篤な 副反応は確認されなかったことより安全性の非常に 高いワクチン株といえる.さらに,自衛隊での成人へ の種痘にも用いられ安全性がさらに確認されている.
Lister 株は 41℃以上でも初代ウサギ腎細胞でのプラ ック形成能があるのに対し,LC16mO 株と LC16m8 株は 41℃ではプラークを形成しない(増殖温度感受 性).LC16m8 株は,b5r 遺伝子に 1 塩基欠損がある ため,正常な B5 蛋白質が作られないために初代ウ サ ギ 腎 細 胞 に お け る プ ラ ー ク サ イ ズ が 小 さ い . LC16m8 株を継代するとプラークサイズのやや大きい
LC16mO 型のウイルス(medium size plaque; MSP)が 出現する.これまでの解析から,これらは LC16mO 型 への復帰株ではなく,b5rの一塩基欠失を相補する変 異ウイルスであり,その変異のパターンは複数あるこ とが分かっている.これまでに,次世代シークエンス
(NGS)解析によりバイオアッセイで得られた MSP の 情報と同等の成績が得られることを明らかにした.
NGS 解析は取得データの処理に比較的時間を要す ることから,これまでの MSP の変異パターン解析で得 られた主要な MSP を,定量的に検出可能な PCR 法を開発し,品質管理に資する情報を提供することを 目的とした.
B.研究方法
1.MSP を検出する PCR 法の検討:
LC16m8 株のウイルス標本中に含まれる MSP の含 有率を測定するには,主要なタイプの MSP の含有率 を測定すれば良いと考えられる(図 1,表1).そこで,
mutation specific primer PCR 法 , RNase H2-dependent PCR 法を検討した.
1)Mutation specific primer PCR による MSP の検出 法: この PCR では片側のプライマーに MSP の型特 異的プライマーを設定した(図2).各 MSP を特異的に 検出できる条件検討(PCR enzyme,プライマーの長さ,
研究要旨
Lister 株から低温馴化により LC16 株,LC16mO 株を経由して樹立された安全性の高いワクチン株である LC16m8 株は,継代培養するとプラークサイズのやや大きい LC16mO 型(medium size plaque; MSP)のウイル スが出現する.これまでの解析から,MSP は B5R の一塩基欠失を相補する変異ウイルスであり,その変異の パターンが複数あることが分かっている.これまでに,バイオアッセイで得られる MSP の出現頻度やパターン の解析が次世代シークエンス(NGS)解析により得られることを示した.NGS 解析は取得データの処理に比 較的時間を要することから,これまでの MSP の変異パターン解析で得られた主要な MSP を定量的に検出可 能な PCR 法を開発することを試みた.その結果,MSP の遺伝子変異特異的配列を 3 末端とする primer を 用いた PCR で,LC16m8 株と特定の MSP を識別できた.そこで,主要タイプの MSP を特異的に検出する PCR を用いて,LC16m8 株と MSP を混合したスパイク試験を実施した結果,MSP 含有率 0.01〜1%まで検出で きた.さらに RNase H2-dependent PCR により,より特異度の高い MSP 検出 PCR が開発された.今後,主要 な MSP を定量的に検出可能な real-time PCR を行う予定である.
Tm,cycles 等)し,指摘条件を求めた.MSP と LC16m8 株と段階混合してスパイク試験を行い,有用性を検討 した.
2) RNase H2-dependent PCR による MSP の検出法:
こ の 方 法 は , 各 MSP 特 異 的 DNA/RNA hybrid primers (rhPCR 用 primers),RNase H2 および専用の buffer を PCR enzyme に添加して PCR を行う(図4).
この方法では,図4に示すように本来の primer 領域 に 1 塩基の SNP 特異的 RNA を挟んで 4 塩基の matching DNA 塩基,1塩基の mismatch DNA 塩基か らなる(rhPCR 用 primers を用いて PCR を行う.RNA と相補的な DNA 塩基があると RNsae H2 により primer の DNA-RNA 間が切断されて機能的 primer となり DNA 合成反応がおきる.PCR に用いる酵素の 3 →5 exonuclease 活 性 に よ る 影 響 が な い た め , 1 ) の mutation specific primer PCR による PCR と比較して より特異的に SNP が同定できる特徴を持つ.本法に より,非特異反応がより出難い MSP 検出用 PCR 法の 確立を試みた.
【倫理面への配慮】
ヒト検体,動物は使用していないため該当しない.
C. 研究結果,及び D. 考察
これまでの研究により,MSP は LC16m8 株のb5r遺 伝子の 1 塩基欠失を相補するような1ないし 4 塩基挿 入によることが分かっている.また,MSP に認められ るb5r遺伝子の変異には 10 種類ほどあるが,主要な MSP は 4 ないし 5 種類であり,これらが MSP の 85%
程度をしめる(図 1,表 1).このため,幾つかの主要な MSP タイプの含有率を定量的に検出できる PCR を開 発すれば,ワクチンの品質管理に応用可能と考えら れる.昨年度に,種々の PCR 法を検討した結果,
mutation specific primer PCR 法が各 MSP を最も効率 よく検出できる可能性が見出された.そこで,主要な MSP を構成する L1(267 位に A 挿入),L2(267 位に C 挿入) ,L4(272 位に T 挿入)及び L5(274 に ATAC の 重複で 4 塩基挿入)(図 1,表 1)の検出を試みた.
1) Mutation specific primer PCR による MSP の検出 法:
昨 年 度 は , primeSTAR GXL DNA polymerase (Takara)を用いる PCR を行い,L2 の検出が可能であ ることを示した.しかし,検出感度を上げるために PCR の cycle 数を増やすと,非特異反応により非 MSP 由 来 産 物 も 増 幅 さ れ て く る . そ の 原 因 は , primeSTAR GXL DNA polymerase の強い 3 →5 exonuclease 活性によりプライマーの末端が削られる
からと考えられた.そこで,3 →5 exonuclease 活性 の弱い Taq DNA polymerase 由来酵素による illustra puRe Taq ready-to-go PCR beads (GE healthcare) を 用いて,同様の PCR を行った結果,特異性および感 度が向上した.そこで,illustra puRe Taq ready-to-go PCR beads による PCR で主要な MSP を検出するた めの primers を検討した.変異部位特異的 primer の 長さを 17mer から 22mer まで替えて検討した結果,
L1(267A), L2(267C)および L4(272T)の MSP 検出には 長さが 18mer の primer を,L5(274ATAC) の MSP 検 出には 19mer の primer を用いた場合に,最も効率よ く MSP が検出できた(図2).これらの各 MSP 特異的 PCR は,LC16m8, LC16mO, 他の MSP に対しては 20 から 25cycles の PCR では非特異的増殖が認められ ず,特異性が高いことが検証された(図3).しかし,
30cycles 以上の PCR では非特異的反応が生じた.
そこで,各 MSP に特異的な mutation specific primer PCR に よ る MSP 検 出 感 度 を 検 証 す る た め に , LC16m8 株 DNA に各 MSP の DNA を種々の割合で混 合したサンプルを用いたスパイク試験を実施した.そ の結果,20 から 25cycles の PCR では,L1, L2 および L4 型 MSP では,0.01%の頻度まで検出可能で,L5 型 MSP では 1%の頻度まで検出可能であった(表2).
2) RNase H2-dependent PCR (rhPCR)による MSP の 検出法:
Mutation specific primer PCR では,実用上十分の 感度と特異度で MSP を検出できたが,より精度の高 い PCR の開発を試みた.図4に示すような L1, L4 およ び L5MSP 特異的 DNA/RNA hybrid primers(rhPCR 用 primer)で rhPCR を行った.その結果,L1, L4 およ び L5 特異的 rhPCR とも,LC16m8, LC16mO, 他の MSP に対しては 40cycles でも非特異的増殖が認めら れず,特異性が非常に高いことが検証された(図5).
本法では,mutation specific primer PCR と比較して,
より特異度・検出感度の高い MSP 検出が可能と考え られる.今後,LC16m8 と各 MSP の DNA のスパイク 試験を行い,検出感度の検定を行い,乾燥細胞培養 痘そうワクチン V03, V07 および V09 由来 DNA を用い て実証試験を実施する予定である.また定量性のあ る SybrG を用いた real-time PCR への応用も行う予定 である.
上記の結果から,mutation specific primer による PCR および rhPCR 法により MSP の特異的検出が可 能となると予想される.最終的には MSP 検出のバイ オアッセイと比較して有用性を明らかにしたい.
E. 結論
乾燥細胞培養痘そうワクチンは,quasispecies から
なる Lister 株による第1世代の calf lymph ワクチンの 製造用ワクチニアウイルスから,低温培養により温度 感受性株で小ポックサイズを形成する株として選択さ れた LC16m8 株をウサギ初代腎細胞で増殖して製造 される.少ポックサイズはb5r遺伝子の 274 位の G の 欠損によることが分かっているが,この欠損を相補す るような変異挿入変異が導入されたものが LC16mO 株用のプラーク形成能を持ち MSP と呼ばれる.MSP の含有率を定量することはワクチンの品質管理のう えでも有用であると考えられる.MSP の含有率および 遺伝子型は,バイオアッセイと次世代シークエンサー による解析でよく一致した.そこで主要な MSP 遺伝子 型を検出する PCR による MSP の定量法により,より 簡便,迅速に MSP 含有率が求められ品質管理条有 用であると思われる.
F. 研究発表 1.論文発表
1) Tani H, Fukuma A, Fukushi S, Taniguchi S, Yoshikawa T, Iwata-Yoshikawa N, Sato Y, Suzuki T, Nagata N, Hasegawa H, Kawai Y, Uda A, Morikawa S, Shimojima M, Watanabe H, Saijo M.
Efficacy of T-705 (Favipiravir) in the treatment of infections with lethal severe fever with thrombocytopenia syndrome virus. mSphere, 1 (1): e00061-15.
2) Hotta A, Tanabayashi K, Fujita O, Shindo J, Park CH, Kudo N, Hatai H, Oyamada T, Yamamoto Y, Takano A, Kawabata H, Sharma N, Uda A, Yamada A, Morikawa S. Survey of Francisella tularensis in Wild Animals in the Endemic Areas in Japan. Jpn J Infect Dis. in press
3) Ogawa K, Komagata O, Hayashi T, Itokawa K, Morikawa S, Sawabe K, Tomita T. Field and laboratory evaluations of the efficacy of DEET repellent against Ixodes ticks. Jpn J Infect Dis.
in press
4) Okutani A, Osaki M, Takamatsu D, Kaku Y, Inoue S, Morikawa S. Draft genome sequences of Bacillus anthracis strains stored for several decades in Japan. Genome Announc. 2015, 3(3). pii: e00633-15.
5) Sakai K, Hagiwara K, Omatsu T, Hamasaki C, Kuwata R, Shimoda H, Suzuki K, Endoh D, Nagata N, Nagai M, Katayama Y, Oba M, Kurane I, Saijo M, Morikawa S, Mizutani T, Maeda K.
Isolation and Characterization of a Novel Rhabdovirus from a Wild Boar (Sus scrofa) in Japan. Vet Microbiol, 2015, 179(3-4):197-203.
6) Hamamoto N, Uda A, Tobiume M, Park CH, Noguchi A, Kaku Y, Okutani A, Morikawa S, Inoue S. Association between RABV G Proteins Transported from the Perinuclear Space to Cell Surface Membrane and N-glycosylation of the Sequon at Asn204. Jpn J Infect Dis. 2015, 68(5): 387-93.
7) Yoshikawa T, Shimojima M, Fukushi S, Tani H, Fukuma A, Taniguchi S, Singh H, Suda Y, Shirabe K, Toda S, Shimazu Y, Nomachi T, Gokuden M, Morimitsu T, Ando K, Yoshikawa A, Kan M, Uramoto M, Osako H, Kida K, Takimoto H, Kitamoto H, Terasoma F, Honda A, Maeda K, Takahashi T, Yamagishi T, Oishi K, Morikawa S, Saijo M. Phylogenetic and Geographic Relationships of severe fever with thrombocytopenia syndrome virus in China, South Korea, and Japan. J Infect Dis. 2015, 212(6): 889-98.
8) Okamoto M, Miyazawa T, Morikawa S, Ono F, Nakamura S, Sato E, Yoshida T, Yoshikawa R, Sakai K, Mizutani T, Nagata N, Takano J, Okabayashi S, Hamano M, Fujimoto K, Nakaya T, Iida T, Horii T, Miyabe-Nishiwaki T, Watanabe A, Kaneko A, Saito A, Matsui A, Hayakawa T, Suzuki J, Akari H, Matsuzawa T, Hirai H.
Emergence of infectious malignant thrombocytopenia in Japanese macaques (Macaca fuscata) by SRV-4 after transmission to a novel host. Sci Rep. 2015, 5:8850.
9) Ching PK, de los Reyes VC, Sucaldito MN, Tayag E, Columna-Vingno AB, Malbas FF Jr, Bolo GC Jr, Sejvar JJ, Eagles D, Playford G, Dueger E, Kaku Y, Morikawa S, Kuroda M, Marsh GA, McCullough S, Foxwell AR. Outbreak of Henipavirus Infection, Philippines. Emerg Infect Dis. 2015, 21(2): 328-31.
10) Shimojima M, Fukushi S, Tani H, Yoshikawa T, Fukuma A, Taniguchi S, Suda Y, Maeda K, Takahashi T, Morikawa S, Saijo M. Effects of ribavirin on severe fever with thrombocytopenia syndrome virus in vitro.
Jpn J Infect Dis. 2014, 67(6): 423-7.
11) Orba Y, Sasaki M, Yamaguchi H, Ishii A, Thomas Y, Hang'ombe BM, Mweene AS, Morikawa S, Saijo M, Sawa H. Orthopoxvirus infection among wildlife in Zambia. J Gen Virol. 2015, 96 (Pt 2): 390-4.
G.知的財産権の出願・登録状況 なし
図 1.K1 から得られた MSP の遺伝子型とその出現頻度(注:262A, 262T, 264A は Vero E6 細胞で 継代後に得られた MSP)
表 1.K1 に含まれる MSP のプラーク法と次世代シークエンサーによる検出頻度の比較
図2. Mutation L1, L2, L4 型
図3. Mutation specific primer PCR LC16mO, 他の
表2. Mutation specific primer PCR
L1, L2, L4 では
Mutation-specific primer 型 MSP には 18mer primer
Mutation specific primer PCR 他の MSP に対しては Mutation specific primer PCR
では,頻度 0.01
specific primer PCR による 18mer primer が
Mutation specific primer PCR による に対しては 25cycles Mutation specific primer PCR による各
0.01%でも MSP を検出可能であった による L1 型 MSP
が,L5 型 MSP
による L1, L4 および
25cycles までは非特異的増殖が認められず による各 MSP 検出のまとめ
を検出可能であった
MSP の検出.種々の長さの変異部位特異的 MSP には 19mer primer
および L5 型 MSP
までは非特異的増殖が認められず 検出のまとめ
を検出可能であった.
種々の長さの変異部位特異的 19mer primer が最適であった
MSP の特異的検出 までは非特異的増殖が認められず,
種々の長さの変異部位特異的 が最適であった.
の特異的検出.各 MSP
,特異性が高いことが確認された 種々の長さの変異部位特異的 primers を検討した結果
MSP 特異的 PCR 特異性が高いことが確認された
を検討した結果
PCR は,LC16m8, 特異性が高いことが確認された.
を検討した結果,
LC16m8,
図4. RNase H2
図5. RNase H2
Nase H2-dependent
RNase H2-dependent PCR dependent PCR による
dependent PCR による
による MSP の検出
による L1, L4 および の検出
および L5 型 MSPMSP の検出