基礎的・基本的な知識・技能を確実に習得させる指導の工夫(1年次)
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研究主題
基礎的・基本的な知識・技能を確実に習得させる指導の工夫
(1年次)
目 次
第1 研究の概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 76 第2 研究の背景とねらい ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 77 1 研究の背景 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 77 2 研究のねらい ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 77 第3 研究の方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 77 1 研究の方法 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 77 2 研究の体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 78 3 研究の経過 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 78 第4 研究の内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 78 1 基礎研究 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 78
(1) 基礎的・基本的な知識・技能について
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 78
(2) 学力に影響を及ぼす要因について
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 79
(3) 自尊感情や自己肯定感と学力との関係
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 81
(4) 学力低位層の把握
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
812 事例研究 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 83
(1) 事例研究に当たって
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 83
(2) 自尊感情測定尺度【東京都版】を用いた調査結果から明らかになったこと・・・・・ 84 (3) 対象児童・生徒の個別事例について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 85
(4) 聞き取り調査の結果について
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
94(5) 事例研究のまとめ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
943 提案 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 96
(1) 状況把握の方法
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 96
(2) 状況把握を生かした授業改善
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
97(3) 組織的な取組
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 97
第5 研究の成果と今後の課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 98 1 研究の成果 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 98 2 今後の課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 98
○ 参考文献・資料等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1001 研究の成果
研究協力校における学力低位の児童・生徒を対象に、活動状況の把握及び教員への聞き 取りを行い、学力低位の児童・生徒の状況を把握する方法と個に応じた指導の手だてを提 案した。
2 研究成果の活用
本研究で用いた児童・生徒の活動状況を把握する方法を基に、校内研修会等において複 数の教員が対象児童・生徒を観察し共通理解を図り、個に応じた指導に役立てることがで きるようにする。
<研究の成果と活用>
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基礎的・基本的な知識・技能を確実に習得させる指導の工夫(1年次)
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基礎的・基本的な知識・技能を確実に習得させる指導の工夫(1年次)
第 1 研 究 の 概 要
学 習 へ の 関 心 や 意 欲 を 高 め 、基 礎 的・基 本 的 な 知 識・技 能 を 確 実 に 習 得 さ せ る た め に 必 要 な 児 童・生 徒 一 人 一 人 の 状 況 を 把 握 す る 方 法 及 び 指 導 や 支 援 の 方 法 を 提 案 す る 。 研 究 の ね ら い
基 礎 研 究 先 行 研 究 や 各 種 調 査 か ら 情 報 を 収 集 し 、 整 理 す る 。 1 基 礎 的 ・ 基 本 的 な 知 識 ・ 技 能 と は 何 か
2 東 京 都 に お け る 児 童 ・ 生 徒 の 学 力 に 関 す る 現 状 把 握 3 学 力 に 影 響 を 及 ぼ す 要 因
事 例 研 究 児 童 ・ 生 徒 一 人 一 人 の 状 況 を 把 握 す る 。
1 対 象 児 童・生 徒 の 活 動 状 況 把 握 及 び 教 員 へ の 児 童・生 徒 に つ い て の 聞 き 取 り 2 管 理 職 へ の 学 力 向 上 に 関 す る 組 織 的 な 取 組 に つ い て の 聞 き 取 り
3 自 尊 感 情 測 定 尺 度 【 東 京 都 版 】 を 用 い た 対 象 児 童 ・ 生 徒 の 自 尊 感 情 の 調 査
○ 小 学 校・中 学 校 の 発 達 段 階 に 応 じ た 指 導 や 支 援 の 実 践 事 例 を 提 案 し 、 検 証 す る 。
○ 組 織 的 な 個 に 応 じ た 指 導 の 体 制 の 取 組 を 行 う 。
○ 教 育 課 題 研 究 発 表 会 で 研 究 成 果 報 告 ○ 指 導 資 料 の 作 成 ・ 配 布 ○ 研 究 紀 要 の 作 成 ・ 配 布
東 京 都 の 課 題
基 礎 的 ・ 基 本 的 な 知 識 ・ 技 能 を 確 実 に 習 得 さ せ る と と も に 、 児 童 ・ 生 徒 の 学 ぶ 意 欲 を 高 め 、 学 習 習 慣 を 身 に 付 け さ せ 、 主 体 的 に 学 習 で き る 力 を 培 う こ と が 必 要 で あ る 。
東 京 都 の 施 策 研 究 の 背 景
研 究 の 方 法 と 内 容 1 年 次
提 案 個 に 応 じ た 指 導 の 工 夫 1 状 況 把 握 の 方 法
2 状 況 把 握 を 生 か し た 授 業 改 善 3 組 織 的 な 取 組
・ 児 童 ・ 生 徒 の 学 力 向 上 を 図 る た め の 調 査
・ 児 童 ・ 生 徒 の 学 習 の つ ま ず き を 防 ぐ 指 導 基 準 ( 東 京 ミ ニ マ ム )
・ 学 力 向 上 パ ー ト ナ ー シ ッ プ 事 業
・ 東 京 ベ ー シ ッ ク ・ ド リ ル
・ 東 京 方 式 習 熟 度 別 指 導 ガ イ ド ラ イ ン
研 究 成 果 の 活 用
2 年 次
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第 2 研 究 の 背 景 と ね ら い
1 研 究 の 背 景
平 成
26年 度「 全 国 学 力・学 習 状 況 調 査 」の 結 果 か ら 、東 京 都 の 児 童・生 徒 は 、全 都 道 府 県 の 中 で 上 位 3 割 以 内 の グ ル ー プ に 位 置 し て い る が 、 学 力 上 位 の 他 の 県 と 比 較 す る と 、 下 位 層 の 児 童 ・ 生 徒 の 割 合 が 多 い こ と が 報 告 さ れ て い る 。 こ の こ と か ら 、 当 該 学 年 で 学 習 す る 内 容 を 十 分 に 理 解 し な い ま ま 進 級 し 、 次 の 学 年 で の 学 習 に 支 障 を 来 し て い る 実 態 が 考 え ら れ る 。
東 京 都 教 育 委 員 会 で は 、 教 育 目 標 に あ る 「 自 ら 学 び 考 え 行 動 す る 、 個 性 と 創 造 力 豊 か な 人 間 」 の 育 成 に 向 け た 教 育 を 重 視 し 、「 東 京 都 教 育 ビ ジ ョ ン ( 第 3 次 )」( 平 成
25年 4 月 策 定 )の 取 組 の 方 向 1「 学 び の 基 礎 を 徹 底 す る 」主 要 施 策 の 第 一 に 、 「 基 礎・基 本 の 定 着 と 学 ぶ 意 欲 の 向 上 」を 位 置 付 け て い る 。こ の こ と を 受 け 、 「 児 童・生 徒 の 学 力 向 上 を 図 る た め の 調 査 」、 「 学 力 向 上 パ ー ト ナ ー シ ッ プ 事 業 」の 実 施 や「 東 京 ベ ー シ ッ ク・ド リ ル 」の 活 用 等 、 重 点 教 科 を 中 心 に 、 学 力 の 定 着 に 課 題 の 見 ら れ る 児 童 ・ 生 徒 に 対 す る 効 果 的 な 指 導 法 を 開 発 し 、 習 熟 度 別 指 導 等 を 推 進 す る な ど 基 礎 的 ・ 基 本 的 な 事 項 の 定 着 を 図 っ て い る 。
各 学 校 で は 、 児 童 ・ 生 徒 の 学 力 の 実 態 に 応 じ た 「 授 業 改 善 推 進 プ ラ ン 」 を 作 成 し 、 確 か な 学 力 の 定 着 と 伸 長 に 向 け た 取 組 を 実 践 で き る よ う 組 織 を 挙 げ て 取 り 組 ん で い る 。さ ら に 、 基 礎 的 ・ 基 本 的 な 知 識 ・ 技 能 を 確 実 に 身 に 付 け さ せ る た め 、 習 熟 度 別 指 導 、 分 か ら な い 箇 所 に 立 ち 戻 る 指 導 、 分 か る ま で の 繰 り 返 し の 指 導 を 徹 底 し て い る 。
今 後 も 、 東 京 都 の 公 立 学 校 に 在 籍 す る 全 て の 児 童 ・ 生 徒 が 、 基 礎 的 ・ 基 本 的 な 知 識 ・ 技 能 を 習 得 で き る よ う に す る た め 、学 力 の 定 着 に 課 題 の 見 ら れ る 児 童・生 徒 の 状 況 を 把 握 し 、 つ ま ず き の 要 因 を 探 る と と も に 、 一 人 一 人 の 児 童 ・ 生 徒 の 理 解 に 応 じ た き め 細 か な 指 導 や 支 援 の 工 夫 が 求 め ら れ る 。
2 研 究 の ね ら い
第 3 研 究 の 方 法 1 研 究 の 方 法
基 礎 研 究 と し て 、 基 礎 的 ・ 基 本 的 な 知 識 ・ 技 能 に つ い て 確 認 し た 上 で 、 東 京 都 に お け る 児 童 ・ 生 徒 の 学 力 に 関 す る 現 状 の 把 握 、 学 力 に 影 響 を 及 ぼ す 要 因 等 に つ い て 先 行 研 究 や 文 献 等 を 中 心 に 調 べ 分 析 し た 。
次 に 、 事 例 研 究 と し て 、 学 力 低 位 の 児 童 ・ 生 徒 一 人 一 人 の 実 態 を 詳 細 に 把 握 す る た め 、 学 力 調 査 の 結 果 に 加 え 、 自 尊 感 情 測 定 尺 度 【 東 京 都 版 】 を 活 用 し て 自 尊 感 情 を 測 定 し 、 活 動 状 況 把 握 や 教 員 か ら 対 象 児 童 ・ 生 徒 に つ い て の 聞 き 取 り を 行 う こ と で 、 学 習 面 だ け で は な く 様 々 な 角 度 か ら 情 報 を 集 め 、 児 童 ・ 生 徒 の つ ま ず き の 要 因 を 分 析 し た 。 ま た 、 管 理 職 か ら は 、 学 力 向 上 に 関 す る 組 織 的 な 取 組 に つ い て 聞 き 取 り を 行 っ た 。
事 例 の 分 析 に 当 た っ て は 、 特 別 支 援 教 育 の 視 点 を 用 い た 活 動 状 況 の 把 握 を 通 常 の 学 級 で の 授 業 改 善 に 生 か す た め に 、 特 別 支 援 教 育 を 専 門 と す る 指 導 主 事 が 加 わ っ た 。
学 習 へ の 関 心 や 意 欲 を 高 め 、 基 礎 的 ・ 基 本 的 な 知 識 ・ 技 能 を 確 実 に 習 得 さ せ る た め に 必 要 な 児 童 ・ 生 徒 一 人 一 人 の 状 況 を 把 握 す る 方 法 及 び 指 導 や 支 援 の 方 法 を 提 案 す る 。
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基 礎 研 究 及 び 事 例 研 究 を 基 に 、つ ま ず き の 要 因 に 対 す る 個 に 応 じ た 手 だ て を 考 え 、「 状 況 把 握 を 生 か し た 授 業 改 善 」、「 組 織 的 な 取 組 」 の 二 つ の 視 点 で 手 だ て を 整 理 し た 。
2 研 究 の 体 制
研 究 部 会 を 組 織 し 、 東 京 都 教 職 員 研 修 セ ン タ ー 統 括 指 導 主 事 3 名 、 指 導 主 事 5 名 及 び 教 員 研 究 生 6 名 が 所 属 し た 。 原 則 、 毎 月 2 回 の 部 会 を 開 催 し た 。
東 京 都 教 育 委 員 会 で は 、学 力 向 上 の た め の 施 策 と し て 、「 児 童・生 徒 の 学 力 向 上 を 図 る た め の 調 査 」及 び「 学 力 向 上 パ ー ト ナ ー シ ッ プ 事 業 」等 を 実 施 し て い る 。平 成 25、26 年 度 に 行 わ れ て い る 「 学 力 向 上 パ ー ト ナ ー シ ッ プ 事 業 」 は 、 都 内 の 重 点 中 学 校 区 の 学 校 ( 中 学 校 1 校 と 近 隣 の 小 学 校 1 ~ 3 校 )を 調 査 研 究 校 と し て 指 定 し 、所 管 の 教 育 委 員 会 と 協 力 し て 、 学 力 の 定 着 に 課 題 の 見 ら れ る 児 童 ・ 生 徒 へ の 効 果 的 な 指 導 方 法 の 開 発 に 資 す る 研 究 に 取 り 組 ん で い る 。そ こ で 、事 例 研 究 を 行 う に 当 た っ て 、「 学 力 向 上 パ ー ト ナ ー シ ッ プ 事 業 」に お け る 調 査 研 究 校 に 協 力 を 依 頼 し 、 4 校 を 研 究 協 力 校 と し て 指 定 し た 。
3 研 究 の 経 過
平 成 26 年 4 月 第 1 回 研 究 部 会 の 発 足 ( 月 2 回 )
平 成 26 年 10 月 学 力 向 上 パ ー ト ナ ー シ ッ プ 研 究 協 議 会 ( 参 加 )
平 成 26 年 11~ 12 月 研 究 協 力 校 の 対 象 児 童 ・ 生 徒 の 活 動 状 況 の 把 握 及 び 対 象 児 童 ・ 生 徒 に 関 す る 教 員 へ の 聞 き 取 り 等 の 実 施
平 成 27 年 1 月 学 力 向 上 パ ー ト ナ ー シ ッ プ 研 究 協 議 会 ( 参 加 ) 平 成 27 年 2 月 教 育 課 題 研 究 発 表 会 の 実 施 〔 2 月 17 日 〕
第 4 研 究 の 内 容
1 基 礎 研 究
(1) 基 礎 的 ・ 基 本 的 な 知 識 ・ 技 能 に つ い て
「 基 礎 的 ・ 基 本 的 な 知 識 ・ 技 能 」は 、「 思 考 力 、判 断 力 、表 現 力 等 」や「 主 体 的 に 学 習 に 取 り 組 む 態 度 」と と も に 学 力 の 三 要 素 と し て 、学 校 教 育 法 第 30 条 第 2 項( 平 成 18 年 改 訂 ) に 位 置 付 け ら れ て い る 。「 基 礎 的・基 本 的 な 知 識・技 能 」と い う 文 言 は 中 央 教 育 審 議 会 答 申
( 平 成 20 年 1 月 ) に も 明 記 さ れ 、 そ の 後 現 行 の 小 学 校 及 び 中 学 校 学 習 指 導 要 領 ( 平 成 20 年 3 月 告 示 ) に 反 映 さ れ て い る 経 緯 が あ る 。
東 京 都 教 育 委 員 会 で は 、「 基 礎 的・基 本 的 な 知 識・技 能 」の 内 容 に 関 連 す る 資 料 で あ る「 児 童 ・ 生 徒 の 学 習 の つ ま ず き を 防 ぐ 指 導 基 準 東 京 ミ ニ マ ム ( 改 訂 版 )」( 東 京 都 教 育 委 員 会 平 成 22 年 3 月 ) を 示 し て い る 。 こ れ は 、 児 童 ・ 生 徒 の 学 習 の つ ま ず き を 防 ぐ た め に 、「 学 習 の 素 地 と し て 確 実 に 身 に 付 け さ せ て お く 必 要 が あ る 資 質 ・ 能 力 」 を 明 ら か に し た も の で あ る 。 国 語 科 に つ い て は 、「 知 識 ・ 理 解 ・ 技 能 」、「 言 葉 を 使 い こ な す 力 」、 算 数 ・ 数 学 科 に ついては、「知識・技能」、「考え方」とし、資質・能力の具体的な要素を設定している(表1)。
国 語 科 知 識 ・ 理 解 ・ 技 能
○ 文 の つ く り ○ 語 句
○ 話 し 方 ○ 文 章 の つ く り
○ 言 葉 遣 い ○ 文 字
言 葉 を 使 い こ な す 力
○ 話 題 を 捉 え て 話 し 合 う 力
○ 書 く 事 柄 を 明 ら か に す る 力
○ 文 章 を 組 み 立 て る 力
○ 文 章 を 見 直 す 力
○ 大 体 の 意 味 を 捉 え る 力
○ 文 章 を 読 み 、 考 え る 力
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ま た 、 小 学 校 学 習 指 導 要 領 総 則 で は 、 言 語 活 動 を 充 実 さ せ 、 問 題 解 決 的 な 学 習 展 開 を 意 識 し て 行 う 中 で 、 「 基 礎 的・基 本 的 な 知 識・技 能 」を 習 得 さ せ 、こ れ ら を 活 用 し て 課 題 を 解 決 す る た め に 必 要 な 思 考 力 ・ 判 断 力 ・ 表 現 力 等 を 育 成 し 、 主 体 性 を 身 に 付 け て い く こ と と し て い る 。 「 基 礎 的・ 基 本 的 な 知 識・ 技 能 」に つ い て は 、例 え ば 、小 学 校 算 数 科 の 第 5 学 年 で 学 習 す る 「 小 数 の か け 算 と わ り 算 」 で は 、 計 算 の 仕 方 に つ い て 数 の 相 対 的 な 見 方 や 計 算 の 性 質 を 生 か し て 考 え る こ と が 求 め ら れ る 。し か し 、当 該 学 年 ま で に「 数 の 相 対 的 な 見 方 」 の 基 に な る 考 え 方 が 児 童 に 身 に 付 い て い な け れ ば 、 こ の 学 習 の つ ま ず き の 要 因 に な る と 言 え る 。 こ の よ う に 、 児 童 ・ 生 徒 が 、 当 該 学 年 で 確 実 に 身 に 付 け て お か な け れ ば 、 そ の 後 の 学 年 に お い て 学 習 を 行 う 際 に つ ま ず き の 要 因 に な る と 思 わ れ る 知 識 ・ 技 能 が あ る 。
そ こ で 、 本 研 究 に お け る 基 礎 的 ・ 基 本 的 な 知 識 ・ 技 能 を 以 下 の と お り と し た 。
(2) 学 力 に 影 響 を 及 ぼ す 要 因 に つ い て
国 や 都 の 学 力 調 査 結 果 、 都 内 及 び 他 道 府 県 に お け る 教 育 委 員 会 を 中 心 と し た 学 力 向 上 に 関 す る 取 組 や 研 究 等 に つ い て 調 べ た と こ ろ 、全 国 学 力・学 習 状 況 調 査 の 結 果 等 か ら 、児 童 ・ 生 徒 の 学 習 ・ 生 活 習 慣 、 家 庭 学 習 の 状 況 及 び 学 校 に お け る 指 導 等 と 学 力 と の 間 に い ず れ も 関 係 が あ る こ と が 分 か っ た 。
学 習 に 対 す る 関 心 ・ 意 欲 ・ 態 度 、 読 書 、 学 習 時 間 、 基 本 的 生 活 習 慣 、 自 尊 感 情 ・ 規 範 意 識 な ど の 項 目 で 、 肯 定 的 な 回 答 又 は そ の 時 間 が 長 い と 回 答 し た 児 童 ・ 生 徒 ほ ど 学 力 が 高 い 傾 向 が あ る こ と が 確 認 さ れ た 。具 体 的 に は 、 「 家 で 学 校 の 宿 題 を し て い る 」、 「 朝 食 を 食 べ て い る 」、「 学 校 に 持 っ て い く も の を 前 日 か 、 そ の 日 に 確 か め て い る 」 な ど の 生 活 習 慣 、 学 習 習 慣 に 関 す る 項 目 は 学 力 と の 関 係 が 特 に あ る 。
学 校 の 組 織 的 な 取 組 と し て は 、 「 学 習 規 律 の 徹 底 」、 「 学 校 と 家 庭・保 護 者 と の 関 係 」や「 子 供 の 学 習 習 慣 」、「 自 尊 感 情 」、「 規 範 意 識 」、「 社 会 や 地 域 へ の 関 心 」 等 に 学 力 と の 関 係 が 見 ら れ た 。そ し て 、結 果 分 析 に お い て は 、 「 学 習 の 課 題 を 与 え る 」、 「 振 り 返 り を 行 う 」な ど の 指 導 上 の 取 組 が 、 学 力 向 上 に 有 効 だ と さ れ て い る 。
ま た 、 「 自 分 で 調 べ た こ と や 考 え た こ と を 分 か り や す く 文 章 に 書 か せ る 指 導 」、 「 考 え を 引 き 出 し た り 思 考 を 深 め た り す る 指 導 」、「 適 切 に ノ ー ト を と る な ど 、 学 習 方 法 に 関 す る 指 導 を し て い る 」 な ど の 取 組 は 、 我 が 国 の 児 童 ・ 生 徒 の 課 題 と さ れ て い る 記 述 式 問 題 の 無 解 答 率 の 減 少 に 効 果 が あ る と 言 わ れ て い る 。そ の 他 に も 、 「 考 え を 引 き 出 し た り 思 考 を 深 め た り す る 指 導 」、「 私 語 を し な い な ど 、 学 習 規 律 の 維 持 を 徹 底 」、「 家 庭 学 習 の 継 続 的 な 習 慣 付 け を 図 る た め に 家 庭 と 協 力 す る こ と 」 な ど が 学 力 向 上 に 有 効 だ と さ れ て い る 。 ま た 、 各 学 力 算 数 科 ・
数 学 科
知 識 ・ 技 能
○ 繰 り 下 が り の あ る ひ き 算
○ か け 算
○ 測 定 の 技 能○ 作 図
○ 式 の 意 味 の 読 み○ 比 例
○ 正 の 数 ・ 負 の 数 の 理 解○ 文 字 を 含 む 式 の 計 算
○ 分 数
考 え 方
○ 数 の い ろ い ろ な 見 方
○ 計 算 の 見 積 り
○ 量 の 大 き さ に つ い て の 見 当 付 け
○ い ろ い ろ な 観 点 か ら の 図 形 の 見 方
○ 変 化 の 様 子 へ の 着 目
○ 割 合 の 見 方
学 習 の 素 地 と し て 確 実 に 身 に 付 け さ せ て お く 必 要 が あ る 知 識 ・ 技 能
表 1 学 習 の 素 地 と し て 確 実 に 身 に 付 け さ せ て お く 必 要 が あ る 資 質 ・ 能 力 ( 出 典 : 東 京 ミ ニ マ ム )
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層 に 効 果 的 な 指 導 方 法 が 異 な る 可 能 性 が 明 ら か に さ れ て い る 。 例 え ば 、 学 力 低 位 層 を 減 ら る け 付 に 身 を 慣 習 く 書 て い お に 導 指 の 語 国
「
、 は て し と 法 方 る い て れ さ と る あ が 果 効 に の す
授 業 」、「 学 校 図 書 館 を 活 用 し た 授 業 」、「 放 課 後 を 利 用 し た 補 充 的 な 学 習 サ ポ ー ト 」 な ど が あ る 。
さ ら に 、 個 に 応 じ た 指 導 の 一 つ と し て 習 熟 度 別 少 人 数 指 導 の 効 果 が 言 わ れ て お り 、 学 力 低 位 層 の 学 習 に お い て 関 心 ・ 意 欲 ・ 態 度 を 高 め る 効 果 や 、 学 力 低 位 層 を 減 ら し 、 学 力 が 高 い 層 を 伸 ば す 効 果 が あ る こ と が 確 認 さ れ て い る 。 特 に 、 学 力 低 位 層 の 正 答 率 を 上 げ 、 無 解 答 率 を 下 げ る 傾 向 が あ る こ と が 明 ら か に な っ て い る 。 ま た 、 学 力 低 位 層 の 自 尊 感 情 を 傷 付 け た り 、 学 力 が 高 い 層 の 自 尊 感 情 を 歪 め た り し な い こ と も 分 か っ た 。
「 小 学 校 学 習 指 導 要 領 総 則 第 1 章 第 4 の 2
(6)」で は 、各 教 科 等 の 指 導 に 当 た っ て は 、児 童 が 学 習 内 容 を 確 実 に 身 に 付 け る こ と が で き る よ う 、 学 校 や 児 童 の 実 態 に 応 じ 、 個 別 指 導 や グ ル ー プ 別 指 導 、 繰 り 返 し 指 導 、 学 習 内 容 の 習 熟 の 程 度 に 応 じ た 指 導 、 児 童 の 興 味 ・ 関 心 等 に 応 じ た 課 題 学 習 、補 充 的 な 学 習 や 発 展 的 な 学 習 な ど の 学 習 活 動 を 取 り 入 れ た 指 導 、 教 師 間 の 協 力 的 な 指 導 な ど 指 導 方 法 や 指 導 体 制 を 工 夫 改 善 し 、 個 に 応 じ た 指 導 の 充 実 を 図 る こ と と さ れ て い る 。
ま た 、 O E C D が 国 際 分 析 に お い て 背 景 要 因 と し て 挙 げ て い る も の に は 、 数 学 の 学 習 に 関 す る 要 因( 数 学 に お け る 興 味・関 心 や 楽 し み 、道 具 的 動 機 付 け 、自 己 効 力 感 、自 己 概 念 、 不 安 )の 他 、学 級 の 雰 囲 気 や 学 校 の 雰 囲 気 、児 童・生 徒 と 教 師 の 関 係 が あ る 。こ の 他 に も 、 成 績 を 規 定 す る 要 因 と し て 、 授 業 時 間 、 生 徒 の 社 会 ・ 経 済 ・ 文 化 的 背 景 、 学 校 規 模 、 学 級 規 模 、 課 外 活 動 、 入 学 に 際 し て の 学 校 の 方 針 な ど 、 学 校 内 外 の 様 々 な 要 因 が 挙 げ ら れ て い る 。
以 上 の よ う に 、 様 々 な 要 因 が 学 力 に 影 響 を 及 ぼ す こ と が 示 さ れ て い る が 、 文 献 や 先 行 研 究 を 基 に 、 学 力 と 関 係 の あ る 要 因 に つ い て 以 下 の と お り ま と め た ( 表 2 )。
項 目 学 力 と 関 係 の あ る 具 体 的 内 容
関 心 ・ 意 欲 ・ 態 度 ・ 国 語 、 算 数 ・ 数 学 へ の 関 心 ・ 意 欲 ・ 態 度 が 高 い 。
読 書 ・ 読 書 が 好 き で 、 読 書 時 間 が 長 く 、 学 校 や 地 域 の 図 書 館 に 行 く 頻 度 が 多 い 。 学 校 生 活 ・ 学 級 で 協 力 し て 何 か を や り 遂 げ 、 う れ し か っ た こ と が あ る 。
・ 先 生 は 、 自 分 の よ い 所 を 認 め て く れ て い る と 思 う 。 基 本 的 生 活 習 慣 ・ 朝 食 を 毎 日 食 べ る 。
・ 毎 日 、 同 じ ぐ ら い の 時 刻 に 寝 る 。
メ デ ィ ア と の 関 係 ・ 携 帯 電 話 や ス マ ー ト フ ォ ン で 通 話 す る 時 間 が 短 い 。
・ メ ー ル 、 イ ン タ ー ネ ッ ト を す る 時 間 が 短 い 。
・ ゲ ー ム を し て い る 時 間 が 短 い 。 家 庭 で の
コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 等
・ 家 の 人 と 学 校 で の 出 来 事 に つ い て 話 を す る 。
・ 家 の 人 は 、 授 業 参 観 や 運 動 会 な ど の 学 校 行 事 に 来 る 。 社 会 に 対 す る
興 味 ・ 関 心
・ 地 域 や 社 会 で 起 こ っ て い る 問 題 や 出 来 事 に 関 心 が あ る 。
・ 新 聞 、 テ レ ビ の ニ ュ ー ス 番 組 や イ ン タ ー ネ ッ ト の ニ ュ ー ス か ら 情 報 を 得 て い る 。 自 尊 感 情 ・ 物 事 を 最 後 ま で や り 遂 げ て 、 う れ し か っ た こ と が あ る 。
規 範 意 識 ・ 学 校 の き ま り ・ 規 則 を 守 っ て い る 。 学 校 に お け る 指 導
等
・ 総 合 的 な 学 習 の 時 間 に お け る 探 究 活 動 を 行 う 。
・ 本 や イ ン タ ー ネ ッ ト を 使 っ て 、 グ ル ー プ で 調 べ る 活 動 を 行 う 。 授 業 ・ 自 分 の 考 え を 発 表 す る 機 会 を 確 保 し た 授 業 を 行 う 。
・ 学 級 の 友 達 と の 間 で 話 し 合 う 活 動 を 取 り 入 れ る 。
・ 発 展 的 な 学 習 の 指 導 を 行 う 。
・ 小 学 校 に お け る 補 充 的 な 学 習 の 指 導 を 行 う 。
・ 国 語 の 指 導 と し て 、 書 く 習 慣 を 付 け る 授 業 、 目 的 や 相 手 に 応 じ て 話 し た り 聞 い た り す る 授 業 、 様 々 な 文 章 を 読 む 授 業 を 行 う 。
・ 算 数 ・ 数 学 の 指 導 と し て 、 実 生 活 に お け る 事 象 と の 関 連 を 図 っ た 授 業 を 行 う 。
・ 調 べ た り 文 章 を 書 い た り す る 宿 題 を 与 え る 。
・ 適 切 に ノ ー ト を と る 、 テ ス ト の 間 違 い を 振 り 返 る な ど の 指 導 を 行 う 。
・ 学 級 全 員 で 取 り 組 ん だ り 挑 戦 し た り す る 課 題 や テ ー マ を 設 定 す る 。
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家 庭 学 習 ・ 授 業 の 予 習 、 復 習 を す る 。
・ 学 校 の 宿 題 を す る 。
・ 調 べ た り 文 章 を 書 い た り す る 宿 題 を 与 え る 。
・ 学 校 の 授 業 時 間 以 外 で の 学 習 時 間 が 長 い 。
・ 自 分 で 計 画 を 立 て て 勉 強 す る 。
学 習 規 律 ・ 私 語 を し な い 、 話 を し て い る 人 の 方 を 向 い て 聞 く な ど を 維 持 徹 底 す る 。 言 語 活 動 ・ 各 教 科 等 の 指 導 の ね ら い を 明 確 に し た 上 で 、 言 語 活 動 を 適 切 に 位 置 付 け る 。
・ 様 々 な 考 え を 引 き 出 し た り 、 思 考 を 深 め た り す る よ う な 発 問 や 指 導 を 行 う 。
・ 発 言 や 活 動 の 時 間 を 確 保 し た 授 業 を 実 施 す る 。
・ 学 級 や グ ル ー プ で 話 し 合 う 活 動 を 行 う 。
・ 資 料 を 使 っ て 発 表 が で き る よ う 指 導 す る 。
・ 自 分 で 調 べ た こ と や 考 え た こ と を 分 か り や す く 文 章 に 書 か せ る 指 導 を す る 。 研 修 ・ 教 職 員 が 、 学 校 内 外 の 研 修 や 研 究 会 に 参 加 し 、 そ の 成 果 を 教 育 活 動 に 積 極 的 に
反 映 す る 。
(3) 自 尊 感 情 や 自 己 肯 定 感 と 学 力 と の 関 係
表 2 に も あ る よ う に 、 全 国 学 力 ・ 学 習 状 況 調 査 結 果 か ら は 、 自 尊 感 情 と 学 力 と の 間 に 関 係 が あ る こ と が 分 か っ た 。 自 尊 感 情 に つ い て は 、 O E C D の P I S A 調 査 2012 に よ れ ば 、 我 が 国 の 児 童 ・ 生 徒 の 特 徴 と し て 、 学 力 は 高 い 位 置 に あ る も の の 全 体 的 に 自 尊 感 情 が 低 い と い う 結 果 が 示 さ れ て い る 。P I S A 調 査 結 果 と 同 様 に 、「 高 校 生 の 心 と 体 の 健 康 に 関 す る 調 査 報 告 書 」( 日 本 青 少 年 研 究 所 平 成 23 年 3 月 ) で も 米 国 ・ 中 国 ・ 韓 国 と 比 較 し て 、 自 尊 感 情 が 低 い 傾 向 が あ る こ と が 示 さ れ て い る 。
平 成 20~ 24 年 度 に 行 っ た 東 京 都 教 職 員 研 修 セ ン タ ー の 研 究 で は 、「 A 自 己 評 価 ・ 自 己 受 容 」、「 B 関 係 の 中 で の 自 己 」、「 C 自 己 主 張 ・ 自 己 決 定 」 の 三 観 点 に 基 づ い て 子 供 の 自 尊 感 情 の 傾 向 を 把 握 す る こ と と し 、 例 え ば 、 学 習 意 欲 、 進 路 に 対 す る 意 識 、 友 人 関 係 を 良 好 に す る こ と が 自 尊 感 情 を 高 め る こ と に つ な が る 要 因 の 一 部 で あ る こ と が 確 認 さ れ た 。
(4) 学 力 低 位 層 の 把 握
学 力 低 位 の 児 童 ・ 生 徒 に つ い て は 、 下 位 層 、 低 位 層 な ど 様 々 な 呼 び 方 が さ れ て お り 、 偏 差 値 34 以 下 と し た り 、評 定 5 段 階 の う ち 2 、1 段 階 と し た り し て い る 自 治 体 も あ る 。全 国 学 力 ・ 学 習 状 況 調 査 に お い て は 、 正 答 率 が 40% 以 下 の 児 童 ・ 生 徒 を 下 位 層 と し て い る 。
東 京 都 教 育 委 員 会 で は 、 平 均 正 答 率 マ イ ナ ス 5 % に 達 し な か っ た 児 童 ・ 生 徒 を 下 位 層 と 捉 え て お り 、教 科 ご と に 下 位 層 を 示 し て い る 。平 成 25 年 度「 児 童・生 徒 の 学 力 向 上 を 図 る た め の 調 査 」で は 、小 学 校 算 数 が 40.3% 、中 学 校 数 学 が 40.4% と 他 教 科 に 比 べ て 下 位 層 が 多 い 。平 成 26 年 度 児 童・生 徒 の 学 力 向 上 を 図 る た め の 調 査 に お い て は 、教 科 書 の 例 題 レ ベ ル の 問 題 で あ る 習 得 目 標 値 を 新 た に 設 定 し て お り 、 小 学 校 算 数 で は 、 習 得 目 標 値 未 満 の 児 童 の 割 合 は 15.4% で あ っ た 。
平 成 26 年 度 全 国 学 力・学 習 状 況 調 査 に お い て 、主 と し て「 知 識 」に 関 す る 問 題 で あ る〔 国 語 A 、算 数 ・ 数 学 A 〕に お け る 正 答 率 が 40% 以 下 で あ る 下 位 層 の 割 合 を 表 3 に 示 し た 。こ れ を 見 る と 、東 京 都 で は 、約 3 割 程 度 の 児 童・生 徒 が 下 位 層 に 当 て は ま る こ と が 分 か っ た 。
小 学 校 国 語 A 小 学 校 算 数 A 中 学 校 国 語 A 中 学 校 数 学 A
東 京 都 32.9% 31.5% 25.2% 33.7%
全 国 38.1% 34.3% 28.2% 36.6%
表2 学力と関係のある要因について(参考:文部科学省 平成 26 年度 小学校及び中学校各教科等教育課程研究協議会 実施要項・関係資料)
表 3 平 成 26 年 度 全 国 学 力 ・ 学 習 状 況 調 査 に お け る 下 位 層 の 割 合
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基礎的・基本的な知識・技能を確実に習得させる指導の工夫(1年次)
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ま た 、「 都 内 公 立 中 学 校 第 3 学 年 ( 平 成
25年
12月
31日 現 在 ) の 評 定 状 況 の 調 査 結 果 に つ い て 」 に お い て は 、 評 定 1 の 割 合
は 数 学 が 最 も 高 く 、 評 定 1 と 評 定 2 の 割 合 の 合 計 は 数 学 が
20% を 超 え てい る
(図 1)。 こ れ ら の こ と か ら 、 評定 1 と 評 定 2 が 全 体 の
30% 以 下 と なり 、 本 研 究 の 対 象 と な り 得 る こ と が 分 か っ た 。
さ ら に 、 全 国 学 力 ・ 学 習 状 況 調 査 結 果 及 び 児 童 ・ 生 徒 の 学 力 向 上 を 図 る た め の 調 査 結 果 を 過 去 3 年 間 分 、 分 析 し た 。 無 解 答 率 に 着 目 し て 調 べ た と こ ろ 、 最 も 無 解 答 率 が 高 い 中 学 校 数 学 で も 約
15% で あ っ た こ と か ら 、対 象 児 童・生 徒 を 下 位 2 割 の 中 か ら 設 定 で き る こ とが 分 か っ た 。
一 方 で 、特 別 な 支 援 を 必 要 と す る 児 童 ・ 生 徒 は 、東 京 都 で は
4.4% 程 度(「 通 常 の 学 級 に在 籍 す る 児 童 ・ 生 徒 の 学 習 障 害
(L D)、 注 意 欠 陥 / 多 動 性 障 害(A D H D)、 高 機 能 自 閉 症等 に 対 応 し た 教 育 的 支 援 に 関 す る 研 究 」( 東 京 都 教 職 員 研 修 セ ン タ ー 平 成
16年 3 月 ))、
国 で は
6.5% 程 度(「 通 常 の 学 級 に 在 籍 す る 発 達 障 害 の 可 能 性 の あ る 特 別 な 教 育 的 支 援 を 必要 と す る 児 童 生 徒 に 関 す る 調 査 結 果 に つ い て 」
(文 部 科 学 省平 成
24年
12月
))、通 常 の 学級 に 存 在 し て い る こ と が 分 か っ て い る 。
そ こ で 本 研 究 で は 、 学 力 向 上 パ ー ト ナ ー シ ッ プ 事 業 等 で 学 力 向 上 の 取 組 を 推 進 し て も 下 位 2 割 に と ど ま っ て い る 児 童 ・ 生 徒 を 抽 出 し 、 さ ら に 、 学 力 面 で つ ま ず い て い る 児 童 ・ 生 研 査 調 る す 関 に 築 構 の ム テ ス シ 定 判 了 終 始 開 の 導 指 の で 導 指 級 通
「
、 に め た る す 化 点 焦 に 徒
究 事 業 報 告 書 」に あ る「 学 習 と 行 動 の チ ェ ッ ク リ ス ト 」 ( 表 4 )を 用 い た 。そ こ か ら 、対 象 児 童 ・ 生 徒 に 関 わ る 担 任 等 ( 教 科 担 任 等 ) 複 数 名 で 話 し 合 い 、 各 観 点 に あ る 内 容 の 達 成 度 を 4 段 階 の 目 安 ① 2 0 % 以 下 ② 5 0 ~ 2 0 % ③ 8 0 ~ 5 0 % ④ 8 0 % 以 上 で 評 価 し た 。 そ し て 、 学 習 面 で
① や ② が 多 く 、 行 動 面 で ① や ② が 少 な い 児 童 ・ 生 徒 を 本 研 究 に お け る 学 力 低 位 層 の 対 象 児 童 ・ 生 徒 と し た ( 図 2
)。0.00%
20.00%
40.00%
60.00%
評定1 評定2 評定3 評定4 評定5
国語 数学
図 2 対 象 児 童 ・ 生 徒 の 把 握
%
図 1 都 内 公 立 中 学 校 第 3 学 年 の 評 定 状 況
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基礎的・基本的な知識・技能を確実に習得させる指導の工夫(1年次)
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2 事 例 研 究
(1) 事 例 研 究 に 当 た っ て
ア 目 的
学 力 低 位 の 児 童 ・ 生 徒 の つ ま ず き の 要 因 を 明 ら か に す る 。イ 対 象
(ア) 対 象 校
学 力 向 上 パ ー ト ナ ー シ ッ プ 事 業 に お け る 調 査 研 究 校 の う ち 、 都 内 公 立 小 学 校 2 校 、 中 学 校 2 校 、 計 4 校 を 本 研 究 の 研 究 協 力 校 と し た 。
(イ) 対 象 児 童 ・ 生 徒
学 力 低 位 の 児 童 28 名 、 生 徒 24 名 、 計 52 名
( 小 学 校 ・ 国 語 ) 第 5 学 年 9 名 、 第 6 学 年 7 名 ( 中 学 校 ・ 国 語 ) 第 2 学 年 7 名 、 第 3 学 年 6 名
( 小 学 校 ・ 算 数 ) 第 5 学 年 6 名 、 第 6 学 年 6 名 ( 中 学 校 ・ 数 学 ) 第 2 学 年 6 名 、 第 3 学 年 5 名 表 4 学 習 と 行 動 の チ ェ ッ ク リ ス ト ( 中 学 生 用 )
学 習 面
読 む
1 2 学 年 下 の 漢 字 が 読 め る 。
2短文の理解や記述してある事実の理解ができる。
3 文章の読み飛ばしや読み間違いがなく音読ができる。
4 ア ル フ ァ ベ ッ ト が 読 め る 。 5 英 単 語 ( 中 1 程 度 ) が 読 め る 。
書 く
1 正 し い 字 形 で 平 仮 名 を 書 く こ と が で き る 。 2 板 書 事 項 を 正 確 に 、 か つ 時 間 内 に 書 き 写 す こ
と が で き る 。
3 2 学 年 下 程 度 の 漢 字 が 書 け る 。
4 作 文 を 漢 字 混 じ り で 書 く こ と が で き る 。 5 自 分 の 考 え を 文 章 に ま と め ら れ る 。 6 話 を 聞 き な が ら メ モ を 取 る こ と が で き る 。 7 ア ル フ ァ ベ ッ ト や 英 単 語 ( 中 学 校 第 1 学 年
程 度 ) を 聞 い て 正 し く 書 け る 。 聞
く
1個別に出された口頭の指示を聞いて行動できる。
2 一 斉 の 指 示 を 聞 い て 行 動 す る こ と が で き る 。 3 学 級 や 班 で の 話 合 い を 聞 い て 理 解 で き る 。
話 す
1 自 分 の 意 思 を 適 切 に 伝 え る こ と が で き る 。 2 経 験 し た こ と を 順 序 よ く 簡 潔 に 話 す こ と が で き る 。 3 ス ム ー ズ に 話 す こ と が で き る 。
計 算
1 暗 算 で 加 減 を 行 う こ と が で き る 。 2 小 数 の 加 減 が で き る 。
3 整 数 2 け た 程 度 の 四 則 計 算 が で き る 。 4 定 規 や グ ラ フ の 目 盛 り の 読 み 取 り が で き る 。
推 論
1 文 章 題 の 意 味 を 理 解 し て 式 を 立 て る こ と が で き る 。 2 A= B、 B= C な ら ば A= C で あ る こ と が 理 解 で き る 。 3 物 事 の 因 果 関 係 を 予 測 し た 行 動 が と れ る 。 4 簡 単 な 地 図 が 理 解 で き る 。
行 動 面 粗
大 運 動
1 縄 跳 び や キ ャ ッ チ ボ ー ル が で き る 。 2 マ ッ ト 運 動 が で き る 。
3 全 力 疾 走 が で き る 。
4 鉄 棒 で 懸 垂 ( 女 子 は 斜 懸 垂 ) が で き る 。 5 馬 跳 び を す る こ と が で き る 。
微 細 運 動
1 端 に 気 を 付 け な が ら 折 り 紙 を 折 る こ と が で き る 。 2 は さ み で 曲 線 等 を 正 確 に 切 り 抜 く こ と が で き る 。 3 針 に 糸 を 通 す こ と が で き る 。
4 箸 で 物 を つ ま む こ と が で き る 。 5 蝶 結 び が ス ム ー ズ に で き る 。 6 楽 器 の 操 作 が で き る 。
注 意
1 作 品 を 最 後 ま で 仕 上 げ る こ と が で き る 。 2 机 の 中 や 衣 服 の 整 理 整 頓 が で き る 。 3 細 か な 点 に 注 意 し て 行 動 が で き る 。 4 持 ち 物 を 紛 失 し た り せ ず に 管 理 が で き る 。 5 他 の こ と に 気 を と ら れ ず に 一 つ の こ と だ け に 集 中
で き る 。
6 人 の 話 に 注 意 を 向 け て 最 後 ま で 聞 く こ と が で き る 。 7 毎 日 の 決 ま っ た 仕 事 を 忘 れ ず に で き る 。
多 動
1 授 業 中 、 席 に 座 っ て い る こ と が で き る 。
2 周 囲 の 様 子 を 見 な が ら 落 ち 着 い て 行 動 す る こ と が で き る 。
3 一 定 時 間 ( 10 秒 程 度 ) 身 体 を 静 止 す る こ と が で き る 。 4 授 業 中 、 教 室 か ら 出 て い か ず に い る こ と が で き る 。 5 手 い た ず ら 等 を し な い で 過 ご す こ と が で き る 。 6 私 語 を せ ず に 人 の 話 を 聞 く こ と が で き る 。
衝 動 性
1 順 番 を 待 つ こ と が で き る 。
2 ル ー ル を 守 っ て 行 動 す る こ と が で き る 。
3 自 己 主 張 を 我 慢 し て 周 り に 合 わ せ る こ と が で き る 。 4 話 の 途 中 に 割 り 込 ん だ り せ ず 、 最 後 ま で 人 の 話 を
聞 い た り で き る 。
5 不 満 な 場 面 で 感 情 を 抑 え て 行 動 す る こ と が で き る 。 1 予 定 変 更 に 合 わ せ て 順 応 し た 行 動 が で き る 。 2 新 し い 場 所 で も 落 ち 着 い て 行 動 が で き る 。 3 パ ニ ッ ク を 起 こ さ ず 感 情 を 抑 え る こ と が で きる 。 4 何 か に 固 執 し な い で 行 動 す る こ と が で き る 。 5 状 況 や 相 手 の 気 持 ち を 理 解 す る こ と が で き る 。
社 会 性
1 き ま り を 守 っ た 行 動 が で き る 。
2 皆 と 一 緒 の 行 動 ( 集 団 行 動 ) が と れ る 。 3 友 達 と 協 力 し た グ ル ー プ 行 動 が と れ る 。 4 友 達 と 一 緒 に 遊 ぶ こ と が で き る 。
5 場 の 状 況 に ふ さ わ し い 挨 拶 や 返 事 が で き る 。 6 場 所 を わ き ま え た 行 動 が と れ る 。
7 相 手 に 合 わ せ た 適 切 な 言 葉 遣 い が で き る 。 8 友 達 と 会 話 を 楽 し む こ と が で き る 。 9 人 に 対 し て 親 し み を も っ た 言 動 が で き る 。 1 0 置 か れ て い る 状 況 や 立 場 の 判 断 が で き る 。 1 1 最 後 ま で や り 遂 げ る こ と が で き る 。
感情のコントロール
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基礎的・基本的な知識・技能を確実に習得させる指導の工夫(1年次)
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ウ 方 法
(ア) 自 尊 感 情 測 定 尺 度 【 東 京 都 版 】 を 用 い た 対 象 児 童 ・ 生 徒 の 自 尊 感 情 の 調 査
本 研 究 で は 、 対 象 児 童 ・ 生 徒 が 所 属 す る 学 年 の 児 童 ・ 生 徒 全 員 に 自 尊 感 情 測 定 尺 度
【 東 京 都 版 】 を 用 い た 質 問 紙 調 査 を 実 施 し た 。 そ し て 、 対 象 児 童 ・ 生 徒 一 人 一 人 の 自 尊 感 情 測 定 結 果 と そ の 児 童 ・ 生 徒 が 所 属 す る 学 年 集 団 の 自 尊 感 情 測 定 結 果 と を 比 較 す る こ と で 、 学 力 低 位 の 児 童 ・ 生 徒 の 自 尊 感 情 の 傾 向 を 分 析 し 、 改 善 の た め の 手 だ て を 考 察 し た 。
(イ) 対 象 児 童 ・ 生 徒 の 活 動 状 況 の 把 握
対 象 児 童 ・ 生 徒 1 名 に 対 し て 、 観 察 者 2 ~ 3 名 で 児 童 ・ 生 徒 の 授 業 中 の 活 動 状 況 を 記 録 し た 。 ま た 、 授 業 後 に は 、 学 習 面 、 行 動 面 、 そ の 他 の 面 で 観 点 を 設 け 、 振 り 返 り シ ー ト に ま と め た 。
(ウ) 教 員 へ の 対 象 児 童 ・ 生 徒 に つ い て の 聞 き 取 り
対 象 児 童 ・ 生 徒 の 日 常 生 活 や 他 の 学 習 の 様 子 な ど に つ い て 、 学 級 担 任 及 び 教 科 担 任 に 聞 き 取 り を 行 っ た 。
(エ) 学 力 向 上 に 関 す る 組 織 的 な 取 組 に つ い て の 管 理 職 へ の 聞 き 取 り
学 力 向 上 に お け る 組 織 的 な 取 組 に つ い て 管 理 職 か ら 聞 き 取 り を 行 っ た 。
(2) 自 尊 感 情 測 定 尺 度 【 東 京 都 版 】 を 用 い た 調 査 結 果 か ら 明 ら か に な っ た こ と
本 研 究 の 対 象 児 童・生 徒 52 名 (う ち 1 名 欠 席 )と 対 象 児 童・生 徒 の 所 属 す る 学 年 集 団 の 自 尊 感 情 に つ い て 、 自 尊 感 情 測 定 尺 度 【 東 京 都 版 】 を 用 い た 自 己 評 価 を 行 っ た 。
第 一 に 、「 A 自 己 評 価・自 己 受 容 」、「 B 関 係 の 中 で の 自 己 」の 観 点 に お い て 、中 学 校 の 方 が 小 学 校 よ り も 低 い 数 値 を 示 し た 。
第 二 に 、 対 象 児 童 ・ 生 徒 を タ イ プ 別 に 見 る と 、 以 下 の よ う に 分 類 で き た 。( 表 5 )。
小 学 校 か ら 中 学 校 へ と 発 達 段 階 が 進 む に 従 っ て 、 自 尊 感 情 は 低 く な っ て い く 傾 向 が あ る と 言 え る 。 ま た 、 平 均 値 と し て の 差 は 見 ら れ な か っ た が 、 個 別 に 見 て い く と 平 均 値 よ り も 低 い 児 童 ・ 生 徒 が 存 在 し て い る こ と か ら 、 い ず れ か の 観 点 に だ け を 重 視 す る の で は な く 、 総 合 的 な 観 点 か ら 個 別 の 特 性 を 的 確 に 分 析 し て い く こ と が 必 要 だ と 言 え る 。
こ れ ら の 結 果 を 踏 ま え 、 本 研 究 で は 児 童 ・ 生 徒 一 人 一 人 の 特 性 に 着 目 し 、 状 況 把 握 に 重 点 を 置 い た 児 童 ・ 生 徒 理 解 の 観 点 か ら 、 学 習 に 対 す る 取 組 の メ カ ニ ズ ム に つ い て 、 個 別 の
Ⅰ タ イ プ Ⅱ タ イ プ Ⅲ タ イ プ Ⅳ タ イ プ Ⅴ タ イ プ Ⅵ タ イ プ な し
自 己 評 価・自 己 受 容 が 高 い タ イ プ
関 係 の 中 で の 自 己 が 高 い タ イ プ
自 己 主 張・自 己 決 定 が 高 い タ イ プ
自 己 評 価・自 己 受 容 が 低 い タ イ プ
関 係 の 中 で の 自 己 が 低 い タ イ プ
自 己 主 張・自 己 決 定 が 低 い タ イ プ
あ て は ま ら な い
0 名 12 名 (小6名、中6名)
6 名 (小3名、中3名)
10 名 (小5名、中5名)
3 名 (小1名、中2名)
3 名 (小2名、中1名)
17 名 (小 11 名、中6名) 表 5 対 象 児 童 ・ 生 徒 の タ イ プ の 傾 向
基礎的・基本的な知識・技能を確実に習得させる指導の工夫(1年次)
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ウ 方 法
(ア) 自 尊 感 情 測 定 尺 度 【 東 京 都 版 】 を 用 い た 対 象 児 童 ・ 生 徒 の 自 尊 感 情 の 調 査
本 研 究 で は 、 対 象 児 童 ・ 生 徒 が 所 属 す る 学 年 の 児 童 ・ 生 徒 全 員 に 自 尊 感 情 測 定 尺 度
【 東 京 都 版 】 を 用 い た 質 問 紙 調 査 を 実 施 し た 。 そ し て 、 対 象 児 童 ・ 生 徒 一 人 一 人 の 自 尊 感 情 測 定 結 果 と そ の 児 童 ・ 生 徒 が 所 属 す る 学 年 集 団 の 自 尊 感 情 測 定 結 果 と を 比 較 す る こ と で 、 学 力 低 位 の 児 童 ・ 生 徒 の 自 尊 感 情 の 傾 向 を 分 析 し 、 改 善 の た め の 手 だ て を 考 察 し た 。
(イ) 対 象 児 童 ・ 生 徒 の 活 動 状 況 の 把 握
対 象 児 童 ・ 生 徒 1 名 に 対 し て 、 観 察 者 2 ~ 3 名 で 児 童 ・ 生 徒 の 授 業 中 の 活 動 状 況 を 記 録 し た 。 ま た 、 授 業 後 に は 、 学 習 面 、 行 動 面 、 そ の 他 の 面 で 観 点 を 設 け 、 振 り 返 り シ ー ト に ま と め た 。
(ウ) 教 員 へ の 対 象 児 童 ・ 生 徒 に つ い て の 聞 き 取 り
対 象 児 童 ・ 生 徒 の 日 常 生 活 や 他 の 学 習 の 様 子 な ど に つ い て 、 学 級 担 任 及 び 教 科 担 任 に 聞 き 取 り を 行 っ た 。
(エ) 学 力 向 上 に 関 す る 組 織 的 な 取 組 に つ い て の 管 理 職 へ の 聞 き 取 り
学 力 向 上 に お け る 組 織 的 な 取 組 に つ い て 管 理 職 か ら 聞 き 取 り を 行 っ た 。
(2) 自 尊 感 情 測 定 尺 度 【 東 京 都 版 】 を 用 い た 調 査 結 果 か ら 明 ら か に な っ た こ と
本 研 究 の 対 象 児 童・生 徒 52 名 (う ち 1 名 欠 席 )と 対 象 児 童・生 徒 の 所 属 す る 学 年 集 団 の 自 尊 感 情 に つ い て 、 自 尊 感 情 測 定 尺 度 【 東 京 都 版 】 を 用 い た 自 己 評 価 を 行 っ た 。
第 一 に 、「 A 自 己 評 価・自 己 受 容 」、「 B 関 係 の 中 で の 自 己 」の 観 点 に お い て 、中 学 校 の 方 が 小 学 校 よ り も 低 い 数 値 を 示 し た 。
第 二 に 、 対 象 児 童 ・ 生 徒 を タ イ プ 別 に 見 る と 、 以 下 の よ う に 分 類 で き た 。( 表 5 )。
小 学 校 か ら 中 学 校 へ と 発 達 段 階 が 進 む に 従 っ て 、 自 尊 感 情 は 低 く な っ て い く 傾 向 が あ る と 言 え る 。 ま た 、 平 均 値 と し て の 差 は 見 ら れ な か っ た が 、 個 別 に 見 て い く と 平 均 値 よ り も 低 い 児 童 ・ 生 徒 が 存 在 し て い る こ と か ら 、 い ず れ か の 観 点 に だ け を 重 視 す る の で は な く 、 総 合 的 な 観 点 か ら 個 別 の 特 性 を 的 確 に 分 析 し て い く こ と が 必 要 だ と 言 え る 。
こ れ ら の 結 果 を 踏 ま え 、 本 研 究 で は 児 童 ・ 生 徒 一 人 一 人 の 特 性 に 着 目 し 、 状 況 把 握 に 重 点 を 置 い た 児 童 ・ 生 徒 理 解 の 観 点 か ら 、 学 習 に 対 す る 取 組 に つ い て 、 個 別 の 事 例 研 究 と し
Ⅰ タ イ プ Ⅱ タ イ プ Ⅲ タ イ プ Ⅳ タ イ プ Ⅴ タ イ プ Ⅵ タ イ プ な し
自 己 評 価・自 己 受 容 が 高 い タ イ プ
関 係 の 中 で の 自 己 が 高 い タ イ プ
自 己 主 張・自 己 決 定 が 高 い タ イ プ
自 己 評 価・自 己 受 容 が 低 い タ イ プ
関 係 の 中 で の 自 己 が 低 い タ イ プ
自 己 主 張・自 己 決 定 が 低 い タ イ プ
あ て は ま ら な い
0 名 12 名 (小6名、中6名)
6 名 (小3名、中3名)
10 名 (小5名、中5名)
3 名 (小1名、中2名)
3 名 (小2名、中1名)
17 名 (小 11 名、中6名) 表 5 対 象 児 童 ・ 生 徒 の タ イ プ の 傾 向
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基礎的・基本的な知識・技能を確実に習得させる指導の工夫(1年次)
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事 例 研 究 と し て 活 動 状 況 把 握 や 聞 き 取 り 結 果 を 交 え た 分 析 を 行 っ た 。
(3) 対 象 児 童 ・ 生 徒 の 個 別 事 例 に つ い て
自 尊 感 情 の 測 定 結 果 か ら 、 学 力 低 位 の 児 童 ・ 生 徒 は 、 学 習 に 対 す る 失 敗 の 積 み 重 ね の 影 響 が 学 習 意 欲 の 低 下 に つ な が っ て い る と 推 測 し 、 児 童 ・ 生 徒 の 活 動 状 況 把 握 に 重 点 を 置 い た 指 導 の 手 順 を 整 理 し た 。学 習 課 題 に 対 し て 、「 個 に 応 じ た 手 だ て 」を ど う 講 じ る か に よ っ て 児 童 ・ 生 徒 の 学 習 の 成 功 の 積 み 重 ね が 変 わ っ て く る と 考 え 、 学 習 課 題 へ の 取 組 を 示 す フ ロ ー チ ャ ー ト を 作 成 し た ( 図 5 )。
本 研 究 で は 、 対 象 児 童 ・ 生 徒 の 授 業 に お け る 活 動 状 況 把 握 を 複 数 で 行 い 、 授 業 後 に 観 察 者 同 士 で 、「 学 習 と 行 動 の チ ェ ッ ク リ ス ト 」の 項 目 を 参 考 に 情 報 の 共 有 を 図 り 、行 動 か ら つ ま ず き の 要 因 を 探 っ た 。 そ れ に 加 え 、 教 員 ( 学 級 担 任 、 教 科 担 任 等 ) へ の 聞 き 取 り で 学 習 面 だ け で は な く 、 生 活 面 な ど 様 々 な 面 か ら の 情 報 を 収 集 し た 。 さ ら に 、 自 尊 感 情 測 定 尺 度 を 用 い た 対 象 児 童 ・ 生 徒 の 自 尊 感 情 の 情 報 も 加 味 し 、 対 象 児 童 ・ 生 徒 の 状 況 を 記 し た 。 そ れ ら の 総 合 的 な 情 報 を 基 に 、 児 童 ・ 生 徒 の つ ま ず き に 対 し て 様 々 な 要 因 を 仮 定 し 、 本 人 の 特 性 の 中 で も 長 所 に 着 目 す る こ と で 、 個 に 応 じ た 改 善 の 手 だ て を 考 察 し た 。
学 校 で は 、 個 に 応 じ て 様 々 な 手 だ て を 講 じ て い る が 、 対 象 児 童 ・ 生 徒 の よ う に 学 力 低 位 に と ど ま っ て し ま う 場 合 が あ る 。 様 々 な 手 だ て を 講 じ て も 効 果 が 見 ら れ な い と き に は 、 個 に 応 じ た 手 だ て を 見 直 す こ と に 加 え 、 手 だ て を 講 じ る 前 段 階 の 「 状 況 把 握 」 が 間 違 っ て い な い か ど う か を 見 直 す 必 要 が あ る と 考 え た 。
そ し て 、 手 だ て が う ま く い か な い と き に は 、 も う 一 度 、 状 況 の 再 把 握 を 丁 寧 に 行 い 、 個 に 応 じ た 適 切 な 手 だ て を 講 じ る こ と に よ り 課 題 解 決 へ と 進 む こ と が で き 、 そ の 後 、 知 識 ・ 技 能 を 身 に 付 け た 児 童 ・ 生 徒 は 自 力 で 次 の 学 習 課 題 へ と 進 む こ と が で き る と 考 え た 。
図 5 学 習 課 題 へ の 取 組
基礎的・基本的な知識・技能を確実に習得させる指導の工夫(1年次)
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て 活 動 状 況 把 握 や 聞 き 取 り 結 果 を 交 え た 分 析 を 行 っ た 。
(3) 対 象 児 童 ・ 生 徒 の 個 別 事 例 に つ い て
自 尊 感 情 の 測 定 結 果 か ら 、 学 力 低 位 の 児 童 ・ 生 徒 は 、 学 習 に 対 す る 失 敗 の 積 み 重 ね の 影 響 が 学 習 意 欲 の 低 下 に つ な が っ て い る と 推 測 し 、 児 童 ・ 生 徒 の 活 動 状 況 把 握 に 重 点 を 置 い た 指 導 の 手 順 を 整 理 し た 。学 習 課 題 に 対 し て 、「 個 に 応 じ た 手 だ て 」を ど う 講 じ る か に よ っ て 児 童 ・ 生 徒 の 学 習 の 成 功 の 積 み 重 ね が 変 わ っ て く る と 考 え 、 学 習 課 題 へ の 取 組 を 示 す フ ロ ー チ ャ ー ト を 作 成 し た ( 図 3 )。
本 研 究 で は 、 対 象 児 童 ・ 生 徒 の 授 業 に お け る 活 動 状 況 把 握 を 複 数 で 行 い 、 授 業 後 に 観 察 者 同 士 で 、「 学 習 と 行 動 の チ ェ ッ ク リ ス ト 」の 項 目 を 参 考 に 情 報 の 共 有 を 図 り 、行 動 か ら つ ま ず き の 要 因 を 探 っ た 。 そ れ に 加 え 、 教 員 ( 学 級 担 任 、 教 科 担 任 等 ) へ の 聞 き 取 り で 学 習 面 だ け で は な く 、 生 活 面 な ど 様 々 な 面 か ら の 情 報 を 収 集 し た 。 さ ら に 、 自 尊 感 情 測 定 尺 度 を 用 い た 対 象 児 童 ・ 生 徒 の 自 尊 感 情 の 情 報 も 加 味 し 、 対 象 児 童 ・ 生 徒 の 状 況 を 記 し た 。 そ れ ら の 総 合 的 な 情 報 を 基 に 、 児 童 ・ 生 徒 の つ ま ず き に 対 し て 様 々 な 要 因 を 仮 定 し 、 本 人 の 特 性 の 中 で も 長 所 に 着 目 す る こ と で 、 個 に 応 じ た 改 善 の 手 だ て を 考 察 し た 。
学 校 で は 、 個 に 応 じ て 様 々 な 手 だ て を 講 じ て い る が 、 対 象 児 童 ・ 生 徒 の よ う に 学 力 低 位 に と ど ま っ て し ま う 場 合 が あ る 。 様 々 な 手 だ て を 講 じ て も 効 果 が 見 ら れ な い と き に は 、 個 に 応 じ た 手 だ て を 見 直 す こ と に 加 え 、 手 だ て を 講 じ る 前 段 階 の 「 状 況 把 握 」 が 間 違 っ て い な い か ど う か を 見 直 す 必 要 が あ る と 考 え た 。
そ し て 、 手 だ て が う ま く い か な い と き に は 、 も う 一 度 、 状 況 の 再 把 握 を 丁 寧 に 行 い 、 個 に 応 じ た 適 切 な 手 だ て を 講 じ る こ と に よ り 課 題 解 決 へ と 進 む こ と が で き 、 そ の 後 、 知 識 ・ 技 能 を 身 に 付 け た 児 童 ・ 生 徒 は 自 力 で 次 の 学 習 課 題 へ と 進 む こ と が で き る と 考 え た 。
図 3 学 習 課 題 へ の 取 組
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基礎的・基本的な知識・技能を確実に習得させる指導の工夫(1年次)
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事 例 ① 対 象 児 童 A 小 学 校 第 5 学 年 教 科 : 国 語 実 施 時 期 : 平 成
26年
11月 1 児 童 の 状 況
(1) 教 員 へ の 聞 き 取 り 等 か ら
①
興 味 ・ 関 心 に つ い て
工 作 が 好 き で 、 図 画 工 作 の 時 間 は 意 欲 的 に 取 り 組 ん で い る 。 ま た 、 外 遊 び が 好 き で あ る 。
②
学 習 面 で の 様 子
国 語 と 算 数 の 定 着 に 課 題 が あ る 。 算 数 は 、 少 人 数 指 導 の 教 員 か ら 個 別 に 指 導 を 受 け て い る 。 国 語 は 、 漢 字 の 学 習 に 苦 手 意 識 が あ る 。 文 中 の 漢 字 を 正 す 問 題 に つ い て は 難 し さ を 感 じ て い る こ と か ら 、 新 出 漢 字 の み を 出 題 す る 配 慮 を し て い る 。
③
生 活 面 で の 様 子
体 力 は 平 均 的 で 、健 康 面 は 特 に 問 題 な い 。提 出 物 を 期 限 ま で に 提 出 す る こ と が 難 し く 、 家 庭 で 学 習 す る 習 慣 が 身 に 付 い て い な い 。
④ 人 間 関 係
明 る い 性 格 で 、 休 み 時 間 は 友 達 と 外 遊 び や お し ゃ べ り を 楽 し ん で い る 。 ま た 、 放 課 後 は 、 友 達 と ゲ ー ム 等 で 遊 ん で い る 。 過 去 に は 、 友 達 と の 関 わ り に お い て ト ラ ブ ル が あ っ た が 、 特 に 避 け ら れ て は い な い 。
(2)
自 尊 感 情 測 定 結 果
学 年 集 団 の 自 尊 感 情 の 測 定 結 果 と 比 較 す る と 、 個 人 の 自 尊 感 情 の 測 定 結 果 の レ ー ダ ー チ ャ ー ト の 方 が 小 さ い こ と か ら 、 全 体 的 に 自 尊 感 情 が 低 い 傾 向 が 見 ら れ る 。 個 人 の レ ー ダ ー チ ャ ー ト の 中 で 、 A 、 B 、 C を 比 較 す る と 、「 B 関 係 の 中 で の 自 己 」 に 比 べ て 、「 C 自 己 主 張・自 己 決 定 」が 下 回 っ て い る 。以 上 の こ と か ら 、 「 B 関 係 の 中 で の 自 己 」の 観 点 の 高 さ を 生 か し て 、学 習 に つ い て も 対 人 的 な 関 わ り を 生 か す こ と が 有 効 で あ る と 考 え ら れ る 。
(3) 担 任 に よ る 「 学 習 と 行 動 の チ ェ ッ ク リ ス ト 」 評 価 か ら行 動 面 に つ い て は 、 全 て の 領 域 で
80% の 達 成 度 で あ る 。学 習 面 に つ い て は 、「 読 む 」、「 聞 く 」、「 話 す 」 の 領 域 が
80% 、「 計 算 す る 」、「 推 論 す る 」の 領 域 が
80~50% の 達 成 度 で あ り 、 「 言 葉 だ け の 説 明 で そ の 内 容 を 表 す 簡 単 な 図 や 絵 が 書 け る 」 の 項 目 が
20% 以 下 の 達 成 度 で あ っ た 。以 上 の こ と か ら 、 聴 覚 的 な 情 報 の 処 理 を 行 う よ り 、 視 覚 的 な 情 報 や 操 作 的 活 動 を 取 り 入 れ る 方 が 効 果 的 だ と 考 え ら れ る 。
(4) 状 況 把 握
平 成
26年 度「 児 童 ・ 生 徒 の 学 力 向 上 を 図 る た め の 調 査 」で は 、22 問 中 、正 答 数 は
12問 で あ っ た 。 領 域 別 の 正 答 率 は 、「 話 す ・ 聞 く 能 力 」 が
75% 、「 書 く 能 力 」 が 0 % 、「 読 む 能力 」が 約
66% で あ っ た 。ま た 、「 読 み 解 く 力 」に 関 す る 設 問 の 正 答 率 は 、約
34% で あ っ た 。「 言 語 に つ い て の 知 識 ・ 理 解 ・ 技 能 」の 正 答 率 が
25% で あ っ た こ と か ら 、漢 字 の 書 き 取り や 、 言 葉 の 役 割 、 文 の 簡 単 な 組 み 立 て な ど に つ い て 、 既 習 事 項 の 復 習 の 必 要 が あ る と 考 え ら れ る 。
上 記 調 査 の 結 果 か ら は 、 細 部 に 注 目 す る こ と が 苦 手 だ と 考 え ら れ る 。 特 に 、 漢 字 の 誤 答 に つ い て は 、 漢 字 の 全 体 は 捉 え て い る が 、 細 部 を 間 違 え て い る の か 、 全 く 書 け な い の か 、 同 音 異 義 語 で 間 違 え て い る の か な ど 、 誤 答 を 詳 し く 分 析 し て い く 必 要 が あ る 。
自 尊 感 情 測 定 結 果 学 年 集 団 自 尊 感 情 測 定 結 果 個 人
平 均
A
3.02B
3.25C
2.99平 均
A
2.50B
2.86C
2.29A 自 己 評 価・自 己 受 容
B 関 係 の 中 で の 自 己
C B
A
C 自 己 主 張・自 己 決 定
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